説明

港湾無筋コンクリート構造物用のコンクリート組成物

【課題】比重を大きくするために細骨材として大量の銅スラグを使用するにも拘わらず、コンクリート構造物製作時の温度に関係なくブリーディングが起こり難く、またワーカービリティーの良い港湾無筋コンクリート構造物用のコンクリート組成物を提供する。
【解決手段】スランプが3〜12cmである港湾無筋コンクリート構造物用のコンクリート組成物の配合割合を、単位水量140〜165kg/mの下で、セメント250〜350kg/m、細骨材900〜1,100kg/m、粗骨材950〜1,200kg/m及び混和剤1.5〜5.25kg/mとし、細骨材を銅スラグ70〜90重量%、石灰石微粉末5〜25重量%及び天然砂5〜25重量%から構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、港湾における無筋コンクリート構造物、例えば消波ブロック,被覆ブロック,根固めブロック等に使用される港湾無筋コンクリート構造物用のコンクリート組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
港湾等で使用され特に海中や海岸に設置する無筋コンクリート構造物では、比重を大きくするために、金属スラグを配合したコンクリート組成物が使用されることが多い。特に銅スラグは、高炉スラグ等に比べて比重が高く、細骨材として港湾無筋コンクリート構造物用のコンクリート組成物に配合する上で非常に適している。
【0003】
このような銅スラグ(高比重砂)を細骨材として大量に配合させたコンクリートの製造方法としては、銅スラグ(高比重砂)を全細骨材中の30〜100重量%の割合で配合することを特徴とするスランプフローが45cm以上の高流動コンクリートの製造方法がある(例えば、特許文献1 請求項1〜2参照。)。この製造方法による高流動コンクリートは、流動性が高いので締固め作業が不要なコンクリートであるが、この高流動コンクリートはスランプフローを大きくするために大量の水(175kg/m)と大量の高性能減水剤(10.3kg/m)とを配合させているため(特許文献1 段落番号0023 表1)、このような配合を一般的な流動性を有するコンクリート組成物に利用することは難しい。
【0004】
また、細骨材中の銅スラグの配合割合を高くすると、銅スラグは微粒分が少なく、またガラス質で吸水率が低いため、単位水量が増加する傾向にあり、ブリーディングが多くなるという欠点がある。このようにブリーディングが多い場合、製作された消波ブロックや被覆ブロック内の空隙率が上昇して製品の品質が損なわれるという問題や、ブリーディングの増大により、遊離した比重の小さい水が養生中に型枠に沿って上方へと上昇して水みちが形成され、黒色である銅スラグが露出してコンクリート表面に黒色の筋が多数形成され外観が著しく損なわれるという問題がある。しかしながら、特許文献1に記載された発明では大量に水を使用してブリーディングが問題となるのも拘わらず、その点について何らの検討もなされていない。
【0005】
このようなブリーディングの問題を解消するために、高炉水砕スラグ細骨材と石灰石砕砂とを含む細骨材を使用したセメントがある(例えば、特許文献2 請求項1,5参照。)。この発明では石灰石砕砂を加えることでブリーディングを抑制しようとしているが、その配合割合として高炉水砕スラグ細骨材:石灰石砕砂=5重量部〜80重量部:95重量部〜20重量部と非常に広い範囲が記載されていて(特許文献2 請求項4参照。)、略どのような配合割合でもよい旨が示されているだけである。
【0006】
また銅スラグを使用する場合、銅スラグは高炉水砕スラグのような自己硬化性がなく、ガラス質で吸水率が低いという特性があることから、高炉水砕スラグと同様の配合割合とすることは難しい。更に石灰石砕砂は大量の微粉末を含むためスランプが小さくなり易く、単に石灰石砕砂を高炉水砕スラグ細骨材に加えただけでは流動性が低くなりワーカビリティーの低下を招くという問題もある。
【0007】
【特許文献1】特開平7−166705号公報
【特許文献2】特開2000−302499号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は前記の問題に鑑み、比重を大きくするために細骨材として大量の銅スラグを使用するにも拘わらず、コンクリート構造物製作時の温度に関係なくブリーディングが起こり難く、またワーカビリティーの良い港湾無筋コンクリート構造物用のコンクリート組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、金属スラグとして高炉スラグ等より比重の大きな銅スラグを細骨材中に70〜90重量%配合させれば、消波ブロックや被覆ブロックに適した比重の大きいコンクリート組成物とすることができ、また銅スラグには微粉分が少ないため大量に配合するとブリーディングが多くなり製品の品質が損なわれたり水みちが形成されて黒色である銅スラグが露出して外観が損なわれたりするという問題があるが、細かな微粉末を多く含む石灰石微粉末を細骨材として5〜25重量%配合させれば、ブリーディングを抑えることができると共に、この石灰石微粉末には水和反応による発熱を抑える効果があるから消波ブロック等のマスコンクリートを製作する際の発熱によるひび割れ等も防止することができ、その一方で石灰石微粉末は細かな微粉末であるためスランプが著しく低くなり易くワーカビリティーが低下することがあるが、陸砂などの天然砂を5〜25重量%配合させれば、ワーカビリティーの低下を招くこともないことを究明して本発明を完成したのである。
【0010】
即ち本発明は、スランプが3〜12cmである港湾無筋コンクリート構造物用のコンクリート組成物であって、単位水量140〜165kg/mの下で、セメント250〜350kg/m、細骨材900〜1,100kg/m、粗骨材950〜1,200kg/m及び混和剤1.5〜5.25kg/mから成り、細骨材が銅スラグ70〜90重量%、石灰石微粉末5〜25重量%及び天然砂5〜25重量%から構成されていることを特徴とする港湾無筋コンクリート構造物用のコンクリート組成物である。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るコンクリート組成物は、スランプが3〜12cmである港湾無筋コンクリート構造物用のコンクリート組成物であって、単位水量140〜165kg/mの下で、セメント250〜350kg/m、細骨材900〜1,100kg/m、粗骨材950〜1,200kg/m及び混和剤1.5〜5.25kg/mから成り、比重の大きな銅スラグを細骨材中に70〜90重量%配合させているから、消波ブロックや被覆ブロックに適した比重の大きいコンクリート組成物とすることができ、また銅スラグには微粉分が少ないため大量に配合するとブリーディングが多くなり、製品の品質が損なわれたり水みちが形成されて黒色である銅スラグが露出して外観が損なわれたりするという問題があるが、細かな微粉末を多く含む石灰石微粉末を細骨材として5〜25重量%配合させているから、ブリーディングを抑えることができると共に、この石灰石微粉末には水和反応による発熱を抑える効果があるから、消波ブロック等のマスコンクリートを製作する際の発熱によるひび割れ等も防止することができ、その一方で石灰石微粉末は細かな微粉末であるためスランプが著しく低くなり易く、ワーカビリティーが低下することがあるが、陸砂などの天然砂を5〜25重量%配合させているから、ワーカビリティーの低下を招くこともないのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明に係る港湾無筋コンクリート構造物用のコンクリート組成物において、細骨材中に含まれる銅スラグを70〜90重量%としたのは、銅スラグが70重量%未満であると、消波ブロックや被覆ブロックに適した比重の大きいコンクリート組成物とすることが難しく、90重量%を超える場合には、ブリーディングが多くなり製作された消波ブロックや被覆ブロック内に水みちが形成されて密実性が低下し、またコンクリートの沈下も大きく沈下ひび割れの原因となるなど製品の品質が損なわれたり、著しいブリーディングの上昇により、遊離した比重の小さい水が養生中に型枠に沿って上方へと上昇して水みちが形成され、黒色である銅スラグが露出してコンクリート表面に黒色の筋が多数形成され外観が著しく損なわれるばかりでなく、ブリーディング終了時間も遅延し、コンクリートの打ち継ぎ、コンクリート表面の仕上げ、型枠脱型などに影響を与え作業性が悪くなり、更にコンクリートの耐凍害性が低下するからである。
【0013】
また、銅スラグの粒度が大きく変化すると、コンクリートを所定の品質のものにすることが難しくなるため、その粒度区分が0.3〜5.0mmの銅スラグを使用すると、コンクリート組成物の品質を保つことが容易となり好ましい。また銅スラグの粒度区分が規定されているJIS A 5011−3では、粒子の大きさだけでなく化学成分及び物理的・化学的性質についても一定の条件を満たすことが求められているから、このJIS規格に従った銅スラグであるとより好ましいのである。
【0014】
本発明に係る港湾無筋コンクリート構造物用のコンクリート組成物において、細骨材中に含まれる石灰石微粉末の量を5〜25重量%としたのは、5重量%未満であると、ブリーディングを十分に抑えることができず、また水和反応による発熱を十分に抑えることができないので消波ブロック等のマスコンクリートを製作する際の発熱によるひび割れ等が発生し易くなり、また石灰石微粉末が25重量%を超える場合には、石灰石微粉末は細かな微粉末であるためスランプが著しく低くなり、ワーカビリティーが低下するからである。またコンクリート打ち込み中においてコンクリート表面が乾燥し易くコールドジョイントの発生する危険性があるからである。このような石灰石微粉末としては、比表面積が2,500〜10,000cm/g程度のものが好ましく利用できる。
【0015】
また非常に細かな微粉末を多く含む石灰石微粉末によってスランプが小さくなりすぎることを防止するために、本発明に係る港湾無筋コンクリート構造物用のコンクリート組成物では、細骨材として天然砂を5〜25重量%使用する。細骨材中に含まれる天然砂の量を5〜25重量%としたのは、5重量%未満であると、石灰石微粉末によってスランプが小さくなり流動性が低下することを防止できず、細骨材中に含まれる天然砂が25重量%を超える場合には、相対的に細骨材中の銅スラグの割合が低下して、十分に比重の高いコンクリート組成物とすることができないからである。またこのような天然砂としては陸砂等が利用できる。
【0016】
また、細骨材中におけるこのような銅スラグ、石灰石微粉末及び天然砂の配合割合を、銅スラグ80〜90重量%、石灰石微粉末5〜10重量%及び天然砂5〜10重量%とすれば、より消波ブロック等に適した比重の高いコンクリート組成物とすることができて好ましい。
【0017】
本発明に係るコンクリート組成物に使用される粗骨材としては、最大寸法が40mm程度のものがより好ましく使用できる。これは本発明に係るコンクリート組成物は無筋コンクリートに使用されるコンクリート組成物であるので、比較的大きな粗骨材を使用できることと、粗骨材中の最大寸法が大きい方が同一スランプを得るのに必要な単位水量を減らすことができるからである。なお、粗骨材の粒度分布が不連続であるとワーカビリティーが低下するため、JISで規定されたものを使用すると好ましく、例えば、JIS A 5005で規定されている砕石4020や砕石4005などを使用したり、これらに砕石2505,砕石2005,砕石1505を加えたものを使用したりすることができる。
【0018】
また、細骨材と粗骨材とについてその単位量をそれぞれ900〜1,100kg/mと950〜1,200kg/mとしたのは、粗骨材の単位量が950kg/m未満であると、細骨材の単位量を1,100kg/mより多くしなければならず、その結果細骨材率が大きくなりすぎるため、単位水量が多すぎてフレッシュコンクリートのプラスティシティーが悪化しワーカビリティが低下する結果、ブリーディングも増加し、硬化後のコンクリート強度に悪影響を及ぼすからである。また、粗骨材の単位量が1,200kg/mより多いと、細骨材の単位量を量が900kg/mより少なくしなければならず、そのため細骨材率が小さくなりすぎるため、コンクリートが荒々しくなり材料分離が起こり易く、ワーカビリティが低下するからである。
【0019】
本発明に係る港湾無筋コンクリート構造物用のコンクリート組成物では、単位水量140〜165kg/mの下で、セメント250〜350kg/m及び混和剤1.5〜5.25kg/mを加えるため、水セメント比は約40〜65%となる。このような配合割合としたのは、水セメント比が65%を超えると耐久性や強度の低下を招き易く、40%未満であるとワーカビリティーの低下を招くからである。
【0020】
また本発明に係るコンクリート組成物は港湾用コンクリートやマスコンクリートとして使用されるので、使用されるセメントとしては、水和熱を抑えひび割れ等を防止できる高炉セメントが好ましいが、同様に水和熱を抑えることができる低熱ポルトランドセメントやフライアッシュセメント等も使用でき、また入手が容易な普通ポルトランドセメント等を使用してもよい。また本発明に係るコンクリート組成物に使用される混和剤としては、AE減水剤や高性能AE減水剤等が使用できる。
【実施例】
【0021】
本発明に係るコンクリート組成物は、比重を大きくするために細骨材として大量の銅スラグを使用するにも拘わらず、コンクリート構造物製作時の温度に関係なくブリーディングが起こり難く、またワーカビリティーの良い港湾無筋コンクリート構造物用のコンクリート組成物である。そこで銅スラグを含まず、ブリーディングが多くない一般的なコンクリート組成物と本発明に係るコンクリート組成物とについて、コンクリート構造物製作時の温度が夏季と冬季の場合に、ブリーディング及びブリーディング発生時間(開始から終了時間)を比較することによって、本発明に係るコンクリート組成物が一般的なコンクリート組成物に比べてもブリーディングが少ないことを示す。ブリーディングが少なくてもブリーディング発生時間が長い場合には、コンクリート強度の発現が遅く、コンクリート表面に水みちが発生し品質が低下し、コンクリート表面の仕上げや型枠脱枠に時間がかかる等の施工性が低下する。
【0022】
各実施例及び各比較例にはセメントとして市販されている高炉セメントB種(三菱マテリアル社製)を使用した。また細骨材中の銅スラグとしては粒度区分が0.3〜5.0mmで密度が約3.5の銅スラグ(小名浜精錬(株)製)を使用し、石灰石微粉末には比表面積約10,000cm/g(旭鉱末社製 商品名:MC−100)又は比表面積約7,500cm/g(旭鉱末社製 商品名:MC75)又は比表面積が約6,360cm/g(旭鉱末社製 商品名:O−4400)を使用した。更に天然砂(陸砂)としては、粒径が5mm以下の陸砂(茨城県鹿島産)及び粒径が5mm以下の砕砂(茨城県笠間産)を使用した。なお粗骨材には砕石4020及び砕石2005(共に茨城県笠間産)を、水としては上水道水をそれぞれ使用し、更に混和材にはAE減水剤(BASFポゾリス社製 No.70及びNo.78P)を適切なスランプ、空気量が確保できる範囲で加えた。
【0023】
銅スラグを含まない一般的に使われるコンクリートの比較例1及び比較例2と、銅スラグを大量に含む実施例1〜3と実施例4〜5とは、その配合が大きく異なるので、呼び強度21N/mm、目標スランプ8cm、目標空気量4%となるように配合した場合のコンクリートのブリーディング量、ブリーディング発生時間の比較を行った。比較は、室温が高い(約25℃)場合の比較例1と実施例1〜3と、室温が低い(10℃前後)場合の比較例2と実施例4〜5で行った。室温と密接に関係する練り上がり後のコンクリート温度が高い場合には、ブリーディング量が減少し、かつブリーディング発生時間が短くなり、またコンクリート温度が低い場合には、ブリーディング量が増加し、かつブリーディング発生時間も長くなる傾向にあるからである。
【0024】
【表1】

【0025】
比較例1は、夏季(室温25℃)における呼び強度21N/mm、目標スランプ8cm、目標空気量4%の銅スラグを含まない一般的なコンクリート組成物である。そのコンクリートの練り上がり時のスランプは7.5cm、空気量は3.6%、コンクリート温度は25.0℃で、ブリーディング量は0.17cm/cm、ブリーディング発生時間は210分であった。一方、実施例1は、目標スランプ8cm、目標空気量4%の銅スラグ重量混合率84%としたコンクリート組成物である。そのコンクリートの練り上がり時のスランプは7.0cm、空気量は3.3%、コンクリート温度は25.0℃で比較例1と略同様の強度及びワーカビリティーが得られるコンクリート組成物である。この実施例1は比較例1より単位水量が多いものの、そのブリーディング量は0.15cm/cmであり、比較例よりブリーディング量が少なくなった。また、ブリーディング発生時間は270分と若干長くなるものの作業性に支障のない程度であった。
【0026】
次に、実施例2は実施例1に比べ、石灰石微粉末の配合量を約半分にして天然砂の量を多くしたものである。この場合もブリーディング量は0.16cm/cmと比較例1とほぼ同じであり、ブリーディング発生時間も280分となり比較例1とほぼ同じであった。
【0027】
また実施例3は石灰石微粉末の種類を変更した実施例1と略同様の配合割合で、石灰石微粉末の種類を比表面積約7,500cm/gから比表面積6,360cm/gのものへ変更したものである。単位水量を多くしたことにより実施例1よりスランプが大きくなっているが実施例1と同様にブリーディング量は0.15cm/cmとなり、ブリーディング発生時間は240分と短縮でき比較例1とほぼ同程度であった。
【0028】
比較例2は、冬季(室温7℃)における呼び強度21N/mm、目標スランプ8cm、目標空気量4%の銅スラグを含まない一般的なコンクリート組成物である。そのコンクリートの練り上がり時のスランプは9.0cm、空気量4.7%、コンクリート温度9.0℃で、ブリーディング量は0.29cm/cm、ブリーディング発生時間は550分であった。一方、実施例4は、比較例2と同じ室温とし実施例1と同じ配合割合で目標スランプ8cm、目標空気量4%の銅スラグ重量混合率84%を含むコンクリート組成物である。そのコンクリートの練り上がり時のスランプは9.0cm、空気量4.8%、コンクリート温度9.0℃で比較例2と略同様の強度及びワーカビリティーが得られるコンクリート組成物である。この実施例4は銅スラグを含まない比較例2より単位水量が多いものの、そのブリーディング量は0.24cm/cmであり、比較例2よりブリーディング量が少なくなった。また、ブリーディング発生時間は650分と若干長くなるものの作業性に支障のない程度であった。
【0029】
次に、実施例5は石灰石微粉末の種類を変更した実施例4と略同様の配合割合で、石灰石微粉末の種類を比表面積約7,500cm/gから比表面積10,000cm/gへ変更したものである。実施例4よりスランプが小さくなり、ブリーディング量は0.13cm/cm、ブリーディング発生時間は360分となり比較例2よりブリーディング量は少なく、ブリーディング発生時間も短くなった。これは、室温によるコンクリート温度が15℃になったものである。なお室温25℃における比較例1と比べた場合、ブリーディング量は少なくなるもののブリーディング発生時間は長くなった。
【0030】
このように本発明に係るコンクリート組成物は、消波ブロック,被覆ブロック,根固めブロック等に使用される港湾無筋コンクリート構造物用のコンクリート組成物であり、比重を大きくするために細骨材として大量の銅スラグを使用するにも拘わらず、ブリーディングが起こり難く、また所定のスランプとなるように配合されているからワーカビリティーが損なわれることもないのである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スランプが3〜12cmである港湾無筋コンクリート構造物用のコンクリート組成物であって、単位水量140〜165kg/mの下で、セメント250〜350kg/m、細骨材900〜1,100kg/m、粗骨材950〜1,200kg/m及び混和剤1.5〜5.25kg/mから成り、
細骨材が銅スラグ70〜90重量%、石灰石微粉末5〜25重量%及び天然砂5〜25重量%から構成されていることを特徴とする港湾無筋コンクリート構造物用のコンクリート組成物。

【公開番号】特開2010−70439(P2010−70439A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−242769(P2008−242769)
【出願日】平成20年9月22日(2008.9.22)
【出願人】(000182030)若築建設株式会社 (39)
【Fターム(参考)】