滑らかな表面の中に抗汚材料を有するセンサ要素
【解決手段】一体化された成長抑制物(620)を有する滑らかな上表面(640)を備えた発光式溶存酸素センサのためのセンサ窓部を開示する。成長抑制物(620)は、センサ窓部のある割合の領域だけを覆い、流体がセンサ窓部の表面を透過することを許す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサの分野、特に、一体化した抗汚材料(anti-fouling material)を備えた滑らかなセンサ面を有する発光式溶存酸素センサ(luminescent dissolved oxygen sensor)に関する。
【背景技術】
【0002】
水中の酸素の濃度は、ある種のプローブを使って測定することができる。水中の酸素は、プローブの外側の発光物質と相互作用を及ぼし合う。酸素と発光物質との間でこの相互作用が起こる結果、発光の低下という公知の現象が引き起こされる。従って、発光の低下量は、水中の酸素の濃度を示す。
【0003】
動作中において、プローブは、単一の波長を中心とした光源を発光物質(luminescent material)の上に向けさせる。光は発光物質に当たって、異なる波長を中心とする発光光を発生させる。発光の低下は、発光物質が発光を継続する時間量に影響する。従って、仮に光源の信号が正弦波状に変化するなら、発光の低下は励起光と発光光との間の位相の変化に影響する。プローブは、励起光と発光光との間の位相の変化を測定するために光センサを使用して、発光の低下量を評価する。その結果、プローブは、位相の変化を処理して、水中の酸素の濃度を決定する。そのようなプローブに関する例が、2003年2月3日に出願された「発光光のための位相変化測定」と題する米国特許第6,912,050号に開示されている。これを、ここに参照として織り込むこととする。
【0004】
発光式溶存酸素センサ(プローブとも呼ぶ)は、使用時に水に浸される。発光物質は、センサが適切に動作するために、水に晒されなければならない。水に晒されたセンサの表面は、時間と共に生物学的成長または沈殿物によって汚れるかもしれない。汚れたセンサは、応答時間の低下や不正確な性能、またはその両方を有するかもしれない。多くのセンサは、センサの表面をきれいにするように構成されたワイパを有する。センサ表面に例えば銅等の成長抑制物(growth inhibitor)を付着させたセンサが、なかにはあるかもしれない。成長抑制物は、抗汚合成物又は薬品として知られている。抗汚薬品の他の例には、ローム・アンド・ハース・バイオサイズ社(Rohm and Haas Biocides)によって製造され、カーソンRH−287ミクロビサイド(Kathon RH-287 Microbicide)として市販されている材料4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−ワン(4,5-Dichloro-2-n-octyl-4-isothiazolin-3-one)(CAS登録番号:64359−81−5)がある。成長抑制物は発光物質の上に水不浸透性シール(water tight seal)を作り出してセンサの動作を妨げるので、成長抑制物はセンサ領域を完全に覆うことはできない。それゆえに、成長抑制物は、一般的にセンサ表面に取り付けられる網目(mesh)や網(screen)として据え付けられる。センサ表面上に成長抑制物の網目や格子(grid)が付加されると、センサ表面に窪み(pocket)が作り出される。これらの窪みのために、ワイパでセンサをきれいに拭くことは困難になる。
【0005】
それゆえに、ワイパの性能を下げることなく、センサ表面に成長抑制物を付加するためのシステムと方法に対する要求がある。
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,912,050号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
(発明の概要)
一体化された成長抑制物を有する滑らかな上表面を備えた発光式溶存酸素センサのためのセンサ窓部を開示する。成長抑制物は、センサ窓部のある割合の領域だけを覆い、流体がセンサ窓部の表面を透過することを許す。
【0008】
本発明の一つの特徴は、発光式溶存酸素センサは、滑らかな上表面(top surface)を備えたセンサ窓部を有し、滑らかな上表面が領域を有する発光式溶存酸素センサであって、領域の第1の割合Xを形成する成長抑制物growth inhibitorと、領域の第2の割合Yを形成する不透光性且つ透水性材料(optically opaque hydrostatically transparent material)とを有する。
【0009】
好ましくは、成長抑制物は銅である。
【0010】
好ましくは、第1の割合Xは、10%から80%の間である。
好ましくは、第2の割合Yは、概ね100%−Xに等しい。
【0011】
好ましくは、成長抑制物は、不透光性且つ透水性材料と共に混ぜられた粒子(particles)の形状である。
【0012】
好ましくは、成長抑制物の粒子は、混合された不透光性且つ透水性材料と成長抑制物とによって形成された層の厚さよりも小さい大きさを有する。
【0013】
好ましくは、不透光性且つ透水性材料の下に層を形成する発光物質を更に有する。
好ましくは、成長抑制物は第1の厚さを有し、不透光性且つ透水性材料は第2の厚さを有し、発光物質の層は第3の厚さを有し、第1の厚さは、第2の厚さと第3の厚さの和に等しい。
好ましくは、成長抑制物は第1の厚さを有し、不透光性且つ透水性材料は第2の厚さを有し、発光物質の層は第3の厚さを有し、第1の厚さは、第2の厚さと第3の厚さの和よりも大きい。
【0014】
好ましくは、成長抑制物と発光物質との下に層を形成する水圧防壁(hydrostatic barrier)を有する。
【0015】
好ましくは、発光物質も成長抑制物の下に層を形成する。
【0016】
好ましくは、成長抑制物は第1の厚さを有し、不透光性且つ透水性材料は第2の厚さを有し、第1の厚さは第2の厚さに等しい。
【0017】
好ましくは、成長抑制物は第1の厚さを有し、不透光性且つ透水性材料は第2の厚さを有し、第1の厚さは第2の厚さよりも大きい。
【0018】
好ましくは、発光物質の下に層を形成する水圧防壁を更に有する。
好ましくは、成長抑制物は固体表面に分散して配置された複数の開口部を備えた固体表面の形式であり、不透光性且つ透水性材料は複数の開口部を満たす。
【0019】
好ましくは、複数の開口部は円形状を有する。
【0020】
本発明の他の特徴は、抗汚材料(anti-fouling material)を備えたセンサ窓部の領域の一部を覆う方法において、抗汚材料によって覆われていないセンサ窓部の部分を不透光性且つ透水性材料で覆い、抗汚材料と不透光性且つ透水性材料とによって形成された表面を滑らかにする。
【0021】
本発明の他の特徴は、水圧防壁の上に発光物質の層を配置する方法において、発光物質の第1の割合を抗汚材料で覆い、それによって、発光物質の第2の割合を露出させ、露出された発光物質を不透光性且つ透水性材料で覆い、抗汚材料と不透光性且つ透水性材料とによって形成された表面を滑らかにする。
【0022】
本発明の他の特徴は、抗汚合成物の粒子を不透光性且つ透水性材料に混ぜ、発光物質を不透光性且つ透水性材料と抗汚粒子との混合物の層で覆い、層の表面を滑らかにする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図5乃至図9及び以下の記載は、本発明の最良の形態の作り方と使い方を当業者に教示するための特定の例を記述する。本発明の原則を教示する目的のために、いくつかのありきたりの(conventional)面を簡素化または省略した。当業者は、本発明の範囲の中にあるこれらの例からの変形例を評価するであろう。当業者は、本発明の複数の変形例を形成するために、以下に述べる特徴が種々の方法で結合され得ること評価するであろう。その結果、本発明は、以下に述べる特定の例に限定されるのではなく、特許請求の範囲とその同等物によってだけ限定される。
【0024】
図1は、発光式溶存酸素センサ(luminescent dissolved oxygen sensor)100の分解図である。発光式溶存酸素センサ100は、プローブ本体102と、キャップ108と、Oリング106と、シール104とを有する。キャップ108は、表面110の上に配置された発光物質を有する。発光物質112は、一般的には、ポリスチレン(Polystyrene)と白金・ポルフィニン(Platinum Porphynin)との混合物である。発光物質は、水が発光物質へと透過するのを許すが光が発光物質へと透過するのを妨げる不透光性且つ透水性材料(optically opaque hydrostatically transparent material)によって覆われる。不透光性且つ透水性材料の一例は、カーボンランプブラック(carbon lamp black)とポリブチル・メタクリレート(Polybutyl Methacrylate)の混合物である。キャップ108は、プローブ本体102上のねじ山(threads)112に螺合するように構成される。Oリング106とシール104とは、キャップ108と本体102との間に水不浸透性シールを形成するのを助ける。キャップ108は、現場で交換可能なように設計される。ユーザは、水からプローブを取り、プローブから汚れたキャップを取り外し、それを新しいキャップと交換し、プローブを水の中へ再据え付けすることができる。表面110は平坦であり、隣接したセンサ(図示省略)の上に取り付けられたワイパは、表面110をきれいにするように構成される。他の設計では、ワイパは同じプローブの上に取り付けられるかもしれない。表面110は、センサ窓部を形成するキャップの領域の上面側である。センサ窓部は、光が水圧防壁(hydrostatic barrier)を通ってセンサ窓部の一方の側から発光物質へと透過することを許し、流体がセンサ窓部の他方の側から発光物質へと透過することを許す。
【0025】
図2は、プローブの側面断面図である。プローブ200は、プローブ本体202と、光源204と、光検出器/センサ206と、水圧防壁210と、発光物質212と、不透光性且つ透水性材料214とを有する。
【0026】
本体202は、光源と光検出器206とを動作させるために使用される電気部品(図示省略)と同様に、光源204と光検出器/センサ206とを含む。光源204と光センサ106と電気部品とは、一般的には、乾燥した状態に保たれる必要がある。水圧防壁210は、本体202によって形成された空洞に流体が入るのを防ぐために、本体202に対してシールを形成する。Oリング又はガスケット(図示省略)が、水圧防壁210と本体202との間にシールを形成するのを助けるのに使用されるかもしれない。水圧防壁210は、光を透過するが水を透過しないいかなる材料、例えば、プラスチック、ガラス、水晶などで作ることができる。水圧防壁は、本体202に螺合されるキャップとして形成される。発光物質212は、水圧防壁210の上面に配置される。不透光性且つ透水性材料214は、発光物質212の上面に配置されて、水圧防壁210を囲む。本体202と不透光性且つ透水性材料214とは、光源204と、光検出器206と、発光物質212との周りに、不透光性密閉容器(light tight container)を形成する。キャップの滑らかな上面は、ワイパによってきれいにされるように構成される。
【0027】
発光式溶存酸素センサのセンサ窓部は、プローブの上面にある必要はない。図3は、横方向に窓部を有する(side viewing)発光式溶存酸素センサ300の断面図である。センサ300は、センサ窓部330を有する。センサ窓部330は、水圧防壁310と、発光物質312と、発光物質312を覆う不透光性且つ透水性材料314とを有する。図4は、水圧防壁410と発光物質412と不透光性且つ透水性材料414とを有するセンサ窓部430の等角図である。センサ窓部は、円の形状である必要はない。他の形状、例えば、方形が使われるかもしれない。添付図面は尺度に拠っておらず、いくつかの厚さは本発明の説明における明確さのために増やされており、例えば、実際には、不透光性且つ透水性材料は、他の層の上に配置された薄い層(10乃至20ミクロン・メートル)にすぎないかもしれない。不透光性且つ透水性材料のより厚い層が使われるかもしれない。
【0028】
本発明の一実施形態において、抗汚合成物は、発光式溶存酸素センサのセンサ領域に一体化される。その抗汚合成物又は成長抑制物は、センサ窓部の表面が滑らかな状態を維持できるような方法で、センサ窓部に一体化される。センサ窓部の滑らかな表面は、センサ窓部の表面を容易にきれいな状態にできるようにする。抗汚薬品は、センサの適切な動作を妨げることになるから、センサ窓部の上面に水不浸透性シールを形成できない。抗汚薬品の種類は重要ではなく、銅、4、5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−ワン(4,5-Dichloro-2-n-octyl-4-isothiazolin-3-one)などがあり得る。
【0029】
本発明の一実施形態において、成長抑制物は、平面(plain)の形式を取るかもしれない。その平面には複数の開口部が形成される。図5a及び図5bは、本発明の一実施形態において、成長抑制物のシートの平面図である。そのシートには開口部のパターンが形成される。開口部の形状は重要ではなく、いかなる形状も取り得る。図5aは開口部を円形状として示し、図5bは開口部を四角形状として示す。開口部の大きさは変えることができ、抗汚材料(anti-fouling material)によって覆われた領域の割合を管理するために使われ得る。本発明の一実施形態において、成長抑制物によって覆われたセンサ窓部の割合は10%と80%との間で変えることができる。本発明の他の実施形態において、抗汚材料は、金網(wire mesh)の形状を取るかもしれない。図5cは、本発明の一実施形態において、金網の形状の成長抑制物の平面図である。
【0030】
図6は、本発明の一実施形態における発光式溶存酸素センサのセンサキャップの断面図である。センサキャップは、水圧防壁610と発光物質612と不透光性且つ透水性材料614と成長抑制物620とを有する。水圧防壁610は、水圧防壁610の上面に平坦なセンサ領域640を形成する。発光物質612は、水圧防壁610のセンサ領域640の上面に層を形成する。不透光性且つ透水性材料614は、発光物質612の上面に層を形成し、発光物質612のある割合だけを覆う。成長抑制物は、センサ領域(図示省略)の端を超えて延びるかもしれない。不透光性且つ透水性材料614は、成長抑制物620に覆われていない領域内であって発光物質612の上面に形成される。不透光性且つ透水性材料614と成長抑制物の厚さは、センサ領域の上表面が本質的に滑らかになるように調整される。滑らかな表面は、センサ窓部がきれいに拭かれるとき、成長や沈殿がセンサ窓部の表面の窪みや凹み(depression)内に蓄積することを防ぐ。本発明の他の実施形態において、不透光性且つ透水性材料は、成長抑制物の横と同様に、成長抑制物の下に層を形成するかもしれない(図示省略)。
【0031】
いくつかの場合においては、抗汚材料は不透光性且つ透水性材料の名目上の厚さよりも厚いかもしれない。図7は、本発明の他の実施形態における発光式溶存酸素センサのセンサ窓部の断面図である。センサ窓部は、水圧防壁710と、発光物質712と、不透光性且つ透水性材料614と、抗汚材料720とを有する。この実施形態において、抗汚材料720は、不透光性且つ透水性材料614の名目上の厚さよりも、一般的に厚い。厚さに関する相違を補償するために、水圧防壁710の表面は、滑らかではない表面で形成されてきた。滑らかではない上表面は、抗汚材料の形状に調和する圧痕(impression)の模様を有する。抗汚材料は、製造工程の間、その圧痕に適合する。抗汚材料はまた、センサ領域(図示省略)の端を超えて延びるかもしれない。不透光性且つ透水性材料614は、滑らかでないセンサ領域の上面を覆って、抗汚材料で滑らかな上表面740を形成する。
【0032】
抗汚材料は、たくさんの製造技術を使って不透光性且つ透水性材料でセンサ領域上に一体化されるかもしれない。本発明の一実施形態では、抗汚材料は、発光物質の上面に配置される薄いシート又は金網として製造される。不透光性且つ透水性材料が塗られて(applied)、表面が削られ、磨かれ、又は、滑らかに拭かれる。本発明の他の実施形態では、成長抑制物がスプレーされ、又は、センサ領域の上へ配備されるかもしれない。成長抑制物が銅のような金属製のとき、電気化学沈殿法(electro-chemical deposition method)が使われるかもしれない。真空蒸着(Vacuum deposition)も可能である。本発明の他の実施形態では、不透光性且つ透水性材料と抗汚材料の粒子との混合物が、発光物質の上に塗られるかもしれない。それから、上表面は滑らかにされ、抗汚粒子が露出される。
【0033】
図8は、本発明の一実施形態において、抗汚粒子と不透光性且つ透水性材料との混合物を使ったセンサ窓部の断面図である。図8aに示すセンサ窓部は、水圧防壁810と、発光物質812と、抗汚粒子820に混ぜられた不透光性且つ透水性材料814を含む層とを有する。混合層の上表面は滑らかにされ、抗汚粒子820の部分を露出している。抗汚粒子820の大きさ、抗汚粒子820の数、滑らかにする工程において除去された材料の量とが、センサ領域の上表面にて露出される抗汚粒子と不透光性且つ透水性材料との割合を決定するために使われることができる。本発明の一実施形態において、粒子の大きさは、混合層の厚さよりも小さい。図8bは、本発明の他の実施形態において、抗汚粒子と不透光性且つ透水性材料との混合物を使ったセンサ窓部の断面図である。図8bに示すセンサ窓部は、水圧防壁810と、発光物質812と、抗汚粒子820に混ぜられた不透光性且つ透水性材料814を含む層とを有する。混合層の上表面は滑らかにされ、抗汚粒子820の部分を一部を露出している。抗汚粒子は、粒子を含む層の厚さよりも大きさが小さい。
【0034】
図9は、本発明の一実施形態におけるセンサ窓部の断面図である。図9に示すセンサ窓部は、水圧防壁910と発光物質912と不透光性且つ透水性材料914と成長抑制物920とを有する。この実施形態において、成長抑制物は水圧防壁910の上面にあり、それをある割合で覆っている。発光物質912もまた、水圧防壁910の上面に層を形成している。成長抑制物920の開口部によって露出された部分を残して水圧防壁910の部分を覆っている。不透光性且つ透水性材料914は、発光物質912の上面に層を形成する。不透光性且つ透水性材料914と発光物質912との厚さは、成長抑制物の厚さと調和するように調整されており、このことによって、センサ窓部のための滑らかな上表面が形成されている。
【0035】
上述したセンサ窓部の実施形態では、センサ窓部は平坦であり滑らかである。本発明は、平坦なセンサ窓部に限定されるものではなく、例えば、円筒形状や環形状などの他の形状も使われる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】発光式溶存酸素センサ100の分解図である。
【図2】プローブ200の側面断面図である。
【図3】横方向に窓部を有する(side viewing)発光式溶存酸素センサ300の断面図である。
【図4】センサ窓部430の等角図である。
【図5a】本発明の一実施形態において、開口部の模様を備え、シートに形成された成長抑制物のシートの平面図である。
【図5b】本発明の他の実施形態において、開口部の模様を備え、シートに形成された成長抑制物のシートの平面図である。
【図5c】本発明の一実施形態において、金網の形状の成長抑制物の平面図である。
【図6】本発明の一実施形態における発光式溶存酸素センサのセンサキャップの断面図である。
【図7】本発明の一実施形態における発光式溶存酸素センサのセンサ窓部の断面図である。
【図8】本発明の一実施形態において、抗汚粒子と不透光性且つ透水性材料との混合物を使ったセンサ窓部の断面図である。
【図9】本発明の一実施形態におけるセンサ窓部の断面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサの分野、特に、一体化した抗汚材料(anti-fouling material)を備えた滑らかなセンサ面を有する発光式溶存酸素センサ(luminescent dissolved oxygen sensor)に関する。
【背景技術】
【0002】
水中の酸素の濃度は、ある種のプローブを使って測定することができる。水中の酸素は、プローブの外側の発光物質と相互作用を及ぼし合う。酸素と発光物質との間でこの相互作用が起こる結果、発光の低下という公知の現象が引き起こされる。従って、発光の低下量は、水中の酸素の濃度を示す。
【0003】
動作中において、プローブは、単一の波長を中心とした光源を発光物質(luminescent material)の上に向けさせる。光は発光物質に当たって、異なる波長を中心とする発光光を発生させる。発光の低下は、発光物質が発光を継続する時間量に影響する。従って、仮に光源の信号が正弦波状に変化するなら、発光の低下は励起光と発光光との間の位相の変化に影響する。プローブは、励起光と発光光との間の位相の変化を測定するために光センサを使用して、発光の低下量を評価する。その結果、プローブは、位相の変化を処理して、水中の酸素の濃度を決定する。そのようなプローブに関する例が、2003年2月3日に出願された「発光光のための位相変化測定」と題する米国特許第6,912,050号に開示されている。これを、ここに参照として織り込むこととする。
【0004】
発光式溶存酸素センサ(プローブとも呼ぶ)は、使用時に水に浸される。発光物質は、センサが適切に動作するために、水に晒されなければならない。水に晒されたセンサの表面は、時間と共に生物学的成長または沈殿物によって汚れるかもしれない。汚れたセンサは、応答時間の低下や不正確な性能、またはその両方を有するかもしれない。多くのセンサは、センサの表面をきれいにするように構成されたワイパを有する。センサ表面に例えば銅等の成長抑制物(growth inhibitor)を付着させたセンサが、なかにはあるかもしれない。成長抑制物は、抗汚合成物又は薬品として知られている。抗汚薬品の他の例には、ローム・アンド・ハース・バイオサイズ社(Rohm and Haas Biocides)によって製造され、カーソンRH−287ミクロビサイド(Kathon RH-287 Microbicide)として市販されている材料4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−ワン(4,5-Dichloro-2-n-octyl-4-isothiazolin-3-one)(CAS登録番号:64359−81−5)がある。成長抑制物は発光物質の上に水不浸透性シール(water tight seal)を作り出してセンサの動作を妨げるので、成長抑制物はセンサ領域を完全に覆うことはできない。それゆえに、成長抑制物は、一般的にセンサ表面に取り付けられる網目(mesh)や網(screen)として据え付けられる。センサ表面上に成長抑制物の網目や格子(grid)が付加されると、センサ表面に窪み(pocket)が作り出される。これらの窪みのために、ワイパでセンサをきれいに拭くことは困難になる。
【0005】
それゆえに、ワイパの性能を下げることなく、センサ表面に成長抑制物を付加するためのシステムと方法に対する要求がある。
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,912,050号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
(発明の概要)
一体化された成長抑制物を有する滑らかな上表面を備えた発光式溶存酸素センサのためのセンサ窓部を開示する。成長抑制物は、センサ窓部のある割合の領域だけを覆い、流体がセンサ窓部の表面を透過することを許す。
【0008】
本発明の一つの特徴は、発光式溶存酸素センサは、滑らかな上表面(top surface)を備えたセンサ窓部を有し、滑らかな上表面が領域を有する発光式溶存酸素センサであって、領域の第1の割合Xを形成する成長抑制物growth inhibitorと、領域の第2の割合Yを形成する不透光性且つ透水性材料(optically opaque hydrostatically transparent material)とを有する。
【0009】
好ましくは、成長抑制物は銅である。
【0010】
好ましくは、第1の割合Xは、10%から80%の間である。
好ましくは、第2の割合Yは、概ね100%−Xに等しい。
【0011】
好ましくは、成長抑制物は、不透光性且つ透水性材料と共に混ぜられた粒子(particles)の形状である。
【0012】
好ましくは、成長抑制物の粒子は、混合された不透光性且つ透水性材料と成長抑制物とによって形成された層の厚さよりも小さい大きさを有する。
【0013】
好ましくは、不透光性且つ透水性材料の下に層を形成する発光物質を更に有する。
好ましくは、成長抑制物は第1の厚さを有し、不透光性且つ透水性材料は第2の厚さを有し、発光物質の層は第3の厚さを有し、第1の厚さは、第2の厚さと第3の厚さの和に等しい。
好ましくは、成長抑制物は第1の厚さを有し、不透光性且つ透水性材料は第2の厚さを有し、発光物質の層は第3の厚さを有し、第1の厚さは、第2の厚さと第3の厚さの和よりも大きい。
【0014】
好ましくは、成長抑制物と発光物質との下に層を形成する水圧防壁(hydrostatic barrier)を有する。
【0015】
好ましくは、発光物質も成長抑制物の下に層を形成する。
【0016】
好ましくは、成長抑制物は第1の厚さを有し、不透光性且つ透水性材料は第2の厚さを有し、第1の厚さは第2の厚さに等しい。
【0017】
好ましくは、成長抑制物は第1の厚さを有し、不透光性且つ透水性材料は第2の厚さを有し、第1の厚さは第2の厚さよりも大きい。
【0018】
好ましくは、発光物質の下に層を形成する水圧防壁を更に有する。
好ましくは、成長抑制物は固体表面に分散して配置された複数の開口部を備えた固体表面の形式であり、不透光性且つ透水性材料は複数の開口部を満たす。
【0019】
好ましくは、複数の開口部は円形状を有する。
【0020】
本発明の他の特徴は、抗汚材料(anti-fouling material)を備えたセンサ窓部の領域の一部を覆う方法において、抗汚材料によって覆われていないセンサ窓部の部分を不透光性且つ透水性材料で覆い、抗汚材料と不透光性且つ透水性材料とによって形成された表面を滑らかにする。
【0021】
本発明の他の特徴は、水圧防壁の上に発光物質の層を配置する方法において、発光物質の第1の割合を抗汚材料で覆い、それによって、発光物質の第2の割合を露出させ、露出された発光物質を不透光性且つ透水性材料で覆い、抗汚材料と不透光性且つ透水性材料とによって形成された表面を滑らかにする。
【0022】
本発明の他の特徴は、抗汚合成物の粒子を不透光性且つ透水性材料に混ぜ、発光物質を不透光性且つ透水性材料と抗汚粒子との混合物の層で覆い、層の表面を滑らかにする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図5乃至図9及び以下の記載は、本発明の最良の形態の作り方と使い方を当業者に教示するための特定の例を記述する。本発明の原則を教示する目的のために、いくつかのありきたりの(conventional)面を簡素化または省略した。当業者は、本発明の範囲の中にあるこれらの例からの変形例を評価するであろう。当業者は、本発明の複数の変形例を形成するために、以下に述べる特徴が種々の方法で結合され得ること評価するであろう。その結果、本発明は、以下に述べる特定の例に限定されるのではなく、特許請求の範囲とその同等物によってだけ限定される。
【0024】
図1は、発光式溶存酸素センサ(luminescent dissolved oxygen sensor)100の分解図である。発光式溶存酸素センサ100は、プローブ本体102と、キャップ108と、Oリング106と、シール104とを有する。キャップ108は、表面110の上に配置された発光物質を有する。発光物質112は、一般的には、ポリスチレン(Polystyrene)と白金・ポルフィニン(Platinum Porphynin)との混合物である。発光物質は、水が発光物質へと透過するのを許すが光が発光物質へと透過するのを妨げる不透光性且つ透水性材料(optically opaque hydrostatically transparent material)によって覆われる。不透光性且つ透水性材料の一例は、カーボンランプブラック(carbon lamp black)とポリブチル・メタクリレート(Polybutyl Methacrylate)の混合物である。キャップ108は、プローブ本体102上のねじ山(threads)112に螺合するように構成される。Oリング106とシール104とは、キャップ108と本体102との間に水不浸透性シールを形成するのを助ける。キャップ108は、現場で交換可能なように設計される。ユーザは、水からプローブを取り、プローブから汚れたキャップを取り外し、それを新しいキャップと交換し、プローブを水の中へ再据え付けすることができる。表面110は平坦であり、隣接したセンサ(図示省略)の上に取り付けられたワイパは、表面110をきれいにするように構成される。他の設計では、ワイパは同じプローブの上に取り付けられるかもしれない。表面110は、センサ窓部を形成するキャップの領域の上面側である。センサ窓部は、光が水圧防壁(hydrostatic barrier)を通ってセンサ窓部の一方の側から発光物質へと透過することを許し、流体がセンサ窓部の他方の側から発光物質へと透過することを許す。
【0025】
図2は、プローブの側面断面図である。プローブ200は、プローブ本体202と、光源204と、光検出器/センサ206と、水圧防壁210と、発光物質212と、不透光性且つ透水性材料214とを有する。
【0026】
本体202は、光源と光検出器206とを動作させるために使用される電気部品(図示省略)と同様に、光源204と光検出器/センサ206とを含む。光源204と光センサ106と電気部品とは、一般的には、乾燥した状態に保たれる必要がある。水圧防壁210は、本体202によって形成された空洞に流体が入るのを防ぐために、本体202に対してシールを形成する。Oリング又はガスケット(図示省略)が、水圧防壁210と本体202との間にシールを形成するのを助けるのに使用されるかもしれない。水圧防壁210は、光を透過するが水を透過しないいかなる材料、例えば、プラスチック、ガラス、水晶などで作ることができる。水圧防壁は、本体202に螺合されるキャップとして形成される。発光物質212は、水圧防壁210の上面に配置される。不透光性且つ透水性材料214は、発光物質212の上面に配置されて、水圧防壁210を囲む。本体202と不透光性且つ透水性材料214とは、光源204と、光検出器206と、発光物質212との周りに、不透光性密閉容器(light tight container)を形成する。キャップの滑らかな上面は、ワイパによってきれいにされるように構成される。
【0027】
発光式溶存酸素センサのセンサ窓部は、プローブの上面にある必要はない。図3は、横方向に窓部を有する(side viewing)発光式溶存酸素センサ300の断面図である。センサ300は、センサ窓部330を有する。センサ窓部330は、水圧防壁310と、発光物質312と、発光物質312を覆う不透光性且つ透水性材料314とを有する。図4は、水圧防壁410と発光物質412と不透光性且つ透水性材料414とを有するセンサ窓部430の等角図である。センサ窓部は、円の形状である必要はない。他の形状、例えば、方形が使われるかもしれない。添付図面は尺度に拠っておらず、いくつかの厚さは本発明の説明における明確さのために増やされており、例えば、実際には、不透光性且つ透水性材料は、他の層の上に配置された薄い層(10乃至20ミクロン・メートル)にすぎないかもしれない。不透光性且つ透水性材料のより厚い層が使われるかもしれない。
【0028】
本発明の一実施形態において、抗汚合成物は、発光式溶存酸素センサのセンサ領域に一体化される。その抗汚合成物又は成長抑制物は、センサ窓部の表面が滑らかな状態を維持できるような方法で、センサ窓部に一体化される。センサ窓部の滑らかな表面は、センサ窓部の表面を容易にきれいな状態にできるようにする。抗汚薬品は、センサの適切な動作を妨げることになるから、センサ窓部の上面に水不浸透性シールを形成できない。抗汚薬品の種類は重要ではなく、銅、4、5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−ワン(4,5-Dichloro-2-n-octyl-4-isothiazolin-3-one)などがあり得る。
【0029】
本発明の一実施形態において、成長抑制物は、平面(plain)の形式を取るかもしれない。その平面には複数の開口部が形成される。図5a及び図5bは、本発明の一実施形態において、成長抑制物のシートの平面図である。そのシートには開口部のパターンが形成される。開口部の形状は重要ではなく、いかなる形状も取り得る。図5aは開口部を円形状として示し、図5bは開口部を四角形状として示す。開口部の大きさは変えることができ、抗汚材料(anti-fouling material)によって覆われた領域の割合を管理するために使われ得る。本発明の一実施形態において、成長抑制物によって覆われたセンサ窓部の割合は10%と80%との間で変えることができる。本発明の他の実施形態において、抗汚材料は、金網(wire mesh)の形状を取るかもしれない。図5cは、本発明の一実施形態において、金網の形状の成長抑制物の平面図である。
【0030】
図6は、本発明の一実施形態における発光式溶存酸素センサのセンサキャップの断面図である。センサキャップは、水圧防壁610と発光物質612と不透光性且つ透水性材料614と成長抑制物620とを有する。水圧防壁610は、水圧防壁610の上面に平坦なセンサ領域640を形成する。発光物質612は、水圧防壁610のセンサ領域640の上面に層を形成する。不透光性且つ透水性材料614は、発光物質612の上面に層を形成し、発光物質612のある割合だけを覆う。成長抑制物は、センサ領域(図示省略)の端を超えて延びるかもしれない。不透光性且つ透水性材料614は、成長抑制物620に覆われていない領域内であって発光物質612の上面に形成される。不透光性且つ透水性材料614と成長抑制物の厚さは、センサ領域の上表面が本質的に滑らかになるように調整される。滑らかな表面は、センサ窓部がきれいに拭かれるとき、成長や沈殿がセンサ窓部の表面の窪みや凹み(depression)内に蓄積することを防ぐ。本発明の他の実施形態において、不透光性且つ透水性材料は、成長抑制物の横と同様に、成長抑制物の下に層を形成するかもしれない(図示省略)。
【0031】
いくつかの場合においては、抗汚材料は不透光性且つ透水性材料の名目上の厚さよりも厚いかもしれない。図7は、本発明の他の実施形態における発光式溶存酸素センサのセンサ窓部の断面図である。センサ窓部は、水圧防壁710と、発光物質712と、不透光性且つ透水性材料614と、抗汚材料720とを有する。この実施形態において、抗汚材料720は、不透光性且つ透水性材料614の名目上の厚さよりも、一般的に厚い。厚さに関する相違を補償するために、水圧防壁710の表面は、滑らかではない表面で形成されてきた。滑らかではない上表面は、抗汚材料の形状に調和する圧痕(impression)の模様を有する。抗汚材料は、製造工程の間、その圧痕に適合する。抗汚材料はまた、センサ領域(図示省略)の端を超えて延びるかもしれない。不透光性且つ透水性材料614は、滑らかでないセンサ領域の上面を覆って、抗汚材料で滑らかな上表面740を形成する。
【0032】
抗汚材料は、たくさんの製造技術を使って不透光性且つ透水性材料でセンサ領域上に一体化されるかもしれない。本発明の一実施形態では、抗汚材料は、発光物質の上面に配置される薄いシート又は金網として製造される。不透光性且つ透水性材料が塗られて(applied)、表面が削られ、磨かれ、又は、滑らかに拭かれる。本発明の他の実施形態では、成長抑制物がスプレーされ、又は、センサ領域の上へ配備されるかもしれない。成長抑制物が銅のような金属製のとき、電気化学沈殿法(electro-chemical deposition method)が使われるかもしれない。真空蒸着(Vacuum deposition)も可能である。本発明の他の実施形態では、不透光性且つ透水性材料と抗汚材料の粒子との混合物が、発光物質の上に塗られるかもしれない。それから、上表面は滑らかにされ、抗汚粒子が露出される。
【0033】
図8は、本発明の一実施形態において、抗汚粒子と不透光性且つ透水性材料との混合物を使ったセンサ窓部の断面図である。図8aに示すセンサ窓部は、水圧防壁810と、発光物質812と、抗汚粒子820に混ぜられた不透光性且つ透水性材料814を含む層とを有する。混合層の上表面は滑らかにされ、抗汚粒子820の部分を露出している。抗汚粒子820の大きさ、抗汚粒子820の数、滑らかにする工程において除去された材料の量とが、センサ領域の上表面にて露出される抗汚粒子と不透光性且つ透水性材料との割合を決定するために使われることができる。本発明の一実施形態において、粒子の大きさは、混合層の厚さよりも小さい。図8bは、本発明の他の実施形態において、抗汚粒子と不透光性且つ透水性材料との混合物を使ったセンサ窓部の断面図である。図8bに示すセンサ窓部は、水圧防壁810と、発光物質812と、抗汚粒子820に混ぜられた不透光性且つ透水性材料814を含む層とを有する。混合層の上表面は滑らかにされ、抗汚粒子820の部分を一部を露出している。抗汚粒子は、粒子を含む層の厚さよりも大きさが小さい。
【0034】
図9は、本発明の一実施形態におけるセンサ窓部の断面図である。図9に示すセンサ窓部は、水圧防壁910と発光物質912と不透光性且つ透水性材料914と成長抑制物920とを有する。この実施形態において、成長抑制物は水圧防壁910の上面にあり、それをある割合で覆っている。発光物質912もまた、水圧防壁910の上面に層を形成している。成長抑制物920の開口部によって露出された部分を残して水圧防壁910の部分を覆っている。不透光性且つ透水性材料914は、発光物質912の上面に層を形成する。不透光性且つ透水性材料914と発光物質912との厚さは、成長抑制物の厚さと調和するように調整されており、このことによって、センサ窓部のための滑らかな上表面が形成されている。
【0035】
上述したセンサ窓部の実施形態では、センサ窓部は平坦であり滑らかである。本発明は、平坦なセンサ窓部に限定されるものではなく、例えば、円筒形状や環形状などの他の形状も使われる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】発光式溶存酸素センサ100の分解図である。
【図2】プローブ200の側面断面図である。
【図3】横方向に窓部を有する(side viewing)発光式溶存酸素センサ300の断面図である。
【図4】センサ窓部430の等角図である。
【図5a】本発明の一実施形態において、開口部の模様を備え、シートに形成された成長抑制物のシートの平面図である。
【図5b】本発明の他の実施形態において、開口部の模様を備え、シートに形成された成長抑制物のシートの平面図である。
【図5c】本発明の一実施形態において、金網の形状の成長抑制物の平面図である。
【図6】本発明の一実施形態における発光式溶存酸素センサのセンサキャップの断面図である。
【図7】本発明の一実施形態における発光式溶存酸素センサのセンサ窓部の断面図である。
【図8】本発明の一実施形態において、抗汚粒子と不透光性且つ透水性材料との混合物を使ったセンサ窓部の断面図である。
【図9】本発明の一実施形態におけるセンサ窓部の断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
滑らかな上表面(640)を備えたセンサ窓部を有し、当該滑らかな上表面(640)が領域を有する発光式溶存酸素センサであって、
前記領域の第1の割合Xを形成する成長抑制物(620)と、
前記領域の第2の割合Yを形成する不透光性且つ透水性材料(614)と
を有することを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項2】
請求項1に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、前記成長抑制物(620)は銅であることを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項3】
請求項1に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、前記第1の割合Xは、10%から80%の間であることを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項4】
請求項1に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、前記第2の割合Yは、概ね100%−Xに等しいことを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項5】
請求項1に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、前記成長抑制物(820)は、前記不透光性且つ透水性材料と共に混ぜられた粒子の形状であることを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項6】
請求項5に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、前記成長抑制物(820)の粒子は、混合された不透光性且つ透水性材料(814)と成長抑制物(820)とによって形成された層の厚さよりも小さい大きさを有することを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項7】
請求項1に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、
前記不透光性且つ透水性材料(614)の下に層を形成する発光物質(612)を更に有することを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項8】
請求項7に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、
前記成長抑制物(920)は、第1の厚さを有し、
前記不透光性且つ透水性材料(914)は、第2の厚さを有し、
前記発光物質(912)の層は、第3の厚さを有し、
前記第1の厚さは、前記第2の厚さと前記第3の厚さの和に等しいことを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項9】
請求項7に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、
前記成長抑制物(720)は、第1の厚さを有し、
前記不透光性且つ透水性材料(714)は、第2の厚さを有し、
前記発光物質(712)の層は、第3の厚さを有し、
前記第1の厚さは、前記第2の厚さと前記第3の厚さの和よりも大きいことを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項10】
請求項7に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、
前記成長抑制物(620)と前記発光物質(612)との下に層を形成する水圧防壁(610)を有することを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項11】
請求項7に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、
前記発光物質(612)も、前記成長抑制物(620)の下に層を形成することを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項12】
請求項11に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、
前記成長抑制物(620)は、第1の厚さを有し、
前記不透光性且つ透水性材料(614)は、第2の厚さを有し、
前記第1の厚さは、前記第2の厚さに等しいことを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項13】
請求項11に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、
前記成長抑制物(720)は、第1の厚さを有し、
前記不透光性且つ透水性材料(714)は、第2の厚さを有し、
前記第1の厚さは、前記第2の厚さよりも大きいことを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項14】
請求項11に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、
前記発光物質(612)の下に層を形成する水圧防壁(610)を更に有することを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項15】
請求項1に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、
前記成長抑制物は固体表面に分散して配置された複数の開口部を備えた固体表面(5a,5b)の形式であり、
前記不透光性且つ透水性材料(614)は、前記複数の開口部を満たすことを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項16】
請求項1に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、
前記複数の開口部は、円形状(5a)を有することを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項17】
抗汚材料(620)を備えたセンサ窓部の領域の一部を覆う方法において、
前記抗汚材料(620)によって覆われていないセンサ窓部の部分を不透光性且つ透水性材料(614)で覆い、
前記抗汚材料と前記不透光性且つ透水性材料とによって形成された表面を滑らかにすることを特徴とする方法。
【請求項18】
水圧防壁(610)の上に発光物質(612)の層を配置する方法において、
前記発光物質(612)の第1の割合を抗汚材料(620)で覆い、それによって、当該発光物質の第2の割合を露出させ、
露出された前記発光物質(612)を不透光性且つ透水性材料(614)で覆い、
前記抗汚材料(620)と前記不透光性且つ透水性材料(614)とによって形成された表面を滑らかにすることを特徴とする方法。
【請求項19】
抗汚合成物(820)の粒子を不透光性且つ透水性材料(814)に混ぜ、
発光物質(812)を、不透光性且つ透水性材料(814)と抗汚粒子(820)との混合物の層で覆い、
前記層の表面を滑らかにすることを特徴とする方法。
【請求項1】
滑らかな上表面(640)を備えたセンサ窓部を有し、当該滑らかな上表面(640)が領域を有する発光式溶存酸素センサであって、
前記領域の第1の割合Xを形成する成長抑制物(620)と、
前記領域の第2の割合Yを形成する不透光性且つ透水性材料(614)と
を有することを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項2】
請求項1に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、前記成長抑制物(620)は銅であることを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項3】
請求項1に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、前記第1の割合Xは、10%から80%の間であることを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項4】
請求項1に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、前記第2の割合Yは、概ね100%−Xに等しいことを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項5】
請求項1に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、前記成長抑制物(820)は、前記不透光性且つ透水性材料と共に混ぜられた粒子の形状であることを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項6】
請求項5に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、前記成長抑制物(820)の粒子は、混合された不透光性且つ透水性材料(814)と成長抑制物(820)とによって形成された層の厚さよりも小さい大きさを有することを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項7】
請求項1に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、
前記不透光性且つ透水性材料(614)の下に層を形成する発光物質(612)を更に有することを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項8】
請求項7に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、
前記成長抑制物(920)は、第1の厚さを有し、
前記不透光性且つ透水性材料(914)は、第2の厚さを有し、
前記発光物質(912)の層は、第3の厚さを有し、
前記第1の厚さは、前記第2の厚さと前記第3の厚さの和に等しいことを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項9】
請求項7に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、
前記成長抑制物(720)は、第1の厚さを有し、
前記不透光性且つ透水性材料(714)は、第2の厚さを有し、
前記発光物質(712)の層は、第3の厚さを有し、
前記第1の厚さは、前記第2の厚さと前記第3の厚さの和よりも大きいことを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項10】
請求項7に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、
前記成長抑制物(620)と前記発光物質(612)との下に層を形成する水圧防壁(610)を有することを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項11】
請求項7に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、
前記発光物質(612)も、前記成長抑制物(620)の下に層を形成することを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項12】
請求項11に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、
前記成長抑制物(620)は、第1の厚さを有し、
前記不透光性且つ透水性材料(614)は、第2の厚さを有し、
前記第1の厚さは、前記第2の厚さに等しいことを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項13】
請求項11に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、
前記成長抑制物(720)は、第1の厚さを有し、
前記不透光性且つ透水性材料(714)は、第2の厚さを有し、
前記第1の厚さは、前記第2の厚さよりも大きいことを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項14】
請求項11に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、
前記発光物質(612)の下に層を形成する水圧防壁(610)を更に有することを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項15】
請求項1に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、
前記成長抑制物は固体表面に分散して配置された複数の開口部を備えた固体表面(5a,5b)の形式であり、
前記不透光性且つ透水性材料(614)は、前記複数の開口部を満たすことを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項16】
請求項1に記載の発光式溶存酸素センサにおいて、
前記複数の開口部は、円形状(5a)を有することを特徴とする発光式溶存酸素センサ。
【請求項17】
抗汚材料(620)を備えたセンサ窓部の領域の一部を覆う方法において、
前記抗汚材料(620)によって覆われていないセンサ窓部の部分を不透光性且つ透水性材料(614)で覆い、
前記抗汚材料と前記不透光性且つ透水性材料とによって形成された表面を滑らかにすることを特徴とする方法。
【請求項18】
水圧防壁(610)の上に発光物質(612)の層を配置する方法において、
前記発光物質(612)の第1の割合を抗汚材料(620)で覆い、それによって、当該発光物質の第2の割合を露出させ、
露出された前記発光物質(612)を不透光性且つ透水性材料(614)で覆い、
前記抗汚材料(620)と前記不透光性且つ透水性材料(614)とによって形成された表面を滑らかにすることを特徴とする方法。
【請求項19】
抗汚合成物(820)の粒子を不透光性且つ透水性材料(814)に混ぜ、
発光物質(812)を、不透光性且つ透水性材料(814)と抗汚粒子(820)との混合物の層で覆い、
前記層の表面を滑らかにすることを特徴とする方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図9】
【公表番号】特表2009−522574(P2009−522574A)
【公表日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−549482(P2008−549482)
【出願日】平成18年12月13日(2006.12.13)
【国際出願番号】PCT/US2006/047585
【国際公開番号】WO2007/081482
【国際公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(505106575)ハック・カンパニー (12)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月13日(2006.12.13)
【国際出願番号】PCT/US2006/047585
【国際公開番号】WO2007/081482
【国際公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(505106575)ハック・カンパニー (12)
【Fターム(参考)】
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