説明

湿潤ガス洗浄の装置と方法

【課題】湿潤ガス洗浄の装置と方法を提供する。
【解決手段】単純な操作で、非常に高感度に位相の検知が行なえる位相検知器およびその方法を提供するために、2つの入力信号(Ua; Ub)から成る少なくとも一つの差動信号が、第1減数器(12)によって事前に定められた少なくとも一つの周期の間形成され、少なくとも一つの差動信号が示す少なくとも一つの最大値が、第1最大値検知器(16)によって検知されると共に、少なくとも一つの差動信号が示す少なくとも一つの最小値が第2最大値検知器(18)によって検知され、さらに、少なくとも一つの差動信号(UOut)が、第2減数器(14)によって少なくとも一つの最大値および少なくとも一つの最小値から形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエアと煙道ガスにある汚染物質の湿潤ガス洗浄のための装置と方法に関する。
【背景技術】
【0002】
湿潤ガス洗浄装置類が煙道ガスとエアからの粒子の除去に関して知られている。
【0003】
これらの装置は数年間にわたり知られてきているが、その広範な利用を妨げる多様な欠点がまだ存在する。特に、従来の湿潤ガス洗浄装置はやや重量が重くて効率が悪く、かつ、かなりのメンテナンス要件をかかえている。一方、煙道ガスおよび作業環境におけるエアの浄化はますます重要な問題となっている。
【0004】
本発明の目的は従来技術の欠点と特に上述の欠点を少なくとも部分的に無くすことにある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は請求項1の原則による湿潤ガス洗浄装置によって、また請求項7の原則による湿潤ガス洗浄方法によって果たされる。さらに、装置のさらなる利点は請求項に応じた追加の特性によって得られることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
添付図面を参照すると、湿潤ガス洗浄装置には実質的、および/または、全般的に、鉛直方向に延びる中央空間1が含まれるとともに、浄化されるガス、および/または、煙道ガスのためにその底部に取入口(2)を有する。
【0007】
中央空間1は複数の空間3,4によって中央空間1の周囲にほぼ同心状の配置で囲まれる。
【0008】
中央空間1と同心状空間3,4は連結して接続されると共に、最外側の同心状空間4は1つ若しくはそれ以上の排出口5を有する。
【0009】
中央空間1と同心状空間3,4は管状形状あるいはその他四角あるいは丸い断面形状を有する複数の要素13,14,15によって形成される。
【0010】
当業者であれば各据付け現場のニーズを満足させる様々な実施例を企てることが可能である。
【0011】
管状要素13,14,15は鋼製が好ましいかあるいはステンレス製がより好ましい。
【0012】
当業者であれば他の材料の使用を思いつくことが可能であることは明らかである。
【0013】
適切なエア搬送手段6が設けられ、中央空間1から上流または下流に、あるいはその内部に、中央空間1から同心状空間3,4へと順次移動するエア、および/または、煙道ガスの流れを発生させる、通常、速度調節可能なファンが配置される。
【0014】
ポンプ8によって供給される複数のノズル7が同心状空間3,4中に水を噴霧する。
【0015】
各空間3,4には、一般に、そこに接続されるノズル7を有する環状の多岐管27を有するのが好ましい。
【0016】
一つの可能な実施例(図2)で、別々の同心状空間3,4のノズル7に供給する多岐管27が連結して接続されている。
【0017】
各同心状空間3.4中に噴霧される水のフロー率を別々に調節するためにさらにバルブが設けられる。
【0018】
同心状空間3,4中に噴霧される水滴には、同心状空間3,4を通って移動すると共に、集水タンク(9)中に落ちるエア中あるいは煙道ガス中に含まれる粒子が保持される。
【0019】
タンク9に集まる水は濾過された後、再びノズル7に搬送される。
【0020】
集水タンク9には必要な時にタンクを排水するための排水弁(図4参照)を装備することが可能である。
【0021】
本発明の装置では、ガス、および/または、煙道ガスの中央空間1を通って上に流れる流れは、同心空間3,4を通って上下に繰り返し流れると共に洗浄と逆洗浄作用を交互に受ける。
【0022】
ガス洗浄の繰り返し用の複数の同心空間3,4の提供により性能を損なうことなく浄化装置のサイズを最小にすることが可能となる。
【0023】
機械的フィルター11は、洗浄プロセスからの残留粒子を保持するために、例えば非織繊維の層を湿潤ガス浄化装置の排出口5に設けることが可能である。
【0024】
少なくとも1枚の穴あきプレート12あるいは少なくとも1本のワイヤーゲージ10が各同心状空間3,4に設けられるのが好ましい。
【0025】
煙道ガスと水滴に小穴を通過させることにより洗浄力が相当増すことが注目された。
【0026】
固形燃料燃焼ボイラーガスの浄化に特に有利なある可能な実施例では、ワイヤーゲージ10は1x1ミリ以上かつ10x10ミリ未満のメッシュを有する。
【0027】
ワイヤーゲージ10のメッシュは全体装置の関連する利用分野や処理されるべき汚染物質次第で決まる。
【0028】
性能を大きく改善するために、ゲージ10を上下に重ねて密な間隔のペアにして取付けることができる。
【0029】
油燃焼あるいは固形燃焼ボイラーガスの浄化用に特に有利な代替実施例では、穴あきプレート12は密な間隔でペアに取付けられるか、あるいはゲージ10が穴あきプレート12とともにペアで設けられる。
【0030】
油燃焼あるいは固形燃焼ヒーターのこの装置では、約88%のオーダーの粒子除去がもたらされることが判明した。
【0031】
好ましい実施例によると、中央空間1および同心空間3,4は断面が増えるようになっていて、これによりガスの流れがある空間から別の空間へ通過するにつれて速度が減少する。
【0032】
実際、煙道ガスの進行速度が煙道ガスの浄化量を増やすことが判明した。
【0033】
タンク9に集められる粒子類は装置の正常な運転を妨げるスラリーを形成する傾向がある。
【0034】
従って、再使用前に、タンク9に集められた水はそこから浮遊する粒子の除去のために下部にある濾過タンク32に移送される。
【0035】
その後、濾過水はポンプ8によってノズル7に汲み上げられる。
【0036】
濾過タンク32には連結して並べられて濾過具合が増していく複数の物理的フィルター33,34,35,36が含まれるのが好ましい。例えば、第1フィルター33は必要に応じて約0.61マクロメーターに対して250マイクロメーターの濾過度合を有することができる。この点によりフィルターの清掃と循環水の交換運転の頻度と運転時間の削減が可能となる。
【0037】
濾過タンク32の水のレベルはバルブ20によって調整され、このバルブはレベルスイッチ21によって駆動される。こうすることで、煙道ガスの高温による洗浄水の蒸発分を補給することが可能となる。
【0038】
手動あるいは電動の排水弁22が濾過タンク32を排水する為に必要な時には、さらに、設けられる。
【0039】
煙突の近傍に当該装置が配置される場合に好ましいある代替実施例では、ファン6がガス洗浄装置(図6)から下流に、すなわち、最外側同心状空間4の排出口5あるいはその近傍に配置される。
【0040】
示されてはいないが、ある代替実施例では、さらに効果的なガス洗浄効果を可能にする4つの同心状空間3,4があると共に、エア搬送手段6が中央空間1から上流あるいは下流のどちらかに配置が可能である。
【0041】
その多様性のおかげで、上述の装置類は、様々なニーズ、特に、家庭あるいは産業用加熱ボイラー、エア取込み口から下流の空調装置、大工工務店、機械あるいは金属および機械工場等からのガスの浄化用に対応させることが可能である。
【0042】
図面に示される実施例によると、当該装置は特別な金属製骨組30の上に据付けられるとともに、熱磁気安全装置およびファン6用の速度制御装置を含むスイッチ盤31を有している。
【0043】
電源盤31には、電気および駆動の装置あるいはタンク9の条件不明の水における故障の信号用にさらに可聴かつ可視の警報装置が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
添付の特許請求項に応じた湿潤ガス洗浄装置の可能な実施例の幾例かについて、以降に図面の参照とともに説明する。
【図1】装置の長手方向断面図。
【図2】装置の側面図。
【図3】装置の詳細側面図。
【図4】装置のもう1枚の詳細側面図。
【図5】装置の第1横断面図。
【図6】装置の第2横断面図。
【図7】装置の代替え実施例の側面断面図。
【図8】装置のもうひとつの実施例の詳細正面断面図。
【符号の説明】
【0045】
8 ポンプ
9 集水タンク
10 ワイヤーゲージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実質的に、および/または、全体的に鉛直方向に拡がるとともに、その底部に浄化されるべきガス、および/または、煙道ガス、および/または、環境、あるいは外部取入れエアのための取入口(2)を有する中央空間(1)、前記中央空間(1)の周囲にほぼ同心状に配置される複数の空間(3,4)を含み、前記中央空間(1)および前記同心状空間(3,4)が連結して接続されるとともに、最も外側の同心状空間(4)が1つ以上の排出口(5)、前記中央空間(1)から上流かあるいは前記中央空間(1)内部に位置する中央空間(1)から同心状空間(3,4)まで順次移動するガス、および/または、煙道ガスの流れを発生させるエア搬送手段(6)を有し、前記同心状空間(3,4)に水を噴霧するための複数のノズル(7)、前記同心状空間(3,4)に噴霧される水を集めるためのタンク(9)、前記集約タンク(9)に集められる水に蓄積する固形粒子を除去するための前記集約タンク(9)によって供給される濾過タンク(32)、前記濾過タンク(32)からの水を前記複数のノズル(7)に供給するためのポンプ(8)を含むエアおよび煙道ガス用の湿潤ガス洗浄装置。
【請求項2】
物理的フィルターに濾過効率が上がる複数のフィルター(33,34,35,36)が含まれるものが連結して配置される請求項1記載の湿潤ガス洗浄装置。
【請求項3】
前記同心状空間(3,4)の少なくとも1つに、少なくとも1枚の穴あき間仕切り、および/または、少なくとも1本の横断的に配置されるワイヤーゲージ(10)が設けられている請求項1または請求項2記載の湿潤ガス洗浄装置。
【請求項4】
各同心状空間(3,4)に噴霧される水のフロー率を別々に調節するための手段がさらに含まれる請求項1、請求項2あるいは請求項3記載の湿潤ガス洗浄装置。
【請求項5】
前記中央空間(1)および前記同心状空間(3,4)が増加する断面を有し、これによってガス流速度が、ある空間から別の空間へと通過するにつれて減少する請求項1から請求項4のいずれか1つ記載の湿潤ガス洗浄装置。
【請求項6】
前記エア搬送手段(6)が、最外側の同心状空間(4)の排出口(5)あるいはその近辺に位置するという変更がなされた請求項1から請求項5のいずれか1つ記載の湿潤ガス洗浄装置。
【請求項7】
中央空間(1)まで登って流れ、複数の小穴を通過して同心状空間(3,4)に連続して繰り返し上下に流れると共に、最外側空間(4)から外に出る、ガス、および/または、煙道ガス、および/または、エアの流れを生じさせ、前記ガス、および/または、煙道ガスの流れに洗浄および逆洗浄作用を受けさせ、洗浄水を集め、集めた水を濾過し、前記ガス、および/または、煙道ガスの流れを洗浄するために濾過された水を再循環させる手段を含む湿潤ガス洗浄方法。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
実質的に および/または 全般に鉛直方向に拡がると共に、その底部に、浄化されるべきガス、および/または、煙道ガス、および/または、環境あるいは外部の取り込みエアの取入れ口(2)を有する中央空間(1)、前記中央空間(1)に関してほぼ同心状に配置される複数の空間(3,4)を含み、前記中央空間(1)および前記同心状空間(3,4)が連結して接続されていると共に、その最外側同心状空間(4)が1つ以上の排出口(5)を有していて、前記中央空間(1)から上流、あるいは前記中央空間(1)内部、あるいは最外側の同心状空間(4)の空間排出口(5)に位置して、中央空間(1)から同心状空間(3,4)まで順次移動させるガスおよび/または煙道ガスの流れを発生させるエア搬送手段(6)、複数の前記同心状空間(3,4)中に水を噴霧するための複数のノズル(7)、噴霧される水を前記同心状空間(3,4)に集めるためのタンク(9)、前記集水タンク(9)に集められる水に蓄積される固定粒子類を除去するための前記集水タンク(9)によって供給される濾過タンク(32)、前記複数のノズル(7)に前記濾過タンク(32)からの水を供給するためのポンプ(8)を含むエアおよび煙道ガス用の湿潤ガス洗浄装置で、前記同心状空間(3,4)の少なくとも1つに、少なくとも1枚の穴あき間仕切り、および/または、煙道ガスおよび水滴が強制的に通過させられる横方向に配置されるワイヤーゲージ(10)が設けられている湿潤ガス洗浄装置。
【請求項2】
前記ワイヤーゲージが1x1ミリ以上かつ10x10ミリ以下のメッシュを有する請求項1記載の湿潤ガス洗浄装置。
【請求項3】
物理的フィルターに濾過効率が増加する複数のフィルター(33,34,35,36)が連結して設けられる請求項1または新請求項2記載の湿潤ガス洗浄装置。
【請求項4】
さらに各同心状空間(3,4)に噴霧される水のフロー率を別々に調整する手段が含まれる請求項1、請求項2または請求項3記載の湿潤ガス洗浄装置。
【請求項5】
前記中央空間(1)および前記同心状空間(3,4)が増加する断面を有し、これによりガスの流れがある空間から別の空間へ通過するにつれて減少する速度を有する請求項1から請求項4のいずれか記載の湿潤ガス洗浄装置。
【請求項6】
中央空間(1)を通って上に上がって流れ、同心状空間(3,4)を連続して通過して繰り返し上下に流れるガス、および/または、煙道ガス、および/または、エアの流れを発生させ、前記同心状空間(3,4)の少なくとも一つに少なくとも1枚の穴あき間仕切り、および/または、煙道ガスおよび水滴が強制的に通過する横断方向に配置されるワイヤーゲージ(10)が設けられ、ガス、および/または煙道ガスあるいはエアの前記流れを最外側空間(4)から外部に排出させ、洗浄および逆洗浄作用をガス、および/または煙道ガスの流れに受けさせ、洗浄水を集め、集められた洗浄水を濾過し、ガス、および/または煙道ガスの流れを洗浄する濾過された水を再循環させる手段を含む湿潤ガス洗浄方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2006−520265(P2006−520265A)
【公表日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−506331(P2006−506331)
【出願日】平成16年3月12日(2004.3.12)
【国際出願番号】PCT/IB2004/000705
【国際公開番号】WO2004/080572
【国際公開日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【出願人】(505330516)
【Fターム(参考)】