説明

温水洗浄便座装置

【課題】 壁掛け式のリモコン装置の充電電池への給電を簡易に行えるようにすること。
【解決手段】 温水洗浄便座カバーケース内に収容された洗浄機構が、充電電池駆動のワイヤレスリモコン装置の操作により作動されるようにした温水洗浄便座装置において、前記温水洗浄便座カバーケース内に収容された給電部に接続されたケーブルを前記温水洗浄便座カバーケースから繰り出して、前記充電電池に充電電圧を印加するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温水洗浄便座装置に関し、特にリモコン装置で作動される温水洗浄便座装置に関する。
【背景技術】
【0002】
リモコン装置で作動される温水洗浄便座装置に関しては、以前から、リモコン装置の駆動源たる電池の交換をいかにして適時に行なうかが問題とされており、その解決策として、特許文献1が開示する技術がある。すなわち、この技術は、リモコン装置の駆動源たる電池として充電電池を採用し、このリモコン装置を温水洗浄便座装置本体に装着して、この本体部から、常時、リモコン装置内部の充電電池に給電するものである。
【特許文献1】実開平7−2578号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に開示の技術によれば、確かに、リモコン装置の電池切れの危惧及び電池切れに伴う温水洗浄便座装置の作動不能から解放されるので、この点、高く評価されてしかるべきものである。しかしながら、上記メリットは、リモコン装置を温水洗浄便座装置本体に装着できた場合にのみ享受できるものであって、リモコン装置が、例えば壁掛け式の場合には、無力である。壁掛け式のリモコン装置の充電電池への給電は、トイレ空間を画成する壁面内に配線を施す必要があり、壁掛け式のリモコン装置の充電電池への給電の、更なる簡易化が要請される。
【0004】
それ故に、本発明は、かような要請に応えることが出来る温水洗浄便座装置を提供することを、その技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために請求項1で講じた第1の技術的手段は、
「温水洗浄便座カバーケース内に収容された洗浄機構が、充電電池駆動のワイヤレスリモコン装置の操作により作動されるようにした温水洗浄便座装置において、前記温水洗浄便座カバーケース内に収容された給電部に接続されたケーブルを前記温水洗浄便座カバーケースから繰り出して、前記充電電池に充電電圧を印加するようにした、温水洗浄便座装置。」
を構成したことである。
【0006】
しかして、上記第1の技術的手段におけるケーブルの繰り出しは、請求項2に記載のように、ケーブルをリール装置に装填することにより(第2の技術的手段)、また、請求項3記載のように、ケーブルをコイル状に形成することにより(第3の技術的手段)、行うことが出来る。
【0007】
また、上記の課題を解決するために請求項4で講じた第4の技術的手段は、
「温水洗浄便座カバーケース内に収容された洗浄機構が、充電電池駆動のワイヤレスリモコン装置の操作により作動されるようにした温水洗浄便座装置において、前記充電電池側から延出したケーブルをワイヤレスリモコン装置から繰り出した後、前記温水洗浄便座カバーケース内に収容された給電部に接続して、前記充電電池に充電電圧を印加するようにした、温水洗浄便座装置。」
を構成したことである。
【0008】
しかして、上記第4の技術的手段におけるケーブルの繰り出しは、請求項5に記載のように、ケーブルをリール装置に装填することにより(第5の技術的手段)、また、請求項6記載のように、ケーブルをコイル状に形成することにより(第6の技術的手段)、行うことが出来る。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、温水洗浄便座カバーケース内に収容された洗浄機構が、充電電池駆動のワイヤレスリモコン装置の操作により作動されるようにした温水洗浄便座装置において、前記温水洗浄便座カバーケース内に収容された給電部に接続されたケーブルを前記温水洗浄便座カバーケースから繰り出して、前記充電電池に充電電圧を印加するようにしたので、ワイヤレスリモコン装置を、前記温水洗浄便座カバーケースとは離れた位置に設置することが出来る。かくして、トイレ空間を画成する壁面内に配線を施すことなく、壁掛け式のリモコン装置の充電電池への給電が可能となる。
【0010】
また、請求項6記載の発明によっても、同様の効果を奏することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に本発明の実施態様例を図面に基づいて詳しく説明する。
【0012】
図1及び図2において温水洗浄便座10は、便器12の後部上側に配置された温水洗浄便座カバーケース24を備える。温水洗浄便座カバーケース24内には、制御装置90及び温水タンク92が収納される。温水タンク92内にはヒータ94で所定の温度に昇温・保持された温水96が貯溜されている。
【0013】
また、温水洗浄便座カバーケース24内には、肛門洗浄用ノズル22A及びビデ(女性局部)洗浄用ノズル22Bが設けられており、その先端部が便器12の内部に延出している。温水タンク92と肛門洗浄用ノズル22A(ビデ洗浄用ノズル22B)との間には電磁弁96A(96B)が介装されている。また、温水タンク92と給水配管18との間には主開閉弁98が介装されている。
【0014】
しかして、制御装置90に対して、トイレ空間を画成する壁面30に設置されたワイアレス式のリモコン装置32のスイッチが押されて、肛門洗浄指令(ビデ洗浄指令)がなされると、主開閉弁98及び電磁弁96A(96B)が開かれて、給水配管18からの水圧が主開閉弁98を通過して温水タンク92内に供給される。結果、温水タンク92内の温水が、電磁弁96A(96B)を介して肛門洗浄用ノズル22A(ビデ洗浄用ノズル22B)に送供給されて、その先端部から、便座14上の使用者の肛門(ビデ)に噴射されるようになっている。
【0015】
図2に示されるように、制御装置90からは、ケーブル40を介して、ケーブル40の先端部に接続されたプラグ42に、常時、DC12ボルトの電圧が印加されている。温水洗浄便座カバーケース24内には、リール装置44が設置されており、ケーブル40がリール装置44に巻回装着されることにより、ケーブル40がプラグ42と一体的に、温水洗浄便座カバーケース24から繰り出されるようになっている。しかして、図3に示されるように、温水洗浄便座カバーケース24の側部に形成された凹部24aには、プラグ42が弾着係合にて収容されている。
【0016】
しかして、図4に示されるように、リモコン装置32は、周知の内部構造を備え、内蔵の充電電池34で駆動されるようになっている。リモコン装置32には、外部に露呈し且つ充電電池34の両極に接続されたジャック36が設けられており、ケーブル40を温水洗浄便座カバーケース24から繰り出されて、このジャック36にプラグ42が、図5に示されるように、挿脱自在に嵌合されると、ケーブル40に供給されているDC12ボルトが、充電電圧として充電電池34に印加され、充電電池34の充電がなされる。
【0017】
充電の終了後、プラグ42をジャック36から抜けば、ケーブル40を温水洗浄便座カバーケース24内に繰り込み、収納することが出来る。
【0018】
また、充電時期は、リモコン装置32の液晶画面32aが暗くなったときか、別途、リモコン装置32に設けられるインディケータ(図示略)が点灯したときその他である。また、図示はされないが、ケーブル40はコイル状に形成しておけば、リール装置を用いることなく、ケーブル40の繰り出し・繰り入れを、簡単に行うことが出来る。
【0019】
尚、図示はしないが、ケーブル40をワイヤレスリモコン装置32から繰り出した後、温水洗浄便座カバーケース内に収容された給電部に接続して、充電電池32に充電電圧を印加するようにしても良い。この場合も、リール装置による繰り出しでも良いし、コイル状に形成した繰り出し態様でも良いことは、もちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係り、ワイヤレスリモコン装置の非充電時の、温水洗浄便座装置の斜視図。
【図2】図1の温水洗浄便座装置の温水洗浄便座カバーケースの内部構成を示すブロック図。
【図3】図1のA部の拡大詳細図。
【図4】ワイヤレスリモコン装置の内部構造の概略を示す図。
【図5】ワイヤレスリモコン装置の充電時の、図1の温水洗浄座装置の斜視図。
【符号の説明】
【0021】
10:温水洗浄便座装置
24:温水洗浄便座カバーケース
32:ワイヤレスリモコン装置
40:ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
温水洗浄便座カバーケース内に収容された洗浄機構が、充電電池駆動のワイヤレスリモコン装置の操作により作動されるようにした温水洗浄便座装置において、前記温水洗浄便座カバーケース内に収容された給電部に接続されたケーブルを前記温水洗浄便座カバーケースから繰り出して、前記充電電池に充電電圧を印加するようにした、温水洗浄便座装置。
【請求項2】
前記ケーブルをリール装置に装填することにより、前記ケーブルが前記温水洗浄便座カバーケースから繰り出されるようにした、請求項1記載の温水洗浄便座装置。
【請求項3】
前記ケーブルをコイル状に形成することにより、前記ケーブルが前記温水洗浄便座カバーケースから繰り出されるようにした、請求項1記載の温水洗浄便座装置。
【請求項4】
温水洗浄便座カバーケース内に収容された洗浄機構が、充電電池駆動のワイヤレスリモコン装置の操作により作動されるようにした温水洗浄便座装置において、前記充電電池側から延出したケーブルをワイヤレスリモコン装置から繰り出した後、前記温水洗浄便座カバーケース内に収容された給電部に接続して、前記充電電池に充電電圧を印加するようにした、温水洗浄便座装置。
【請求項5】
前記ケーブルをリール装置に装填することにより、前記ケーブルが前記ワイヤレスリモコン装置から繰り出されるようにした、請求項4記載の温水洗浄便座装置。
【請求項6】
前記ケーブルをコイル状に形成することにより、前記ケーブルが前記ワイヤレスリモコン装置から繰り出されるようにした、請求項4記載の温水洗浄便座装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−9261(P2006−9261A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−183718(P2004−183718)
【出願日】平成16年6月22日(2004.6.22)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】