説明

清掃具

【課題】本体側連結部と柄部側連結部との連結構造を、曲げ応力が負荷されても変形や抜けが生じないように形成して、繰り返し清掃作業が行われても強固に連結一体化された状態を保持できる清掃具を提供する。
【解決手段】清掃部材11が装着される板状部24を備える清掃具本体12と、清掃具本体12の端部に連結する柄部13とを備える清掃具10であって、清掃具本体12と柄部13との連結部20が、柄部13の連結側端部13aの両側に延びる一対の溝部23と溝部23の対向する底部を両側壁とする中リブ22とを有する柄部側連結部14と、清掃具本体12の連結側端部12aにおいて板状部24に立設された一対の立ち壁部26aと立ち壁部26aから対向して張出した一対の張出し支持部17とを有する本体側連結部18とからなり、本体側連結部18の一対の張出し支持部17を柄部側連結部14の一対の溝部23に各々入れてスライド挿入して連結させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃具に関し、特に、清掃部材が交換可能に装着される板状の清掃具本体と、清掃具本体の端部に連結する柄部とを備える清掃具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば不織布等からなる使い捨て用の清掃シートや、清掃布、モップ等の清掃部材を、例えば合成樹脂製の本体部分(清掃具本体)に着脱交換可能に取り付けて用いるハンディモップ等の清掃具が知られている(例えば、特許文献1参照)。これらの清掃具によれば、清掃シート等を廃棄したり、洗い直して繰り返し用いながら、例えば家庭内において簡便且つ手軽に清掃を行うことが可能になる。
【0003】
特許文献1に記載の清掃具50では、図7(a),(b)に示すように、清掃部材としてのモップ51が着脱交換可能に装着される清掃具本体52に、柄部53を一体連結して用いられる。使用者は、柄部53を把持し、埃等に対する簡単な拭き取りから、こびりついた汚れ等を相当の力を加えて除去する清掃まで、種々雑多な清掃形態に応じて、清掃具本体52に適度な撓みを生じさせる押圧力を柄部53から清掃具本体52に負荷しつつ、清掃具50を用いて簡易且つ効率的に清掃を行うことが可能になる。
【特許文献1】特開2003−265390号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の清掃具50では、清掃具本体52と柄部53とを連結一体化する連結部の構造は、清掃具本体52の略同一面状に連結側端部に長手方向中心線に沿って切欠き形成され、開放端が柄部の差込み方向と対向する端面に差込み口として開口するU字状切込み部54と、U字状切込み部54の両側に配置された張出し支持部55とを有する本体側連結部56と、柄部53の連結側端部に扁平なI字断面形状を有するように形成された柄部側連結部57とによって構成されている。そして、扁平なI字断面形状の中央リブ部から両側に張り出す上下のフランジ部によって形成された溝部58に両側の挟込み支持片55を各々挿入しつつ、中央リブ部をU字状切込み部54に挿入して、本体側連結部56に柄部側連結部57を嵌合連結する。また、例えば張出し支持部55の上下の面のいずれか一方に係止凸部を設けると共に、柄部53の溝部58を構成する上下のフランジ部のいずれか一方に係止凹部を設けておき、係止凸部を係止凹部に係止することにより、本体側連結部56と柄部側連結部57との連結状態が外れないようにする工夫もなされている。
【0005】
しかしながら、上記従来の清掃具50の連結部の構造では、モップ51を装着した清掃具本体52を被清掃面に押し付けながら清掃作業を行う際に、特に本体側連結部56のU字状切込み部54の両側に設けられた張出し支持部55は、清掃具本体52と略同一面の範囲にあり、平板状且つ片持状に張り出した変形し易い形状となっていることから、当該連結部に負荷される曲げ応力によって、繰り返えし清掃作業が行われると、例えば係止凹部と係止凸部との係止状態が外れて、柄部53が清掃具本体52から抜けやすくなる。
【0006】
また、上記従来の清掃具50では、張出し支持部55を溝部58に挿入する際に、例えば張出し指示部55の下面に設けた係止凸部により上下のフランジ部58を押し広げながら挿入することになるので、大きな挿入力が必要になる。これを軽減するためには、柄部53の溝部58を構成する上下のフランジ部の肉厚を薄くして変形しやすくするか、係止凸部の高さを低くする必要があり、どちらの場合も柄部53から清掃具本体52が抜けやすくなる。即ち、従来の連結部の構造では、入れやすく、抜けにくいという構造をとることは困難である。
【0007】
さらに、上記従来の清掃具50では、柄部53の溝部58を構成する上下のフランジ部を中央リブ部より前方に突出して設けてある。このため、清掃具本体52を撓ませる力を加える時、柄部53の上下のフランジ部58のうち上フランジ部が切り込み部54よりも前方の本体連結部56の上面に当たって広げられるため、上下のフランジ部58の間隔が広がって清掃具本体52が柄部53から抜けやすくなる。
【0008】
本発明は、両側の張出し支持部を有する本体側連結部に、両側に溝を形成した柄部側連結部を連結してなる連結部の構造を、曲げ応力が負荷されても変形したり抜けたりし難いように形成して、繰り返し清掃作業が行われた場合でも、柄部と清掃具本体とが強固に連結一体化された状態を保持することのできる清掃具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、清掃部材が交換可能に装着される板状部を備える清掃具本体と、該清掃具本体の端部に連結する柄部とを備え、清掃具本体と前記柄部との連結部が、柄部の連結側端部の両側に延びる一対の溝部と該溝部の対向する底部を両側壁とする中リブとを有する柄部側連結部と、清掃具本体の連結側端部において前記板状部の立設された一対の立ち壁部と該立ち壁部から対向して張出した張出し支持部とを有する本体側連結部とからなり、本体側連結部の一対の張出し支持部の間に柄部側連結部の中リブを配置して、本体側連結部の一対の張出し支持部を柄部側連結部の一対の溝部に各々入れてスライド挿入して連結させる清掃具を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の清掃具によれば、清掃具本体の板状部に設けた一対の張出し支持部を有する本体側連結部に、両側に形成した溝部を形成した柄部側連結部を連結してなる連結部の構造を、一対の張出し支持部を清掃具本体の板状部に立設した立ち壁部から張出して形成し、清掃具本体に曲げ応力が負荷されても連結部が変形し難いように形成して、繰り返し清掃作業が行われた場合でも、柄部と清掃具本体とが強固に連結一体化された状態を保持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1(a),(b)に示す本発明の好ましい一実施形態に係る清掃具10は、例えば表裏一対の不織布からなる清掃シート11aを所定の箇所でシール止めして、中央部分に清掃具本体12の装着袋部11b(又は筒部11b)を形成した清掃部材11を、着脱交換可能に装着して用いられ、柄部13を手で把持して、清掃部材11を装着した清掃具本体12を被清掃面に接触させたり押し付けることにより、室内や車内等における清掃対象物に付着したごみ、ほこり、汚れ等を清掃部材11によって捕集するものである。なお、本実施形態では、清掃部材11の装着袋部11bの開口部近傍部分には、係着切込み11cが形成されており、この係着切込み11cに、後述する柄部13の柄部側連結部14から上方に突出する係着突起15を係着することにより、清掃部材11が清掃具10に装着された状態を保持する。また係着切込み11cと係着突起15との係着を解除することにより、清掃部材11から清掃具本体12を抜き取ることが可能になる。
【0012】
本実施形態の清掃具10は、図2(a)〜(c)に示すように、両側の張出し支持部17を有する本体側連結部18に、柄部の端部の両側に形成された溝部23を備える柄部側連結部14を連結することにより、清掃具本体12と柄部13とを連結一体化するものである。従来の清掃具50では、U字状切込み部54は、本体側連結部56が設けられた清掃具本体52の連結側端部の端縁部分から内方に切り欠いてU字状切込み部54が形成されていることから、U字状切込み部54と張出し支持部55は、清掃具本体52と概ね同一面上に延びて設けられ、厚さが幅方向の長さに対して薄く、清掃具本体52の長手方向への曲げ力に対して変形しやすい。このため、清掃具本他52を被清掃面へ押圧した時に当該連結部56に負荷される応力によって変形しやすく、繰り返し清掃作業が行われると、柄部53が清掃具本体52から抜け易くなるものと考えられる。
【0013】
本実施形態の清掃具10は、このような従来の清掃具50における技術的課題を解消すると共に、本体側連結部18への柄部側連結部14の挿入のしやすさを保持しつつ、清掃具本体12の連結側端部12aに立設した立ち壁部26aに張出し支持部17を設け、清掃具本体の上方に清掃具本体12の長手方向に沿って延在する隆起した立ち壁部26aにより長手方向への曲げ力に対して変形しにくいものとし、繰り返し清掃作業が行われた場合でも、柄部13と清掃具本体12とが強固に連結一体化された状態を保持できるようにすることを目的として構成されたものである。
【0014】
そして、本実施形態の清掃具10は、被清掃面に接触させる清掃部材11が交換可能に装着される板状の清掃具本体12と、清掃具本体12の端部に連結する柄部13とを備え、清掃具本体12に装着した清掃部材11を被清掃面に接触させて、又は押し付けて清掃を行う清掃具であって、図2(a)〜(c)に清掃具本体12と柄部13の連結部20の構造を示す。清掃具本体12の連結側端部12aは、その両側部から立ち上がる一対の立ち壁部26aから対向して張り出す張出し支持部17が形成され、一対の張出し支持部17の中方向に対向する間に隙間部16が設けられた本体側連結部18を備える。本体側連結部18に連結される柄部13の柄部側連結部14は、連結側端部13aに本体側連結部18に挿入する方向に沿って延びる一対の溝部23が形成され、一対の溝部23の底部を両側面とする中リブ22を有する。そして、清掃具本体12と柄部13との連結部20の構造は、柄部側連結部14の中リブ22を本体側連結部18の一対の張出し支持部17の間に配置しつつ、一対の張出し支持部17を柄部側連結部14の溝部23に入れてスライドさせて挿入して嵌合連結し、連結状態で柄部側連結部14の下面の少なくとも一部を清掃具本体12の板状部24に当接させたものである。
【0015】
図2(a)〜(c)に示す連結部20を構成する本体側連結部18は、本体側連結部18の板状部24の一部であって、板状部24に一対の立ち壁部26aを立設して立ち壁部26aから一対の張出し支持部17を板状部24より上方に張出し設けている。本実施形態の清掃具10は、一対の立ち壁部26aの間の空間領域に一方の立ち壁部26aから他方の立ち壁部26aに連続する部分を板状部24と略同一面上に設けている。本実施形態の清掃具10では、一対の立ち壁部26aの両方に連続する端縁部分18を、一対の立ち壁部26aより連結側端部の側の領域に設けている。そして、本実施形態の連結部20を構成する本体側連結部18は、清掃具本体12の連結側端部12aの端縁部分19より上方に張出し支持部17を配置させ、隙間部16と張出し支持部17の連結側端部を差込み口21として張出し支持部17による柄部13の差込み方向Yと対向する端面17aを、連結側端部12aの端縁部分19より上方に設けて形成されている。
【0016】
本実施形態の清掃具10を構成する清掃具本体12は、例えばポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂による成形品であって、好ましくは適度に押圧した場合に撓み変形が可能な板状に成形される。清掃具本体12には、上述のようにその連結側端部12aに本体側連結部18が設けられると共に、本体側連結部18から清掃具本体12の先端側に連続して、図3(a)〜(f)に示すように、周縁部分24bよりも中央部分24aの肉厚が厚くなった横断面形状を有し、且つ先端側が細くなってゆく平面形状を有する部分を備える板状部24が設けられている。
【0017】
本実施形態では、板状部24cが概ね平坦な面となっている。板状部24の平坦な面24cと反対側の面は、隆起して肉厚が厚くなった中央部分24aを形成し、例えば2.6mm程度の最大厚さで形成されており、本体側連結部18と近接する部分で幅が広く、先端側に向けてその幅を徐々に狭め、細幅平面形状部分25bにおいて幅が狭くなった略円弧断面形状の隆起部となっている(図3(d)〜(f)参照)。肉厚が厚くなった中央部分24aの終端部は平面半円形状に形成され、周縁部分24bの平面半円形状の終端部によって周囲を帯状に縁取りされている。押圧部24の肉厚の薄い周縁部分24bは、その肉厚が例えば1.2mm程度となっており、肉厚が厚くなった中央部分24aの周囲を縁取りするようにして、例えば8〜18mm程度の相当の幅で帯状に設けられている。
【0018】
また、板状部24は、先端側が細くなってゆく平面形状として、広幅平面形状部分25aから細幅平面形状部分25bに段差部25cを介して連続する。例えば、29mm程度の幅を有する60mm程度の長さの後部側の広幅平面形状部分25aから、例えば21mm程度の幅を有する50mm程度の長さの先端部側の細幅平面形状部分25bに略4半円形状の段差部25cを介して連続して形成されている。また細幅平面形状部分25bの先端部は、半円形状に湾曲して形成されている。
【0019】
本実施形態では、本体側連結部18は、図2(a)〜(c)にも示すように、板状部24の後方に連続して配置される清掃具本体12の連結側端部12aに設けられる。連結側端部12aは、板状部24の周縁部分24bの後方に連続して延設する肉厚の薄い帯状の端部周縁部分12bによって、周囲を縁取りされている。この端部周縁部分12bによる連結側端部12aの端縁部分19より上方に、本体側連結部18が設けられる。
【0020】
本実施形態の本体側連結部18は、板状部24の中央部分24aの後方において、中央部分24aの両側部の延長上に立設する立ち壁部26aと張出し支持部17とを備える一対の鉤形断面形状の鉤形突出壁26を、間隔をおいて平行に対向配置することによって形成される。本実施形態では、一対の鉤形突出壁26は、本体側連結部18の両側部から立ち上がる立ち壁部26aの端部から中方向に対向して曲がって形成された張出し支持部17によって、長手方向中心線Xに垂直な断面が鉤形断面形状にて、板状部24から上方に隆起して形成される。即ち、一対の張出し支持部17は、立ち壁部26aによって支持されて、隙間部16を保持ししつつ連結側端部12aの端縁部分19の上方に設けられる。図2(a)〜(c)に示す一対の張出し支持部17と立ち壁部26aは、清掃具本体12の長手方向に延びて形成され、一対の張出し支持部17の間の隙間部16が、清掃具本体12の長手方向中に沿って形成されている。本実施形態では、柄部13の差込み方向Yと対向する張出し支持部17による端面17aを差込み口21とし、差込み口21より後方に連結側端部21aの端縁部分19を板状部24に連続した状態で形成し、張出し支持部17が当該端縁部分19より上方に配置するものとなる。尚、本実施形態においては、張出し支持部17より下方の連結部側後方において板状部24の連続部分となる端縁部分19が形成されているが、本体側連結部18の一対の立ち壁部26aの双方を繋ぐ板状部24の連結部を、張出し支持部17の下方の少なくとも一部に設けることも可能であって、張出し支持部17の下方の全領域に設けても良い。
【0021】
本実施形態では、一対の張出し支持部17は、差込み口21とは反対側の、柄部13の差込み方向Yの先端側において、一対の立ち壁部26aの先端側を繋ぐ清掃具本体12の板状部24から立設した繋ぎ隆起部26bを介して相互に連続しており、この繋ぎ隆起部26bは隙間部16に面した内側面に、柄部13の柄部側連結部14の先端と当接させる孤状の凹状の当接面を形成する。本実施形態では、この繋ぎ隆起部26bは孤状湾曲形状に形成され、立ち壁部26aと張出し支持部17とからなる一対の鉤形突出壁26と連続してU字状をなすが、繋ぎ隆起部26bは湾曲形状に限らず、様々な形状を採用することができる。また、本実施形態の繋ぎ隆起部26bの内側面に設けられた当接面は凹状に限らず様々な形状を採用することができる。
【0022】
本実施形態の本体側連結部18は、一対の立ち壁部26aの間の領域には、隙間部16と張出し支持部17との直下部分に相当する板状部24を切り抜いた抜き穴27が開口形成されている。即ち、板状部24には、一対の張出し支持部17の間の隙間部16から連通して抜き孔27が設けられている。この抜き穴27の後端側開口縁部には、当該抜き穴27を第1係止部として、後述する柄部13の柄部側連結部14に設けられた係止突起28を第2係止部として係止されることになる。図2、図3に示す実施形態は抜き穴27を第1係止部として柄部13の柄部側連結部14に設けられた第2係止部に係止させて抜け止めとするが、本体側連結部18の第1係止部は抜き穴27に限定されず、例えば、一対の立ち壁部26aと隙間部16との直下部分に相当する板状部24の上面に係止用凹部として形成するものであっても良いし、連結側端部の端縁部分19(又は板状部24の連結側端部)に係止孔又は係止用凹部を設けて、これに柄部側連結部14の第2係止部を係止しても良い。本体側連結部18の成形性からは、張出し支持部17と隙間部16との直下部分に抜き穴を設けることが好ましい。
【0023】
清掃具本体13と共に本実施形態の清掃具10を構成する柄部13は、清掃具本体12と同様に例えばポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂による成形品である。柄部13は、清掃具本体12の板状部24の面に対して上方向斜めに延設されるように取り付けられる略円柱ロッド形状の柄部本体29と、柄部本体29の先端部分に一体成形された柄部側連結部14とからなる。なお、柄部本体29には、例えば係止紐を挿通して取り付けるための貫通穴30等が適宜設けられている。
【0024】
柄部側連結部14は、上述のように、先端部分の両側に延びる一対の溝部23が形成され、溝部の底部を両側面とする中リブ22を備える。本実施形態では、柄部側連結部14は、中リブ22の上端と下端において両側に張出した部分によって溝部23が形成され、中リブ22を中央に配置した略I字断面形状となっている(図3(c)参照)。そして、溝部23は、本体側連結部18の隙間部16に相当する長さを有し、中リブ22は、隙間部16の幅に相当する幅を有しており、中リブ22の両側に設けられた一対の溝部23の凹部断面形状は、本体側連結部18の張出し支持部17の断面形状に相当する形状を備えている。これらによって、中リブ22の両側に設けられた一対の溝部23に本体側連結部18の一対の張出し支持部17を入れて、溝部23の間に張出し支持部17を支持しつつ、中リブ22を隙間部16に挿入すれば、柄部側連結部14が本体側連結部18に好ましくは隙間なく嵌合連結されて、清掃具本体12と柄部13とを安定した状態で連結一体化することが可能になる。
【0025】
本実施形態の柄部側連結部14における中リブ22は、溝部23より挿入方向先端側に突出する突出部22aを備える。突出部22aは、連結状態で本体側連結部18の繋ぎ隆起部26bの内側面に設けられた凹状の当接面に当接し、好ましくは密接嵌合する。本実施形態の突出部22aは、突出した孤状に形成され、本体側連結部18の繋ぎ隆起部26bの内側面には、突出部22aの形状を受ける孤状に窪んだ凹状の当接面が形成されている。
【0026】
また、本実施形態では、溝部23及び中リブ22の下方である柄部側連結部14の底面は、平坦面となっていて、これを清掃具本体12の端縁部分19の上面に沿わせながら、柄部側連結部14を本体側連結部18にスムーズに挿入してゆくことが可能になる。柄部側連結部14の底面の差込み方向Yの後方部分には、係止突起28が下方に突出して設けられており、この係止突起28を第2係止部として上述の清掃具本体12の連結側端部12aに設けられた第1係止部としての抜き穴27の後端側開口縁部に係止することにより、柄部側連結部14と本体側連結部18とが嵌合連結された状態を強固に保持することが可能になる。
【0027】
さらに、本実施形態では、溝部23及び中リブ22の上方である柄部側連結部14の天面は、弧状に湾曲する湾曲凸面となっていて、柄部側連結部14と本体側連結部18とが嵌合連結された際に、本体側連結部18の鉤形突出壁26の湾曲する外周面と連続して、略半円形状の断面で端部周縁部分12bから滑らかに突出する、美観に優れた連結部20を形成する(図3(c)参照)。また柄部側連結部14の天面から上方に突出して、清掃部材11を係着するための係着突起15が設けられている。
【0028】
上述の構成を有する本実施形態の清掃具10では、使用に当たって清掃具本体12と柄部13とを連結一体化する。すなわち、本体側連結部18の張り出し支持部17に向けて、柄部側連結部14の底面を清掃具本体12の端縁部分19の上面に沿わせながら挿入し、中リブ22の先端が本体側連結部18の繋ぎ隆起部26bの内側面に当接するまで押し込んでゆけば、係止突起28は柄部側連結部14や本体側連結部18を弾性変形させつつ端縁部分19に乗り上げ、やがて抜き穴27に落ち込んでこれの後端側開口縁部に係止されて、清掃具本体12と柄部13とが安定した状態で容易且つ強固に連結一体化されることになる。
【0029】
しかる後に、清掃具本体12に清掃部材11を着脱交換可能に装着し、例えば被清掃面の形態に応じた押圧力で清掃部材11の板状部24を接触させたり、押し付けて撓ませたりしながら清掃作業を行って、清掃対象物に付着したごみ、ほこり、汚れ等を清掃部材11によって捕集する。
【0030】
そして、本実施形態の清掃具10によれば、当該清掃具10を用いて繰り返し清掃作業が行われた場合でも、柄部13と清掃具本体12とが強固に連結一体化された状態を長期間に亘って保持することができる。
【0031】
すなわち、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
(1)清掃具本体12と柄部13との連結状態で、本体側連結部18は、一対の張出し支持部17を支持する立ち壁部26aが清掃具本体12の長手方向(縦方向)に沿って立設する構造体によって清掃具本体12を縦に曲げる応力を支持するから、本体側連結部18及び柄部側連結部14が変形しにくくなっている。
(2)清掃具本体12と柄部13との連結状態で、本体側連結部18は、一対の張出し支持部17を支持する一対の立ち壁部26aの間であって、張出し支持部17の下方に板状部24と概ね同一面上に連続する部分(本実施形態では端縁部分19)を備えるから、曲げ応力が負荷されても、隙間部16によって分断された張出し支持部17が開き変形しにくい。
(3)清掃具本体12と柄部13との連結状態で、柄部側連結部14が、中リブ22が溝部23より挿入方向先端側に突出して形成されているから、溝部23を形成する中リブ22の上端と下端から両側に突出した部分が板状又は肉薄であっても溝部23の上下の間隔が広がりにくい。例えば、中リブ22を溝部23より窪ませて、溝部23を構成する中リブ22の上端と下端から両側に突出する張出し部を中リブ22より突出させた場合には、該張出し部が突出した部分に清掃具本体12の板状部24が当たるため、上下方向の曲げ力がこの突出した部分にかかったときに、突出した部分が開き変形しやすくなるが、本実施形態の連結構造20では、中リブ22を溝部23より先端側で窪ませることなく、好ましくは突出して形成しているので、溝部23の上下の間隔が広がる開き変形を防止する。
(4)本実施形態では中リブ22の挿入方向先端側の突出部22aを連結状態で本体側連結部18の繋ぎ隆起部26bの凹部に係合することによって柄部側連結部14の溝部23が本体側連結部18の張出し支持部17より先端に挿入されることを防止し、本体側連結部18の隙間部16のセンターに柄部側連結部14の中リブ22を配置させるセンタリングの役割を果たす。
(5)清掃具本体12に柄部13を連結した状態で、本体側連結部18の張り出し支持部17は、一対の張出し支持部17が立ち壁部26aの端部で繋ぎ隆起部26bを介して連続するから、曲げ応力が負荷されても変形しにくい。
(6)清掃具本体12と柄部13を連結した状態で、抜け防止のための第1係止部と第2係止部との係合構造を、本体側連結部18の板状部24に設けた抜き穴27と柄部側連結部14の底面の係止突起28とを係合する構造としたので、本体側連結部18の張出し支持部17及び柄部側連結部14の溝部23からなる連結部には、抜き穴27に係止突起28を係合する際の変形力が及ぶことがない。即ち、張出し支持部17と溝部23との連結部分は、第1係止部(抜き穴27)と第2係止部(係止突起28)との係合部分から離れた下方に位置しているから、変形しないような十分な構造体と肉厚をもたせることができる。従って、強固な連結構造を得ることができる。
(7)本体側連結部18の抜き穴又は係止用凹部より連結側端部の板状部24(本実施形態では端縁部分19)の肉厚を薄く設定することで、柄部側連結部14を本体側連結部18に挿入する際に、柄部側連結部14の底面に設けた係止突起28が板状部24を乗り越える力を小さく抑えることができる。さらに、曲げ力を受ける張出し支持部17、柄部側連結部の溝部23の上下を構成する部分を肉厚にしても、挿入力には影響しないので、曲げ力に対する強度と、軽い挿入力を得るように曲げ力を受ける構造部の肉厚と、本体側連結部18の抜き穴又は係止用凹部より連結側端部の板状部24の肉厚を設定することができる。
【0032】
さらにまた、本実施形態によれば、清掃具本体12の本体側連結部18から先端側に連続する押圧部24が、周縁部分24bよりも中央部分24aの肉厚が大きくなった横断面形状を有し、且つ先端側が細くなってゆく平面形状を有する部分を備えるので、柄部13からの押圧力を押圧部24に効果的に伝えて、被清掃面の形態に適した撓みをよりスムーズに押圧部24に生じさせることが可能になると共に、肉厚の薄い周縁部分24bを細い溝や隙間に挿入して、これらの溝や隙間を構成する被清掃面を効率良く清掃することが可能になる。
【0033】
第2の実施形態を図4(a)〜(c)及び図5(a),(b)に示す。第2の実施形態の連結部20が前述の第1の実施形態の連結部20と異なる点は、柄部側連結部14の先端を、本体側連結部18の後ろ側から挿入するのでなく、その挿入方向を反対側とし、柄部側連結部14の後端を本体側連結部18の先端側から挿入するように構成したことにある。即ち、第2の実施形態の連結部20は、柄部側連結部14の中リブ22の後端を(柄部側連結部14の連結側端部とは反対側を)、本体側連結部18の後方である連結側端部の反対側の前側から隙間部16の先端に挿入しつつ、本体側連結部18の張出し支持部17の先端を柄部側連結部14の溝部23の後端から入れて挿入連結する。
【0034】
第2の実施形態では、中リブ22から両側に突出し、溝部23の下部を構成する柄部側連結部14の底面14bが平坦面となっていて、その先端部分に係止突起28が下方に突出して設けられている。この係止突部28の底部を、本体側連結部18の先端側の板状部24の上面に沿わせながら柄部側連結部14の溝部23の後端から本体側連結部18の張出し支持部17の先端部分を入れてスライド挿入する。係止突起28は、スライド挿入によって板状部24に乗り上げていき、本体側連結部18と柄部側連結部14の弾性変形を徐々に大きくして張出し支持部17と隙間部16の下方に設けられた抜き孔27に弾発的に落ち込んで、抜き穴27の先端側開口縁部に係止され、柄部側連結部14が本体側連結部18の前方にスライド移動して抜けることを防止する。そして、第2係止部である係止突起28が第1係止部である抜き穴27に係止されると同時に、中リブ22の後端部が、本体側連結部18の一対の立ち壁部26aの後端で連続して板状部24から立設する繋ぎ隆起部26bに当接して、柄部側連結部14と本体側連結部18の柄部13に向かう移動が規制される。
【0035】
第2実施形態の柄部側連結部14の中リブ22は、後端部で溝部23より後方に突出して形成された突出部22aを備える。突出部22aは、連結状態において、本体側連結部18の張出し支持部の後端で立ち壁部26aと連続する繋ぎ隆起部26bの内側面に当接する。第2実施形態の突出部22aは概ね矩形形状であって、繋ぎ隆起部26bの矩形形状の内側面に嵌まるものとなる。
【0036】
ここで、第2実施形態の連結部20によれば、清掃具本体12の板状部24は、下方に隆起して肉厚を厚くした中央部分24aを形成し、上方の面を平坦な面とすることが好ましい。また、板状部24の上方に隆起する肉厚の厚い中央部分24aを形成する場合には、本体側連結部18の先端側における中央部分24aに、本体側連結部18に向かって徐々に肉薄にした傾斜面を形成し、柄部側連結部14は、中リブ22の下端から両側に突出して形成され底面を形成する板状部の肉厚を先端側に向かって徐々に薄く形成することが好ましい。
【0037】
第2の実施形態の連結部20は、柄部側連結部14の後端を本体側連結部18の先端側から挿入するように構成しているが、本発明は、図6(a),(b)に示す第3の実施形態として、柄部側連結部14の側方、例えば右側を、本体側連結部18の側方、例えば左側から挿入する連結部20を採用することもできる。具体的には、柄部側連結部14の中リブ22と溝部23を柄部13の軸方向と概ね直行する方向に延設させ、本体側連結部18の張出し支持部17を同様に板状部24に概ね直交する方向に延設させて、溝部23の右側端部に張出し支持部17の左側端部を入れて挿入し、中リブ22の右側端部の突出部22aを、張出し支持部17の右側端部に形成され板状部24の軸方向に沿って形成された繋ぎ隆起部26bの凹状の内側面に当接させると同時に、柄部側連結部14の下面に突出した第1係止部である係止突起28を本体側連結部18の第2係止部である凹部に係合させる。
【0038】
この第3の実施形態では、溝部23及び張出し支持部17を第1の実施形態、第2の実施形態ほど長く形成しにくいことから、連結部20を強固にするために、一対の溝部23と一対の張出し支持部17を軸方向に並べて2ヶ所形成し、一対の張出し支持部17を支持する立ち壁部26aは2ヶ所の一対の張出し支持部の間で連続している。そして、柄部側連結部14の第1係止部である係止突起28を2箇所の一対の溝部23の間であって、溝部23の上方の壁を構成する面から下方に突出させて形成し、柄部側連結部14を本体側連結部18に挿入係止する挿入方向に沿って係止突起28の隣に横リブを設け、該横リブを挿入する溝部及び第2係止部である凹部を本体側連結部18の一対の張出し支持部17の上面より陥没させて一対の張出し支持部17の間に挿入方向に沿って形成している。また、第3の実施形態の連結部20においても、本体側連結部18を構成する立ち壁26a及び抜き穴の周りは板状部24に連続する板状部となっており、板状部24を切り欠くことなく本体側連結部18が形成されている。
【0039】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。柄部側連結部の差込み方向の後方部分に係止突起を設ける必要は必ずしもなく、その他の係止手段によって、柄部と清掃具本体との連結状態を保持するようにしても良い。そして、清掃具本体の板状部は、周縁部分よりも中央部分の肉厚が大きくなった横断面形状を有し、且つ先端側が細くなってゆく平面形状を有する部分を備えている必要は必ずしもなく、例えば平板状の押圧部や、二股形状に枝分れした押圧部であっても良い。また、清掃具本体の板状部は柄部側連結部から立ち壁部が立設する上方に隆起した肉厚部分を設ける必要は必ずしもなく、下方に隆起した肉厚部分を設けて情報を平坦な面とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】(a)及び(b)は、本発明の好ましい一実施形態に係る清掃具に清掃部材を装着して清掃作業を行う状態を説明する斜視図である。
【図2】本発明の好ましい一実施形態に係る清掃具の構成を説明する、(a)は斜め後方から見た分解斜視図、(b)は斜め前方から見た分解斜視図、(c)は斜め下方から見た分解斜視図である。
【図3】本発明の好ましい一実施形態に係る清掃具の構成を説明する、(a)は上面図、(b)は底面図、(c)は(a)のA−Aに沿った断面図、(d)は(a)のB−Bに沿った断面図、(e)は(a)のC−Cに沿った断面図、(f)は(a)のD−Dに沿った断面図である。
【図4】本発明の好ましい第2の実施形態に係る清掃具の構成を説明する、(a)は要部分解側面図、(b)は柄部側連結部の底面図、(b)は本体側連結部の上面図である。
【図5】本発明の好ましい第2の実施形態に係る清掃具の構成を説明する、(a)は斜め上方から見た要部分解斜視図、(b)は斜め下方から見た要部分解斜視図である。
【図6】本発明の好ましい第3の実施形態に係る清掃具の構成を説明する、(a)は柄部側連結部を斜め下方から見た斜視図、(b)は本体側連結部を斜め上方から見た斜視図である。
【図7】(a)は従来の清掃具の使用状態を説明する斜視図、(b)は従来の清掃具の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0041】
10 清掃具
11 清掃部材
12 清掃具本体
12a 清掃具本体の連結側端部
12b 連結側端部の端部周縁部分
13 柄部
13a 柄部の連結側端部
14 柄部側連結部
15 係着突起
16 隙間部
17 張出し支持部
17a 柄部の差込み方向対向する端面
18 本体側連結部
19 清掃具本体の連結側端部の端縁部分
20 連結部
21 差込み口
22 中リブ
23 溝部
24 板状部
24a 板状部の中央部分
24b 板状部の周縁部分
25a 板状部の広幅平面形状部分
25b 板状部の細幅平面形状部分
26 鉤(かぎ)形突出壁
26a 立ち壁部
26b 繋ぎ隆起部
27 抜き穴
28 係止突起
X 清掃具本体の長手方向中心線
Y 柄部の差込み方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
清掃部材が交換可能に装着される板状部を備える清掃具本体と、該清掃具本体の端部に連結する柄部とを備える清掃具であって、
清掃具本体と柄部との連結部が、
前記柄部の連結側端部の両側に延びる一対の溝部と該溝部の対向する底部を両側壁とする中リブとを有する柄部側連結部と、
前記清掃具本体の連結側端部において前記板状部に立設された一対の立ち壁部と該立ち壁部から対向して張出した一対の張出し支持部とを有する本体側連結部とからなり、
本体側連結部の一対の張出し支持部を柄部側連結部の前記一対の溝部に各々入れてスライド挿入して連結させる清掃具。
【請求項2】
前記本体側連結部と前記柄部側連結部との連結状態で、柄部側連結部の下面の少なくとも一部を清掃具本体の板状部に当接させてなる請求項1記載の清掃具。
【請求項3】
前記清掃具本体の本体側連結部は、前記一対の張出し支持部の一端において張出し支持部が相互に連続する繋ぎ隆起部が設けられている請求項1記載の清掃具。
【請求項4】
前記柄部側連結部に形成された前記中リブは、その端部において前記一対の溝部より突き出た突出部を備え、前記連結状態で該突出部に当接する凹部が清掃具本体の前記繋ぎ隆起部に設けられてなる請求項1又は2に記載の清掃具。
【請求項5】
前記清掃具本体の本体側連結部の端部に、前記連結状態で前記柄部側連結部の下面と当接する部分に、連結状態からの抜け防止のための第1係止部を設け、
前記柄部側連結部下面に前記第1係止部と係合する第2係止部を設けた請求項1〜4のいずれかに記載の清掃具。
【請求項6】
前記清掃具本体の本体側連結部から先端側に連続する板状部が、周縁部分よりも中央部分の肉厚が厚くなった横断面形状を有し、且つ先端側が細くなってゆく平面形状を有する部分を備える請求項1〜5のいずれかに記載の清掃具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−167425(P2007−167425A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−370478(P2005−370478)
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】