説明

温度補償形シンチレーション検出器、温度補償回路および方法

【課題】シンチレーション検出器の温度補償性能を改善するための検出器の温度依存性構成要素の温度補償のための回路と方法を実現する。
【解決手段】温度に対する感度を低減させたシンチレーション検出器を、温度補償のための2つの回路を備えることによって実現する。この2つの回路は、抵抗素子とスイッチング素子の両方からなる回路とそれに対して並列に接続されたサーミスタからなる回路であってよい。スイッチング素子は、ツェナーダイオード、ショットキーバリアダイオード、または、MIMを含む様々な素子であることが可能である。この温度補償のための回路を光電子増倍管のような光検出器の回路内に含んで構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で説明する発明は一般的にシンチレーション検出器(scintillation detector)に関し、さらに特に、シンチレーション検出器の温度依存性の構成部品を温度補償するための回路と方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シンチレーション検出器は幾つかの分野で使用されており、例えば、検層(well logging)のために石油およびガス産業において使用され、放射線の検出のために原子力産業において使用され、また、他の多くの産業で使用されている。典型的なシンチレーション検出器は、例えばX線、ガンマ線、並びに、電子およびα粒子のような粒子といったイオン化放射線(ionizing radiation)を検出するために、NaI(Tl)のようなシンチレータと、光電子増倍管(PMT)のような光検出器とを使用する。
【0003】
上述のシンチレーション検出器の応答は一般的に温度に依存しており、すなわち、周囲温度の変化に応じて変化する。この温度依存性は、主として、シンチレータとPMTとが温度依存性であることの結果である。例えば、NaI(Tl)結晶のシンチレーション光収率(light yield)は温度に応じて1℃当たり約−0.3%の割合で変化し、二アルカリ(bialkali)PMTの利得は温度に応じて1℃当たり約−0.4%の割合で変化する。したがって、NaI(Tl)結晶と二アルカリPMTとから構成されているシンチレーション検出器は、60℃の温度変化(0℃から60℃)の場合に全体で約40%のパルス波高値(pulse height)の変化を示す可能性がある。このことは、グロスカウンティング(gross counting)を行っておりかつ60℃の温度変化を被るシンチレーション検出器では、0℃における100回のカウントが60℃においては60回のカウント毎に生じるということを意味する。分光スペクトル分析(spectroscopy)を行うシステムでは、スペクトルのピークの位置が移動することになろう。このことはピーク幅を広げ、間違ったスペクトル位置へのピークの移動、または、スミアー(smearing)によるピークの完全な喪失を引き起こす。
【0004】
この温度依存性は、シンチレーション検出器が使用されることになっている用途に応じて、許容可能な場合もあるし、許容不可能な場合もある。温度に依存した信号の変化が不利であるか許容不可能である用途の場合には、従来技術の解決策は、システム利得を較正状態に保つ(すなわち、温度に依存しないようにする)か、または、許容可能なある制限範囲内に保つために、能動的なリアルタイムのハードウェアおよび/またはソフトウェア補正に依存していた。こうした解決策の1つが、例えば熱電子冷却器のような冷却装置を使用してシンチレーション検出器の温度を制御することであった。別の解決策は、温度に応じて信号を調整することであった。例えば、公知の放射線源(radioactive source)、NaI(Tl)+Am241光パルサ(light pulser)、光パルスLED、もしくは、ランプのいずれかを、信号調整のための基準として使用してもよく、または、シンチレーションパルスの幾つかの成分(component)の収率(radio of the yield)にしたがって信号を調整してもよい。
【0005】
上述の能動システムに加えて、PMTの利得を変化させて温度補償を行うためにサーミスタを使用する受動システムも存在する。受動システムは、能動的な温度補償システムで必要とされる特別なハードウェアまたはソフトウェアが不要であるという利点を有する。しかし、サーミスタに基づく従来技術のこうした受動システムは、限られた範囲内または限られた量の温度補償を行うにすぎず、こうした温度補償は数多くの用途にとっては不十分である。したがって、こうした状況では、能動的な温度補償技術に頼らなければならなかった。
【0006】
温度変動の問題に対する上述の能動的な解決策の各々は、冷却システムまたは基準システムのような追加の装置を必要とする。このことは、シンチレーション検出器のコストを著しく増加させる。さらに、放射線源の使用には放射性材料に関する免許が必要となるだろう。上述の受動的な解決策は、温度による変動を限られた量だけしか補償できず、こうした限られた量の補償は不十分であるか不利なほど不正確であることが多い。したがって、従来技術においては、能動シンチレーション検出器と受動シンチレーション検出器とに関連した上述の問題点を克服することが必要とされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、温度補償性能を改善するシンチレーション検出器用の受動的な温度補償回路および方法を提供する。本発明は、許容可能なレベルの温度補償を得るために従来においては能動的な温度補償シンチレーション検出器が必要であったところに、受動的補償を使用することを可能にする。さらに、より改善された性能を得るために、本発明の受動的温度補償方法を、他の方法と、たとえ能動的温度補償方法とでも組み合わせることによって、利益を得ることが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、能動的な温度補償方法に関連した大きな追加コストなしに温度依存性に関してシンチレーション検出器を補償することによって、有効なシンチレーション検出を行うことができる精度および/または温度範囲を改善する。この補償は、光検出器に関連した回路(以下、関連の光検出器回路と呼ぶ)に1つまたは複数の素子を組み込むことによって達成される。この1つまたは複数の素子は、シンチレーション検出器の構成部品の温度依存性の結果として生じる変動を補正(offset)する。特に、この1つまたは複数の素子は、異なった温度では異なった割合で変化する補正を提供する。異なった温度における異なった割合の補正は、より正確に温度依存性に適合し、従ってより正確に温度依存性を補償する補正を作り出す。このことが、シンチレーション検出器が使用可能な有効温度範囲を拡大し、および/または、シンチレーション検出器の精度を向上させる。
【0009】
本発明の一態様により、温度補償形シンチレーション検出器は、シンチレータと、このシンチレータに光学的に結合されておりかつシンチレータによって放出される光子を電気信号に変換する働きをする光検出器と、温度による変動に対して電気信号を補償するために温度に応じて変化する補正を与える第1の回路と、温度が第1の予め定められた温度を超えるときに上記の補正の量を変化させるための、上記の第1の回路に接続されている第2の回路とを含む。
【0010】
一実施例では、第3の回路が、温度が第2の予め定められた温度を超えるときに上記の補正の量を変化させるために、上記の第1の回路に接続されている。
一実施例では、上記の第2の回路は、この第2の回路が温度補償を行う機能を果たす度合いを制御するためのスイッチング装置を含む。
一実施例では、上記の第1の回路はサーミスタを含み、第2の回路は、スイッチング素子に直列である抵抗素子を含み、光検出器は光電子増倍管であり、および/または、第2の回路はダイオードを含む。このダイオードがツェナーダイオードまたはショットキーバリアダイオードであることが好ましい。
【0011】
一実施例では、上記の第2の回路は金属−絶縁体−金属(MIM:metal-insulator-metal)素子を含んでもよい。
本発明の別の態様により、温度補償形シンチレーション検出器が、シンチレータと、このシンチレータに光学的に結合されておりかつシンチレータによって放出される光子を光検出器電気信号に変換する働きをする光検出器と、この光検出器に電気的に接続されている関連の光検出器回路とを含む。この関連の光検出器回路は、一次温度補償回路と、二次温度補償回路と、この二次温度補償回路を前記の一次温度補償回路に選択的に接続するためのスイッチング装置とを含む。
【0012】
一実施例では、上記の一次温度補償回路はサーミスタを含み、二次温度補償回路は、スイッチング素子に直列である抵抗素子を含み、光検出器は光電子増倍管であり、および/または、二次温度補償回路はスイッチング素子としてダイオードを含む。
本発明のさらに別の態様により、温度補償形シンチレーション検出器は、シンチレータと、このシンチレータに光学的に結合されておりかつシンチレータによって放出される光子を光検出器電気信号に変換する働きをする光検出器と、この光検出器に電気的に接続されている関連の光検出器回路とを含む。この関連の光検出器回路は温度補償回路を含み、この温度補償回路は、第1の温度範囲内で動作して温度補償を行う一次温度補償回路と、上記の第1の温度範囲の外側に広がる第2の温度範囲内で動作して温度補償を行う二次温度補償回路とを含む。
【0013】
一実施例では、この温度補償回路は、上記の二次温度補償回路が温度補償を行う機能を果たす度合いを制御するスイッチング装置を含む。
一実施例では、上記の二次温度補償回路は、上記の第1の温度範囲とは異なる第2の温度範囲内での温度補償を行う。
さらに、本発明により、温度補償形シンチレーション検出器は、シンチレータと、このシンチレータに光学的に結合されておりかつシンチレータによって放出される光子を電気信号に変換する働きをする光電子増倍管と、この光電子増倍管に電気的に接続されている抵抗ラダー回路(resistive ladder)と、シンチレータと光電子増倍管の少なくともどちらか一方における温度依存性による電気信号の変動を補償する温度補償回路とを含む。この温度補償回路は上記の抵抗ラダー回路に電気的に接続されており、スイッチング素子と抵抗素子とを含む直列回路に対して並列であるサーミスタを含む。
【0014】
本発明のさらに別の態様により、温度依存性のシンチレーション検出器の出力を補償する回路が、温度依存性のシンチレーション検出器の出力と、温度範囲の少なくとも第1の部分内と第2の部分内とにおいて温度依存性のシンチレーション検出器の出力に対する温度補償を行うための温度依存性素子と、上記の温度範囲の第2の部分内において上記の温度依存性のシンチレーション検出器の出力に対する温度補償を行う追加の素子とを含む。上記の温度範囲の第1の部分内での補償が温度範囲の第2の部分内での補償とは異なった割合(rate)で与えられる。温度依存性による出力の変動が10%に制限されることが好ましく、6%に制限されることがより好ましい。
【0015】
本発明は、さらに、上述のシンチレーション検出器に固有であるシンチレーション検出器の温度補償を行う方法も提供する。
さらに、本発明による特有の方法により、シンチレータと、このシンチレータに光学的に結合されておりかつシンチレータによって放出される光子を光検出器電気信号に変換する働きをする光検出器と、この光検出器に電気的に接続されている関連の光検出器回路とを含むシンチレーション検出器における温度補償が与えられる。この方法は、第1の温度範囲内での温度に依存する変動(以下、単に温度変動と呼ぶ)を補償するための第1の回路をそれに関連の光検出回路に含むことと、第2の温度範囲内での温度変動を補償するための第2の回路をそれに関連の光検出回路内に含むこととを含む。
【0016】
また、本発明は、光電子増倍管とその関連の電圧ラダー回路(voltage ladder)とを含むシンチレーション検出器のための温度補償回路を提供し、そこで、温度依存性の抵抗素子または回路が、光電子増倍管の陽極とこれに隣接したダイノード(dynode)の間、光電子増倍管の陰極とこれに隣接したダイノードの間、または、光電子増倍管の互いに隣接した任意の2つのダイノードの間で、ラダー抵抗器(ladder resistor)の代わりに使用される。こうした回路は、温度の上昇に応じて増加する利得を備える。
【0017】
本発明の上述の特徴やその他の特徴を本明細書で詳細に説明し、特に特許の請求項で詳細に指摘する。下記の記述と添付図面により本発明の特定の実施例を詳細に説明する。しかし、これらの実施例は、本発明の原理を使用することが可能な様々な方法の幾つかを示しているにすぎない。本発明の他の目的と利点と新規性のある特徴は、以下の本発明の詳細な説明から、添付図面との関連を考慮して明確になるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図面を詳細に参照すると、図1では、シンチレーション検出器は参照番号1で全体として示されている。このシンチレーション検出器1は、シンチレータ2と、光検出器3と、シンチレータ2が発生する光の量の関数として変化する電気信号5を出力する関連回路4とを含む。以下の例では、光検出器3は光電子増倍管であり、特に10段(stage)の光電子増倍管である。あるいは、光検出器3は、異なった数の段を有する光電子増倍管、ガスリードアウト装置(gas readout device)、または、TMAE装置等であることが可能である。シンチレータ2は、プラスチックシンチレータ、無機シンチレータ、および、結晶(crystal)シンチレータを含む、意図した使用に適した任意の材料で作られたどんな種類のシンチレータであってもよい。結晶シンチレータは、NaI(Tl)、CsI(Na)、CsI(Tl)、BGO、BC−438等を含む。
【0019】
図2が、温度補償を全く行わない従来技術のシンチレーション検出器の出力のグラフである(ph(相対値)は25℃に正規化されているパルス波高値(pulse hight)である)。この従来技術のシンチレーション検出器は、検出された光の量を表示する電荷(charge)出力信号を供給する。この電荷出力信号は、一定な入射放射線(incident radiation)の場合に対して周囲温度に対するグラフとして図2に示す電圧信号に変換される。温度が0℃から60℃に上昇するにつれて、この電圧信号は約半分に減少する。この大きさの温度依存性のために、温度補償を欠いたシンチレーション検出器の有効性が制限される。温度依存性を補正するために、サーミスタが図3に示すように使用されている。この従来技術の受動補償形シンチレーション検出器回路は、抵抗器11〜23と、ポテンショメータ25と、サーミスタ26と、コンデンサ28〜32とを含み、これらは光電子増倍管33に接続されている。この回路は34において電荷出力信号を有し、35において高電圧入力を有し、また、PMTは陰極36と陽極37とダイノード38とを有する。250kΩサーミスタのようなサーミスタ26は、シンチレーション検出器の温度が変化するにつれて、限定された温度補償を信号34に与える。サーミスタ26は負の非線形な熱依存性(negative nonlinear thermal dependency)を有し、一方、シンチレーション検出器の他の部分は負のほぼ線形の熱依存性を有する。比較的狭い温度範囲内においてだけではあるが、シンチレーション検出器の温度依存性を減少させるか排除するように、サーミスタ26の熱係数(thermal coefficient)をシンチレーション検出器1のその他の構成部品の熱係数に一致させることができる。
【0020】
図4が、図3の従来技術のサーミスタ補償形検出器回路に対する「シンチレーション検出器の電圧信号出力」対「温度」のグラフの一例である。この図から理解できるように、相対的な電圧信号の変化は図2の例の場合よりも小さい。しかし、この変化は依然として大きく、末端の値と最大値との間に30%の変動がある。この温度依存性がこうした従来技術のサーミスタ補償形シンチレーション検出器の有効性を制限する。
【0021】
上述の従来技術の受動のシンチレーション検出器の温度依存性のために、当業者はシンチレーション検出器の温度を制御するか、または、能動装置を使用するかを選択しており、能動装置は、公知の放射線源、NaI(Tl)+Am241光パルサー(light pulser)、光パルスLED、または、ランプを有し、これを検出されたシンチレーションに対応する信号を調整するための基準として使用するか、または、この信号をシンチレーションパルスの幾つかの成分の収率にしたがって調整することができる。こうしたシンチレーション検出器の各々は大規模で高コストの追加の装置を必要とする。
【0022】
図5は、新たな受動温度補償形シンチレーション検出器回路39を示す。この回路39は、光電子増倍管57に接続されている電圧ラダー回路50の抵抗器40〜49と温度依存性抵抗素子52とコンデンサ53〜56とを含む。光電子増倍管は、陰極接続点58と陽極接続点69とダイノード接続点59〜68とにおいて上記の回路に接続される。例えばサーミスタ(またはサーミスタを含む回路)のような温度依存性の抵抗素子が、光電子増倍管57の陽極69とこれに隣接した電圧ラダー回路のダイノード68との間のラダー抵抗器の代わりに置きかえられる。あるいは、サーミスタ52を、光電子増倍管の陰極とこれに隣接したダイノードとの間の電圧ラダー回路抵抗器の代わりに、または、光電子増倍管の互いに隣接した任意の2つのダイノードの間の抵抗器の代わりに使用してもよい。回路39は、ある用途では必要とされるように、温度が上昇するにつれて増大する利得を提供し、温度補償される回路の有効範囲をある程度は拡大する。しかし、温度補償の有効範囲は改善されてはいても、依然として狭い。
【0023】
図3の従来技術の回路または図5の本発明の回路におけるサーミスタ26、52がシンチレーション検出器1の出力4に及ぼす影響を制御することが可能である。第1に、サーミスタ26、52の値を、より小さい値とより大きい値の間の任意の値に選択することが可能である。より大きい値は、より高い温度においてより滑らかでより一様な応答を生じさせるが、しかし、より低い温度での応答を低下させる。これとは対照的に、サーミスタ26、52がより小さい値である場合には、より低い温度において、より滑らかで一様な応答が得られるが、より高い温度での応答が低下する。
【0024】
図3の従来技術の回路あるいは図5の本発明の回路に共通の上述の問題点を、上述の能動装置や温度制御に頼る必要なしに解決することが可能である。このことが、拡大された動作範囲を有するシンチレーション検出器システムを構成するために必要とされる装置の量を減少させると共に、そのコストを低減させる。
図6(A)は、図1の一般的な検出器構成で有利に使用できる温度補償回路79(本明細書では回路装置(circuit device)とも呼ばれる)を示す。この温度補償回路装置79は、サーミスタ82を含む一次回路(primary circuit)と、スイッチング装置81と抵抗器80とを含む二次回路(secondary circuit)とを含む。この温度補償回路装置は、例えば図3に示すような回路において、光電子増倍管等のような光検出器に関連する回路の中に挿入されている。特に、図7に示すように、この温度補償回路は、抵抗性電圧ラダー回路83(または他の分圧器)と電源の間に挿入される(ポテンショメータ25とコンデンサ28とが補償回路79と電源の間にあることが好ましい)。あるいは、この温度補償回路を、光電子増倍管の互いに隣接したダイノードの間の抵抗器、光電子増倍管の陰極とこれに隣接したダイノードとの間の抵抗器、または、図8に示すように光電子増倍管の陽極とこれに隣接したダイノードとの間の抵抗器のような、電圧ラダー回路の抵抗器の1つと置き換えてもよい。
【0025】
図8では、陽極接続点37における電圧が、高電圧源の電位に出力信号を加えた値である。スイッチング素子は、ツェナーダイオードもしくはショットキーバリアダイオードのようなダイオード、または、金属−絶縁体−金属(MIM)素子等であることが可能である。上述のように、補償回路装置79を、ダイノードのどれかの間の抵抗40〜49のどれか1つと置き換えてもよい。
【0026】
本発明は、正の電圧ラダー回路と負の電圧ラダー回路のどちらでも同様に有効である。
図7を参照すると、動作時には、サーミスタ82と抵抗器80とスイッチング素子81は連係して働いて、シンチレーション検出器1の温度が変化するのに応じて34における信号を補償する。スイッチング素子81は、ツェナーダイオードもしくはショットキーバリアダイオードのようなダイオード、または、金属−絶縁体−金属(MIM)素子等であることが可能である。サーミスタ82の熱係数は、シンチレーション検出器のその他の温度依存性素子と同じ符号の熱係数であるべきである。大部分のシンチレーション検出器、特に光電子増倍管であるシンチレーション検出器では、この係数は通常は負であり、したがって負の温度係数(NTC)のサーミスタが使用されるであろう。あらゆるサーミスタの熱係数をシンチレーション検出器の設計範囲全体にわたってシンチレーション検出器のその他の構成部品の熱係数に正確に合わせることは可能ではないかも知れないが、限られた温度範囲内でのサーミスタの熱係数をシンチレーション検出器のその他の構成部品の熱係数に合わせることは一般的に可能である。
【0027】
両方ともサーミスタ82に対して並列に置かれている抵抗器80とスイッチング素子81の直列の組合せによって、動作温度範囲が拡大し、および/または、補償の量が増大する。サーミスタ82はある特定の温度範囲に対する温度補償を行い、一方、抵抗器80とスイッチング素子81はそれとは異なった温度範囲内で異なった温度補償が行われるようにする。これが可能なのは、装置の温度がある特定の温度に達すると、スイッチング素子81の両端間の電圧がスイッチング素子81を動作可能にするのに十分になり、それによって、サーミスタ82と並列に抵抗器80を接続することによって補正(offset)の量を変化させるからである。
【0028】
より高い温度においてより滑らかで一様な応答を得るためにサーミスタ82の値を増加させる時には、サーミスタ−ツェナーダイオード−抵抗器(TZR)回路を使用することによって、シンチレーション検出器の低温応答が改善される(すなわち、応答の低下が防止される)。ツェナーダイオードは、温度が上昇するのに応じてサーミスタの抵抗が大きく変化することを補償する。ツェナーダイオードは、サーミスタの抵抗が増加するにつれてその電圧差が増大することを制限し維持する働きをする。ツェナーダイオードの両端間での電圧降下を一定に保つように、サーミスタ82の代わりにツェナーダイオード81をより多くの電流が流れなければならない。サーミスタ内を流れる電流が少なければ少ないほど、その電流降下が少ない。抵抗器80はツェナーダイオードの影響を変えて、それをサーミスタに適合させることを補助する。ツェナーダイオードの定格が小さければ小さいほど、動作範囲の低温度端での偏差が小さい。しかし、この値が小さすぎる場合は、高温度端を低下させる可能性がある。ツェナーダイオードに直列である抵抗器の値が、サーミスタの温度プロフィールに適合させるのに役立つ。
【0029】
したがって、単一の割合ではなく複数の割合で変化する補正によって温度依存性が補償されるので、より正確な温度補償が達成される。
単一のケーブルの正の高電圧を使用するシンチレーション検出器回路の場合には、補償回路装置79、特にTZR回路が、光電子増倍管の2つのダイノードの間に配置されるか、または、最後のダイノードと陽極との間に配置されることが好ましく、後者は図8に示されている。このことが、負荷抵抗が温度の関数(function temperature)になってシステムの容量性減結合(capacitive decoupling)に干渉することを防止する。
【0030】
上述の補償回路が、従来技術の受動シンチレーション検出器に比較して広い温度範囲にわたって変動の度合いを大きく減少させる。例えば、温度補償なしのシンチレーション検出器は0℃から60℃までで40%の変化を示すことがあり、サーミスタ補償形のシンチレーション検出器は30%の変化を示すことがある。これとは対照的に、上述の通りの補償回路79の使用はこの変動を約10%未満に制限することが可能であり、好ましくは約6%未満に制限することが可能である。これは、従来技術の温度補償なしのシンチレーション検出器に比べて567%(すなわち、変動が1/6未満である)の改善であり、従来技術の受動補償シンチレーション検出器に比べて400%(すなわち、変動が1/5である)の改善である。より広い動作温度範囲を有する別の例では、シンチレーション検出器は0℃から70℃までで50%の変化を示すことがあるが、一方、図7の回路では変化は約7.5%以下にすることができる。これは、従来技術の温度補償なしのシンチレーション検出器に比べて567%(すなわち、変動が1/6未満である)の改善である。より狭い動作温度範囲の場合には、本発明のシンチレーション検出器は、その動作温度範囲内でさらに小さい変動を示すであろう。例えば、本発明による回路79を含むシンチレーション検出器は、25℃から60℃の動作温度範囲内で3.5%の変動しか示さないであろう。
【0031】
出力信号の温度依存性をさらに低減させるために、追加のスイッチング素子と抵抗器をサーミスタと並列に配置することができる。シンチレーション検出器の有効温度範囲をさらに拡大するために、または、特定の温度範囲内におけるシンチレーション検出器の性能を改善するために、図6(B)に示すように、温度補償回路装置79′を図6(A)の抵抗器80の代わりに使用することができる。その結果として得られる図6(B)に示すカスケード構成の動作時には、サーミスタ82はある特定の温度範囲に対する温度補償を行う。この装置の温度がある特定のレベルに達すると、スイッチング素子81の両端間の電圧がそのスイッチング素子81を動作可能にするのに十分な大きさになり、それによって装置79′がサーミスタ82と並列に接続される。今や、スイッチング素子81′を動作可能にする切換え点に温度が達するまでは、この改変された補償回路90の実効抵抗は、並列に接続された2つのサーミスタ82と82′から生ずることになる。スイッチング素子81′が動作可能になると、抵抗器80′がサーミスタ82′と並列に接続される。したがって、温度補正(temperature offset)の割合がさらに変化する。スイッチング装置とサーミスタと抵抗器の値を、より広い温度範囲内にわたって温度補償を改善するようにシンチレーション検出器のその他の構成部品の温度依存特性に合わせるように選択することができる。
【0032】
図9が、図7によるサーミスタ−ツェナーダイオード−抵抗器で温度補償されたシンチレーション検出器回路の場合の、「検出された光の量を示す電圧信号」対「温度」のグラフである。250kΩサーミスタと、30Vツェナーダイオードと、150kΩ抵抗器とが、この補償回路を構成する。このグラフから容易に理解できるように、温度変化に伴う信号出力の変動は最小となり、約6%にすぎない。
【0033】
図10が、図8によるサーミスタ−ツェナーダイオード−抵抗器で温度補償されたシンチレーション検出器回路の場合の、「検出された光の量を示す電圧信号」対「温度」のグラフである。450kΩサーミスタと、37Vツェナーダイオードと、150kΩ抵抗器とが、この補償回路を構成する。グラフから容易に理解できるように、この場合も同様に温度変化に伴う信号出力の変動は最小となり、約5%にすぎない。
【0034】
上記のスイッチング素子も温度補償回路の性能に影響を与える。例えば、ツェナーダイオードを使用する時には、ツェナー定格が小さければ小さいほど、より低い温度でより小さい偏差をもたらすが、より高い温度での出力信号を低下させることになる。他のスイッチング装置も同様の影響を有する。
本発明の実施例では、0℃から60℃までの温度範囲と、25℃から60℃までの温度範囲と、0℃から75℃までの温度範囲とが用いられているが、これらの範囲よりも広い温度範囲または狭い温度範囲をも補償できる。より狭い温度範囲を温度補償する場合には変動がより小さくなり、一方、より広い温度範囲ではより大きい変動となるであろう。さらに、本発明を、数百℃の温度変化を被る可能性がある高温(例えば80℃)用シンチレーション検出器に適用することができる。
【0035】
本発明を新たに製造されるシンチレーション検出器に適用することができ、または、より旧式のシンチレーション検出器の性能を改善するようにこうしたシンチレーション検出器に改良を施すために使用してもよい。シンチレーション検出器のコストと出力信号の温度変動とが問題になる場合には、シンチレーション検出器に有効に使用するために本発明が有用である。本発明の温度補償方法および回路を、シンチレーション検出器以外の装置に関連する用途を含む他の用途にも適用してもよい。
【0036】
本発明を特定の好ましい実施例に関して例示し説明したが、当業者が本明細書と添付図面とを読んで理解することによって同等の改変と変型とを見いだすことは明らかである。特に上述の要素(構成部品、アセンブリ、装置、構成品等)によって達成される様々な機能に関して、こうした要素を説明するために使用された術語(「方法」に関連するものも含む)は、特に明示しない限り、たとえ本明細書で例示した本発明の1つまたは複数の実施例においてその機能を達成する開示された構造と構造的に同等でなくても、上述の要素の指定された機能を行う(すなわち、機能的に同等の)あらゆる要素に対応することが意図されている。さらに、例示した幾つかの実施例の1つまたはいくつかだけに関して本発明の特徴を上記で説明することができたが、こうした特徴を、何らかの与えられたまたは特定の用途にとって望ましくかつ有利であり得るように、本発明のその他の実施例の1つまたはいくつかの他の特徴と組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】シンチレーション検出器の概略図である。
【図2】温度補償のない従来技術のシンチレーション検出器の出力のグラフを示す図である。
【図3】従来技術の温度補償シンチレーション検出器回路の概略図である。
【図4】温度補償のためのサーミスタを有する従来技術の温度補償シンチレーション検出器の出力のグラフを示す図である。
【図5】本発明による温度補償シンチレーション検出器回路の概略図である。
【図6】(A)は本発明による温度補償回路装置の第1の実施例の概略図である。 (B)は本発明による第2の実施例のカスケード接続形温度補償回路装置の概略図である。
【図7】図6(A)の温度補償回路装置を使用する温度補償シンチレーション検出器回路の概略図である。
【図8】本発明による図6(A)の温度補償回路装置を使用する別の温度補償シンチレーション検出器回路の概略図である。
【図9】本発明による温度補償を有するシンチレーション検出器出力のグラフを示す図である。
【図10】本発明による温度補償を有するシンチレーション検出器出力のグラフを示す図である。
【符号の説明】
【0038】
1 シンチレーション検出器
2 シンチレータ
3 光検出器
4 関連の回路
5 電気信号
11〜23 抵抗器
25 ポテンショメータ
26 サーミスタ
28〜32 コンデンサ
33 光電子増倍管
36 陰極
37 陽極
38 ダイノード
39 受動温度補償シンチレーション検出器回路
40〜49 抵抗器
50 電圧ラダー回路
52 温度依存性抵抗素子
53〜56 コンデンサ
57 光電子増倍管
58〜68 ダイノード
69 陽極接続点
79、79′ 温度補償回路
80、80′ 抵抗器
81、81′ スイッチング素子
82、82′ サーミスタ
83 抵抗性電圧ラダー回路
90 変形形温度補償回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度補償形シンチレーション検出器であって、
シンチレータと、
前記シンチレータに光学的に結合されておりかつ前記シンチレータによって放出される光子を電気信号に変換する働きをする光検出器と、
温度による変動に対して前記電気信号を補償するために、温度に応じて変化する補正を行う第1の回路と、
前記温度が第1の予め定められた温度を超えるときに前記補正の量を変化させるための、前記第1の回路に接続される第2の回路と、
を含む温度補償形シンチレーション検出器。
【請求項2】
前記温度が第2の予め定められた温度を超えるときに前記補正の量を変化させるための、前記第1の回路に接続される第3の回路をさらに含む請求項1に記載のシンチレーション検出器。
【請求項3】
前記第1の予め定められた温度より高い温度での前記補正の温度変動は、前記第1の予め定められた温度より低い温度での温度変動とは異なっている請求項1に記載のシンチレーション検出器。
【請求項4】
前記第2の回路は、該第2の回路が温度補償を行う機能を果たす度合いを制御するためのスイッチング装置を含む請求項1に記載のシンチレーション検出器。
【請求項5】
前記第1の回路はサーミスタを含む請求項1に記載のシンチレーション検出器。
【請求項6】
前記第2の回路は、スイッチング素子に対して直列である抵抗素子を含む請求項1に記載のシンチレーション検出器。
【請求項7】
前記光検出器は光電子増倍管である請求項1に記載のシンチレーション検出器。
【請求項8】
前記第2の回路はダイオードを含む請求項1に記載のシンチレーション検出器。
【請求項9】
前記ダイオードはツェナーダイオードである請求項8に記載のシンチレーション検出器。
【請求項10】
前記ダイオードはショットキーバリアダイオードである請求項9に記載のシンチレーション検出器。
【請求項11】
前記第2の回路はMIMを含む請求項1に記載のシンチレーション検出器。
【請求項12】
温度補償形シンチレーション検出器であって、
シンチレータと、
前記シンチレータに光学的に結合されておりかつ前記シンチレータによって放出される光子を光検出器電気信号に変換する働きをする光検出器と、
前記光検出器に電気的に接続される関連の光検出器回路と、
を含み、
前記関連の光検出器回路は、一次温度補償回路と、二次温度補償回路と、前記二次温度補償回路と前記一次温度補償回路との間の接続を選択的に変えるスイッチング装置と、を含む温度補償形シンチレーション検出器。
【請求項13】
前記一次温度補償回路はサーミスタを含む請求項12に記載のシンチレーション検出器。
【請求項14】
前記二次温度補償回路は、スイッチング素子と直列の抵抗素子を含む請求項12に記載のシンチレーション検出器。
【請求項15】
前記光検出器は光電子増倍管である請求項12に記載のシンチレーション検出器。
【請求項16】
前記二次温度補償回路はダイオードを含む請求項12に記載のシンチレーション検出器。
【請求項17】
前記ダイオードはツェナーダイオードである請求項16に記載のシンチレーション検出器。
【請求項18】
前記ダイオードはショットキーバリアダイオードである請求項17に記載のシンチレーション検出器。
【請求項19】
前記二次温度補償回路はMIMを含む請求項12に記載のシンチレーション検出器。
【請求項20】
第3の温度補償回路をさらに含み、前記一次温度補償回路はサーミスタを含み、前記第3の温度補償回路はサーミスタを含む請求項12に記載のシンチレーション検出器。
【請求項21】
前記一次温度補償回路の前記サーミスタと前記二次温度補償回路の前記サーミスタは互いに並列である請求項20に記載のシンチレーション検出器。
【請求項22】
温度補償形シンチレーション検出器であって、
シンチレータと、
前記シンチレータに光学的に結合されておりかつ前記シンチレータによって放出される光子を光検出器電気信号に変換する働きをする光検出器と、
前記光検出器に電気的に接続される関連の光検出器回路と、
を含み、
前記関連の光検出器回路は温度補償回路を含み、前記温度補償回路は、第1の温度範囲内において動作して温度補償を行う一次温度補償回路と、前記第1の温度範囲の外側に広がる第2の温度範囲内で動作して温度補償を行う二次温度補償回路とを含む温度補償形シンチレーション検出器。
【請求項23】
前記温度補償回路は、前記二次温度補償回路が温度補償を行う機能を果たす度合いを制御するスイッチング装置を含む請求項22に記載のシンチレーション検出器。
【請求項24】
前記二次温度補償回路は、前記第1の温度範囲とは異なる前記第2の温度範囲内での温度補償を行う請求項22に記載のシンチレーション検出器。
【請求項25】
シンチレータと、該シンチレータに光学的に結合されておりかつ前記シンチレータによって放出される光子を光検出器電気信号に変換する働きをする光検出器と、該光検出器に電気的に接続される関連の光検出器回路とを含むシンチレーション検出器に対する温度補償を行う方法であって、
第1の温度範囲内での温度変動を補償するための第1の回路を前記の関連の光検出回路内に含むことと、
第2の温度範囲内での温度変動を補償するための第2の回路を前記の関連の光検出回路内に含むことと、
を含むシンチレーション検出器に対する温度補償を行う方法。
【請求項26】
前記第1の回路はサーミスタを含み、前記第2の回路はスイッチング素子と抵抗素子とを含む請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記スイッチング素子はダイオード、ツェナーダイオード、ショットキーバリアダイオードおよびMIMの中の少なくとも1つを含む請求項26に記載の方法。
【請求項28】
第3の温度範囲内での温度変動を補償する第3の回路を前記関連の光検出回路内にさらに含む請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記第1の温度範囲と前記第2の温度範囲は互いにほぼ同一であり、前記第2の回路は温度変動を補償することにおいて前記第1の回路を補助する請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記第1の温度範囲と前記第2の温度範囲は互い異なっている請求項26に記載の方法。
【請求項31】
温度補償形シンチレーション検出器であって、
シンチレータと、
前記シンチレータに光学的に結合されておりかつ前記シンチレータによって放出される光子を電気信号に変換する働きをする光電子増倍管と、
前記光電子増倍管に電気的に接続される抵抗ラダー回路と、
前記シンチレータと前記光電子増倍管の少なくともどちらか一方における温度依存性による前記電気信号の変動を補償する温度補償回路であって、前記抵抗ラダー回路に電気的に接続されており、かつ、スイッチング素子と抵抗素子とを含む直列回路と並列なサーミスタを含む温度補償回路と、
を含む温度補償形シンチレーション検出器。
【請求項32】
前記温度補償回路に電気的に結合される電圧源をさらに含む請求項31に記載のシンチレーション検出器。
【請求項33】
前記スイッチング素子はツェナーダイオードを含む請求項31に記載のシンチレーション検出器。
【請求項34】
温度依存性のシンチレーション検出器の出力を補償する回路であって、
温度依存性のシンチレーション検出器の出力と、
温度範囲の少なくとも第1の部分内と第2の部分内において前記温度依存性のシンチレーション検出器の出力に対する温度補償を行う温度依存性素子と、
前記温度範囲の前記第2の部分内において前記温度依存性のシンチレーション検出器の出力に対する温度補償を行う追加の素子と、
を含み、
前記温度範囲の前記第1の部分内での補償が前記温度範囲の前記第2の部分内での補償とは異なった割合で行われる、温度依存性のシンチレーション検出器の出力を補償する回路。
【請求項35】
温度依存性による前記出力の変動が10%に制限される請求項34に記載のシンチレーション検出器。
【請求項36】
温度依存性による前記出力の変動が6%に制限される請求項34に記載のシンチレーション検出器。
【請求項37】
陽極と陰極とダイノードとを有する光電子増倍管と、前記陽極と前記陰極と前記ダイノードとに接続されている分圧器ラダーとを含む、シンチレーション検出器のための温度補償回路において、前記分圧器ラダーが、前記光電子増倍管の前記陽極とこれに隣接した前記ダイノードの間、前記光電子増倍管の前記陰極とこれに隣接した前記ダイノードの間、および、前記光電子増倍管の互いに隣接したどれか2つの前記ダイノードの間、の中の少なくとも1つの間に接続される温度依存性抵抗素子を含む、シンチレーション検出器のための温度補正回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−102159(P2008−102159A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−8445(P2008−8445)
【出願日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【分割の表示】特願2001−89917(P2001−89917)の分割
【原出願日】平成13年3月27日(2001.3.27)
【出願人】(593150863)サン−ゴバン セラミックス アンド プラスティクス,インコーポレイティド (139)
【Fターム(参考)】