温水洗浄式便座装置
【課題】温水タンク内に掛かる水道水圧によって、おしり洗浄ノズルまたはビデ洗浄ノズ
ルから温水を噴出する方式において、おしり洗浄時またはビデ洗浄時に、温水タンク内の
上部に溜まった空気が温水と共に温水導出パイプを通して前記ノズルから噴出し、不規則
な温水噴出が生じ、それによって温水の飛散を生じることとなり、温水洗浄式便座装置の
使用者が不快感を味わうことがある。本発明は、これを解決するものである。
【解決手段】温水タンク内の温水がおしり洗浄ノズルまたはビデ洗浄ノズルへ供給される
通路とは別に空気抜き通路を設け、着座スイッチが動作したとき、またはおしり洗浄開始
指令またはビデ洗浄開始指令が発せられたとき、電磁弁を所定時間開閉作動することによ
り、温水タンク内の上部に溜まった空気と共に温水を空気抜き通路から便器内へ排出する
こと。
ルから温水を噴出する方式において、おしり洗浄時またはビデ洗浄時に、温水タンク内の
上部に溜まった空気が温水と共に温水導出パイプを通して前記ノズルから噴出し、不規則
な温水噴出が生じ、それによって温水の飛散を生じることとなり、温水洗浄式便座装置の
使用者が不快感を味わうことがある。本発明は、これを解決するものである。
【解決手段】温水タンク内の温水がおしり洗浄ノズルまたはビデ洗浄ノズルへ供給される
通路とは別に空気抜き通路を設け、着座スイッチが動作したとき、またはおしり洗浄開始
指令またはビデ洗浄開始指令が発せられたとき、電磁弁を所定時間開閉作動することによ
り、温水タンク内の上部に溜まった空気と共に温水を空気抜き通路から便器内へ排出する
こと。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、水道水配管に接続された導水管を通って供給される水道水が、温水タンクに
よって加熱され洗浄ノズルから噴出して、便座に着座した人の部位を洗浄する温水洗浄式
便座装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
温水洗浄便座用の温水を溜めるためにヒータを内蔵した温水タンクを備え、この温水タ
ンクは、水道水が電磁弁と減圧弁を通って供給され、温水タンク内の温水を洗浄ノズルか
ら噴射して、肛門やビデ等の局部洗浄用として使用することは周知である。（例えば、特
許文献１参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００１−９８６１５号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
この特許文献１の形態では、おしり洗浄時またはビデ洗浄時には、電磁弁を開いて水道
水を温水タンク内へ供給することにより、温水タンクを通して掛かる水道水圧によって、
おしり洗浄ノズルまたはビデ洗浄ノズルを進出させ、先端のノズル口から温水を噴出する
。
【０００５】
温水タンク内の温水を導出するために、温水タンク内に略垂直に立設した温水導出パイ
プが設けられている。これは、おしり洗浄時またはビデ洗浄時には、電磁弁を開いて水道
水を温水タンク内の底部へ供給しつつ、温水タンク内の温水をおしり洗浄ノズルまたはビ
デ洗浄ノズルから噴出するが、おしり洗浄ノズルまたはビデ洗浄ノズルから、温水タンク
内へ供給される冷たい水道水が噴出せず、温かい水が噴出するようにするために、温水導
出パイプが立設されている。
【０００６】
温水タンク内の上部には空気が溜まる。これは、安全のために設けた負圧弁を通して温
水タンク内に流入する空気が溜まる場合や、温水タンク内の水の加熱によって水道水中に
含まれた空気が溜まる場合等である。しかし、電磁弁が開くことにより温水タンク内に水
道水が供給される温水洗浄式便座装置において、おしり洗浄時またはビデ洗浄時に、おし
り洗浄ノズルまたはビデ洗浄ノズルが進出を開始してから所定の進出位置へ進出するまで
の間に、この温水タンク内の上部に溜まった空気が、温水と共に温水導出パイプを通して
おしり洗浄ノズルのノズル口、またはビデ洗浄ノズルのノズル口から噴出することとなる
。このため、不規則な温水噴出が生じ、それによって温水の飛散を生じることとなり、温
水洗浄式便座装置の使用者が不快感を味わうことがある。
【０００７】
本発明では、このような点に鑑み、おしり洗浄時またはビデ洗浄時に、温水タンク内の
上部に溜まった空気が、温水と共に噴出しないように、空気抜き機能を設けることにより
、上記のような不規則な温水噴出による温水の飛散を生じることがないようにするもので
ある。この空気抜き機能としては、洗浄開始前またはビデ洗浄開始前に働くように、便座
に着座したとき温水タンク内の上部に溜まった空気を抜く第１の技術と、おしり洗浄開始
時またはビデ洗浄開始時に、温水タンク内の上部に溜まった空気を抜く第２の技術と、こ
の第１の技術と第２の技術とを組み合わせた第３の技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
第１発明は、便座への着座を検出する着座スイッチが動作した状態で、電磁弁が開くこ
とにより温水タンク内に水道水が供給される温水洗浄式便座装置において、前記温水タン
ク内の温水がおしり洗浄ノズルまたはビデ洗浄ノズルへ供給される通路とは別に空気抜き
通路を設け、便座への着座を着座スイッチが検出している状態において、おしり洗浄開始
指令またはビデ洗浄開始指令が発せられたとき、前記おしり洗浄ノズルまたは前記ビデ洗
浄ノズルからの温水噴出に先立って、前記電磁弁を所定時間開閉作動することにより、前
記所定時間内に前記温水タンク内の上部に溜まった空気と共に温水を前記空気抜き通路か
ら便器内へ排出することを特徴とする。
【０００９】
第２発明は、便座への着座を検出する着座スイッチが動作した状態で、電磁弁が開くこ
とにより温水タンク内に水道水が供給され、水道水圧によって、おしり洗浄ノズルまたは
ビデ洗浄ノズルから前記温水タンク内の温水が噴出する温水洗浄式便座装置において、前
記温水タンク内の温水が前記おしり洗浄ノズルまたはビデ洗浄ノズルへ供給される通路と
は別に空気抜き通路を設け、前記着座スイッチが動作したとき、前記電磁弁を所定時間開
閉作動することにより、前記所定時間内に前記温水タンク内の上部に溜まった空気と共に
温水を前記空気抜き通路から便器内へ排出することを特徴とする。
【００１０】
第３発明は、便座への着座を検出する着座スイッチが動作した状態で、電磁弁が開くこ
とにより温水タンク内に水道水が供給される温水洗浄式便座装置において、前記おしり洗
浄ノズルに通じるおしり洗浄水通路と、ビデ洗浄ノズルに通じるビデ洗浄水通路と、前記
温水タンクの温水を前記おしり洗浄水通路に流すか前記ビデ洗浄水通路に流すかを切り替
える切り替え弁と、前記おしり洗浄水通路及び前記ビデ洗浄水通路とは別個に便器内に排
出する空気抜き通路を備え、着座スイッチが動作している状態において、おしり洗浄指令
またはビデ洗浄指令のいずれかが発せられたとき、通常のおしり洗浄またはビデ洗浄に先
立って、前記切り替え弁が前記空気抜き通路を開くと共に前記電磁弁が所定時間開いて、
前記温水タンク内の空気と共に温水が前記空気抜き通路から排出されること。
【００１１】
第４発明は、便座への着座を着座スイッチが検出している状態でおしり洗浄指令または
ビデ洗浄指令に基づき、電磁弁が開いたとき温水タンク内に水道水が供給され、水道水圧
によって、おしり洗浄ノズルまたはビデ洗浄ノズルから前記温水タンク内の温水を噴出す
る温水洗浄式便座装置において、前記おしり洗浄ノズルに通じるおしり洗浄水通路と、ビ
デ洗浄ノズルに通じるビデ洗浄水通路と、前記温水タンクの温水を前記おしり洗浄水通路
に流すか前記ビデ洗浄水通路に流すかを切り替える切り替え弁と、前記おしり洗浄水通路
及び前記ビデ洗浄水通路とは別個に便器内に排出する空気抜き通路を備え、おしり洗浄指
令及びビデ洗浄指令のいずれも発せられる前の状態では、前記切り替え弁は前記おしり洗
浄水通路と前記ビデ洗浄水通路と前記空気抜き通路を閉じており、この状態において、前
記着座スイッチが便座への着座を検出したことにより、前記切り替え弁が前記空気抜き通
路を開くと共に前記電磁弁が所定時間開いて前記温水タンク内の空気と共に温水が前記空
気抜き通路から排出されること。
【００１２】
第５発明は、第１発明と第２発明の組み合わせであることを特徴とする。
【発明の効果】
【００１３】
本発明によって、温水タンク内の上部に溜まった空気は、温水と共に空気抜き通路から
便器内へ排出されるため、おしり洗浄時またはビデ洗浄時に、この空気がおしり洗浄ノズ
ルまたはビデ洗浄ノズルから噴出することによる温水の飛散が防止でき、正常な温水洗浄
が得られるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明に係る温水洗浄式便座装置を便器に取り付けた斜視図である。
【図２】図１の温水洗浄式便座装置の本体ケース及び操作部の内部構成を一部破断により示す平面図である。
【図３】本発明に係る温水洗浄式便座装置の制御回路図である。
【図４】本発明に係る温水洗浄式便座装置のノズルユニットＮＵと洗浄水切り替えユニットＳＵを組み合わせた状態の側面斜視図である。
【図５】本発明に係るノズルユニットＮＵと洗浄水切り替えユニットＳＵを組み合わせた状態の後方斜視図である。
【図６】本発明に係る洗浄水切り替えユニットを温水タンクの下面に取り付けた状態を上下方向で切断しその一部を拡大で示す断面図である。
【図７】本発明に係るノズルユニットＮＵを上下方向で切断しその一部を拡大で示す断面図である。
【図８】本発明に係る洗浄水切り替えユニットＳＵの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【００１５】
［実施例１］
本発明の実施例を先ず図１に基づき説明すると、１は洋式便器２の上に着脱可能に設置
された温水洗浄式便座装置であり、本体ケース３に便座４の後部とこの便座４の上面を覆
う便蓋５の後部が軸支持され、便座４と便蓋５を上下方向に開閉自在に枢支している。本
体ケース３の一方の側面には給水管６を突設し、この給水管６にフレキシブルな配管ホー
ス７を接続していると共に、この配管ホース７は、分岐水栓８を介して上水を供給する市
水等の上水道管９に接続している。
【００１６】
本体ケース３は、その一方の側面に、前方が上記便座４の側面に沿って延設された操作
部１０を一体的に突設しており、操作部１０は本体ケース３の一部分を構成する。操作部
１０は、この操作部１０の上面から操作される後述の複数のスイッチやこのスイッチによ
る動作状態を表示する表示部となるＬＥＤを収納している。図示のものは操作部１０が便
座４の側部に配置された構成であるが、操作をリモートコントロール方式とする場合は、
操作部１０の部分がリモートコントローラとなる。
【００１７】
図示の構成において、本体ケース３内には、図２に示す様に、主とした機能部品として
、便座４に着座した人の肛門やビデ等の被洗浄局部を洗浄するための温水をつくるための
温水タンク１３と、この温水タンク１３と給水管６とを接続する給水配管１４と、給水配
管１４に接続した電磁弁１１と、給水配管１４に接続した減圧弁１２、温水洗浄ユニット
６０と、脱臭機構１６と、電気制御回路を取り付けた基板１７とを収納配置している。な
お、本体ケース３内には、便座４と便蓋５を上下方向に開閉する電動機１９、２０が収容
されている。温水タンク１３には、電磁弁１１が開くことにより、配管ホース７及び給水
配管１４を通って上水道管９の上水が、温水タンク１３内の底部に供給される。温水タン
ク１３に供給された水は、温水タンク１３内に配置した温水ヒータ４２で温水となる。
【００１８】
脱臭機構１６は、脱臭用触媒２４と、脱臭ファン２５と、ファンケース２６にて主に構
成し、このファンケース２６は、上記洋式便器２のボウル２Ａに対向して開口した第１吸
気孔２７と、本体ケース３内に開口した第２吸気孔２８と、これらの吸気孔から吸引した
空気が上記脱臭用触媒２４を通過した後、本体ケース３の外に排出する排気孔２９とを設
けている。
【００１９】
便座４は、図１に一部断面で示すように、便座４の裏側にアルミニウム箔４Ａを介して
絶縁被覆された便座ヒータ４１が取り付けられており、便座ヒータ４１の発熱によって便
座４が加温される。
【００２０】
操作部１０は、図２に一部拡大で示すように、その中に絶縁性の操作基板１８を水平状
態に収納し、この操作基板１８には、各種の操作スイッチと、ＬＥＤ表示部が取り付けら
れている。この操作スイッチとして、おしり（肛門）洗浄開始スイッチ４５、ビデ洗浄開
始スイッチ４６、洗浄停止スイッチ４４、洗浄水の水勢増減スイッチ４７Ｐと４７Ｑ、温
水タンク１３の温水温度調節スイッチ４８、便座ヒータ４１による便座２の温度を可変す
る便座温度調節スイッチ４９等が設けられ、また、ＬＥＤ表示部として、水勢増減スイッ
チ４７Ｐと４７Ｑに対応して水勢の強中弱の状態を３段階で表示するＬＥＤ４７Ｌ、温水
温度調節スイッチ４８に対応して温水温度を低中高の３段階で表示するＬＥＤ４８Ｌ、便
座温度調節スイッチ４９に対応して便座温度を低中高の３段階で表示するＬＥＤ４９Ｌが
設けられている。なお、便座４と便蓋５を上下方向に開閉する電動機１９、２０をＯＮ・
ＯＦＦするスイッチ２３、４３とその押圧部分を前記操作スイッチ同様に操作部１０に設
けている。
【００２１】
操作部１０の上面開口は、前記の各スイッチ及びＬＥＤの対応部分に貫通孔を形成した
カバー板で覆われており、このカバー板の上面は、前記貫通孔を塞ぐようにこれらスイッ
チに対応する部分が可撓性を有し、且つ前記ＬＥＤに対応する部分が透光性を有するフィ
ルム１０Ｆで覆われている。このため、これらスイッチ４４、４５、４６、４７Ｐと４７
Ｑ、４８、４９に対応するフィルム１０Ｆの押圧部分４４Ａ、４５Ａ、４６Ａ、４７Ａと
４７Ｂ、４８Ａ、４９Ａを押すことによって、対応するスイッチが作動する。電動機１９
、２０をＯＮ・ＯＦＦするスイッチ２３、４３の部分も同様である。
【００２２】
温水タンク１３内の水を加熱するための温水ヒータ４２として、通電にて発熱するシー
ズヒータ４２が温水タンク１３内の底部に配設されている。温水タンク１３の上壁には、
温水タンク１３内の異常温度を検知してシーズヒータ４２への通電回路を遮断する温度検
知部５０と、温水タンク１３内の洗浄水レベル（温水レベル）を検知して電磁弁１１を開
閉制御して、温水タンク１３内の洗浄水レベルを所定レベルに制御するフロートスイッチ
５１と、温水タンク１３内の圧力が外気圧よりも低くなったとき温水タンク１３内と外気
を連通する負圧弁５２を備えた気圧調整用パイプ５３の取り付け部５４が設けられている
。温水タンク１３内は、負圧弁５２の作用によって外気と連通する以外は、外気と連通し
ないように気密構造である。また、温水タンク１３内の温水温度は、温水モードにおいて
温水温度調節スイッチ４８によって使用者が任意の設定温度に設定できる。温水モードに
おいてシーズヒータ４２への通電を制御して、温水タンク１３内の温水温度を前記設定温
度に維持するため、温水タンク１３内の温水温度を検知するサーミスタ５５が設けられて
いる。
【００２３】
温水洗浄ユニット６０は、おしり洗浄ノズル６１と、ビデ洗浄ノズル６２と、おしり洗
浄ノズル６１を進出・退避動作を行なうように収容したおしり洗浄ノズル用ノズルケース
６３と、ビデ洗浄ノズル６２を進出・退避動作を行なうように収容したビデ洗浄ノズル用
ノズルケース６４とを備えたノズルユニットＮＵと、温水タンク１３から供給される温水
をおしり洗浄ノズル６１とビデ洗浄ノズル６２のいずれに供給するかを切り替える切り替
え弁６６を備えた洗浄水切り替えユニットＳＵとによって構成されている。
【００２４】
ノズルユニットＮＵは、具体的には、おしり洗浄ノズル６１の真下にビデ洗浄ノズル６
２が略平行線上に位置するように、それぞれ上下の平行配置のおしり洗浄ノズル用ノズル
ケース６３とビデ洗浄ノズル用ノズルケース６４に収容され、後述のように、温水タンク
１３に掛かる水道水圧によって進出動作し、先端部のノズル口６１Ａ、６２Ａから温水を
噴出する構成である。おしり洗浄ノズル用ノズルケース６３とビデ洗浄ノズル用ノズルケ
ース６４は、合成樹脂で一体形成されてノズルケース体ＮＣを構成している。
【００２５】
おしり洗浄ノズル６１は、合成樹脂製で円筒形等所定形状の筒状をなし、洗浄水である
温水が通る内部通路６１Ｔは、先端部のノズル口６１Ａへ向けて次第に洗浄水の圧力が高
くなるように、先端に行くにしたがって次第に断面積Ｓ１が小さくなるように形成されて
いる。ビデ洗浄ノズル６２は、おしり洗浄ノズル６１と同様に、合成樹脂製で円筒形等所
定形状の筒状をなし、洗浄水である温水が通る内部通路６２Ｔは、先端部のノズル口６２
Ａへ向けて次第に洗浄水の圧力が高くなるように、先端に行くにしたがって次第に断面積
Ｓ２が小さくなるように形成されている。おしり洗浄ノズル６１と、ビデ洗浄ノズル６２
と、おしり洗浄ノズル用ノズルケース６３と、ビデ洗浄ノズル用ノズルケース６４とを共
通形態にすることによって、ノズル先端部を除いて共通の筒状ノズル形態を採用できるた
め、全体として部品の共通化と、組み立ての容易さ、更にコストダウン化を図ることがで
きるものとなる。
【００２６】
ノズルユニットＮＵの後端部には、洗浄水切り替えユニットＳＵから供給される温水が
、それぞれおしり洗浄ノズル用ノズルケース６３へ導入される温水導入部６３Ｂと、ビデ
洗浄ノズル用ノズルケース６４へ導入される温水導入部６４Ｂを形成している。具体的に
は、温水導入部６３Ｂと温水導入部６４Ｂとを形成した導入部カバー８６と、この導入部
カバー８６を覆うように取り付け部材８７が、ネジ８８にてノズルケース体ＮＣの後端に
取り付けられている。これによって、おしり洗浄ノズル用ノズルケース６３の後端の入口
開口が、温水導入部６３Ｂと連通状態となり、また、ビデ洗浄ノズル用ノズルケース６４
の後端の入口開口が、温水導入部６４Ｂと連通状態となる。
【００２７】
取り付け部材８７は、ノズルユニットＮＵを本体ケース３内の固定基板（図示せず）に
ネジ８９によって固定するために、取り付け部８７Ａを形成したものであるが、ノズルユ
ニットＮＵを本体ケース３内の固定基板にネジ８９によって固定する部分を導入部カバー
８６に形成できれば、取り付け部材８７は不要である。
【００２８】
上下配置のおしり洗浄ノズル６１とビデ洗浄ノズル６２は、洋式便器２のボウル２Ａ内
において、共に前方斜め下方に向けて進出し退避する向きの配置であり、本体ケース３に
便座４と便蓋５を取り付けた状態で、おしり洗浄ノズル６１とビデ洗浄ノズル６２は、便
座４の左右間の中心線となる前後方向中心線上の配置となる。このため、便座４と便蓋５
を取り付けた本体ケース３を洋式便器２の上の所定位置にセットした状態では、便座４に
着座した人の肛門やビデ等の被洗浄局部に対して、真下または真下後方部からの温水噴出
が得られる。
【００２９】
このため、上記水道水圧が掛からない状態においては、おしり洗浄ノズル６１はコイル
バネ６５Ａによって、おしり洗浄ノズル用ノズルケース６３内に退避した状態に保たれ、
上記水道水圧が掛かったときは、上記水道水圧をおしり洗浄ノズル６１の後端に形成した
環状フランジの水受け部６１Ｂが受けて、コイルバネ６５Ａを圧縮しつつおしり洗浄ノズ
ル６１が進出し、水受け部６１Ｂに取り付けたパッキン６１Ｐが洗浄ノズル用ノズルケー
ス６３内の停止部６３Ａに当接して、その進出が停止し、この位置が所定の進出位置とな
る。
【００３０】
一方、ビデ洗浄ノズル６２については、上記水道水圧が掛からない状態においては、ビ
デ洗浄ノズル６２はコイルバネ６５Ｂによってビデ洗浄ノズル用ノズルケース６４内に退
避した状態に保たれ、上記水道水圧が掛かったときは、上記水道水圧をビデ洗浄ノズル６
２の後端に形成した環状フランジの水受け部６２Ｂが受けて、コイルバネ６５Ｂを圧縮し
つつビデ洗浄ノズル６２が進出し、水受け部６２Ｂに取り付けたパッキン６２Ｐがビデ洗
浄ノズル用ノズルケース６４内の停止部６４Ａに当接して、その進出が停止し、この位置
が所定の進出位置となる。
【００３１】
洗浄水切り替えユニットＳＵは、切り替え弁６６を回動駆動する電動機６７と、切り替
え弁６６を収容する弁室６９を形成した合成樹脂製の弁室部材７０と、切り替え弁６６に
よって切り替えられるおしり洗浄水通路７１とビデ洗浄水通路７２を形成した合成樹脂製
の切り替え通路部材７３とが、ネジ７４によって結合されて一体化された構成である。こ
れによって、弁室６９が水密状態に保たれる。
【００３２】
温水タンク１３内の温水を導出するために、温水タンク１３内に略垂直に立設した温水
導出パイプ１５を設けている。温水導出パイプ１５の上端開口１５Ａ（温水タンク１３の
温水流出口）は、温水タンク１３内の上壁との間に若干の間隔を存して位置している。図
示のものは、温水タンク１３内の上壁が若干上方へ膨らんだ部分で、この上壁に近接する
位置に上端開口１５Ａが位置している。温水タンク１３には、電磁弁１１が開くことによ
り、配管ホース７及び給水配管１４を通って上水道管９の上水が、温水タンク１３内の底
部に供給され、温水ヒータ４２で加熱されて温水となる。温水タンク１３内の温水レベル
（洗浄水レベル）は、フロートスイッチ５１によって電磁弁１１を開閉制御して、温水タ
ンク１３内の温水レベル（洗浄水レベル）を所定レベルに制御する。この所定レベルは、
温水導出パイプ１５の上端開口１５Ａ（温水タンク１３の温水流出口）よりも若干低いレ
ベルである。
【００３３】
後述のように、洗浄モードになると、温水タンク１３内に上水道管９の上水を供給しつ
つ温水タンク１３内の温水をおしり洗浄ノズル６１またはビデ洗浄ノズル６２から噴出す
る。この場合、温水になっていない上水がおしり洗浄ノズル６１またはビデ洗浄ノズル６
２から噴出しないようにするために、温水導出パイプ１５が立設されている。
【００３４】
切り替え弁６６は、水平軸上で正転・逆転の回動動作を行うように、電動機６７の駆動
軸６８に支持されて弁室６９に収容されている。弁室部材７０は、その上壁に形成した温
水導入口６９Ｂに、温水導出パイプ１５の下端の温水導出口が接続され、温水導出パイプ
１５にて流下する温水が、温水導入口６９Ｂから弁室６９へ流入する。
【００３５】
電動機６７の駆動軸６８は、電動機６７の回転子から延びた軸６８Ａのみで形成しても
よいが、電動機６７の汎用性から、電動機６７の駆動軸６８は、電動機６７の回転子から
延びた軸６８Ａと、これに嵌め合わせて一体化した合成樹脂製の補助軸６８Ｂとで構成し
ている。図６に示すように、電動機６７の駆動軸６８は、温水が漏れないようにシールパ
ッキン７６によってシール状態で切り替え通路部材７３を貫通し、その先端に切り替え弁
６６を取り付けている。電動機６７は、後述の制御回路３０のパルス出力によってステッ
ピング動作をするものであり、ステッピングモータとも称する。
【００３６】
組み立て及び修理交換の容易さを考慮して、切り替え弁６６は、電動機６７の駆動軸６
８の先端に、図６において左側から（図８においては右側から）嵌め合わせで取り付けら
れている。切り替え弁６６によって切り替えられる温水の流れが、切り替え弁６６に貫通
形成した弁通路６６Ａがおしり洗浄水通路７１と連通した状態と、弁通路６６Ａがビデ洗
浄水通路７２と連通した状態へ切り替えられるため、切り替え弁６６が切り替え通路部材
７３へ押し圧保持される必要がある。このため、切り替え弁６６が回動可能であってその
支持が安定化するために、切り替え弁６６を駆動軸６８側に向けてコイルバネ７９の押し
圧にて保持する構成を採用している。具体的には、切り替え弁６６の駆動軸６８とは反対
側は、弁室６９の側壁（図６において左壁）から駆動軸６８方向に突出する支持軸７７と
、切り替え弁６６から突出する支持軸７８とに緩く嵌められたコイルバネ７９によって、
切り替え弁６６を駆動軸６８側に向けて押し圧にて保持しており、電動機６７による正転
・逆転の回動動作が円滑に行なわれる構成である。
【００３７】
洗浄水切り替えユニットＳＵは、上記のように、電動機６７と、弁室部材７０と、切り
替え通路部材７３とが、ネジ７４によって結合されて一体化された構成である。この一体
化された状態で、洗浄水切り替えユニットＳＵは、温水タンク１３の底面部にネジ８０に
よって固定し、この状態で、温水導出パイプ１５の下端が弁室６９の温水導入口６９Ｂに
連通接続される。この連通接続部からの温水防止のために、パッキン８１が設けられてい
る。
【００３８】
また、この一体化によって、弁室部材７０と切り替え通路部材７３との接合部から温水
が漏洩しないようにするために、この接合部がゴム製のシールパッキン８２によってシー
ルされている。また、切り替え弁６６によって温水の流れが、おしり洗浄水通路７１へ切
り替えられた状態で、ビデ洗浄水通路７２へ温水が入り込まないようにし、また、温水の
流れが、ビデ洗浄水通路７２へ切り替えられた状態で、おしり洗浄水通路７１へ温水が入
り込まないようにするために、おしり洗浄水通路７１とビデ洗浄水通路７２の入口周縁に
、ゴム製のシールパッキン８３Ａ、８３Ｂが取り付けられている。これによって、切り替
え弁６６は、コイルバネ７９によって切り替え通路部材７３へ向けて押されるとき、切り
替え弁６６の一方の面がシールパッキン８３Ａ、８３Ｂに圧接され、この圧接状態におい
て、切り替え弁６６は、温水の流れをおしり洗浄水通路７１とビデ洗浄水通路７２とに切
り替え回動する。
【００３９】
なお、切り替え弁６６の一方の面がシールパッキン８３Ａ、８３Ｂに圧接状態において
、切り替え弁６６が、温水の流れをおしり洗浄水通路７１とビデ洗浄水通路７２とに切り
替え回動する動作を安定化のために、シールパッキン８３Ａ、８３Ｂと同一平面をなすよ
うに、切り替え通路部材７３の凹部８４Ａ、８４Ｂにそれぞれゴム製の当接部材８５Ａ、
８５Ｂを嵌め込んでいる。
【００４０】
温水洗浄ユニット６０は、ノズルユニットＮＵと洗浄水切り替えユニットＳＵの温水通
路の接続のために、おしり洗浄水通路７１は、その出口部７１Ａが可撓性パイプ７５Ａに
よって温水導入部６３Ｂへ連通接続されている。また、ビデ洗浄水通路７２は、その出口
部７２Ａが可撓性パイプ７５Ｂによって温水導入部６４Ｂへ連通接続されている。洗浄水
切り替えユニットＳＵは、上記のように、ネジ８０によって温水タンク１３の底面部に固
定され、温水タンク１３は本体ケース３内の固定基板にネジ等によって固定される。また
、ノズルユニットＮＵは、本体ケース３内の固定基板にネジ８９によって固定され、おし
り洗浄ノズル６１とビデ洗浄ノズル６２が、便座４の左右間の中心線となる前後方向中心
線上の所定位置に保たれる。このようにして、温水洗浄ユニット６０が所定位置にセット
される。
【００４１】
図３は、制御手段となる制御回路３０の構成を示すもので、商用電源３１にマイクロコ
ンピュータを中心に構成した制御部３２を接続し、かつこの制御部３２の入力回路には上
記操作基板１８を接続し、更に制御部３２の入力回路には、上記便座４への着座を検出す
る着座スイッチ３３と、便座４の温度を検出する便座用温度センサ３５と、フロートスイ
ッチ５１と、温水タンク１３内の温水温度を検知するサーミスタ５５が接続されている。
着座スイッチ３３は、便座４に人が着座したときの重量で便座４が下降することにより作
動するスイッチや、便座４に着座した人を赤外線で検出する赤外線スイッチなどがある。
【００４２】
制御部３２は、タイマ、メモリ等を含み、所定のプログラムに従って、所定の動作を行
なうマイクロコンピュータ制御方式である。商用電源３１には、上記制御部３２の出力に
て各々動作するスイッチング素子２１、２２、３６、３７、３８、３９、４０を介して、
それぞれ便座４の開閉電動機１９、便蓋５の開閉電動機２０、便座ヒータ４１、温水タン
ク１３内の水を加熱する温水ヒータ４２、切り替え弁６６を駆動する電動機６７（洗浄モ
ータ６７ともいう）、脱臭ファン２５、及び電磁弁１１を接続している。
【００４３】
待機状態において、通常、接点が閉じている温度検知部５０は、温水タンク１３内の異
常温度を検知したとき開いて、温水ヒータ４２の通電を遮断する。また、温水タンク１３
内の水は、サーミスタ５５の温度感知によって、制御部３２が動作し、スイッチング素子
３７が温水ヒータ４２の通電のＯＮ・ＯＦＦ動作を行い、温水温度が所定温度範囲に維持
される。温水タンク１３内の温水レベル（洗浄水レベル）は、フロートスイッチ５１の検
出によってスイッチング素子４０が電磁弁１１を開閉制御して、温水タンク１３内の温水
レベル（洗浄水レベル）を所定レベルに制御する。この所定レベルは、温水導出パイプ１
５の上端開口１５Ａ（温水タンク１３の温水流出口）よりも若干低いレベルである。
【００４４】
また、待機状態において、切り替え弁６６は、切り替え弁６６の弁通路６６Ａ以外の面
が、おしり洗浄水通路７１とビデ洗浄水通路７２の入口周縁のシールパッキン８３Ａ、８
３Ｂに当接しており、これによって、切り替え弁６６は、温水タンク１３内がおしり洗浄
水通路７１とビデ洗浄水通路７２のいずれとも連通しないように、おしり洗浄水通路７１
とビデ洗浄水通路７２の入口を塞ぎ、弁通路６６Ａがおしり洗浄水通路７１とビデ洗浄水
通路７２のいずれとも連通せず遮断状態である。
【００４５】
このような待機状態において、制御部３２は、スイッチ４３のＯＮにて電動機２０にて
便蓋５が上方向に開く。そして、着座スイッチ３３により便座４への人体の着座を検出す
ると、スイッチング素子３９を通電して脱臭ファン２５を回転する。この着座状態におい
て、おしり（肛門）洗浄開始スイッチ４５が押されておしり（肛門）洗浄指令が発せられ
、またはビデ洗浄開始スイッチ４６が押されてビデ洗浄指令が発せられると、制御部３２
はスイッチング素子３８、４０を適宜作動して、洗浄モータ６７の作動にて切り替え弁６
６を回動駆動すると共に電磁弁１１が開く。電磁弁１１が開くことにより、水道管９から
給水配管１４を通って、上水の水圧が温水タンク１３内に掛かり、温水タンク１３内底部
に上水が供給されつつ、温水タンク１３内の温水が温水導出パイプ１５の上端開口１５Ａ
（温水タンク１３からの温水流出口）から温水導出パイプ１５へ流出し、弁室６９へ供給
される。
【００４６】
この場合、おしり（肛門）洗浄開始スイッチ４５が押されている場合は、洗浄モータ６
７の作動にて切り替え弁６６がシールパッキン８３Ａ、８３Ｂと当接部材８５Ａ、８５Ｂ
に当接した状態で回動し、切り替え弁６６の弁通路６６Ａがおしり洗浄水通路７１と連通
した状態で洗浄モータ６７が停止する。これによって、上水の水圧によって弁室６９へ供
給された温水は、弁通路６６Ａとおしり洗浄水通路７１を通り、その出口部７１Ａから可
撓性パイプ７５Ａを通って温水導入部６３Ｂへ流入する。温水導入部６３Ｂへ流入した温
水の水圧は、コイルバネ６５Ａによって退避位置（図７に示す位置）にあるおしり洗浄ノ
ズル６１の水受け部６１Ｂに作用して、コイルバネ６５Ａを圧縮しつつおしり洗浄ノズル
６１を進出させ、パッキン６１Ｐが停止部６３Ａに当接して、その進出が停止し、この進
出位置で、洗浄水である温水は、水圧受け部６１Ｂの中心孔を通過しておしり洗浄ノズル
６１の内部通路６１Ｔに流入し、先端のノズル口６１Ａから噴出する温水によって、おし
り（肛門）が洗浄される。
【００４７】
そして、洗浄停止スイッチ４４が押されてＯＮすることにより、制御部３２が動作し、
スイッチング素子３８、４０が動作して、洗浄モータ６７の作動にて切り替え弁６６を待
機位置へ戻すと共に、電磁弁１１を閉じる。電磁弁１１が閉じることにより、上水の水圧
が温水タンク１３内に掛からなくなり、ノズル口６１Ａからの温水の噴出が停止すると共
に、コイルバネ６５Ａによっておしり洗浄ノズル６１がおしり洗浄ノズル用ノズルケース
６３内に退避した状態（図７に示す位置）に復帰する。
【００４８】
また、上記において、おしり（肛門）洗浄開始スイッチ４５ではなく、ビデ洗浄開始ス
イッチ４６が押されている場合は、洗浄モータ６７の作動にて切り替え弁６６がシールパ
ッキン８３Ａ、８３Ｂと当接部材８５Ａ、８５Ｂに当接した状態で回動し、切り替え弁６
６の弁通路６６Ａがビデ洗浄水通路７２と連通した状態で洗浄モータ６７が停止する。こ
れによって、上水の水圧によって弁室６９へ供給された温水は、弁通路６６Ａとビデ洗浄
水通路７２を通り、その出口部７２Ａから可撓性パイプ７５Ｂを通って温水導入部６４Ｂ
へ流入する。温水導入部６４Ｂへ流入した温水の水圧は、コイルバネ６５Ｂによって退避
位置にあるビデ洗浄ノズル６２の水受け部６２Ｂに作用して、コイルバネ６５Ｂを圧縮し
つつビデ洗浄ノズル６２を進出させ、パッキン６２Ｐが停止部６４Ａに当接して、その進
出が停止し（図７に示す位置）、この進出位置で、洗浄水である温水は、水圧受け部６２
Ｂの中心孔を通過してビデ洗浄ノズル６２の内部通路６２Ｔに流入し、先端のノズル口６
２Ａから噴出する温水によって、ビデが洗浄される。
【００４９】
そして、洗浄停止スイッチ４４が押されてＯＮすることにより、制御部３２が動作し、
スイッチング素子３８、４０が動作して、洗浄モータ６７の作動にて切り替え弁６６を待
機位置へ戻すと共に、電磁弁１１を閉じる。電磁弁１１が閉じることにより、上水の水圧
が温水タンク１３内に掛からなくなり、ノズル口６２Ａからの温水の噴出が停止すると共
に、コイルバネ６５Ｂによってビデ洗浄ノズル６２がビデ洗浄ノズル用ノズルケース６４
内に退避した状態（上記おしり洗浄ノズル６１の退避した状態と同様の状態）に復帰する
。
【００５０】
上記から明らかなように、おしり洗浄ノズル６１とビデ洗浄ノズル６２は、それぞれ進
出・退避動作を行なうように別個のノズルケース６３、６４内に収容されて上下配置され
、温水タンク１３に掛かる水道水圧によって進出動作し、それぞれ先端部のノズル口６１
Ａ、６２Ａから温水を噴出する構成であるため、肛門やビデ等の被洗浄局部に対して、真
下または真下後方部からの温水噴出が得られるようになり、従来のように左右配置での温
水飛散問題や、おしり洗浄時におしりを洗浄した温水が、ビデ洗浄ノズル６２の先端のノ
ズル口６２Ａに掛かる問題も解決され、ビデ洗浄ノズルを衛生的に保てる好ましい噴出形
態が達成できる。
【００５１】
また、おしり洗浄ノズル６１とビデ洗浄ノズル６２は、モータで進出・退避動作を行な
うのではなく水圧で進出・退避動作を行なう構成であるため、両ノズルの動作とそれを達
成する構造を共通にできるようになり、構造的・動作的に簡単なものとなる。
【００５２】
更に、本発明では、切り替え弁６６を収容した弁室６９の温水導入口６９Ｂに、温水タ
ンク１３内に立設した温水導出パイプ１５の下端の温水出口が連通するように、洗浄水切
り替えユニットＳＵが温水タンク１３の下面に取り付けられた構成であるため、温水タン
ク１３内の温水は、温水導出パイプ１５から弁室６９へ直接流入する構成となり、温水タ
ンク１３内の温水を洗浄水切り替えユニットＳＵに導くパイプが不要となり、温水タンク
１３に洗浄水切り替えユニットＳＵを取り付け、一体化した構成が達成できる。
【００５３】
本発明に係る温水洗浄式便座装置は、便座４への着座を検出する着座スイッチ３３が動
作した状態において、電磁弁１１が開くことにより、温水タンク１３内に水道水が供給さ
れ、水道水圧によって、おしり洗浄ノズル６１またはビデ洗浄ノズル６２から温水タンク
１３内の温水が噴出するものである。このような温水洗浄式便座装置において、温水タン
ク１３内の上部には空気が溜まる。それは、安全のために設けた負圧弁５２を通して空気
が溜まる場合や、温水タンク１３内の水の加熱によって水道水中に含まれた空気が溜まる
場合等であり、おしり洗浄時またはビデ洗浄時に、おしり洗浄ノズル６１またはビデ洗浄
ノズル６２が進出を開始してから所定の進出位置へ進出するまでの間に、この空気が温水
と共に温水導出パイプ１５を通しておしり洗浄ノズル６１のノズル口６１Ａまたはビデ洗
浄ノズル６２のノズル口６２Ａから送出され、不規則な温水噴出が生じ、温水の飛散を生
じることとなり、それによって温水洗浄式便座装置１の使用者が不快感を味わうこととな
る。
【００５４】
また、図示のように、水道水圧が掛かったとき、この水道水圧によっておしり洗浄ノズ
ル６１を進出させるものにおいては、おしり洗浄ノズル６１がコイルバネ６５Ａを圧縮し
つつ進出し、環状フランジの水受け部６１Ｂのパッキン６１Ｐがノズルケース６３内の停
止部６３Ａに当接して、所定の進出位置となるが、進出を開始してからこの所定の進出位
置へ進出するまでの間、先端部のノズル口６１Ａから温水が不規則に出る現象が生じる。
また、ビデ洗浄においても、図示のように、上記水道水圧が掛かったとき、この水道水圧
によってビデ洗浄ノズル６２を進出させるものにおいては、ビデ洗浄ノズル６２がコイル
バネ６５Ｂを圧縮しつつ進出し、環状フランジの水受け部６２Ｂのパッキン６２Ｐがノズ
ルケース６４内の停止部６４Ａに当接して、所定の進出位置となるが、進出を開始してか
らこの所定の進出位置へ進出するまでの間、先端部のノズル口６２Ａから温水が不規則に
出る現象が生じる。
【００５５】
本発明では、このような現象を解消するために、温水洗浄ユニット６０に空気抜き機能
を設けている。この空気抜き機能として、おしり洗浄開始時またはビデ洗浄開始時に、温
水タンク１３内の上部に溜まった空気を抜く第１の技術と、便座４に着座したとき、温水
タンク１３内の上部に溜まった空気を抜く第２の技術と、この第１の技術と第２の技術と
を組み合わせた第３の技術を提供する。
【００５６】
先ず、第１の技術、第２の技術、及び第３の技術を達成するために、温水洗浄ユニット
６０は、洗浄水切り替えユニットＳＵに、温水タンク１３内の温水がおしり洗浄ノズル６
１またはビデ洗浄ノズル６２へ供給される通路とは別に、空気抜き通路９０を設けている
。上記のように、待機状態において、切り替え弁６６は、切り替え弁６６の弁通路６６Ａ
以外の面が、おしり洗浄水通路７１とビデ洗浄水通路７２の入口周縁のシールパッキン８
３Ａ、８３Ｂに当接して、切り替え弁６６は、おしり洗浄水通路７１の入口とビデ洗浄水
通路７２の入口を塞ぎ、弁通路６６Ａがおしり洗浄水通路７１とビデ洗浄水通路７２のい
ずれとも連通しない状態である。
【００５７】
切り替え通路部材７３には、温水タンク１３内の温水がおしり洗浄ノズル６１またはビ
デ洗浄ノズル６２へ供給される通路とは別個の通路として、おしり洗浄水通路７１とビデ
洗浄水通路７２の中間位置に、空気抜き通路９０を形成している。この空気抜き通路９０
は当接部材８５Ｂを貫通し、切り替え通路部材７３内を通って出口部９０Ａに至る。出口
部９０Ａには可撓性パイプ９１が接続され、温水洗浄ユニット６０が所定位置にセットさ
れた状態において、可撓性パイプ９１の出口は、ノズルユニットＮＵの下方、即ち、退避
状態にあるおしり洗浄ノズル６１とビデ洗浄ノズル６２のノズル口６１Ａ、６２Ａよりも
下方で、洋式便器２のボウル２Ａ（便器２の排水口が形成された部分）に臨む状態に保た
れている。切り替え弁６６が作動する前の待機状態では、切り替え弁６６は、弁通路６６
Ａ以外の面が当接部材８５Ｂに当接して、空気抜き通路９０の入口を塞ぎ、弁通路６６Ａ
が空気抜き通路９０と連通しない状態である。このため、切り替え弁６６が作動する前の
待機状態では、切り替え弁６６は、おしり洗浄水通路７１、ビデ洗浄水通路７２、及び空
気抜き通路９０を塞いだ状態である。
【００５８】
先ず、第１の技術の空気抜き機能について説明する。これは、おしり洗浄開始時または
ビデ洗浄開始時に、温水タンク１３内の上部に溜まった空気を抜くものである。ところで
、着座スイッチ３３が動作していないとき、即ち、使用者による便座４への着座がなく着
座を検出していないときは、おしり（肛門）洗浄開始スイッチ４５が押されても電磁弁１
１は開かず、また、ビデ洗浄開始スイッチ４６が押されても電磁弁１１は開かない。これ
は、着座スイッチ３３が着座を検出していないとき、不用意におしり（肛門）洗浄開始ス
イッチ４５またはビデ洗浄開始スイッチ４６が押されたとき、おしり洗浄ノズル６１また
はビデ洗浄ノズル６２から温水が噴出しないようにするためである。
【００５９】
本発明の第１の技術の空気抜き機能を備えない場合は、上記のように、着座スイッチ３
３が便座４に着座したことを検出している状態において、おしり（肛門）洗浄開始スイッ
チ４５が押され、またはビデ洗浄開始スイッチ４６が押されて、おしり（肛門）洗浄指令
またはビデ洗浄指令が発せられると、制御部３２はそれに対応したスイッチング素子３８
、４０を適宜作動して、洗浄モータ６７の作動にて切り替え弁６６を回動駆動すると共に
電磁弁１１が開き、おしり洗浄ノズル６１またはビデ洗浄ノズル６２から温水が噴出する
。
【００６０】
ここに本発明の第１の技術の空気抜き機能を設けることにより、便座４への着座を着座
スイッチ３３が検出している状態において、おしり（肛門）洗浄開始スイッチ４５が押さ
れておしり洗浄開始指令が発せられたとき、またはビデ洗浄開始スイッチ４６が押されて
ビデ洗浄開始指令が発せられたとき、通常行われるところの、おしり洗浄ノズル６１また
はビデ洗浄ノズル６２からの温水噴出に先立って、制御部３２はスイッチング素子４０を
作動して電磁弁１１を所定時間開閉作動すると共に、洗浄モータ６７の作動にて切り替え
弁６６を回動駆動して、弁通路６６Ａが空気抜き通路９０の入口を開く位置へ回動する。
この電磁弁１１が開くことによって、水道管９から給水配管１４を通って、上水の水圧が
温水タンク１３内に掛かり、温水タンク１３内底部に上水が供給されつつ、温水タンク１
３内の上部の空気と温水が、温水導出パイプ１５の上端開口１５Ａ（温水タンク１３の温
水流出口）から温水導出パイプ１５へ流出し、弁室６９へ供給される。弁室６９へ供給さ
れた空気と温水は、連通状態にある弁通路６６Ａと空気抜き通路９０を通り、出口部９０
Ａから可撓性パイプ９１を通って、洋式便器２のボウル２Ａ内に排出される、所謂空気抜
き動作が達成される。この空気抜き動作は上記所定時間内に行われる。
【００６１】
そして、この所定時間の経過にて電磁弁１１は閉じると共に、待機位置へ復帰するよう
に洗浄モータ６７にて切り替え弁６６を逆回動駆動して、弁通路６６Ａが空気抜き通路９
０の入口を塞ぐ。そして、この動作に引き続いて、即ち、電磁弁１１の開閉作動及び切り
替え弁６６による空気抜き通路９０の閉鎖に引き続いて、制御部３２はそれに対応したス
イッチング素子３８、４０を適宜作動して、洗浄モータ６７の再作動にて切り替え弁６６
を回動駆動すると共に電磁弁１１が開き、上記のように、おしり洗浄開始指令またはビデ
洗浄開始指令によって、通常の洗浄動作のために、この洗浄開始指令に対応するおしり洗
浄ノズル６１またはビデ洗浄ノズル６２から温水が噴出する。この状態では、切り替え弁
６６にて空気抜き通路９０の入口が塞がれた状態である。
【００６２】
このように、電磁弁１１が所定時間開くことにより、温水タンク１３内の上部の空気と
温水が排出されるが、この排出時間が長くなれば、温水タンク１３内の温水が余分に排出
されること、また、おしり（肛門）洗浄開始スイッチ４５またはビデ洗浄開始スイッチ４
６が押されてから温水噴出までの待ち時間が長くなるため、この時間は短い方がよい。
【００６３】
次に第２の技術の空気抜き機能について説明する。これは、便座４に着座したことが着
座スイッチ３３によって検出されたとき、温水タンク１３内の上部に溜まった空気を抜く
空気抜き動作である。便座４に着座したことが着座スイッチ３３によって検出されると、
それによって制御部３２が動作し、スイッチング素子４０が動作して電磁弁１１が所定時
間だけ開いて閉じる。これと共に洗浄モータ６７の正回動と逆回動によって、切り替え弁
６６が空気抜き通路９０の入口を開閉する。即ち、切り替え弁６６の弁通路６６Ａと空気
抜き通路９０が連通すると共に、電磁弁１１が開くことにより、水道管９から給水配管１
４を通って、上水の水圧が温水タンク１３内に掛かり、温水タンク１３内底部に上水が供
給されつつ、温水タンク１３内の上部の空気と温水が、温水導出パイプ１５の上端開口１
５Ａ（温水タンク１３の温水流出口）から温水導出パイプ１５へ流出し、弁室６９へ供給
される。そして、弁室６９へ供給された空気と共に温水が、連通状態にある弁通路６６Ａ
と空気抜き通路９０を通り、出口部９０Ａから可撓性パイプ９１を通って、洋式便器２の
ボウル内に排出される空気抜き動作が達成される。
【００６４】
そして、着座スイッチ３３が便座４に着座したことを検出している状態において、おし
り（肛門）洗浄開始スイッチ４５が押され、またはビデ洗浄開始スイッチ４６が押されて
、おしり（肛門）洗浄指令またはビデ洗浄指令が発せられると、上記のように、制御部３
２はそれに対応したスイッチング素子３８、４０を適宜作動して、洗浄モータ６７の作動
にて切り替え弁６６を回動駆動すると共に電磁弁１１が開き、おしり洗浄ノズル６１また
はビデ洗浄ノズル６２から温水が噴出する通常動作が行われる。この状態では、切り替え
弁６６にて空気抜き通路９０の入口が塞がれた状態である。
【００６５】
このように、電磁弁１１が所定時間開くことにより、温水タンク１３内の上部の空気と
共に温水が排出されるが、この排出時間が長くなれば、温水タンク１３内の温水が余分に
排出されるため、この時間は短い方がよい。上記第１の技術では、おしり（肛門）洗浄開
始スイッチ４５またはビデ洗浄開始スイッチ４６が押されてから、空気抜き動作が行なわ
れるため、通常の洗浄動作における洗浄水としての温水がおしりまたはビデに当たるまで
の時間が、その分長くなることとなる。しかし、この第２の技術の空気抜き動作ではその
問題はなく、おしり（肛門）洗浄開始スイッチ４５またはビデ洗浄開始スイッチ４６が押
されてから、洗浄水としての温水がおしりまたはビデに当たるまでの時間は、第１の技術
の場合よりも短縮され、通常の動作時間となる。
【００６６】
次に、第３の技術の空気抜き機能について説明する。これは、上記第１の技術と第２の
技術の組み合わせによる空気抜き動作である。このため、便座４への着座を検出する着座
スイッチ３３が動作した状態で電磁弁１１が開くことにより温水タンク１３内に水道水が
供給され、水道水圧によって、おしり洗浄ノズル６１またはビデ洗浄ノズル６２から温水
タンク１３内の温水が噴出する温水洗浄式便座装置１において、上記第２の技術と同様に
、着座スイッチ３３が着座を検出したとき、電磁弁１１を所定時間開閉作動すると共に、
洗浄モータ６７の正回動と逆回動によって、切り替え弁６６が空気抜き通路９０の入口を
開閉する。この所定時間内に温水タンク１３内の上部に溜まった空気と共に温水を、空気
抜き通路９０から便器２内へ排出するよう、一回目の空気抜き動作が行なわれる。そして
、上記第１の技術と同様に、この着座スイッチ３３が着座を検出している状態において、
おしり（肛門）洗浄開始スイッチ４５が押されておしり洗浄開始指令が発せられたとき、
若しくはビデ洗浄開始スイッチ４６が押されてビデ洗浄開始指令が発せられたときには、
電磁弁１１を所定時間開閉作動すると共に、洗浄モータ６７の正回動と逆回動によって、
切り替え弁６６が空気抜き通路９０の入口を開閉する。これにより、この所定時間内に温
水タンク１３内の上部に溜まった空気と共に温水を、空気抜き通路９０から便器２内へ排
出するよう、二回目の空気抜き動作が行なわれるものである。
【００６７】
このような空気抜き動作は、制御部３２の動作によって、スイッチング素子４０が動作
して電磁弁１１が所定時間だけ開いて閉じ、電磁弁１１がこの所定時間だけ開くことによ
り、水道管９から給水配管１４を通って、上水の水圧が温水タンク１３内に掛かり、温水
タンク１３内底部に上水が供給されつつ、温水タンク１３内の上部の空気と温水が、温水
導出パイプ１５の上端開口１５Ａ（温水タンク１３の温水流出口）から温水導出パイプ１
５へ流出し、弁室６９へ供給される。弁室６９へ供給された空気と温水は、連通状態にあ
る弁通路６６Ａと空気抜き通路９０を通り、出口部９０Ａから可撓性パイプ９１を通って
、洋式便器２のボウル内に排出される空気抜き動作が達成される。
【００６８】
このように、一回目の空気抜き動作が、着座スイッチ３３が着座を検出したとき行なわ
れ、その着座スイッチ３３が着座を検出した状態が継続中に、おしり（肛門）洗浄開始ス
イッチ４５が押されておしり洗浄開始指令が発せられたとき、若しくはビデ洗浄開始スイ
ッチ４６が押されてビデ洗浄開始指令が発せられたとき、二回目の空気抜き動作が行なわ
れる。この一回目の空気抜き動作が行なわれてから二回目の空気抜き動作が行なわれるま
での時間が長い場合において、温水タンク１３内に再び空気が溜まることとなっても、二
回目の空気抜き動作によって空気が抜かれるため、従来のような問題は解決し、本発明の
目的が達成される。
【００６９】
一方、一回目の空気抜き動作が行なわれてから二回目の空気抜き動作が行なわれるまで
の時間が短い場合は、温水タンク１３内に再び溜まる空気量は極めて少ないか殆んど溜ま
らない状態となるため、二回目の空気抜き動作によって空気を抜く時間を短くするか、空
気抜きを行なわないようにすることによって、従来のような問題は解決し、本発明の目的
が達成される。
【００７０】
一回目の空気抜き動作が行なわれてから二回目の空気抜き動作が行なわれるまでの時間
が短い場合は、温水タンク１３内に再び溜まる空気量は極めて少ない状態となるため、二
回目の空気抜き動作によって空気を抜く時間は短くてよい。このため、一回目の空気抜き
動作が行なわれてから二回目の空気抜き動作が行なわれるまでの時間が、設定した所定時
間Ｔ１未満であれば、二回目の空気抜き動作時間は短くし、二回目の空気抜き動作後に、
洗浄水による通常の洗浄動作に移行するようにする。
【００７１】
即ち、一回目の空気抜き動作が行なわれてから、おしり（肛門）洗浄開始スイッチ４５
が押されておしり洗浄開始指令が発せられ、若しくはビデ洗浄開始スイッチ４６が押され
てビデ洗浄開始指令が発せられるまでの時間が、所定時間Ｔ１以上であれば、おしり（肛
門）洗浄開始スイッチ４５が押されておしり洗浄開始指令が発せられたとき、若しくはビ
デ洗浄開始スイッチ４６が押されてビデ洗浄開始指令が発せられたときには、制御部３２
によって電磁弁１１の開閉動作時間と洗浄モータ６７の正逆回動時間を通常の空気抜きの
動作時間Ｑ１とし、その動作時間Ｑ１後に、制御部３２によってスイッチング素子３８、
４０を適宜作動して、洗浄モータ６７の再作動にて切り替え弁６６を回動駆動すると共に
再び電磁弁１１が開き、上記のように、おしり洗浄開始指令またはビデ洗浄開始指令に対
応して、おしり洗浄ノズル６１またはビデ洗浄ノズル６２から温水を噴出させ、通常の洗
浄動作を行なう。
【００７２】
また、一回目の空気抜き動作が行なわれてから、おしり（肛門）洗浄開始スイッチ４５
が押されておしり洗浄開始指令が発せられ、若しくはビデ洗浄開始スイッチ４６が押され
てビデ洗浄開始指令が発せられるまでの時間が、所定時間Ｔ１未満であれば、おしり（肛
門）洗浄開始スイッチ４５が押されておしり洗浄開始指令が発せられたとき、若しくはビ
デ洗浄開始スイッチ４６が押されてビデ洗浄開始指令が発せられたときには、制御部３２
の動作によって上記動作時間Ｑ１よりも短い動作時間Ｑ２とし、その動作時間Ｑ２後に、
制御部３２によってスイッチング素子３８、４０を適宜作動して、洗浄モータ６７の再作
動にて切り替え弁６６を回動駆動すると共に再び電磁弁１１が開き、上記のように、おし
り洗浄開始指令またはビデ洗浄開始指令に対応して、おしり洗浄ノズル６１またはビデ洗
浄ノズル６２から温水を噴出させ、通常の洗浄動作を行なう。この方式は、設定した所定
時間Ｔ１内では、温水タンク１３内に溜まる空気量が極めて少ない場合に効果的である。
これによって、温水タンク１３内の空気は、一回目の空気抜き動作で排出され、二回目の
空気抜き動作時間を短くできるため、おしり洗浄開始指令またはビデ洗浄開始指令が発せ
られてから、洗浄水が出るまでの待ち時間が短くなり、使用者に不便を与えることが殆ん
どないものとなる。
【００７３】
上記の場合は、一回目の空気抜き動作が行なわれてから、おしり洗浄開始指令が発せら
れ若しくはビデ洗浄開始指令が発せられるまでの時間が所定時間Ｔ１未満であれば、二回
目の空気抜き動作では、上記動作時間Ｑ１よりも短い動作時間Ｑ２としているが、これに
替わって、一回目の空気抜き動作が行なわれてから、おしり洗浄開始指令が発せられ若し
くはビデ洗浄開始指令が発せられるまでの時間が、所定時間Ｔ１未満であれば、二回目の
空気抜き動作を行なわずに、直ちに、制御部３２によってスイッチング素子３８、４０を
適宜作動して、洗浄モータ６７の作動にて切り替え弁６６を回動駆動すると共に電磁弁１
１が開き、おしり洗浄開始指令またはビデ洗浄開始指令に対応して、おしり洗浄ノズル６
１またはビデ洗浄ノズル６２から温水を噴出させ、通常の洗浄動作を行なうようにするこ
とができる。この方式は、設定した所定時間Ｔ１内では、温水タンク１３内に空気が溜ま
らないか殆んど溜まらない状態である場合に効果的である。これによって、温水タンク１
３内の空気は、一回目の空気抜き動作で排出されるため、おしり洗浄開始指令またはビデ
洗浄開始指令が発せられてから、洗浄水が出るまでの待ち時間が長くならず、使用者に不
便を与えることがなくなる。
【００７４】
また、上記のように、一回目の空気抜き動作が行なわれてから二回目の空気抜き動作が
行なわれるまでの時間が極めて短い場合に、二回目の空気抜き動作を行なわない制御にお
いて、更に細かい制御を行うことができる。即ち、上記のように、一回目の空気抜き動作
が行なわれてから二回目の空気抜き動作が行なわれるまでの時間が、第１の所定時間Ｔ１
以上であれば、おしり（肛門）洗浄開始スイッチ４５が押されておしり洗浄開始指令が発
せられたとき、若しくはビデ洗浄開始スイッチ４６が押されてビデ洗浄開始指令が発せら
れたときには、制御部３２の動作によって電磁弁１１の開閉動作時間と洗浄モータ６７の
正逆回動時間を通常の空気抜きの動作時間Ｑ１とし、一回目の空気抜き動作が行なわれて
から二回目の空気抜き動作が行なわれるまでの時間が、第１の所定時間Ｔ１未満であって
、第１の所定時間Ｔ１よりも短い第２の所定時間Ｔ２以上であれば、電磁弁１１の開閉動
作時間と洗浄モータ６７の正逆回動時間を通常の空気抜きの動作時間Ｑ１よりも短い動作
時間Ｑ２またはそれよりも短い動作時間Ｑ３とし、一回目の空気抜き動作が行なわれてか
ら二回目の空気抜き動作が行なわれるまでの時間が、第２の所定時間Ｔ２未満であれば、
二回目の空気抜き動作を行なわず、上記のように、おしり洗浄開始指令が発せられ、若し
くはビデ洗浄開始指令が発せられることによって、通常の洗浄動作に移行して、おしり洗
浄ノズル６１またはビデ洗浄ノズル６２から温水を噴出して、通常の洗浄動作を行なうよ
うにすることができる。
【００７５】
このように本発明によって、温水タンク１３内の上部に溜まった空気は、温水と共に空
気抜き通路９０から便器２内へ排出されるため、おしり洗浄時またはビデ洗浄時に、この
空気がおしり洗浄ノズル６１またはビデ洗浄ノズル６２から噴出することによる温水の飛
散が防止でき、正常な温水洗浄が得られるものとなる。
【産業上の利用可能性】
【００７６】
本発明に係る温水洗浄式便座装置は、温水タンク内に供給される水道水圧によって、お
しり洗浄ノズルまたはビデ洗浄ノズルから前記温水タンク内の温水を噴出する温水洗浄式
便座装置であり、上記実施例では、おしり洗浄ノズルとビデ洗浄ノズルが、温水タンクに
掛かる水道水圧によって進出動作し先端部のノズル口から温水を噴出する形態であるが、
これに替わって、おしり洗浄ノズルとビデ洗浄ノズルが、それぞれのモータによって進出
・退避動作を行なうモータ式に適用することもできる。この場合、コイルバネ６５Ａ、６
５Ｂは不要である。
【００７７】
このモータ式の場合も、洗浄水切り替えユニットＳＵの構成及び動作は上記と同様であ
り、上記第１の技術乃至第３の技術の空気抜き機能、並びに洗浄モータ６７の作動にて切
り替え弁６６を回動駆動すると共に電磁弁１１が開き、モータにて進出したおしり洗浄ノ
ズル６１またはビデ洗浄ノズル６２から温水が噴出する通常動作に付いても、上記と同様
である。
【００７８】
このため、電磁弁１１が開くことにより温水タンク１３内に水道水が供給される温水洗
浄式便座装置において、おしり洗浄ノズル６１とビデ洗浄ノズル６２が、それぞれのモー
タによって進出・退避動作を行なうモータ式の場合も含めて、本発明は、上記実施例に示
した構成に限定されず、種々の形態のものに適用できるものであり、本発明の技術範囲に
おいて種々の形態を包含するものである。
【符号の説明】
【００７９】
１・・・・・温水洗浄式便座装置
２・・・・・洋式便器
３・・・・・本体ケース
４・・・・・便座
５・・・・・便蓋
６・・・・・給水管
７・・・・・配管ホース
８・・・・・分岐水栓
９・・・・・上水道管
１０・・・・操作部
１１・・・・電磁弁
１２・・・・減圧弁
１３・・・・温水タンク
１４・・・・給水配管
１５・・・・温水導出パイプ
１６・・・・脱臭機構
１７・・・・基板
１８・・・・操作基板
１９・・・・電動機
２０・・・・電動機
２１・・・・スイッチング素子
２２・・・・スイッチング素子
２３・・・・電動機１９のＯＮ・ＯＦＦスイッチ
３０・・・・制御回路
３１・・・・商用電源
３２・・・・制御部
３３・・・・着座スイッチ
３５・・・・便座用温度センサ
３６・・・・スイッチング素子
３７・・・・スイッチング素子
３８・・・・スイッチング素子
３９・・・・スイッチング素子
４０・・・・スイッチング素子
４１・・・・便座ヒータ
４２・・・・温水ヒータ
４３・・・・電動機２０のＯＮ・ＯＦＦスイッチ
４４・・・・洗浄停止スイッチ
４５・・・・おしり（肛門）洗浄開始スイッチ
４６・・・・ビデ洗浄開始スイッチ
４７Ｐ、４７Ｑ・・・・洗浄水の水勢増減スイッチ
４８・・・・温水温度調節スイッチ
４９・・・・便座温度調節スイッチ
５０・・・・温度検知部
５１・・・・フロートスイッチ
５２・・・・負圧弁
５３・・・・明るさ検知センサ
５４・・・・温水検知センサ
５５・・・・温水温度検知用サーミスタ
６０・・・・温水洗浄ユニット
６１・・・・おしり（肛門）洗浄ノズル
６１Ｂ・・・おしり（肛門）洗浄ノズルの水受け部
６１Ａ・・・おしり（肛門）洗浄ノズルのノズル口
６１Ｐ・・・パッキン
６２・・・・ビデ洗浄ノズル
６２Ａ・・・ビデ洗浄ノズルのノズル口
６２Ｂ・・・ビデ洗浄ノズルの水受け部
６２Ｐ・・・パッキン
６３・・・・おしり（肛門）洗浄ノズル用ケース
６３Ａ・・・停止部
６３Ｂ・・・温水導入部
６４・・・・ビデ洗浄ノズル用ケース
６４Ａ・・・停止部
６４Ｂ・・・温水導入部
６５Ａ・・・コイルバネ
６５Ｂ・・・コイルバネ
６６・・・・切り替え弁
６７・・・・電動機
６８・・・・電動機６７の駆動軸
６９・・・・弁室
６９Ｂ・・・温水導入口
７０・・・・弁室部材
７１・・・・おしり洗浄水通路
７１Ａ・・・おしり洗浄水通路の出口部
７２・・・・ビデ洗浄水通路
７２Ａ・・・ビデ洗浄水通路の出口部
７３・・・・切り替え通路部材
７４・・・・ネジ
７５Ａ・・・可撓性パイプ
７５Ｂ・・・可撓性パイプ
７７・・・・支持軸
７８・・・・支持軸
７９・・・・コイルバネ
８２・・・・シールパッキン
８３Ａ・・・シールパッキン
８３Ｂ・・・シールパッキン
８５Ａ・・・当接部材
８５Ｂ・・・当接部材
８７・・・・取り付け部材
９０・・・・空気抜き通路
９０Ａ・・・空気抜き通路の出口部
９１・・・・可撓性パイプ
ＮＣ・・・・ノズルケース体
ＮＵ・・・・ノズルユニット
ＳＵ・・・・洗浄水切り替えユニット
【技術分野】
【０００１】
本発明は、水道水配管に接続された導水管を通って供給される水道水が、温水タンクに
よって加熱され洗浄ノズルから噴出して、便座に着座した人の部位を洗浄する温水洗浄式
便座装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
温水洗浄便座用の温水を溜めるためにヒータを内蔵した温水タンクを備え、この温水タ
ンクは、水道水が電磁弁と減圧弁を通って供給され、温水タンク内の温水を洗浄ノズルか
ら噴射して、肛門やビデ等の局部洗浄用として使用することは周知である。（例えば、特
許文献１参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００１−９８６１５号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
この特許文献１の形態では、おしり洗浄時またはビデ洗浄時には、電磁弁を開いて水道
水を温水タンク内へ供給することにより、温水タンクを通して掛かる水道水圧によって、
おしり洗浄ノズルまたはビデ洗浄ノズルを進出させ、先端のノズル口から温水を噴出する
。
【０００５】
温水タンク内の温水を導出するために、温水タンク内に略垂直に立設した温水導出パイ
プが設けられている。これは、おしり洗浄時またはビデ洗浄時には、電磁弁を開いて水道
水を温水タンク内の底部へ供給しつつ、温水タンク内の温水をおしり洗浄ノズルまたはビ
デ洗浄ノズルから噴出するが、おしり洗浄ノズルまたはビデ洗浄ノズルから、温水タンク
内へ供給される冷たい水道水が噴出せず、温かい水が噴出するようにするために、温水導
出パイプが立設されている。
【０００６】
温水タンク内の上部には空気が溜まる。これは、安全のために設けた負圧弁を通して温
水タンク内に流入する空気が溜まる場合や、温水タンク内の水の加熱によって水道水中に
含まれた空気が溜まる場合等である。しかし、電磁弁が開くことにより温水タンク内に水
道水が供給される温水洗浄式便座装置において、おしり洗浄時またはビデ洗浄時に、おし
り洗浄ノズルまたはビデ洗浄ノズルが進出を開始してから所定の進出位置へ進出するまで
の間に、この温水タンク内の上部に溜まった空気が、温水と共に温水導出パイプを通して
おしり洗浄ノズルのノズル口、またはビデ洗浄ノズルのノズル口から噴出することとなる
。このため、不規則な温水噴出が生じ、それによって温水の飛散を生じることとなり、温
水洗浄式便座装置の使用者が不快感を味わうことがある。
【０００７】
本発明では、このような点に鑑み、おしり洗浄時またはビデ洗浄時に、温水タンク内の
上部に溜まった空気が、温水と共に噴出しないように、空気抜き機能を設けることにより
、上記のような不規則な温水噴出による温水の飛散を生じることがないようにするもので
ある。この空気抜き機能としては、洗浄開始前またはビデ洗浄開始前に働くように、便座
に着座したとき温水タンク内の上部に溜まった空気を抜く第１の技術と、おしり洗浄開始
時またはビデ洗浄開始時に、温水タンク内の上部に溜まった空気を抜く第２の技術と、こ
の第１の技術と第２の技術とを組み合わせた第３の技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
第１発明は、便座への着座を検出する着座スイッチが動作した状態で、電磁弁が開くこ
とにより温水タンク内に水道水が供給される温水洗浄式便座装置において、前記温水タン
ク内の温水がおしり洗浄ノズルまたはビデ洗浄ノズルへ供給される通路とは別に空気抜き
通路を設け、便座への着座を着座スイッチが検出している状態において、おしり洗浄開始
指令またはビデ洗浄開始指令が発せられたとき、前記おしり洗浄ノズルまたは前記ビデ洗
浄ノズルからの温水噴出に先立って、前記電磁弁を所定時間開閉作動することにより、前
記所定時間内に前記温水タンク内の上部に溜まった空気と共に温水を前記空気抜き通路か
ら便器内へ排出することを特徴とする。
【０００９】
第２発明は、便座への着座を検出する着座スイッチが動作した状態で、電磁弁が開くこ
とにより温水タンク内に水道水が供給され、水道水圧によって、おしり洗浄ノズルまたは
ビデ洗浄ノズルから前記温水タンク内の温水が噴出する温水洗浄式便座装置において、前
記温水タンク内の温水が前記おしり洗浄ノズルまたはビデ洗浄ノズルへ供給される通路と
は別に空気抜き通路を設け、前記着座スイッチが動作したとき、前記電磁弁を所定時間開
閉作動することにより、前記所定時間内に前記温水タンク内の上部に溜まった空気と共に
温水を前記空気抜き通路から便器内へ排出することを特徴とする。
【００１０】
第３発明は、便座への着座を検出する着座スイッチが動作した状態で、電磁弁が開くこ
とにより温水タンク内に水道水が供給される温水洗浄式便座装置において、前記おしり洗
浄ノズルに通じるおしり洗浄水通路と、ビデ洗浄ノズルに通じるビデ洗浄水通路と、前記
温水タンクの温水を前記おしり洗浄水通路に流すか前記ビデ洗浄水通路に流すかを切り替
える切り替え弁と、前記おしり洗浄水通路及び前記ビデ洗浄水通路とは別個に便器内に排
出する空気抜き通路を備え、着座スイッチが動作している状態において、おしり洗浄指令
またはビデ洗浄指令のいずれかが発せられたとき、通常のおしり洗浄またはビデ洗浄に先
立って、前記切り替え弁が前記空気抜き通路を開くと共に前記電磁弁が所定時間開いて、
前記温水タンク内の空気と共に温水が前記空気抜き通路から排出されること。
【００１１】
第４発明は、便座への着座を着座スイッチが検出している状態でおしり洗浄指令または
ビデ洗浄指令に基づき、電磁弁が開いたとき温水タンク内に水道水が供給され、水道水圧
によって、おしり洗浄ノズルまたはビデ洗浄ノズルから前記温水タンク内の温水を噴出す
る温水洗浄式便座装置において、前記おしり洗浄ノズルに通じるおしり洗浄水通路と、ビ
デ洗浄ノズルに通じるビデ洗浄水通路と、前記温水タンクの温水を前記おしり洗浄水通路
に流すか前記ビデ洗浄水通路に流すかを切り替える切り替え弁と、前記おしり洗浄水通路
及び前記ビデ洗浄水通路とは別個に便器内に排出する空気抜き通路を備え、おしり洗浄指
令及びビデ洗浄指令のいずれも発せられる前の状態では、前記切り替え弁は前記おしり洗
浄水通路と前記ビデ洗浄水通路と前記空気抜き通路を閉じており、この状態において、前
記着座スイッチが便座への着座を検出したことにより、前記切り替え弁が前記空気抜き通
路を開くと共に前記電磁弁が所定時間開いて前記温水タンク内の空気と共に温水が前記空
気抜き通路から排出されること。
【００１２】
第５発明は、第１発明と第２発明の組み合わせであることを特徴とする。
【発明の効果】
【００１３】
本発明によって、温水タンク内の上部に溜まった空気は、温水と共に空気抜き通路から
便器内へ排出されるため、おしり洗浄時またはビデ洗浄時に、この空気がおしり洗浄ノズ
ルまたはビデ洗浄ノズルから噴出することによる温水の飛散が防止でき、正常な温水洗浄
が得られるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明に係る温水洗浄式便座装置を便器に取り付けた斜視図である。
【図２】図１の温水洗浄式便座装置の本体ケース及び操作部の内部構成を一部破断により示す平面図である。
【図３】本発明に係る温水洗浄式便座装置の制御回路図である。
【図４】本発明に係る温水洗浄式便座装置のノズルユニットＮＵと洗浄水切り替えユニットＳＵを組み合わせた状態の側面斜視図である。
【図５】本発明に係るノズルユニットＮＵと洗浄水切り替えユニットＳＵを組み合わせた状態の後方斜視図である。
【図６】本発明に係る洗浄水切り替えユニットを温水タンクの下面に取り付けた状態を上下方向で切断しその一部を拡大で示す断面図である。
【図７】本発明に係るノズルユニットＮＵを上下方向で切断しその一部を拡大で示す断面図である。
【図８】本発明に係る洗浄水切り替えユニットＳＵの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【００１５】
［実施例１］
本発明の実施例を先ず図１に基づき説明すると、１は洋式便器２の上に着脱可能に設置
された温水洗浄式便座装置であり、本体ケース３に便座４の後部とこの便座４の上面を覆
う便蓋５の後部が軸支持され、便座４と便蓋５を上下方向に開閉自在に枢支している。本
体ケース３の一方の側面には給水管６を突設し、この給水管６にフレキシブルな配管ホー
ス７を接続していると共に、この配管ホース７は、分岐水栓８を介して上水を供給する市
水等の上水道管９に接続している。
【００１６】
本体ケース３は、その一方の側面に、前方が上記便座４の側面に沿って延設された操作
部１０を一体的に突設しており、操作部１０は本体ケース３の一部分を構成する。操作部
１０は、この操作部１０の上面から操作される後述の複数のスイッチやこのスイッチによ
る動作状態を表示する表示部となるＬＥＤを収納している。図示のものは操作部１０が便
座４の側部に配置された構成であるが、操作をリモートコントロール方式とする場合は、
操作部１０の部分がリモートコントローラとなる。
【００１７】
図示の構成において、本体ケース３内には、図２に示す様に、主とした機能部品として
、便座４に着座した人の肛門やビデ等の被洗浄局部を洗浄するための温水をつくるための
温水タンク１３と、この温水タンク１３と給水管６とを接続する給水配管１４と、給水配
管１４に接続した電磁弁１１と、給水配管１４に接続した減圧弁１２、温水洗浄ユニット
６０と、脱臭機構１６と、電気制御回路を取り付けた基板１７とを収納配置している。な
お、本体ケース３内には、便座４と便蓋５を上下方向に開閉する電動機１９、２０が収容
されている。温水タンク１３には、電磁弁１１が開くことにより、配管ホース７及び給水
配管１４を通って上水道管９の上水が、温水タンク１３内の底部に供給される。温水タン
ク１３に供給された水は、温水タンク１３内に配置した温水ヒータ４２で温水となる。
【００１８】
脱臭機構１６は、脱臭用触媒２４と、脱臭ファン２５と、ファンケース２６にて主に構
成し、このファンケース２６は、上記洋式便器２のボウル２Ａに対向して開口した第１吸
気孔２７と、本体ケース３内に開口した第２吸気孔２８と、これらの吸気孔から吸引した
空気が上記脱臭用触媒２４を通過した後、本体ケース３の外に排出する排気孔２９とを設
けている。
【００１９】
便座４は、図１に一部断面で示すように、便座４の裏側にアルミニウム箔４Ａを介して
絶縁被覆された便座ヒータ４１が取り付けられており、便座ヒータ４１の発熱によって便
座４が加温される。
【００２０】
操作部１０は、図２に一部拡大で示すように、その中に絶縁性の操作基板１８を水平状
態に収納し、この操作基板１８には、各種の操作スイッチと、ＬＥＤ表示部が取り付けら
れている。この操作スイッチとして、おしり（肛門）洗浄開始スイッチ４５、ビデ洗浄開
始スイッチ４６、洗浄停止スイッチ４４、洗浄水の水勢増減スイッチ４７Ｐと４７Ｑ、温
水タンク１３の温水温度調節スイッチ４８、便座ヒータ４１による便座２の温度を可変す
る便座温度調節スイッチ４９等が設けられ、また、ＬＥＤ表示部として、水勢増減スイッ
チ４７Ｐと４７Ｑに対応して水勢の強中弱の状態を３段階で表示するＬＥＤ４７Ｌ、温水
温度調節スイッチ４８に対応して温水温度を低中高の３段階で表示するＬＥＤ４８Ｌ、便
座温度調節スイッチ４９に対応して便座温度を低中高の３段階で表示するＬＥＤ４９Ｌが
設けられている。なお、便座４と便蓋５を上下方向に開閉する電動機１９、２０をＯＮ・
ＯＦＦするスイッチ２３、４３とその押圧部分を前記操作スイッチ同様に操作部１０に設
けている。
【００２１】
操作部１０の上面開口は、前記の各スイッチ及びＬＥＤの対応部分に貫通孔を形成した
カバー板で覆われており、このカバー板の上面は、前記貫通孔を塞ぐようにこれらスイッ
チに対応する部分が可撓性を有し、且つ前記ＬＥＤに対応する部分が透光性を有するフィ
ルム１０Ｆで覆われている。このため、これらスイッチ４４、４５、４６、４７Ｐと４７
Ｑ、４８、４９に対応するフィルム１０Ｆの押圧部分４４Ａ、４５Ａ、４６Ａ、４７Ａと
４７Ｂ、４８Ａ、４９Ａを押すことによって、対応するスイッチが作動する。電動機１９
、２０をＯＮ・ＯＦＦするスイッチ２３、４３の部分も同様である。
【００２２】
温水タンク１３内の水を加熱するための温水ヒータ４２として、通電にて発熱するシー
ズヒータ４２が温水タンク１３内の底部に配設されている。温水タンク１３の上壁には、
温水タンク１３内の異常温度を検知してシーズヒータ４２への通電回路を遮断する温度検
知部５０と、温水タンク１３内の洗浄水レベル（温水レベル）を検知して電磁弁１１を開
閉制御して、温水タンク１３内の洗浄水レベルを所定レベルに制御するフロートスイッチ
５１と、温水タンク１３内の圧力が外気圧よりも低くなったとき温水タンク１３内と外気
を連通する負圧弁５２を備えた気圧調整用パイプ５３の取り付け部５４が設けられている
。温水タンク１３内は、負圧弁５２の作用によって外気と連通する以外は、外気と連通し
ないように気密構造である。また、温水タンク１３内の温水温度は、温水モードにおいて
温水温度調節スイッチ４８によって使用者が任意の設定温度に設定できる。温水モードに
おいてシーズヒータ４２への通電を制御して、温水タンク１３内の温水温度を前記設定温
度に維持するため、温水タンク１３内の温水温度を検知するサーミスタ５５が設けられて
いる。
【００２３】
温水洗浄ユニット６０は、おしり洗浄ノズル６１と、ビデ洗浄ノズル６２と、おしり洗
浄ノズル６１を進出・退避動作を行なうように収容したおしり洗浄ノズル用ノズルケース
６３と、ビデ洗浄ノズル６２を進出・退避動作を行なうように収容したビデ洗浄ノズル用
ノズルケース６４とを備えたノズルユニットＮＵと、温水タンク１３から供給される温水
をおしり洗浄ノズル６１とビデ洗浄ノズル６２のいずれに供給するかを切り替える切り替
え弁６６を備えた洗浄水切り替えユニットＳＵとによって構成されている。
【００２４】
ノズルユニットＮＵは、具体的には、おしり洗浄ノズル６１の真下にビデ洗浄ノズル６
２が略平行線上に位置するように、それぞれ上下の平行配置のおしり洗浄ノズル用ノズル
ケース６３とビデ洗浄ノズル用ノズルケース６４に収容され、後述のように、温水タンク
１３に掛かる水道水圧によって進出動作し、先端部のノズル口６１Ａ、６２Ａから温水を
噴出する構成である。おしり洗浄ノズル用ノズルケース６３とビデ洗浄ノズル用ノズルケ
ース６４は、合成樹脂で一体形成されてノズルケース体ＮＣを構成している。
【００２５】
おしり洗浄ノズル６１は、合成樹脂製で円筒形等所定形状の筒状をなし、洗浄水である
温水が通る内部通路６１Ｔは、先端部のノズル口６１Ａへ向けて次第に洗浄水の圧力が高
くなるように、先端に行くにしたがって次第に断面積Ｓ１が小さくなるように形成されて
いる。ビデ洗浄ノズル６２は、おしり洗浄ノズル６１と同様に、合成樹脂製で円筒形等所
定形状の筒状をなし、洗浄水である温水が通る内部通路６２Ｔは、先端部のノズル口６２
Ａへ向けて次第に洗浄水の圧力が高くなるように、先端に行くにしたがって次第に断面積
Ｓ２が小さくなるように形成されている。おしり洗浄ノズル６１と、ビデ洗浄ノズル６２
と、おしり洗浄ノズル用ノズルケース６３と、ビデ洗浄ノズル用ノズルケース６４とを共
通形態にすることによって、ノズル先端部を除いて共通の筒状ノズル形態を採用できるた
め、全体として部品の共通化と、組み立ての容易さ、更にコストダウン化を図ることがで
きるものとなる。
【００２６】
ノズルユニットＮＵの後端部には、洗浄水切り替えユニットＳＵから供給される温水が
、それぞれおしり洗浄ノズル用ノズルケース６３へ導入される温水導入部６３Ｂと、ビデ
洗浄ノズル用ノズルケース６４へ導入される温水導入部６４Ｂを形成している。具体的に
は、温水導入部６３Ｂと温水導入部６４Ｂとを形成した導入部カバー８６と、この導入部
カバー８６を覆うように取り付け部材８７が、ネジ８８にてノズルケース体ＮＣの後端に
取り付けられている。これによって、おしり洗浄ノズル用ノズルケース６３の後端の入口
開口が、温水導入部６３Ｂと連通状態となり、また、ビデ洗浄ノズル用ノズルケース６４
の後端の入口開口が、温水導入部６４Ｂと連通状態となる。
【００２７】
取り付け部材８７は、ノズルユニットＮＵを本体ケース３内の固定基板（図示せず）に
ネジ８９によって固定するために、取り付け部８７Ａを形成したものであるが、ノズルユ
ニットＮＵを本体ケース３内の固定基板にネジ８９によって固定する部分を導入部カバー
８６に形成できれば、取り付け部材８７は不要である。
【００２８】
上下配置のおしり洗浄ノズル６１とビデ洗浄ノズル６２は、洋式便器２のボウル２Ａ内
において、共に前方斜め下方に向けて進出し退避する向きの配置であり、本体ケース３に
便座４と便蓋５を取り付けた状態で、おしり洗浄ノズル６１とビデ洗浄ノズル６２は、便
座４の左右間の中心線となる前後方向中心線上の配置となる。このため、便座４と便蓋５
を取り付けた本体ケース３を洋式便器２の上の所定位置にセットした状態では、便座４に
着座した人の肛門やビデ等の被洗浄局部に対して、真下または真下後方部からの温水噴出
が得られる。
【００２９】
このため、上記水道水圧が掛からない状態においては、おしり洗浄ノズル６１はコイル
バネ６５Ａによって、おしり洗浄ノズル用ノズルケース６３内に退避した状態に保たれ、
上記水道水圧が掛かったときは、上記水道水圧をおしり洗浄ノズル６１の後端に形成した
環状フランジの水受け部６１Ｂが受けて、コイルバネ６５Ａを圧縮しつつおしり洗浄ノズ
ル６１が進出し、水受け部６１Ｂに取り付けたパッキン６１Ｐが洗浄ノズル用ノズルケー
ス６３内の停止部６３Ａに当接して、その進出が停止し、この位置が所定の進出位置とな
る。
【００３０】
一方、ビデ洗浄ノズル６２については、上記水道水圧が掛からない状態においては、ビ
デ洗浄ノズル６２はコイルバネ６５Ｂによってビデ洗浄ノズル用ノズルケース６４内に退
避した状態に保たれ、上記水道水圧が掛かったときは、上記水道水圧をビデ洗浄ノズル６
２の後端に形成した環状フランジの水受け部６２Ｂが受けて、コイルバネ６５Ｂを圧縮し
つつビデ洗浄ノズル６２が進出し、水受け部６２Ｂに取り付けたパッキン６２Ｐがビデ洗
浄ノズル用ノズルケース６４内の停止部６４Ａに当接して、その進出が停止し、この位置
が所定の進出位置となる。
【００３１】
洗浄水切り替えユニットＳＵは、切り替え弁６６を回動駆動する電動機６７と、切り替
え弁６６を収容する弁室６９を形成した合成樹脂製の弁室部材７０と、切り替え弁６６に
よって切り替えられるおしり洗浄水通路７１とビデ洗浄水通路７２を形成した合成樹脂製
の切り替え通路部材７３とが、ネジ７４によって結合されて一体化された構成である。こ
れによって、弁室６９が水密状態に保たれる。
【００３２】
温水タンク１３内の温水を導出するために、温水タンク１３内に略垂直に立設した温水
導出パイプ１５を設けている。温水導出パイプ１５の上端開口１５Ａ（温水タンク１３の
温水流出口）は、温水タンク１３内の上壁との間に若干の間隔を存して位置している。図
示のものは、温水タンク１３内の上壁が若干上方へ膨らんだ部分で、この上壁に近接する
位置に上端開口１５Ａが位置している。温水タンク１３には、電磁弁１１が開くことによ
り、配管ホース７及び給水配管１４を通って上水道管９の上水が、温水タンク１３内の底
部に供給され、温水ヒータ４２で加熱されて温水となる。温水タンク１３内の温水レベル
（洗浄水レベル）は、フロートスイッチ５１によって電磁弁１１を開閉制御して、温水タ
ンク１３内の温水レベル（洗浄水レベル）を所定レベルに制御する。この所定レベルは、
温水導出パイプ１５の上端開口１５Ａ（温水タンク１３の温水流出口）よりも若干低いレ
ベルである。
【００３３】
後述のように、洗浄モードになると、温水タンク１３内に上水道管９の上水を供給しつ
つ温水タンク１３内の温水をおしり洗浄ノズル６１またはビデ洗浄ノズル６２から噴出す
る。この場合、温水になっていない上水がおしり洗浄ノズル６１またはビデ洗浄ノズル６
２から噴出しないようにするために、温水導出パイプ１５が立設されている。
【００３４】
切り替え弁６６は、水平軸上で正転・逆転の回動動作を行うように、電動機６７の駆動
軸６８に支持されて弁室６９に収容されている。弁室部材７０は、その上壁に形成した温
水導入口６９Ｂに、温水導出パイプ１５の下端の温水導出口が接続され、温水導出パイプ
１５にて流下する温水が、温水導入口６９Ｂから弁室６９へ流入する。
【００３５】
電動機６７の駆動軸６８は、電動機６７の回転子から延びた軸６８Ａのみで形成しても
よいが、電動機６７の汎用性から、電動機６７の駆動軸６８は、電動機６７の回転子から
延びた軸６８Ａと、これに嵌め合わせて一体化した合成樹脂製の補助軸６８Ｂとで構成し
ている。図６に示すように、電動機６７の駆動軸６８は、温水が漏れないようにシールパ
ッキン７６によってシール状態で切り替え通路部材７３を貫通し、その先端に切り替え弁
６６を取り付けている。電動機６７は、後述の制御回路３０のパルス出力によってステッ
ピング動作をするものであり、ステッピングモータとも称する。
【００３６】
組み立て及び修理交換の容易さを考慮して、切り替え弁６６は、電動機６７の駆動軸６
８の先端に、図６において左側から（図８においては右側から）嵌め合わせで取り付けら
れている。切り替え弁６６によって切り替えられる温水の流れが、切り替え弁６６に貫通
形成した弁通路６６Ａがおしり洗浄水通路７１と連通した状態と、弁通路６６Ａがビデ洗
浄水通路７２と連通した状態へ切り替えられるため、切り替え弁６６が切り替え通路部材
７３へ押し圧保持される必要がある。このため、切り替え弁６６が回動可能であってその
支持が安定化するために、切り替え弁６６を駆動軸６８側に向けてコイルバネ７９の押し
圧にて保持する構成を採用している。具体的には、切り替え弁６６の駆動軸６８とは反対
側は、弁室６９の側壁（図６において左壁）から駆動軸６８方向に突出する支持軸７７と
、切り替え弁６６から突出する支持軸７８とに緩く嵌められたコイルバネ７９によって、
切り替え弁６６を駆動軸６８側に向けて押し圧にて保持しており、電動機６７による正転
・逆転の回動動作が円滑に行なわれる構成である。
【００３７】
洗浄水切り替えユニットＳＵは、上記のように、電動機６７と、弁室部材７０と、切り
替え通路部材７３とが、ネジ７４によって結合されて一体化された構成である。この一体
化された状態で、洗浄水切り替えユニットＳＵは、温水タンク１３の底面部にネジ８０に
よって固定し、この状態で、温水導出パイプ１５の下端が弁室６９の温水導入口６９Ｂに
連通接続される。この連通接続部からの温水防止のために、パッキン８１が設けられてい
る。
【００３８】
また、この一体化によって、弁室部材７０と切り替え通路部材７３との接合部から温水
が漏洩しないようにするために、この接合部がゴム製のシールパッキン８２によってシー
ルされている。また、切り替え弁６６によって温水の流れが、おしり洗浄水通路７１へ切
り替えられた状態で、ビデ洗浄水通路７２へ温水が入り込まないようにし、また、温水の
流れが、ビデ洗浄水通路７２へ切り替えられた状態で、おしり洗浄水通路７１へ温水が入
り込まないようにするために、おしり洗浄水通路７１とビデ洗浄水通路７２の入口周縁に
、ゴム製のシールパッキン８３Ａ、８３Ｂが取り付けられている。これによって、切り替
え弁６６は、コイルバネ７９によって切り替え通路部材７３へ向けて押されるとき、切り
替え弁６６の一方の面がシールパッキン８３Ａ、８３Ｂに圧接され、この圧接状態におい
て、切り替え弁６６は、温水の流れをおしり洗浄水通路７１とビデ洗浄水通路７２とに切
り替え回動する。
【００３９】
なお、切り替え弁６６の一方の面がシールパッキン８３Ａ、８３Ｂに圧接状態において
、切り替え弁６６が、温水の流れをおしり洗浄水通路７１とビデ洗浄水通路７２とに切り
替え回動する動作を安定化のために、シールパッキン８３Ａ、８３Ｂと同一平面をなすよ
うに、切り替え通路部材７３の凹部８４Ａ、８４Ｂにそれぞれゴム製の当接部材８５Ａ、
８５Ｂを嵌め込んでいる。
【００４０】
温水洗浄ユニット６０は、ノズルユニットＮＵと洗浄水切り替えユニットＳＵの温水通
路の接続のために、おしり洗浄水通路７１は、その出口部７１Ａが可撓性パイプ７５Ａに
よって温水導入部６３Ｂへ連通接続されている。また、ビデ洗浄水通路７２は、その出口
部７２Ａが可撓性パイプ７５Ｂによって温水導入部６４Ｂへ連通接続されている。洗浄水
切り替えユニットＳＵは、上記のように、ネジ８０によって温水タンク１３の底面部に固
定され、温水タンク１３は本体ケース３内の固定基板にネジ等によって固定される。また
、ノズルユニットＮＵは、本体ケース３内の固定基板にネジ８９によって固定され、おし
り洗浄ノズル６１とビデ洗浄ノズル６２が、便座４の左右間の中心線となる前後方向中心
線上の所定位置に保たれる。このようにして、温水洗浄ユニット６０が所定位置にセット
される。
【００４１】
図３は、制御手段となる制御回路３０の構成を示すもので、商用電源３１にマイクロコ
ンピュータを中心に構成した制御部３２を接続し、かつこの制御部３２の入力回路には上
記操作基板１８を接続し、更に制御部３２の入力回路には、上記便座４への着座を検出す
る着座スイッチ３３と、便座４の温度を検出する便座用温度センサ３５と、フロートスイ
ッチ５１と、温水タンク１３内の温水温度を検知するサーミスタ５５が接続されている。
着座スイッチ３３は、便座４に人が着座したときの重量で便座４が下降することにより作
動するスイッチや、便座４に着座した人を赤外線で検出する赤外線スイッチなどがある。
【００４２】
制御部３２は、タイマ、メモリ等を含み、所定のプログラムに従って、所定の動作を行
なうマイクロコンピュータ制御方式である。商用電源３１には、上記制御部３２の出力に
て各々動作するスイッチング素子２１、２２、３６、３７、３８、３９、４０を介して、
それぞれ便座４の開閉電動機１９、便蓋５の開閉電動機２０、便座ヒータ４１、温水タン
ク１３内の水を加熱する温水ヒータ４２、切り替え弁６６を駆動する電動機６７（洗浄モ
ータ６７ともいう）、脱臭ファン２５、及び電磁弁１１を接続している。
【００４３】
待機状態において、通常、接点が閉じている温度検知部５０は、温水タンク１３内の異
常温度を検知したとき開いて、温水ヒータ４２の通電を遮断する。また、温水タンク１３
内の水は、サーミスタ５５の温度感知によって、制御部３２が動作し、スイッチング素子
３７が温水ヒータ４２の通電のＯＮ・ＯＦＦ動作を行い、温水温度が所定温度範囲に維持
される。温水タンク１３内の温水レベル（洗浄水レベル）は、フロートスイッチ５１の検
出によってスイッチング素子４０が電磁弁１１を開閉制御して、温水タンク１３内の温水
レベル（洗浄水レベル）を所定レベルに制御する。この所定レベルは、温水導出パイプ１
５の上端開口１５Ａ（温水タンク１３の温水流出口）よりも若干低いレベルである。
【００４４】
また、待機状態において、切り替え弁６６は、切り替え弁６６の弁通路６６Ａ以外の面
が、おしり洗浄水通路７１とビデ洗浄水通路７２の入口周縁のシールパッキン８３Ａ、８
３Ｂに当接しており、これによって、切り替え弁６６は、温水タンク１３内がおしり洗浄
水通路７１とビデ洗浄水通路７２のいずれとも連通しないように、おしり洗浄水通路７１
とビデ洗浄水通路７２の入口を塞ぎ、弁通路６６Ａがおしり洗浄水通路７１とビデ洗浄水
通路７２のいずれとも連通せず遮断状態である。
【００４５】
このような待機状態において、制御部３２は、スイッチ４３のＯＮにて電動機２０にて
便蓋５が上方向に開く。そして、着座スイッチ３３により便座４への人体の着座を検出す
ると、スイッチング素子３９を通電して脱臭ファン２５を回転する。この着座状態におい
て、おしり（肛門）洗浄開始スイッチ４５が押されておしり（肛門）洗浄指令が発せられ
、またはビデ洗浄開始スイッチ４６が押されてビデ洗浄指令が発せられると、制御部３２
はスイッチング素子３８、４０を適宜作動して、洗浄モータ６７の作動にて切り替え弁６
６を回動駆動すると共に電磁弁１１が開く。電磁弁１１が開くことにより、水道管９から
給水配管１４を通って、上水の水圧が温水タンク１３内に掛かり、温水タンク１３内底部
に上水が供給されつつ、温水タンク１３内の温水が温水導出パイプ１５の上端開口１５Ａ
（温水タンク１３からの温水流出口）から温水導出パイプ１５へ流出し、弁室６９へ供給
される。
【００４６】
この場合、おしり（肛門）洗浄開始スイッチ４５が押されている場合は、洗浄モータ６
７の作動にて切り替え弁６６がシールパッキン８３Ａ、８３Ｂと当接部材８５Ａ、８５Ｂ
に当接した状態で回動し、切り替え弁６６の弁通路６６Ａがおしり洗浄水通路７１と連通
した状態で洗浄モータ６７が停止する。これによって、上水の水圧によって弁室６９へ供
給された温水は、弁通路６６Ａとおしり洗浄水通路７１を通り、その出口部７１Ａから可
撓性パイプ７５Ａを通って温水導入部６３Ｂへ流入する。温水導入部６３Ｂへ流入した温
水の水圧は、コイルバネ６５Ａによって退避位置（図７に示す位置）にあるおしり洗浄ノ
ズル６１の水受け部６１Ｂに作用して、コイルバネ６５Ａを圧縮しつつおしり洗浄ノズル
６１を進出させ、パッキン６１Ｐが停止部６３Ａに当接して、その進出が停止し、この進
出位置で、洗浄水である温水は、水圧受け部６１Ｂの中心孔を通過しておしり洗浄ノズル
６１の内部通路６１Ｔに流入し、先端のノズル口６１Ａから噴出する温水によって、おし
り（肛門）が洗浄される。
【００４７】
そして、洗浄停止スイッチ４４が押されてＯＮすることにより、制御部３２が動作し、
スイッチング素子３８、４０が動作して、洗浄モータ６７の作動にて切り替え弁６６を待
機位置へ戻すと共に、電磁弁１１を閉じる。電磁弁１１が閉じることにより、上水の水圧
が温水タンク１３内に掛からなくなり、ノズル口６１Ａからの温水の噴出が停止すると共
に、コイルバネ６５Ａによっておしり洗浄ノズル６１がおしり洗浄ノズル用ノズルケース
６３内に退避した状態（図７に示す位置）に復帰する。
【００４８】
また、上記において、おしり（肛門）洗浄開始スイッチ４５ではなく、ビデ洗浄開始ス
イッチ４６が押されている場合は、洗浄モータ６７の作動にて切り替え弁６６がシールパ
ッキン８３Ａ、８３Ｂと当接部材８５Ａ、８５Ｂに当接した状態で回動し、切り替え弁６
６の弁通路６６Ａがビデ洗浄水通路７２と連通した状態で洗浄モータ６７が停止する。こ
れによって、上水の水圧によって弁室６９へ供給された温水は、弁通路６６Ａとビデ洗浄
水通路７２を通り、その出口部７２Ａから可撓性パイプ７５Ｂを通って温水導入部６４Ｂ
へ流入する。温水導入部６４Ｂへ流入した温水の水圧は、コイルバネ６５Ｂによって退避
位置にあるビデ洗浄ノズル６２の水受け部６２Ｂに作用して、コイルバネ６５Ｂを圧縮し
つつビデ洗浄ノズル６２を進出させ、パッキン６２Ｐが停止部６４Ａに当接して、その進
出が停止し（図７に示す位置）、この進出位置で、洗浄水である温水は、水圧受け部６２
Ｂの中心孔を通過してビデ洗浄ノズル６２の内部通路６２Ｔに流入し、先端のノズル口６
２Ａから噴出する温水によって、ビデが洗浄される。
【００４９】
そして、洗浄停止スイッチ４４が押されてＯＮすることにより、制御部３２が動作し、
スイッチング素子３８、４０が動作して、洗浄モータ６７の作動にて切り替え弁６６を待
機位置へ戻すと共に、電磁弁１１を閉じる。電磁弁１１が閉じることにより、上水の水圧
が温水タンク１３内に掛からなくなり、ノズル口６２Ａからの温水の噴出が停止すると共
に、コイルバネ６５Ｂによってビデ洗浄ノズル６２がビデ洗浄ノズル用ノズルケース６４
内に退避した状態（上記おしり洗浄ノズル６１の退避した状態と同様の状態）に復帰する
。
【００５０】
上記から明らかなように、おしり洗浄ノズル６１とビデ洗浄ノズル６２は、それぞれ進
出・退避動作を行なうように別個のノズルケース６３、６４内に収容されて上下配置され
、温水タンク１３に掛かる水道水圧によって進出動作し、それぞれ先端部のノズル口６１
Ａ、６２Ａから温水を噴出する構成であるため、肛門やビデ等の被洗浄局部に対して、真
下または真下後方部からの温水噴出が得られるようになり、従来のように左右配置での温
水飛散問題や、おしり洗浄時におしりを洗浄した温水が、ビデ洗浄ノズル６２の先端のノ
ズル口６２Ａに掛かる問題も解決され、ビデ洗浄ノズルを衛生的に保てる好ましい噴出形
態が達成できる。
【００５１】
また、おしり洗浄ノズル６１とビデ洗浄ノズル６２は、モータで進出・退避動作を行な
うのではなく水圧で進出・退避動作を行なう構成であるため、両ノズルの動作とそれを達
成する構造を共通にできるようになり、構造的・動作的に簡単なものとなる。
【００５２】
更に、本発明では、切り替え弁６６を収容した弁室６９の温水導入口６９Ｂに、温水タ
ンク１３内に立設した温水導出パイプ１５の下端の温水出口が連通するように、洗浄水切
り替えユニットＳＵが温水タンク１３の下面に取り付けられた構成であるため、温水タン
ク１３内の温水は、温水導出パイプ１５から弁室６９へ直接流入する構成となり、温水タ
ンク１３内の温水を洗浄水切り替えユニットＳＵに導くパイプが不要となり、温水タンク
１３に洗浄水切り替えユニットＳＵを取り付け、一体化した構成が達成できる。
【００５３】
本発明に係る温水洗浄式便座装置は、便座４への着座を検出する着座スイッチ３３が動
作した状態において、電磁弁１１が開くことにより、温水タンク１３内に水道水が供給さ
れ、水道水圧によって、おしり洗浄ノズル６１またはビデ洗浄ノズル６２から温水タンク
１３内の温水が噴出するものである。このような温水洗浄式便座装置において、温水タン
ク１３内の上部には空気が溜まる。それは、安全のために設けた負圧弁５２を通して空気
が溜まる場合や、温水タンク１３内の水の加熱によって水道水中に含まれた空気が溜まる
場合等であり、おしり洗浄時またはビデ洗浄時に、おしり洗浄ノズル６１またはビデ洗浄
ノズル６２が進出を開始してから所定の進出位置へ進出するまでの間に、この空気が温水
と共に温水導出パイプ１５を通しておしり洗浄ノズル６１のノズル口６１Ａまたはビデ洗
浄ノズル６２のノズル口６２Ａから送出され、不規則な温水噴出が生じ、温水の飛散を生
じることとなり、それによって温水洗浄式便座装置１の使用者が不快感を味わうこととな
る。
【００５４】
また、図示のように、水道水圧が掛かったとき、この水道水圧によっておしり洗浄ノズ
ル６１を進出させるものにおいては、おしり洗浄ノズル６１がコイルバネ６５Ａを圧縮し
つつ進出し、環状フランジの水受け部６１Ｂのパッキン６１Ｐがノズルケース６３内の停
止部６３Ａに当接して、所定の進出位置となるが、進出を開始してからこの所定の進出位
置へ進出するまでの間、先端部のノズル口６１Ａから温水が不規則に出る現象が生じる。
また、ビデ洗浄においても、図示のように、上記水道水圧が掛かったとき、この水道水圧
によってビデ洗浄ノズル６２を進出させるものにおいては、ビデ洗浄ノズル６２がコイル
バネ６５Ｂを圧縮しつつ進出し、環状フランジの水受け部６２Ｂのパッキン６２Ｐがノズ
ルケース６４内の停止部６４Ａに当接して、所定の進出位置となるが、進出を開始してか
らこの所定の進出位置へ進出するまでの間、先端部のノズル口６２Ａから温水が不規則に
出る現象が生じる。
【００５５】
本発明では、このような現象を解消するために、温水洗浄ユニット６０に空気抜き機能
を設けている。この空気抜き機能として、おしり洗浄開始時またはビデ洗浄開始時に、温
水タンク１３内の上部に溜まった空気を抜く第１の技術と、便座４に着座したとき、温水
タンク１３内の上部に溜まった空気を抜く第２の技術と、この第１の技術と第２の技術と
を組み合わせた第３の技術を提供する。
【００５６】
先ず、第１の技術、第２の技術、及び第３の技術を達成するために、温水洗浄ユニット
６０は、洗浄水切り替えユニットＳＵに、温水タンク１３内の温水がおしり洗浄ノズル６
１またはビデ洗浄ノズル６２へ供給される通路とは別に、空気抜き通路９０を設けている
。上記のように、待機状態において、切り替え弁６６は、切り替え弁６６の弁通路６６Ａ
以外の面が、おしり洗浄水通路７１とビデ洗浄水通路７２の入口周縁のシールパッキン８
３Ａ、８３Ｂに当接して、切り替え弁６６は、おしり洗浄水通路７１の入口とビデ洗浄水
通路７２の入口を塞ぎ、弁通路６６Ａがおしり洗浄水通路７１とビデ洗浄水通路７２のい
ずれとも連通しない状態である。
【００５７】
切り替え通路部材７３には、温水タンク１３内の温水がおしり洗浄ノズル６１またはビ
デ洗浄ノズル６２へ供給される通路とは別個の通路として、おしり洗浄水通路７１とビデ
洗浄水通路７２の中間位置に、空気抜き通路９０を形成している。この空気抜き通路９０
は当接部材８５Ｂを貫通し、切り替え通路部材７３内を通って出口部９０Ａに至る。出口
部９０Ａには可撓性パイプ９１が接続され、温水洗浄ユニット６０が所定位置にセットさ
れた状態において、可撓性パイプ９１の出口は、ノズルユニットＮＵの下方、即ち、退避
状態にあるおしり洗浄ノズル６１とビデ洗浄ノズル６２のノズル口６１Ａ、６２Ａよりも
下方で、洋式便器２のボウル２Ａ（便器２の排水口が形成された部分）に臨む状態に保た
れている。切り替え弁６６が作動する前の待機状態では、切り替え弁６６は、弁通路６６
Ａ以外の面が当接部材８５Ｂに当接して、空気抜き通路９０の入口を塞ぎ、弁通路６６Ａ
が空気抜き通路９０と連通しない状態である。このため、切り替え弁６６が作動する前の
待機状態では、切り替え弁６６は、おしり洗浄水通路７１、ビデ洗浄水通路７２、及び空
気抜き通路９０を塞いだ状態である。
【００５８】
先ず、第１の技術の空気抜き機能について説明する。これは、おしり洗浄開始時または
ビデ洗浄開始時に、温水タンク１３内の上部に溜まった空気を抜くものである。ところで
、着座スイッチ３３が動作していないとき、即ち、使用者による便座４への着座がなく着
座を検出していないときは、おしり（肛門）洗浄開始スイッチ４５が押されても電磁弁１
１は開かず、また、ビデ洗浄開始スイッチ４６が押されても電磁弁１１は開かない。これ
は、着座スイッチ３３が着座を検出していないとき、不用意におしり（肛門）洗浄開始ス
イッチ４５またはビデ洗浄開始スイッチ４６が押されたとき、おしり洗浄ノズル６１また
はビデ洗浄ノズル６２から温水が噴出しないようにするためである。
【００５９】
本発明の第１の技術の空気抜き機能を備えない場合は、上記のように、着座スイッチ３
３が便座４に着座したことを検出している状態において、おしり（肛門）洗浄開始スイッ
チ４５が押され、またはビデ洗浄開始スイッチ４６が押されて、おしり（肛門）洗浄指令
またはビデ洗浄指令が発せられると、制御部３２はそれに対応したスイッチング素子３８
、４０を適宜作動して、洗浄モータ６７の作動にて切り替え弁６６を回動駆動すると共に
電磁弁１１が開き、おしり洗浄ノズル６１またはビデ洗浄ノズル６２から温水が噴出する
。
【００６０】
ここに本発明の第１の技術の空気抜き機能を設けることにより、便座４への着座を着座
スイッチ３３が検出している状態において、おしり（肛門）洗浄開始スイッチ４５が押さ
れておしり洗浄開始指令が発せられたとき、またはビデ洗浄開始スイッチ４６が押されて
ビデ洗浄開始指令が発せられたとき、通常行われるところの、おしり洗浄ノズル６１また
はビデ洗浄ノズル６２からの温水噴出に先立って、制御部３２はスイッチング素子４０を
作動して電磁弁１１を所定時間開閉作動すると共に、洗浄モータ６７の作動にて切り替え
弁６６を回動駆動して、弁通路６６Ａが空気抜き通路９０の入口を開く位置へ回動する。
この電磁弁１１が開くことによって、水道管９から給水配管１４を通って、上水の水圧が
温水タンク１３内に掛かり、温水タンク１３内底部に上水が供給されつつ、温水タンク１
３内の上部の空気と温水が、温水導出パイプ１５の上端開口１５Ａ（温水タンク１３の温
水流出口）から温水導出パイプ１５へ流出し、弁室６９へ供給される。弁室６９へ供給さ
れた空気と温水は、連通状態にある弁通路６６Ａと空気抜き通路９０を通り、出口部９０
Ａから可撓性パイプ９１を通って、洋式便器２のボウル２Ａ内に排出される、所謂空気抜
き動作が達成される。この空気抜き動作は上記所定時間内に行われる。
【００６１】
そして、この所定時間の経過にて電磁弁１１は閉じると共に、待機位置へ復帰するよう
に洗浄モータ６７にて切り替え弁６６を逆回動駆動して、弁通路６６Ａが空気抜き通路９
０の入口を塞ぐ。そして、この動作に引き続いて、即ち、電磁弁１１の開閉作動及び切り
替え弁６６による空気抜き通路９０の閉鎖に引き続いて、制御部３２はそれに対応したス
イッチング素子３８、４０を適宜作動して、洗浄モータ６７の再作動にて切り替え弁６６
を回動駆動すると共に電磁弁１１が開き、上記のように、おしり洗浄開始指令またはビデ
洗浄開始指令によって、通常の洗浄動作のために、この洗浄開始指令に対応するおしり洗
浄ノズル６１またはビデ洗浄ノズル６２から温水が噴出する。この状態では、切り替え弁
６６にて空気抜き通路９０の入口が塞がれた状態である。
【００６２】
このように、電磁弁１１が所定時間開くことにより、温水タンク１３内の上部の空気と
温水が排出されるが、この排出時間が長くなれば、温水タンク１３内の温水が余分に排出
されること、また、おしり（肛門）洗浄開始スイッチ４５またはビデ洗浄開始スイッチ４
６が押されてから温水噴出までの待ち時間が長くなるため、この時間は短い方がよい。
【００６３】
次に第２の技術の空気抜き機能について説明する。これは、便座４に着座したことが着
座スイッチ３３によって検出されたとき、温水タンク１３内の上部に溜まった空気を抜く
空気抜き動作である。便座４に着座したことが着座スイッチ３３によって検出されると、
それによって制御部３２が動作し、スイッチング素子４０が動作して電磁弁１１が所定時
間だけ開いて閉じる。これと共に洗浄モータ６７の正回動と逆回動によって、切り替え弁
６６が空気抜き通路９０の入口を開閉する。即ち、切り替え弁６６の弁通路６６Ａと空気
抜き通路９０が連通すると共に、電磁弁１１が開くことにより、水道管９から給水配管１
４を通って、上水の水圧が温水タンク１３内に掛かり、温水タンク１３内底部に上水が供
給されつつ、温水タンク１３内の上部の空気と温水が、温水導出パイプ１５の上端開口１
５Ａ（温水タンク１３の温水流出口）から温水導出パイプ１５へ流出し、弁室６９へ供給
される。そして、弁室６９へ供給された空気と共に温水が、連通状態にある弁通路６６Ａ
と空気抜き通路９０を通り、出口部９０Ａから可撓性パイプ９１を通って、洋式便器２の
ボウル内に排出される空気抜き動作が達成される。
【００６４】
そして、着座スイッチ３３が便座４に着座したことを検出している状態において、おし
り（肛門）洗浄開始スイッチ４５が押され、またはビデ洗浄開始スイッチ４６が押されて
、おしり（肛門）洗浄指令またはビデ洗浄指令が発せられると、上記のように、制御部３
２はそれに対応したスイッチング素子３８、４０を適宜作動して、洗浄モータ６７の作動
にて切り替え弁６６を回動駆動すると共に電磁弁１１が開き、おしり洗浄ノズル６１また
はビデ洗浄ノズル６２から温水が噴出する通常動作が行われる。この状態では、切り替え
弁６６にて空気抜き通路９０の入口が塞がれた状態である。
【００６５】
このように、電磁弁１１が所定時間開くことにより、温水タンク１３内の上部の空気と
共に温水が排出されるが、この排出時間が長くなれば、温水タンク１３内の温水が余分に
排出されるため、この時間は短い方がよい。上記第１の技術では、おしり（肛門）洗浄開
始スイッチ４５またはビデ洗浄開始スイッチ４６が押されてから、空気抜き動作が行なわ
れるため、通常の洗浄動作における洗浄水としての温水がおしりまたはビデに当たるまで
の時間が、その分長くなることとなる。しかし、この第２の技術の空気抜き動作ではその
問題はなく、おしり（肛門）洗浄開始スイッチ４５またはビデ洗浄開始スイッチ４６が押
されてから、洗浄水としての温水がおしりまたはビデに当たるまでの時間は、第１の技術
の場合よりも短縮され、通常の動作時間となる。
【００６６】
次に、第３の技術の空気抜き機能について説明する。これは、上記第１の技術と第２の
技術の組み合わせによる空気抜き動作である。このため、便座４への着座を検出する着座
スイッチ３３が動作した状態で電磁弁１１が開くことにより温水タンク１３内に水道水が
供給され、水道水圧によって、おしり洗浄ノズル６１またはビデ洗浄ノズル６２から温水
タンク１３内の温水が噴出する温水洗浄式便座装置１において、上記第２の技術と同様に
、着座スイッチ３３が着座を検出したとき、電磁弁１１を所定時間開閉作動すると共に、
洗浄モータ６７の正回動と逆回動によって、切り替え弁６６が空気抜き通路９０の入口を
開閉する。この所定時間内に温水タンク１３内の上部に溜まった空気と共に温水を、空気
抜き通路９０から便器２内へ排出するよう、一回目の空気抜き動作が行なわれる。そして
、上記第１の技術と同様に、この着座スイッチ３３が着座を検出している状態において、
おしり（肛門）洗浄開始スイッチ４５が押されておしり洗浄開始指令が発せられたとき、
若しくはビデ洗浄開始スイッチ４６が押されてビデ洗浄開始指令が発せられたときには、
電磁弁１１を所定時間開閉作動すると共に、洗浄モータ６７の正回動と逆回動によって、
切り替え弁６６が空気抜き通路９０の入口を開閉する。これにより、この所定時間内に温
水タンク１３内の上部に溜まった空気と共に温水を、空気抜き通路９０から便器２内へ排
出するよう、二回目の空気抜き動作が行なわれるものである。
【００６７】
このような空気抜き動作は、制御部３２の動作によって、スイッチング素子４０が動作
して電磁弁１１が所定時間だけ開いて閉じ、電磁弁１１がこの所定時間だけ開くことによ
り、水道管９から給水配管１４を通って、上水の水圧が温水タンク１３内に掛かり、温水
タンク１３内底部に上水が供給されつつ、温水タンク１３内の上部の空気と温水が、温水
導出パイプ１５の上端開口１５Ａ（温水タンク１３の温水流出口）から温水導出パイプ１
５へ流出し、弁室６９へ供給される。弁室６９へ供給された空気と温水は、連通状態にあ
る弁通路６６Ａと空気抜き通路９０を通り、出口部９０Ａから可撓性パイプ９１を通って
、洋式便器２のボウル内に排出される空気抜き動作が達成される。
【００６８】
このように、一回目の空気抜き動作が、着座スイッチ３３が着座を検出したとき行なわ
れ、その着座スイッチ３３が着座を検出した状態が継続中に、おしり（肛門）洗浄開始ス
イッチ４５が押されておしり洗浄開始指令が発せられたとき、若しくはビデ洗浄開始スイ
ッチ４６が押されてビデ洗浄開始指令が発せられたとき、二回目の空気抜き動作が行なわ
れる。この一回目の空気抜き動作が行なわれてから二回目の空気抜き動作が行なわれるま
での時間が長い場合において、温水タンク１３内に再び空気が溜まることとなっても、二
回目の空気抜き動作によって空気が抜かれるため、従来のような問題は解決し、本発明の
目的が達成される。
【００６９】
一方、一回目の空気抜き動作が行なわれてから二回目の空気抜き動作が行なわれるまで
の時間が短い場合は、温水タンク１３内に再び溜まる空気量は極めて少ないか殆んど溜ま
らない状態となるため、二回目の空気抜き動作によって空気を抜く時間を短くするか、空
気抜きを行なわないようにすることによって、従来のような問題は解決し、本発明の目的
が達成される。
【００７０】
一回目の空気抜き動作が行なわれてから二回目の空気抜き動作が行なわれるまでの時間
が短い場合は、温水タンク１３内に再び溜まる空気量は極めて少ない状態となるため、二
回目の空気抜き動作によって空気を抜く時間は短くてよい。このため、一回目の空気抜き
動作が行なわれてから二回目の空気抜き動作が行なわれるまでの時間が、設定した所定時
間Ｔ１未満であれば、二回目の空気抜き動作時間は短くし、二回目の空気抜き動作後に、
洗浄水による通常の洗浄動作に移行するようにする。
【００７１】
即ち、一回目の空気抜き動作が行なわれてから、おしり（肛門）洗浄開始スイッチ４５
が押されておしり洗浄開始指令が発せられ、若しくはビデ洗浄開始スイッチ４６が押され
てビデ洗浄開始指令が発せられるまでの時間が、所定時間Ｔ１以上であれば、おしり（肛
門）洗浄開始スイッチ４５が押されておしり洗浄開始指令が発せられたとき、若しくはビ
デ洗浄開始スイッチ４６が押されてビデ洗浄開始指令が発せられたときには、制御部３２
によって電磁弁１１の開閉動作時間と洗浄モータ６７の正逆回動時間を通常の空気抜きの
動作時間Ｑ１とし、その動作時間Ｑ１後に、制御部３２によってスイッチング素子３８、
４０を適宜作動して、洗浄モータ６７の再作動にて切り替え弁６６を回動駆動すると共に
再び電磁弁１１が開き、上記のように、おしり洗浄開始指令またはビデ洗浄開始指令に対
応して、おしり洗浄ノズル６１またはビデ洗浄ノズル６２から温水を噴出させ、通常の洗
浄動作を行なう。
【００７２】
また、一回目の空気抜き動作が行なわれてから、おしり（肛門）洗浄開始スイッチ４５
が押されておしり洗浄開始指令が発せられ、若しくはビデ洗浄開始スイッチ４６が押され
てビデ洗浄開始指令が発せられるまでの時間が、所定時間Ｔ１未満であれば、おしり（肛
門）洗浄開始スイッチ４５が押されておしり洗浄開始指令が発せられたとき、若しくはビ
デ洗浄開始スイッチ４６が押されてビデ洗浄開始指令が発せられたときには、制御部３２
の動作によって上記動作時間Ｑ１よりも短い動作時間Ｑ２とし、その動作時間Ｑ２後に、
制御部３２によってスイッチング素子３８、４０を適宜作動して、洗浄モータ６７の再作
動にて切り替え弁６６を回動駆動すると共に再び電磁弁１１が開き、上記のように、おし
り洗浄開始指令またはビデ洗浄開始指令に対応して、おしり洗浄ノズル６１またはビデ洗
浄ノズル６２から温水を噴出させ、通常の洗浄動作を行なう。この方式は、設定した所定
時間Ｔ１内では、温水タンク１３内に溜まる空気量が極めて少ない場合に効果的である。
これによって、温水タンク１３内の空気は、一回目の空気抜き動作で排出され、二回目の
空気抜き動作時間を短くできるため、おしり洗浄開始指令またはビデ洗浄開始指令が発せ
られてから、洗浄水が出るまでの待ち時間が短くなり、使用者に不便を与えることが殆ん
どないものとなる。
【００７３】
上記の場合は、一回目の空気抜き動作が行なわれてから、おしり洗浄開始指令が発せら
れ若しくはビデ洗浄開始指令が発せられるまでの時間が所定時間Ｔ１未満であれば、二回
目の空気抜き動作では、上記動作時間Ｑ１よりも短い動作時間Ｑ２としているが、これに
替わって、一回目の空気抜き動作が行なわれてから、おしり洗浄開始指令が発せられ若し
くはビデ洗浄開始指令が発せられるまでの時間が、所定時間Ｔ１未満であれば、二回目の
空気抜き動作を行なわずに、直ちに、制御部３２によってスイッチング素子３８、４０を
適宜作動して、洗浄モータ６７の作動にて切り替え弁６６を回動駆動すると共に電磁弁１
１が開き、おしり洗浄開始指令またはビデ洗浄開始指令に対応して、おしり洗浄ノズル６
１またはビデ洗浄ノズル６２から温水を噴出させ、通常の洗浄動作を行なうようにするこ
とができる。この方式は、設定した所定時間Ｔ１内では、温水タンク１３内に空気が溜ま
らないか殆んど溜まらない状態である場合に効果的である。これによって、温水タンク１
３内の空気は、一回目の空気抜き動作で排出されるため、おしり洗浄開始指令またはビデ
洗浄開始指令が発せられてから、洗浄水が出るまでの待ち時間が長くならず、使用者に不
便を与えることがなくなる。
【００７４】
また、上記のように、一回目の空気抜き動作が行なわれてから二回目の空気抜き動作が
行なわれるまでの時間が極めて短い場合に、二回目の空気抜き動作を行なわない制御にお
いて、更に細かい制御を行うことができる。即ち、上記のように、一回目の空気抜き動作
が行なわれてから二回目の空気抜き動作が行なわれるまでの時間が、第１の所定時間Ｔ１
以上であれば、おしり（肛門）洗浄開始スイッチ４５が押されておしり洗浄開始指令が発
せられたとき、若しくはビデ洗浄開始スイッチ４６が押されてビデ洗浄開始指令が発せら
れたときには、制御部３２の動作によって電磁弁１１の開閉動作時間と洗浄モータ６７の
正逆回動時間を通常の空気抜きの動作時間Ｑ１とし、一回目の空気抜き動作が行なわれて
から二回目の空気抜き動作が行なわれるまでの時間が、第１の所定時間Ｔ１未満であって
、第１の所定時間Ｔ１よりも短い第２の所定時間Ｔ２以上であれば、電磁弁１１の開閉動
作時間と洗浄モータ６７の正逆回動時間を通常の空気抜きの動作時間Ｑ１よりも短い動作
時間Ｑ２またはそれよりも短い動作時間Ｑ３とし、一回目の空気抜き動作が行なわれてか
ら二回目の空気抜き動作が行なわれるまでの時間が、第２の所定時間Ｔ２未満であれば、
二回目の空気抜き動作を行なわず、上記のように、おしり洗浄開始指令が発せられ、若し
くはビデ洗浄開始指令が発せられることによって、通常の洗浄動作に移行して、おしり洗
浄ノズル６１またはビデ洗浄ノズル６２から温水を噴出して、通常の洗浄動作を行なうよ
うにすることができる。
【００７５】
このように本発明によって、温水タンク１３内の上部に溜まった空気は、温水と共に空
気抜き通路９０から便器２内へ排出されるため、おしり洗浄時またはビデ洗浄時に、この
空気がおしり洗浄ノズル６１またはビデ洗浄ノズル６２から噴出することによる温水の飛
散が防止でき、正常な温水洗浄が得られるものとなる。
【産業上の利用可能性】
【００７６】
本発明に係る温水洗浄式便座装置は、温水タンク内に供給される水道水圧によって、お
しり洗浄ノズルまたはビデ洗浄ノズルから前記温水タンク内の温水を噴出する温水洗浄式
便座装置であり、上記実施例では、おしり洗浄ノズルとビデ洗浄ノズルが、温水タンクに
掛かる水道水圧によって進出動作し先端部のノズル口から温水を噴出する形態であるが、
これに替わって、おしり洗浄ノズルとビデ洗浄ノズルが、それぞれのモータによって進出
・退避動作を行なうモータ式に適用することもできる。この場合、コイルバネ６５Ａ、６
５Ｂは不要である。
【００７７】
このモータ式の場合も、洗浄水切り替えユニットＳＵの構成及び動作は上記と同様であ
り、上記第１の技術乃至第３の技術の空気抜き機能、並びに洗浄モータ６７の作動にて切
り替え弁６６を回動駆動すると共に電磁弁１１が開き、モータにて進出したおしり洗浄ノ
ズル６１またはビデ洗浄ノズル６２から温水が噴出する通常動作に付いても、上記と同様
である。
【００７８】
このため、電磁弁１１が開くことにより温水タンク１３内に水道水が供給される温水洗
浄式便座装置において、おしり洗浄ノズル６１とビデ洗浄ノズル６２が、それぞれのモー
タによって進出・退避動作を行なうモータ式の場合も含めて、本発明は、上記実施例に示
した構成に限定されず、種々の形態のものに適用できるものであり、本発明の技術範囲に
おいて種々の形態を包含するものである。
【符号の説明】
【００７９】
１・・・・・温水洗浄式便座装置
２・・・・・洋式便器
３・・・・・本体ケース
４・・・・・便座
５・・・・・便蓋
６・・・・・給水管
７・・・・・配管ホース
８・・・・・分岐水栓
９・・・・・上水道管
１０・・・・操作部
１１・・・・電磁弁
１２・・・・減圧弁
１３・・・・温水タンク
１４・・・・給水配管
１５・・・・温水導出パイプ
１６・・・・脱臭機構
１７・・・・基板
１８・・・・操作基板
１９・・・・電動機
２０・・・・電動機
２１・・・・スイッチング素子
２２・・・・スイッチング素子
２３・・・・電動機１９のＯＮ・ＯＦＦスイッチ
３０・・・・制御回路
３１・・・・商用電源
３２・・・・制御部
３３・・・・着座スイッチ
３５・・・・便座用温度センサ
３６・・・・スイッチング素子
３７・・・・スイッチング素子
３８・・・・スイッチング素子
３９・・・・スイッチング素子
４０・・・・スイッチング素子
４１・・・・便座ヒータ
４２・・・・温水ヒータ
４３・・・・電動機２０のＯＮ・ＯＦＦスイッチ
４４・・・・洗浄停止スイッチ
４５・・・・おしり（肛門）洗浄開始スイッチ
４６・・・・ビデ洗浄開始スイッチ
４７Ｐ、４７Ｑ・・・・洗浄水の水勢増減スイッチ
４８・・・・温水温度調節スイッチ
４９・・・・便座温度調節スイッチ
５０・・・・温度検知部
５１・・・・フロートスイッチ
５２・・・・負圧弁
５３・・・・明るさ検知センサ
５４・・・・温水検知センサ
５５・・・・温水温度検知用サーミスタ
６０・・・・温水洗浄ユニット
６１・・・・おしり（肛門）洗浄ノズル
６１Ｂ・・・おしり（肛門）洗浄ノズルの水受け部
６１Ａ・・・おしり（肛門）洗浄ノズルのノズル口
６１Ｐ・・・パッキン
６２・・・・ビデ洗浄ノズル
６２Ａ・・・ビデ洗浄ノズルのノズル口
６２Ｂ・・・ビデ洗浄ノズルの水受け部
６２Ｐ・・・パッキン
６３・・・・おしり（肛門）洗浄ノズル用ケース
６３Ａ・・・停止部
６３Ｂ・・・温水導入部
６４・・・・ビデ洗浄ノズル用ケース
６４Ａ・・・停止部
６４Ｂ・・・温水導入部
６５Ａ・・・コイルバネ
６５Ｂ・・・コイルバネ
６６・・・・切り替え弁
６７・・・・電動機
６８・・・・電動機６７の駆動軸
６９・・・・弁室
６９Ｂ・・・温水導入口
７０・・・・弁室部材
７１・・・・おしり洗浄水通路
７１Ａ・・・おしり洗浄水通路の出口部
７２・・・・ビデ洗浄水通路
７２Ａ・・・ビデ洗浄水通路の出口部
７３・・・・切り替え通路部材
７４・・・・ネジ
７５Ａ・・・可撓性パイプ
７５Ｂ・・・可撓性パイプ
７７・・・・支持軸
７８・・・・支持軸
７９・・・・コイルバネ
８２・・・・シールパッキン
８３Ａ・・・シールパッキン
８３Ｂ・・・シールパッキン
８５Ａ・・・当接部材
８５Ｂ・・・当接部材
８７・・・・取り付け部材
９０・・・・空気抜き通路
９０Ａ・・・空気抜き通路の出口部
９１・・・・可撓性パイプ
ＮＣ・・・・ノズルケース体
ＮＵ・・・・ノズルユニット
ＳＵ・・・・洗浄水切り替えユニット
【特許請求の範囲】
【請求項１】
便座への着座を検出する着座スイッチが動作した状態で、電磁弁が開くことにより温水
タンク内に水道水が供給される温水洗浄式便座装置において、前記温水タンク内の温水が
おしり洗浄ノズルまたはビデ洗浄ノズルへ供給される通路とは別に空気抜き通路を設け、
便座への着座を着座スイッチが検出している状態において、おしり洗浄開始指令またはビ
デ洗浄開始指令が発せられたとき、前記おしり洗浄ノズルまたは前記ビデ洗浄ノズルから
の温水噴出に先立って、前記電磁弁を所定時間開閉作動することにより、前記所定時間内
に前記温水タンク内の上部に溜まった空気と共に温水を前記空気抜き通路から便器内へ排
出することを特徴とする温水洗浄式便座装置。
【請求項２】
便座への着座を検出する着座スイッチが動作した状態で、電磁弁が開くことにより温水
タンク内に水道水が供給され、水道水圧によって、おしり洗浄ノズルまたはビデ洗浄ノズ
ルから前記温水タンク内の温水が噴出する温水洗浄式便座装置において、前記温水タンク
内の温水が前記おしり洗浄ノズルまたはビデ洗浄ノズルへ供給される通路とは別に空気抜
き通路を設け、前記着座スイッチが動作したとき、前記電磁弁を所定時間開閉作動するこ
とにより、前記所定時間内に前記温水タンク内の上部に溜まった空気と共に温水を前記空
気抜き通路から便器内へ排出することを特徴とする温水洗浄式便座装置。
【請求項３】
電磁弁が開いたとき温水タンク内に水道水が供給され、水道水圧によって、おしり洗浄
ノズルまたはビデ洗浄ノズルから前記温水タンク内の温水が噴出する温水洗浄式便座装置
において、前記おしり洗浄ノズルに通じるおしり洗浄水通路と、ビデ洗浄ノズルに通じる
ビデ洗浄水通路と、前記温水タンクの温水を前記おしり洗浄水通路に流すか前記ビデ洗浄
水通路に流すかを切り替える切り替え弁と、前記おしり洗浄水通路及び前記ビデ洗浄水通
路とは別個に便器内に排出する空気抜き通路を備え、着座スイッチが便座への着座を検出
している状態において、おしり洗浄指令またはビデ洗浄指令のいずれかが発せられたとき
、通常のおしり洗浄またはビデ洗浄に先立って、前記切り替え弁が前記空気抜き通路を開
くと共に前記電磁弁が所定時間開いて、前記温水タンク内の空気と共に温水が前記空気抜
き通路から排出されることを特徴とする温水洗浄式便座装置。
【請求項４】
便座への着座を着座スイッチが検出している状態でおしり洗浄指令またはビデ洗浄指令
に基づき、電磁弁が開いたとき温水タンク内に水道水が供給され、水道水圧によって、お
しり洗浄ノズルまたはビデ洗浄ノズルから前記温水タンク内の温水を噴出する温水洗浄式
便座装置において、前記おしり洗浄ノズルに通じるおしり洗浄水通路と、ビデ洗浄ノズル
に通じるビデ洗浄水通路と、前記温水タンクの温水を前記おしり洗浄水通路に流すか前記
ビデ洗浄水通路に流すかを切り替える切り替え弁と、前記おしり洗浄水通路及び前記ビデ
洗浄水通路とは別個に便器内に排出する空気抜き通路を備え、おしり洗浄指令及びビデ洗
浄指令のいずれも発せられる前の状態では、前記切り替え弁は前記おしり洗浄水通路と前
記ビデ洗浄水通路と前記空気抜き通路を閉じており、この状態において、前記着座スイッ
チが便座への着座を検出したことにより、前記切り替え弁が前記空気抜き通路を開くと共
に前記電磁弁が所定時間開いて前記温水タンク内の空気と共に温水が前記空気抜き通路か
ら排出されることを特徴とする温水洗浄式便座装置。
【請求項５】
便座への着座を検出する着座スイッチが動作した状態で、電磁弁が開くことにより温水
タンク内に水道水が供給され、水道水圧によって、おしり洗浄ノズルまたはビデ洗浄ノズ
ルから前記温水タンク内の温水が噴出する温水洗浄式便座装置において、前記着座スイッ
チが着座を検出している状態でおしり洗浄開始指令またはビデ洗浄開始指令が発せられた
とき、または着座スイッチが着座を検出したときのいずれにおいても、前記電磁弁を所定
時間開閉作動することにより、前記所定時間内に前記温水タンク内の上部に溜まった空気
と共に温水を空気抜き通路から便器内へ排出することを特徴とする温水洗浄式便座装置。
【請求項１】
便座への着座を検出する着座スイッチが動作した状態で、電磁弁が開くことにより温水
タンク内に水道水が供給される温水洗浄式便座装置において、前記温水タンク内の温水が
おしり洗浄ノズルまたはビデ洗浄ノズルへ供給される通路とは別に空気抜き通路を設け、
便座への着座を着座スイッチが検出している状態において、おしり洗浄開始指令またはビ
デ洗浄開始指令が発せられたとき、前記おしり洗浄ノズルまたは前記ビデ洗浄ノズルから
の温水噴出に先立って、前記電磁弁を所定時間開閉作動することにより、前記所定時間内
に前記温水タンク内の上部に溜まった空気と共に温水を前記空気抜き通路から便器内へ排
出することを特徴とする温水洗浄式便座装置。
【請求項２】
便座への着座を検出する着座スイッチが動作した状態で、電磁弁が開くことにより温水
タンク内に水道水が供給され、水道水圧によって、おしり洗浄ノズルまたはビデ洗浄ノズ
ルから前記温水タンク内の温水が噴出する温水洗浄式便座装置において、前記温水タンク
内の温水が前記おしり洗浄ノズルまたはビデ洗浄ノズルへ供給される通路とは別に空気抜
き通路を設け、前記着座スイッチが動作したとき、前記電磁弁を所定時間開閉作動するこ
とにより、前記所定時間内に前記温水タンク内の上部に溜まった空気と共に温水を前記空
気抜き通路から便器内へ排出することを特徴とする温水洗浄式便座装置。
【請求項３】
電磁弁が開いたとき温水タンク内に水道水が供給され、水道水圧によって、おしり洗浄
ノズルまたはビデ洗浄ノズルから前記温水タンク内の温水が噴出する温水洗浄式便座装置
において、前記おしり洗浄ノズルに通じるおしり洗浄水通路と、ビデ洗浄ノズルに通じる
ビデ洗浄水通路と、前記温水タンクの温水を前記おしり洗浄水通路に流すか前記ビデ洗浄
水通路に流すかを切り替える切り替え弁と、前記おしり洗浄水通路及び前記ビデ洗浄水通
路とは別個に便器内に排出する空気抜き通路を備え、着座スイッチが便座への着座を検出
している状態において、おしり洗浄指令またはビデ洗浄指令のいずれかが発せられたとき
、通常のおしり洗浄またはビデ洗浄に先立って、前記切り替え弁が前記空気抜き通路を開
くと共に前記電磁弁が所定時間開いて、前記温水タンク内の空気と共に温水が前記空気抜
き通路から排出されることを特徴とする温水洗浄式便座装置。
【請求項４】
便座への着座を着座スイッチが検出している状態でおしり洗浄指令またはビデ洗浄指令
に基づき、電磁弁が開いたとき温水タンク内に水道水が供給され、水道水圧によって、お
しり洗浄ノズルまたはビデ洗浄ノズルから前記温水タンク内の温水を噴出する温水洗浄式
便座装置において、前記おしり洗浄ノズルに通じるおしり洗浄水通路と、ビデ洗浄ノズル
に通じるビデ洗浄水通路と、前記温水タンクの温水を前記おしり洗浄水通路に流すか前記
ビデ洗浄水通路に流すかを切り替える切り替え弁と、前記おしり洗浄水通路及び前記ビデ
洗浄水通路とは別個に便器内に排出する空気抜き通路を備え、おしり洗浄指令及びビデ洗
浄指令のいずれも発せられる前の状態では、前記切り替え弁は前記おしり洗浄水通路と前
記ビデ洗浄水通路と前記空気抜き通路を閉じており、この状態において、前記着座スイッ
チが便座への着座を検出したことにより、前記切り替え弁が前記空気抜き通路を開くと共
に前記電磁弁が所定時間開いて前記温水タンク内の空気と共に温水が前記空気抜き通路か
ら排出されることを特徴とする温水洗浄式便座装置。
【請求項５】
便座への着座を検出する着座スイッチが動作した状態で、電磁弁が開くことにより温水
タンク内に水道水が供給され、水道水圧によって、おしり洗浄ノズルまたはビデ洗浄ノズ
ルから前記温水タンク内の温水が噴出する温水洗浄式便座装置において、前記着座スイッ
チが着座を検出している状態でおしり洗浄開始指令またはビデ洗浄開始指令が発せられた
とき、または着座スイッチが着座を検出したときのいずれにおいても、前記電磁弁を所定
時間開閉作動することにより、前記所定時間内に前記温水タンク内の上部に溜まった空気
と共に温水を空気抜き通路から便器内へ排出することを特徴とする温水洗浄式便座装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【公開番号】特開２０１０−１９６２６５（Ｐ２０１０−１９６２６５Ａ）
【公開日】平成２２年９月９日（２０１０．９．９）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−３９２４１（Ｐ２００９−３９２４１）
【出願日】平成２１年２月２３日（２００９．２．２３）
【出願人】（０００００１８８９）三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】（３０２０７１０９２）テガ三洋工業株式会社 (244)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年９月９日（２０１０．９．９）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年２月２３日（２００９．２．２３）
【出願人】（０００００１８８９）三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】（３０２０７１０９２）テガ三洋工業株式会社 (244)
【Ｆターム（参考）】
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