説明

漢方薬煮込み鍋

【課題】 鍋本体の底部と加熱装置の表面とが密接に連接して加熱装置が発生する熱が鍋本体に直接かつ均一に伝導される漢方薬煮込み鍋を提供する。
【解決手段】 鍋本体1の底部に凹み部11を形成し、この凹み部11に下から密接にはまりこむ加熱装置2を作り、この加熱装置2は電熱管21を包囲するアルミニウム材の塊状に作り、電熱管21の両端子は加熱装置2の外に突出て電源および温度制御スイッチ3と回路を形成し、電気が電熱管21に通じると熱を発生して加熱装置2から鍋本体1に熱が伝導され、鍋本体1の中に入れられて水を混ぜた漢方薬を定量に煮込むようにする。加熱装置2を鍋本体1の凹み部11に固設するときは、凹み部11あるいは加熱装置2に合金補助剤を塗粧し、高圧溶接機により加熱装置2の上表面のアルミニウム材を瞬間的に溶解させ、合金補助剤とともに凹み部11に密接に融接する。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、漢方薬を煮込むのに使用される漢方薬煮込み鍋に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来使用されている加熱装置付きの漢方薬煮込み鍋は二種類が知られている。
その中の一種は、図3に示すように鍋本体4を備え、その鍋本体4の腰部の外表面の周囲に加熱装置5を固設し、またさらにこの加熱装置5には温度制御スイッチ6を付設し、それで漢方薬を鍋本体4の中に入れて水を混ぜ、定量に煮込むようにしている。
【0003】
また、従来の別の加熱装置付きの漢方薬煮込み鍋は、図4に示すように鍋本体4を備え、複数のねじ棒7を鍋本体4の底部を貫通させて底部に直接溶接して固設し、さらに温度制御スイッチ6を加熱装置5に連結し、また蓋8を加熱装置5に被せ、ねじ棒7でもって蓋8を圧迫して加熱装置5を鍋本体4の底部の上に固定させている。
【0004】
前記の二種の加熱装置付きの漢方薬煮込み鍋は、その加熱装置の設置方法は皆ねじで締付ける方法でその目的を達している。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、鍋本体の底部と加熱装置との接合面は別に加工されていないので、両者は有効的に密接しておらず、ある隙間を形成している。それで、加熱表面の温度は均一な状態にならず、そのために温度制御スイッチは誤った動作をする可能性があり、また組付が緊密にできず、水漏れと、温度制御スイッチが煮込み作業未完成のときに早く電気を切るという欠点があり、漢方薬を定量に煮込められない。
【0006】
したがって、本考案の目的は、鍋本体の底部と加熱装置の表面とが密接に連接して加熱装置が発生する熱が鍋本体に直接かつ均一に伝導される漢方薬煮込み鍋を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための本考案の手段によると、鍋本体の底部に凹状の凹み部を設け、この凹み部に加熱装置を下から密接にはめ込み、さらに凹み部の表面あるいは加熱装置の上表面に合金の補助剤を塗装して密合させ、両者の間に隙間がないようにする。加熱装置は鍋本体の底部の凹部に密接にはまりこんで設置されるので、加熱装置と鍋本体との間に隙間がなく、加熱装置の発生した熱が直接鍋本体に均一に伝導されて熱効率は良好であり、それゆえ温度制御スイッチは正確にオンオフの動作をし、薬湯は定量に煮込まれる。
【0008】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。
本実施例の漢方薬煮込み鍋は、図1および図2に示すように、鍋本体1と、この鍋本体1の底部に凹形の凹み部11とを形成し、加熱装置2を凹み部11の中に下からはめ込む。加熱装置2はアルミニウム材で電熱管21を包囲し、さらに凹み室22をもつ凹形の塊状に鋳造しておく。加熱装置2の凹み室22の中には温度制御スイッチ3を設置し、電熱管21の両端子は加熱装置2の外に露出させる。両端子は電源と連接して温度制御スイッチとともに回路を形成し、電熱管21に電気が通じると熱を発生して鍋本体1にその熱が伝導され、鍋本体1の中にあって水を混ぜた漢方薬が煮込まれる。また、本実施例の特点は、鍋本体1の底部の凹み部11の表面あるいは加熱装置2の上表面に合金の補助剤を塗粧していることである。それゆえ凹み部11と加熱装置2との間には隙間が存在しない。
【0009】
前記の合金補助剤の施工をするときは、事前にその合金補助剤を塗粧してある加熱装置2を下型の上に固定し、また鍋本体1を上型に固定し、温度を750〜800℃に設定している高圧溶接機でもって加熱装置上表面のアルミニウム材を瞬間的に溶解させる。ただし、この温度はアルミニウム材を溶解させることはできるが、ステンレス材の鍋本体1はその影響を受けず、変形することはない。そのあと、合金補助剤の溶解により加熱装置2の上表面は凹み部11の表面と密接に連接された状態になり、約60秒の短時間で冷却させれば硬化し、上下型を取り外せば合金補助剤の施行が完了する。
【0010】
【考案の効果】
本考案は、次に述べる効果がある。
(1)合金補助剤により、鍋本体および加熱装置は確実に溶解して一体になり、両者の間には隙間がなく、鍋本体の底部は加熱装置が発生する均一な熱を受けて熱効率が良好であって、温度制御スイッチは正確にオンオフの作動をし、薬湯は定量に煮込まれる。
【0011】
(2)加熱装置の組付が簡単化され、そのコストは減少する。
(3)本考案は加工が簡便であって、かつ組み合わせ作業が便利で迅速にできる。
(4)本考案は故障率が低く、保全修理の費用があまりかからない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例による漢方薬煮込み鍋を示す分解斜視図である。
【図2】本考案の実施例による漢方薬煮込み鍋を示す断面図である。
【図3】従来の一種の漢方薬煮込み鍋を示す断面図である。
【図4】従来のもう一種の漢方薬煮込み鍋を示す断面図である。
【符号の説明】
1 鍋本体
2 加熱装置
3 温度制御スイッチ
11 凹み部
21 電熱管
22 凹み室

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 底部に凹状の凹み部を有する鍋本体と、前記凹み部に下からはめられ、電熱管を包囲してアルミニウム材が凹形に鋳造された塊状体であって、底部中央に形成される凹み室に温度制御スイッチがはめこまれて設置され、前記電熱管の両端子は外部に突き出るように付設され、前記電熱管と電源と前記温度制御スイッチとにより回路を形成する加熱装置とを備え、前記凹み部の外表面あるいは前記加熱装置の上表面に合金補助剤が塗粧され、高圧溶接機により前記加熱装置の塊状体の上表面のアルミニウム材は瞬間的に溶解し、前記合金補助剤の同時溶解により前記加熱装置は前記凹み部と融合連接して一体に成形されることを特徴とする漢方薬煮込み鍋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【登録番号】第3058388号
【登録日】平成11年(1999)3月10日
【発行日】平成11年(1999)6月18日
【考案の名称】漢方薬煮込み鍋
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平10−7966
【出願日】平成10年(1998)10月12日
【出願人】(598139830)