説明

溶出の促進された農薬粒剤

【課題】本発明の目的は、簡便な方法により、水中での農薬活性成分の溶出に優れ、かつ、長期保管で劣化しない農薬粒剤を提供すること。
【解決手段】(a)農薬活性成分、(b)フタル酸エステル、(c)ノニオン部のHLBが15.0〜16.5の範囲であるポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸エステルおよび(d)結晶セルロースを含有することを特徴とする、農薬粒剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中での農薬活性成分の溶出に優れ、かつ長期保管で劣化しない農薬粒剤に関する。
【背景技術】
【0002】
水田に施用される固型の農薬製剤としては粒剤が広く使用されている。しかし、水溶解度の低い農薬活性成分を有効成分とする農薬粒剤の場合、農薬活性成分の水中への溶出が低く、充分な薬剤の効果が発揮できない場合がある。従って、農薬粒剤から水中への農薬活性成分の溶出を促進させることが効果向上のための大きな課題となっている。
なお、本発明での、「水中への農薬活性成分の溶出」の定義は、水中にある農薬粒剤から、農薬活性成分が水中に拡散することを指す。
【0003】
農薬粒剤からの農薬活性成分の溶出促進技術についてはこれまでにいくつかの方法が知られている。例えば、
(1)ポリオキシアルキレンアリルエーテル、ポリオキシアルキレンアリルエーテルのリン酸エステル及び硫酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも一種の界面活性剤の存在下で、メジアン径0.5μmまで粉砕した固体農薬有効成分、及びリグニンスルホン酸塩とアルキルナフタレンスルホン酸の縮合物の少なくともいずれかを含有する湿式粉砕液を調製し、それと無機鉱物質を混合し、押し出し造粒、もしくは、顆粒への湿式粉砕液の吹きつけ、含浸して調製するもの(特許文献1参照)。
(2)リグニンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマースチリルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウムを使用するもの(特許文献2参照)。
(3)分子量が400以下の糖類、ポリカルボン酸系の界面活性剤および/又はポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル系界面活性剤を用いるもの(特許文献3参照)。
(4)スルホン酸塩系界面活性剤を用いるもの(特許文献4、5参照)。
(5)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルホスフェートと炭酸カルシウムで作った空玉に、有効成分を含浸させたもの(特許文献6参照)。
(6)N−アルキル−2−ピロリドンなどの水溶解度が1%以上の有機溶媒に、水難溶性の農薬活性成分を溶解させたもの(特許文献7、8参照)。
(7)イソブチレンまたはジイソブチレンとマレイン酸または無水マレイン酸との共重合体の水溶性の塩とスルホン酸系分散剤、炭酸カルシウムを用いるもの(特許文献9参照)。
(8)アニリノカルボニル部分を有する化学構造を持つ農薬活性成分とアルカリ土類金属の炭酸塩を用いるもの(特許文献10参照)。
(9)アルギン酸またはその塩、酸性白土または活性白土を用いるもの(特許文献11参照)。
(10)ポリオキシアルキレンスチリルフェニルエーテルサルフェートと芳香族スルホネートを用いるもの(特許文献12参照)。
などが知られている。
しかしながら、これらの方法は、促進効果が低い、あるいは良好な効果が得られたとしても、長期保存後に、溶出の劣化が認められる、などの満足のいくものではなかった。
【0004】
一方、本発明で使用されるフタル酸エステルは、農薬粒剤の組成物として広く一般的に使用されている。例えば、
(1) 常温固体の農薬活性成分を溶解させることによる結晶析出防止(特許文献13、14参照)。
(2) 茎葉吸収型水田用除草活性成分を浮かせることによる効果増強(特許文献15参照)。
などが挙げられる。
しかしながら、特許文献13、14は、農薬活性成分の溶出促進についての記載はない。また、特許文献15は、発明の効果に近い部分があるものの、農薬活性成分の溶出性についての記載はない。さらに、特許文献15では、水面に浮上することで効果が発現する茎葉吸収型の除草活性成分のみに使える発明であり、汎用性に乏しいという問題点がある。さらに、溶剤を吹きつけた粒剤は一般的に長期保管後に溶出が劣化しやすい傾向があり、これも大きな問題となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−184969号公報
【特許文献2】特開2000−143403号公報
【特許文献3】特開平9−157108号公報
【特許文献4】特開平5−246803号公報
【特許文献5】特開平11−79904号公報
【特許文献6】特開平11−43403号公報
【特許文献7】特開平9−249503号公報
【特許文献8】特開平9−249502号公報
【特許文献9】特開2003−306403号公報
【特許文献10】特開2006−249020号公報
【特許文献11】特開2004−359567号公報
【特許文献12】特開昭63−132804号公報
【特許文献13】特開昭63−107902号公報
【特許文献14】特開2005−82547号公報
【特許文献15】特開平5−65201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、簡便な方法によって、上記したような問題点がなく、水中での農薬活性成分の溶出に優れ、かつ、長期保管で劣化しない農薬粒剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。本発明を要約すると次のようになる。すなわち、
(1)(a)農薬活性成分、(b)フタル酸エステル、(c)ノニオン部のHLBが15.0〜16.5の範囲であるポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸エステルおよび(d)結晶セルロースを含有することを特徴とする、農薬粒剤。
(2)さらに(b)のフタル酸エステルが、フタル酸ジトリデシルであることを特徴とする、(1)に記載の農薬粒剤。
(3)さらに(c)のノニオン部のHLBが15.0〜16.5の範囲であるポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸エステルが、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸ナトリウムであることを特徴とする、(1)または(2)に記載の農薬粒剤。
【発明の効果】
【0008】
本発明を実施すると次のような効果がもたらされる。すなわち、第1に、本発明の粒剤は、フタル酸エステル、ポリオキシアルキレンアリルエーテル硫酸エステルおよび結晶セルロースを使用することにより、種々の農薬活性成分の水中への溶出を促進させることができる。第2に、その結果、農薬活性成分の効果を充分に発揮することができる。第3に、長期間保管した後でも溶出性の劣化を抑え、良好な水中溶出を保つことができる。第4に、特殊な技術を必要とせず、容易に水中への溶出が促進された粒剤を作ることができ、更に、コスト的にも安価である、などがあげられる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の農薬粒剤について具体的に説明する。
<農薬粒剤の調製方法について>
(a)農薬活性成分
本発明で用いる農薬活性成分は、殺虫剤、殺菌剤、除草剤、植物生長調節剤などの一般に農薬の活性成分として使用されるものであれば特に限定されず、農薬活性成分を1種または2種以上併用しても何らかまわない。ただし、水溶解度の高い農薬活性成分を用いた農薬粒剤は、本発明の方法を用いなくても高い水中溶出性を示すため、本発明の方法は、実質的には、水中への溶出を高めることが困難な水不溶性もしくは20℃における水溶解度が30ppm以下の農薬活性成分を用いる農薬粒剤に対して利用することができる。
【0010】
このような農薬活性成分としては次のものが挙げられる。
例えば、殺虫剤として有機リン系、カーバメート系(ベンフラカルブなど)、ピレスロイド系、ベンゾイルヒドラジド系、ネオニコチノイド系、トリアジン系、チオウレア系、オキサダイアジン系、フェニルピラゾール系、ネライストキシン系(ベンスルタップなど)およびベンゾイルフェニル尿素系の殺虫剤、天然殺虫剤、生物農薬、殺ダニ剤および殺線虫剤などが挙げられる。
【0011】
殺菌剤としては、例えば、無機銅類、有機銅類、無機硫黄剤、有機硫黄剤や、有機リン系、ベンゾイミダゾール系、ジカルボキシイミド系、酸アミド系(フルトラニルなど)、トリアゾール系、イミダゾール系、ピペラジン系、メトキシアクリレート系、オキサゾリジンジオン系、ストロビルリン系、アニリノピリミジン系、ジチオラン系、キノキサリン系、アミノピリミジン系、フェニルピロール系、トリアジン系、シアノアセトアミド系、グアニジン系の殺菌剤、抗生物質系殺菌剤、天然物殺菌剤および生物農薬などが挙げられる。
【0012】
除草剤としては、例えば、フェノキシ酸系、カーバメート系、酸アミド系(ブタクロール、テニルクロールなど)、アセトアニリド系、尿素系、スルホニル尿素系、ピリミジルオキシ安息香酸系、トリアジン系、ダイアジン系、ダイアゾール系、ビピリジリウム系、ジニトロアニリン系、芳香族カルボン酸系、イミダゾリノン系、脂肪酸系、有機リン系、アミノ酸系、ジフェニルエーテル系、ニトリル系、シクロヘキサンジオン系、フェニルフタルイミド系、シネオール系、インダンジオン系、ベンゾフラン系、トリアゾロピリミジン系、オキサジノン系、アリルトリアゾリノン系、イソウラゾール系、ピリミジニルチオフタリド系、トリアゾリノン系、無機除草剤、生物農薬などが挙げられる。
【0013】
植物生長調節剤としては、例えば、エチレン系、オーキシン系、サイトカイニン系、ジベレリン系などが挙げられる。
【0014】
なお、これらに含まれる個々の具体的な農薬活性成分は、例えば「農薬ハンドブック2005年版」(社団法人 日本植物防疫協会、平成17年10月11日発行)、「SHIBUYA INDEX 9th Edition」(平成13年12月15日発行)、「The Pesticide Manual Eleventh Edition」(British Crop Protection Council 発行)などに記載されている。
また、本発明において使用される農薬活性成分としては、本発明と同様の目的を果たし、農薬粒剤として適用されるものであるならば、上記以外の公知あるいは今後開発される農薬活性成分を適用することができる。
上記農薬活性成分の添加量は、農薬粒剤の全量に対して、通常0.01〜40重量%であり、好ましくは0.1〜10重量%、である。
【0015】
(b)フタル酸エステル
本発明の農薬粒剤には、フタル酸エステルが必須成分である。フタル酸エステル類とは、フタル酸とアルコールからなるエステルの総称であり、モノエステル、ジエステルがある。本発明で用いられるフタル酸エステルとしては、有用作物に薬害がなく、また、人および家畜に対する安全性の面から、ジエステルが好ましく、さらには、アルコールの炭素数がC10〜13の範囲のものが好ましい。これらは比重が1未満であり、水に実質的に不溶な溶剤である。
本発明において、フタル酸エステルは、農薬活性成分を溶かしても、溶かさなくてもよく、また、粒剤調製時に練り込んでも、また核粒に吹き付ける形で粒剤を調製してもよい。また、混和する他の有機溶剤と混合して添加してもよい。
このフタル酸エステルの中でも、特にフタル酸ジトリデシルを用いると、農薬活性成分の溶出促進効果がより優れたものとなる。
これらフタル酸エステルの添加量は、特に限定されないが、通常0.1〜15重量%の範囲であり、好ましくは1〜10重量%の範囲である。
【0016】
(c)ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸エステル
本発明の農薬粒剤には、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸エステルが必須であり、例えば、ナトリウム塩、アンモニウム塩、カリウム塩などが挙げられる。これらは一般的な分散剤として広く用いられているが、本発明に用いるのは、ノニオン部のHLBが15.0〜16.5の範囲である、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸エステルである。ここでHLBとは、界面活性剤の水と油への親和性の程度を表す値であり、本発明では、ノニオン部のHLBがこの範囲から外れると、農薬活性成分の溶出を充分に促進させることができない。
これらポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸エステルの中で、特にポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸ナトリウムを用いると農薬活性成分の溶出促進効果がより優れたものとなる。
これらポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸エステルの添加量は、特に限定されないが、通常0.1〜15重量%の範囲であり、好ましくは0.1〜10重量%の範囲である。
【0017】
(d)結晶セルロース
本発明で使用する結晶セルロースは、植物のパルプ繊維を原料とし、そのセルロース結晶領域を取り出して精製したものであり、パルプから取り出した結晶領域をそのまま乾燥させたものや、その結晶セルロースの表面を水溶性高分子で特殊コーティングしたものなどがあるが、それらのいずれでもよい。この結晶セルロースは、糖類に分類されるが水に不溶であり、同じ糖類であってもグルコース(ブドウ糖)やスクロース(ショ糖)、あるいはカルボキシメチルセルロース塩やでんぷん、デキストリンなどでは本発明の効果を得ることはできない。
この結晶セルロースの添加により、長期保管後でも溶出性の劣化がない粒剤を得ることができる。
本発明に用いられる結晶セルロースの、製剤中への添加量は、0.2〜10部、好ましくは0.5〜8部、さらに好ましくは1〜5部である。
【0018】
これら、(b)、(c)、(d)を添加することで、水中での農薬活性成分の溶出に優れ、かつ、長期保管で劣化しない農薬粒剤を調製することができる。その機構については明らかではないが、(b)、(c)および(d)はいずれも必須成分であり、どれか一つ欠けても十分な効果は認められない。
【0019】
本発明の農薬粒剤は、上記の必須成分のほかに、必要に応じて、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸エステル以外の界面活性剤、担体、結合剤、フタル酸エステル以外の有機溶剤、酸化防止剤、紫外線防止剤などの安定化剤、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、p−クロロ−m−キシレノール、p−オキシ安息香酸ブチルなどの防腐防バイ剤、クエン酸、炭酸マグネシウム、などのpH調整剤などをあげることができる。
【0020】
本発明に使用できる界面活性剤としては、次のようなものをあげることができる。
非イオン性界面活性剤として、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキレート、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンフェニルエーテルポリマー、ポリオキシエチレンアルキレンアリルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、シリコーン系界面活性剤(ポリオキシアルキレンジメチルポリシロキサンコポリマー)、アセチレングリコール系界面活性剤(2,4,7,9−テトラメチル−デシン−4,7−ジオールなど)などが挙げられる。
【0021】
また、陰イオン性界面活性剤として、ポリカルボン酸型界面活性剤、リグニンスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテルリン酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩が挙げられる。
【0022】
また、陽イオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩などが挙げられる。
【0023】
また、両性界面活性剤としては、ジアルキルアミノエチルベタイン、アルキルジメチルベンジルベタインなどが挙げられる。
【0024】
本発明で使用できる界面活性剤としてはこれらの例示に限られるものではなく、1種または2種以上を併用してもかまわない。
これらの界面活性剤は、1種類あるいは2種類以上を併用してよく、そして界面活性剤の製剤中への添加量は、一般的に製剤全体の0.01〜30重量部、好ましくは0.1〜10重量部である。
【0025】
本発明で用いることができる担体としては、例えば次のものを挙げることができる。すなわち、クレー、タルク、ベントナイト、炭酸カルシウム、ジークライト、セリサイト、酸性白土、珪石、ケイソウ土、軽石、ゼオライト、セピオライト、バーミキュライト、アタパルジャイト、シラスバルーンを粉砕したガラス質粉末、ホワイトカーボン、モミガラ、グルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース、などの単糖類、二糖類、多糖類、尿素、塩化カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、などが挙げられる。
本発明では、溶剤であるフタル酸エステルを添加するため、吸油能の高いホワイトカーボンなどを添加すると、良好な粒剤の調製が可能となる。
【0026】
本発明で用いることができる結合剤としては、例えば次のものが挙げられる。
水溶性高分子としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、カルボキシメチルデンプン、デキストリン、プルラン、アルギン酸ナトリウム、マンナン、ペクチン、トラガントガム、マンニット、ソルビトール、アルギン酸プロピレングリコールエステル、グアーガム、ローカストビーンガム、アラビアゴム、キサンタンガム、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、エチレン・プロピレンブロックポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、などが挙げられる。
【0027】
また、水溶性高分子以外のものとしては、エチルセルロース、コーンファイバー、キチン、キトサン、などである。
【0028】
本発明で用いることができる有機溶剤としては、例えば次のものが挙げられる。
エタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノールなどのアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのプロピレン系グリコールエーテル類、シクロヘキサン、γ−ブチロラクトンなどのケトン類、脂肪酸メチルエステル、二塩基酸メチルエステル(フタル酸エステルを除く)などのエステル類、N−アルキルピロリドン類、ヤシ油、大豆油、ナタネ油などの植物油類、ノルマルパラフィン、ナフテン、イソパラフィン、キシレン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ケロシンなどの炭化水素類をあげることができる。
【0029】
本発明における農薬粒剤は、例えば、農薬の製剤化において通常用いられる造粒法によって得ることができる。
造粒法としては、押出造粒法、転動造粒法、転動流動造粒法、流動層造粒法、攪拌混合造粒法、圧縮造粒法および打錠法などを挙げることができる。円柱状の造粒物を得る場合は、押出造粒法が好ましく、また球状の造粒物を得る場合は、転動造粒法および撹拌混合造粒法が好ましい。
【0030】
押出造粒法においては、まず農薬活性成分とノニオン部のHLBが15.0〜16.5であるポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸エステル、結晶セルロースさらに必要に応じて、結合剤、各種の補助剤、固体担体を添加して、ジュースミキサー、ハンマーミル、レディゲミキサーまたはリボンミキサーなどを用いて均一に混合する。この際、フタル酸エステルやその他の溶剤、または、液状の農薬活性成分は、クレーやホワイトカーボンなどの担体に吸油させて添加してもよく、また、添加せずに、後述する方法で調製した粒剤に吹き付ける、含浸させるなどして調製してもよい。この混合物に水を添加して双腕ニーダーまたはリボンミキサーなどを用いて混練する。
【0031】
次に、この混合物をバスケット型造粒機、スクリュー式造粒機などの押出造粒機を用いて造粒する。造粒時の押出し穴径(スクリーン径)は通常0.3〜5mm、好ましくは0.5〜2mmの範囲である。得られた造粒物をマルメライザーなどで整粒した後、流動層乾燥機やベッド式乾燥機などを用いて乾燥させ、次いで篩別することにより本発明で用いられる農薬粒剤が得られる。
【0032】
フタル酸エステルやその他の溶剤、または、液状の農薬活性成分を添加せずに上記の方法で粒剤を調製した場合は、粒剤調製後に含浸させる、スプレー等で吹き付ける、などして調製する。
【0033】
本発明における農薬粒剤は、田面水中にそのまま散布して使用するか、あるいは畑にそのまま均一散布すればよい。また、植穴処理剤あるいは箱処理剤としても使用することができる。
【0034】
以下、実施例に基づいて本発明の農薬粒剤を得る方法を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例、比較例中の「部」はすべて重量部を意味する。
【実施例1】
【0035】
フタル酸ジトリデシル3部をホワイトカーボン15部に吸油させた後、ベンスルタップ原体 3部、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸ナトリウム(ノニオン部HLB 16.2)1部、ラウリル硫酸ナトリウム 1部、結晶セルロース 1部、ポリビニルアルコール1.5部、およびクレー74.5部を加え、ハンマーミルで粉砕混合した。得られた粉体混合物に、水10%を加えて混練した。次にこの加水混練物を孔径1.2mmのバスケット型スクリーンをつけた押出造粒機で造粒した。得られた造粒物を整粒した後、流動層乾燥機で乾燥した。これを1700μm〜850μmで篩別して粒剤形態の本発明の農薬粒剤を得た。
実施例2以下においては、混練時の水の量は適時調整した。
【実施例2】
【0036】
実施例1において、フタル酸ジトリデシルをフタル酸ジアルキル(C10−13)とし、実施例1と同様の操作で調製し、本発明の農薬粒剤を得た。
【実施例3】
【0037】
実施例1において、フタル酸ジトリデシルをフタル酸ジデシルとし、実施例1と同様の操作で調製し、本発明の農薬粒剤を得た。
【実施例4】
【0038】
ブタクロール原体5部、フタル酸ジアルキル(C10−13)5部をマグネチックスターラーにて攪拌、相溶させ、これをホワイトカーボン15部に吸油させた後、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸ナトリウム(ノニオン部HLB16.2)3部、結晶セルロース 3部、変性デキストリン 5部、炭酸カルシウム 64部をハンマーミルで粉砕混合した後、実施例1と同様の操作で調製し、本発明の農薬粒剤を得た。
【実施例5】
【0039】
実施例4において、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸ナトリウム(ノニオン部HLB16.2)をポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸アンモニウム(ノニオン部HLB16.2)とし、実施例4と同様の操作で調製し、本発明の農薬粒剤を得た。
【実施例6】
【0040】
実施例4において、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸ナトリウム(ノニオン部HLB16.2)をポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸ナトリウム(ノニオン部HLB15.1)とし、実施例4と同様の操作で調製し、本発明の農薬粒剤を得た。
【実施例7】
【0041】
実施例4において、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸ナトリウム(ノニオン部HLB16.2)をポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸アンモニウム(ノニオン部HLB15.1)とし、実施例4と同様の操作で調製し、本発明の農薬粒剤を得た。
【実施例8】
【0042】
ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸ナトリウム(ノニオン部HLB16.2)3部、結晶セルロース 3部、ホワイトカーボン15部、変性デキストリン 5部、炭酸カルシウム 64部をハンマーミルで粉砕混合した後、実施例1と同様の操作で調製した空粒に、ブタクロール原体5部、フタル酸ジアルキル(C10−13)5部をマグネチックスターラーにて攪拌、相溶させて調製したオイルプレミックスをスプレーにて均一に吹き付け、完全に吸油させることで、本発明の農薬粒剤を得た。
【実施例9】
【0043】
ベンフラカルブ原体8部をホワイトカーボン15部に吸油させた後、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸ナトリウム(ノニオン部HLB16.2)3部、結晶セルロース 3部、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩2部、ケイソウ土15部、クレー49部をハンマーミルで粉砕混合した後、実施例1と同様の操作で調製した核粒に、フタル酸ジトリデシル5部をスプレーにて均一に吹き付け、完全に吸油させることで、本発明の農薬粒剤を得た。
【実施例10】
【0044】
実施例9において、フタル酸ジトリデシルをフタル酸ジデシルとし、実施例9と同様の操作で調製し、本発明の農薬粒剤を得た。
【実施例11】
【0045】
実施例9において、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸ナトリウム(ノニオン部HLB16.2)をポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸アンモニウム(ノニオン部HLB15.1)とし、実施例9と同様の操作で調製し、本発明の農薬粒剤を得た。
【実施例12】
【0046】
フルトラニル原体3部、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸ナトリウム(ノニオン部HLB16.2)1部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム1部、結晶セルロース1部、ポリカルボン酸金属塩3部、ベントナイト40部、ホワイトカーボン15部、タルク31部をハンマーミルで粉砕混合した後、実施例1と同様の操作で調製した粒剤に、フタル酸ジトリデシル5部をスプレーにて均一に吹き付け、完全に吸油させることで、本発明の農薬粒剤を得た。
【実施例13】
【0047】
実施例12において、フタル酸ジトリデシルをフタル酸ジアルキル(C10−13)とし、実施例12と同様の操作で調製し、本発明の農薬粒剤を得た。
【実施例14】
【0048】
実施例12において、フタル酸ジトリデシルを5部から2部に、タルクを31部から34部とし、実施例12と同様の操作で調製し、本発明の農薬粒剤を得た。
【実施例15】
【0049】
フタル酸ジトリデシル2部をケイソウ土10部に吸油させた後、テニルクロール20部、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸ナトリウム(ノニオン部HLB16.2)2部、ラウリル硫酸ナトリウム 1部、結晶セルロース 5部、ポリビニルアルコール1.5部、およびクレー58.5部を加え、実施例1と同様の操作で調製し、本発明の農薬粒剤を得た。
【実施例16】
【0050】
実施例15において、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸ナトリウム(ノニオン部HLB16.2)をポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸アンモニウム(ノニオン部HLB15.1)とし、実施例14と同様の操作で調製し、本発明の農薬粒剤を得た。
【実施例17】
【0051】
実施例16において、結晶セルロースを5部から1部に、クレーを58.5部から62.5部とし、実施例16と同様の操作で調製し、本発明の農薬粒剤を得た。
【0052】
<比較例1>
実施例1のフタル酸ジトリデシルを除き、クレーを74.5部から77.5部に代えた以外は、実施例1と同様の操作で調製し、比較例1の農薬粒剤を得た。
【0053】
<比較例2>
実施例1のフタル酸ジトリデシルをアジピン酸ジイソデシルに代えた以外は、実施例1と同様の操作で調製し、比較例2の農薬粒剤を得た。
【0054】
<比較例3>
実施例1の結晶セルロースを除き、クレーを74.5部から75.5部に代えた以外は、実施例1と同様の操作で調製し、比較例3の農薬粒剤を得た。
【0055】
<比較例4>
実施例1のフタル酸ジトリデシル、結晶セルロースを除き、ラウリル硫酸ナトリウムを、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムに、クレーを74.5部から78.5部に代えた以外は、実施例1と同様の操作で調製し、比較例4の農薬粒剤を得た。
【0056】
<比較例5>
実施例4のポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸ナトリウム(ノニオン部HLB16.2)をポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテルリン酸カリウムに代えた以外は、実施例4と同様の操作で調製し、比較例5の農薬粒剤を得た。
【0057】
<比較例6>
実施例4のポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸ナトリウム(ノニオン部HLB16.2)をポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸ナトリウム(ノニオン部HLB11.1)に代えた以外は、実施例4と同様の操作で調製し、比較例6の農薬粒剤を得た。
【0058】
<比較例7>
実施例4のポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸ナトリウム(ノニオン部 HLB16.2)をポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸アンモニウム(ノニオン部 HLB10.9)に代えた以外は、実施例4と同様の操作で調製し、比較例7の農薬粒剤を得た。
【0059】
<比較例8>
実施例4の結晶セルロースを除き、炭酸カルシウムを64部から67部に代えた以外は、実施例4と同様の操作で調製し、比較例8の農薬粒剤を得た。
【0060】
<比較例9>
実施例8のフタル酸ジアルキル(C10−13)をアジピン酸ジイソデシルに代えた以外は、実施例8と同様の操作で調製し、比較例9の農薬粒剤を得た。
【0061】
<比較例10>
実施例8のフタル酸ジアルキル(C10−13)をイソパラフィンに代えた以外は、実施例8と同様の操作で調製し、比較例10の農薬粒剤を得た。
【0062】
<比較例11>
実施例8の結晶セルロースを除き、炭酸カルシウムを64部から67部に代えた以外は、実施例8と同様の操作で調製し、比較例11の農薬粒剤を得た。
【0063】
<比較例12>
実施例8のフタル酸ジアルキル(C10−13)、結晶セルロースを除き、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸ナトリウム(ノニオン部 HLB16.2)をポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテルリン酸カリウムに代え、炭酸カルシウムを64部から72部に代えた以外は、実施例8と同様の操作で調製し、比較例12の農薬粒剤を得た。
【0064】
<比較例13>
実施例9の結晶セルロースを除き、クレーを49部から52部に代えた以外は、実施例9と同様の操作で調製し、比較例13の農薬粒剤を得た。
【0065】
<比較例14>
実施例9のフタル酸ジトリデシルをアジピン酸ジイソデシルに代えた以外は、実施例9と同様の操作で調製し、比較例14の農薬粒剤を得た。
【0066】
<比較例15>
実施例9のフタル酸ジトリデシル5部をアジピン酸ジイソデシル8部に代え、クレーを49部から46部とした以外は、実施例9と同様の操作で調製し、比較例15の農薬粒剤を得た。
【0067】
<比較例16>
実施例12の結晶セルロースをカルボキシメチルセルロースナトリウム塩に代えた以外は、実施例12と同様の操作で調製し、比較例16の農薬粒剤を得た。
【0068】
<比較例17>
実施例12のフタル酸ジトリデシルを除き、結晶セルロースをショ糖に代え、タルクを31部から36部に代えた以外は、実施例12と同様の操作で調製し、比較例17の農薬粒剤を得た。
【0069】
<比較例18>
フルトラニル原体3部、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸ナトリウム(ノニオン部HLB16.2)1部、リグニンスルホン酸ナトリウム1部、カルボキシメチルセルロースナトリウム 3部、ベントナイト40部、ホワイトカーボン15部、タルク37部をハンマーミルで粉砕混合した後、実施例1と同様の操作で調製し、比較例18の農薬粒剤を得た。
【0070】
<比較例19>
実施例15のフタル酸ジトリデシルをアジピン酸ジイソデシルに代え、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸ナトリウム(ノニオン部HLB16.2)を、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸ナトリウム(ノニオン部HLB11.1)に代えた以外は、実施例15と同様の操作で調製し、比較例19の農薬粒剤を得た。
【0071】
<比較例20>
実施例15の結晶セルロースをショ糖に代えた以外は実施例15と同様の操作で調製し、比較例20の農薬粒剤を得た。
【0072】
<比較例21>
実施例15の結晶セルロースをカルボキシメチルセルロースナトリウム塩に代えた以外は実施例15と同様の操作で調製し、比較例21の農薬粒剤を得た。
【0073】
次に、以上の実施例1〜17および比較例1〜21で調製した農薬粒剤を用いて、本発明の効果を試すために下記の方法で試験を実施した。
<試験例>
1)虐待試験
実施例、比較例で調製した粒剤20gを、25ml容ガラス瓶に封入し、40℃恒温室に静置する。虐待期間は、30日後、および90日後の2条件で行った。
【0074】
2)水中溶出性試験
腰高シャーレ(直径14.5cm × 高さ 9cm)に500mlの10度硬水を入れ(水深約3cm),20℃恒温室に静置する.ここに実施例、比較例で調製した粒剤16.5mgを散粒し、6、24、および48時間静置後にシャーレ内の5箇所で水深1.5cmの位置より各水1mlを採取し、この採取水を混合(計5ml)し、採取水中の農薬活性成分濃度を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、ガスクロマトグラフィー(GC)、またはその他の方法により定量し(分解物が生成した場合には、分解物も定量し、農薬活性成分濃度に換算して合算する)、溶出率を下記式により算出した。その結果を表1〜4に示す。
【0075】
【数1】

【0076】
【表1】

【0077】
【表2】

【0078】
【表3】

【0079】
【表4】

【0080】
<表の説明>
表1〜2に記載された結果から明らかなように、フタル酸エステル、ノニオン部のHLBが15.0〜16.5であるポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸エステル、結晶セルロースの3成分をすべて添加している実施例1〜17は、いずれの農薬活性成分においても、また、溶剤の添加方法の違いに関わらず、比較例1〜21に比べ明らかに農薬活性成分の水中溶出率が高くなり、また、40℃30日、および90日後の虐待を行っても溶出率の低下は認められなかったことから、本発明の効果が顕著に示された。
【0081】
さらに、実施例1〜3より、フタル酸エステルの中でもフタル酸ジトリデシルを加えた実施例1が最も有効成分が溶出していることが確認でき、その一方で、フタル酸エステル未添加の比較例1、およびアジピン酸ジイソデシルを添加した比較例2は、有効成分の溶出が著しく低かった。
【0082】
さらに、実施例4〜7より、ノニオン部のHLBが15.0〜16.5の範囲であるポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸エステルの中では、アンモニウム塩を用いた実施例5,7よりもナトリウム塩を用いた実施例4,6のほうがより有効成分が溶出していることが確認できる一方で、ノニオン部のHLBが15.0〜16.5の範囲よりも小さいポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸エステルを添加した比較例6、7の有効成分の溶出率は低かった。
【0083】
さらに、実施例より結晶セルロースを除いたもの、または、同じ糖類や類似化合物に置き換えた、比較例3、8、11、13、16、20、21は、調製直後の有効成分の溶出率は高いものの、虐待試験で溶出性の劣化が顕著に認められており、本発明における、結晶セルロースの有効性がはっきりと示された。
【0084】
一方で、先行技術を元に調製した比較例4(特許文献12より調製)、10(特許文献15より調製)、12(特許文献6より調製)、17(特許文献3より調製)、18(特許文献2より調製)は、溶出促進効果が認められたが、本発明と異なり虐待後の溶出性は劣化が認められた。
以上の結果より、水中での農薬活性成分の溶出に優れ、かつ、長期保管で劣化しない農薬粒剤という、本発明の効果が確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)農薬活性成分、(b)フタル酸エステル、(c)ノニオン部のHLBが15.0〜16.5の範囲であるポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸エステルおよび(d)結晶セルロースを含有することを特徴とする、農薬粒剤。
【請求項2】
さらに (b)のフタル酸エステルが、フタル酸ジトリデシルであることを特徴とする、請求項1に記載の農薬粒剤。
【請求項3】
さらに(c)のノニオン部のHLBが15.0〜16.5の範囲であるポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸エステルが、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル硫酸ナトリウムであることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の農薬粒剤。

【公開番号】特開2011−178665(P2011−178665A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−41365(P2010−41365)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(000242002)北興化学工業株式会社 (182)
【Fターム(参考)】