溝を有する表面ベルト又はロール及びその製造方法
【課題】溝を形成するようにリボン配置を用い、機械加工を用いずにベルト及びロールの表面上に溝又はその他のパターンを形成する手法を提供すること。
【解決手段】紙及び紙製品の製造に使用するロールカバーの製造方法であって：ａ）前記ロールカバーの基礎構造を設けるステップと；ｂ）前記基礎構造上に化学反応性材料を載置するステップと；ｃ）前記化学反応性材料の層上にエラストマー材料を堆積させるステップと、ここで前記化学反応性材料は溝のパターンを作るために前記エラストマー材料と反応し結合を作り出す；を有することを特徴とする方法。
【解決手段】紙及び紙製品の製造に使用するロールカバーの製造方法であって：ａ）前記ロールカバーの基礎構造を設けるステップと；ｂ）前記基礎構造上に化学反応性材料を載置するステップと；ｃ）前記化学反応性材料の層上にエラストマー材料を堆積させるステップと、ここで前記化学反応性材料は溝のパターンを作るために前記エラストマー材料と反応し結合を作り出す；を有することを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、製紙技術に関する。特に、本発明は、抄紙機及び抄紙工程に使用される溝を有するベルト又は適用可能なロールカバーの製造方法に関する。本発明は、ベルトの表面を機械加工することなく溝を作るように、リボン配置の使用に関する。
【背景技術】
【０００２】
抄紙工程中、セルロース繊維ウェブは、繊維スラリー、つまりセルロース繊維の水性懸濁液を、抄紙機の形成部にある移動する形成布上に堆積させて形成される。この形成布を介してスラリーから大量の水が排出され、形成布の表面上にセルロース繊維ウェブが残存する。
【０００３】
新たに形成されたセルロース繊維ウェブは、形成部から、一連のプレスニップを有するプレス部へと進む。このセルロース繊維ウェブは、プレス布で支持されたプレスニップ、又は多くの場合、上述の２つのプレス布間を通過する。プレスニップにおいて、セルロース繊維ウェブには、水を絞り出し、且つウェブ状のセルロース繊維を互いに結合してセルロース繊維ウェブから紙シートへと変える圧縮力が適用される。この水は、プレス布又は布に受容され、理想的には、紙シートに戻らない。
【０００４】
紙シートは、蒸気で内的に加熱される少なくとも一連の回転可能乾燥ドラム又はシリンダーを有する乾燥部に進む。新たに形成された紙シートは、乾燥布により上述の一連のドラムのそれぞれの周囲に連続して配置されドラムの表面に近接して紙シートを保持するセルペンタイン路（ｓｅｒｐｅｎｔｉｎｅ ｐａｔｈ）に向けられる。加熱されたドラムは、蒸発により、紙シートの水分含量を所望のレベルにまで減少させる。
【０００５】
形成布、プレス布及び乾燥布の全ては、抄紙機上でエンドレスループの形態をとり、コンベアの機能を果たすことを理解されるべきである。また、製紙工程は、かなりの速度で進む連続工程であることも理解されるべきである。つまり、繊維スラリーは、形成部の形成布上に連続的に堆積される一方、新規で製造された紙シートは、乾燥部から出た後、ロール上で連続的に巻き取られる。
【０００６】
乾燥部に入る前のウェブから可能な限り水を望ましく取り除くには、エネルギーコストが増加してしまう。乾燥ドラムは、蒸気で典型的に加熱されるので、蒸気の生成に関連したコストは、多く、特に、ウェブから大量の水を除去する必要がある場合、特に顕著である。
【０００７】
伝統的に、プレス部には、隣り合うシリンダー形状のプレスロールのペアで形成された一連のニップが含まれる。近年、上述の隣り合うプレスロールのペアで形成されたニップよりも、シュー型（ｓｈｏｅ ｔｙｐｅ）の長いプレスニップを使用することが有利であることが見出されている。その理由は、長時間ウェブがニップにおいて圧力をかけられると、より多くの水が除去され、従って、乾燥部において蒸発によりウェブから除去する水が少量となるためである。
【０００８】
本発明は、一部で、シュー型の長いニッププレスに関する。長いニッププレスの変形例において、ニップは、シリンダー型のプレスロールとアーチ状の圧力シューとの間に形成される。後者は、上述のシリンダー型のプレスロールに近い曲率半径を有するシリンダー型の凹面を有する。このロール及びシューが互いに物理的に近接すると、２つのプレスロール間で形成されるよりも機械方向に５〜１０倍長いニップが形成される。この長いニップは、従来の２ロールプレスよりも５〜１０倍長いので、繊維ウェブがこの長いニップにおいて圧力をかけられる間、つまり、いわゆる滞留時間（ｄｗｅｌｌ ｔｉｍｅ）は、２ロールプレスに存在するよりも、対応して長くなる可能性がある。その結果、従来のニップで得られるのに相対して、抄紙機上で繊維ウェブが脱水される程度が劇的に増加する。
【０００９】
シュー型の長いニッププレスは、Ｄｕｔｔによる特許文献１（Ａｌｂａｎｙ Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ Ｃｏｒｐ．）に開示するような特別なベルトを必要とする。なお、この文献の教示を参照して、本願に取り込む。このベルトは、繊維ウェブを支持し運搬し脱水するプレス布が、製紙する圧力シューに対して直接摺動接触した結果増加する摩擦から防御するように、設計される。このようなベルトには、オイルの潤滑フィルム上で静止するシューに対して乗り上げ、又は摺動する、平滑で不透過性の表面を設ける必要がある。このベルトは、プレス布とおよそ同程度の速度でニップを介して移動し、これにより、ベルトの表面に対してプレス布の摩耗量が最小限となる。
【００１０】
特許文献１に開示の種々のベルトは、エンドレスループの形態をとる織り基礎布を合成ポリマー樹脂に含浸している。好ましくは、この樹脂は、基礎布を織るヤーンが上述の長いニッププレスのアーチ状の圧力シュー成分と直接接触することから防御されるように、少なくともベルトの内表面上に所定の厚みのコーティングを形成する。特に、このコーティングは、上述の潤滑化されたシューに対して即座に摺動しプレス布、布類及び繊維ウェブの汚染するベルトの構造を上述の潤滑油が通過することを避けるように、平滑で不透過性な表面を有する必要がある。
【００１１】
特許文献１に開示のベルトの基礎布は、単繊維ヤーンから単一又は多重層の織物へと織られてもよく、この織りを全体的に含浸材料が含浸することを可能とする十分な開口部を有するように、織られる。これにより、最終的なベルトに種々のボイドが形成される可能性が少なくなる。このようなボイドは、ベルトとシューとの間を潤滑剤が、ベルトを介して通過し得るようになり、且つプレス布、布類及び繊維ウェブを汚染し得るようになる。上述の基礎布は、平織りであってもよく、エンドレスの形態に継ぎ合わされてもよく、チューブの形態にエンドレスに織られてもよい。
【００１２】
上述の含浸材料が固形状に硬化されると、機械的連結により、基礎布に最初に結合され、硬化された含浸材料は、基礎布のヤーンの周囲を取り囲む。加えて、硬化された含浸材料と基礎繊維のヤーンの材料との間に化学結合又は接着状態が存在する可能性がある。
【００１３】
特許文献１に開示されたような長いニッププレスベルトは、導入される長いニッププレスの寸法要件に依存して、エンドレスループの形態の長手周囲に測定した１０〜３５フィート（約３〜１１メートル）の長さと、エンドレスループの形態を横切る方向に測定した６〜３５フィート（約２〜１１メートル）の幅とを有する。このようなベルトの製造は、合成ポリマー樹脂で含浸される前に基礎布がエンドレスの形態であることが必要であるため、困難となる。
【００１４】
上述のベルトには、しばしば、外部表面上とともに内部表面上に所定の厚みの樹脂コーティングを設けることが望ましい。ベルトの両面をコーティングすることにより、その織り基礎布は、一致しない場合、ベルトの曲がりの中立軸に近接することとなる。このような状況において、抄紙機のロール又はこれに類する部材の周囲を通過してベルトが曲げられる際に発生する内部ストレスは、ベルトの両面のいずれかからコーティングがはがれる場合がある。
【００１５】
さらに、ベルトの外部表面が所定の厚みの樹脂コーティングを有する場合、織り基礎布のいずれの部分も曝露することなくその表面上に溝、ブラインドドリルドホール（ｂｌｉｎｄ−ｄｒｉｌｌｅｄ ｈｏｌｅ）、又はその他の凹部が形成され得るようになる。これらの特徴は、プレスニップにおいてウェブから圧縮された水の一時貯蔵部を規定する。また、これらの特徴は、樹脂コーティングの硬化の後の分離した製造ステップにおいて、溝掘り又はせん孔により、通常製造される。
【００１６】
本発明は、長いニッププレス又は従来のプレスに使用され得る溝を有するプレスベルトに特に関する。加えて、本発明は、溝を有するロールカバーに関する。
【００１７】
従来の溝を有するベルトの場合、表面溝を作るのに機械加工工程を典型的に使用する。この溝は、チャネルを規定し、且つ島領域と称され得る部位で互いに分離される。この溝の幅及び深さ並びに１インチ辺りの溝の数は、上述の溝を有するベルトの表面のボイド容量を決定する。加えて、このベルトを曲げることが必要なため、特定の材料特性を決定する。例えば、この材料は、ベルト路に一致させ圧力負荷下で破断しないのに十分な剛性を有するように、十分に柔軟性を有する必要がある。この点、ウレタンなどのエラストマーが首尾良く使用されてきた。
【００１８】
ロールカバーは、ゴム、ゴム類似材料、ポリマー又は金属合金などの種々の材料を用いて、種々の方法で製造される。ロールカバーを製造する現在の方法は、ロール体上に、時折布地補強剤を有するポリマー化合物の未硬化マットの部分を「貯蔵（ｌａｙｉｎｇ ｕｐ）」する工程を有する。これは、連続カバーを形成するように熱硬化で最終仕上げされる複数のロールカバー部を形成する。このカバーは、研磨される。また、このカバーには、その他の表面仕上げステップを施してもよい。最終的に、溝は、プレスニップにおいてシートの脱水を補助するように、その表面に円周パターンで切断される。ロールカバーの形成に使用されるその他の方法には、体部上に半固形の樹脂を螺旋巻きし、その後、硬化し、表面処理を施す方法がある。再び記するが、溝は、ニップにおいて脱水を補助するように、その表面上が切断される。さらにその他の方法には、心棒又はロール体上に樹脂繊維系を鋳造又は成形し、複合系を形成する方法である。その他のカバーは、樹脂の混合物（つまり、樹脂の「合金」）、金属、樹脂及びセラミックス並びにこれらの類似物から形成されてもよい。
【００１９】
また、溝を有する従来のロールの場合、その表面の溝は、ロールカバーの表面を機械加工して、典型的に作られる。再び記するが、この溝の幅及び深さ並びに１インチ当たりの溝の数は、この溝を有する表面のボイド容量を決定する。また、溝を有するロール表面を作るのに使用される多くの異なる材料がある。
【００２０】
特に、ベルトにおいて溝を機械加工する間、合成の表面材料の内部壁（溝を分離する島の側面）には、機械加工用具の作用で形成された微細な表面の切断が存在する。これら微細な切断部は、より大きな割れ目及び溝の側面上の島領域の破断又は剥離へと繋がる初期ひび割れ部位を構成する可能性がある。この関連で、特許文献２は、長いニッププレスに使用する溝を有するボイド容量ベルトの製造方法を開示する。接着剤を適用した後、既に形成されている溝を有する材料のストリップは、部分的に完成したベルトの周囲に巻き取られ、適切に付着する。その他のもののうち、これは、ベルトの表面において切断溝の形成を阻止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【００２１】
【特許文献１】米国特許第５，２３８，５３７号明細書
【特許文献２】米国特許第５，１７１，３８９号明細書
【特許文献３】米国特許第５，２０８，０８７号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【００２２】
本発明は、溝を形成するようにリボン配置を用い、機械加工を用いずにベルト及びロールの表面上に溝又はその他のパターンを形成する手法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【００２３】
本発明は、溝を有するベルト又は表面ロールの製造方法に関する。部分的に処理されたベルト又はロールの表面上に、最初に化学反応性材料を載置する。その後、溝のパターンを作るように、上述の化学反応性材料上にリボンとして、第２材料を堆積させる。有利なことに、このリボンの配置は、間に溝を作るのに使用され、機械加工は、必要ない。これにより、ベルト又はロールの表面に割れ目を生じたり剥離するという可能性のある問題が少なくなる。得たリボンは、平滑で均一である。
【図面の簡単な説明】
【００２４】
【図１】本発明によるベルトの製造方法を示した図である。
【図２】溝を作るため、リボンの配置を用いることを示す図である。
【図３】（ａ）は、先行技術のストリップ面を示し、（ｂ）は、本発明のリボンの例示的な面を示す。
【発明を実施するための形態】
【００２５】
本発明の好適実施例は、図１に示したように、抄紙機に使用するシュー型のプレスベルトを製造する方法及びその製造工程である。しかしながら、本発明は、抄紙機に使用するロール又はロールカバーの製造にも適用可能であることにも留意すべきである。
【００２６】
続けて図１を参照すると、このベルトは、本技術分野で公知の従来の種々のベルト基材であってもよい基礎構造又は基材を有してもよく、これには、織物、不織物、螺旋リンク、ＭＤ又はＣＤヤーンアレイ、編地、成形メッシュ並びに織り材料及び不織材料の螺旋巻きストリップなどが含まれる。これらの基材は、抄紙機衣類の製造に使用される種々のヤーンを有してもよく、例えば、単繊維、諸より（ｐｌｉｅｄ）単繊維、多重繊維及び諸より多重繊維ヤーンなどが挙げられる。これらのヤーンは、当業者がこの用途で用いる種々のポリマー樹脂材料から成形して得たものであってもよい。従って、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアラミド、ポリオレフィン及びこの目的に適したその他の樹脂の群に由来する樹脂を使用してもよい。
【００２７】
本発明は、図１に示したものと同様の装置を用いて製造されてもよい。本発明に関して、この装置は、（Ａ）ベルトの製造中にベルト基材１０を支持する心棒１１と、（Ｂ）ベルト基材１０上に化学反応性材料１２を適用する手段（図示せず）と、（Ｃ）パターンを形成するようにベルト基材１０上に第２材料１６を堆積させる手段１４と、を有する。例えば、第２材料１６は、間に溝を形成するように載置されたエラストマーリボンであってもよく、ベルト基材１０の表面に相対した少なくとも１つの方向に移動させるため、堆積手段１４を取り付ける手段（図示せず）であってもよく；この移動を調節し、且つ堆積手段１４からの第２材料１６の堆積を調節する調節手段（図示せず）であってもよい。
【００２８】
図１に示した本発明の例において、ベルト形成心棒１１が設けらる。ベルト基材１０は、既に部分的に含浸された樹脂を有してもよく、通常、これを有する。内部表面（つまり、心棒１１に対する表面）は、先行技術の種々の手段で適用された平滑な樹脂層も有する。初期的に、化学反応性エラストマー材料１２の薄層は、ベルト基材１０と堆積される第２材料１６との間に化学結合を形成するように、ベルト基材１０上に載置される。この関係上、薄層１２は、第２材料１６を適用するのに必要な時間の間、化学反応性を有する必要がある。図１に示した実施例について、この第２材料は、エラストマー性を有する液体のリボンストリーム（ｒｉｂｂｏｎ ｓｔｒｅａｍ）１６である。このリボンストリーム１６を堆積させるため、上述のエラストマー性を有する材料化学攪拌ヘッド１５は、ベルト基材１０の幅を横切るように角度付けされ、且つ制御される。この方式において、心棒の回転により、各側面上に溝を有する隆起した島領域のリボンが配置される。つまり、リボン１６の配置は、溝の形成に使用される。図２は、島２０と成形された溝２２とを形成するように互いに隣り合って載置する小型の液体エラストマーリボンの分布状態を示す。有利なことに、このエラストマーは、十分短い時間で液体から固体へと変化するように設計されており、これにより、このリボン材料はその形状を保持することが可能となる。得られたリボンを載置した表面２４は、切断部及び割れ目を有さず、均一で平滑である。
【００２９】
図１に示す攪拌ヘッド１４は、一つのポート又は複数のポートを有してもよい。しかしながら、攪拌ヘッド１４は、複数のポートを有することが好ましい。これに関連して、このポートの数及び寸法並びに適用される材料の量は、リボン１６の寸法及び形状を決定することに留意する。ベルト基材１０の表面速度が増加すると、このポートから材料を排出すべき量が増加することにも留意する。これに関連して、リボンの形状は、前の各パス（ｐａｓｓ）に適合する必要があるので、攪拌ヘッド１４の横速度を正確に制御することが非常に重要である。この成形線（つまり、個々のリボンが開始し終了する位置）は、リボンパターンを作成する際、適合すべきであることもさらに理解されるべきである。
【００３０】
本願の開示により明らかなことは、上述の方法を用いて溝を有する優れたベルト又は表面ロールが製造され得る点である。この方法において、溝を製造するためにリボンを直接堆積させることにより、先行技術で実用化されている溝の機械加工により生じる問題が少なくなる。特に、本発明は、溝を作るため、リボンを配置する技術を用いる。得られるリボンを有する表面は、ベルト又はロールの表面の剥離へと繋がる切断や割れ目がなく、均一で平滑となる。
【００３１】
さらに、上述の攪拌ヘッドを制御することにより、比較的大量の材料が、制御された様式で、制御された形態にて、３つの平面（ｘ、ｙ及びｚ）で、ベルト又はロールの表面の所望の領域に適用されてもよい。適用可能な位置において、このことにより、ロールカバーの一部として形成された例えば頂上部の形成が可能となり、或いは、機械を横切る方向に沿って、上述の表面の径において、その他の変形を形成することが可能となる。
【００３２】
本発明と上述の特許文献２との違いは、以下の通りであることに留意する。つまり、本発明は、エラストマー性を有するリボンストリームを堆積させる前に、ベルトの表面に化学反応性層３４（図３Ｂ参照）を最初に載置することを特定しているが、特許文献２に係る発明は、単に接着剤を前もって適用しているのみである。加えて、特許文献２及び３のいずれの発明も、既に形成された溝を有するストリップ３０を特定しているが（図３Ａ参照）、本発明は、溝を作るため、リボン３２を配置し、或いはゲル化方法を用いている。これは、主要な相違点である。その他の差異は、当業者に明らかであろう。
【００３３】
以上、本発明の好適実施例について、詳細に開示し説明してきたが、本発明の範囲は、これらに限定されるものではなく、むしろ、本発明の範囲は、添付した特許請求の範囲により決定されるべきものである。
【符号の説明】
【００３４】
１０ ベルト基材
１１ 心棒
１２ 化学反応性材料
１４ 堆積手段
１６ 第２材料
２０ 島
２２ 溝
２４ 表面
３０ ストリップ
３２ リボン
３４ 化学反応性層
【技術分野】
【０００１】
本発明は、製紙技術に関する。特に、本発明は、抄紙機及び抄紙工程に使用される溝を有するベルト又は適用可能なロールカバーの製造方法に関する。本発明は、ベルトの表面を機械加工することなく溝を作るように、リボン配置の使用に関する。
【背景技術】
【０００２】
抄紙工程中、セルロース繊維ウェブは、繊維スラリー、つまりセルロース繊維の水性懸濁液を、抄紙機の形成部にある移動する形成布上に堆積させて形成される。この形成布を介してスラリーから大量の水が排出され、形成布の表面上にセルロース繊維ウェブが残存する。
【０００３】
新たに形成されたセルロース繊維ウェブは、形成部から、一連のプレスニップを有するプレス部へと進む。このセルロース繊維ウェブは、プレス布で支持されたプレスニップ、又は多くの場合、上述の２つのプレス布間を通過する。プレスニップにおいて、セルロース繊維ウェブには、水を絞り出し、且つウェブ状のセルロース繊維を互いに結合してセルロース繊維ウェブから紙シートへと変える圧縮力が適用される。この水は、プレス布又は布に受容され、理想的には、紙シートに戻らない。
【０００４】
紙シートは、蒸気で内的に加熱される少なくとも一連の回転可能乾燥ドラム又はシリンダーを有する乾燥部に進む。新たに形成された紙シートは、乾燥布により上述の一連のドラムのそれぞれの周囲に連続して配置されドラムの表面に近接して紙シートを保持するセルペンタイン路（ｓｅｒｐｅｎｔｉｎｅ ｐａｔｈ）に向けられる。加熱されたドラムは、蒸発により、紙シートの水分含量を所望のレベルにまで減少させる。
【０００５】
形成布、プレス布及び乾燥布の全ては、抄紙機上でエンドレスループの形態をとり、コンベアの機能を果たすことを理解されるべきである。また、製紙工程は、かなりの速度で進む連続工程であることも理解されるべきである。つまり、繊維スラリーは、形成部の形成布上に連続的に堆積される一方、新規で製造された紙シートは、乾燥部から出た後、ロール上で連続的に巻き取られる。
【０００６】
乾燥部に入る前のウェブから可能な限り水を望ましく取り除くには、エネルギーコストが増加してしまう。乾燥ドラムは、蒸気で典型的に加熱されるので、蒸気の生成に関連したコストは、多く、特に、ウェブから大量の水を除去する必要がある場合、特に顕著である。
【０００７】
伝統的に、プレス部には、隣り合うシリンダー形状のプレスロールのペアで形成された一連のニップが含まれる。近年、上述の隣り合うプレスロールのペアで形成されたニップよりも、シュー型（ｓｈｏｅ ｔｙｐｅ）の長いプレスニップを使用することが有利であることが見出されている。その理由は、長時間ウェブがニップにおいて圧力をかけられると、より多くの水が除去され、従って、乾燥部において蒸発によりウェブから除去する水が少量となるためである。
【０００８】
本発明は、一部で、シュー型の長いニッププレスに関する。長いニッププレスの変形例において、ニップは、シリンダー型のプレスロールとアーチ状の圧力シューとの間に形成される。後者は、上述のシリンダー型のプレスロールに近い曲率半径を有するシリンダー型の凹面を有する。このロール及びシューが互いに物理的に近接すると、２つのプレスロール間で形成されるよりも機械方向に５〜１０倍長いニップが形成される。この長いニップは、従来の２ロールプレスよりも５〜１０倍長いので、繊維ウェブがこの長いニップにおいて圧力をかけられる間、つまり、いわゆる滞留時間（ｄｗｅｌｌ ｔｉｍｅ）は、２ロールプレスに存在するよりも、対応して長くなる可能性がある。その結果、従来のニップで得られるのに相対して、抄紙機上で繊維ウェブが脱水される程度が劇的に増加する。
【０００９】
シュー型の長いニッププレスは、Ｄｕｔｔによる特許文献１（Ａｌｂａｎｙ Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ Ｃｏｒｐ．）に開示するような特別なベルトを必要とする。なお、この文献の教示を参照して、本願に取り込む。このベルトは、繊維ウェブを支持し運搬し脱水するプレス布が、製紙する圧力シューに対して直接摺動接触した結果増加する摩擦から防御するように、設計される。このようなベルトには、オイルの潤滑フィルム上で静止するシューに対して乗り上げ、又は摺動する、平滑で不透過性の表面を設ける必要がある。このベルトは、プレス布とおよそ同程度の速度でニップを介して移動し、これにより、ベルトの表面に対してプレス布の摩耗量が最小限となる。
【００１０】
特許文献１に開示の種々のベルトは、エンドレスループの形態をとる織り基礎布を合成ポリマー樹脂に含浸している。好ましくは、この樹脂は、基礎布を織るヤーンが上述の長いニッププレスのアーチ状の圧力シュー成分と直接接触することから防御されるように、少なくともベルトの内表面上に所定の厚みのコーティングを形成する。特に、このコーティングは、上述の潤滑化されたシューに対して即座に摺動しプレス布、布類及び繊維ウェブの汚染するベルトの構造を上述の潤滑油が通過することを避けるように、平滑で不透過性な表面を有する必要がある。
【００１１】
特許文献１に開示のベルトの基礎布は、単繊維ヤーンから単一又は多重層の織物へと織られてもよく、この織りを全体的に含浸材料が含浸することを可能とする十分な開口部を有するように、織られる。これにより、最終的なベルトに種々のボイドが形成される可能性が少なくなる。このようなボイドは、ベルトとシューとの間を潤滑剤が、ベルトを介して通過し得るようになり、且つプレス布、布類及び繊維ウェブを汚染し得るようになる。上述の基礎布は、平織りであってもよく、エンドレスの形態に継ぎ合わされてもよく、チューブの形態にエンドレスに織られてもよい。
【００１２】
上述の含浸材料が固形状に硬化されると、機械的連結により、基礎布に最初に結合され、硬化された含浸材料は、基礎布のヤーンの周囲を取り囲む。加えて、硬化された含浸材料と基礎繊維のヤーンの材料との間に化学結合又は接着状態が存在する可能性がある。
【００１３】
特許文献１に開示されたような長いニッププレスベルトは、導入される長いニッププレスの寸法要件に依存して、エンドレスループの形態の長手周囲に測定した１０〜３５フィート（約３〜１１メートル）の長さと、エンドレスループの形態を横切る方向に測定した６〜３５フィート（約２〜１１メートル）の幅とを有する。このようなベルトの製造は、合成ポリマー樹脂で含浸される前に基礎布がエンドレスの形態であることが必要であるため、困難となる。
【００１４】
上述のベルトには、しばしば、外部表面上とともに内部表面上に所定の厚みの樹脂コーティングを設けることが望ましい。ベルトの両面をコーティングすることにより、その織り基礎布は、一致しない場合、ベルトの曲がりの中立軸に近接することとなる。このような状況において、抄紙機のロール又はこれに類する部材の周囲を通過してベルトが曲げられる際に発生する内部ストレスは、ベルトの両面のいずれかからコーティングがはがれる場合がある。
【００１５】
さらに、ベルトの外部表面が所定の厚みの樹脂コーティングを有する場合、織り基礎布のいずれの部分も曝露することなくその表面上に溝、ブラインドドリルドホール（ｂｌｉｎｄ−ｄｒｉｌｌｅｄ ｈｏｌｅ）、又はその他の凹部が形成され得るようになる。これらの特徴は、プレスニップにおいてウェブから圧縮された水の一時貯蔵部を規定する。また、これらの特徴は、樹脂コーティングの硬化の後の分離した製造ステップにおいて、溝掘り又はせん孔により、通常製造される。
【００１６】
本発明は、長いニッププレス又は従来のプレスに使用され得る溝を有するプレスベルトに特に関する。加えて、本発明は、溝を有するロールカバーに関する。
【００１７】
従来の溝を有するベルトの場合、表面溝を作るのに機械加工工程を典型的に使用する。この溝は、チャネルを規定し、且つ島領域と称され得る部位で互いに分離される。この溝の幅及び深さ並びに１インチ辺りの溝の数は、上述の溝を有するベルトの表面のボイド容量を決定する。加えて、このベルトを曲げることが必要なため、特定の材料特性を決定する。例えば、この材料は、ベルト路に一致させ圧力負荷下で破断しないのに十分な剛性を有するように、十分に柔軟性を有する必要がある。この点、ウレタンなどのエラストマーが首尾良く使用されてきた。
【００１８】
ロールカバーは、ゴム、ゴム類似材料、ポリマー又は金属合金などの種々の材料を用いて、種々の方法で製造される。ロールカバーを製造する現在の方法は、ロール体上に、時折布地補強剤を有するポリマー化合物の未硬化マットの部分を「貯蔵（ｌａｙｉｎｇ ｕｐ）」する工程を有する。これは、連続カバーを形成するように熱硬化で最終仕上げされる複数のロールカバー部を形成する。このカバーは、研磨される。また、このカバーには、その他の表面仕上げステップを施してもよい。最終的に、溝は、プレスニップにおいてシートの脱水を補助するように、その表面に円周パターンで切断される。ロールカバーの形成に使用されるその他の方法には、体部上に半固形の樹脂を螺旋巻きし、その後、硬化し、表面処理を施す方法がある。再び記するが、溝は、ニップにおいて脱水を補助するように、その表面上が切断される。さらにその他の方法には、心棒又はロール体上に樹脂繊維系を鋳造又は成形し、複合系を形成する方法である。その他のカバーは、樹脂の混合物（つまり、樹脂の「合金」）、金属、樹脂及びセラミックス並びにこれらの類似物から形成されてもよい。
【００１９】
また、溝を有する従来のロールの場合、その表面の溝は、ロールカバーの表面を機械加工して、典型的に作られる。再び記するが、この溝の幅及び深さ並びに１インチ当たりの溝の数は、この溝を有する表面のボイド容量を決定する。また、溝を有するロール表面を作るのに使用される多くの異なる材料がある。
【００２０】
特に、ベルトにおいて溝を機械加工する間、合成の表面材料の内部壁（溝を分離する島の側面）には、機械加工用具の作用で形成された微細な表面の切断が存在する。これら微細な切断部は、より大きな割れ目及び溝の側面上の島領域の破断又は剥離へと繋がる初期ひび割れ部位を構成する可能性がある。この関連で、特許文献２は、長いニッププレスに使用する溝を有するボイド容量ベルトの製造方法を開示する。接着剤を適用した後、既に形成されている溝を有する材料のストリップは、部分的に完成したベルトの周囲に巻き取られ、適切に付着する。その他のもののうち、これは、ベルトの表面において切断溝の形成を阻止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【００２１】
【特許文献１】米国特許第５，２３８，５３７号明細書
【特許文献２】米国特許第５，１７１，３８９号明細書
【特許文献３】米国特許第５，２０８，０８７号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【００２２】
本発明は、溝を形成するようにリボン配置を用い、機械加工を用いずにベルト及びロールの表面上に溝又はその他のパターンを形成する手法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【００２３】
本発明は、溝を有するベルト又は表面ロールの製造方法に関する。部分的に処理されたベルト又はロールの表面上に、最初に化学反応性材料を載置する。その後、溝のパターンを作るように、上述の化学反応性材料上にリボンとして、第２材料を堆積させる。有利なことに、このリボンの配置は、間に溝を作るのに使用され、機械加工は、必要ない。これにより、ベルト又はロールの表面に割れ目を生じたり剥離するという可能性のある問題が少なくなる。得たリボンは、平滑で均一である。
【図面の簡単な説明】
【００２４】
【図１】本発明によるベルトの製造方法を示した図である。
【図２】溝を作るため、リボンの配置を用いることを示す図である。
【図３】（ａ）は、先行技術のストリップ面を示し、（ｂ）は、本発明のリボンの例示的な面を示す。
【発明を実施するための形態】
【００２５】
本発明の好適実施例は、図１に示したように、抄紙機に使用するシュー型のプレスベルトを製造する方法及びその製造工程である。しかしながら、本発明は、抄紙機に使用するロール又はロールカバーの製造にも適用可能であることにも留意すべきである。
【００２６】
続けて図１を参照すると、このベルトは、本技術分野で公知の従来の種々のベルト基材であってもよい基礎構造又は基材を有してもよく、これには、織物、不織物、螺旋リンク、ＭＤ又はＣＤヤーンアレイ、編地、成形メッシュ並びに織り材料及び不織材料の螺旋巻きストリップなどが含まれる。これらの基材は、抄紙機衣類の製造に使用される種々のヤーンを有してもよく、例えば、単繊維、諸より（ｐｌｉｅｄ）単繊維、多重繊維及び諸より多重繊維ヤーンなどが挙げられる。これらのヤーンは、当業者がこの用途で用いる種々のポリマー樹脂材料から成形して得たものであってもよい。従って、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアラミド、ポリオレフィン及びこの目的に適したその他の樹脂の群に由来する樹脂を使用してもよい。
【００２７】
本発明は、図１に示したものと同様の装置を用いて製造されてもよい。本発明に関して、この装置は、（Ａ）ベルトの製造中にベルト基材１０を支持する心棒１１と、（Ｂ）ベルト基材１０上に化学反応性材料１２を適用する手段（図示せず）と、（Ｃ）パターンを形成するようにベルト基材１０上に第２材料１６を堆積させる手段１４と、を有する。例えば、第２材料１６は、間に溝を形成するように載置されたエラストマーリボンであってもよく、ベルト基材１０の表面に相対した少なくとも１つの方向に移動させるため、堆積手段１４を取り付ける手段（図示せず）であってもよく；この移動を調節し、且つ堆積手段１４からの第２材料１６の堆積を調節する調節手段（図示せず）であってもよい。
【００２８】
図１に示した本発明の例において、ベルト形成心棒１１が設けらる。ベルト基材１０は、既に部分的に含浸された樹脂を有してもよく、通常、これを有する。内部表面（つまり、心棒１１に対する表面）は、先行技術の種々の手段で適用された平滑な樹脂層も有する。初期的に、化学反応性エラストマー材料１２の薄層は、ベルト基材１０と堆積される第２材料１６との間に化学結合を形成するように、ベルト基材１０上に載置される。この関係上、薄層１２は、第２材料１６を適用するのに必要な時間の間、化学反応性を有する必要がある。図１に示した実施例について、この第２材料は、エラストマー性を有する液体のリボンストリーム（ｒｉｂｂｏｎ ｓｔｒｅａｍ）１６である。このリボンストリーム１６を堆積させるため、上述のエラストマー性を有する材料化学攪拌ヘッド１５は、ベルト基材１０の幅を横切るように角度付けされ、且つ制御される。この方式において、心棒の回転により、各側面上に溝を有する隆起した島領域のリボンが配置される。つまり、リボン１６の配置は、溝の形成に使用される。図２は、島２０と成形された溝２２とを形成するように互いに隣り合って載置する小型の液体エラストマーリボンの分布状態を示す。有利なことに、このエラストマーは、十分短い時間で液体から固体へと変化するように設計されており、これにより、このリボン材料はその形状を保持することが可能となる。得られたリボンを載置した表面２４は、切断部及び割れ目を有さず、均一で平滑である。
【００２９】
図１に示す攪拌ヘッド１４は、一つのポート又は複数のポートを有してもよい。しかしながら、攪拌ヘッド１４は、複数のポートを有することが好ましい。これに関連して、このポートの数及び寸法並びに適用される材料の量は、リボン１６の寸法及び形状を決定することに留意する。ベルト基材１０の表面速度が増加すると、このポートから材料を排出すべき量が増加することにも留意する。これに関連して、リボンの形状は、前の各パス（ｐａｓｓ）に適合する必要があるので、攪拌ヘッド１４の横速度を正確に制御することが非常に重要である。この成形線（つまり、個々のリボンが開始し終了する位置）は、リボンパターンを作成する際、適合すべきであることもさらに理解されるべきである。
【００３０】
本願の開示により明らかなことは、上述の方法を用いて溝を有する優れたベルト又は表面ロールが製造され得る点である。この方法において、溝を製造するためにリボンを直接堆積させることにより、先行技術で実用化されている溝の機械加工により生じる問題が少なくなる。特に、本発明は、溝を作るため、リボンを配置する技術を用いる。得られるリボンを有する表面は、ベルト又はロールの表面の剥離へと繋がる切断や割れ目がなく、均一で平滑となる。
【００３１】
さらに、上述の攪拌ヘッドを制御することにより、比較的大量の材料が、制御された様式で、制御された形態にて、３つの平面（ｘ、ｙ及びｚ）で、ベルト又はロールの表面の所望の領域に適用されてもよい。適用可能な位置において、このことにより、ロールカバーの一部として形成された例えば頂上部の形成が可能となり、或いは、機械を横切る方向に沿って、上述の表面の径において、その他の変形を形成することが可能となる。
【００３２】
本発明と上述の特許文献２との違いは、以下の通りであることに留意する。つまり、本発明は、エラストマー性を有するリボンストリームを堆積させる前に、ベルトの表面に化学反応性層３４（図３Ｂ参照）を最初に載置することを特定しているが、特許文献２に係る発明は、単に接着剤を前もって適用しているのみである。加えて、特許文献２及び３のいずれの発明も、既に形成された溝を有するストリップ３０を特定しているが（図３Ａ参照）、本発明は、溝を作るため、リボン３２を配置し、或いはゲル化方法を用いている。これは、主要な相違点である。その他の差異は、当業者に明らかであろう。
【００３３】
以上、本発明の好適実施例について、詳細に開示し説明してきたが、本発明の範囲は、これらに限定されるものではなく、むしろ、本発明の範囲は、添付した特許請求の範囲により決定されるべきものである。
【符号の説明】
【００３４】
１０ ベルト基材
１１ 心棒
１２ 化学反応性材料
１４ 堆積手段
１６ 第２材料
２０ 島
２２ 溝
２４ 表面
３０ ストリップ
３２ リボン
３４ 化学反応性層
【特許請求の範囲】
【請求項１】
紙及び紙製品の製造に使用するロールカバーの製造方法であって：
ａ）前記ロールカバーの基礎構造を設けるステップと；
ｂ）前記基礎構造上に化学反応性材料を載置するステップと；
ｃ）前記化学反応性材料の層上にエラストマー材料を堆積させるステップと、ここで前記化学反応性材料は溝のパターンを作るために前記エラストマー材料と反応し結合を作り出す；
を有することを特徴とする方法。
【請求項２】
前記ロールは外部表面を有しており、その外部表面は前記両方の材料が堆積させられる前記基礎構造であることを特徴とする請求項１に記載の方法。
【請求項３】
均一な厚みを設けるように、制御された様式で、前記基礎構造上に前記エラストマー材料を堆積させるステップをさらに有することを特徴とする請求項１に記載の方法。
【請求項４】
前記基礎構造は、織物と、不織物と、ＭＤ又はＣＤヤーンアレイと、編地と、成形メッシュと、単繊維、諸より単繊維、多重繊維、諸より多重繊維及び人造繊維を包含するヤーンを有する織り材料及び不織材料の螺旋巻きストリップとからなる群から選択されることを特徴とする請求項１に記載の方法。
【請求項５】
前記化学反応性材料は、前記エラストマー材料を前記基礎構造に結合することを特徴とする請求項１に記載の方法。
【請求項６】
前記エラストマー材料は、攪拌ヘッドで堆積されることを特徴とする請求項１に記載の方法。
【請求項７】
前記攪拌ヘッドは、複数のポートを有することを特徴とする請求項６に記載の方法。
【請求項８】
前記エラストマー材料は、前記基礎構造を横切って前記攪拌ヘッドを横動して堆積されることを特徴とする請求項６に記載の方法。
【請求項９】
前記エラストマー材料は、液体のリボンストリームとして前記基礎構造上に堆積されることを特徴とする請求項１に記載の方法。
【請求項１０】
前記リボンストリームは、該リボンがその形状を保持し得るように、所定の時間で液体から固体に変化することを特徴とする請求項９に記載の方法。
【請求項１１】
頂上部を有するロールカバーを作るように、制御された様式で前記基礎構造上に前記エラストマー材料を堆積させて、前記ロールカバーの中央で最も厚く該中央から離れるに従って徐々に傾斜する不均一な厚みを設けるステップをさらに有することを特徴とする請求項１に記載の方法。
【請求項１２】
前記ステップｂ）において、前記化学反応性材料は、薄膜に堆積されることを特徴とする請求項１に記載の方法。
【請求項１３】
前記化学反応性材料が堆積された面と反対の前記基礎構造の面上に樹脂コーティングを設けるステップをさらに有することを特徴とする請求項１に記載の方法。
【請求項１４】
紙及び紙製品の製造に使用するロールカバーであって、
当該ロールカバーは：
ａ）基礎構造を設けるステップと；
ｂ）前記基礎構造上に化学反応性材料を載置するステップと；
ｃ）前記化学反応性材料の層上にエラストマー材料を堆積させるステップと、ここで前記化学反応性材料は溝のパターンを作るために前記エラストマー材料と反応し結合を作り出す；
を有する方法で製造されたものであることを特徴とするロールカバー。
【請求項１５】
均一な厚みを設けるように、制御された様式で、前記基礎構造上に前記エラストマー材料を堆積させるステップをさらに有することを特徴とする請求項１４に記載のロールカバー。
【請求項１６】
前記基礎構造は、織物と、不織物と、ＭＤ又はＣＤヤーンアレイと、編地と、成形メッシュと、単繊維、諸より単繊維、多重繊維、諸より多重繊維及び人造繊維を包含するヤーンを有する織り材料及び不織材料の螺旋巻きストリップとからなる群から選択されることを特徴とする請求項１４に記載のロールカバー。
【請求項１７】
前記化学反応性材料は、前記エラストマー材料を前記基礎構造に結合することを特徴とする請求項１４に記載のロールカバー。
【請求項１８】
前記エラストマー材料は、攪拌ヘッドで堆積されることを特徴とする請求項１４に記載のロールカバー。
【請求項１９】
前記攪拌ヘッドは、複数のポートを有することを特徴とする請求項１８に記載のロールカバー。
【請求項２０】
前記エラストマー材料は、前記基礎構造を横切って前記攪拌ヘッドを横動して堆積されることを特徴とする請求項１８に記載のロールカバー。
【請求項２１】
前記エラストマー材料は、液体のリボンストリームとして前記基礎構造上に堆積されることを特徴とする請求項１４に記載のロールカバー。
【請求項２２】
前記リボンストリームは、該リボンがその形状を保持し得るように、所定の時間で液体から固体に変化することを特徴とする請求項２１に記載のロールカバー。
【請求項２３】
頂上部を有するロールカバーを作るように、制御された様式で前記基礎構造上に前記エラストマー材料を堆積させて、前記ロールカバーの中央で最も厚く該中央から離れるに従って徐々に傾斜する不均一な厚みを設けるステップをさらに有することを特徴とする請求項１４に記載のロールカバー。
【請求項２４】
前記ステップｂ）において、前記化学反応性材料は、薄膜に堆積されることを特徴とする請求項１４に記載のロールカバー。
【請求項２５】
前記化学反応性材料が堆積された面と反対の前記基礎構造の面上に樹脂コーティングを有することを特徴とする請求項１４に記載のロールカバー。
【請求項１】
紙及び紙製品の製造に使用するロールカバーの製造方法であって：
ａ）前記ロールカバーの基礎構造を設けるステップと；
ｂ）前記基礎構造上に化学反応性材料を載置するステップと；
ｃ）前記化学反応性材料の層上にエラストマー材料を堆積させるステップと、ここで前記化学反応性材料は溝のパターンを作るために前記エラストマー材料と反応し結合を作り出す；
を有することを特徴とする方法。
【請求項２】
前記ロールは外部表面を有しており、その外部表面は前記両方の材料が堆積させられる前記基礎構造であることを特徴とする請求項１に記載の方法。
【請求項３】
均一な厚みを設けるように、制御された様式で、前記基礎構造上に前記エラストマー材料を堆積させるステップをさらに有することを特徴とする請求項１に記載の方法。
【請求項４】
前記基礎構造は、織物と、不織物と、ＭＤ又はＣＤヤーンアレイと、編地と、成形メッシュと、単繊維、諸より単繊維、多重繊維、諸より多重繊維及び人造繊維を包含するヤーンを有する織り材料及び不織材料の螺旋巻きストリップとからなる群から選択されることを特徴とする請求項１に記載の方法。
【請求項５】
前記化学反応性材料は、前記エラストマー材料を前記基礎構造に結合することを特徴とする請求項１に記載の方法。
【請求項６】
前記エラストマー材料は、攪拌ヘッドで堆積されることを特徴とする請求項１に記載の方法。
【請求項７】
前記攪拌ヘッドは、複数のポートを有することを特徴とする請求項６に記載の方法。
【請求項８】
前記エラストマー材料は、前記基礎構造を横切って前記攪拌ヘッドを横動して堆積されることを特徴とする請求項６に記載の方法。
【請求項９】
前記エラストマー材料は、液体のリボンストリームとして前記基礎構造上に堆積されることを特徴とする請求項１に記載の方法。
【請求項１０】
前記リボンストリームは、該リボンがその形状を保持し得るように、所定の時間で液体から固体に変化することを特徴とする請求項９に記載の方法。
【請求項１１】
頂上部を有するロールカバーを作るように、制御された様式で前記基礎構造上に前記エラストマー材料を堆積させて、前記ロールカバーの中央で最も厚く該中央から離れるに従って徐々に傾斜する不均一な厚みを設けるステップをさらに有することを特徴とする請求項１に記載の方法。
【請求項１２】
前記ステップｂ）において、前記化学反応性材料は、薄膜に堆積されることを特徴とする請求項１に記載の方法。
【請求項１３】
前記化学反応性材料が堆積された面と反対の前記基礎構造の面上に樹脂コーティングを設けるステップをさらに有することを特徴とする請求項１に記載の方法。
【請求項１４】
紙及び紙製品の製造に使用するロールカバーであって、
当該ロールカバーは：
ａ）基礎構造を設けるステップと；
ｂ）前記基礎構造上に化学反応性材料を載置するステップと；
ｃ）前記化学反応性材料の層上にエラストマー材料を堆積させるステップと、ここで前記化学反応性材料は溝のパターンを作るために前記エラストマー材料と反応し結合を作り出す；
を有する方法で製造されたものであることを特徴とするロールカバー。
【請求項１５】
均一な厚みを設けるように、制御された様式で、前記基礎構造上に前記エラストマー材料を堆積させるステップをさらに有することを特徴とする請求項１４に記載のロールカバー。
【請求項１６】
前記基礎構造は、織物と、不織物と、ＭＤ又はＣＤヤーンアレイと、編地と、成形メッシュと、単繊維、諸より単繊維、多重繊維、諸より多重繊維及び人造繊維を包含するヤーンを有する織り材料及び不織材料の螺旋巻きストリップとからなる群から選択されることを特徴とする請求項１４に記載のロールカバー。
【請求項１７】
前記化学反応性材料は、前記エラストマー材料を前記基礎構造に結合することを特徴とする請求項１４に記載のロールカバー。
【請求項１８】
前記エラストマー材料は、攪拌ヘッドで堆積されることを特徴とする請求項１４に記載のロールカバー。
【請求項１９】
前記攪拌ヘッドは、複数のポートを有することを特徴とする請求項１８に記載のロールカバー。
【請求項２０】
前記エラストマー材料は、前記基礎構造を横切って前記攪拌ヘッドを横動して堆積されることを特徴とする請求項１８に記載のロールカバー。
【請求項２１】
前記エラストマー材料は、液体のリボンストリームとして前記基礎構造上に堆積されることを特徴とする請求項１４に記載のロールカバー。
【請求項２２】
前記リボンストリームは、該リボンがその形状を保持し得るように、所定の時間で液体から固体に変化することを特徴とする請求項２１に記載のロールカバー。
【請求項２３】
頂上部を有するロールカバーを作るように、制御された様式で前記基礎構造上に前記エラストマー材料を堆積させて、前記ロールカバーの中央で最も厚く該中央から離れるに従って徐々に傾斜する不均一な厚みを設けるステップをさらに有することを特徴とする請求項１４に記載のロールカバー。
【請求項２４】
前記ステップｂ）において、前記化学反応性材料は、薄膜に堆積されることを特徴とする請求項１４に記載のロールカバー。
【請求項２５】
前記化学反応性材料が堆積された面と反対の前記基礎構造の面上に樹脂コーティングを有することを特徴とする請求項１４に記載のロールカバー。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公開番号】特開２０１０−１５９５３５（Ｐ２０１０−１５９５３５Ａ）
【公開日】平成２２年７月２２日（２０１０．７．２２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−６２２９６（Ｐ２０１０−６２２９６）
【出願日】平成２２年３月１８日（２０１０．３．１８）
【分割の表示】特願２００６−５３３２０３（Ｐ２００６−５３３２０３）の分割
【原出願日】平成１６年５月１９日（２００４．５．１９）
【出願人】（５９１０９７４１４）アルバニー インターナショナル コーポレイション (110)
【氏名又は名称原語表記】ＡＬＢＡＮＹ ＩＮＴＥＲＮＡＴＩＯＮＡＬ ＣＯＲＰＯＲＡＴＩＯＮ
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年７月２２日（２０１０．７．２２）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年３月１８日（２０１０．３．１８）
【分割の表示】特願２００６−５３３２０３（Ｐ２００６−５３３２０３）の分割
【原出願日】平成１６年５月１９日（２００４．５．１９）
【出願人】（５９１０９７４１４）アルバニー インターナショナル コーポレイション (110)
【氏名又は名称原語表記】ＡＬＢＡＮＹ ＩＮＴＥＲＮＡＴＩＯＮＡＬ ＣＯＲＰＯＲＡＴＩＯＮ
【Ｆターム（参考）】
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