説明

清掃装置

【課題】
路面や工場内の床面等の清掃作業において、塵埃の取り残しを少なくすることが可能な清掃装置を提供する。
【解決手段】
左右に走行車輪を取り付けた台車に、前記走行車輪の回転に対して逆回転する回転ブラシを設け、前記回転ブラシの前記台車の進行方向前方上方に、前記回転ブラシから掻き上げられた塵埃を回収する筐体を着脱自在に取り付けた清掃装置において、前記台車の進行方向の塵埃を前記回転ブラシに誘導する左右2つの前部誘導片と、前記回転ブラシ後方に、前記台車に対して着脱自在な路面接触片から構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は路面や工場内の床面等の塵埃を清掃する清掃装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の清掃装置は、走行車輪と逆回転するロール状の回転ブラシによって、路面や床面等にある塵埃を掃き上げて収集する構造になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許文献1:特開2011−037695号公報
こうした構造の清掃装置においては、回転ブラシの駆動機構が回転ブラシの側面に設けられるため、清掃装置の横幅は回転ブラシの長さより大きくなる。それゆえ清掃装置によって清掃した後の路面においても回転ブラシの側面にはゴミの取り残しが発生する。また、回転ブラシ後方に路面接触片がないと清掃装置の通過した路面には回転ブラシで回収し切れなかったゴミが点在する場合がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の清掃装置では側面に壁がある路面などでは壁際のゴミの取り残しや、通過後の微細ゴミの点在などがあり改善が求められていた。
【0005】
また壁際のゴミの回収に関しては円盤状に回転する回転式サイドブラシを装着した清掃装置が存在するが、駆動機構が必要となり装置も大型化しコストアップにつながっていた。
【0006】
さらに、通過後の微細ゴミの点在防止に関しては、ゴム板や布などを路面に接触させるよう構成した清掃装置も存在しているが、ゴミの種類によっては微細ゴミの点在を皆無にするのが難しい事があり、残留した微細ゴミの回収のために箒などを使用しなければならなくなるなど、清掃装置として本末転倒ともいえるような状況になっている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を克服するため、以下の構成を採用するものである。
本発明の清掃装置は、
左右に走行車輪を取り付けた台車に、前記走行車輪の回転に対して逆回転する回転ブラシを設け、前記回転ブラシの前記台車の進行方向前方上方に、前記回転ブラシから掻き上げられた塵埃を回収する筐体を着脱自在に取り付けた清掃装置において、
前記台車の進行方向の塵埃を前記回転ブラシに誘導する左右2つの前部誘導片と、
前記回転ブラシ後方に、前記台車に対して着脱自在な路面接触片を設けた、ことをと特徴とする。
また本発明の清掃装置は、
前記前部誘導片は、前記台車の進行方向に対し、前記回転ブラシの前方両側の2ヶ所に、かつ前記台車の内側に向けて傾斜する逆ハ字状に、前記台車に設置した、ことを特徴とする。
また本発明の清掃装置は、
前記路面接触片は、少なくとも前記左右の走行用車輪間の幅に対応する路面接触面に接触するよう構成した、ことを特徴とする。
また本発明の清掃装置は、
前記路面接触片は、前記台車から取外した際、刷毛ブラシとして使用できるようにした、ことを特徴とする。
また本発明の清掃装置は、
塵埃を回収する前記筐体は、前記台車から取外した際、塵取りとして使用できるようにした、ことを特徴とする。
また本発明の清掃装置は、
前記路面接触片は、特別の工具を必要とせず、作業者の手作業で前記台車に対して着脱可能に設けた、ことを特徴とする。
また本発明の清掃装置は、
塵埃を回収する前記筐体は、特別の工具を必要とせず、作業者の手作業で前記台車に対して着脱可能に設けた、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、前部誘導片が清掃装置の幅内にあるゴミを回転ブラシへと誘導するので、清掃装置幅内のゴミの取り残しを少なくすることが出来る。また回転ブラシ後部に路面接触片を設けたので清掃装置が通過後の路面に、取り残したゴミが路面に放置されることを改善することができる。更に台車から取り外した路面接触片は刷毛ブラシとして、また塵埃を回収する筐体は塵取りとして使用できるようにしたので、清掃装置によって清掃できない隅部や狭隘部などの清掃に、別途、箒や塵取り等の清掃具を用意しなくても、本発明の清掃装置一台によって、手作業を含めた全ての清掃作業を行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一部を断面にした側面図
【図2】本発明の底面図
【図3】本発明の実施状態を示す斜視図
【図4】本発明の構成部品の実施状態を示す斜視図
【図5】本発明の収納状態を示す斜視図
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の実施の形態について、図1から図4に基づいて詳細に説明する。
本発明の清掃装置は、図1に示すように、台車2に対して左右の走行車輪1aと、走行誘導車輪1bを備え、操作用ハンドル7によって作業者が手押しで清掃作業を行うものである。台車2には、路面や工場内の床面等の塵埃を掃き上げて収集する回転ブラシ3と、その進行方向前方には、塵埃を回収する筐体4が、台車に対して着脱自在に設けられている。なお操作用ハンドル7は、上下伸縮可能となっており作業者の背丈に合わせて、高さ調節ネジ8によって調節可能であり、また台車2に対して回動可能に取り付けられている。作業者が作業するときには、操作用ハンドル7の前方に取り付けてあるストッパー9を操作用ハンドル7側に固定して、操作用ハンドル7がぐらつかないようスムーズに押すことが出来るようにしてある。
【0011】
回転ブラシ3は、走行車輪1aと逆回転するよう、図示しない連結機構によって走行車輪1aの回転軸と回転ブラシ3の回転軸とが連結されている。なお、走行車輪1aの回転を回転ブラシ3に(逆回転するよう)伝える伝達手段として、歯車やベルト等様々な方式があるが、走行車輪1aを直接的に回転ブラシ3の回転軸に接触させて伝えるようにしてもよい。
【0012】
回転ブラシ3の進行方向前方には、台車2の左右2ヶ所に前部誘導片5が設けられている。図2は、清掃装置を裏側から見た図であり、前部誘導片5は台車の内側に向けて傾斜する逆ハ字状に設置してあり、これによって、清掃装置の幅内に存在する塵埃を回転ブラシ3に誘導することができる。
【0013】
回転ブラシ3の進行方向後方には、路面接触片6が設けられている。本実施例において路面接触片6は、ブラシ形状としているが、可撓性を有する合成樹脂性の平板であってもよい。路面接触片6の先端部分は、清掃対象面に接触する長さとし、回転ブラシ3によって回収できなかった塵埃が路面に取り残されないようにこれを集めて、清掃装置内に留めるためのものである。また路面接触片6の幅は、少なくとも左右の走行用車輪1a間の幅に対応する路面接触面に接触するようにしている。
【0014】
さらに、図3、図4に示すように、路面接触片6は、台車後部に設けた溝状の取付け部に対し着脱自在に取り付けられている。路面接触片6は、図示しないロック機構により清掃装置による作業中は台車に固定されるとともに、必要に応じてロック機構を外すことにより、作業者がこれを簡単に引き抜いて取り外し、刷毛ブラシとして使用することができるようにしてある。なおロック機構は必須の構成ではなく、台車後部に設けた溝状に圧入する構成としてもよい。
【0015】
また塵埃を回収する筐体4は、台車に設けた溝状の取付け部に対し着脱自在に取り付けられている。筐体4は、図示しないロック機構により清掃装置による作業中は台車に固定されるとともに、必要に応じてロック機構を外すことにより、作業者がこれを簡単に引き抜いて取り外し、塵取りとして使用できるようにしてある。なおロック機構は必須の構成ではなく、台車後部に設けた溝状に圧入する構成としてもよい。
【0016】
上記のとおり、台車から取り外した路面接触片6と筐体4とによって、作業者は手作業によって路面に残された塵埃を清掃することができるようになっており、別途、箒や塵取り等の清掃具を用意しなくても、本発明の清掃装置一台によって、手作業の清掃も行うことが出来る。
【0017】
また図5に示すとおり、本願発明の清掃装置は、走行用ハンドル7及びストッパー9を台車側に倒して、全体をコンパクトに収納することができ、また把手10によって手軽に持ち運びすることができる。
【符号の説明】
【0018】
1a 走行車輪
1b 走行誘導車輪
2 台車(フレーム)
3 回転ブラシ
4 塵埃回収筐体
5 前部誘導片
6 路面接触片
7 操作用ハンドル
8 高さ調節ネジ
9 ストッパー
10 把手

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右に走行車輪を取り付けた台車に、前記走行車輪の回転に対して逆回転する回転ブラシを設け、前記回転ブラシの前記台車の進行方向前方上方に、前記回転ブラシから掻き上げられた塵埃を回収する筐体を着脱自在に取り付けた清掃装置において、
前記台車の進行方向の塵埃を前記回転ブラシに誘導する左右2つの前部誘導片と、
前記回転ブラシ後方に、前記台車に対して着脱自在な路面接触片を設けた、
ことをと特徴とする清掃装置。
【請求項2】
前記前部誘導片は、前記台車の進行方向に対し、前記回転ブラシの前方両側の2ヶ所に、かつ前記台車の内側に向けて傾斜する逆ハ字状に、前記台車に設置した、
ことを特徴とする請求項1記載の清掃装置。
【請求項3】
前記路面接触片は、少なくとも前記左右の走行用車輪間の幅に対応する路面接触面に接触するよう構成した、
ことを特徴とする請求項1または2記載の清掃装置。
【請求項4】
前記路面接触片は、前記台車から取外した際、刷毛ブラシとして使用できるようにした、
ことを特徴とする請求項1ないし3記載の清掃装置。
【請求項5】
塵埃を回収する前記筐体は、前記台車から取外した際、塵取りとして使用できるようにした、
ことを特徴とする請求項1ないし4記載の清掃装置。
【請求項6】
前記路面接触片は、特別の工具を必要とせず、作業者の手作業で前記台車に対して着脱可能に設けた、
ことを特徴とする請求項1ないし5記載の清掃装置。
【請求項7】
塵埃を回収する前記筐体は、特別の工具を必要とせず、作業者の手作業で前記台車に対して着脱可能に設けた、
ことを特徴とする請求項1ないし5記載の清掃装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−249915(P2012−249915A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−125993(P2011−125993)
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【特許番号】特許第4863533号(P4863533)
【特許公報発行日】平成24年1月25日(2012.1.25)
【出願人】(391040397)エクセン株式会社 (22)
【Fターム(参考)】