説明

清掃用具

【課題】比較的広い汚れ面及び角部等の狭面部を有する汚れ面の全体を効率よく清掃することができる清掃用具を提供する点にある。
【解決手段】植毛台1の一面に第1の毛体群2が設けられており、柄部31及び該柄部31の一端部一面に設けられた第2の毛体群32、他面に設けられた第3の毛体群33を有する清掃補助体3を備え、該清掃補助体3を取出し可能に収納すべき収納溝11を植毛台1の他面に設け、比較的広い汚れ面を清掃するときは清掃補助体3を収納した状態で清掃することができ、また、狭面部を清掃するときは清掃補助体3を取出して清掃することができるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は浴室等を清掃するのに便利な清掃用具に関する。
【背景技術】
【0002】
浴室等を清掃する清掃用具は、植毛台の一面に毛体群が設けられており、植毛台を把持し、毛体群の先端をタイル等の汚れ面に当てて擦ることにより汚れ面に付着している汚れを落している。
【特許文献1】特開2001−353103号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、比較的小形のタイルが敷設されている浴室等を清掃する場合、毛体群の先端面積が少ないブラシでは清掃効率が悪く、また、毛体群の先端面積が多いブラシでは角部等の狭面部に毛体群を当て難く、狭面部の汚れを落し難いという問題がある。
【0004】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、主たる目的は植毛台の一面に毛体群を有する清掃用具において、柄部の一端部に清掃材が設けられている清掃補助体を備え、該清掃補助体を収納すべき収納溝を前記植毛台の他面に設けることにより、植毛台を把持して比較的広い汚れ面を清掃することができ、角部等の狭面部を清掃補助体で清掃することができ、汚れ面の全体を効率よく清掃することができる清掃用具を提供することにある。
【0005】
また、他の目的は柄部の周方向2位置に二つの毛体群を設けてある清掃補助体を備えることにより、狭面部の広さ及び汚れ度合いに応じて狭面部の汚れを効率よく落すことができる清掃用具を提供することにある。
【0006】
また、他の目的は二つの毛体群を、毛体の長手方向を異にした構成とすることにより、狭面部の広さ及び汚れ度合いに応じて一方の毛体群又は他方の毛体群により狭面部の汚れを落すことができる清掃用具を提供することにある。
【0007】
また、他の目的は毛体群の一方の先端が尖っている構成とすることにより、先端が尖っている毛体群の先端を比較的狭い狭面部に当てることができ、比較的狭い狭面部の汚れを容易に落すことができる清掃用具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1発明に係る清掃用具は、植毛台の一面に毛体群を有する清掃用具において、柄部の一端部に清掃材が設けられている清掃補助体を備え、該清掃補助体を取出し可能に収納すべき収納溝を前記植毛台の他面に設けてあることを特徴とする。
【0009】
第1発明にあっては、一面に毛体群を有する植毛台の収納溝に、柄部の一端部に清掃材が設けられている清掃補助体を収納することができるため、毛体群の先端面積を比較的多くすることができる。従って、比較的広い汚れ面を清掃する場合、植毛台を把持し、毛体群を汚れ面に当てて効率よく清掃することができ、また、角部等の狭面部を清掃する場合、清掃補助体の柄部を把持し、清掃材を狭面部に当てて該狭面部の汚れを容易に落すことができ、汚れ面の全体を効率よく清掃することができる。
【0010】
第2発明に係る清掃用具は、前記清掃材は、柄部の周方向2位置に設けられた二つの毛体群であることを特徴とする。
【0011】
第2発明にあっては、柄部の周方向2位置に設けられる毛体群の大きさ、柄部の長手方向に対する角度等を異ならせることができるため、狭面部の広さ及び汚れ度合いに応じて狭面部の汚れを効率よく落すことができる。
【0012】
第3発明に係る清掃用具は、前記二つの毛体群は毛体の長手方向を異にしてあることを特徴とする。
【0013】
第3発明にあっては、狭面部の広さ及び汚れ度合いに応じて一方の毛体群又は他方の毛体群により狭面部の汚れを落すことができる。
【0014】
第4発明に係る清掃用具は、前記二つの毛体群の一方は先端が尖っていることを特徴とする。
【0015】
第4発明にあっては、先端が尖っている毛体群の先端を比較的狭い狭面部に当てることができ、比較的狭い狭面部の汚れを容易に落すことができる。
【発明の効果】
【0016】
第1発明によれば、植毛台を把持して比較的広い汚れ面を清掃することができ、また、角部等の狭面部を清掃補助体で清掃することができ、汚れ面の全体を効率よく清掃することができる。
【0017】
また、第2発明によれば、狭面部の広さ及び汚れ度合いに応じて狭面部の汚れを効率よく落すことができる。
【0018】
また、第3発明によれば、狭面部の広さ及び汚れ度合いに応じて一方の毛体群又は他方の毛体群により狭面部の汚れを落すことができる。
【0019】
また、第4発明によれば、先端が尖っている毛体群の先端を比較的狭い狭面部に当てることができ、比較的狭い狭面部の汚れを容易に落すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は清掃用具の構成を示す正面図、図2は平面図、図3は縦断正面図、図4は清掃補助体を取出した状態の側面図、図5は清掃補助体を取出した状態の縦断正面図、図6は清掃補助体の構成を示す正面図、図7は清掃補助体の構成を示す平面図、図8は清掃補助体の構成を示す側面図である。
【0021】
図に示した清掃用具は、略四角柱形をなす植毛台1と、該植毛台1の一面に複数本の毛体が植毛されている第1の毛体群2と、柄部31及び該柄部31の一端部に第2、第3の毛体群32,33が設けられており、後記する収納溝11に取出し可能に収納される清掃補助体3とを備える。
【0022】
植毛台1は、第1の毛体群2が設けられている一面に連なる両側面及び他面が外向き凸に湾曲し、全長に亘って把持し易い断面形状になっており、他面に長手方向に沿って収納溝11が設けられている。植毛台1の長手方向一端部には収納溝11及び一面に貫通する貫通凹部12を設けてあり、また、他端部には貫通孔13が設けられている。また、植毛台1は第1の毛体群2を有する台板1aと、該台板1aの幅方向両側に嵌合される二つの嵌合片を両側に有し、中央部に収納溝11を有する把持体1bとにより構成されており、台板1a及び把持体1bに貫通凹部12が設けられている。
【0023】
収納溝11は植毛台1の他端から一端に至るに従って漸次深くなっており、最深部に貫通凹部12が設けられ、第2の毛体群32が収納溝11から外部へ突出しないように構成されている。
【0024】
第1の毛体群2は断面台形の直方体をなし、貫通凹部12に対応する箇所を非毛体の空洞14としてある。
【0025】
清掃補助体3は、杆状の柄部31と、該柄部31の一端部一面に複数本の毛体が植毛されている第2の毛体群32と、柄部31の一端部他面に複数本の毛体が植毛されている第3の毛体群33とを備える。第2の毛体群32は柄部31の長手方向と略直交するように植毛されており、第3の毛体群33は柄部31の長手方向に対して傾斜するように植毛されており、第2及び第3の毛体群32,33の毛体の長手方向を異にしてある。また、柄部31の一端部他面は略三角形に膨出され、この膨出された膨出部31aに第3の毛体群33が設けられている。
【0026】
第3の毛体群33は柄部31の長手方向外方へ傾斜し、第3の毛体群33の一部は柄部31により外方へ突出しており、また、幅方向両端の縁部が面取りされ、先端が尖っている。
【0027】
以上のように構成された清掃用具は、植毛台1の収納溝11に清掃補助体3が収納されている。この清掃補助体3は柄部31が収納溝11に保持され、第3の毛体群33が貫通凹部12を経て第1の毛体群2の空洞14に収納され、第2の毛体群32が収納溝11の開放側に露出している。このように清掃補助体3が収納されている植毛台1の把持体1bを片手で把持し、第1の毛体群2の先端を比較的広い汚れ面に当てて擦ることにより汚れ面に付着している汚れを落すことができる。
【0028】
また、角部等の狭面部を清掃する場合、清掃補助体3を植毛台1の収納溝11から取出し、該清掃補助体3の柄部31を把持して第2の毛体群32又は第3の毛体群33の先端を狭面部に当てて擦ることにより該狭面部の汚れを容易に落すことができる。このとき、第3の毛体群33は柄部31の長手方向外方へ傾斜し、さらに先端が尖っているため、柄部31の一端部に邪魔されないように狭面部の汚れを容易に落すことができる。
【0029】
尚、以上説明した実施の形態では柄部31の一端部に第2及び第3の毛体群32,33が設けられている清掃補助体3を備える構成としたが、その他、柄部31の一端部に第2又は第3の毛体群32,33が設けられている清掃補助体3を備える構成であってもよい。また、清掃補助体3の清掃材は、毛体群である他、不織布、スポンジ等であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る清掃用具の構成を示す正面図である。
【図2】本発明に係る清掃用具の構成を示す平面図である。
【図3】本発明に係る清掃用具の構成を示す縦断正面図である。
【図4】本発明に係る清掃用具の清掃補助体を取出した状態の側面図である。
【図5】本発明に係る清掃用具の清掃補助体を取出した状態の縦断正面図である。
【図6】本発明に係る清掃用具の清掃補助体の構成を示す正面図である。
【図7】本発明に係る清掃用具の清掃補助体の構成を示す平面図である。
【図8】本発明に係る清掃用具の清掃補助体の構成を示す側面図である。
【符号の説明】
【0031】
1 植毛台
11 収納溝
12 貫通凹部
2 第1の毛体群(毛体群)
3 清掃補助体
31 柄部
32 第2の毛体群(清掃材)
33 第3の毛体群(清掃材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植毛台の一面に毛体群を有する清掃用具において、柄部の一端部に清掃材が設けられている清掃補助体を備え、該清掃補助体を取出し可能に収納すべき収納溝を前記植毛台の他面に設けてあることを特徴とする清掃用具。
【請求項2】
前記清掃材は、前記柄部の周方向2位置に設けられた二つの毛体群である請求項1記載の清掃用具。
【請求項3】
前記二つの毛体群は毛体の長手方向を異にしてある請求項2記載の清掃用具。
【請求項4】
前記二つの毛体群の一方は先端が尖っている請求項3記載の清掃用具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−275409(P2007−275409A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−107681(P2006−107681)
【出願日】平成18年4月10日(2006.4.10)
【出願人】(596060594)株式会社サンコー (65)
【Fターム(参考)】