温水洗浄便座装置
【課題】 従来と比べて部品点数と操作部の組み立て工数とが少なく、ベースカバーの操作部の有り／無しに係わらずベースカバーの袖部裏をベースプレートで蓋をする必要がなく、ベースプレートは袖部無しの１種類で対応が可能な温水洗浄便座装置を提供すること。
【解決手段】
温水洗浄便座装置１は、洗浄ノズル１１が設けられるベースプレート１０と、ベースプレート１０と組み合わされて洗浄ノズル１１を覆い、袖部２１に凹部２２を有するベースカバー２０と、凹部２２に表側から取り付けられる操作部ユニット３０、を備え、操作部ユニット３０は、洗浄ノズル１１の動作を操作する操作銘板３１と、操作銘板３１により押圧されるキートップ３２と、キートップ３２が設けられベースカバー２０内部の制御装置と配線で結ばれる操作基板３４と、から構成される。
【解決手段】
温水洗浄便座装置１は、洗浄ノズル１１が設けられるベースプレート１０と、ベースプレート１０と組み合わされて洗浄ノズル１１を覆い、袖部２１に凹部２２を有するベースカバー２０と、凹部２２に表側から取り付けられる操作部ユニット３０、を備え、操作部ユニット３０は、洗浄ノズル１１の動作を操作する操作銘板３１と、操作銘板３１により押圧されるキートップ３２と、キートップ３２が設けられベースカバー２０内部の制御装置と配線で結ばれる操作基板３４と、から構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、人体局部の洗浄等の機能を操作する操作部をベースカバーの袖部に備える温水洗浄便座装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来技術として、図８の温水洗浄便座装置６０がある。温水洗浄便座装置６０は、ベースカバー６１と、ベースプレート６２と、操作部６３と、を備える。ベースカバー６１は、袖部６４を備え、袖部６４には操作部６３が設けられる。操作部６３は、袖部６４の内部に設けられスイッチを有する操作基板６５と、袖部６４の表面に貼り付けられる操作銘板６６と、を備える構成である。操作基板６５は、ネジ６７によりベースカバー６１の袖部６４の内部に取り付けられる。温水洗浄便座装置６０は、ベースカバー６１の袖部６４の内部に操作基板６５を備えるため、操作基板６５への水、洗剤、ゴミ等の浸入防止、使用者等の操作基板６５への接触防止、を目的に、ベースカバー６１の袖部６４の裏側をベースプレート６２の袖部６８で蓋をする構成である。
【０００３】
また、便器と、便器上に載置される便座と、人体局部を洗浄する洗浄手段と、洗浄手段を備えたベースカバーとベースプレートとを有する本体と、本体の操作部近傍に開口された開口部と、開口部に係合可能なスイッチカバーと、操作部下方にはスイッチが配設された操作基板と、本体と一体成形されたキートップと、を備え、キートップの押圧によりスイッチが切換可能とする温水洗浄便座装置がある（例えば、特許文献１参照。）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２０００−１２９７５０号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら従来技術の温水洗浄便座装置６０では、温水洗浄便座装置６０の操作部を組み立てるのに、ベースカバー６１の袖部６４内部に操作基板６５を取り付けて、ベースカバー６１の袖部６４の表面に操作銘板６６であるフィルムを貼り、ベースプレート６２の袖部６８でベースカバー６１の袖部６４の裏側を蓋する必要があり、部品点数が多く組み立て工数がかかる問題があった。また、ベースカバー６１の操作部６３の有り／無しに応じて、ベースプレート６２も袖部６８の有り／無しの２種類を用意する必要があった。
【０００６】
本発明は上記問題点に鑑みて成されたものであり、従来と比べて部品点数と操作部の組み立て工数とが少なく、ベースカバーの操作部の有り／無しに係わらずベースカバーの袖部裏をベースプレートで蓋をする必要がなく、ベースプレートは袖部無しの１種類で対応が可能な人体局部洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明の第１の課題解決手段は、人体局部を洗浄する洗浄手段を備える温水洗浄便座装置であって、前記洗浄手段が設けられるベースプレートと、前記ベースプレートと組み合わされて前記洗浄手段を覆い、袖部に凹部を有するベースカバーと、前記凹部に表側から取り付けられる操作部ユニットとを備え、前記操作部ユニットは、前記洗浄手段の動作を操作する操作銘板と、前記操作銘板により押圧されるキートップと、前記キートップが設けられ前記ベースカバー内部の制御装置と配線で結ばれる操作基板とを有する構成である。
【０００８】
また、本発明の第２の課題解決手段は、前記操作部ユニットは、前記袖部裏面より締結部材で締結される構成である。
【０００９】
また、本発明の第３の課題解決手段は、前記操作部ユニットは、ツメ部が形成され、前記ツメ部は、前記操作部ユニットが前記凹部の表側から取り付ける際に前記凹部の壁面と当接して前記凹部の底面方向への移動を許容するように弾性変形するとともに、前記操作部ユニットが前記凹部の前記底面と当接する位置で前記壁面との圧接が解除され、前記底面方向と反対の方向への移動を規制するように弾性復帰する構成である。
【００１０】
また、本発明の第４の課題解決手段は、前記操作銘板は、前記凹部全体を覆い、前記袖部表面に貼り付く構成である。
【００１１】
また、本発明の第５の課題解決手段は、前記操作基板は、リモコン受光部が取り付く構成である。
【００１２】
また、本発明の第６の課題解決手段は、前記キートップは、前記操作銘板と接する部分が、湾曲した形状を呈する構成である。
【発明の効果】
【００１３】
本発明の温水洗浄便座装置では、操作部ユニットは、袖部の凹部に表側から取り付けられる構成のため、従来より操作部の組み立て工数とが少なく、ベースカバーの操作部の有り／無しに係わらずベースカバーの袖部の裏側をベースプレートで蓋をする必要がなく、ベースプレートは袖部無しの１種類で対応可能である。
【００１４】
また、操作部ユニットは、袖部裏面より締結部材で締結される構成のため、組み付け性が向上する。
【００１５】
また、操作部ユニットに形成されたツメ部は、操作部ユニットが凹部の表側から取り付ける際に凹部の壁面と当接して凹部の底面への移動を許容するように弾性変形するとともに、操作部ユニットが凹部の底面と当接する位置で壁面との圧接が解除され、底面方向と反対の方向への移動を規制するように弾性復帰するため、操作部ユニットを袖部の表側からワンプッシュで凹部へ取り付けることが可能で、部品点数が低減し、組み付け性が向上する。
【００１６】
また、操作基板にリモコン受光部が取り付く構成とすることで、リモコン受光用のフィルター等の部品や組み立てが不要となる。
【００１７】
また、操作銘板は、凹部全体を覆い袖部表面に貼り付く構成のため、操作部ユニット内部に水や塵が浸入することを防止できる。
【００１８】
また、キートップは、操作銘板と接する部分が湾曲した形状を呈するため、操作銘板を所望の湾曲形状に設けることができ、操作部ユニットのデザインの自由度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【００１９】
【図１】本発明の温水洗浄便座装置の組立図である。
【図２】操作部ユニットを取り付けるのベースカバーの袖部表側からの斜視図である。
【図３】ベースカバーの袖部裏側からの斜視図である。
【図４】操作部ユニットの断面図である。
【図５】本発明の変形例の操作部ユニットの断面図である。
【図６】本発明の変形例の操作部ユニットの断面図である。
【図７】メンブレンスイッチを備えた温水洗浄便座装置の組立図である。
【図８】従来の温水洗浄便座装置の組立図である。
【発明を実施するための形態】
【００２０】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【００２１】
図１は、本発明の温水洗浄便座装置１の組立図である。温水洗浄便座装置１は、図示しない便器本体に載置されるベースプレート１０と、ベースプレート１０と組み合わされ袖部２１を有するベースカバー２０と、ベースカバー２０の袖部２１の表側から取り付けられる操作部ユニット３０と、から構成される。ベースプレート１０には、人体局部を洗浄する洗浄ノズル１１（洗浄手段）や、洗浄ノズル１１を制御する図示しない制御基板が設けられる。ベースカバー２０は、袖部２１に操作部ユニット３０が取り付く凹部２２を有し、洗浄ノズル１１と制御基板を覆うようにベースプレート１０と一体に組み合わされる。
【００２２】
図２は、操作部ユニット３０を取り付ける前のベースカバー２０の袖部２１の表側からの斜視図である。ベースカバー２０は、ベースカバー２０の袖部２１の表側に凹部２２を有する。凹部２２には、操作基板３４（図４参照）からの配線３３（図１参照）をベースカバー２０の内部の制御基板が設けられる空間と連通する配線通し穴２３が設けられる。配線通し穴２３は、操作部ユニット３０が凹部２２に取り付いた状態では、使用者から視認できない。
【００２３】
図３は、本発明のベースカバー２０の袖部２１の裏側からの斜視図である。ベースカバー２０の袖部２１の内部は、格子状の補強リブ２４が設けられる。ベースカバー２０は樹脂製で、配線通し穴２３と補強リブ２４はベースカバー２０が樹脂成形される際に一体で形成される。袖部２１の内部は、スイッチが配設された操作基板等を備えない構成である。ベースカバー２０の裏側は常に開放された状態で、袖部２１の裏側からは補強リブ２４が視認可能である。また、配線通し穴２３は、凹部２２とベースカバー２０の内部の制御基板が設けられる空間とをダクト２５で繋ぐ形状のため、袖部２１の裏側から配線３３は視認できない。従って、配線通し穴２３は、操作部ユニット３０を取り付けた後、シール剤で封止する必要はない。ただし、凹部２２とベースカバー２０の内部の制御基板が設けられる空間とを繋ぐ部分がダクト２５形状ではない場合、配線通し穴２３は操作部ユニット３０を取り付けた後、シール剤で封止される。
【００２４】
図４は、本発明の操作部ユニット３０の構成を示す断面図である。操作部ユニット３０は、洗浄ノズル１１の動作を操作する操作銘板３１と、操作銘板３１により押圧されるキートップ３２と、キートップ３２が設けられベースカバー２０内部の制御装置と配線３３で結ばれる操作基板３４と、から構成される。キートップ３２の操作銘板３１と接する部分３５は、湾曲した形状を呈する。操作銘板３１は、凹部２２全体を覆い、袖部２１の表面２６に沿って貼り付く構成である。操作基板３４には、キートップ３２の他に操作部ユニット３０とは別体で洗浄ノズル１１を操作する図示しないリモコンからの信号を受信するリモコン受光部４０と、操作部ユニット３０の動作を示すＬＥＤ発光部４１と、が設けられている。操作部ユニット３０は、袖部２１の凹部２２に袖部２１の裏側よりネジ３６で固定される。
【００２５】
次に操作部ユニット３０の袖部２１への取り付け手順について説明する。操作部ユニット３０に設けられた配線３３は、配線通し穴２３を通り、ベースカバー２０の内部でベースプレート１０に設けられた制御基板に接続される。操作部ユニット３０は、配線通し穴２３を覆うように袖部２１の表側から凹部２２に設けられる。そして、操作部ユニット３０は、袖部２１の裏側よりネジ３６で締結され、凹部２２に固定される。そして、操作銘板３１が凹部２２全体を覆うように、袖部２１の表面２６に沿って貼り付けられる。
【００２６】
本発明の温水洗浄便座装置１では、操作部ユニット３０は、袖部２１の凹部２２に表側から取り付けられる構成のため、操作部ユニット３０の組み立て工数が少なく、ベースカバー２０の操作部の有り／無しに係わらずベースカバー２０の袖部２１の裏側をベースプレートで蓋をする必要がなく、ベースプレート１０は袖部無しの１種類で対応可能である。また、操作部ユニット３０は、袖部２１の裏面よりネジ３６で締結される構成のため、組み付け性が向上する。また、操作銘板３１は、凹部２２の全体を覆い袖部２１の表面２６に貼り付く構成のため、操作部ユニット３０の内部に水や塵が浸入することを防止できる。また、操作基板２４には、ＬＥＤ４１を設けたリモコン受光部４０が取り付く構成のため、リモコン受光用のフィルター等の部品や組み立てが不要となる。また、キートップ３２は、操作銘板３１と接する部分３５が湾曲した形状を呈するため、操作銘板３１を所望の湾曲形状に設けることができ、操作部ユニット３０のデザインの自由度が向上する。
【００２７】
図５は、本発明の変形例の操作部ユニット３０ａの断面図である。図４の操作部ユニット３０と共通する機能、構成については、同一の符号を用いて説明する。図５の操作部ユニット３０ａは、操作基板３４ａとは別体のリモコン受光部４０を有するリモコン受光部基板４２を設け、操作基板３４ａと並置したことが操作部ユニット３０との違いであり、その他の構成は操作部ユニット３０と同様である。
【００２８】
操作基板３４ａには、キートップ３２と操作部ユニット３０の動作を示すＬＥＤ発光部４１とが取り付く。リモコン受光部基板４２には、リモコン受光部４０が取り付く。
【００２９】
操作部ユニット３０ａでは、操作部ユニット３０の効果に加え、操作基板３４ａとリモコン受光部基板４２とが別体で凹部２２の底面２２ｂに並置される構成のため、リモコン受光部４０の取り付け位置の自由度が高まり、操作部ユニット３０ａのデザイン性が向上する。
【００３０】
図６は、本発明の変形例の操作部ユニット３０ｂの断面図である。図４の操作部ユニット３０と共通する機能、構成については、同一の符号を用いて説明する。図６の操作部ユニット３０ｂは、ネジ等の締結部材を用いることなく、弾性変形するツメ部３７により凹部２２に設けられた係合部３８に取り付く点が操作部ユニット３０との違いであり、その他の構成は操作部ユニット３０と同様である。
【００３１】
操作部ユニット３０ｂでは、ツメ部３７は、操作部ユニット３０ｂが凹部２２の表側から取り付ける際に凹部２２の壁面２２ａと当接して凹部２２の底面への移動を許容するように弾性変形するとともに、操作部ユニット３０ｂが凹部２２の底面２２ｂと当接する位置で壁面２２ａとの圧接が解除され、底面２２ｂ方向と反対の方向への移動を規制するように弾性復帰する。
【００３２】
よって操作部ユニット３０ｂでは、操作部ユニット３０の効果に加え、袖部２１の表側からワンプッシュで凹部２２へ取り付けることが可能で、部品点数が低減し、組み付け性が向上する。
【００３３】
図７は、ベースカバー５４の袖部５３の表面にメンブレンスイッチ５６を貼り付けた温水洗浄便座装置５０である。温水洗浄便座装置５０は、人体局部を洗浄する洗浄ノズル５１が設けられるベースプレート５２と、ベースプレート５２と組み合わされて洗浄ノズル５１を覆い、袖部５３を有するベースカバー５４と、ベースカバー５４の袖部５３の表面の貼り付け面５５に粘着テープや接着剤で貼り付けられ、操作部を有するメンブレンスイッチ５６とから構成される。
【００３４】
この温水洗浄便座装置５０では、従来と比べて操作部の組み立て工数が少なく、ベースカバー５４の操作部の有り／無しに係わらずベースカバー５４の袖部５３の裏側をベースプレート５２で蓋をする必要がなく、ベースプレート５２は袖部無しの１種類で対応可能であるが、メンブレンスイッチ５６は、粘着テープや接着剤で貼り付け面５５に貼り付けられる構成のため、袖部の表側から使用者が剥がすことが可能で、またメンブレンスイッチ５６を湾曲した面（デザインカーブ）に貼り付けると、スイッチ作動不良、スイッチフィーリング不良の問題がある。
【００３５】
これに対して操作部ユニット３０、３０ａは、袖部２１の凹部２２にネジ３６で強固に取り付き、操作部ユニット３０ｂは弾性変形するツメ部３７により凹部２２に設けられた係合部３８に取り付く構成で、操作部ユニット３０、３０ａ、３０ｂには曲げ・捻り等の応力は作用しない。よって粘着テープの剥がれ、スイッチ作動不良、スイッチフィーリング不良の問題を解決できる。
【符号の説明】
【００３６】
１ 温水洗浄便座装置
１０ ベースプレート
１１ 洗浄ノズル（洗浄手段）
２０ ベースカバー
２１ 袖部
２２ 凹部
３０ 操作部ユニット
３１ 操作銘板
３２ キートップ
３３ 配線
３４ 操作基板
４０ リモコン受光部
【技術分野】
【０００１】
本発明は、人体局部の洗浄等の機能を操作する操作部をベースカバーの袖部に備える温水洗浄便座装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来技術として、図８の温水洗浄便座装置６０がある。温水洗浄便座装置６０は、ベースカバー６１と、ベースプレート６２と、操作部６３と、を備える。ベースカバー６１は、袖部６４を備え、袖部６４には操作部６３が設けられる。操作部６３は、袖部６４の内部に設けられスイッチを有する操作基板６５と、袖部６４の表面に貼り付けられる操作銘板６６と、を備える構成である。操作基板６５は、ネジ６７によりベースカバー６１の袖部６４の内部に取り付けられる。温水洗浄便座装置６０は、ベースカバー６１の袖部６４の内部に操作基板６５を備えるため、操作基板６５への水、洗剤、ゴミ等の浸入防止、使用者等の操作基板６５への接触防止、を目的に、ベースカバー６１の袖部６４の裏側をベースプレート６２の袖部６８で蓋をする構成である。
【０００３】
また、便器と、便器上に載置される便座と、人体局部を洗浄する洗浄手段と、洗浄手段を備えたベースカバーとベースプレートとを有する本体と、本体の操作部近傍に開口された開口部と、開口部に係合可能なスイッチカバーと、操作部下方にはスイッチが配設された操作基板と、本体と一体成形されたキートップと、を備え、キートップの押圧によりスイッチが切換可能とする温水洗浄便座装置がある（例えば、特許文献１参照。）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２０００−１２９７５０号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら従来技術の温水洗浄便座装置６０では、温水洗浄便座装置６０の操作部を組み立てるのに、ベースカバー６１の袖部６４内部に操作基板６５を取り付けて、ベースカバー６１の袖部６４の表面に操作銘板６６であるフィルムを貼り、ベースプレート６２の袖部６８でベースカバー６１の袖部６４の裏側を蓋する必要があり、部品点数が多く組み立て工数がかかる問題があった。また、ベースカバー６１の操作部６３の有り／無しに応じて、ベースプレート６２も袖部６８の有り／無しの２種類を用意する必要があった。
【０００６】
本発明は上記問題点に鑑みて成されたものであり、従来と比べて部品点数と操作部の組み立て工数とが少なく、ベースカバーの操作部の有り／無しに係わらずベースカバーの袖部裏をベースプレートで蓋をする必要がなく、ベースプレートは袖部無しの１種類で対応が可能な人体局部洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明の第１の課題解決手段は、人体局部を洗浄する洗浄手段を備える温水洗浄便座装置であって、前記洗浄手段が設けられるベースプレートと、前記ベースプレートと組み合わされて前記洗浄手段を覆い、袖部に凹部を有するベースカバーと、前記凹部に表側から取り付けられる操作部ユニットとを備え、前記操作部ユニットは、前記洗浄手段の動作を操作する操作銘板と、前記操作銘板により押圧されるキートップと、前記キートップが設けられ前記ベースカバー内部の制御装置と配線で結ばれる操作基板とを有する構成である。
【０００８】
また、本発明の第２の課題解決手段は、前記操作部ユニットは、前記袖部裏面より締結部材で締結される構成である。
【０００９】
また、本発明の第３の課題解決手段は、前記操作部ユニットは、ツメ部が形成され、前記ツメ部は、前記操作部ユニットが前記凹部の表側から取り付ける際に前記凹部の壁面と当接して前記凹部の底面方向への移動を許容するように弾性変形するとともに、前記操作部ユニットが前記凹部の前記底面と当接する位置で前記壁面との圧接が解除され、前記底面方向と反対の方向への移動を規制するように弾性復帰する構成である。
【００１０】
また、本発明の第４の課題解決手段は、前記操作銘板は、前記凹部全体を覆い、前記袖部表面に貼り付く構成である。
【００１１】
また、本発明の第５の課題解決手段は、前記操作基板は、リモコン受光部が取り付く構成である。
【００１２】
また、本発明の第６の課題解決手段は、前記キートップは、前記操作銘板と接する部分が、湾曲した形状を呈する構成である。
【発明の効果】
【００１３】
本発明の温水洗浄便座装置では、操作部ユニットは、袖部の凹部に表側から取り付けられる構成のため、従来より操作部の組み立て工数とが少なく、ベースカバーの操作部の有り／無しに係わらずベースカバーの袖部の裏側をベースプレートで蓋をする必要がなく、ベースプレートは袖部無しの１種類で対応可能である。
【００１４】
また、操作部ユニットは、袖部裏面より締結部材で締結される構成のため、組み付け性が向上する。
【００１５】
また、操作部ユニットに形成されたツメ部は、操作部ユニットが凹部の表側から取り付ける際に凹部の壁面と当接して凹部の底面への移動を許容するように弾性変形するとともに、操作部ユニットが凹部の底面と当接する位置で壁面との圧接が解除され、底面方向と反対の方向への移動を規制するように弾性復帰するため、操作部ユニットを袖部の表側からワンプッシュで凹部へ取り付けることが可能で、部品点数が低減し、組み付け性が向上する。
【００１６】
また、操作基板にリモコン受光部が取り付く構成とすることで、リモコン受光用のフィルター等の部品や組み立てが不要となる。
【００１７】
また、操作銘板は、凹部全体を覆い袖部表面に貼り付く構成のため、操作部ユニット内部に水や塵が浸入することを防止できる。
【００１８】
また、キートップは、操作銘板と接する部分が湾曲した形状を呈するため、操作銘板を所望の湾曲形状に設けることができ、操作部ユニットのデザインの自由度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【００１９】
【図１】本発明の温水洗浄便座装置の組立図である。
【図２】操作部ユニットを取り付けるのベースカバーの袖部表側からの斜視図である。
【図３】ベースカバーの袖部裏側からの斜視図である。
【図４】操作部ユニットの断面図である。
【図５】本発明の変形例の操作部ユニットの断面図である。
【図６】本発明の変形例の操作部ユニットの断面図である。
【図７】メンブレンスイッチを備えた温水洗浄便座装置の組立図である。
【図８】従来の温水洗浄便座装置の組立図である。
【発明を実施するための形態】
【００２０】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【００２１】
図１は、本発明の温水洗浄便座装置１の組立図である。温水洗浄便座装置１は、図示しない便器本体に載置されるベースプレート１０と、ベースプレート１０と組み合わされ袖部２１を有するベースカバー２０と、ベースカバー２０の袖部２１の表側から取り付けられる操作部ユニット３０と、から構成される。ベースプレート１０には、人体局部を洗浄する洗浄ノズル１１（洗浄手段）や、洗浄ノズル１１を制御する図示しない制御基板が設けられる。ベースカバー２０は、袖部２１に操作部ユニット３０が取り付く凹部２２を有し、洗浄ノズル１１と制御基板を覆うようにベースプレート１０と一体に組み合わされる。
【００２２】
図２は、操作部ユニット３０を取り付ける前のベースカバー２０の袖部２１の表側からの斜視図である。ベースカバー２０は、ベースカバー２０の袖部２１の表側に凹部２２を有する。凹部２２には、操作基板３４（図４参照）からの配線３３（図１参照）をベースカバー２０の内部の制御基板が設けられる空間と連通する配線通し穴２３が設けられる。配線通し穴２３は、操作部ユニット３０が凹部２２に取り付いた状態では、使用者から視認できない。
【００２３】
図３は、本発明のベースカバー２０の袖部２１の裏側からの斜視図である。ベースカバー２０の袖部２１の内部は、格子状の補強リブ２４が設けられる。ベースカバー２０は樹脂製で、配線通し穴２３と補強リブ２４はベースカバー２０が樹脂成形される際に一体で形成される。袖部２１の内部は、スイッチが配設された操作基板等を備えない構成である。ベースカバー２０の裏側は常に開放された状態で、袖部２１の裏側からは補強リブ２４が視認可能である。また、配線通し穴２３は、凹部２２とベースカバー２０の内部の制御基板が設けられる空間とをダクト２５で繋ぐ形状のため、袖部２１の裏側から配線３３は視認できない。従って、配線通し穴２３は、操作部ユニット３０を取り付けた後、シール剤で封止する必要はない。ただし、凹部２２とベースカバー２０の内部の制御基板が設けられる空間とを繋ぐ部分がダクト２５形状ではない場合、配線通し穴２３は操作部ユニット３０を取り付けた後、シール剤で封止される。
【００２４】
図４は、本発明の操作部ユニット３０の構成を示す断面図である。操作部ユニット３０は、洗浄ノズル１１の動作を操作する操作銘板３１と、操作銘板３１により押圧されるキートップ３２と、キートップ３２が設けられベースカバー２０内部の制御装置と配線３３で結ばれる操作基板３４と、から構成される。キートップ３２の操作銘板３１と接する部分３５は、湾曲した形状を呈する。操作銘板３１は、凹部２２全体を覆い、袖部２１の表面２６に沿って貼り付く構成である。操作基板３４には、キートップ３２の他に操作部ユニット３０とは別体で洗浄ノズル１１を操作する図示しないリモコンからの信号を受信するリモコン受光部４０と、操作部ユニット３０の動作を示すＬＥＤ発光部４１と、が設けられている。操作部ユニット３０は、袖部２１の凹部２２に袖部２１の裏側よりネジ３６で固定される。
【００２５】
次に操作部ユニット３０の袖部２１への取り付け手順について説明する。操作部ユニット３０に設けられた配線３３は、配線通し穴２３を通り、ベースカバー２０の内部でベースプレート１０に設けられた制御基板に接続される。操作部ユニット３０は、配線通し穴２３を覆うように袖部２１の表側から凹部２２に設けられる。そして、操作部ユニット３０は、袖部２１の裏側よりネジ３６で締結され、凹部２２に固定される。そして、操作銘板３１が凹部２２全体を覆うように、袖部２１の表面２６に沿って貼り付けられる。
【００２６】
本発明の温水洗浄便座装置１では、操作部ユニット３０は、袖部２１の凹部２２に表側から取り付けられる構成のため、操作部ユニット３０の組み立て工数が少なく、ベースカバー２０の操作部の有り／無しに係わらずベースカバー２０の袖部２１の裏側をベースプレートで蓋をする必要がなく、ベースプレート１０は袖部無しの１種類で対応可能である。また、操作部ユニット３０は、袖部２１の裏面よりネジ３６で締結される構成のため、組み付け性が向上する。また、操作銘板３１は、凹部２２の全体を覆い袖部２１の表面２６に貼り付く構成のため、操作部ユニット３０の内部に水や塵が浸入することを防止できる。また、操作基板２４には、ＬＥＤ４１を設けたリモコン受光部４０が取り付く構成のため、リモコン受光用のフィルター等の部品や組み立てが不要となる。また、キートップ３２は、操作銘板３１と接する部分３５が湾曲した形状を呈するため、操作銘板３１を所望の湾曲形状に設けることができ、操作部ユニット３０のデザインの自由度が向上する。
【００２７】
図５は、本発明の変形例の操作部ユニット３０ａの断面図である。図４の操作部ユニット３０と共通する機能、構成については、同一の符号を用いて説明する。図５の操作部ユニット３０ａは、操作基板３４ａとは別体のリモコン受光部４０を有するリモコン受光部基板４２を設け、操作基板３４ａと並置したことが操作部ユニット３０との違いであり、その他の構成は操作部ユニット３０と同様である。
【００２８】
操作基板３４ａには、キートップ３２と操作部ユニット３０の動作を示すＬＥＤ発光部４１とが取り付く。リモコン受光部基板４２には、リモコン受光部４０が取り付く。
【００２９】
操作部ユニット３０ａでは、操作部ユニット３０の効果に加え、操作基板３４ａとリモコン受光部基板４２とが別体で凹部２２の底面２２ｂに並置される構成のため、リモコン受光部４０の取り付け位置の自由度が高まり、操作部ユニット３０ａのデザイン性が向上する。
【００３０】
図６は、本発明の変形例の操作部ユニット３０ｂの断面図である。図４の操作部ユニット３０と共通する機能、構成については、同一の符号を用いて説明する。図６の操作部ユニット３０ｂは、ネジ等の締結部材を用いることなく、弾性変形するツメ部３７により凹部２２に設けられた係合部３８に取り付く点が操作部ユニット３０との違いであり、その他の構成は操作部ユニット３０と同様である。
【００３１】
操作部ユニット３０ｂでは、ツメ部３７は、操作部ユニット３０ｂが凹部２２の表側から取り付ける際に凹部２２の壁面２２ａと当接して凹部２２の底面への移動を許容するように弾性変形するとともに、操作部ユニット３０ｂが凹部２２の底面２２ｂと当接する位置で壁面２２ａとの圧接が解除され、底面２２ｂ方向と反対の方向への移動を規制するように弾性復帰する。
【００３２】
よって操作部ユニット３０ｂでは、操作部ユニット３０の効果に加え、袖部２１の表側からワンプッシュで凹部２２へ取り付けることが可能で、部品点数が低減し、組み付け性が向上する。
【００３３】
図７は、ベースカバー５４の袖部５３の表面にメンブレンスイッチ５６を貼り付けた温水洗浄便座装置５０である。温水洗浄便座装置５０は、人体局部を洗浄する洗浄ノズル５１が設けられるベースプレート５２と、ベースプレート５２と組み合わされて洗浄ノズル５１を覆い、袖部５３を有するベースカバー５４と、ベースカバー５４の袖部５３の表面の貼り付け面５５に粘着テープや接着剤で貼り付けられ、操作部を有するメンブレンスイッチ５６とから構成される。
【００３４】
この温水洗浄便座装置５０では、従来と比べて操作部の組み立て工数が少なく、ベースカバー５４の操作部の有り／無しに係わらずベースカバー５４の袖部５３の裏側をベースプレート５２で蓋をする必要がなく、ベースプレート５２は袖部無しの１種類で対応可能であるが、メンブレンスイッチ５６は、粘着テープや接着剤で貼り付け面５５に貼り付けられる構成のため、袖部の表側から使用者が剥がすことが可能で、またメンブレンスイッチ５６を湾曲した面（デザインカーブ）に貼り付けると、スイッチ作動不良、スイッチフィーリング不良の問題がある。
【００３５】
これに対して操作部ユニット３０、３０ａは、袖部２１の凹部２２にネジ３６で強固に取り付き、操作部ユニット３０ｂは弾性変形するツメ部３７により凹部２２に設けられた係合部３８に取り付く構成で、操作部ユニット３０、３０ａ、３０ｂには曲げ・捻り等の応力は作用しない。よって粘着テープの剥がれ、スイッチ作動不良、スイッチフィーリング不良の問題を解決できる。
【符号の説明】
【００３６】
１ 温水洗浄便座装置
１０ ベースプレート
１１ 洗浄ノズル（洗浄手段）
２０ ベースカバー
２１ 袖部
２２ 凹部
３０ 操作部ユニット
３１ 操作銘板
３２ キートップ
３３ 配線
３４ 操作基板
４０ リモコン受光部
【特許請求の範囲】
【請求項１】
人体局部を洗浄する洗浄手段を備える温水洗浄便座装置であって、
前記洗浄手段が設けられるベースプレートと、
前記ベースプレートと組み合わされて前記洗浄手段を覆い、袖部に凹部を有するベースカバーと、
前記凹部に表側から取り付けられる操作部ユニットと、を備え、
前記操作部ユニットは、
前記洗浄手段の動作を操作する操作銘板と、
前記操作銘板により押圧されるキートップと、
前記キートップが設けられ前記ベースカバー内部の制御装置と配線で結ばれる操作基板と
を有する温水洗浄便座装置。
【請求項２】
前記操作部ユニットは、前記袖部裏面より締結部材で締結される
ことを特徴とする請求項１に記載の温水洗浄便座装置。
【請求項３】
前記操作部ユニットは、ツメ部が形成され、
前記ツメ部は、前記操作部ユニットが前記凹部の表側から取り付ける際に前記凹部の壁面と当接して前記凹部の底面方向への移動を許容するように弾性変形するとともに、前記操作部ユニットが前記凹部の前記底面と当接する位置で前記壁面との圧接が解除され、前記底面方向と反対の方向への移動を規制するように弾性復帰する
ことを特徴とする請求項１に記載の温水洗浄便座装置。
【請求項４】
前記操作銘板は、前記凹部全体を覆い、前記袖部表面に貼り付く
ことを特徴とする請求項１乃至３のいずれか一項に記載の温水洗浄便座装置。
【請求項５】
前記操作基板は、リモコン受光部が取り付く
ことを特徴とする請求項１乃至４のいずれか一項に記載の温水洗浄便座装置。
【請求項６】
前記キートップは、前記操作銘板と接する部分が、湾曲した形状を呈する
ことを特徴とする請求項１乃至５のいずれか一項に記載の温水洗浄便座装置。
【請求項１】
人体局部を洗浄する洗浄手段を備える温水洗浄便座装置であって、
前記洗浄手段が設けられるベースプレートと、
前記ベースプレートと組み合わされて前記洗浄手段を覆い、袖部に凹部を有するベースカバーと、
前記凹部に表側から取り付けられる操作部ユニットと、を備え、
前記操作部ユニットは、
前記洗浄手段の動作を操作する操作銘板と、
前記操作銘板により押圧されるキートップと、
前記キートップが設けられ前記ベースカバー内部の制御装置と配線で結ばれる操作基板と
を有する温水洗浄便座装置。
【請求項２】
前記操作部ユニットは、前記袖部裏面より締結部材で締結される
ことを特徴とする請求項１に記載の温水洗浄便座装置。
【請求項３】
前記操作部ユニットは、ツメ部が形成され、
前記ツメ部は、前記操作部ユニットが前記凹部の表側から取り付ける際に前記凹部の壁面と当接して前記凹部の底面方向への移動を許容するように弾性変形するとともに、前記操作部ユニットが前記凹部の前記底面と当接する位置で前記壁面との圧接が解除され、前記底面方向と反対の方向への移動を規制するように弾性復帰する
ことを特徴とする請求項１に記載の温水洗浄便座装置。
【請求項４】
前記操作銘板は、前記凹部全体を覆い、前記袖部表面に貼り付く
ことを特徴とする請求項１乃至３のいずれか一項に記載の温水洗浄便座装置。
【請求項５】
前記操作基板は、リモコン受光部が取り付く
ことを特徴とする請求項１乃至４のいずれか一項に記載の温水洗浄便座装置。
【請求項６】
前記キートップは、前記操作銘板と接する部分が、湾曲した形状を呈する
ことを特徴とする請求項１乃至５のいずれか一項に記載の温水洗浄便座装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【公開番号】特開２０１２−１５８８６２（Ｐ２０１２−１５８８６２Ａ）
【公開日】平成２４年８月２３日（２０１２．８．２３）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−１６９７０（Ｐ２０１１−１６９７０）
【出願日】平成２３年１月２８日（２０１１．１．２８）
【出願人】（０００００００１１）アイシン精機株式会社 (5,421)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年８月２３日（２０１２．８．２３）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年１月２８日（２０１１．１．２８）
【出願人】（０００００００１１）アイシン精機株式会社 (5,421)
【Ｆターム（参考）】
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