説明

滅菌及び除染装置

少なくとも1つの加湿器ユニットと、オゾン発生器ユニット(60)と、少なくとも1つの放出口(16)と、加湿器ユニット及びオゾン発生器ユニットを制御するための制御器とを具備する、滅菌と、除染と、衛生化との少なくとも1つの装置(1)である。少なくとも1つの放出口(16)は、少なくとも2つの少なくとも部分的に収束しているプレート(72,74)を具備し、これらプレートの間で物質が放出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改良された滅菌と、衛生化(sanitisation)と、除染との少なくとも1つの装置に関する。
【背景技術】
【0002】
キッチン空間や病室のような閉鎖空間(enclosed space)を、その内部の空気や表面を汚染しているバクテリアやウイルスのような潜在的に有害な微生物を壊滅させるために、許容可能な時間スケールで、素早く、かつ効果的に滅菌及び衛生化する必要がある。
【0003】
オゾンの殺菌作用は、広く知られ、認められており、また、湿潤雰囲気中のオゾンの用意が殺菌の有効性を高めることも知られている。
【0004】
しかし、殺生物剤としてのオゾンの使用に関する問題は、居住者を戻す際に環境が安全であることを確実にするための、相対的にたいへん長い後処理プロセス、プロセス中において潜在的に環境にダメージを与える化学物質の使用、環境を衛生化する際のプロセスの全般的な効果のなさ、及び装置を素早くセットアップして使用する際の簡単さの全体的な不足を含んでいる。
【0005】
本出願人の以前の出願である欧州特許第1500404号(ステリトロックス社)及び未公開の継続中の英国出願No.s0904262.3、0904264.9、0904266.4、0904269.8並びに0904272.2は、湿潤雰囲気でのオゾンの有益な効果を使用する、環境の除染の方法に関する。これらのプロセスは、滅菌環境を提供する際に有効である一方、水蒸気の凝縮又は水たまり(puddling)なしで、処理される領域内で到達される十分な湿度レベルを与える装置を提供することが望ましい。表面上の水分の凝縮は、反応にバリアとして作用し、処理が完了したとき、湿った部屋をもたらしうる。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、この問題に対する解決策を与えることを、特に、最小の水蒸気の凝縮で、又は水蒸気の凝縮なしで、満足のいく湿度レベルを与える、滅菌と、衛生化と、除染との少なくとも1つの装置を提供することを目的とする。
【0007】
本発明によれば、滅菌と、除染と、衛生化との少なくとも1つの装置が提供される。この装置は、少なくとも1つの加湿器ユニットと、オゾン発生器ユニットと、少なくとも1つの放出口と、前記加湿器ユニット及び前記オゾン発生器ユニットを制御するための制御器とを具備し、前記少なくとも1つの放出口は、少なくとも2つの少なくとも部分的に収束しているプレートを具備し、これらプレートの間で物質が放出される。
【0008】
好ましくは、前記オゾン発生器ユニットにより発生されるオゾンは、少なくとも2つの少なくとも部分的に収束しているプレートを有する前記放出口を通って放出される。より好ましくは、前記オゾン発生器は、前記放出口につながる送出導管内に設けられるか、送出導管に取着される。好ましくは、ファンが、前記導管を通って前記放出口から出る空気及びオゾンを移動させるために、前記導管の基部に設けられている。
【0009】
好ましくは、下側プレートが、上側プレートよりも1ないし5度大きい傾斜角を有する。特に、水平線より上に17°の傾斜角を有する下側プレートと、水平線より上に15°の傾斜角を有する上側プレートとが、放出口を通る空気流の必要な加速を与えることがわかっている。
【0010】
ディスクの形態のプレートが好ましい。好ましくは、プレートの直径は少なくとも200mmであり、より好ましくは250ないし350mmであり、特に、300mmである。
【0011】
前記プレート間の距離は、好ましくは、できるだけ短く、また、空気及び水滴の満足のいく放出及び混合を与える。好ましくは、前記プレート間の距離は、50ないし200mmであり、好ましくは、100ないし175mmであり、特に、150mmである。
【0012】
好ましくは、前記加湿器は、水リザーバと、微細な霧として水滴を放出するための少なくとも1つの放出ノズルとを有する。好ましくは、前記少なくとも1つの放出ノズルは、下側プレートから離れた、前記放出口の上側プレートに取着されている。このようにして、水滴が、前記放出口から放出される空気流によって維持される。
【0013】
好ましくは、前記加湿器、水リザーバ、オゾン発生器、制御器及び導管は、ハウジング内に設けられ、前記ハウジングは、ハウジングの意図された上面から延びている前記放出口を有する。前記ハウジングは、炭化水素放出ユニットとUV触媒との少なくとも一方と、適切なセンサと、ファンと、酸素供給部と、水リザーバとの少なくとも1つのような、装置の動作の最適化のためのさらなる構成要素を含むことができることが理解されるべきである。
【0014】
前記ハウジングに対する前記放出口の収束しているプレートの位置決めもまた、重要であることがわかっている。ハウジングの上部と下側プレートとの間の50mmの最小距離を与えるスペーサ部材が好ましく、より好ましくは、少なくとも150mmであり、特に、160mmである。さらに、又は代わって、前記プレートの周縁は、前記スペーサ部材の周縁を超えて、好ましくは少なくとも1mm、好ましくは5mm延びるべきである。
【0015】
カバープレートが、前記上側プレートに取着された前記放出ノズルを覆って設けられることができる。好ましくは、カバープレートは、空気の層流を減少させるように、かつ、カバー内に設けられた排出収集ポイントに向かって水を導くように外形を合わせられている。
【0016】
メッシュ又は金網(gauze)が、好ましくは、上側プレートと下側プレートとの間の開口を横切って設けられている。
【0017】
本発明の第2の態様は、空気除染装置のための送出及び放出口アセンブリを提供する。このアセンブリは、送出導管内に設けられた、又は送出導管に取着されたオゾン発生器を有し、前記送出導管は、その一端に、少なくとも2つの少なくとも部分的に収束しているプレートを有する少なくとも1つの放出口を有し、これらプレートの間で物質が放出される。
【0018】
好ましくは、ファンが、前記放出口から離れた前記導管の端部に設けられている。好ましくは、少なくとも1つの水放出ノズルが、下側プレートから離れた、前記放出口の上側プレートに取着されている。カバープレートが、前記水放出ノズルを覆って設けられることができるか、メッシュが、上側の収束しているプレートと下側の収束しているプレートとの間に開口を覆って設けられることができる。
【0019】
本発明が、特に、添付図面を参照して、例によって説明される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態に係る滅菌及び除染装置の外面を上方から見た平面図である。
【図2】図2は、図1に示される装置の外面の側面図である。
【図3】図3は、図1に示される装置の外面の後面図である。
【図4】図4は、図1に示される装置の外面の正面図である。
【図5】図5は、カバープレートなしで示される、図1に示される装置の放出口アセンブリの斜視図である。
【図6】図6は、図5に示される放出口アセンブリの構成要素の配置の概略図である。
【図7】図7は、図5に示される放出口アセンブリに接続された送出ユニットの構成要素の概略図である。
【図8】図8は、図1に示される滅菌及び汚染装置の内部の構成要素を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
添付図面を参照して、本発明の一実施の形態に係る滅菌及び除染装置1の一例が示される。この装置は、本体10及び着脱可能な制御パネル12を有する移動式の閉鎖容器(enclosure)1を有する。図示される実施の形態では、制御パネルは、着脱可能なレクターン(lectern)の好ましい形態であるが、本発明は、これに限定されるものではなく、制御パネルは、閉鎖容器のどこか他のところに、又は閉鎖容器から離れて設けられることができることが理解されるべきである。
【0022】
本体10は、ホイール14と、ハンドル15とを有する。本体10は、除染プロセスを実行するために必要とされる装置の構成要素(特に、図8参照)、特に、加湿器ユニット及びオゾン発生器ユニットを収容している。本体はまた、炭素−炭素二重結合を含む炭化水素を供給するためと、副産物の除去を助けるためとの少なくとも一方のために、触媒40と炭化水素発生器ユニットとの少なくとも一方を含むことができる。放出口アセンブリ16が、必要な物質を雰囲気中に放出するために、本体の上部から延びている。また、マイクロプロセッサが、出口アセンブリからの放出を制御するために、ユニット内に設けられている。
【0023】
加湿器ユニットは、一般的に、加湿器と、恒湿センサと、温度センサと、水リザーバ90とを有する。加湿器は、放出口アセンブリ16から水滴を放出する。水滴は、雰囲気中の蒸気の割合を高めるために、5ミクロン(マイクロメートル)未満の、好ましくは2ないし3ミクロン(マイクロメートル)の直径を有する。オゾン発生器ユニットは、オゾン発生器60と、オゾン検出センサと、オゾン発生器に酸素を供給するための酸素供給部62とを有する。全てのこれら構成要素が、本体10を形成しているハウジング内に、又はハウジングに収容されている。
【0024】
この装置にとって必要な殺菌作用を達成するために、高レベルの湿度が、処理される領域で短時間で達成されなければならない。これは、凝縮につながりえ、水が、処理された部屋の内部で表面に堆積し、部屋が再び居住されたときに湿っぽい感覚がその部屋に残る。本発明の装置は、添付図面に、特に、図5ないし図7に示されるように、特別に設計された送出チューブ及び放出口アセンブリの用意によって、凝縮レベルを減少させる。共通のファン50が、オゾン発生器60を含む送出チューブ52の基部に設けられている。チューブの上端は、360度の高容積の空気の出口を有する放出口16につながっている。放出口アセンブリは、好ましくはディスクの形態である1対の収束しているプレート(converging plate)72、74を有し、これらプレートの間にオゾンを含む空気が放出される。水放出ノズル80が、滅菌され鉱物質を除かれた(demineralised)水を雰囲気に取り入れるために、上部プレート74の上面に取着されている。少なくとも1つの水リザーバ90が、コンプレッサ(図示されない)に水を送出し、続いて、コンプレッサが、高圧水(少なくとも50バール)を放出ノズルに送出する。カバー又はキャップ82が、水放出ノズルを覆って係合され、このカバーは、排出収集ポイント84に水を導くように外形を合わせられている。
【0025】
第1の下側プレート72は、スペーサ部材76によって閉鎖容器10の上部から離間されている。スペーサ部材は、好ましくは、容器10の上部とプレート72との間で、少なくとも50mm、より好ましくは少なくとも150mmの距離を与える(図6の距離c)。図示される実施の形態でのプレートは、直径300mm(距離e)であるが、そうである必要はない。プレート72の外周縁は、スペーサ部材の周縁を超えて約5mm延びている(図6の距離d)。メッシュ又は金網78が、異物の侵入を防ぐために、収束しているプレートの間に設けられている。
【0026】
凹んだプレートは、収束している構成体を与えるように、異なる傾斜角を有する。これら角の差は、変更することができるが、上側ディスクよりも1ないし5度大きい傾斜角を有する下側ディスクが、ノズル80を通って放出される霧状の水滴を維持する空気のクッションを形成するように、送出チューブから出口を通って放出される空気流の十分な加速を与え、一方、これらは、これらが周囲の表面上に落ちて湿らせる前に、雰囲気に吸収されることがわかっている。図示される実施の形態では、下側プレート72は、水平線より上に17°の傾斜角aを有し、上側プレート74は、水平線より上に15°の傾斜角bを有する。
【0027】
カバープレート、上部ディスク及びスペーサ部材のデザインは、それぞれ、カバープレート及び周囲の本体フレーム(bodywork)上に吐出された空気の層(lamination)を最小にするようになっている。吐出された空気流の層流の減少は、凝縮してマシン及び床の上に水たまりを流れさせる、空気及び水滴によるマシンの本体フレームの抱え込み(hugging)を防ぐか最小にする。収束しているプレートによって与えられる加速された空気流はまた、水滴を維持するのを助ける、速く流れている空気のベッドにある霧状の水滴をもたらし、一方、これらは、雰囲気中に吸収される。
【0028】
送出チューブ及び放出口アセンブリの構成体は、必要な空気流を形成するだけでなく、オゾン発生器に冷却空気流を与えるために、及び送出チューブ内のオゾンの混合を助けるために使用されることができる単一ファンである。これは、明らかに経済的であり、重さの利益を有する。放出口アセンブリの特定の構成体が、除染される室内の空気の優れた混合を与え、これにより、除染プロセスの効率を高めることがわかってきている。
【0029】
装置が炭化水素放出ユニットを含むのであれば、炭化水素放出ユニットもまた、本体内に収容される。炭化水素放出ユニットは、放出口を通って炭化水素を放出するための手段と一緒に、環状オレフィンを含む、2次のシス又はトランスのオレフィンのような、炭素−炭素二重結合を有する炭化水素を含むタンク又は容器の形態の炭化水素供給部を含む。
【0030】
本体10の内部の近くには、着脱可能な、好ましくはロック可能な、側面パネル又はふたが設けられている。本体10はまた、装置1を制御するマイクロプロセッサの形態の制御ユニットの一部を含み、これは、少なくとも1つの滅菌及び除染ルーチンをプレセットされることができる。制御ユニットは、着脱可能なレクターン12に位置された制御器及びユーザインターフェースを含み、これらにより、ユーザが、装置の動作を遠隔制御するために、本体に無線で命令を入力することができる。
【0031】
装置1は、内蔵バッテリを含むことができるか、主電源供給部に接続可能であることができるかの少なくとも一方であることができる。好ましくは、本体10は、主供給部に接続されることができ、レクターン12は、バッテリで動作され、レクターンがその中にドッキングされたとき、本体から充電される。
【0032】
装置1はまた、代表的には、安全センサのような、他の安全に関する特徴部分、及びシステムの故障が生じたときのスタートアップを防ぐ又はシャットダウンを開始するソフトウェアのルーチンを含む。
【0033】
使用の際、装置1全体が、滅菌されるか除菌されるかの少なくとも一方である領域に動かされるレクターン12に接続された本体10を有する。このユニットが、正確に位置決めされ、そして、レクターンが、そのホイールにレクターンを持ち上げて傾けることによって、本体から分離される。そして、レクターンが、部屋から出るよう動かされて、除染される領域へのアクセスを与えるドア又は他の開口を横切って配置される。これは、その領域に人が入るのを防ぐために、警告及びボラードとして機能する。さらに、レクターンは、本体内の構成要素の動作が、部屋の内部の本体を制御するマイクロプロセッサに無線接続されたユーザインターフェースによって、部屋の外部から遠隔制御されることを可能にする。装置の動作中、レクターンの上部にある表示ユニットが、除染プロセスが実行され、領域が非占有のままであるべきであることを職員に知らせるように、視覚的な警告を表示することができる。レクターンはまた、除染が完了したとき、視覚的又は聴覚的なメッセージを与えることができ、部屋が非占有であることができることをユーザに知らせる。他の適切な日付及び情報が、ユーザによるアクセスのために記憶されることができる。
【0034】
装置の動作中、領域がシールされ、本体に位置された制御ユニットが、相対湿度をチェックするような適切な初期の安全チェックを受ける。安全チェックに合格しなければ、装置1は動作せず、本体とレクターンとの一方又は両方にあることができる警告灯を使用して適切な表示を出力する。プロセスの動作中、安全チェックが継続的になされ、システムの故障が発生したときには、システムが安全モードをデフォルトで実行する。
【0035】
制御器は、装置によって与えられる状況を監視し続け、計算された相対湿度レベルがいったん達成されると、制御器がオゾン発生器を駆動させ、オゾンが発生される。そして、発生されたオゾンが、放出口を通過する放出する湿潤な空気流に供給される。制御器は、オゾン発生器が動作している適切な表示を与え、オゾン検出センサによって周囲のオゾンレベルを監視する。
【0036】
検出されるオゾンと水蒸気との両方の濃度が変更されることができる。しかし、代表的な設定は、25ppmv/vのオゾン及び13.6トル(約1813.185パスカル)である。プレセットされたオゾン及び水蒸気のレベルが割り当てられた間隔内で検出されると、制御器は、ドエルタイム(“dwell time”)として知られたタイミングフェーズに入る。
【0037】
ドエルタイムはまた、リモートユーザインターフェースを使用して、例えば、1時間に変更されることができ、与えられる除染/滅菌の程度及びタイプによって決まる。例えば、クロストリジウム・ディフィシルのような、スポア又はかびによる汚染は、一般的に、リステリア菌及びメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)のような、バクテリアによる汚染よりも長いドエルタイムを必要とする。
【0038】
ドエルタイムの間、オゾンの濃度及び相対湿度は、連続して監視される。オゾンのレベルが所定の閾値よりも下に下がれば、オゾン放出ユニットは、オゾンのレベルを補給するように再活性化される。湿度が計算された値よりも下に下がれば、加湿器ユニットは、水蒸気のレベルを回復するように再活性化される。
【0039】
再び、再活性化期間の間、オゾンの濃度又は相対湿度は、例えば10分である設定時間間隔内で、上で述べられた所定の最小値に達しなければ、制御器は、滅菌及び除染ルーチンを強制終了して、適切な表示を出力する。
【0040】
ドエルタイムが経過した後、制御器は、さまざまな供給ユニットをシャットダウンして、炭化水素が供給されるのであれば、周囲環境に炭化水素を放出するように、炭化水素放出ユニットを動作させる。炭化水素は、オゾンの分解を加速するように、残留オゾンと優先的に反応し、これにより、処理される領域により早くユーザが再び入れるようにする。
【0041】
オゾン検出センサが、オゾンの濃度のレベルが所定の値未満、例えば0.2ppm未満であることを検出したとき、制御器は、炭化水素の供給を止めて、滅菌及び除染ルーチンが完了したことを示す表示を出力する。再び、これは、レクターンの、好ましくは、マシンの本体のユーザ表示を可視化する。滅菌及び除染される領域のサイズによって決まるが、0.2ppmのオゾンのレベルは、通常、3ないし4分未満で達成される。
【0042】
オゾン検出センサが、炭化水素の取り入れに続いて、例えば、10分である所定の時間間隔内で、オゾンの所定の安全レベルが達せられたことを示さなければ、制御器は、室内の潜在的に危険なオゾンのレベルの表示警告を出力する。制御器は、部屋が再占有される可能性があることをアナウンスする前に、オゾンの標準的な半減期を過ぎる時間間隔を与えるようにプログラムされることができる。
【0043】
上に説明された装置は、人工的な高レベルの非凝縮の湿度を生成して、高濃度のオゾンを適所に発生させる方法を利用している。この装置の材料は、オゾンの腐食作用及び高湿度、並びに炭化水素の溶解作用に対して耐性がある。
【0044】
このように、早く、かつ効果的で、分離でき、移動式である領域の除染のための装置を提供することが可能である。本方法は、有害な副産物から環境への影響なく、領域の99.99%よりよい有効な滅菌と除染との少なくとも一方を提供することができる。かくして、汚染領域の迅速な再使用が実現されることができる。上述の方法は、リステリア菌及びメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)のようなバクテリアを含むさまざまな種の病原菌を死に至らしめることが証明されている。放出口アセンブリの収束しているプレートの特定の構成体は、放出される空気が、部屋の内部の空気を湿らせるように水滴が置かれることができるプラットフォームの形態であることを可能にする。この収束している構成体なしでは、放出口から出る空気流は、床及び周囲の表面に落ちている水滴を防ぐのに不十分である。さらに、スペーサ部材及びカバープレートは、水蒸気の凝縮を再び導きうる吐出された空気の層を減少させる。
【0045】
本発明に係る装置は、1時間以内程度で病室の雰囲気と表面との両方の除染を容易にすることができる。この装置は、空き部屋へと動かされることができ、簡単なタッチスクリーン制御パッドを使用して最小の訓練で管理スタッフによって部屋の外部から駆動されることができる。プロセス全体が、最小の管理を必要とし、また、インテリジェント制御システムが、絶えず部屋の状況を監視し、除染が完了したとき、又は問題に直面したとき、スタッフに警報を発する。
【0046】
上に説明された実施の形態は、単なる例によって与えられ、他の変更が、添付の特許請求の範囲によって規定されるような本発明の範囲から逸脱することなくなされることは、当業者に明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの加湿器ユニットと、
オゾン発生器ユニットと、
少なくとも1つの放出口と、
前記加湿器ユニット及び前記オゾン発生器ユニットを制御するための制御器とを具備する、滅菌と、除染と、衛生化との少なくとも1つの装置であって、
前記少なくとも1つの放出口は、少なくとも2つの少なくとも部分的に収束しているプレートを具備し、これらプレートの間で物質が放出される装置。
【請求項2】
前記オゾン発生器ユニットにより発生されるオゾンは、少なくとも2つの少なくとも部分的に収束しているプレートを有する前記放出口を通って放出される請求項1の装置。
【請求項3】
前記オゾン発生器は、前記放出口につながる送出導管内に設けられている請求項2の装置。
【請求項4】
ファンが、前記導管を通って前記放出口から出る空気及びオゾンを移動させるために、前記導管の基部に設けられている請求項3の装置。
【請求項5】
下側プレートが、上側プレートよりも1ないし5度大きい傾斜角を有する請求項1ないし4のいずれか1の装置。
【請求項6】
前記加湿器は、
水リザーバと、
微細な霧として水滴を放出するための少なくとも1つの放出ノズルとを有し、
前記少なくとも1つの放出ノズルは、下側プレートから離れた、前記放出口の上側プレートに取着されている請求項1ないし5のいずれか1の装置。
【請求項7】
前記加湿器、オゾン発生器、制御器及び導管は、ハウジング内に設けられ、前記ハウジングは、前記ハウジングの意図された上面から延びている前記放出口を有する請求項3ないし6のいずれか1の装置。
【請求項8】
スペーサ部材が、前記放出口の下側プレートと、前記ハウジングの意図された上面との間に設けられ、これらの間に50mmの最小距離を与える請求項7の装置。
【請求項9】
前記プレートの周縁は、前記スペーサ部材の周縁を超えて延びている請求項7又は8の装置。
【請求項10】
カバープレートが、前記上側プレートに取着された前記放出ノズルを覆って設けられている請求項6ないし9のいずれか1の装置。
【請求項11】
メッシュ又は金網が、上側プレートと下側プレートとの間の開口を横切って設けられている請求項1ないし10のいずれか1の装置。
【請求項12】
添付図面の図1ないし図4並びに図8を参照してここに実質的に記載された装置。
【請求項13】
空気除染装置のための送出及び放出口アセンブリであって、
送出導管内に設けられた、又は送出導管に取着されたオゾン発生器を有し、
前記送出導管は、その一端に、少なくとも2つの少なくとも部分的に収束しているプレートを有する少なくとも1つの放出口を有するアセンブリ。
【請求項14】
ファンが、前記放出口から離れた前記導管の端部に設けられている請求項13のアセンブリ。
【請求項15】
少なくとも1つの水放出ノズルが、下側プレートから離れた、前記放出口の上側プレートに取着されている請求項13又は14のアセンブリ。
【請求項16】
カバープレートが、前記水放出ノズルを覆って設けられている請求項13ないし15のいずれか1のアセンブリ。
【請求項17】
メッシュ又は金網が、上側の収束しているプレートと下側の収束しているプレートとの間に開口を覆って設けられている請求項13ないし16のいずれか1のアセンブリ。
【請求項18】
添付図面の図5ないし図7を参照してここに実質的に記載されたアセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−503730(P2013−503730A)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528443(P2012−528443)
【出願日】平成22年9月7日(2010.9.7)
【国際出願番号】PCT/GB2010/001694
【国際公開番号】WO2011/027136
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(511222319)ステリトロックス・リミテッド (5)
【氏名又は名称原語表記】Steritrox Limited
【住所又は居所原語表記】The Old Stables, Upper End, Birlingham, Pershore, Worcestershire, WR10 3AA, United Kingdom
【Fターム(参考)】