清掃具
【課題】 清掃具において、ゴミの捕集性を向上すること。
【解決手段】 押さえロール30をゴミ導入側に配置し、掻き上げロール40を押さえロール30に対するゴミ導入側と反対側に配置してなる清掃具10であって、押さえロール30としてクッションロールを用い、清掃時に押さえロール30と掻き上げロール40を互いに反対回転させ、押さえロール30を変形させて後方に導かれた床面1上のゴミを、押さえロール30と掻き上げロール40の間に挟みとり、両ロール30、40の回転によって床面1より上方に導いて、挟み力が解除されるとともに掻き上げロール40が弾き飛ばして捕集するもの。
【解決手段】 押さえロール30をゴミ導入側に配置し、掻き上げロール40を押さえロール30に対するゴミ導入側と反対側に配置してなる清掃具10であって、押さえロール30としてクッションロールを用い、清掃時に押さえロール30と掻き上げロール40を互いに反対回転させ、押さえロール30を変形させて後方に導かれた床面1上のゴミを、押さえロール30と掻き上げロール40の間に挟みとり、両ロール30、40の回転によって床面1より上方に導いて、挟み力が解除されるとともに掻き上げロール40が弾き飛ばして捕集するもの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は清掃具に関する。
【背景技術】
【0002】
清掃具として、特許文献1に記載の如く、フレームの清掃方向の前後に前ブラシと後ブラシを配置し、フレームの最後尾側に車輪を配置し、床面上のゴミを前ブラシと後ブラシの接触部分から掻き上げるものがある。
【特許文献1】特開2002-165731
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1の清掃具は、前ブラシの表面が例えば1mmから5mm程度の長さの起毛等の柔らかい刷子で覆われるとともに、前ブラシの軸を移動可能にしている。
【0004】
従って、特許文献1の清掃具では、大きなゴミに当たると、前ブラシが上方に移動し、その結果、前ブラシに届かない大きなゴミをとることができない。
【0005】
本発明の課題は、清掃具において、ゴミの捕集性を向上することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、押さえロールをゴミ導入側に配置し、掻き上げロールを押さえロールに対するゴミ導入側と反対側に配置してなる清掃具であって、押さえロールとしてクッションロールを用い、清掃時に押さえロールと掻き上げロールを互いに反対回転させ、押さえロールを変形させて後方に導かれた床面上のゴミを、押さえロールと掻き上げロールの間に挟みとり、両ロールの回転によって床面より上方に導いて捕集可能にし、クッションロールが捕集対象ゴミの形に倣う表面の弾性変形によってゴミを食い込ませ、表面の弾性的復元によってゴミを排出可能にするようにしたものである。
【0007】
請求項2の発明は、押さえロールをゴミ導入側に配置し、掻き上げロールを押さえロールに対するゴミ導入側と反対側に配置してなる清掃具であって、清掃時に押さえロールと掻き上げロールを互いに反対回転させ、かつ、両ロールを互いに食い込ませて接触させる接触部を形成し、該接触部の下端から床までの高さが押さえロールが取り込もうとするゴミの大きさより小さいようにしたものである。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において更に、前記押さえロールに対して掻き上げロールの径を小さくするようにしたものである。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1又は3の発明において更に、前記掻き上げロール及び/又はクッションロールは弾性たわみ変形によって床面に食い込むようにしたものである。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかの発明において更に、前記押さえロールの上方に粘着ロールを配置し、清掃時に両ロールが接触して一緒に回転するようにしたものである。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれかの発明において更に、前記掻き上げロールが掻き上げたゴミ等を捕集するゴミ捕集部を備えるようにしたものである。
【発明の効果】
【0012】
(請求項1)
(a)押さえロールとしてクッションロールを用いており、押さえロールのクッション部の厚みを最大径とする大きなゴミも小さなゴミもクッション部の変形によって包み込み、掻き上げロールの側に導き、押さえロールと掻き上げロールによって挟み込むから、清掃面にある大小様々のゴミをもらさず捕集することができる。
【0013】
クッションロールは、ロール表面が周方向の全周に渡って面状につながっているものをいい、スポンジロール、可撓プラスチックロール、ゴムロール、ロール表面が繊維の交絡層で覆われた不織布や網目体からなるロール等を採用できる。
【0014】
クッションロールのロール表面を弾性変形させてその表面に食い込んだゴミは、表面の弾性的復元力によって表面から弾き飛ばされて捕集されたり、弾性的に復元した表面からスクレーパにより掻き落とされて捕集される。
【0015】
(請求項2)
(b)押さえロールと掻き上げロールが互いに食い込んで接触する接触部を形成し、接触部の下端から床までの高さが取り込もうとするゴミの大きさより小さい。従って、取り込もうとするゴミが、押さえロールと掻き上げロールの接触部に挟み込まれ、床面上の一定以上の大きさのゴミを捕集することができる。
【0016】
(請求項3)
(c)押さえロールに対して掻き上げロールの径を小さくすることにより、掻き上げロールと押さえロールと床面の間の隙間を小さくし、床面上のゴミを押さえロールと掻き上げロールによって挟み込み易くする。
【0017】
(請求項4)
(d)掻き上げロール及び/又はクッションロールが弾性たわみ変形によって床面に食い込むようにしたから、床面上のゴミを押さえロールと掻き上げロールによって挟み込み易くする。
【0018】
(請求項5)
(e)押さえロールの上方に粘着ロールを配置し、清掃時に両ロールが接触して反対方向に一緒に回転するようにしたから、押さえロールの回転に粘着ロールを連れ回り回転させて駆動できる。粘着ロールの駆動ロールを格別に必要としない。塵取部等のゴミ回収スペースを大きくとることができる。
【0019】
(請求項6)
(f)押さえロールと掻き上げロールによって挟み込まれて弾き飛ばされるゴミを、掻き上げロールの後部の塵取部に回収できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
清掃具10は、床面1等の清掃面上のゴミ、例えば大粒、小粒の粒ゴミ、又はカーペット等の繊維に絡み付いた髪の毛等のゴミを捕集するものであり、図1〜図6に示す如く、柄11の先端部に左右揺動軸12を介して支持アーム13を清掃方向に交差する左右方向に揺動自在に結合し、支持アーム13の両側アーム部13Aに前後揺動軸14を介してフレーム15を清掃方向に沿う前後方向に揺動自在に支持している。
【0021】
清掃具10は、床面1と接触して転動する硬質の左右前輪21と左右後輪22(接地部)をフレーム15の前後の両側部に回転自在に設ける。尚、前輪21の回転軸21Aは、図3に示す如く、フレーム15の清掃方向の前後に沿って設けた長孔15Aに支持され、前輪21は前進時には長孔15Aの後方側に、後進時には長孔15Aの前方側に位置付けられる。清掃具10は、床面1に摺接する硬質シューを接地部として設けるものでも良い。
【0022】
清掃具10は、フレーム15の清掃方向に沿う前後に弾性押さえロール30(清掃ロール)と弾性掻き上げロール40を平行に並べて配置し、それら両ロール30、40を前輪21と後輪22の接地線(前輪21の接地点と後輪22の接地点を結ぶ直線)よりも外方(床面1に入る側)へ張り出る大径にする。
【0023】
押さえロール30は、フレーム15のゴミ導入側に配置され、清掃方向に直交する横方向において、左右の前輪21、後輪22に挟まれる概ね全域に渡って床面1に接する範囲で、フレーム15に支持される前輪21の回転軸21Aに支持され、床面1に接触して転動する。押さえロール30は、前輪21の回転力により同軸駆動されるものであり、前輪21の回転軸21Aに固定的に結合されても良いが、床面1と掻き上げロール40に対して大きくこすれ回転することのないように、回転軸21Aに摩擦接触して駆動される。押さえロール30は、床面1に接する少なくとも表面を弾性たわみできる材質(弾性可撓材料)にて構成する。押さえロール30としては、筒状のスポンジロール、可撓プラスチックロール、ゴムロール等を採用できるが、スポンジロール等のクッションロールが好適である。
【0024】
掻き上げロール40は、フレーム15の押さえロール30に対するゴミ導入側と反対側に配置され、清掃方向に直交する横方向において、押さえロール30に相並ぶ範囲で、フレーム15の両側部に支持される左右伝動輪41の回転軸41Aに支持され、床面1に接触して転動する。左右の各伝動輪41は、左右の各前輪21の後方に回転自在に支持され、前進時の前輪21に接して該前輪21に連れ回り駆動される(図2)。前輪21に同軸駆動される押さえロール30と、前輪21に伝動輪41を介して駆動される掻き上げロール40とは、互いに反対回転するものになる。尚、後退時の前輪21は、前述した如く、フレーム15に設けた長孔15Aの前方側に移動し、伝動輪41から離れるため、伝動輪41を連れ回り駆動させることがない(図3)。掻き上げロール40は、床面1に接する少なくとも表面を弾性たわみできる材質(弾性可撓材料)にて構成する。掻き上げロール40としては、筒状のスポンジロール、エアクッションロール(ゴム風船状のロール)、可撓プラスチックロール、ゴムロール、ブラシロール等を採用できるが、押さえロール30を構成するスポンジロールとの組合せにおいて、ブラシロールが好適である。
【0025】
清掃具10は、押さえロール30の半径と掻き上げロール40の半径の和を、フレーム15に支持されたそれら両ロール30、40の軸間距離より大きくし、結果としてそれら両ロール30、40をそれらの接触部の弾性たわみ変形によって互いに食い込ませ接触させる接触部を形成し、該接触部の下端から床までの高さを押さえロール30が取り込もうとするゴミの大きさより小さくする(図1)。
【0026】
清掃具10は、床面1に前輪21と後輪22を接触させて転動させる清掃時に、図1に示す如く、床面1に接する押さえロール30と掻き上げロール40を床面1との接触部で前輪21と後輪22の接地線よりも張り出た大外径部分を大きく弾性たわみ変形させるとともに、それら両ロール30、40を互いに概ね同一周速で反対回転させる。両ロール30、40は互いに食い込み、かつ床面1に対して大きく弾性たわみ変形して食い込み、また押さえロール30に対して掻き上げロール40の径を小さくし、両ロール30、40の会合点Aと床面1との間に側面視三角形状のデッドスペース(隙間)を概ねなくし、両ロール30、40は床面1上で概ね隙間なく会合する。
【0027】
従って、清掃具10による清掃時に、押さえロール30は床面1に対して大きくこすれずに回転しつつ床面1上のゴミを逃げないように押さえ込む。押さえロール30を変形させて後方に導かれた床面1上のゴミを、押さえロール30と掻き上げロール40の間に挟みとり、両ロール30、40の回転によって床面1より上方に導いて、挟み力が解除されるとともに掻き上げロール40がはじき飛ばして捕集する。即ち、押さえロール30が押さえた床面1上のゴミは該押さえロール30と掻き上げロール40の会合点Aでそれら両ロール30、40の間に挟み取られて床面1からつまみ上げられ、それら両ロール30、40の離隔点Bで押さえロール30の弾性復元力により押し出されるとともに、掻き上げロール40の弾性復元力により弾き飛ばされる。このゴミは、後述する塵取部50に捕集される。
【0028】
清掃具10は、具体例として示せば、図2に示す如く、押さえロール30の直径を40mm(前輪21の直径を34mm)、掻き上げロール40の直径を25mm、押さえロール30と掻き上げロール40の軸間距離Lを25mm、伝動輪41の直径を16mm、両ロール30、40を床面1に食い込ませたときの両ロール30、40の中心軸と床面1との距離Hを8〜10mmとする。
【0029】
清掃具10は、押さえロール30としてクッションロールを用いるとき、押さえロール30の表面のクッション部の厚みを好適には5mm以上にし、押さえロール30の軸芯を除く全体をクッション部とするものでも良い。
【0030】
清掃具10は、図1に示す如く、フレーム15における掻き上げロール40に対する清掃方向の後部に塵取部50(ゴミ捕集部)を配置する。塵取部50は、フレーム15と一体の箱状のゴミ受け部51を有し、ゴミ受け部51の前方下部から下ゴミ止め部52を立ち上げ、前方上部に上ゴミ止め部53を設ける。下ゴミ止め部52は掻き上げロール40の外周に沿う円弧状をなし、上ゴミ止め部53は後述する粘着ロールホルダ60の回転カバー62の回転進入時の外周に沿う円弧状をなし、上ゴミ止め部53の下縁は押さえロール30の外周に近接する。下ゴミ止め部52の上縁と上ゴミ止め部53の下縁の間をゴミ送り間隔(ゴミ送り込み口)54とする。押さえロール30と掻き上げロール40が弾き飛ばすゴミがゴミ送り込み口54経由でゴミ受け部51に捕集される。
【0031】
塵取部50は、ゴミ受け部51の後部開口51Aに後蓋55を開閉自在に備える。後蓋55は、ゴミ受け部51の後方下部に設けた支軸55Aに下端部を揺動自在に支持し、上端部に係止レバー56を備える。係止レバー56は、不図示のばね力によりゴミ受け部51の後方上部に設けた係止爪57に係止し(図1、図6)、手動操作によって回動されて係止爪57との係止を解除する(図8)。塵取部50へのゴミ捕集時には、後蓋55によりゴミ受け部51の後部開口51Aを閉じ、ゴミ払い出し時には、係止レバー56により開き操作される後蓋55によりゴミ受け部51の後部開口51Aを開き(図7、図9)、後部開口51Aからゴミ除去する。塵取部50のゴミ受け部51、後蓋55等は、ゴミの捕集状態を視認できるような透明材料にて構成されるのが良い。
【0032】
清掃具10は、フレーム15における押さえロール30の上部に粘着ロールホルダ60を設け、押さえロール30の上に粘着ロール70を載置する。粘着ロール70は、粘着ロールホルダ60の後述する両ロール支軸63、64に径方向遊びをもってセットされながら、押さえロール30の上に載置され、清掃時に押さえロール30の外周に接しながら押さえロール30の回転に連れ回る。粘着ロール70は、粘着シート71の巻取りロールの構成、又は表面が粘着性のエラストマーからなり、その表面を洗浄して再使用可能にする構成を含む。本実施例の粘着ロール70は、粘着シート71をコア72に例えば1回使用分ずつ巻き回し、粘着シート71の粘着面を外側に向けて巻出し可能にかつ切断可能にした巻取りロールにて構成される。粘着ロール70は押さえロール30の回転に連れ回りつつ、押さえロール30の表面に巻きついた髪の毛等のゴミを粘着捕捉する。
【0033】
粘着ロールホルダ60は、図14、図15に示す如く、フレーム15の前方上面で清掃方向に直交する横方向において、押さえロール30に相並ぶ範囲に渡る、概ね矩形枠状をなす窓枠61を設け、この窓枠61の左右両側部内面に回転カバー62を回転可能に設ける。回転カバー62は、半円弧状断面又はU字状断面等の透明材料からなる略半割筒状体をなし、両側壁を有する。回転カバー62の左右一方の側壁に固定側ロール支軸63を設けるとともに、左右他方の側壁にスライド側ロール支軸64を設け、両ロール支軸63、64に粘着ロール70のコア72を回転自在に支持する。
【0034】
粘着ロールホルダ60にあっては、固定側ロール支軸63が回転カバー62の一方の側壁を貫通し、窓枠61の一方の側壁に挿通した固定ピン65を固定側ロール支軸63に螺着し、固定側ロール支軸63を固定する。回転カバー62は窓枠61と固定側ロール支軸63の間で隙間を有し、固定側ロール支軸63に対して軽く回転できる。また、スライド側ロール支軸64は窓枠61の他方の側壁、回転カバー62の他方の側壁を貫通し、その貫通端にスペーサ66、コイルばね67、スライドプレート68を挿入後、固定ピン69をスライド側ロール支軸64に螺着し、スライド側ロール支軸64を固定する。
【0035】
粘着ロールホルダ60は、押さえロール30と粘着ロール70をフレーム15に支持された状態を維持して両ロール30、70の接触状態と非接触状態を切り替える隔離手段を構成する。具体的には、粘着ロールホルダ60は、回転カバー62の回転支軸としてのピン65と支軸64を、ロール支軸63、64と同芯にし、回転カバー62をそれらの回転支軸まわりで開閉回転できる。
【0036】
回転カバー62は、図10、図12に示す如く、回転カバー62の半円弧状断面又はU字状断面等の半割断面の前縁フランジ62Aを窓枠61の前部上縁に当接する閉じ位置に位置付けられた状態で、窓枠61を閉じ、両ロール支軸63、64に支持されている粘着ロール70を覆い、両ロール30、70を接触状態にする。他方、図11、図13に示す如く、回転カバー62の前縁フランジ62Aを窓枠61の後部上縁に当接する開き位置に位置付けられた状態で、窓枠61を開き、回転カバー62を押さえロール30と粘着ロール70の間に介在して粘着ロール70を外界に臨ませ、両ロール30、70を非接触状態にし、両ロール支軸63、64に新旧粘着ロール70のコア72を着脱し、又は両ロール支軸63、64にセットされている粘着ロール70の使用済粘着シート71を剥離除去可能にする。即ち、回転カバー62は閉じ位置から開き位置へ移行するとき、回転カバー62の前縁フランジ62Aと反対側の後縁部を押さえロール30の上部外周にめり込ませ、これによって弾性たわみ変形せしめられた押さえロール30の上部外周と粘着ロール70の間に介在する。即ち、回転カバー62は、押さえロール30を変形させることによって両ロール30、70の表面の間を離間し、接触状態と非接触状態に切り替える。これにより、回転カバー62を開き状態にして、両ロール支軸63、64にセットされている粘着ロール70の粘着シート71の使用済の1周巻き分を剥離除去しようとするとき、粘着シート71を押さえロール30の外周に粘着させずにスムースに剥離できる。粘着シート71が1回使用分ずつ重ねて巻かれている場合には1回使用分を剥離するが、連続する粘着シート71が巻かれていものは、1回使用分を剥離して切断除去する場合には粘着シート71の剥離端を回転カバー62の前縁又は後縁のエッジを用いて切断できる。
【0037】
粘着ロールホルダ60は、粘着ロール70を両ロール支軸63、64にセットした状態で、図14に示す如く、スライドプレート68をコイルばね67により固定ピン69のフランジ側に押付け、スライドプレート68とこれに相対する窓枠61の一方の側壁との間隔を小さくし、粘着ロール70が固定ピン69から外れる軸方向ずれを防止する。他方、粘着ロール70を両ロール支軸63、64から外すときには、図15に示す如く、粘着ロール70をスライドプレート68の側に押す(P1)ことで、コイルばね67を圧縮し、スライドプレート68を窓枠61の他方の側壁の側にスライドさせ、スライドプレート68とこれに相対する窓枠61の一方の側壁との間隔を大きくし、固定側ロール支軸63側の粘着ロール70の一端を持ち上げる(P2)ことで、粘着ロール70を外す(粘着ロール70を両ロール支軸63、64に取付ける場合も同じ)。
【0038】
清掃具10による清掃動作は以下の如くなされる。
(1)清掃具10が柄11に加える押付け操作力により前輪21と後輪22を床面1に押付けて前進せしめられると、前輪21がフレーム15の長孔15Aの後方側に移動して伝動輪41にしっかり接し、前輪21の回転力によって直に押さえロール30を回転させるとともに、前輪21の回転力を伝動輪41経由で掻き上げロール40に伝え、掻き上げロール40を押さえロール30と反対方向に回転させる。
【0039】
このとき、両ロール30、40は互いに食い込み、かつ床面1に接地する両ロール30、40の外径部分を大きく弾性たわみ変形させ、特に前輪21の回転軸21Aと一緒に後方に移動するスポンジ製押さえロール30が床面1との接触により後方に引きずられて掻き上げロール40との隙間を殆どなくす。
【0040】
これにより、両ロール30、40の会合点Aと床面1との間に側面視三角形状のデッドスペースを概ねなくし、両ロール30、40は床面1上で概ね隙間なく会合する。
【0041】
(2)上述(1)により、押さえロール30は床面1に対して大きくこすれずに回転しつつ床面1上のゴミを逃げないように押さえ込む。押さえロール30が押さえた床面1上のゴミは該押さえロール30と掻き上げロール40の会合点Aでそれら両ロール30、40の間に挟み取られて床面1からつかみ上げられ、押さえロール30がゴミの形に倣う表面のクッション性弾性変形によってゴミを食い込ませ、このゴミをそれら両ロール30、40の離隔点Bで押さえロール30の弾性復元力により押し出すとともに、掻き上げロール40の弾性復元力により弾き飛ばされ、ゴミ送り込み口54経由で塵取部50のゴミ受け部51に捕集される。
【0042】
押さえロール30の弾性的に復元された表面に付着するゴミは、押さえロール30の外周に近接している上ゴミ止め部53の下縁スクレーパにより掻き落とされてゴミ受け部51に捕集される。
【0043】
同時に、押さえロール30の表面に巻き付いた髪の毛等のゴミが、押さえロール30の上の粘着ロール70の粘着シート71に粘着捕捉される。
これにより、小さな紙片やスパゲッティ等の細長いゴミも捕集される。
【0044】
(3)清掃具10が後退せしめられるときには、床面1からの押付け操作力が解放されて押さえロール30と掻き上げロール40が床面1に対する反発力が前輪21を床面1から浮かし、また前輪21がフレーム15の長孔15Aの前方側へ移動して伝動輪41から離れ、押さえロール30と掻き上げロール40が逆回転しない。従って、塵取部50のゴミ受け部51に取り込んだゴミを、押さえロール30と掻き上げロール40の逆転によりゴミ受け部51から吐き出すことがない。
【0045】
(4)塵取部50のゴミ受け部51に多量のゴミがたまったことを視認したら、後蓋55を開いてゴミ受け部51の後部開口51Aからゴミを除去する。
【0046】
(5)粘着ロール70の粘着シート71に多量のゴミが捕捉されたことを視認したら、粘着ロールホルダ60の回転カバー62を開き、1周巻き分の粘着シート71を剥離切断除去し、新規粘着面を露出せしめる。
【0047】
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)押さえロール30としてクッションロールを用いており、押さえロール30のクッション部の厚みを最大径とする大きなゴミも小さなゴミもクッション部の変形によって包み込み、掻き上げロール40の側に導き、押さえロール30と掻き上げロール40によって挟み込むから、清掃面にある大小様々のゴミをもらさず捕集することができる。
【0048】
(b)押さえロール30と掻き上げロール40が互いに食い込んで接触する接触部を形成し、接触部の下端から床までの高さが取り込もうとするゴミの大きさより小さい。従って、取り込もうとするゴミが、押さえロール30と掻き上げロール40の接触部に挟み込まれ、床面1上の一定以上の大きさのゴミを捕集することができる。
【0049】
(c)押さえロール30に対して掻き上げロール40の径を小さくすることにより、掻き上げロール40と押さえロール30と床面1の間の隙間を小さくし、床面1上のゴミを押さえロール30と掻き上げロール40によって挟み込み易くする。
【0050】
(d)掻き上げロール40及び/又はクッションロールが弾性たわみ変形によって床面1に食い込むようにしたから、床面1上のゴミを押さえロール30と掻き上げロール40によって挟み込み易くする。
【0051】
(e)押さえロール30の上方に粘着ロール70を配置し、清掃時に両ロール30、70が接触して一緒に回転するようにしたから、押さえロール30の回転に粘着ロール70を連れ回り回転させて駆動できる。粘着ロール70の駆動ロールを格別に必要としない。塵取部50等のゴミ回収スペースを大きくとることができる。
【0052】
(f)押さえロール30と掻き上げロール40によって挟み込まれて弾き飛ばされるゴミを、掻き上げロール40の後部の塵取部50に回収できる。
【0053】
尚、本実施例によれば以下の作用効果も奏する。
(a)押さえロール30と粘着ロール70をフレーム15に支持された状態を維持して両ロール30、70の接触状態と非接触状態を切り替える粘着ロールホルダ60(隔離手段)を備える。従って、粘着ロール70を交換するに際しては、粘着ロールホルダ60(隔離手段)により粘着ロール70を押さえロール30から非接触にし、その後、該粘着ロール70をロール支軸63、64から容易に取外しできる。
【0054】
(b)清掃具10に粘着ロール70を支持したまま、粘着ロール70の使用済粘着シート71を剥離除去するに際しては、粘着ロールホルダ60(隔離手段)により粘着ロール70を押さえロール30から非接触にし、その後、粘着ロール70のシート端を引張れば、粘着ロール70はロール支軸63、64に対して回転し、1周巻き分の使用済粘着シート71を剥離除去できる。このとき、粘着ロール70は、押さえロール30から隔離されており、スムースに回転できるから、使用済粘着シート71の剥離除去性は良い。
【0055】
(c)粘着ロールホルダ60(隔離手段)は、押さえロール30を変形させて押さえロール30の表面と粘着ロール70の表面を離間させるから、接触状態から非接触状態に容易に切り替えできる。
【0056】
(d)押さえロール30と掻き上げロール40が互いに食い込み、かつ床面1に対して大きくたわみ変形するから、両ロール30、40の会合点Aと床面1との間に側面視三角形状のデッドスペースを概ねなくし、両ロール30、40を床面1上で概ね隙間なく会合させ得るものとなる。このため、押さえロール30が押さえた床面1上のゴミの概ねを掻き上げロール40との会合点Aに移送し、その会合点Aで両ロール30、40の間に挟み取り、それら両ロール30、40の離隔点Bで押さえロール30が押し出すゴミを掻き上げロール40にて弾き飛ばして捕集できる。
【0057】
(e)押さえロール30の下をすり抜ける薄い紙シート等のゴミは、反対回転中の掻き上げロール40により押し戻されると、この押し戻された部分を両ロール30、40の会合点Aで直ちに両ロール30、40の間に摘みとり、それら両ロール30、40の離隔点Bで押さえロール30に押し出され、掻き上げロール40にて弾き飛ばされて捕集される。
【0058】
(f)筒状スポンジからなる押さえロール30が、床面1の凹凸の全面に隙間なく倣うようにやわらかく変形して該凹凸をなす床面1内のゴミを押さえ、又は床面1上の大きなゴミに対してはやわらかくへこんでこれを包むようにして該大きなゴミを押さえ、それらのゴミを掻き上げロール40との会合点Aの側に確実に移送できる。
【0059】
(g)筒状スポンジからなる押さえロール30は、髪の毛等のゴミが表面にからみつき、これに接する粘着ロール70に粘着させて回収できる。押さえロール30がブラシからなるときには、髪の毛等がブラシの芯にからみついて除去困難になる。
【0060】
(h)筒状スポンジからなる押さえロール30は、粘着ロール70を支えてこれを確実に連れ回りさせることができる。押さえロール30がブラシからなるときには、粘着ロール70の重量によりブラシが座屈し、粘着ロール70を連れ回りさせることができない。
【0061】
尚、清掃具10にあっては、塵取部50のゴミ受け部51が掻き上げロール40の外周に沿って高く立ち上がる下ゴミ止め部52と、押さえロール30の外周に近接して粘着ロール70の側を完全に遮断する上ゴミ止め部53を備え、ゴミ送り込み口54から後蓋55の側に渡るゴミ受け空間の全域を閉塞状にするから、押さえロール30及び掻き上げロール40が弾き飛ばすゴミの捕集性が良い。
【0062】
また、清掃具10にあっては、前輪21の回転軸21Aに押さえロール30を直に結合するものに限らず、前輪21と押さえロール30の間に増速ギアを介するものでも良い。また、押さえロール30は前輪21の回転力を駆動源とするものに限らず、他の駆動源により回転せしめられるものでも良い。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】図1は清掃具を示す断面図である。
【図2】図2は清掃具の前進状態を示す側面図である。
【図3】図3は清掃具の後退状態を示す側面図である。
【図4】図4は清掃具を示す正面図である。
【図5】図5は図4のV−V線に沿う断面図である。
【図6】図6は塵取部の後蓋閉じ状態を示す斜視図である。
【図7】図7は塵取部の後蓋開き状態を示す斜視図である。
【図8】図8は塵取部の後蓋係止解除状態を示す断面図である。
【図9】図9は塵取部の後蓋開き状態を示す断面図である。
【図10】図10は粘着ロールホルダのカバー閉じ状態を示す斜視図である。
【図11】図11は粘着ロールホルダのカバー開き状態を示す斜視図である。
【図12】図12は粘着ロールホルダのカバー閉じ状態を示す断面図である。
【図13】図13は粘着ロールホルダのカバー開き状態を示す断面図である。
【図14】図14は粘着ロールのセット状態を示す断面図である。
【図15】図15は粘着ロールの着脱状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0064】
10 清掃具
30 押さえロール(クッションロール)
40 掻き上げロール
50 塵取部(ゴミ捕集部)
70 粘着ロール
【技術分野】
【0001】
本発明は清掃具に関する。
【背景技術】
【0002】
清掃具として、特許文献1に記載の如く、フレームの清掃方向の前後に前ブラシと後ブラシを配置し、フレームの最後尾側に車輪を配置し、床面上のゴミを前ブラシと後ブラシの接触部分から掻き上げるものがある。
【特許文献1】特開2002-165731
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1の清掃具は、前ブラシの表面が例えば1mmから5mm程度の長さの起毛等の柔らかい刷子で覆われるとともに、前ブラシの軸を移動可能にしている。
【0004】
従って、特許文献1の清掃具では、大きなゴミに当たると、前ブラシが上方に移動し、その結果、前ブラシに届かない大きなゴミをとることができない。
【0005】
本発明の課題は、清掃具において、ゴミの捕集性を向上することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、押さえロールをゴミ導入側に配置し、掻き上げロールを押さえロールに対するゴミ導入側と反対側に配置してなる清掃具であって、押さえロールとしてクッションロールを用い、清掃時に押さえロールと掻き上げロールを互いに反対回転させ、押さえロールを変形させて後方に導かれた床面上のゴミを、押さえロールと掻き上げロールの間に挟みとり、両ロールの回転によって床面より上方に導いて捕集可能にし、クッションロールが捕集対象ゴミの形に倣う表面の弾性変形によってゴミを食い込ませ、表面の弾性的復元によってゴミを排出可能にするようにしたものである。
【0007】
請求項2の発明は、押さえロールをゴミ導入側に配置し、掻き上げロールを押さえロールに対するゴミ導入側と反対側に配置してなる清掃具であって、清掃時に押さえロールと掻き上げロールを互いに反対回転させ、かつ、両ロールを互いに食い込ませて接触させる接触部を形成し、該接触部の下端から床までの高さが押さえロールが取り込もうとするゴミの大きさより小さいようにしたものである。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において更に、前記押さえロールに対して掻き上げロールの径を小さくするようにしたものである。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1又は3の発明において更に、前記掻き上げロール及び/又はクッションロールは弾性たわみ変形によって床面に食い込むようにしたものである。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかの発明において更に、前記押さえロールの上方に粘着ロールを配置し、清掃時に両ロールが接触して一緒に回転するようにしたものである。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれかの発明において更に、前記掻き上げロールが掻き上げたゴミ等を捕集するゴミ捕集部を備えるようにしたものである。
【発明の効果】
【0012】
(請求項1)
(a)押さえロールとしてクッションロールを用いており、押さえロールのクッション部の厚みを最大径とする大きなゴミも小さなゴミもクッション部の変形によって包み込み、掻き上げロールの側に導き、押さえロールと掻き上げロールによって挟み込むから、清掃面にある大小様々のゴミをもらさず捕集することができる。
【0013】
クッションロールは、ロール表面が周方向の全周に渡って面状につながっているものをいい、スポンジロール、可撓プラスチックロール、ゴムロール、ロール表面が繊維の交絡層で覆われた不織布や網目体からなるロール等を採用できる。
【0014】
クッションロールのロール表面を弾性変形させてその表面に食い込んだゴミは、表面の弾性的復元力によって表面から弾き飛ばされて捕集されたり、弾性的に復元した表面からスクレーパにより掻き落とされて捕集される。
【0015】
(請求項2)
(b)押さえロールと掻き上げロールが互いに食い込んで接触する接触部を形成し、接触部の下端から床までの高さが取り込もうとするゴミの大きさより小さい。従って、取り込もうとするゴミが、押さえロールと掻き上げロールの接触部に挟み込まれ、床面上の一定以上の大きさのゴミを捕集することができる。
【0016】
(請求項3)
(c)押さえロールに対して掻き上げロールの径を小さくすることにより、掻き上げロールと押さえロールと床面の間の隙間を小さくし、床面上のゴミを押さえロールと掻き上げロールによって挟み込み易くする。
【0017】
(請求項4)
(d)掻き上げロール及び/又はクッションロールが弾性たわみ変形によって床面に食い込むようにしたから、床面上のゴミを押さえロールと掻き上げロールによって挟み込み易くする。
【0018】
(請求項5)
(e)押さえロールの上方に粘着ロールを配置し、清掃時に両ロールが接触して反対方向に一緒に回転するようにしたから、押さえロールの回転に粘着ロールを連れ回り回転させて駆動できる。粘着ロールの駆動ロールを格別に必要としない。塵取部等のゴミ回収スペースを大きくとることができる。
【0019】
(請求項6)
(f)押さえロールと掻き上げロールによって挟み込まれて弾き飛ばされるゴミを、掻き上げロールの後部の塵取部に回収できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
清掃具10は、床面1等の清掃面上のゴミ、例えば大粒、小粒の粒ゴミ、又はカーペット等の繊維に絡み付いた髪の毛等のゴミを捕集するものであり、図1〜図6に示す如く、柄11の先端部に左右揺動軸12を介して支持アーム13を清掃方向に交差する左右方向に揺動自在に結合し、支持アーム13の両側アーム部13Aに前後揺動軸14を介してフレーム15を清掃方向に沿う前後方向に揺動自在に支持している。
【0021】
清掃具10は、床面1と接触して転動する硬質の左右前輪21と左右後輪22(接地部)をフレーム15の前後の両側部に回転自在に設ける。尚、前輪21の回転軸21Aは、図3に示す如く、フレーム15の清掃方向の前後に沿って設けた長孔15Aに支持され、前輪21は前進時には長孔15Aの後方側に、後進時には長孔15Aの前方側に位置付けられる。清掃具10は、床面1に摺接する硬質シューを接地部として設けるものでも良い。
【0022】
清掃具10は、フレーム15の清掃方向に沿う前後に弾性押さえロール30(清掃ロール)と弾性掻き上げロール40を平行に並べて配置し、それら両ロール30、40を前輪21と後輪22の接地線(前輪21の接地点と後輪22の接地点を結ぶ直線)よりも外方(床面1に入る側)へ張り出る大径にする。
【0023】
押さえロール30は、フレーム15のゴミ導入側に配置され、清掃方向に直交する横方向において、左右の前輪21、後輪22に挟まれる概ね全域に渡って床面1に接する範囲で、フレーム15に支持される前輪21の回転軸21Aに支持され、床面1に接触して転動する。押さえロール30は、前輪21の回転力により同軸駆動されるものであり、前輪21の回転軸21Aに固定的に結合されても良いが、床面1と掻き上げロール40に対して大きくこすれ回転することのないように、回転軸21Aに摩擦接触して駆動される。押さえロール30は、床面1に接する少なくとも表面を弾性たわみできる材質(弾性可撓材料)にて構成する。押さえロール30としては、筒状のスポンジロール、可撓プラスチックロール、ゴムロール等を採用できるが、スポンジロール等のクッションロールが好適である。
【0024】
掻き上げロール40は、フレーム15の押さえロール30に対するゴミ導入側と反対側に配置され、清掃方向に直交する横方向において、押さえロール30に相並ぶ範囲で、フレーム15の両側部に支持される左右伝動輪41の回転軸41Aに支持され、床面1に接触して転動する。左右の各伝動輪41は、左右の各前輪21の後方に回転自在に支持され、前進時の前輪21に接して該前輪21に連れ回り駆動される(図2)。前輪21に同軸駆動される押さえロール30と、前輪21に伝動輪41を介して駆動される掻き上げロール40とは、互いに反対回転するものになる。尚、後退時の前輪21は、前述した如く、フレーム15に設けた長孔15Aの前方側に移動し、伝動輪41から離れるため、伝動輪41を連れ回り駆動させることがない(図3)。掻き上げロール40は、床面1に接する少なくとも表面を弾性たわみできる材質(弾性可撓材料)にて構成する。掻き上げロール40としては、筒状のスポンジロール、エアクッションロール(ゴム風船状のロール)、可撓プラスチックロール、ゴムロール、ブラシロール等を採用できるが、押さえロール30を構成するスポンジロールとの組合せにおいて、ブラシロールが好適である。
【0025】
清掃具10は、押さえロール30の半径と掻き上げロール40の半径の和を、フレーム15に支持されたそれら両ロール30、40の軸間距離より大きくし、結果としてそれら両ロール30、40をそれらの接触部の弾性たわみ変形によって互いに食い込ませ接触させる接触部を形成し、該接触部の下端から床までの高さを押さえロール30が取り込もうとするゴミの大きさより小さくする(図1)。
【0026】
清掃具10は、床面1に前輪21と後輪22を接触させて転動させる清掃時に、図1に示す如く、床面1に接する押さえロール30と掻き上げロール40を床面1との接触部で前輪21と後輪22の接地線よりも張り出た大外径部分を大きく弾性たわみ変形させるとともに、それら両ロール30、40を互いに概ね同一周速で反対回転させる。両ロール30、40は互いに食い込み、かつ床面1に対して大きく弾性たわみ変形して食い込み、また押さえロール30に対して掻き上げロール40の径を小さくし、両ロール30、40の会合点Aと床面1との間に側面視三角形状のデッドスペース(隙間)を概ねなくし、両ロール30、40は床面1上で概ね隙間なく会合する。
【0027】
従って、清掃具10による清掃時に、押さえロール30は床面1に対して大きくこすれずに回転しつつ床面1上のゴミを逃げないように押さえ込む。押さえロール30を変形させて後方に導かれた床面1上のゴミを、押さえロール30と掻き上げロール40の間に挟みとり、両ロール30、40の回転によって床面1より上方に導いて、挟み力が解除されるとともに掻き上げロール40がはじき飛ばして捕集する。即ち、押さえロール30が押さえた床面1上のゴミは該押さえロール30と掻き上げロール40の会合点Aでそれら両ロール30、40の間に挟み取られて床面1からつまみ上げられ、それら両ロール30、40の離隔点Bで押さえロール30の弾性復元力により押し出されるとともに、掻き上げロール40の弾性復元力により弾き飛ばされる。このゴミは、後述する塵取部50に捕集される。
【0028】
清掃具10は、具体例として示せば、図2に示す如く、押さえロール30の直径を40mm(前輪21の直径を34mm)、掻き上げロール40の直径を25mm、押さえロール30と掻き上げロール40の軸間距離Lを25mm、伝動輪41の直径を16mm、両ロール30、40を床面1に食い込ませたときの両ロール30、40の中心軸と床面1との距離Hを8〜10mmとする。
【0029】
清掃具10は、押さえロール30としてクッションロールを用いるとき、押さえロール30の表面のクッション部の厚みを好適には5mm以上にし、押さえロール30の軸芯を除く全体をクッション部とするものでも良い。
【0030】
清掃具10は、図1に示す如く、フレーム15における掻き上げロール40に対する清掃方向の後部に塵取部50(ゴミ捕集部)を配置する。塵取部50は、フレーム15と一体の箱状のゴミ受け部51を有し、ゴミ受け部51の前方下部から下ゴミ止め部52を立ち上げ、前方上部に上ゴミ止め部53を設ける。下ゴミ止め部52は掻き上げロール40の外周に沿う円弧状をなし、上ゴミ止め部53は後述する粘着ロールホルダ60の回転カバー62の回転進入時の外周に沿う円弧状をなし、上ゴミ止め部53の下縁は押さえロール30の外周に近接する。下ゴミ止め部52の上縁と上ゴミ止め部53の下縁の間をゴミ送り間隔(ゴミ送り込み口)54とする。押さえロール30と掻き上げロール40が弾き飛ばすゴミがゴミ送り込み口54経由でゴミ受け部51に捕集される。
【0031】
塵取部50は、ゴミ受け部51の後部開口51Aに後蓋55を開閉自在に備える。後蓋55は、ゴミ受け部51の後方下部に設けた支軸55Aに下端部を揺動自在に支持し、上端部に係止レバー56を備える。係止レバー56は、不図示のばね力によりゴミ受け部51の後方上部に設けた係止爪57に係止し(図1、図6)、手動操作によって回動されて係止爪57との係止を解除する(図8)。塵取部50へのゴミ捕集時には、後蓋55によりゴミ受け部51の後部開口51Aを閉じ、ゴミ払い出し時には、係止レバー56により開き操作される後蓋55によりゴミ受け部51の後部開口51Aを開き(図7、図9)、後部開口51Aからゴミ除去する。塵取部50のゴミ受け部51、後蓋55等は、ゴミの捕集状態を視認できるような透明材料にて構成されるのが良い。
【0032】
清掃具10は、フレーム15における押さえロール30の上部に粘着ロールホルダ60を設け、押さえロール30の上に粘着ロール70を載置する。粘着ロール70は、粘着ロールホルダ60の後述する両ロール支軸63、64に径方向遊びをもってセットされながら、押さえロール30の上に載置され、清掃時に押さえロール30の外周に接しながら押さえロール30の回転に連れ回る。粘着ロール70は、粘着シート71の巻取りロールの構成、又は表面が粘着性のエラストマーからなり、その表面を洗浄して再使用可能にする構成を含む。本実施例の粘着ロール70は、粘着シート71をコア72に例えば1回使用分ずつ巻き回し、粘着シート71の粘着面を外側に向けて巻出し可能にかつ切断可能にした巻取りロールにて構成される。粘着ロール70は押さえロール30の回転に連れ回りつつ、押さえロール30の表面に巻きついた髪の毛等のゴミを粘着捕捉する。
【0033】
粘着ロールホルダ60は、図14、図15に示す如く、フレーム15の前方上面で清掃方向に直交する横方向において、押さえロール30に相並ぶ範囲に渡る、概ね矩形枠状をなす窓枠61を設け、この窓枠61の左右両側部内面に回転カバー62を回転可能に設ける。回転カバー62は、半円弧状断面又はU字状断面等の透明材料からなる略半割筒状体をなし、両側壁を有する。回転カバー62の左右一方の側壁に固定側ロール支軸63を設けるとともに、左右他方の側壁にスライド側ロール支軸64を設け、両ロール支軸63、64に粘着ロール70のコア72を回転自在に支持する。
【0034】
粘着ロールホルダ60にあっては、固定側ロール支軸63が回転カバー62の一方の側壁を貫通し、窓枠61の一方の側壁に挿通した固定ピン65を固定側ロール支軸63に螺着し、固定側ロール支軸63を固定する。回転カバー62は窓枠61と固定側ロール支軸63の間で隙間を有し、固定側ロール支軸63に対して軽く回転できる。また、スライド側ロール支軸64は窓枠61の他方の側壁、回転カバー62の他方の側壁を貫通し、その貫通端にスペーサ66、コイルばね67、スライドプレート68を挿入後、固定ピン69をスライド側ロール支軸64に螺着し、スライド側ロール支軸64を固定する。
【0035】
粘着ロールホルダ60は、押さえロール30と粘着ロール70をフレーム15に支持された状態を維持して両ロール30、70の接触状態と非接触状態を切り替える隔離手段を構成する。具体的には、粘着ロールホルダ60は、回転カバー62の回転支軸としてのピン65と支軸64を、ロール支軸63、64と同芯にし、回転カバー62をそれらの回転支軸まわりで開閉回転できる。
【0036】
回転カバー62は、図10、図12に示す如く、回転カバー62の半円弧状断面又はU字状断面等の半割断面の前縁フランジ62Aを窓枠61の前部上縁に当接する閉じ位置に位置付けられた状態で、窓枠61を閉じ、両ロール支軸63、64に支持されている粘着ロール70を覆い、両ロール30、70を接触状態にする。他方、図11、図13に示す如く、回転カバー62の前縁フランジ62Aを窓枠61の後部上縁に当接する開き位置に位置付けられた状態で、窓枠61を開き、回転カバー62を押さえロール30と粘着ロール70の間に介在して粘着ロール70を外界に臨ませ、両ロール30、70を非接触状態にし、両ロール支軸63、64に新旧粘着ロール70のコア72を着脱し、又は両ロール支軸63、64にセットされている粘着ロール70の使用済粘着シート71を剥離除去可能にする。即ち、回転カバー62は閉じ位置から開き位置へ移行するとき、回転カバー62の前縁フランジ62Aと反対側の後縁部を押さえロール30の上部外周にめり込ませ、これによって弾性たわみ変形せしめられた押さえロール30の上部外周と粘着ロール70の間に介在する。即ち、回転カバー62は、押さえロール30を変形させることによって両ロール30、70の表面の間を離間し、接触状態と非接触状態に切り替える。これにより、回転カバー62を開き状態にして、両ロール支軸63、64にセットされている粘着ロール70の粘着シート71の使用済の1周巻き分を剥離除去しようとするとき、粘着シート71を押さえロール30の外周に粘着させずにスムースに剥離できる。粘着シート71が1回使用分ずつ重ねて巻かれている場合には1回使用分を剥離するが、連続する粘着シート71が巻かれていものは、1回使用分を剥離して切断除去する場合には粘着シート71の剥離端を回転カバー62の前縁又は後縁のエッジを用いて切断できる。
【0037】
粘着ロールホルダ60は、粘着ロール70を両ロール支軸63、64にセットした状態で、図14に示す如く、スライドプレート68をコイルばね67により固定ピン69のフランジ側に押付け、スライドプレート68とこれに相対する窓枠61の一方の側壁との間隔を小さくし、粘着ロール70が固定ピン69から外れる軸方向ずれを防止する。他方、粘着ロール70を両ロール支軸63、64から外すときには、図15に示す如く、粘着ロール70をスライドプレート68の側に押す(P1)ことで、コイルばね67を圧縮し、スライドプレート68を窓枠61の他方の側壁の側にスライドさせ、スライドプレート68とこれに相対する窓枠61の一方の側壁との間隔を大きくし、固定側ロール支軸63側の粘着ロール70の一端を持ち上げる(P2)ことで、粘着ロール70を外す(粘着ロール70を両ロール支軸63、64に取付ける場合も同じ)。
【0038】
清掃具10による清掃動作は以下の如くなされる。
(1)清掃具10が柄11に加える押付け操作力により前輪21と後輪22を床面1に押付けて前進せしめられると、前輪21がフレーム15の長孔15Aの後方側に移動して伝動輪41にしっかり接し、前輪21の回転力によって直に押さえロール30を回転させるとともに、前輪21の回転力を伝動輪41経由で掻き上げロール40に伝え、掻き上げロール40を押さえロール30と反対方向に回転させる。
【0039】
このとき、両ロール30、40は互いに食い込み、かつ床面1に接地する両ロール30、40の外径部分を大きく弾性たわみ変形させ、特に前輪21の回転軸21Aと一緒に後方に移動するスポンジ製押さえロール30が床面1との接触により後方に引きずられて掻き上げロール40との隙間を殆どなくす。
【0040】
これにより、両ロール30、40の会合点Aと床面1との間に側面視三角形状のデッドスペースを概ねなくし、両ロール30、40は床面1上で概ね隙間なく会合する。
【0041】
(2)上述(1)により、押さえロール30は床面1に対して大きくこすれずに回転しつつ床面1上のゴミを逃げないように押さえ込む。押さえロール30が押さえた床面1上のゴミは該押さえロール30と掻き上げロール40の会合点Aでそれら両ロール30、40の間に挟み取られて床面1からつかみ上げられ、押さえロール30がゴミの形に倣う表面のクッション性弾性変形によってゴミを食い込ませ、このゴミをそれら両ロール30、40の離隔点Bで押さえロール30の弾性復元力により押し出すとともに、掻き上げロール40の弾性復元力により弾き飛ばされ、ゴミ送り込み口54経由で塵取部50のゴミ受け部51に捕集される。
【0042】
押さえロール30の弾性的に復元された表面に付着するゴミは、押さえロール30の外周に近接している上ゴミ止め部53の下縁スクレーパにより掻き落とされてゴミ受け部51に捕集される。
【0043】
同時に、押さえロール30の表面に巻き付いた髪の毛等のゴミが、押さえロール30の上の粘着ロール70の粘着シート71に粘着捕捉される。
これにより、小さな紙片やスパゲッティ等の細長いゴミも捕集される。
【0044】
(3)清掃具10が後退せしめられるときには、床面1からの押付け操作力が解放されて押さえロール30と掻き上げロール40が床面1に対する反発力が前輪21を床面1から浮かし、また前輪21がフレーム15の長孔15Aの前方側へ移動して伝動輪41から離れ、押さえロール30と掻き上げロール40が逆回転しない。従って、塵取部50のゴミ受け部51に取り込んだゴミを、押さえロール30と掻き上げロール40の逆転によりゴミ受け部51から吐き出すことがない。
【0045】
(4)塵取部50のゴミ受け部51に多量のゴミがたまったことを視認したら、後蓋55を開いてゴミ受け部51の後部開口51Aからゴミを除去する。
【0046】
(5)粘着ロール70の粘着シート71に多量のゴミが捕捉されたことを視認したら、粘着ロールホルダ60の回転カバー62を開き、1周巻き分の粘着シート71を剥離切断除去し、新規粘着面を露出せしめる。
【0047】
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)押さえロール30としてクッションロールを用いており、押さえロール30のクッション部の厚みを最大径とする大きなゴミも小さなゴミもクッション部の変形によって包み込み、掻き上げロール40の側に導き、押さえロール30と掻き上げロール40によって挟み込むから、清掃面にある大小様々のゴミをもらさず捕集することができる。
【0048】
(b)押さえロール30と掻き上げロール40が互いに食い込んで接触する接触部を形成し、接触部の下端から床までの高さが取り込もうとするゴミの大きさより小さい。従って、取り込もうとするゴミが、押さえロール30と掻き上げロール40の接触部に挟み込まれ、床面1上の一定以上の大きさのゴミを捕集することができる。
【0049】
(c)押さえロール30に対して掻き上げロール40の径を小さくすることにより、掻き上げロール40と押さえロール30と床面1の間の隙間を小さくし、床面1上のゴミを押さえロール30と掻き上げロール40によって挟み込み易くする。
【0050】
(d)掻き上げロール40及び/又はクッションロールが弾性たわみ変形によって床面1に食い込むようにしたから、床面1上のゴミを押さえロール30と掻き上げロール40によって挟み込み易くする。
【0051】
(e)押さえロール30の上方に粘着ロール70を配置し、清掃時に両ロール30、70が接触して一緒に回転するようにしたから、押さえロール30の回転に粘着ロール70を連れ回り回転させて駆動できる。粘着ロール70の駆動ロールを格別に必要としない。塵取部50等のゴミ回収スペースを大きくとることができる。
【0052】
(f)押さえロール30と掻き上げロール40によって挟み込まれて弾き飛ばされるゴミを、掻き上げロール40の後部の塵取部50に回収できる。
【0053】
尚、本実施例によれば以下の作用効果も奏する。
(a)押さえロール30と粘着ロール70をフレーム15に支持された状態を維持して両ロール30、70の接触状態と非接触状態を切り替える粘着ロールホルダ60(隔離手段)を備える。従って、粘着ロール70を交換するに際しては、粘着ロールホルダ60(隔離手段)により粘着ロール70を押さえロール30から非接触にし、その後、該粘着ロール70をロール支軸63、64から容易に取外しできる。
【0054】
(b)清掃具10に粘着ロール70を支持したまま、粘着ロール70の使用済粘着シート71を剥離除去するに際しては、粘着ロールホルダ60(隔離手段)により粘着ロール70を押さえロール30から非接触にし、その後、粘着ロール70のシート端を引張れば、粘着ロール70はロール支軸63、64に対して回転し、1周巻き分の使用済粘着シート71を剥離除去できる。このとき、粘着ロール70は、押さえロール30から隔離されており、スムースに回転できるから、使用済粘着シート71の剥離除去性は良い。
【0055】
(c)粘着ロールホルダ60(隔離手段)は、押さえロール30を変形させて押さえロール30の表面と粘着ロール70の表面を離間させるから、接触状態から非接触状態に容易に切り替えできる。
【0056】
(d)押さえロール30と掻き上げロール40が互いに食い込み、かつ床面1に対して大きくたわみ変形するから、両ロール30、40の会合点Aと床面1との間に側面視三角形状のデッドスペースを概ねなくし、両ロール30、40を床面1上で概ね隙間なく会合させ得るものとなる。このため、押さえロール30が押さえた床面1上のゴミの概ねを掻き上げロール40との会合点Aに移送し、その会合点Aで両ロール30、40の間に挟み取り、それら両ロール30、40の離隔点Bで押さえロール30が押し出すゴミを掻き上げロール40にて弾き飛ばして捕集できる。
【0057】
(e)押さえロール30の下をすり抜ける薄い紙シート等のゴミは、反対回転中の掻き上げロール40により押し戻されると、この押し戻された部分を両ロール30、40の会合点Aで直ちに両ロール30、40の間に摘みとり、それら両ロール30、40の離隔点Bで押さえロール30に押し出され、掻き上げロール40にて弾き飛ばされて捕集される。
【0058】
(f)筒状スポンジからなる押さえロール30が、床面1の凹凸の全面に隙間なく倣うようにやわらかく変形して該凹凸をなす床面1内のゴミを押さえ、又は床面1上の大きなゴミに対してはやわらかくへこんでこれを包むようにして該大きなゴミを押さえ、それらのゴミを掻き上げロール40との会合点Aの側に確実に移送できる。
【0059】
(g)筒状スポンジからなる押さえロール30は、髪の毛等のゴミが表面にからみつき、これに接する粘着ロール70に粘着させて回収できる。押さえロール30がブラシからなるときには、髪の毛等がブラシの芯にからみついて除去困難になる。
【0060】
(h)筒状スポンジからなる押さえロール30は、粘着ロール70を支えてこれを確実に連れ回りさせることができる。押さえロール30がブラシからなるときには、粘着ロール70の重量によりブラシが座屈し、粘着ロール70を連れ回りさせることができない。
【0061】
尚、清掃具10にあっては、塵取部50のゴミ受け部51が掻き上げロール40の外周に沿って高く立ち上がる下ゴミ止め部52と、押さえロール30の外周に近接して粘着ロール70の側を完全に遮断する上ゴミ止め部53を備え、ゴミ送り込み口54から後蓋55の側に渡るゴミ受け空間の全域を閉塞状にするから、押さえロール30及び掻き上げロール40が弾き飛ばすゴミの捕集性が良い。
【0062】
また、清掃具10にあっては、前輪21の回転軸21Aに押さえロール30を直に結合するものに限らず、前輪21と押さえロール30の間に増速ギアを介するものでも良い。また、押さえロール30は前輪21の回転力を駆動源とするものに限らず、他の駆動源により回転せしめられるものでも良い。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】図1は清掃具を示す断面図である。
【図2】図2は清掃具の前進状態を示す側面図である。
【図3】図3は清掃具の後退状態を示す側面図である。
【図4】図4は清掃具を示す正面図である。
【図5】図5は図4のV−V線に沿う断面図である。
【図6】図6は塵取部の後蓋閉じ状態を示す斜視図である。
【図7】図7は塵取部の後蓋開き状態を示す斜視図である。
【図8】図8は塵取部の後蓋係止解除状態を示す断面図である。
【図9】図9は塵取部の後蓋開き状態を示す断面図である。
【図10】図10は粘着ロールホルダのカバー閉じ状態を示す斜視図である。
【図11】図11は粘着ロールホルダのカバー開き状態を示す斜視図である。
【図12】図12は粘着ロールホルダのカバー閉じ状態を示す断面図である。
【図13】図13は粘着ロールホルダのカバー開き状態を示す断面図である。
【図14】図14は粘着ロールのセット状態を示す断面図である。
【図15】図15は粘着ロールの着脱状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0064】
10 清掃具
30 押さえロール(クッションロール)
40 掻き上げロール
50 塵取部(ゴミ捕集部)
70 粘着ロール
【特許請求の範囲】
【請求項1】
押さえロールをゴミ導入側に配置し、掻き上げロールを押さえロールに対するゴミ導入側と反対側に配置してなる清掃具であって、
押さえロールとしてクッションロールを用い、
清掃時に押さえロールと掻き上げロールを互いに反対回転させ、
押さえロールを変形させて後方に導かれた床面上のゴミを、押さえロールと掻き上げロールの間に挟みとり、両ロールの回転によって床面より上方に導いて捕集可能にし、
クッションロールが捕集対象ゴミの形に倣う表面の弾性変形によってゴミを食い込ませ、表面の弾性的復元によってゴミを排出可能にする清掃具。
【請求項2】
押さえロールをゴミ導入側に配置し、掻き上げロールを押さえロールに対するゴミ導入側と反対側に配置してなる清掃具であって、
清掃時に押さえロールと掻き上げロールを互いに反対回転させ、かつ、両ロールを互いに食い込ませて接触させる接触部を形成し、該接触部の下端から床までの高さが押さえロールが取り込もうとするゴミの大きさより小さい清掃具。
【請求項3】
前記押さえロールに対して掻き上げロールの径を小さくする請求項1又は2に記載の清掃具。
【請求項4】
前記掻き上げロール及び/又はクッションロールは弾性たわみ変形によって床面に食い込む請求項1又は3に記載の清掃具。
【請求項5】
前記押さえロールの上方に粘着ロールを配置し、清掃時に両ロールが接触して一緒に回転する請求項1〜4のいずれかに記載の清掃具。
【請求項6】
前記掻き上げロールが掻き上げたゴミ等を捕集するゴミ捕集部を備える請求項1〜5のいずれかに記載の清掃具。
【請求項1】
押さえロールをゴミ導入側に配置し、掻き上げロールを押さえロールに対するゴミ導入側と反対側に配置してなる清掃具であって、
押さえロールとしてクッションロールを用い、
清掃時に押さえロールと掻き上げロールを互いに反対回転させ、
押さえロールを変形させて後方に導かれた床面上のゴミを、押さえロールと掻き上げロールの間に挟みとり、両ロールの回転によって床面より上方に導いて捕集可能にし、
クッションロールが捕集対象ゴミの形に倣う表面の弾性変形によってゴミを食い込ませ、表面の弾性的復元によってゴミを排出可能にする清掃具。
【請求項2】
押さえロールをゴミ導入側に配置し、掻き上げロールを押さえロールに対するゴミ導入側と反対側に配置してなる清掃具であって、
清掃時に押さえロールと掻き上げロールを互いに反対回転させ、かつ、両ロールを互いに食い込ませて接触させる接触部を形成し、該接触部の下端から床までの高さが押さえロールが取り込もうとするゴミの大きさより小さい清掃具。
【請求項3】
前記押さえロールに対して掻き上げロールの径を小さくする請求項1又は2に記載の清掃具。
【請求項4】
前記掻き上げロール及び/又はクッションロールは弾性たわみ変形によって床面に食い込む請求項1又は3に記載の清掃具。
【請求項5】
前記押さえロールの上方に粘着ロールを配置し、清掃時に両ロールが接触して一緒に回転する請求項1〜4のいずれかに記載の清掃具。
【請求項6】
前記掻き上げロールが掻き上げたゴミ等を捕集するゴミ捕集部を備える請求項1〜5のいずれかに記載の清掃具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−346293(P2006−346293A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−178400(P2005−178400)
【出願日】平成17年6月17日(2005.6.17)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月17日(2005.6.17)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】
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