説明

測定圧力を用いた遠心分離血液の状態の判定

【課題】血液サンプルの状態を判定するための方法を提供する。
【解決手段】この方法には、血液サンプルを提供することと、吸引及び吐出のためのポンプを有する計量プローブを提供することと、その計量プローブを、選択された距離、血液サンプルへ挿入することと、サンプル吸引又はサンプル吐出中の、サンプルとポンプとの間の圧力を測定することと、その測定圧力を参照値と比較することと、その状態の存在又は欠如の信号を発することとが含まれる。遠心分離血液サンプル中に、血液構成成分の選択層の存在を確認又は検出する方法には、吸引又は吐出中に、計量プローブ内の疑われる選択層の圧力を測定することと、その測定圧力を参照値と比較することとが含まれ、その測定圧力及び参照値が実質的に同一である場合、その血液構成成分の選択層が確認される。好ましい実施形態において、参照値は、予め選択された圧力範囲である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本特許出願は、2011年2月7日に出願された米国特許仮出願第61/439,947号の非暫定出願であり、この開示は全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、吸引又は吐出プロセスにおいて測定圧力を用いた、遠心分離血液の状態の判定に関する。具体的には本発明は、遠心分離血液からの濃厚赤血球の吸引を検出又は確認することに関する。
【0003】
献血は多くの場合、赤血球、血小板、凝固因子、血漿、抗体(免疫グロブリン)、及び白血球の構成成分に分けられる(分別される)。患者は状況に応じて、血液の血球のみ、凝固因子のみ、又はその他の血液構成成分の投与を受けることができる。選択された血液構成成分のみを輸血することにより、特異的な治療が可能になり、副作用の危険性を低減し、1単位の血液から得た異なる構成成分を効率的に使用して複数の患者を治療することが可能になる。
【0004】
濃厚赤血球(PRBC)は、最も一般的に輸血される血液成分であり、血液の酸素運搬能力を回復させることができる。この構成成分は、出血している患者、あるいは重度の貧血を有する患者に投与することができる。赤血球は、血液の液体構成成分(血漿)、及びその他の細胞及び細胞様構成成分から分離される。この工程により赤血球の濃度が高まり、より少ない容積を占めるため、「濃厚」という用語が用いられる。赤血球は最長42日間冷蔵保存可能である。特殊な状況の場合−例えば、稀少な血液型を保存するためには、赤血球は最長10年間冷凍保存することができる。よって、輸血のために他の構成成分からPRBCを分離する能力が重要である。
【0005】
免疫血液学分野は、供血者と輸血サービスによる輸血の管理に関連する、抗原及び抗体の科学分野である。免疫血液学の適用としては、血液型の定義、並びに、輸血及び移植の不適合又は妊娠中の合併症をもたらし得るような予期せぬ抗体の識別が挙げられる。受血者(患者)と供血者の両方について、輸血の安全性を確認するために検査が行われる。血液型判定は、手作業で、又は自動若しくは準自動システム(例えば、Ortho−Clinical Diagnostics,Inc.から販売されているOrtho ProVue(登録商標))で実施される。
【0006】
免疫血液学及び臨床化学検査においては、全血は場合によって、分析に先だって、遠心分離によりさまざまな構成成分の層に分離しなければならない。これらの層は主に、血漿と、白血球及び血漿を含む軟膜と、濃厚赤血球(PRBC)からなる。
【0007】
濃厚赤血球は上記の他にも、さまざまな理由から重要である。PRBCは、免疫血液学におけるいくつかの種類の検査を行うために必要である。PRBCは、通常、適切な市販生理食塩水希釈剤に対して0.8%及び4.0%の希釈比率での希釈された状態で使用される。PRBCを吸引するためには、遠心分離血液の血漿層を計量プローブが通過しなければならない。
【0008】
よって、輸血と免疫血液学の両方の観点から、その他の血液の構成成分からPRBCを識別し分離する能力が重要である。PRBCをその他の血液の構成成分から識別及び分離するための既知の方法には、検査(例えば、血液型判定)前のオペレーターによる観察、又は検査後に撮像システムを用いることが挙げられる。そのような検査後に行う方法は、正確さを欠き、分離が不完全だった場合、又は誤った層を吸引した場合には再検査を行わなければならないという問題がある。また、輸血と免疫血液学の両方の観点から、不完全な遠心分離のエラー状態、又はその他のエラー状態などの他の状態を、遠心分離血液において検出できる能力も重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
遠心分離の後に、例えばPRBCの層などのさまざまな血液構成成分の層を、その他の血液の構成成分から区別することができ、かつ遠心分離血液サンプル中に存在し得るその他の状態を判定することができる能力の必要性が、依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、例えばPRBCの層を遠心分離血液のその他の構成成分から識別するなど、遠心分離血液の状態を判定することができる前述の問題に対処する方法を目的とする。
【0011】
本発明の一態様は、血液サンプルの状態を判定するための方法を目的とする。この方法には、血液サンプルを提供することと、吸引及び吐出のためのポンプを有する計量プローブを提供することと、その計量プローブを、選択された距離、血液サンプルへ挿入することと、サンプル吸引又はサンプル吐出中の、サンプルとポンプとの間の圧力を測定することと、その測定圧力を参照値と比較することと、状態の存在又は欠如の信号を発することとが含まれる。好ましい実施形態において、この参照値には、圧力プロファイル、予め選択された圧力範囲、又は圧力プロファイルの予め選択された部分の傾きが挙げられる。
【0012】
本発明の別の態様は、遠心分離血液サンプル中に、血液構成成分の選択層の存在を確認又は検出するための方法を提供する。この方法には、吸引又は吐出中に、計量プローブ中の疑われる選択層の圧力を測定することと、その測定圧力を参照値と比較することとが含まれ、測定圧力及び参照値が実質的に同一である場合、その血液構成成分の選択層が確認される。好ましい実施形態において、参照値は、予め選択された圧力範囲である。
【0013】
別の好ましい実施形態において、この選択層は濃厚赤血球であり、追加層が血漿であり、遠心分離血サンプル中に、血液構成成分の選択層の存在を確認又は検出するための方法には、計量プローブのプローブ先端及び遠心分離血液サンプルを互いに相対的に動かして、遠心分離血液サンプルの上方に計量プローブを位置付けることと、計量プローブ及びサンプルを互いに相対的に動かして、計量プローブを血液サンプルの表面に向かって引き寄せることと、このサンプルの表面を検出することと、血漿層から血漿を吸引することと、この血漿層の吸引中に圧力を測定することと、参照値とこの測定圧力とを比較して、その層が血漿であることを確認することと、吸引プローブ先端を、疑われる濃厚赤血球層内に動かすことと、その疑われる層を吸引して、圧力を測定することと、参照値とこの測定圧力とを比較して、吸引した疑われる層が、選択された濃厚赤血球層であることを確認することとが含まれる。
【0014】
本発明の更に別の態様は、遠心分離血液サンプルにおける血漿層と濃厚赤血球層との間の界面を検出するための方法を提供する。この方法には、遠心分離血液サンプルの上方に計量プローブを位置付けることと、プローブ及びサンプルを互いに相対的に動かして、プローブをサンプルに近づけ入れることと、サンプルの第1深さで第1圧力を測定することと、サンプルの第2深さで第2圧力を測定することと、その第1圧力と第2圧力とを比較して、第1深さと第2深さとの間に界面があるかどうかを判定することとが含まれる。
【0015】
本発明の更なる目的、特徴及び利点が、以下の好ましい実施形態の詳細な考察から、当業者に明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の好ましい実施形態によって使用され得る、サンプル容器中の従来型計量プローブ及び先端の概略図。
【図2】好ましい実施形態による、吸引プロセスの血漿及びPRBCについての圧力対時間の圧力プロファイル。
【図3】好ましい実施形態による、吐出プロセスの血漿及びPRBCについての圧力対時間の圧力プロファイル。
【図4】好ましい実施形態による同じ先端でのPRBC及び血漿の連続吸引で、血漿及びPRBCの圧力対時間の圧力プロファイル。
【図5】好ましい実施形態による同じ先端での血漿及びPRBCの連続吸引で、血漿及びPRBCの圧力対時間の圧力プロファイル。
【図6】好ましい実施形態による、吸引プロセスの血漿及びPRBCについての圧力対時間のさまざまな圧力プロファイル。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明による、選択された血液構成成分の確認又は検出などの、測定圧力による遠心分離血液サンプルの状態を判定するためのさまざまな用途は、限定的なものではないが、特に有用な用途は、免疫血液学又は輸血の分野においてのものである。本発明と共に使用され得る装置及び方法の範囲は広く、以下により詳細に記載されている。
【0018】
本発明は、遠心分離血液中の異なる状態間の圧力の違いによって表わされる粘度の違いを利用して、検査されているサンプル中に特定の状態が存在するか否かを判定する。例えば、好ましい実施形態において本発明は、選択された血液構成成分とその他の血液の構成成分との間の粘度の違いを利用して、選択された血液構成成分の存在又は欠如を検出するとともに、選択された血液構成成分が、計量作業時に吸引又は吐出されているかどうかを判定することができる。
【0019】
好ましい実施形態において、本発明はPRBC(図ではRBCとして示される)と血液のその他の構成成分(主に血漿)との間の粘度の違いを利用して、PRBCの存在を検出するとともに、PRBCが、計量作業時に吸引又は吐出されていることを確認することができる。本明細書における残りの記述部分の大半は、選択された状態としての血液構成成分について描写するものであり、特に選択された血液構成成分として血漿又はPRBCについて描写する。しかしながら、本発明はそれらに限定されるものではなく、遠心分離により層を形成することができ、他の血液構成成分層と異なる粘度を有するものである限り、血液の任意の他の構成成分を、この選択層とすることができる。例えば、選択された血液構成成分は、白血球及び血小板を含む軟膜層であり得る。また、測定圧力と参照値圧力との間の圧力差によって判定され得るような、任意の他の状態も、本発明の範囲内である。
【0020】
PRBCの粘度は、PRBCの濃度によって、一般に8〜12センチポアズ(cps)の範囲又はこれより高く、通常2〜3cps未満の範囲である血漿の粘度よりも顕著に大きい。PRBCがより高い粘度を有すると考えられる理由は、固体(すなわち赤血球)の濃度が高いために流動に対する抵抗が大きくなることによる。一般にPRBC層の濃度は、赤血球が約80%、血漿が20%である。
【0021】
PRBCと血漿との粘度の違いは、PRBCにより流動に対する抵抗が大きくなるため、計量作業時(すなわち、吸引中又は吐出中)に異なる圧力プロファイルをもたらす(吸引/吐出速度などのその他の条件は同じであると仮定する)。換言すれば、流動を実現するためには、PRBCには血漿に対するよりも大きな圧力をかけなければならない。図2は、血漿及びPRBCについての圧力プロファイルの違いを示す。この圧力は、吸引及び/又は吐出に使用可能な計量プローブを含む、計量システムの圧力センサー(例えば圧力変換器など)によってモニターすることができる。圧力センサー及び計量プローブを含む従来型の好適な計量システムは、例えば米国特許第6,484,556号、同第6,060,320号、同第5,750,881号、同第5,540,081号、及び同第7,361,509号に記述されており、これらは全て、全体が参照により本明細書に組み込まれる。唯一要求されることは、吸引又は吐出される液体と計量機器のためのポンプ機構との間の空間において圧力を測定する能力である。これは一般に、図1に示すように、吸引/吐出プローブの先端とポンプとの間にある、圧力変換器を用いて達成される。図1は、吻部10、計量ポンプ30と液体(この場合は遠心分離血液サンプル)との間の圧力を測定するための圧力変換器20を含む、吸引/吐出組み合わせプローブの概略図である。このプローブには、吻部の端に使い捨て式計量先端40も含まれる。この図中、計量先端は、試験管50内で、試験管の底近くにあるPRBCに挿入される。この試験管には、高さAを有し、血漿部分60と、高さBを有するPRBC部分70とに分離されている遠心分離血液が入っている。
【0022】
本発明による方法を実行するためには、全血を取得し、その全血を、遠心分離器と、当該技術分野において既知の技法とを用いて遠心分離する。この全血は通常、試験管などのサンプル採取容器内で遠心分離される。
【0023】
血液がその構成成分層に分離された後は、通常は吸引によって、選択層を残りの構成成分から分離することができる。例えば、最も高密度の構成要素であるPRBC層は、サンプル採取容器の底にある。この時点で、実施する方法の態様に応じて、計量プローブをこの遠心分離血液のさまざまな位置に動かすことができる。
【0024】
PRBC層が選択層である好ましい一実施形態において、計量プローブをサンプル採取容器の底近くへと動かし、好ましくは容器の底から数ミリメートルの位置へと動かす。遠心分離が適切に実施されている場合、PRBCは容器の底に位置する。計量プローブのポンプが作動すると、PRBCの先端内への吸引が開始される。この先端は使い捨て式でも、又は固定式(すなわち恒久的)であってもよい。使い捨て式先端は、複雑なプローブ先端洗浄システムを必要とせず、異なる血液サンプルが残留する可能性を最小限に抑えるという利点がある。典型的な使い捨て式先端には、Microtip及びVersatip(商標)(両方ともOrtho−Clinical Diagnostics,Inc.により販売)が挙げられ、例えば米国特許第6,797,518号及び米国特許出願公開第2003−0022380 A1号に記載されており、これらは両方とも、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。プローブ先端が固定式の場合、例えば米国特許出願公開第2005−0196867 A1号に記述されているような、プローブ及びプローブ洗浄システムを使用することができる。
【0025】
PRBCを先端内に吸引する際、第1圧力プロファイルが生成される。この圧力プロファイルは、計量プローブに関連する圧力変換器によって測定され、計量プローブに関連するコンピューターによって記録され得る。この圧力プロファイル全体を、後述の比較に使用することができ、又はより好ましくは、この圧力プロファイルの一部若しくは選択点を比較に使用することができる。好ましい一実施形態において、計量作業時の既知の時点で、1回以上の圧力測定値を記録することができる。別の実施形態において、圧力プロファイルの選択部分の傾きを判定し記録することができる。
【0026】
この時点で、そのPRBCについて生成された第1圧力プロファイル(又は圧力測定値又は傾き)を、参照値又は参照圧力と比較しなければならない。参照値の形態は、何が測定及び記録されるかによって異なる。例えば、測定値が圧力プロファイル全体である場合、適切な比較は圧力プロファイルで行われることになり、よって参照値は第2の圧力プロファイルとなる。測定値がプロファイル中の選択された圧力測定値である場合、その比較は、圧力測定値に対して行われることになり、よって参照値は単一の圧力値か、又は圧力上限値及び下限値を形成する圧力の範囲となり得る。同様に、測定値が圧力プロファイルの一部の傾きである場合、その比較は圧力プロファイルの同じ部分の傾きに対して行われることになる。これは、上記の2つ以上の組み合わせであってもよい。
【0027】
上述のように、計量作業時の測定値が第1圧力プロファイルであった場合、これは第2圧力プロファイルと比較することによって、PRBCが吸引されたことを確認する。この第2圧力プロファイルは、複数のソースから得ることができる。この第2圧力プロファイルは、その計量プローブを制御するコンピューターに関連する記憶装置に保管され得るような、別の血液サンプルの血漿及び/又はPRBCから得た、以前に測定したプロファイルであり得る。別の方法としては、この第2圧力プロファイルは、同じ遠心分離血液サンプル中の血漿層の測定圧力プロファイルであり得る(多くの検査プロファイルでは血漿が最初に吸引されるため、これが一般的な事例である)。コンピューターは、測定された第1圧力プロファイルを、この第2圧力プロファイルと比較する。これは、より確実な結論を得るため、上述のいくつかの技法を組み合わせてもよい。
【0028】
第2圧力プロファイルがPRBCのものであり、PRBCであると考えられる第1圧力プロファイルと実質的に同一である場合、これは実際に吸引されているものがPRBCであることの示唆又は確認となり、吸引されたPRBCはしたがって、その後に例えば上述の用途などに、望むように使用することができる。本明細書で使用されるとき「実質的に同一」とは、その測定された圧力の、参照値に対する差が20%以下、より好ましくは10%以下、最も好ましくは5%以下であることを意味する。第2圧力プロファイルが血漿のものであり、PRBCであると考えられる第1圧力プロファイルとは有意に異なる場合、これは実際に吸引されているものがPRBCであることの示唆又は確認となり、吸引されたPRBCはしたがって、その後に例えば上述の用途などに、望むように使用することができる。本明細書で使用されるとき「有意に異なる」とは、その測定された圧力の、参照値に対する差が25%以上、より好ましくは30%以上、より好ましくは35%以上、最も好ましくは40%以上であることを意味する。この概念を図解的に示した表1を、下に示す。
【表1】

【0029】
圧力プロファイルが上記に対応しない場合、PRBCが吸引されていないことを示すことになり、血液の構成成分への分離が成功しなかったか、又はプローブが正しくない計量高さに位置しているか、又は液体構成成分レベルが予測とは異なっていることを示している。例えば、遠心分離が不完全であったか、又は遠心分離が行われなかった可能性がある。この場合、第1圧力プロファイル(又はその他の測定値)は全血のものと同様となり、そのような圧力プロファイルは血漿とPRBCとの間の圧力プロファイルになり得る。計量プローブは、例えばアラームによって、又は計量プローブの動作若しくは計量プローブに関連する機器の動作を一時停止にすることによって、エラーを示すことができる。この時点でオペレーター又は機器が、例えば更なる調査を実施したり、プロセスをやり直したりするなどの適切な対処を行うことができる。エラー状態を生じさせる可能性があるその他の状態は、下記に詳しく記述される。
【0030】
上記及び下記の記述には、測定値及び記録値として圧力プロファイルを使用することが含まれるが、上記でも述べた他の測定値(例えば傾き、不連続的な圧力測定値など)も使用することができる。別の方法としては、上述のように、全体の圧力プロファイルを測定するのではなく、吸引又は吐出を開始してから特定の時間経過後に不連続的な圧力測定値を測定し、この測定圧力が所定の範囲内又は範囲外になるかどうかを比較することができる。この範囲は、経験的試験によって定めることができる。
【0031】
本発明の別の態様により、血漿層及びPRBC層の両方が吸引され、その後に例えば血液型判定などに使用される。そのような場合、本検出方法は、両方の層が問題なく吸引されたことを確認するために使用することができる。上述のように、全血液サンプルの遠心分離により、赤血球が血漿から分離される。このサンプルは、場合によっては未知の液量/液体高さで、検査/分離用のサンプル採取容器内に存在する。
【0032】
上述のような計量プローブは、サンプルの上方に位置するよう水平方向に移動してから、血漿表面に向かって垂直に下降する。計量プローブは、この実施形態及び本明細書で記述されるその他の実施形態において、サンプルに対する動きとして記述されるが、ここで必要なことは、計量プローブとサンプルが互いに接触し合うことのみであることが理解されるべきである。このことは、静止している計量プローブに向かってサンプル容器を動かすことによっても同様に達成され得る。好ましい実施形態において、プローブは血漿の上面を検知する。計量先端は、例えば米国特許第5,273,717号、同第5,143,849号、同第5,133,392号、同第5,111,703号、及び同第4,272,482号に記述されているもののような任意の多くの既知の技術を使用して、液体の上面を検知することができる。
【0033】
液体表面が見つかった後は、計量プローブが望ましい量の血漿を吸引して、これをその後の使用に用いることができる。この吸引工程中に、例えば上述の圧力変換器を用いることによって、先端内部の圧力が測定され、例えば図2に示すもののような第1圧力プロファイルなどの圧力測定値が生成される。例えば第2圧力プロファイルなどの参照値は、上述のように生成される。圧力測定値と参照値、例えば第1圧力プロファイルと第2圧力プロファイルとが、比較される。第2圧力プロファイルが血漿のものであるか又はPRBCのものであるかによって、これらの圧力プロファイルは実質的に同一になるか、又は有意に異なるものになる。第1圧力プロファイルと第2圧力プロファイルとの比較により、血漿が吸引されていないことが明らかになった場合、前述のように、エラー信号が生成され得る。そうでない場合、計量プローブが次に液体から先端を引き上げ、次いで必要に応じて血漿を吐出する。
【0034】
血漿層の少なくとも一部が吸引された後、PRBC層が吸引される。計量プローブの、血漿吸引に使用した計量先端をまだ廃棄していない場合、その計量先端を廃棄し、新しい使い捨て式先端を取り付ける。非使い捨て式の計量先端の場合、血漿吸引とPRBC吸引との間に、この先端を洗浄することができる。計量プローブをサンプル容器へと垂直に降下させて、残っている血漿があればそれを通過し、上述のように、サンプル容器の底から数ミリメートル以内の位置に下ろす。計量プローブがPRBCを吸引し、内部ポンプ/先端の圧力を測定して、上述のように例えば第1圧力プロファイルなどの圧力測定値を生成する。例えば第2圧力プロファイルなどの参照値は、上述のように生成される。圧力測定値と参照値、例えば第1圧力プロファイルと第2圧力プロファイルとが、比較される。第2圧力プロファイルが血漿のものであるか又はPRBCのものであるかによって、これらの圧力プロファイルは実質的に同一になるか、又は有意に異なるものになる。第1圧力プロファイルと第2圧力プロファイルとの比較により、PRBCが吸引されていないことが明らかになった場合、前述のように、エラー信号が生成され得る。そうでない場合、計量プローブが次に液体から先端を引き上げ、次いで必要に応じてPRBCを吐出する。
【0035】
この実施形態は血漿層を最初に吸引されるものとして記述しているが、最初にPRBC層に進み、その次に血漿層を吸引することも同様に可能である。
【0036】
本発明の更に別の態様により、本発明は遠心分離されたサンプルの血漿層/PRBC層の界面に位置するよう使用することができる。実践上、計量プローブは遠心分離されたサンプルを通過して垂直に降下し得る。サンプル中を通過している間に、サンプルは連続的に吸引されるか、又はサンプルの深さ全体にわたって予め選択された地点で吸引される。サンプリングの頻度が多いほど、界面の検出の正確さが増すため、連続的な圧力測定が好ましい。測定プローブの先端が界面に達すると、圧力測定値が急激に変化し、例えば傾きの大きな変化などにより、界面に達したことが示される。
【0037】
本発明のこの態様の有用な用途の1つが、患者サンプルのヘマトクリットパーセント値を提供することである。ヘマトクリット(Ht又はHCT)又は濃厚血球容積(PCV)又は赤血球体積分率(EVF)は、血液体積中において赤血球が占める割合である。これは男性では通常48%、女性では38%である。この値は、ヘモグロビン濃度、白血球数、及び血小板数と並んで、人間の全血球計算値結果の不可欠な部分と見なされる。濃厚赤血球の体積を血液サンプルの全体積で割ると、PCVが得られる。試験管が使用されているため、これは層の長さを測定することによって計算することができる。図1を例にとると、HCT又はPCV値は、PRBC層Bを、血液サンプルAの全体積で割ることによって算出できる。
【0038】
ここで、図中に示される非限定的な実施形態を参照する。図2は、吸引プロセスの血漿及びPRBCについての電圧対時間(ミリ秒)によって表わされる圧力プロファイルを示す。血漿の圧力プロファイルは四角(■)で示され、曲線Bとして記載されている。PRBCの圧力プロファイルは菱形(◆)で示され、曲線Aとして記載されている。この例では、血漿25μL及びPRBC 25μLが、遠心分離血液サンプルから吸引された。より高い粘度を有するPRBCは、図2で明らかに示されるように、圧力に大きな変化が見られる。
【0039】
図3は、吐出プロセスの血漿及びPRBCについての圧力(電圧)対時間(ミリ秒)の圧力プロファイルを示す。血漿の圧力プロファイルは四角(■)で示され、曲線Bとして記載されている。PRBCの圧力プロファイルは菱形(◆)で示され、曲線Aとして記載されている。この例では、血漿25μL及びPRBC 25μLが、遠心分離血液サンプルから吐出された。より高い粘度を有するPRBCは、図3で明らかに示されるように、圧力に大きな変化が見られる。
【0040】
図4は、同じ使い捨て式先端を使用して、同じ吸引プロセス中に連続的に、血漿とPRBCとの両方が吸引された例を示す。グラフの左側に示されている吸引の最初はPRBCであり、グラフの右側に示されている吸引の第2部分は血漿である。Y軸は、全ての赤血球がサンプル容器の底に沈むよう遠心分離された通常のサンプルにおける2つの異なる液体タイプの間の相対的圧力差を示す。X軸は時間(ミリ秒)である。図4に示すように、界面に達すると、圧力の急激な不連続点が生じる。このPRBC及び血漿の連続吸引は、血漿層とPRBC層との間の界面位置を特定するのに特に有用である。
【0041】
図5は、吸引の順序を逆にしたこと以外は、図4と同じである。これは、液体タイプの吸引順序とは独立に、圧力差を利用して、どの液体タイプがどこにあるかを識別できることを示している。実際に、この方法を使用して、血漿とPRBCの界面を探すことができ、これは特に、特定の患者のヘマトクリット値を判定するのに用いることができる。
【0042】
図6は、血漿又はPRBC 10μLを吸引する前に200μLの希釈液がすでに先端内にある吸引プロセスでの、血漿とPRBCについての圧力対時間のさまざまな圧力プロファイルを示す。上から数えて最初の3つのプロファイルは血漿のものであり、下側の2つのプロファイルはPRBCのものである。グラフに示されている通り、血漿対PRBCの圧力プロファイル間の差は、たとえ先端内にすでに希釈剤がある場合であっても、非常に明らかである。PRBCは通常、試験エレメントに加える前に希釈されているため、これは特に有用な発見である。上記の発見に基づいて、本発明の一態様は、PRBCに希釈剤を組み合わせるための能率的なアプローチを提供する。より具体的には、好ましい実施形態により、先端をプローブに挿入し、希釈剤のソースへと動かす。選択された量の希釈剤を先端内に吸引する。希釈剤を先端内に吸引した後、先端を遠心分離血液サンプルへと動かす。プローブを、遠心分離血液の底(ここにPRBC層があると予想される)まで動かす。本発明を用いて、計量システムにより、吸引されている層が実際にPRBCであることを確認する。希釈剤をすでに含む先端内にPRBCを吸引した後、この希釈剤及びPRBCをウェルに吐出し、混合する。同じ先端で次に、この希釈したPRBCを試験エレメントに吐出する。
【0043】
本発明の更に別の態様により、本発明は、遠心分離血液サンプル中に存在し得るその他の状態を判定するのに使用することができる。例えば、圧力差、又は圧力差の欠如の測定を使用して、サンプルが適切に遠心分離されたかどうかを判定することができる。遠心分離が行われなかった場合、又は遠心分離が不適切であった場合、この圧力測定値は全血液サンプルと同じ又は同様となり、サンプルの上側と下側の圧力測定値の差はほとんど又は全くないことになる。あるいは、この圧力測定値は、例えば予め選択された圧力範囲などの参照値と比較することができる。この予め選択された圧力範囲がPRBC又は血小板に対するものであり、かつ圧力測定値がこの予め測定された圧力範囲外である場合、遠心分離が不適切であったことを示唆する。あるいは、この予め選択された範囲が不適切な遠心分離に対する圧力である場合(例えば、全血に対する圧力範囲)、この圧力測定値は予め選択された範囲内になる。
【0044】
圧力を測定し、例えば別の圧力プロファイル又は予め選択された圧力範囲などの参照値と比較することによって判定することができるような、その他の状態には、すでに以前に血液構成成分の分離が行われたか否かを判定することが挙げられ得る。例えば、血漿層がすでにPRBC層から分離され、サンプル容器から除去された場合、圧力測定値は、サンプル中のプローブ位置にかかわらず、PRBC層に対して期待される値に対応することになる。血漿層が求められている場合、それに対応する圧力測定値の欠如が、エラー状態のトリガーとなり得る。血漿層のみが存在し、PRBC層が求められている場合についても、同じ方法が有効となる。
【0045】
圧力測定によって判定され得るもう1つ別の状態には、計量プローブの先端によってフィブリノゲンが採取されたかどうかが挙げられる。液体と共にプローブからフィブリノゲンが吸引されると、フィブリノゲンが流動に対する抵抗を生み出し(すなわち、液体がより高粘度となる傾向になる)、計量ポンプが液体を吸引するためにより大きな圧力が必要となる。流動に対するこのより大きな抵抗と、その結果生じる圧力を測定する能力により、吸引される液体層中にあるフィブリノゲン(又は任意のその他の微粒子)を検出することが可能になる。このような検出を達成するために、計量プローブを、遠心分離血液サンプルの層に導く。血漿層を吸引し、その測定圧力又はプロファイルを、フィブリノゲンを含まない液体の参照値と比較する。その測定圧力がより高い粘度を示している場合、フィブリノゲン又はその他の微粒子が、血漿と共に計量プローブ内に吸引された可能性が高い。そのような場合、エラー状態が示され得る。
【0046】
エラー状態が示されると、上述のように、計量プローブは、例えばアラームによって、又は計量プローブの動作若しくは計量プローブに関連する機器の動作を一時停止にすることによって、エラーを示すことができる。この時点でオペレーター又は機器が、例えば更なる調査を実施したりプロセスをやり直したりするなどの適切な対処を行うことができる。
【0047】
本発明の複合物、構成、及びプロセスに対してさまざまな修正及び変更が成され得ることが、当業者にとっては明白となるであろう。したがって、本発明は、このような改変物及び変更物を、それらが付属の「特許請求の範囲」及びその均等物の範囲に含まれるものとして、網羅するものとする。
【0048】
先に引用された全ての出版物の開示は、それぞれが参照として個別に組み込まれているのと同程度に、本明細書において参照としてその全体が明示的に組み込まれる。
【0049】
〔実施の態様〕
(1) 血液サンプルの状態を判定する方法であって、
血液サンプルを提供することと、
吸引及び吐出のためのポンプを有する計量プローブを提供することと、
前記計量プローブを、選択された距離、前記血液サンプルへ挿入することと、
サンプル吸引又はサンプル吐出中の、前記サンプルとポンプとの間の圧力を測定することと、
前記測定圧力を参照値と比較することと、
前記状態の存在又は欠如の信号を発することと、を含む、方法。
(2) 前記参照値が、圧力プロファイル、予め選択された圧力範囲、又は圧力プロファイルの予め選択された部分の傾きからなる群から選択される、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記状態がエラー状態であり、前記測定圧力が前記参照値外である場合、エラー状態の信号が発せられる、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記エラー状態が、不完全な遠心分離によって引き起こされる、実施態様3に記載の方法。
(5) 前記エラー状態が、以前に遠心分離にかけられ分離されている前記サンプルによって引き起こされる、実施態様3に記載の方法。
(6) 前記遠心分離血液サンプルが血漿のみを含み、前記参照値が濃厚赤血球のためのものである、実施態様5に記載の方法。
(7) 前記遠心分離血液サンプルが濃厚赤血球のみを含み、前記参照値が血漿のためのものである、実施態様5に記載の方法。
(8) 前記エラー状態が、濃厚赤血球と同様の圧力を生成する、血漿中のフィブリノゲンによって引き起こされる、実施態様3に記載の方法。
(9) 前記状態が、血液構成成分の層の存在又は欠如である、実施態様1に記載の方法。
(10) 前記血液構成成分の層が濃厚赤血球である、実施態様9に記載の方法。
【0050】
(11) 前記血液構成成分の層が血漿である、実施態様9に記載の方法。
(12) 遠心分離血液サンプル中に、血液構成成分の選択層の存在を確認又は検出するための方法であって、
吸引又は吐出中に、計量プローブ中の疑われる選択層の圧力を測定することと、
前記測定圧力を参照値と比較することと、を含み、前記測定圧力及び前記参照値が実質的に同一である場合、前記血液構成成分の前記選択層が確認される、方法。
(13) 前記参照値が、予め選択された圧力範囲である、実施態様12に記載の方法。
(14) 前記圧力が前記予め選択された圧力範囲外になる場合、アラームが鳴る、実施態様13に記載の方法。
(15) 前記圧力測定値が第1圧力プロファイルであり、
前記参照値として第2圧力プロファイルを提供することであって、前記第2圧力プロファイルが、別のサンプルの血液構成成分の同じ若しくは別の層の測定圧力プロファイルであるか、又は、前記第2圧力プロファイルが、同じサンプルにおいて測定された血液の別の層のものであり、前記第2圧力プロファイルが、前記第1圧力プロファイルの前若しくは後に測定することができる、提供することと、
前記第1圧力プロファイルを前記第2圧力プロファイルと比較することであって、前記第1及び第2圧力プロファイルが実質的に同一であり、前記第2プロファイルが同じ構成成分のものである場合、前記血液構成成分の前記選択層が確認され、あるいは前記第1及び第2圧力プロファイルが有意に異なり、前記第2プロファイルが異なる構成成分のものである場合、前記血液構成成分の前記選択層が確認される、比較することと、を更に含む、実施態様12に記載の方法。
(16) 前記選択層が濃厚赤血球であり、前記別の層が血漿である、実施態様15に記載の方法。
(17) 前記第1圧力プロファイルが、前記疑われる選択層が吸引されている間に測定される、実施態様15に記載の方法。
(18) 前記第1圧力プロファイルが、前記疑われる選択層が吐出されている間に測定される、実施態様15に記載の方法。
(19) 前記選択層が濃厚赤血球であり、追加層が血漿であり、
前記計量プローブのプローブ先端及び遠心分離血液サンプルを互いに相対的に動かして、前記遠心分離血液サンプルの上方に前記計量プローブを位置付けることと、
前記計量プローブ及びサンプルを互いに相対的に動かして、前記計量プローブを前記血液サンプルの表面に向かって引き寄せることと、
前記サンプルの表面を検出することと、
前記血漿層から血漿を吸引することと、
前記血漿層の吸引中に圧力を測定することと、
参照値と前記測定圧力とを比較して、前記追加層が血漿であることを確認することと、
前記吸引プローブ先端を、前記疑われる濃厚赤血球層内に動かすことと、
前記疑われる層を吸引して、前記圧力を測定することと、
参照値と前記測定圧力とを比較して、前記吸引した疑われる層が、前記選択された濃厚赤血球層であることを確認することと、を更に含む、実施態様12に記載の方法。
(20) 前記疑われる濃厚赤血球層を吸引する前に、前記吸引した血漿を吐出することを更に含む、実施態様19に記載の方法。
【0051】
(21) 遠心分離血液サンプルにおける血漿層と濃厚赤血球層との間の界面を検出するための方法であって、
遠心分離血液サンプルの上方に計量プローブを位置付けることと、
前記プローブ及びサンプルを互いに相対的に動かして、前記プローブを前記サンプルに近づけ入れることと、
前記サンプルの第1深さで第1圧力を測定することと、
前記サンプルの第2深さで第2圧力を測定することと、
前記第1圧力と前記第2圧力とを比較して、前記第1深さと前記第2深さとの間に界面があるかどうかを判定することと、を含む、方法。
(22) 前記プローブが前記サンプル内を移動している間に前記圧力が連続的に測定され、前記測定圧力の急激な変化によって界面が検出される、実施態様21に記載の方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液サンプルの状態を判定する方法であって、
血液サンプルを提供することと、
吸引及び吐出のためのポンプを有する計量プローブを提供することと、
前記計量プローブを、選択された距離、前記血液サンプルへ挿入することと、
サンプル吸引又はサンプル吐出中の、前記サンプルとポンプとの間の圧力を測定することと、
前記測定圧力を参照値と比較することと、
前記状態の存在又は欠如の信号を発することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記参照値が、圧力プロファイル、予め選択された圧力範囲、又は圧力プロファイルの予め選択された部分の傾きからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記状態がエラー状態であり、前記測定圧力が前記参照値外である場合、エラー状態の信号が発せられる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記エラー状態が、不完全な遠心分離によって引き起こされる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記エラー状態が、以前に遠心分離にかけられ分離されている前記サンプルによって引き起こされる、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記遠心分離血液サンプルが血漿のみを含み、前記参照値が濃厚赤血球のためのものである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記遠心分離血液サンプルが濃厚赤血球のみを含み、前記参照値が血漿のためのものである、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記エラー状態が、濃厚赤血球と同様の圧力を生成する、血漿中のフィブリノゲンによって引き起こされる、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記状態が、血液構成成分の層の存在又は欠如である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記血液構成成分の層が濃厚赤血球である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記血液構成成分の層が血漿である、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
遠心分離血液サンプル中に、血液構成成分の選択層の存在を確認又は検出するための方法であって、
吸引又は吐出中に、計量プローブ中の疑われる選択層の圧力を測定することと、
前記測定圧力を参照値と比較することと、を含み、前記測定圧力及び前記参照値が実質的に同一である場合、前記血液構成成分の前記選択層が確認される、方法。
【請求項13】
前記参照値が、予め選択された圧力範囲である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記圧力が前記予め選択された圧力範囲外になる場合、アラームが鳴る、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記圧力測定値が第1圧力プロファイルであり、
前記参照値として第2圧力プロファイルを提供することであって、前記第2圧力プロファイルが、別のサンプルの血液構成成分の同じ若しくは別の層の測定圧力プロファイルであるか、又は、前記第2圧力プロファイルが、同じサンプルにおいて測定された血液の別の層のものであり、前記第2圧力プロファイルが、前記第1圧力プロファイルの前若しくは後に測定することができる、提供することと、
前記第1圧力プロファイルを前記第2圧力プロファイルと比較することであって、前記第1及び第2圧力プロファイルが実質的に同一であり、前記第2プロファイルが同じ構成成分のものである場合、前記血液構成成分の前記選択層が確認され、あるいは前記第1及び第2圧力プロファイルが有意に異なり、前記第2プロファイルが異なる構成成分のものである場合、前記血液構成成分の前記選択層が確認される、比較することと、を更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記選択層が濃厚赤血球であり、前記別の層が血漿である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1圧力プロファイルが、前記疑われる選択層が吸引されている間に測定される、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第1圧力プロファイルが、前記疑われる選択層が吐出されている間に測定される、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記選択層が濃厚赤血球であり、追加層が血漿であり、
前記計量プローブのプローブ先端及び遠心分離血液サンプルを互いに相対的に動かして、前記遠心分離血液サンプルの上方に前記計量プローブを位置付けることと、
前記計量プローブ及びサンプルを互いに相対的に動かして、前記計量プローブを前記血液サンプルの表面に向かって引き寄せることと、
前記サンプルの表面を検出することと、
前記血漿層から血漿を吸引することと、
前記血漿層の吸引中に圧力を測定することと、
参照値と前記測定圧力とを比較して、前記追加層が血漿であることを確認することと、
前記吸引プローブ先端を、前記疑われる濃厚赤血球層内に動かすことと、
前記疑われる層を吸引して、前記圧力を測定することと、
参照値と前記測定圧力とを比較して、前記吸引した疑われる層が、前記選択された濃厚赤血球層であることを確認することと、を更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
前記疑われる濃厚赤血球層を吸引する前に、前記吸引した血漿を吐出することを更に含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
遠心分離血液サンプルにおける血漿層と濃厚赤血球層との間の界面を検出するための方法であって、
遠心分離血液サンプルの上方に計量プローブを位置付けることと、
前記プローブ及びサンプルを互いに相対的に動かして、前記プローブを前記サンプルに近づけ入れることと、
前記サンプルの第1深さで第1圧力を測定することと、
前記サンプルの第2深さで第2圧力を測定することと、
前記第1圧力と前記第2圧力とを比較して、前記第1深さと前記第2深さとの間に界面があるかどうかを判定することと、を含む、方法。
【請求項22】
前記プローブが前記サンプル内を移動している間に前記圧力が連続的に測定され、前記測定圧力の急激な変化によって界面が検出される、請求項21に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−163562(P2012−163562A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−22869(P2012−22869)
【出願日】平成24年2月6日(2012.2.6)
【出願人】(511093409)オーソ−クリニカル・ダイアグノスティックス・インコーポレイテッド (6)
【氏名又は名称原語表記】Ortho−Clinical Diagnostics, Inc.
【住所又は居所原語表記】1001 U.S. Route 202, Raritan, New Jersey 08869, United States of America
【Fターム(参考)】