説明

潤滑剤塗布方法および記憶媒体製造方法

【課題】潤滑剤を交換しなくても潤滑剤の平滑性を保つことができる潤滑剤塗布方法および記憶媒体製造方法を提供する。
【解決手段】本件開示の方法は、準備過程と潤滑剤塗布過程と追加過程とを有する。
上記準備過程は、複数の被塗布物を一度にあるいは順次に準備する過程である。
上記潤滑剤塗布過程は、上記複数の被塗布物を、順次に、潤滑剤が溜められた貯槽中に浸けて引き上げることでそれら複数の被塗布物それぞれの被塗布面に潤滑剤を塗布する過程である。
上記追加過程は、上記潤滑剤塗布過程中で上記複数の被塗布物のうちの途中の被塗布物まで潤滑剤が塗布された時点で、上記貯槽中に潤滑剤を追加する過程である。この追加過程で追加される潤滑剤は、主鎖部と末端部とを有しその主鎖部が上記貯槽中の潤滑剤の主鎖部と共通な潤滑剤のうちで末端部がBis末端となっているタイプの潤滑剤である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件開示は、潤滑剤塗布方法および記憶媒体製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ハードディスクドライブ(HDD)に記憶媒体として組み込まれる磁気ディスクの表面には、浮上ヘッドが表面に接触してしまった場合に表面を保護するために潤滑剤が膜状に塗布されている。この潤滑剤は、潤滑剤が貯められた貯槽中に磁気ディスクを浸して引き上げることによって塗布されている。この潤滑剤の膜が十分に平滑であると、浮上ヘッドの浮上量に許される変動範囲、すなわち浮上性マージンが大きい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−219266号公報
【特許文献2】特開2006−343597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、貯槽中の潤滑剤に浸す塗布方法で多数の磁気ディスクに順次に潤滑剤が塗布されると、貯槽中に多量の潤滑剤が残っていても、徐々に膜の平滑性が悪化する。このような悪化がある程度以上に進むと浮上性マージンが不足してしまう。
【0005】
このような浮上性マージンの不足に至る前に貯槽中の潤滑剤を新しい潤滑剤に交換すると潤滑剤の平滑性を保つことができるが、潤滑剤の交換には多くの手間と多くの費用を要する。このため、このような交換を避けて潤滑剤の平滑性を保つことができる塗布方法が望まれている。
【0006】
なお、このような事情は、磁気ディスクに限らず、貯槽中の潤滑剤を用いて複数の被塗布物に順次に潤滑剤を塗布する場合に一般的に生じる事情である。
【0007】
上記事情に鑑み、本件開示は、潤滑剤を交換しなくても潤滑剤の平滑性を保つことができる潤滑剤塗布方法および記憶媒体製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する潤滑剤塗布方法の基本形態は、準備過程と潤滑剤塗布過程と追加過程とを有する。
【0009】
上記準備過程は、潤滑剤が塗布される平面状の被塗布面を各々が有する複数の被塗布物を一度にあるいは順次に準備する過程である。
【0010】
上記潤滑剤塗布過程は、上記複数の被塗布物を、順次に、潤滑剤が溜められた貯槽中に浸けて引き上げることでそれら複数の被塗布物それぞれの被塗布面に潤滑剤を塗布する過程である。また、上記貯槽中の潤滑剤は、主鎖部と末端部とを有しその末端部が上記被塗布面に結合するものである。
【0011】
上記追加過程は、上記潤滑剤塗布過程中で上記複数の被塗布物のうちの途中の被塗布物まで潤滑剤が塗布された時点で、上記貯槽中に潤滑剤を追加する過程である。この追加過程で追加される潤滑剤は、主鎖部と末端部とを有しその主鎖部が上記貯槽中の潤滑剤の主鎖部と共通な潤滑剤のうちで末端部がBis末端となっているタイプの潤滑剤である。
【0012】
また、上記目的を達成する記憶媒体製造方法の基本形態は、基板準備過程と積層過程と潤滑剤塗布過程と追加過程とを有する。
【0013】
上記基板準備過程は、複数の基板を準備する過程である。
【0014】
上記積層過程は、上記基板上に、情報を記憶する記憶層を含む1つ以上の層を積層して積層体を形成する過程である。
【0015】
上記潤滑剤塗布過程は、上記積層体が形成された複数の基板を、順次に、潤滑剤が溜められた貯槽中に浸けて引き上げることで積層体の表面に潤滑剤を塗布する過程である。また、上記貯槽中の潤滑剤は、主鎖部と末端部とを有しその末端部が積層体の表面に結合するものである。
【0016】
上記追加過程は、上記潤滑剤塗布過程中で上記複数の基板のうちの途中の基板まで潤滑剤が塗布された時点で、上記貯槽中に、潤滑剤を追加する過程である。この追加過程で追加される潤滑剤は、主鎖部と末端部とを有しその主鎖部が上記貯槽中の潤滑剤の主鎖部と共通な潤滑剤のうちで末端部がBis末端となっているタイプの潤滑剤である。
【発明の効果】
【0017】
潤滑剤塗布方法および記憶媒体製造方法の上記基本形態によれば、潤滑剤を交換しなくても、上記タイプの潤滑剤の追加で潤滑剤の平滑性を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】上述した基本形態に対する具体的な一実施形態を表す工程図である。
【図2】試験結果の例を示す図である。
【図3】潤滑剤の化学構造を示す図である。
【図4】Bis体の濃度変化に対する浮上性マージンの変化を表す図である。
【図5】潤滑剤の別の例を示す図である。
【図6】潤滑剤の更に別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
基本形態について上記説明した潤滑剤塗布方法および記憶媒体製造方法に対する具体的な実施形態を、以下図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、上述した基本形態に対する具体的な一実施形態を表す工程図である。
【0021】
この図1には、4つの工程からなる記憶媒体製造方法が示されている。この図1に示す記憶媒体製造方法では、ハードディスクドライブ(HDD)に記憶媒体として組み込まれる磁気ディスクが製造される。
【0022】
この記憶媒体製造方法では、まずテクスチャ工程S101で基板の表面を、磁気ディスクの種類に応じた適切な物理構造(テクスチャ)に加工する。この加工としては、例えば全面に亘って平面状に研磨したり、サーボピット用の穴を加工したりする。
【0023】
次にスパッタ工程S102で、基板をスパッタ装置内に入れて基板表面に磁性材料などの膜を形成する。
【0024】
これらテクスチャ工程S101およびスパッタ工程S102を経ることで、磁気ディスクにおける記憶媒体としての構造が完成する。つまりこれらテクスチャ工程S101およびスパッタ工程S102を経たものは磁気ディスクと呼べる。テクスチャ工程S101が、上述した基本形態における基板準備過程の一例に相当する。また、スパッタ工程S102が、上述した基本形態における積層過程の一例に相当する。そして、これらテクスチャ工程S101およびスパッタ工程S102を合わせたものが、上述した基本形態における準備過程の一例に相当する。
【0025】
本実施形態の記憶媒体製造方法では、その後、潤滑剤塗布工程S103で磁気ディスクの表面に潤滑剤を塗布する。この潤滑剤塗布工程S103では潤滑剤塗布装置10によって磁気ディスク20を、貯槽30中に貯められた潤滑剤40に浸し、その後引き上げる。これにより、磁気ディスク20の表面には潤滑剤の膜が形成される。この潤滑剤塗布工程S103が、上述した基本形態における潤滑剤塗布過程の一例に相当する。
【0026】
潤滑剤塗布工程S103の後には、試験工程S104で、浮上ヘッドの浮上性マージンを試験する。この試験工程S104では、試験装置50が搬送アーム60で磁気ディスク20をモータ70上に載せ、そのモータ70で磁気ディスク20を回転させる。試験装置50は、試験用の浮上ヘッド80をヘッドアーム90で保持することでその浮上ヘッド80を、回転する磁気ディスク20の表面上に浮上させる。このヘッドアーム90には、浮上ヘッド80の近傍に振動センサが取り付けられている。試験装置50は、この振動センサの出力を確認することで浮上ヘッドの浮上性マージンを確認する。ここで、試験結果の例について説明する。
【0027】
図2は、試験結果の例を示す図である。
【0028】
この図2には、試験結果の2つの例がグラフで示されている。これらのグラフの横軸は、磁気ディスク上での浮上ヘッドの位置を磁気ディスクの中心からの距離で表している。の距離は、磁気ディスク表面に対して相対的に回転移動する浮上ヘッドの回転半径に相当する。また、図2に示すグラフの縦軸は、振動センサの出力を表している。
【0029】
振動センサの出力が大きいほど浮上ヘッドが大きく揺らいでいることを意味する。即ち、振動センサの出力が大きいほど浮上性マージンが減少していることになる。また、浮上ヘッドの揺らぎは、潤滑剤の膜における平滑性の悪化に起因している。つまり、平滑性が悪化すると、磁気ディスク表面に沿った空気の流れが乱れたり浮上ヘッドに潤滑剤が付着したりするので浮上ヘッドが揺らぐ。
【0030】
図2のパート(A)に示すグラフは、潤滑剤の平滑性が悪化したときの試験結果を示している。振動センサの出力値は約200mVという大きい出力値となっている。また、振動センサの出力値自体のぶれも大きい。
【0031】
これに対して図2のパート(B)に示すグラフは、潤滑剤の平滑性が高いときの試験結果を示している。振動センサの出力値は数十mVという小さな出力値となっている。また、振動センサの出力値自体のぶれも小さい。このような出力値は、振動センサのホワイトノイズレベルである。
【0032】
ここに例示したような試験結果が図1の試験工程S104で得られると、潤滑剤塗布工程S103における潤滑剤の塗布状態の良否が、浮上性マージンの大きさとして確認できることとなる。
【0033】
ところで、図1に示す記憶媒体製造方法では、ロットと称される単位の複数の磁気ディスクが次々に各工程を経て製造される。そして、ロット中の始めの方の磁気ディスクでは浮上性マージンが大きいが、製造を続けると、貯槽中に多量の潤滑剤が残っているにもかかわらず浮上性マージンが徐々に減少してしまう。ある程度の浮上性マージンが確保できていれば磁気ディスクの性能としては合格であるが、浮上性マージンが確保できなくなると磁気ディスクの製造不良となってしまうので、ある程度の浮上性マージンが確保できているうちに対策を取る必要がある。
【0034】
単純な対策としては、磁気ディスクの製造を中断しておいて、潤滑剤塗布装置10の貯槽30中に貯められた潤滑剤40を新しい潤滑剤に入れ替えることが考えられる。しかし、交換のために長時間の製造中断を伴うし、多量に残った潤滑剤を交換するので交換費用も高額となる。
【0035】
そこで、本実施形態の記憶媒体製造方法では、試験工程S104で潤滑剤の塗布状態が確認された後で追加工程S105を行う。そして、ある程度の浮上性マージンが確保できているうちに、必要に応じて貯槽30中に潤滑剤を追加する。この追加工程S105が、上述した基本形態における追加過程の一例に相当する。この追加工程S105で追加される潤滑剤は、以下で説明するBis体である。
【0036】
図3は、潤滑剤の化学構造を示す図である。
【0037】
この図3には、潤滑剤の一例としてTETRAOL潤滑剤が示されている。このTETRAOL潤滑剤は、パーフルオロポリエーテルの主鎖部41を有している。ここで、図中の添え字p、qは重合度を表している。
【0038】
図3のパート(A)にはTETRA末端42を主鎖部41の両端に備えたタイプが示されている。また、図3のパート(B)には、末端部の一方がTETRA末端42に対するBis末端43となったBis体が示されている。Bis体とは、このように末端部の少なくとも一方がBis末端となったもののことである。
【0039】
TETRA末端42が2つの水酸基を有しているのに対してBis末端43は3つの水酸基を有している。水酸基は、潤滑剤が磁気ディスクの表面に結合するときの反応基であるため、Bis末端43を有するBis体は、両端がTETRA末端42であるものよりも磁気ディスクへの結合性が高い。図2のパート(A)に示す例のような塗布状態の悪化は、貯槽30中の潤滑剤40のうち結合性が高いBis体が先に消費されてBis体が減少することで生じたためであると考えられる。
【0040】
図3のパート(B)に示すようなBis体を図1の追加工程S105で貯槽30中に追加すると、図2のパート(A)に示す例のように塗布状態が悪化している場合であっても、図2のパート(B)に示すような良好な塗布状態に改善できることが実験的に確認された。このようにBis体を追加する方式によれば、貯槽30中の潤滑剤40を入れ替える方式に比べて、製造中断の時間の面でも費用の面でも約150分の1に抑えることができる。
【0041】
上述したように、図1に示す記憶媒体製造方法では、試験工程S104で確認された潤滑剤の塗布状態に応じて追加工程S105で潤滑剤の追加を行う。このような確認と追加を経ることで浮上性マージンが確実に確保される。このことは、上記基本形態に対して更に試験過程を有する第1の応用形態が好適であることを意味する。
【0042】
この試験過程は、上記潤滑剤塗布過程で上記被塗布面に塗布された潤滑剤の塗布状態の良否を、その潤滑剤塗布過程で上記複数の被塗布物に順次に潤滑剤が塗布されていくのと並行に、それら複数の被塗布物について順次に試験する過程である。
【0043】
また、この第1の応用形態では、上記追加過程が、上記試験過程による試験の結果に応じて上記タイプの潤滑剤を追加する過程となっている。
【0044】
図1に示す試験工程S104は、この第1の応用形態における試験過程の一例に相当する。また、追加工程S105は、この第1の応用形態における追加過程の一例にも相当している。
【0045】
ここで、Bis体の適切な濃度について検討する。
【0046】
図4は、Bis体の濃度変化に対する浮上性マージンの変化を表す図である。
【0047】
この図4には、図2に示したグラフと同様なグラフが、0.0wt%から61.2wt%までのBis体の各濃度について示されている。各グラフの横軸および縦軸は図2に示したグラフの横軸および縦軸と同様であるので数値は省略した。
【0048】
この図4に示すように、Bis体の濃度が0.0wt%であるときと61.2wt%であるときについては浮上性マージンが不足するが、Bis体の濃度が1.0wt%から44.3wt%までのいずれかの濃度であれば大きな浮上性マージンが確保される。
【0049】
この図4に示すデータは、上記基本形態に対して上記追加過程が、上記貯槽中に溜められた潤滑剤中における上記タイプの潤滑剤の含有量を1.0%以上44.3%以下に保つ過程となっている第2の応用形態が好適であることを意味する。
【0050】
なお、図1に示す記憶媒体製造方法では、試験工程S104における塗布状態の確認に応じて追加工程S105で潤滑剤が追加されるが、上記基本形態における追加過程は、定期的に潤滑剤を追加する過程であってもよい。このように定期的に潤滑剤を追加する場合には、Bis体の濃度が、図4に示されているような適切な濃度範囲に収まるようにBis体を追加する。また、上記基本形態に対する応用形態としては、潤滑剤中のBis体の濃度を測定しながら適宜にBis体を追加することでBis体の濃度を適切な濃度範囲に維持する形態も考えられる。
【0051】
以下、図3に例示した潤滑剤に替えて使用可能な別の潤滑剤の例について説明する。
【0052】
図5は、潤滑剤の別の例を示す図である。図6は、潤滑剤の更に別の例を示す図である。
【0053】
図5には、主鎖部44も末端部45,46も図3の例とは異なる潤滑剤が示されている。ここで、図中の添え字p、qは重合度を表している。図5のパート(A)には、両方の末端部がTETRA末端45となっているタイプが示されている。また、図5のパート(B)には、一方の末端部がTETRA末端45で他方の末端部がBis末端46となっているBis体が示されている。
【0054】
図6には、主鎖部44が図5の例と同様で末端部47,48が異なる潤滑剤が示されている。ここで、図中の添え字m、n、p、q、r、sは重合度を表している。図6のパート(A)には、両方の末端部47がBis末端でないタイプが示されている。また、図6のパート(B)には、両方の末端部がBis末端48となっているBis体が示されている。この図6に示す例では末端部47,48にも重合構造が存在している。
【0055】
これら図5,図6に例示した潤滑剤が使われる場合にも、Bis体の適宜な追加により浮上性マージンが確保される。
【0056】
なお、具体的な実施形態に関する上記説明では、基本形態における被塗布物の一例として磁気ディスクが示されているが、基本形態における被塗布物は、他の種類の記憶媒体であってもよいし、あるいは記憶媒体以外のものであってもよい。他の種類の記憶媒体としては例えば、個体浸レンズ(SIL)によって情報が光で読み書きされる媒体が考えられる。
【符号の説明】
【0057】
10 潤滑剤塗布装置
20 磁気ディスク
30 貯槽
40 潤滑剤
41,44 主鎖部
43,46,48 Bis末端
50 試験装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
潤滑剤が塗布される平面状の被塗布面を各々が有する複数の被塗布物を一度にあるいは順次に準備する準備過程と、
前記複数の被塗布物を、順次に、主鎖部と末端部とを有し該末端部が前記被塗布面に結合する潤滑剤が溜められた貯槽中に浸けて引き上げることで該複数の被塗布物それぞれの被塗布面に該潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布過程と、
前記潤滑剤塗布過程中で前記複数の被塗布物のうちの途中の被塗布物まで潤滑剤が塗布された時点で、前記貯槽中に、主鎖部と末端部とを有し該主鎖部が前記潤滑剤の主鎖部と共通な潤滑剤のうちで末端部がBis末端となっているタイプの潤滑剤を追加する追加過程とを有することを特徴とする潤滑剤塗布方法。
【請求項2】
前記潤滑剤塗布過程で前記被塗布面に塗布された潤滑剤の塗布状態の良否を、該潤滑剤塗布過程で前記複数の被塗布物に順次に潤滑剤が塗布されていくのと並行に、該複数の被塗布物について順次に試験する試験過程を有し、
前記追加過程が、前記試験過程による試験の結果に応じて前記タイプの潤滑剤を追加する過程であることを特徴とする請求項1記載の潤滑剤塗布方法。
【請求項3】
前記追加過程が、前記貯槽中に溜められた潤滑剤中における前記タイプの潤滑剤の含有量を1.0%以上44.3%以下に保つ過程であることを特徴とする請求項1または2記載の潤滑剤塗布方法。
【請求項4】
複数の基板を準備する基板準備過程と、
前記基板上に、情報を記憶する記憶層を含む1つ以上の層を積層して積層体を形成する積層過程と、
前記積層体が形成された複数の基板を、順次に、主鎖部と末端部とを有し該末端部が該積層体の表面に結合する潤滑剤が溜められた貯槽中に浸けて引き上げることで該表面に該潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布過程と、
前記潤滑剤塗布過程中で前記複数の基板のうちの途中の基板まで潤滑剤が塗布された時点で、前記貯槽中に、主鎖部と末端部とを有し該主鎖部が前記潤滑剤の主鎖部と共通な潤滑剤のうちで末端部がBis末端となっているタイプの潤滑剤を追加する追加過程とを有することを特徴とする記憶媒体製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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