説明

溝入れホルダ

【課題】汎用の六角ナットおよび六角ボルトと組み合わせて、T溝ナットおよびT溝ボルト等を構成でき、コスト削減を図ることができる溝入れホルダを提供する。
【解決手段】溝入れホルダ1の本体部2は、幅広部7および幅狭部8を有し、T溝等の溝に長さ方向に移動可能かつ回転不可能に嵌合できる。この本体部2に設けられたナット・ボルト頭部収容部9は、本体部2の底部に開口する収容部開口16を有し、汎用の六角ナット10または六角ボルトの頭部を、本体部2に対し回転不可能に嵌合されるようにして、収容部開口16を通して挿入される。軸穴17が本体部2に貫通されており、この軸穴17に、六角ナット10に螺合されるボルトの軸部または頭部をナット・ボルト頭部収容部9に収容される六角ボルトの軸部が挿通される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は六角ナットまたは六角ボルトと組み合わされて、T溝ナット、後入れナット等の溝入れナット、またはT溝ボルト、後入れボルト等の溝入れボルトを構成する溝入れホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、工作機械のテーブル、定盤等に設けられたT溝に嵌合され、前記テーブル、定盤等に所望の被取付物を取り付けるために使用されるT溝ナットおよびT溝ボルトは、産業現場において広く用いられており、これらのT溝、T溝ナットおよびT溝ボルトについては、JIS規格が定められている(非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3)。
【0003】
また、アルミフレーム等の支持体に設けられた溝に嵌合され、前記支持体に所望の被取付物を取り付けるために使用される所謂後入れナットおよび後入れボルトも広く用いられている。
【0004】
本出願においては、T溝ナット、後入れナットまたは同種のナットを溝入れナットと総称し、T溝ボルト、後入れボルトまたは同種のボルトを溝入れボルトと総称するものとする。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】JIS B 0952 工作機械のテーブル−T溝及びそのボルト
【非特許文献2】JIS B 1167 T溝ナット
【非特許文献3】JIS B 1166 T溝ボルト
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のT溝ナット、後入れナット等の溝入れナットおよびT溝ボルト、後入れボルト等の溝入れボルトは、
(a)特殊な形状となるため、汎用の六角ナットおよび六角ボルトに比しかなり高価なものとなる、
(b)ユーザーは、溝入れナットと溝入れボルトとをそれぞれ別個に購入および保有する必要があり、このこともユーザーの経済的負担を大きくする、
(c)ユーザーは、ねじ部のピッチ、ねじ山の条数、ねじ山形状、ボルトの長さ等の各種仕様を自由に選択できない、
等の問題があった。
【0007】
本発明はこのような従来の事情に鑑みてなされたもので、本発明の目的の一つは、汎用の六角ナットおよび六角ボルトと組み合わせて使用でき、組み合わせる汎用の六角ナットまたは六角ボルトの価格を含めても、従来の溝入れナットおよび溝入れボルトより安価とすることができる溝入れホルダを提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、共通の溝入れホルダを使用して溝入れナットを構成することも、溝入れボルトを構成することもでき、この面においてもユーザーの経済的負担を小さくすることができる溝入れホルダを提供することにある。
【0009】
本発明のさらに他の目的は、汎用の六角ナットおよび六角ボルトを組み合わせて使用することにより、ねじ部の各種仕様をユーザーが自由に選択できるを溝入れホルダを提供することにある。
【0010】
本発明のさらに他の目的は、以下の説明から明らかになろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明による溝入れホルダは、
挿入先となる溝の底部側に形成されている幅の広い幅広部および前記溝の開放側に設けられている幅の狭い幅狭部にそれぞれ対応する幅の広い幅広部および幅の狭い幅狭部を有し、前記幅広部同士および前記幅狭部同士を嵌合されることにより、前記溝に該溝の長さ方向に移動可能かつ該溝に対して回転不可能に嵌合される本体部と、
前記本体部のうちの前記幅広部を含む底部側部分に設けられていて、前記本体部の底部に開口する収容部開口を有しており、六角ナットまたは六角ボルトの頭部を、該六角ナットまたは六角ボルトの頭部が前記本体部に対し回転不可能に嵌合されることとなるようにして、前記収容部開口を通して軸方向に挿入されて収容するナット・ボルト頭部収容部と、
前記ナット・ボルト頭部収容部と同軸に、前記本体部の頂面から前記ナット・ボルト頭部収容部にまで達するように前記本体部に貫通されており、前記六角ナットに螺合されるボルトの軸部または前記六角ボルトの軸部を挿通される軸穴とを有してなるものである。
【0012】
本発明による溝入れホルダは、汎用の六角ナットまたは六角ボルトと組み合わせて溝入れナットまたは溝入れボルトを構成できるので、組み合わせる汎用の六角ナットまたは六角ボルトの価格を含めても、従来の溝入れナットおよび溝入れボルトより安価とすることができる。
【0013】
また、本発明による溝入れホルダは、共通の溝入れホルダを使用して、溝入れナットを構成することも、溝入れボルトを構成することもできるので、この面においてもユーザーの経済的負担を小さくすることができる。
【0014】
さらに、本発明による溝入れホルダは、ねじ部は汎用の六角ナットまたはボルトのねじ部に構成させるので、希望する仕様のねじ部を有する汎用の六角ナットまたは六角ボルトを選択することにより、ねじ部の各種仕様をユーザーが自由に選択できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の溝入れホルダは、
(イ)汎用の六角ナットまたは六角ボルトと組み合わせて使用することにより、組み合わせる汎用の六角ナットまたは六角ボルトの価格を含めても、従来の溝入れナットおよび溝入れボルトより安価とすることができる、
(ロ)共通の溝入れホルダを使用して、溝入れナットを構成することも、溝入れボルトを構成することもできるので、この面においてもユーザーの経済的負担を小さくすることができる、
(ハ)組み合わせる汎用の六角ナットまたは六角ボルトとして、希望する仕様のねじ部を有するものを選択することにより、ユーザーがねじ部の各種仕様を自由に選択できる、
等の優れた効果を得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の溝入れホルダの実施例1を示す斜視図である。
【図2】実施例1の溝入れホルダを示す正面図である。
【図3】実施例1の溝入れホルダを示す側面図である。
【図4】実施例1の溝入れホルダを示す平面図である。
【図5】実施例1の溝入れホルダを示す底面図である。
【図6】図4のVI−VI線における断面図である。
【図7】図4のVII−VII線における断面図である。
【図8】実施例1の溝入れホルダに六角ナットを収容してT溝ナットを構成した状態を示す底面図である。
【図9】図8のIX−IX線における断面図である。
【図10】図8のX−X線における断面図である。
【図11】実施例1の溝入れホルダに六角ナットを収容して構成したT溝ナットの使用状態を示す断面図である。
【図12】実施例1の溝入れホルダに六角ボルトを収容してT溝ボルトを構成した状態を示す断面図である(断面位置は図4のVI−VI線に対応する)。
【図13】実施例1の溝入れホルダに六角ボルトを収容してT溝ボルトを構成した状態を示す断面図である(断面位置は図4のVII−VII線に対応する)。
【図14】実施例1の溝入れホルダに六角ボルトを収容して構成したT溝ボルトの使用状態を示す断面図である。
【図15】本発明の溝入れホルダの実施例2を示す斜視図である。
【図16】実施例2の溝入れホルダを示す正面図である。
【図17】実施例2の溝入れホルダを示す側面図である。
【図18】実施例2の溝入れホルダを示す平面図である。
【図19】実施例2の溝入れホルダを示す底面図である。
【図20】図18のXX−XX線における断面図である。
【図21】図18のXXI−XXI線における断面図である。
【図22】実施例2の溝入れホルダに六角ナットを収容してT溝ナットを構成した状態を示す底面図である。
【図23】図22のXXIII−XXIII線における断面図である。
【図24】図22のXXIV−XXIV線における断面図である。
【図25】実施例2の溝入れホルダに六角ボルトを収容してT溝ボルトを構成した状態を示す断面図である(断面位置は図18のXX−XX線に対応する)。
【図26】実施例2の溝入れホルダに六角ボルトを収容してT溝ボルトを構成した状態を示す断面図である(断面位置は図18のXXI−XXI線に対応する)。
【図27】本発明の溝入れホルダの実施例3を示す断面図である。
【図28】実施例3の溝入れホルダのナット・ボルト脱落止め手段付近を示す部分拡大断面図である。
【図29】実施例3の溝入れホルダに六角ナットを収容した状態を示す断面図である。
【図30】本発明の溝入れホルダの実施例4における脱落止めユニットを示す断面図である。
【図31】実施例4の溝入れホルダのナット・ボルト脱落止め手段付近を示す部分拡大断面図である。
【図32】本発明の溝入れホルダの実施例5のナット・ボルト脱落止め手段付近を示す部分を示す拡大断面図である。
【図33】本発明の溝入れホルダの実施例6を示す底面図である。
【図34】図33のXXXIV−XXXIV線における断面図である。
【図35】実施例6の溝入れホルダに六角ナットを収容した状態を示す断面図である。
【図36】本発明の溝入れホルダの実施例7を示す底面図である。
【図37】実施例7の溝入れホルダに六角ナットを収容した状態を示す底面図である。
【図38】実施例7の溝入れホルダに六角ナットを図37とは30度向きを変えて収容した状態を示す底面図である。
【図39】本発明の溝入れホルダの実施例8を示す正面図である。
【図40】実施例8の溝入れホルダを示す側面図である。
【図41】実施例8の溝入れホルダを示す平面図である。
【図42】実施例8の溝入れホルダを示す底面図である。
【図43】図41のXLIII−XLIII線における断面図である。
【図44】図41のXLIV−XLIV線における断面図である。
【図45】実施例8の溝入れホルダに六角ナットを収容して構成した後入れナットをアルミフレームのフレーム溝に収容した状態を示す底面図である。
【図46】実施例8の溝入れホルダに六角ボルトを収容して構成した後入れボルトをアルミフレームのフレーム溝に収容した状態を示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。
【実施例1】
【0018】
図1〜14は本発明の実施例1を示している。本実施例は、本発明の溝入れホルダをT溝ナットおよびT溝ボルト構成用とした例である。溝入れホルダ1の本体部2は全ての部分を鋼鉄、ステンレス鋼、アルミ合金等の金属またはプラスチック等の材料により一体的に構成されている。この本体部2は、挿入先となる工作機械のテーブル、定盤等の支持体3に設けられたT溝4(図11,14参照)の底部側(図の下方側)に形成されている幅の広い幅広部5および該T溝4の開放側(図の上方側)に形成されている幅の狭い幅狭部6にそれぞれ対応する幅の広い幅広部7および幅の狭い幅狭部8を有していて、正面方向(図2における紙面に垂直な方向)から見ると、逆T字状をなしている。そして、図11,14に示されるように、前記幅広部5,7同士および前記幅狭部6,8同士を嵌合されることにより、T溝4に、該T溝4の長さ方向(図11,14における紙面に垂直な方向)に移動可能かつ該T溝4に対して回転不可能に嵌合できるようになっている。
【0019】
前記本体部2には、本体部2の底面(幅広部7の底面でもある)から頂面側に向かって陥没する凹部状のナット・ボルト頭部収容部9が設けられている。このナット・ボルト頭部収容部9の内壁は、組み合わされて使用される汎用の六角ナット10(図8〜11参照)または六角ボルト11の頭部11a(図12〜14参照)の6つの頂角部のうちの4つの頂角を嵌合される角部12〜15(図5参照)を有している。前記ナット・ボルト頭部収容部9は、本体部2の底部側に開口する収容部開口16を有しており、六角ナット10または六角ボルト11の頭部11aを、それらの6つの頂角部のうちの4つの頂角部がナット・ボルト頭部収容部9の角部12〜15に嵌合されるようにして、収容部開口16を通して軸方向に挿入されて収容するようになっている。この収容状態では、六角ナット10または六角ボルト11の頭部11aの頂角部が角部12〜15に嵌合されることにより、六角ナット10または六角ボルト11の頭部11aは本体部2に対して回転不可能な状態となる。なお、本実施例では、このとき、六角ナット10または六角ボルト11の頭部11aがなす六角の6辺のうちの1組の対向する2辺がT溝4の長さ方向に対し垂直方向になるようにされている。
【0020】
また、本実施例では、幅広部7は、その中間に位置するナット・ボルト頭部収容部9によって分断されることにより、本体部2の両端部にそれぞれ位置する2つの部分に完全に分断されており、幅狭部8は前記分断された幅広部7の2つの部分間に跨がるようにして形成されている。前記本体部2の頂面(幅狭部8の頂面)、本体部2の底面(幅広部7の底面)およびナット・ボルト頭部収容部9の天井面(幅狭部8の底面)は、ナット・ボルト頭部収容部9の軸線に対して垂直な平面状をなしている。前記幅狭部8の中心部には、横断面円形の軸穴17が貫通されている。この軸穴17の軸線17aはナット・ボルト頭部収容部9の軸線9aと同軸とされている(図6,7参照)。
【0021】
前記本体部2の幅広部7の長さ方向の一端側には、ねじ穴18がナット・ボルト頭部収容部9の軸線9aと垂直方向に貫通されており、このねじ穴18には後端部に六角穴状のリセス19aを有する止めねじ19が螺合されている。前記ねじ穴18および止めねじ19は、本実施例において、ナット・ボルト頭部収容部9からの六角ナット10または六角ボルト11の頭部11aの脱落を防止するナット・ボルト脱落止め手段を構成するものである。
【0022】
次に、本実施例の溝入れホルダ1の使用方法について説明する。まず、T溝ナットを構成させる場合は、ナット・ボルト頭部収容部9の角部12〜15に汎用の六角ナット10の頂角部の位置を合わせた状態で、溝入れホルダ1に対して六角ナット10を相対的に軸方向に移動し、六角ナット10を収容部開口16を通してナット・ボルト頭部収容部9内に挿入する。図8〜10は、ナット・ボルト頭部収容部9内に六角ナット10が完全に収容された状態を示している。この状態では、ナット・ボルト頭部収容部9の角部12〜15に六角ナット10の4つの頂角部が嵌合しており、溝入れホルダ1に対して六角ナット10は回転できない状態となっている。これにより、溝入れホルダ1および汎用の六角ナット10により、T溝ナットが構成され、従来のT溝ナットと同様に使用できる。
【0023】
また、本実施例においては、ナット・ボルト頭部収容部9内に六角ナット10を収容した状態で止めねじ19を締め付け、該止めねじ19の先端を六角ナット10の側部に押圧することにより、六角ナット10を本体部2から脱落不可能とすることができる。したがって、ナット・ボルト頭部収容部9内に六角ナット10を収容した後、溝入れホルダ1と六角ナット10とにより構成されたT溝ナットをT溝4に嵌合するまでに、六角ナット10が溝入れホルダ1から脱落してしまうのを防止できる。
【0024】
図11は、溝入れホルダ1および汎用の六角ナット10により構成されたT溝ナットをT溝4に嵌合して使用している状態を示している。同図において符号20は被取付物、21はナット9に螺合されたボルト、22は座金を示している。
【0025】
なお、図11から明らかなように、本体部2の幅広部7および幅狭部8がT溝4の幅広部5および幅狭部6にそれぞれ嵌合されたとき、ナット・ボルト頭部収容部9の軸線9aおよび軸穴17の軸線17aがT溝4の横断面の中心線に合致することとなるようにされている。
【0026】
次に、T溝ボルトを構成する場合は、図12および13のように、汎用の六角ボルト11の軸部11bを軸穴17に挿通し、ナット・ボルト頭部収容部9の角部12〜15に六角ボルト11の頭部11aの頂角部の位置を合わせた状態で、溝入れホルダ1に対して六角ボルト11の頭部11aを相対的に軸方向に移動し、六角ボルト11の頭部11aを収容部開口16を通してナット・ボルト頭部収容部9内に挿入する。図12および13は、ナット・ボルト頭部収容部9内に六角ボルト11の頭部11aが完全に収容された状態を示している。この状態では、ナット・ボルト頭部収容部9の角部12〜15に六角ボルト11の頭部11aの4つの頂角部が嵌合しており、溝入れホルダ1に対して六角ボルト11は回転できない状態となっている。これにより、溝入れホルダ1および汎用の六角ボルト11により、T溝ボルトが構成され、従来のT溝ボルトと同様に使用できる。
【0027】
この場合も、本実施例においては、ナット・ボルト頭部収容部9内に六角ボルト11の頭部11aを収容した状態で止めねじ19を締め付け、該止めねじ19の先端を六角ボルト11の頭部11aの側部に押圧することにより、六角ボルト11の頭部11aを本体部2から脱落不可能とすることができる。これにより、ナット・ボルト頭部収容部9内に六角ボルト11の頭部11aを収容した後、溝入れホルダ1と汎用の六角ボルト11とにより構成されたT溝ボルトをT溝4に嵌合するまでに、六角ボルト11が溝入れホルダ1から脱落してしまうのを防止できる。
【0028】
図14は、溝入れホルダ1および六角ボルト11により構成されたT溝ボルトをT溝4に嵌合して使用している状態を示している。なお、同図において符号20は被取付物、23は六角ボルト11に螺合されたナット、24は座金を示している。
【0029】
この溝入れホルダ1は、汎用の六角ナット10または六角ボルト11と組み合わせてT溝ナットまたはT溝ボルトを構成できるので、組み合わせる汎用の六角ナット10または六角ボルト11の価格を含めても、従来のT溝ナットおよびT溝ボルトより安価とすることができる。
【0030】
また、この溝入れホルダ1は、共通の溝入れホルダ1を使用して、T溝ナットを構成することも、T溝ボルトを構成することもできるので、この面においてもユーザーの経済的負担を小さくすることができる。
【0031】
さらに、この溝入れホルダ1は、ねじ部は六角ナット10または六角ボルト11のねじ部に構成させるので、希望する仕様のねじ部を有する汎用の六角ナット10または六角ボルト11を選択することにより、ねじ部の各種仕様をユーザーが自由に選択できる。
【0032】
なお、本実施例では、ナット・ボルト頭部収容部9の天井面が幅狭部8の底面(幅広部7の頂面)と同一平面となるようにしているが、本発明においては、ナット・ボルト頭部収容部9の天井面がより上方の幅狭部8内に位置するようにしてもよいし、逆にナット・ボルト頭部収容部9の天井面が幅広部7の頂面より底部側に位置するようにしてもよい。
【実施例2】
【0033】
JISに準拠したT溝4に使用する場合は、JISに規定されているT溝の幅広部の幅の大きさの関係上、本体部2の幅広部4の幅は大きくすることができない。したがって、実施例1のように六角ナット10または六角ボルト11の頭部11aがなす六角の6辺のうちの1組の対向する2辺がT溝4の長さ方向に対し垂直方向に配置されることとなる構成とした場合、幅広部7がナット・ボルト頭部収容部9により完全に2つの部分に分離された形状とせざるを得ない。しかし、このような構成の場合、締め付け時に大きな力が作用すると、場合によっては、本体部2の変形が大きくなり、不都合が生じる虞がある。
【0034】
図15〜26は、本発明による溝入れホルダ1の実施例2を示しており、実施例1の上述の問題を解決するものである。
【0035】
本実施例においては、図19によく示されるように、ナット・ボルト頭部収容部9の配設方向を、六角ナット10または六角ボルト11の頭部11aがなす六角の6辺のうちの1組の対向する2辺がT溝4の長さ方向と平行方向に配置される方向とすることにより、幅広部7が2つの部分に完全に分断されず、軸方向から見て周囲を全周に渡って閉じられた形状となるようにしている。したがって、締め付け時に大きな力が作用しても、本体部2の変形が大きくなるという問題を生じることがなく、しかもJISに準拠したT溝4用等の場合のように幅広部4の幅を大きくすることができない場合に使用可能である。
【0036】
なお、本実施例においても、ナット・ボルト頭部収容部9は、本体部2の底面(幅広部7の底面でもある)から上方の幅狭部8側に向かって陥没する凹部状とされており、底部側に開口する収容部開口16を有し、六角ナット10または六角ボルト11の頭部11aはこの収容部開口16を通して軸方向に前記ナット・ボルト頭部収容部9内に収容されるようになっている。ただし、ナット・ボルト頭部収容部9は、その軸方向から見て、組み合わされて使用される六角ナット10または六角ボルト11の頭部がなす六角形状に対応する大きさの完全な六角形状をなしている。また、ナット・ボルト頭部収容部9の天井面は幅広部7の頂面よりやや幅広部7の底部側に位置している。
【0037】
他の構成は前記実施例1と同様であり、実施例1の場合と同様に使用でき、実施例1の場合と同様の作用効果を得ることができる。
【実施例3】
【0038】
図27〜29は、本発明による溝入れホルダ1の実施例3を示している。本実施例においては、ナット・ボルト脱落止め手段は次のように構成されている。
【0039】
前記本体部2の幅広部7には、ナット・ボルト頭部収容部9の軸線9aに対し垂直方向に横断面円形の横穴25が設けられており、この横穴25の外側端は外部に開口し、内側端はナット・ボルト頭部収容部9に開口している。前記横穴25の外側端は、該横穴25に圧入された蓋体26により閉じられている。前記横穴25の内側端側には、一定範囲内において該横穴25の長さ方向に移動可能に球状の押圧体27が収容されている。前記横穴25には、押圧体27より奥側において、円板状の受け板28が横穴25の長さ方向に移動可能に収容されている。前記受け板28の中心部には円形の受け穴28aが設けられており、この受け穴28aで押圧体27を受けるようになっている。前記蓋体26と受け板28との間、ひいては本体部2と押圧体27との間には、圧縮ばねからなる付勢手段29が横穴25内に収容された状態で介在されており、押圧体27をナット・ボルト頭部収容部9の軸線9aに近づける方向に付勢している。なお、付勢手段29は他の種のばねや、ゴム弾性体等から構成してもよい。他の構成は実施例2と同様である。
【0040】
本実施例では、六角ナット10または六角ボルト11の頭部11aがナット・ボルト頭部収容部9に挿入されていないときは、付勢手段29に付勢されることにより、図27および28のように押圧体27の一部が前記ナット・ボルト頭部収容部9内に突出しているが、図29のように六角ナット10または六角ボルト11の頭部11aがナット・ボルト頭部収容部9に軸方向に押し込まれると、押圧体27が六角ナット10または六角ボルト11の頭部11aに押されて横穴25内に押し込まれ、六角ナット10または六角ボルト11の頭部11aがナット・ボルト頭部収容部9に十分に収容されたときには、押圧体27が六角ナット10または六角ボルト11の頭部11aの側部を押圧している状態となる(なお、図29では、六角ナット10を挿入する場合のみを示している)。他の構成は実施例2と同様である。
【0041】
本実施例においても、六角ナット10または六角ボルト11の頭部11aをナット・ボルト頭部収容部9に押し込むだけで、六角ナット10または六角ボルト11の頭部11aをナット・ボルト頭部収容部9から脱落不可能とすることができる。他の作用効果は実施例2と同様である。
【実施例4】
【0042】
図30および31は、本発明による溝入れホルダ1の実施例4を示している。本実施例においては、ナット・ボルト脱落止め手段の主要部が次に詳しく説明するようにユニット化されている。
【0043】
図30は、脱落止めユニット30のみを本体部2から取り外した状態で示しており、一端側に底部31aを有する大略有底円筒状の筒状ケース31の外周には雄ねじ部32、底部31aの外面には六角穴状のリセス33がそれぞれ設けられている。前記筒状ケース31内には、実施例3の場合と同様の押圧体27および受け板28が一定範囲内において該筒状ケース31の長さ方向に移動可能に収容されている。前記筒状ケース31の底部31aと受け板28との間には、圧縮ばねからなる付勢手段29が筒状ケース31内に収容された状態で介在されており、押圧体27を底部31aと反対側に付勢している。
【0044】
図31に示されるように、溝入れホルダ1の本体部2の幅広部7には、ナット・ボルト頭部収容部9の軸線9aに対し垂直方向に横穴25が貫通されている。この横穴25はねじ穴とされており、該横穴25の外側端は外部に開口し、内側端はナット・ボルト頭部収容部9に開口している。前記脱落止めユニット30は、筒状ケース31の雄ねじ部32を横穴25に螺合されることにより、本体部2に装着されている。
【0045】
本実施例においても、六角ナット10または六角ボルト11の頭部11aがナット・ボルト頭部収容部9に挿入されていないときは、付勢手段29に付勢されることにより、図31のように押圧体27の一部がナット・ボルト頭部収容部9内に突出しているが、六角ナット10または六角ボルト11の頭部11aがナット・ボルト頭部収容部9に軸方向に押し込まれると、押圧体27が六角ナット10または六角ボルト11の頭部11aに押されて筒状ケース31内に押し込まれ、六角ナット10または六角ボルト11の頭部11aがナット・ボルト頭部収容部9に十分に収容されたときには、押圧体27が六角ナット10または六角ボルト11の頭部11aの側部を押圧している状態となる。他の構成は実施例2と同様である。
【0046】
本実施例においても、実施例3の場合と同様に、六角ナット10または六角ボルト11の頭部11aをナット・ボルト頭部収容部9に押し込むだけで六角ナット10または六角ボルト11の頭部11aをナット・ボルト頭部収容部9から脱落不可能とすることができる。他の作用効果は実施例2と同様である。
【実施例5】
【0047】
図32は、本発明による溝入れホルダ1の実施例5を示している。本実施例においては、溝入れホルダ1の本体部2の幅広部7には、ナット・ボルト頭部収容部9の軸線9aに対し垂直方向に横断面円形の横穴25が設けられており、この横穴25の外側端は外部に開口し、内側端はナット・ボルト頭部収容部9に開口している。前記横穴25の外側端は、該横穴25に圧入された蓋体26により閉じられている。前記横穴25にはゴム、熱可塑性エラストマー等のゴム弾性体からなる円柱状のゴム弾性押圧体34が収容されている。
【0048】
本実施例では、六角ナット10または六角ボルト11の頭部11aがナット・ボルト頭部収容部9に挿入されていないときは、図32に示されるように、ゴム弾性押圧体34の一端部がナット・ボルト頭部収容部9内に突出しているが、六角ナット10または六角ボルト11の頭部11aがナット・ボルト頭部収容部9に軸方向に押し込まれると、ゴム弾性押圧体34が六角ナット10または六角ボルト11の頭部11aに押されて横穴25内に押し込まれ、六角ナット10または六角ボルト11の頭部11aがナット・ボルト頭部収容部9に十分に収容されたときには、ゴム弾性押圧体34が六角ナット10または六角ボルト11の頭部11aの側部を押圧している状態となる。他の構成は実施例2と同様である。
【0049】
本実施例においても、六角ナット10または六角ボルト11の頭部11aをナット・ボルト頭部収容部9に押し込むだけで六角ナット10または六角ボルト11の頭部11aをナット・ボルト頭部収容部9から脱落不可能とすることができる。他の作用効果は実施例2と同様である。
【実施例6】
【0050】
図33〜35は、本発明による溝入れホルダ1の実施例6を示している。本実施例においては、溝入れホルダ1は本体部2のみからなり、当該本体部2は全ての部分をプラスチックにより一体的に構成されている。ナット・ボルト頭部収容部9の6つの角部かつ収容部開口16付近には、係止突起35が突設されている。これらの係止突起35は、本実施例においてナット・ボルト脱落止め手段を構成するものである。他の構成は実施例2と同様である。
【0051】
本実施例においては、六角ナット10または六角ボルト11の頭部11aをナット・ボルト頭部収容部9に押し込んで行くと、係止突起35付近が六角ナット10または六角ボルト11の頭部11aに押されて変形し、六角ナット10または六角ボルト11の頭部11aの通過を許すが、六角ナット10または六角ボルト11の頭部11aが係止突起35を通過し、図35のように六角ナット10または六角ボルト11の頭部11aがナット・ボルト頭部収容部9内に十分に収容されると、係止突起35付近が元の形状に戻り、六角ナット10または六角ボルト11の頭部11aが逆戻りしてナット・ボルト頭部収容部9から脱落するのを防止する(なお、図35では、六角ナット10を挿入する場合のみを示している)。他の構成は実施例2と同様である。
【0052】
本実施例においても、六角ナット10または六角ボルト11の頭部11aをナット・ボルト頭部収容部9に押し込むだけで六角ナット10または六角ボルト11の頭部11aをナット・ボルト頭部収容部9から脱落不可能とすることができる。他の作用効果は実施例2と同様である。
【0053】
なお、係止突起35を設ける位置は必ずしもナット・ボルト頭部収容部9の角部でなくてもよいし、係止突起35の数も適宜選択することができる。
【実施例7】
【0054】
図36〜38は本発明の実施例7を示している。本実施例の溝入れホルダ1は、実施例1のナット・ボルト頭部収容部9の内壁に、角部12〜15,36〜41を30度間隔で設けたものである。他の構成は前記実施例1と同様である。
【0055】
前記各実施例では、ナット・ボルト頭部収容部9に対し六角ナット10または六角ボルト11の頭部11aを60度間隔で相対的に回転した位置毎に嵌合可能であったが、本実施例においては、図37および38に示されるように、ナット・ボルト頭部収容部9に対し六角ナット10または六角ボルト11の頭部11aを30度間隔で相対的に回転した位置毎に嵌合可能となるので、六角ナット10または六角ボルト11の頭部11aをナット・ボルト頭部収容部9内に収容する作業が容易になる(なお、図37,38では、六角ナット10を挿入する場合のみを示している)。
【実施例8】
【0056】
図39〜46は本発明の実施例8を示している。本実施例は、本発明の溝入れホルダを、アルミフレームに設けられたフレーム溝に挿入される後入れナットおよび後入れボルト構成用とした例である。
【0057】
図45および46に示されるように、本実施例における溝入れホルダ1の挿入先となる溝であるフレーム溝43は、押出加工によって製造される横断面大略正方形状のアルミフレーム42の4つの側面に設けられている。これらのフレーム溝43は、該フレーム溝43の底部側をなす幅の広い幅広部44と該フレーム溝43の開放側をなす幅の狭い幅狭部45とをそれぞれ有している。前記幅広部44はT溝の場合と異なり、矩形状ではなく逆台形状とされている。
【0058】
溝入れホルダ1の本体部2は全ての部分を鋼鉄、ステンレス鋼、アルミ合金等の金属またはプラスチック等の材料により一体的に構成されている。この本体部2は、フレーム溝43の幅広部44および幅狭部45に対応する形状および大きさの幅の広い幅広部7および幅の狭い幅狭部8を有している。そして、図45および46に示されるように、幅広部44,7同士および幅狭部45,8同士を嵌合されることにより、フレーム溝43に、該フレーム溝43の長さ方向に移動可能かつ該フレーム溝43に対して回転不可能に嵌合できるようになっている。
【0059】
前記本体部2には、実施例2の場合と同様のナット・ボルト頭部収容部9およびナット・ボルト脱落止め手段が設けられている。
【0060】
本実施例においては、後入れナットを構成させる場合は、ナット・ボルト頭部収容部9の角部に汎用の六角ナット10の頂角部の位置を合わせた状態で、六角ナット10を収容部開口16を通してナット・ボルト頭部収容部9内に軸方向に挿入して収容する。そして、図45のように溝入れホルダ1の本体部2をフレーム溝43に嵌合することにより、上記のように構成された後入れナットを用いて所望の被取付物(図示せず)をアルミフレーム42に取り付けることができる。
【0061】
次に、後入れボルトを構成させる場合は、汎用の六角ボルト11の軸部11bを軸穴17に挿通し、ナット・ボルト頭部収容部9の角部に六角ナットボルト11の頭部11aの頂角部の位置を合わせた状態で、六角ボルト11の頭部11aを収容部開口16を通してナット・ボルト頭部収容部9内に軸方向に挿入して収容する。そして、図46のように溝入れホルダ1の本体部2をフレーム溝43に嵌合することにより、上記のように構成された後入れボルトを用いて所望の被取付物(図示せず)をアルミフレーム42に取り付けることができる。
【0062】
なお、本実施例においても、止めねじ19を締め付け、該止めねじ19の先端を六角ナット10または六角ボルト11の頭部11aの側部に押圧することにより、六角ナット10または六角ボルト11を本体部2から脱落不可能とすることができる。
【0063】
なお、本発明においては、ナット・ボルト脱落止め手段は必ずしも必要ではない。六角ナットまたは六角ボルトは、溝に嵌合する前は溝入れホルダに対し軸線方向に移動可能であるが、溝に嵌合後は、溝の底面に下向きの移動を規制されるようになるので、ナット・ボルト脱落止め手段がなくても、ナット・ボルト頭部収容部から六角ナットまたは六角ボルトが脱落することはないからである。
【産業上の利用可能性】
【0064】
以上のように本発明による溝入れホルダは、汎用のナットまたはボルトと組み合わせて溝入れナットまたは溝入れボルトを構成し、テーブル、定盤、アルミフレーム等の支持体に設けられた溝に被取付物を取り付けるために使用でき、有用である。
【符号の説明】
【0065】
1 溝入れホルダ
2 本体部
4 T溝(溝)
5 T溝の幅広部
6 T溝の幅狭部
7 本体の幅広部
8 T溝の幅狭部
9 ナット・ボルト頭部収容部
9a ナット・ボルト頭部収容部の軸線
10 六角ナット
11 六角ボルト
11a 六角ボルトの頭部
11b 六角ボルトの軸部
12〜15 ナット・ボルト頭部収容部の角部
16 ナット・ボルト頭部収容部の開口
17 軸穴
17a 軸穴の軸線
18 ねじ穴(ナット・ボルト脱落止め手段)
19 止めねじ(ナット・ボルト脱落止め手段)
20 被取付物
21 ボルト
23 ナット
25 横穴(ナット・ボルト脱落止め手段)
26 蓋体(ナット・ボルト脱落止め手段)
27 押圧体(ナット・ボルト脱落止め手段)
29 付勢手段(ナット・ボルト脱落止め手段)
30 脱落止めユニット(ナット・ボルト脱落止め手段)
31 筒状ケース(ナット・ボルト脱落止め手段)
31a 筒状ケースの底部
34 ゴム弾性押圧体(ナット・ボルト脱落止め手段)
35 係止突起(ナット・ボルト脱落止め手段)
36〜41 角部
43 フレーム溝(溝)
44 フレーム溝の幅広部
45 フレーム溝の幅狭部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入先となる溝の底部側に形成されている幅の広い幅広部および前記溝の開放側に設けられている幅の狭い幅狭部にそれぞれ対応する幅の広い幅広部および幅の狭い幅狭部を有し、前記幅広部同士および前記幅狭部同士を嵌合されることにより、前記溝に該溝の長さ方向に移動可能かつ該溝に対して回転不可能に嵌合される本体部と、
前記本体部のうちの前記幅広部を含む底部側部分に設けられていて、前記本体部の底部に開口する収容部開口を有しており、六角ナットまたは六角ボルトの頭部を、該六角ナットまたは六角ボルトの頭部が前記本体部に対し回転不可能に嵌合されることとなるようにして、前記収容部開口を通して軸方向に挿入されて収容するナット・ボルト頭部収容部と、
前記ナット・ボルト頭部収容部と同軸に、前記本体部の頂面から前記ナット・ボルト頭部収容部にまで達するように前記本体部に貫通されており、前記六角ナットに螺合されるボルトの軸部または前記六角ボルトの軸部を挿通される軸穴とを有してなる溝入れホルダ。
【請求項2】
前記ナット・ボルト頭部収容部内に収容された前記六角ナットまたは前記六角ボルトの頭部を前記ナット・ボルト頭部収容部から脱落不可能とするナット・ボルト脱落止め手段をさらに有している請求項1記載の溝入れホルダ。
【請求項3】
前記ナット・ボルト脱落止め手段は、前記本体部に前記ナット・ボルト頭部収容部の軸線に対し垂直方向に設けられており、前記ナット・ボルト頭部収容部に開口する横穴と、前記横穴に、一定範囲内において該横穴の長さ方向に移動可能に収容された押圧体と、前記本体部と前記押圧体との間に介在されるようにして前記横穴内に収容され、前記押圧体を前記ナット・ボルト頭部収容部の軸線に近づける方向に付勢する付勢手段とを有してなり、
前記押圧体は前記六角ナットまたは前記六角ボルトの頭部が前記ナット・ボルト頭部収容部に挿入されていないときは、前記付勢手段に付勢されることにより、一部を前記ナット・ボルト頭部収容部内に突出されているが、前記六角ナットまたは前記六角ボルトの頭部が前記ナット・ボルト頭部収容部に挿入されて行くと、前記六角ナットまたは前記六角ボルトの頭部に押されて前記付勢手段の付勢力に抗して前記横穴内に押し込まれ、前記六角ナットまたは前記六角ボルトの頭部が前記ナット・ボルト頭部収容部に十分に収容されたときには、前記六角ナットまたは前記六角ボルトの頭部の側部を押圧している状態となる請求項2記載の溝入れホルダ。
【請求項4】
前記ナット・ボルト脱落止め手段は、前記本体部に前記ナット・ボルト頭部収容部の軸線に対し垂直方向に設けられており、前記ナット・ボルト頭部収容部に開口するねじ穴と、このねじ穴に螺合されており、前記ナット・ボルト頭部収容部内に収容された前記六角ナットまたは前記六角ボルトの頭部の側部に先端を押圧される止めねじとを有してなる請求項2記載の溝入れホルダ。
【請求項5】
前記ナット・ボルト脱落止め手段は、前記ナット・ボルト頭部収容部の収容部開口付近に前記本体部に一体的に突設された係止突起であり、前記六角ナットまたは前記六角ボルトの頭部が前記ナット・ボルト頭部収容部に挿入されて行くと、前記係止突起付近が前記六角ナットまたは前記六角ボルトの頭部に押されて変形し、前記六角ナットまたは前記六角ボルトの頭部の通過を許すが、前記六角ナットまたは前記六角ボルトの頭部が前記係止突起を通過し、前記ナット・ボルト頭部収容部内に十分に収容されると、前記係止突起付近が元の形状に戻り、前記六角ナットまたは前記六角ボルトの頭部が逆戻りして前記ナット・ボルト頭部収容部から脱落するのを防止するようになっている請求項2記載の溝入れホルダ。
【請求項6】
前記ナット・ボルト頭部収容部は、前記六角ナットまたは前記六角ボルトの頭部を少なくとも60度間隔で相対的に回転した位置で嵌合可能とされている請求項1乃至5項に記載の溝入れホルダ。
【請求項7】
前記ナット・ボルト頭部収容部は、該ナット・ボルト頭部収容部に前記六角ナットまたは前記六角ボルトの頭部が収容されたとき、前記六角ナットまたは前記六角ボルトの頭部がなす六角の6辺のうちの1組の対向する2辺が前記溝の長さ方向と平行方向に配置されることとなるように前記本体部の前記幅広部に設けられており、前記本体部の前記幅広部は軸方向から見て周囲を全周に渡って閉じられた形状とされている請求項1乃至5のいずれか1項に記載の溝入れホルダ。
【請求項8】
前記溝はT溝であり、前記ナット・ボルト頭部収容部に六角ナットを収容されたときは、該六角ナットとともにT溝ナットを構成し、前記ナット・ボルト頭部収容部に六角ボルトの頭部を収容されたときは、該六角ボルトとともにT溝ボルトを構成する請求項1乃至7のいずれか1項に記載の溝入れホルダ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【公開番号】特開2013−96461(P2013−96461A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238054(P2011−238054)
【出願日】平成23年10月29日(2011.10.29)
【出願人】(511264098)株式会社東京パーツセンター (1)