温度制御装置
【課題】 熱伝導性が極めて良好で、且つ、同時に多数の試料を試験することができる温度制御装置を提供することである。
【解決手段】 熱伝達プレート2上に試料載置部3を設け、前記試料載置部3に配置した試料10の温度制御を行う温度制御装置1において、前記試料載置部3に配置した試料10を覆う蓋4を設け、前記蓋4は、前記熱伝達プレート2から熱伝達され、熱伝達プレート2と蓋4とで形成した室25内の空気が、熱伝達プレート2と蓋4とから熱伝達され、試料10の温度を、前記熱伝達プレート2と前記空気とで制御するようにした。
【解決手段】 熱伝達プレート2上に試料載置部3を設け、前記試料載置部3に配置した試料10の温度制御を行う温度制御装置1において、前記試料載置部3に配置した試料10を覆う蓋4を設け、前記蓋4は、前記熱伝達プレート2から熱伝達され、熱伝達プレート2と蓋4とで形成した室25内の空気が、熱伝達プレート2と蓋4とから熱伝達され、試料10の温度を、前記熱伝達プレート2と前記空気とで制御するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料の温度を制御する温度制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図15は、特許文献1に開示されている環境試験装置51の構成図である。環境試験装置51は、温度制御機構54により温度制御された空気を、断熱箱52で形成した試験槽53内に供給し、試験槽53内に配置したワーク載置台56上の被試験品55を冷却あるいは加熱する。被試験品55と熱交換した空気は、試験槽53内から空気流通口58を介して排出される。また、ワーク載置台56には蓄熱部57が設けてあり、被試験品55は、ワーク載置台56からも熱伝達されて温度制御されるようになっている。
【0003】
ところで、この環境試験装置51は、被試験品55を収容した試験槽53内に温風又は冷風を供給して被試験品55の温度を制御するため、装置が大型化してしまう。また、一定温度の空気を被試験品55に接触させて、被試験品55の温度を制御することはできるが、ワーク載置台56上に複数の被試験品55を配置した場合、被試験品55がLEDやフォトダイオードなどの高周波用途のものであれば、隣接する他の被試験品55の発する電磁波がノイズとなる。そのため、このような環境試験装置51では、被試験品55を一品ずつ試験する必要があり、多数の被試験品55を同時に試験することができなかった。
【特許文献1】特開2003−294797公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで本発明は、熱伝導性が極めて良好で、且つ、同時に多数の試料を試験することができる温度制御装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、請求項1の発明では、熱伝達プレート上に試料載置部を設け、前記試料載置部に配置した試料の温度制御を行う温度制御装置において、前記試料載置部に配置した試料を覆う蓋を設け、前記蓋は、前記熱伝達プレートから熱伝達され、熱伝達プレートと蓋とで形成した室内の空気が、熱伝達プレートと蓋とから熱伝達され、試料の温度を、前記熱伝達プレートと前記空気とで制御するようにした。
【0006】
請求項2の発明では請求項1の発明において、前記熱伝達プレート上にくぼみを形成し、前記くぼみ内に試料載置部を設けた。
くぼみの深さの寸法は、試料の高さの寸法より大きくても小さくてもよい。試料がくぼみ内に完全に収容されると、くぼみの内側壁から熱伝達され易くなる。
【0007】
請求項3の発明では請求項1又は2の発明において、複数個の試料を、間隔を置いて配置し、各試料を各々別の蓋で覆った。
一つの広域の試料載置部に、複数個の試料を配置してもよいし、複数の試料載置部を設け、各試料載置部に、各々試料を配置するようにしてもよい。
【0008】
請求項4の発明では請求項3の発明において、前記蓋に磁気シールド材を備えた。
【0009】
請求項5の発明では請求項1〜4のうちのいずれかの発明において、試料載置部に熱伝導シートを備え、前記熱伝導シート上に試料を配置した。
吸着性を有する熱伝導シートを採用すると、試料載置部に試料を固定する作業が不要になり、作業時間を大幅に短縮することができる。
【0010】
請求項6の発明では、請求項1〜5のうちのいずれかの発明において、前記蓋に、発光部を備えた試料を観察可能にする孔を設けた。
【0011】
請求項7の発明は、請求項6の発明において、前記孔を設けた蓋の代わりに、筒状の部材を備えた。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明では、試料載置部に配置した試料を覆う蓋を設け、この蓋は熱伝達プレートから熱伝達されるので、熱伝達プレートと蓋とで形成した室内の空気が、熱伝達プレートと蓋とで加熱されて昇温し、この空気と熱伝達プレートとで試料を周囲から加熱することができるので、試料の温度を部分的に偏ることなく一様に上昇させることができる。
【0013】
請求項2の発明では、熱伝達プレート上にくぼみを形成し、このくぼみ内に試料載置部を設けたので、空気が、くぼみの内側壁から加熱されて昇温し易くなり、試料の温度を速やかに調整することができる。
【0014】
請求項3の発明を実施すると、複数個の試料を、同時に、同じ環境下で試験することができる。そのため、多数の試料を短時間で試験することができる。
【0015】
請求項4の発明では、蓋に磁気シールド材を備えたので、試料が高周波用途の部品であっても、隣接する他の試料の影響を受けることなく、複数個の試料を同時に試験することができる。従って、試験の信頼性が向上し、試料の性能の均一化が図り易くなる。
【0016】
請求項5の発明では、試料載置部に熱伝導シートを備え、この熱伝導シート上に試料を配置するようにしたので、試料への熱伝達を、より良好にすることができる。
【0017】
請求項6の発明では、発光部を備えた試料を観察可能にする孔を設けたので、温度制御を行いながら試料の発光状態を確認することができる。
【0018】
請求項7の発明では、孔を設けた蓋の代わりに、筒状の部材を備えたので、装置の構成が簡単で製造が容易になり、製造コストを削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は、請求項1の発明を実施した温度制御装置1の斜視図である。図1に示すように温度制御装置1は、上面に試料載置部3を備えた熱伝達プレート2と、蓋4とで構成されている。熱伝達プレート2は、アルミ合金等の熱伝達率の良好な金属で構成されており、図示しない加熱装置又は冷却装置で加熱又は冷却が可能となっている。蓋4も熱伝達プレート2と同様にアルミ合金等の熱伝達率の良好な金属で構成されている。
【0020】
図1に示す熱伝達プレート2には、2つの試料載置部3が設けてあり、そのうちの一方の試料載置部3のみに、蓋4が設置してある。試料載置部3上には、試料10が設置されている。図示していないが、試料10は、例えばねじ、吸着性又は接着性を有するシート材、板ばね等で試料載置部3に固定される。
【0021】
試料載置部3に試料10を固定した後、蓋4を被せる。その後、熱伝達プレート2が所定の温度まで加熱又は冷却される。蓋4は、熱伝達プレート2と同様に熱伝達率が良好なので、熱伝達プレート2から速やかに熱伝達(加熱又は冷却)されて、熱伝達プレート2と蓋4は均一の温度になる。
【0022】
さらに、試料10が収容された内部空間25内(後述する図4に示す)の空気が、熱伝達プレート2と蓋4から熱伝達(加熱又は冷却)され、試料10は、この空気と熱伝達プレート2により、周囲から熱伝達されて、温度分布を生じさせることなく、一様に加熱又は冷却される。
【0023】
図2は、請求項2の発明を実施した温度制御装置11の斜視図である。温度制御装置11の構成は、熱伝達プレート2上にくぼみ5を形成し、このくぼみ5内に試料載置部3を設けた点のみが図1の温度制御装置1の構成と異なっており、その他の構成は温度制御装置1と同じである。
【0024】
図2に示すように、蓋4は、くぼみ5にちょうど嵌合可能な大きさであり、蓋4の下部側面は、熱伝達プレート2と接触しており、図1の温度制御装置1のように、単に熱伝達プレート2上に設置した場合と比較して、蓋4と熱伝達プレート2との接触面積が大きく、より効率的な熱伝達が可能となっている。
【0025】
図3は、請求項5の発明を実施した温度制御装置12の斜視図である。温度制御装置12の構成は、熱伝達プレート2上に熱伝導シート6を貼付し、この熱伝導シート6上に試料載置部3を形成し、試料10を設置するようにした点のみが、図1の温度制御装置1の構成と異なっている。
【0026】
熱伝導シート6は、熱伝達プレート2、蓋4及び試料10との密着性を向上させるので、熱伝達効果が高くなる。その分だけ温度制御装置12は、図1の温度制御装置1よりも効率的に試料10の温度を制御することができる。
【0027】
図4は、請求項4の発明を実施した温度制御装置13の断面図である。温度制御装置13の構成は、蓋4の内面に電磁波を吸収する磁気シールド材7を備えた点のみが、図1の温度制御装置1の構成と異なっている。
【0028】
蓋4に磁気シールド材7を設けることにより、試料10が、LEDやフォトダイオード等の高周波用途の光関係デバイスである場合に、隣接する他の試料10が発する電磁波のノイズの影響を受けることがない。なお、図4の例では、磁気シールド材7は、蓋4の内面に設けているが、蓋4の外面に設ける、又は、内蔵しても差し支えない。
【0029】
図5〜図9は、さらに別の構成を備えた温度制御装置14〜18の断面図である。図5に示す温度制御装置14には、熱伝達プレート2にくぼみ5が設けてあり、又、蓋4の内面には磁気シールド材7が設けてある。蓋4は、くぼみ5と嵌合している。
【0030】
図6に示す温度制御装置15では、くぼみ5(試料載置部3)に試料10が嵌合しており、磁気シールド材7を備えた蓋4が、熱伝達プレート2上に配置されている。温度制御装置15の例では、試料10が、底面のみならず側面も熱伝達プレート2と接触しているので、極めて良好に温度制御することができる。
【0031】
図7に示す温度制御装置16では、熱伝達プレート2上に熱伝導シート6が貼付してあり、さらに蓋4に磁気シールド材7を備えている例を示している。温度制御装置16の構成は、温度制御装置14、15の構成よりも簡素であり、製造し易く、熱伝達率は良好で、且つ、隣接する試料10の発する電磁波の影響を受けない。
【0032】
図8に示す温度制御装置17は、図5に示す温度制御装置14において、くぼみ5(試料載置部3)の底面に熱伝導シート6を貼付した構成を備えている。従って、温度制御装置17は、温度制御装置14よりも、熱伝導シート6を設けた分だけ良好に試料10を温度制御することができる。
【0033】
図9に示す温度制御装置18は、図6の温度制御装置15において、くぼみ5の底面に熱伝導シート6を貼付した構成を備えている。従って、温度制御装置18は、温度制御装置15よりも、熱伝導シート6を設けた分だけ良好に試料10を温度制御することができる。
【0034】
図10は、複数の試料10を同時に温度制御することができる温度制御装置19の平面図である。図10では、説明の都合上、蓋4を図示していおらず、又、右下の一つの試料載置部3にだけ、試料10を設置していない。
【0035】
試料載置部3には、くぼみ5が設けてあり、図示していないが、くぼみ5内には熱伝導シート6が貼付してある。また、試料10は、通電しながら試験を行うので、電源ケーブル10aが設けてある。熱伝達プレート2には、この電源ケーブル10aを通すための溝2aが設けてある。
【0036】
さらに、図10には示していないが、磁気シールド材7を備えた蓋4で、各々の試料10を個別に覆うことにより、隣接する他の試料10が発する電磁波の影響を遮断する。温度制御装置19では、多数の試料10を同時に温度制御することができるので、例えば、高周波用途のLEDやフォトダイオード等の光関係デバイスを、試料10として試験する際に有用である。
【0037】
図11は、図10の温度制御装置19の変形例である温度制御装置20の斜視図である。温度制御装置20では、熱伝達プレート2の内部に試料取付基板8が設置してある。試料取付基板8上には、多数(図11では15個)の試料取付部9が設けてある。
【0038】
この試料取付部9には、試料10(LED)が設置される。図11では、二つの試料10が設置されている状態を示している。蓋4には、試料取付部9に対応する位置に観測孔4aが設けてある。蓋4のボルト孔4bと熱伝達プレート2のボルト孔2bとを位置合わせして、両者をボルト・ナットで固着すると、試料10(LED)の発光状態を観測孔4aから観察することができるようになっている。図11の温度制御装置20では、試料10(LED)を、真上から輝度計で観測することができる。
【0039】
図12は、試料10としてLEDを温度制御する場合の温度制御装置21の断面図である。図12に示すように温度制御装置21の蓋4には、孔26が設けてある。温度制御装置21のその他の構成は、図8の温度制御装置17の構成と同じである。温度制御装置21では、試料10が、各々別の蓋4の中に収容されており、また、孔26を介して試料10の発光状態を確認することができるようになっている。孔26に透明な部材を嵌め込み、内部空間25が完全に外気と遮断されるようにしてもよい。
【0040】
図11、図12の例では、試料10そのものがLEDである場合を示したが、試料10の一部にLEDが使用される場合には、そのLEDの発光状態が外部から観察できるように蓋4に孔を設ける。
【0041】
図13は、図11や図12における蓋4の代わりに、筒状部材27を設けた温度制御装置22の斜視図である。温度制御装置22には、複数の試料10(LED)を取り付ける試料取付部8が設けてある。この試料取付部8に取り付けた個々の試料10を内部に収容するように、筒状部材27が、試料取付部8に設置される。
【0042】
図示していないが、筒状部材27の内周壁には、シート状の磁気シールド材が貼付してある。また、筒状部材27の下部にフランジ部を設け、このフランジ部に貫通孔を設け、試料取付部8にねじ穴を設けることにより、ボルトで筒状部材27を試料取付部8に固着するようにしてもよい。
【0043】
図14は、試料10を押さえ付ける板ばね28を備えた温度制御装置23の斜視図である。図14に示すように温度制御装置23には、熱伝達プレート2上に複数のくぼみ5が設けてある。くぼみ5は、くぼみ5よりも深さが浅い溝2aと連通している。溝2aは、熱伝達プレート2の側面に至っている。
【0044】
くぼみ5の近傍には軸28aを中心に回動可能な板ばね28が設けてある。板ばね28は、弾性を有する材料(金属、プラスチック等)で形成されており、下方に突出する突出部28bが設けてある。板ばね28は、試料10をくぼみ5内に配置する前に、予め90度回動させてくぼみ5上から退避させておく。板ばね28は、熱伝導性の良好な金属で構成するのが好ましい。
【0045】
くぼみ5に試料10を配置した後、板ばね28を回動させ、板ばね28の突出部28bで試料10をくぼみ5の底部に押さえ付ける。このような板ばね28を設けると、試料10と熱伝達プレート2との密着性が良好となり、熱伝達が良好に行われる。さらに、試料10は、板ばね28を介して熱伝達される。
【0046】
さらに、試料10を覆う蓋(図示せず)を設けることにより、試料10の上方に停止した空気層を形成し、この空気層を介しても熱伝達されるようにすると、試料10を、より良好に温度制御することができる。
【0047】
図1〜図11に示す各温度制御装置において、蓋4は、単に内部空間25(図4〜図9に表示)と外気とを遮断するだけではなく、熱伝達プレート2から蓋4に熱伝達させ、蓋4を介して内部空間25内の空気を加熱又は冷却し、熱伝達プレート2の温度を安定させる効果を有している。
【0048】
試料10の形状によって、蓋4の形状は、任意に変更することができる。くぼみ5は、必要に応じて(経済性や、試料10の種類等を勘案して)設置するか否かを適宜選定することができる。
【0049】
試料10の底面(裏面)には、配線や種々の部品が配置されていることが多く、熱伝達プレート2と密着させることは容易ではないが、絶縁された熱伝導シート6上に試料10を載置し、さらに蓋4で試料10を覆うことにより、試料10への熱伝達は極めて良好になる。また、熱伝達プレート2と、蓋4及び試料10との熱伝達を良好にするため、両者の密着性を高めるように、蓋4及び試料10を熱伝達プレート2に押し付けるようにしてもよい。
【0050】
熱伝達プレート2と蓋4とは、広範囲に渡って接触しているのが好ましい。又、試料10は、通常はねじ等で試料載置部3に固定しなければならないが、吸着性を有する熱伝導シート6を使用することにより、固定作業は不要になる。
さらに、試料10のサイズが小さくなるほど固定作業は煩雑となるが、熱伝導シート6を使用すると、固定作業が不要になり、作業能率の改善効果が高くなる。
【0051】
蓋4及び内部空間25(図4)の形状は、試料10の形状に合わせて、任意に選定することができる。例えば、試料10が円柱状であれば、蓋4(内部空間25)は円筒状に構成すると、試料10は均一に周囲から加熱されるので好ましい。
【0052】
試料10の高さが高い場合には、蓋4と熱伝達プレート2の間にスペーサを設けることにより、高さ方向に内部空間25の容積を増やし、試料10を収容するようにしてもよい。その際に使用するスペーサは、熱伝達プレート2から蓋4へ熱を良好に伝えることができる熱伝達率の良好な材質(アルミ合金等)のものを選定する。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】請求項1の発明を実施した温度制御装置の斜視図である。
【図2】請求項2の発明を実施した温度制御装置の斜視図である。
【図3】請求項5の発明を実施した温度制御装置の斜視図である。
【図4】請求項4の発明を実施した温度制御装置の断面図である。
【図5】さらに別の構成を備えた温度制御装置の断面図である。
【図6】さらに別の構成を備えた温度制御装置の断面図である。
【図7】さらに別の構成を備えた温度制御装置の断面図である。
【図8】さらに別の構成を備えた温度制御装置の断面図である。
【図9】さらに別の構成を備えた温度制御装置の断面図である。
【図10】複数の試料を同時に温度制御することができる温度制御装置の平面図である。
【図11】図10の温度制御装置の変形例である温度制御装置の斜視図である。
【図12】試料としてLEDを温度制御する場合の温度制御装置の断面図である。
【図13】蓋の代わりに筒状部材を採用した温度制御装置の斜視図である。
【図14】試料を押さえる板ばねを備えた温度制御装置の斜視図である。
【図15】特許文献1に開示されている環境試験装置の構成図である。
【符号の説明】
【0054】
1 温度制御装置
2 熱伝達プレート
3 試料載置部
4 蓋
5 くぼみ
6 熱伝導シート
7 磁気シールド材
8 試料取付基板
9 試料取付部
10 試料
11〜21 温度制御装置
25 試料が収容される内部空間(室)
26 孔(蓋に設けた観察孔)
27 筒状部材
28 板ばね
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料の温度を制御する温度制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図15は、特許文献1に開示されている環境試験装置51の構成図である。環境試験装置51は、温度制御機構54により温度制御された空気を、断熱箱52で形成した試験槽53内に供給し、試験槽53内に配置したワーク載置台56上の被試験品55を冷却あるいは加熱する。被試験品55と熱交換した空気は、試験槽53内から空気流通口58を介して排出される。また、ワーク載置台56には蓄熱部57が設けてあり、被試験品55は、ワーク載置台56からも熱伝達されて温度制御されるようになっている。
【0003】
ところで、この環境試験装置51は、被試験品55を収容した試験槽53内に温風又は冷風を供給して被試験品55の温度を制御するため、装置が大型化してしまう。また、一定温度の空気を被試験品55に接触させて、被試験品55の温度を制御することはできるが、ワーク載置台56上に複数の被試験品55を配置した場合、被試験品55がLEDやフォトダイオードなどの高周波用途のものであれば、隣接する他の被試験品55の発する電磁波がノイズとなる。そのため、このような環境試験装置51では、被試験品55を一品ずつ試験する必要があり、多数の被試験品55を同時に試験することができなかった。
【特許文献1】特開2003−294797公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで本発明は、熱伝導性が極めて良好で、且つ、同時に多数の試料を試験することができる温度制御装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、請求項1の発明では、熱伝達プレート上に試料載置部を設け、前記試料載置部に配置した試料の温度制御を行う温度制御装置において、前記試料載置部に配置した試料を覆う蓋を設け、前記蓋は、前記熱伝達プレートから熱伝達され、熱伝達プレートと蓋とで形成した室内の空気が、熱伝達プレートと蓋とから熱伝達され、試料の温度を、前記熱伝達プレートと前記空気とで制御するようにした。
【0006】
請求項2の発明では請求項1の発明において、前記熱伝達プレート上にくぼみを形成し、前記くぼみ内に試料載置部を設けた。
くぼみの深さの寸法は、試料の高さの寸法より大きくても小さくてもよい。試料がくぼみ内に完全に収容されると、くぼみの内側壁から熱伝達され易くなる。
【0007】
請求項3の発明では請求項1又は2の発明において、複数個の試料を、間隔を置いて配置し、各試料を各々別の蓋で覆った。
一つの広域の試料載置部に、複数個の試料を配置してもよいし、複数の試料載置部を設け、各試料載置部に、各々試料を配置するようにしてもよい。
【0008】
請求項4の発明では請求項3の発明において、前記蓋に磁気シールド材を備えた。
【0009】
請求項5の発明では請求項1〜4のうちのいずれかの発明において、試料載置部に熱伝導シートを備え、前記熱伝導シート上に試料を配置した。
吸着性を有する熱伝導シートを採用すると、試料載置部に試料を固定する作業が不要になり、作業時間を大幅に短縮することができる。
【0010】
請求項6の発明では、請求項1〜5のうちのいずれかの発明において、前記蓋に、発光部を備えた試料を観察可能にする孔を設けた。
【0011】
請求項7の発明は、請求項6の発明において、前記孔を設けた蓋の代わりに、筒状の部材を備えた。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明では、試料載置部に配置した試料を覆う蓋を設け、この蓋は熱伝達プレートから熱伝達されるので、熱伝達プレートと蓋とで形成した室内の空気が、熱伝達プレートと蓋とで加熱されて昇温し、この空気と熱伝達プレートとで試料を周囲から加熱することができるので、試料の温度を部分的に偏ることなく一様に上昇させることができる。
【0013】
請求項2の発明では、熱伝達プレート上にくぼみを形成し、このくぼみ内に試料載置部を設けたので、空気が、くぼみの内側壁から加熱されて昇温し易くなり、試料の温度を速やかに調整することができる。
【0014】
請求項3の発明を実施すると、複数個の試料を、同時に、同じ環境下で試験することができる。そのため、多数の試料を短時間で試験することができる。
【0015】
請求項4の発明では、蓋に磁気シールド材を備えたので、試料が高周波用途の部品であっても、隣接する他の試料の影響を受けることなく、複数個の試料を同時に試験することができる。従って、試験の信頼性が向上し、試料の性能の均一化が図り易くなる。
【0016】
請求項5の発明では、試料載置部に熱伝導シートを備え、この熱伝導シート上に試料を配置するようにしたので、試料への熱伝達を、より良好にすることができる。
【0017】
請求項6の発明では、発光部を備えた試料を観察可能にする孔を設けたので、温度制御を行いながら試料の発光状態を確認することができる。
【0018】
請求項7の発明では、孔を設けた蓋の代わりに、筒状の部材を備えたので、装置の構成が簡単で製造が容易になり、製造コストを削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は、請求項1の発明を実施した温度制御装置1の斜視図である。図1に示すように温度制御装置1は、上面に試料載置部3を備えた熱伝達プレート2と、蓋4とで構成されている。熱伝達プレート2は、アルミ合金等の熱伝達率の良好な金属で構成されており、図示しない加熱装置又は冷却装置で加熱又は冷却が可能となっている。蓋4も熱伝達プレート2と同様にアルミ合金等の熱伝達率の良好な金属で構成されている。
【0020】
図1に示す熱伝達プレート2には、2つの試料載置部3が設けてあり、そのうちの一方の試料載置部3のみに、蓋4が設置してある。試料載置部3上には、試料10が設置されている。図示していないが、試料10は、例えばねじ、吸着性又は接着性を有するシート材、板ばね等で試料載置部3に固定される。
【0021】
試料載置部3に試料10を固定した後、蓋4を被せる。その後、熱伝達プレート2が所定の温度まで加熱又は冷却される。蓋4は、熱伝達プレート2と同様に熱伝達率が良好なので、熱伝達プレート2から速やかに熱伝達(加熱又は冷却)されて、熱伝達プレート2と蓋4は均一の温度になる。
【0022】
さらに、試料10が収容された内部空間25内(後述する図4に示す)の空気が、熱伝達プレート2と蓋4から熱伝達(加熱又は冷却)され、試料10は、この空気と熱伝達プレート2により、周囲から熱伝達されて、温度分布を生じさせることなく、一様に加熱又は冷却される。
【0023】
図2は、請求項2の発明を実施した温度制御装置11の斜視図である。温度制御装置11の構成は、熱伝達プレート2上にくぼみ5を形成し、このくぼみ5内に試料載置部3を設けた点のみが図1の温度制御装置1の構成と異なっており、その他の構成は温度制御装置1と同じである。
【0024】
図2に示すように、蓋4は、くぼみ5にちょうど嵌合可能な大きさであり、蓋4の下部側面は、熱伝達プレート2と接触しており、図1の温度制御装置1のように、単に熱伝達プレート2上に設置した場合と比較して、蓋4と熱伝達プレート2との接触面積が大きく、より効率的な熱伝達が可能となっている。
【0025】
図3は、請求項5の発明を実施した温度制御装置12の斜視図である。温度制御装置12の構成は、熱伝達プレート2上に熱伝導シート6を貼付し、この熱伝導シート6上に試料載置部3を形成し、試料10を設置するようにした点のみが、図1の温度制御装置1の構成と異なっている。
【0026】
熱伝導シート6は、熱伝達プレート2、蓋4及び試料10との密着性を向上させるので、熱伝達効果が高くなる。その分だけ温度制御装置12は、図1の温度制御装置1よりも効率的に試料10の温度を制御することができる。
【0027】
図4は、請求項4の発明を実施した温度制御装置13の断面図である。温度制御装置13の構成は、蓋4の内面に電磁波を吸収する磁気シールド材7を備えた点のみが、図1の温度制御装置1の構成と異なっている。
【0028】
蓋4に磁気シールド材7を設けることにより、試料10が、LEDやフォトダイオード等の高周波用途の光関係デバイスである場合に、隣接する他の試料10が発する電磁波のノイズの影響を受けることがない。なお、図4の例では、磁気シールド材7は、蓋4の内面に設けているが、蓋4の外面に設ける、又は、内蔵しても差し支えない。
【0029】
図5〜図9は、さらに別の構成を備えた温度制御装置14〜18の断面図である。図5に示す温度制御装置14には、熱伝達プレート2にくぼみ5が設けてあり、又、蓋4の内面には磁気シールド材7が設けてある。蓋4は、くぼみ5と嵌合している。
【0030】
図6に示す温度制御装置15では、くぼみ5(試料載置部3)に試料10が嵌合しており、磁気シールド材7を備えた蓋4が、熱伝達プレート2上に配置されている。温度制御装置15の例では、試料10が、底面のみならず側面も熱伝達プレート2と接触しているので、極めて良好に温度制御することができる。
【0031】
図7に示す温度制御装置16では、熱伝達プレート2上に熱伝導シート6が貼付してあり、さらに蓋4に磁気シールド材7を備えている例を示している。温度制御装置16の構成は、温度制御装置14、15の構成よりも簡素であり、製造し易く、熱伝達率は良好で、且つ、隣接する試料10の発する電磁波の影響を受けない。
【0032】
図8に示す温度制御装置17は、図5に示す温度制御装置14において、くぼみ5(試料載置部3)の底面に熱伝導シート6を貼付した構成を備えている。従って、温度制御装置17は、温度制御装置14よりも、熱伝導シート6を設けた分だけ良好に試料10を温度制御することができる。
【0033】
図9に示す温度制御装置18は、図6の温度制御装置15において、くぼみ5の底面に熱伝導シート6を貼付した構成を備えている。従って、温度制御装置18は、温度制御装置15よりも、熱伝導シート6を設けた分だけ良好に試料10を温度制御することができる。
【0034】
図10は、複数の試料10を同時に温度制御することができる温度制御装置19の平面図である。図10では、説明の都合上、蓋4を図示していおらず、又、右下の一つの試料載置部3にだけ、試料10を設置していない。
【0035】
試料載置部3には、くぼみ5が設けてあり、図示していないが、くぼみ5内には熱伝導シート6が貼付してある。また、試料10は、通電しながら試験を行うので、電源ケーブル10aが設けてある。熱伝達プレート2には、この電源ケーブル10aを通すための溝2aが設けてある。
【0036】
さらに、図10には示していないが、磁気シールド材7を備えた蓋4で、各々の試料10を個別に覆うことにより、隣接する他の試料10が発する電磁波の影響を遮断する。温度制御装置19では、多数の試料10を同時に温度制御することができるので、例えば、高周波用途のLEDやフォトダイオード等の光関係デバイスを、試料10として試験する際に有用である。
【0037】
図11は、図10の温度制御装置19の変形例である温度制御装置20の斜視図である。温度制御装置20では、熱伝達プレート2の内部に試料取付基板8が設置してある。試料取付基板8上には、多数(図11では15個)の試料取付部9が設けてある。
【0038】
この試料取付部9には、試料10(LED)が設置される。図11では、二つの試料10が設置されている状態を示している。蓋4には、試料取付部9に対応する位置に観測孔4aが設けてある。蓋4のボルト孔4bと熱伝達プレート2のボルト孔2bとを位置合わせして、両者をボルト・ナットで固着すると、試料10(LED)の発光状態を観測孔4aから観察することができるようになっている。図11の温度制御装置20では、試料10(LED)を、真上から輝度計で観測することができる。
【0039】
図12は、試料10としてLEDを温度制御する場合の温度制御装置21の断面図である。図12に示すように温度制御装置21の蓋4には、孔26が設けてある。温度制御装置21のその他の構成は、図8の温度制御装置17の構成と同じである。温度制御装置21では、試料10が、各々別の蓋4の中に収容されており、また、孔26を介して試料10の発光状態を確認することができるようになっている。孔26に透明な部材を嵌め込み、内部空間25が完全に外気と遮断されるようにしてもよい。
【0040】
図11、図12の例では、試料10そのものがLEDである場合を示したが、試料10の一部にLEDが使用される場合には、そのLEDの発光状態が外部から観察できるように蓋4に孔を設ける。
【0041】
図13は、図11や図12における蓋4の代わりに、筒状部材27を設けた温度制御装置22の斜視図である。温度制御装置22には、複数の試料10(LED)を取り付ける試料取付部8が設けてある。この試料取付部8に取り付けた個々の試料10を内部に収容するように、筒状部材27が、試料取付部8に設置される。
【0042】
図示していないが、筒状部材27の内周壁には、シート状の磁気シールド材が貼付してある。また、筒状部材27の下部にフランジ部を設け、このフランジ部に貫通孔を設け、試料取付部8にねじ穴を設けることにより、ボルトで筒状部材27を試料取付部8に固着するようにしてもよい。
【0043】
図14は、試料10を押さえ付ける板ばね28を備えた温度制御装置23の斜視図である。図14に示すように温度制御装置23には、熱伝達プレート2上に複数のくぼみ5が設けてある。くぼみ5は、くぼみ5よりも深さが浅い溝2aと連通している。溝2aは、熱伝達プレート2の側面に至っている。
【0044】
くぼみ5の近傍には軸28aを中心に回動可能な板ばね28が設けてある。板ばね28は、弾性を有する材料(金属、プラスチック等)で形成されており、下方に突出する突出部28bが設けてある。板ばね28は、試料10をくぼみ5内に配置する前に、予め90度回動させてくぼみ5上から退避させておく。板ばね28は、熱伝導性の良好な金属で構成するのが好ましい。
【0045】
くぼみ5に試料10を配置した後、板ばね28を回動させ、板ばね28の突出部28bで試料10をくぼみ5の底部に押さえ付ける。このような板ばね28を設けると、試料10と熱伝達プレート2との密着性が良好となり、熱伝達が良好に行われる。さらに、試料10は、板ばね28を介して熱伝達される。
【0046】
さらに、試料10を覆う蓋(図示せず)を設けることにより、試料10の上方に停止した空気層を形成し、この空気層を介しても熱伝達されるようにすると、試料10を、より良好に温度制御することができる。
【0047】
図1〜図11に示す各温度制御装置において、蓋4は、単に内部空間25(図4〜図9に表示)と外気とを遮断するだけではなく、熱伝達プレート2から蓋4に熱伝達させ、蓋4を介して内部空間25内の空気を加熱又は冷却し、熱伝達プレート2の温度を安定させる効果を有している。
【0048】
試料10の形状によって、蓋4の形状は、任意に変更することができる。くぼみ5は、必要に応じて(経済性や、試料10の種類等を勘案して)設置するか否かを適宜選定することができる。
【0049】
試料10の底面(裏面)には、配線や種々の部品が配置されていることが多く、熱伝達プレート2と密着させることは容易ではないが、絶縁された熱伝導シート6上に試料10を載置し、さらに蓋4で試料10を覆うことにより、試料10への熱伝達は極めて良好になる。また、熱伝達プレート2と、蓋4及び試料10との熱伝達を良好にするため、両者の密着性を高めるように、蓋4及び試料10を熱伝達プレート2に押し付けるようにしてもよい。
【0050】
熱伝達プレート2と蓋4とは、広範囲に渡って接触しているのが好ましい。又、試料10は、通常はねじ等で試料載置部3に固定しなければならないが、吸着性を有する熱伝導シート6を使用することにより、固定作業は不要になる。
さらに、試料10のサイズが小さくなるほど固定作業は煩雑となるが、熱伝導シート6を使用すると、固定作業が不要になり、作業能率の改善効果が高くなる。
【0051】
蓋4及び内部空間25(図4)の形状は、試料10の形状に合わせて、任意に選定することができる。例えば、試料10が円柱状であれば、蓋4(内部空間25)は円筒状に構成すると、試料10は均一に周囲から加熱されるので好ましい。
【0052】
試料10の高さが高い場合には、蓋4と熱伝達プレート2の間にスペーサを設けることにより、高さ方向に内部空間25の容積を増やし、試料10を収容するようにしてもよい。その際に使用するスペーサは、熱伝達プレート2から蓋4へ熱を良好に伝えることができる熱伝達率の良好な材質(アルミ合金等)のものを選定する。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】請求項1の発明を実施した温度制御装置の斜視図である。
【図2】請求項2の発明を実施した温度制御装置の斜視図である。
【図3】請求項5の発明を実施した温度制御装置の斜視図である。
【図4】請求項4の発明を実施した温度制御装置の断面図である。
【図5】さらに別の構成を備えた温度制御装置の断面図である。
【図6】さらに別の構成を備えた温度制御装置の断面図である。
【図7】さらに別の構成を備えた温度制御装置の断面図である。
【図8】さらに別の構成を備えた温度制御装置の断面図である。
【図9】さらに別の構成を備えた温度制御装置の断面図である。
【図10】複数の試料を同時に温度制御することができる温度制御装置の平面図である。
【図11】図10の温度制御装置の変形例である温度制御装置の斜視図である。
【図12】試料としてLEDを温度制御する場合の温度制御装置の断面図である。
【図13】蓋の代わりに筒状部材を採用した温度制御装置の斜視図である。
【図14】試料を押さえる板ばねを備えた温度制御装置の斜視図である。
【図15】特許文献1に開示されている環境試験装置の構成図である。
【符号の説明】
【0054】
1 温度制御装置
2 熱伝達プレート
3 試料載置部
4 蓋
5 くぼみ
6 熱伝導シート
7 磁気シールド材
8 試料取付基板
9 試料取付部
10 試料
11〜21 温度制御装置
25 試料が収容される内部空間(室)
26 孔(蓋に設けた観察孔)
27 筒状部材
28 板ばね
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱伝達プレート上に試料載置部を設け、前記試料載置部に配置した試料の温度制御を行う温度制御装置において、
前記試料載置部に配置した試料を覆う蓋を設け、
前記蓋は、前記熱伝達プレートから熱伝達され、
熱伝達プレートと蓋とで形成した室内の空気が、熱伝達プレートと蓋とから熱伝達され、試料の温度を、前記熱伝達プレートと前記空気とで制御するようにしたことを特徴とする温度制御装置。
【請求項2】
前記熱伝達プレート上にくぼみを形成し、前記くぼみ内に試料載置部を設けた請求項1に記載の温度制御装置。
【請求項3】
複数個の試料を、間隔を置いて配置し、各試料を各々別の蓋で覆った請求項1又は2に記載の温度制御装置。
【請求項4】
前記蓋に磁気シールド材を備えた請求項3に記載の温度制御装置。
【請求項5】
試料載置部に熱伝導シートを備え、前記熱伝導シート上に試料を配置した請求項1〜4のうちのいずれかに記載の温度制御装置。
【請求項6】
前記蓋に、発光部を備えた試料を観察可能にする孔を設けた請求項1〜5のうちのいずれかに記載の温度制御装置。
【請求項7】
前記孔を設けた蓋の代わりに、筒状の部材を備えた請求項6に記載の温度制御装置。
【請求項1】
熱伝達プレート上に試料載置部を設け、前記試料載置部に配置した試料の温度制御を行う温度制御装置において、
前記試料載置部に配置した試料を覆う蓋を設け、
前記蓋は、前記熱伝達プレートから熱伝達され、
熱伝達プレートと蓋とで形成した室内の空気が、熱伝達プレートと蓋とから熱伝達され、試料の温度を、前記熱伝達プレートと前記空気とで制御するようにしたことを特徴とする温度制御装置。
【請求項2】
前記熱伝達プレート上にくぼみを形成し、前記くぼみ内に試料載置部を設けた請求項1に記載の温度制御装置。
【請求項3】
複数個の試料を、間隔を置いて配置し、各試料を各々別の蓋で覆った請求項1又は2に記載の温度制御装置。
【請求項4】
前記蓋に磁気シールド材を備えた請求項3に記載の温度制御装置。
【請求項5】
試料載置部に熱伝導シートを備え、前記熱伝導シート上に試料を配置した請求項1〜4のうちのいずれかに記載の温度制御装置。
【請求項6】
前記蓋に、発光部を備えた試料を観察可能にする孔を設けた請求項1〜5のうちのいずれかに記載の温度制御装置。
【請求項7】
前記孔を設けた蓋の代わりに、筒状の部材を備えた請求項6に記載の温度制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−71556(P2006−71556A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−257536(P2004−257536)
【出願日】平成16年9月3日(2004.9.3)
【出願人】(000108797)エスペック株式会社 (282)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月3日(2004.9.3)
【出願人】(000108797)エスペック株式会社 (282)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]