説明

潤滑装置及び該潤滑装置の運転方法

【課題】改良された潤滑装置及び該潤滑装置の運転方法を提供する。
【解決手段】一方の第1の開口がピストンユニット内に配置されているようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、潤滑剤用の容器を備えた潤滑装置であって、前記容器内に、潤滑剤室を形成するための少なくとも1つの可動のピストンユニットが設けられており、前記潤滑剤室が、少なくとも1つの潤滑剤流入部と、少なくとも1つの潤滑剤流出部とを有している形式のものに関する。更に本発明は、前記潤滑装置の運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
公知の潤滑装置は、例えば容器に固定されたポンプを有しており、このポンプは容器内に位置する潤滑剤を、容器から潤滑剤流出部に送る。これにより、潤滑剤流出部に接続された装置に潤滑剤が供給される。潤滑装置及び潤滑しようとする装置をエラーフリーで運転するためには、潤滑剤内に空気が存在しない若しくは流入しないことが必要とされる。但し、容器内に蓄えられた潤滑剤により使用される容積は、潤滑剤の取出しによって小さくなる。このように可変の容積を、空気の侵入に対してシールするためには、潤滑剤室を制限する可動のピストンが容器内に位置している。このピストンは、潤滑剤室を残りの容器容積に対してシールするので、空気が容器から潤滑剤室に侵入する恐れはない。今、ポンプによって潤滑剤が潤滑剤室から取り出されると、可動ピストンが小さくなる容積に追従し、同時に通気弁又は開口を介して、残りの大きくなる容器容積に空気が充填される。
前記ピストンは、この公知の構成では純粋に受動型のコンポーネントであって、単に潤滑剤室の可変容積に追従するに過ぎない。
【0003】
潤滑剤室内に位置する潤滑剤の予め規定された量が消費されると直ちに、新たな潤滑剤を後充填する必要がある。このためには、ポンプが潤滑剤リザーバに接続されており、相応の運転において新たな潤滑剤を潤滑剤室にもたらすことができる。この場合、ピストンは逆方向に運動するので、潤滑剤室の容積は連続的に拡大する。
【0004】
択一的に、潤滑剤流出部における潤滑剤の供給は、ピストンの能動的な運動によっても実現され得る。この場合、潤滑剤流出部に向かうピストンの運動によって、潤滑剤室の潤滑剤は、容積の縮小に基づき潤滑剤室から押し出され、延いては潤滑剤流出部に供給される。
【0005】
但し、冒頭で述べた形式の公知の潤滑装置は、通常運転では大抵完全には空にされない。その結果、少量の潤滑剤の残りが潤滑剤室内に常に残留している。潤滑剤室に潤滑剤を新たに充填するためには、ピストンが逆方向に動かされ、同時に潤滑剤が潤滑剤流入部を介して潤滑剤室に導入されるか、若しくは潤滑剤がポンプによって潤滑剤室に送られ、これによりピストンが運動される。この場合、潤滑剤室の容積はその都度拡大される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、改良された潤滑装置及び該潤滑装置の運転方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決するために本発明では、一方の第1の開口がピストンユニット内に配置されているようにした。
【0008】
又、方法に関する課題を解決するために本発明では、潤滑剤を、潤滑剤流入部を介して潤滑剤室にもたらし、同時に潤滑剤室の容積が拡大するようにピストンユニットを運動させ、潤滑剤を潤滑剤流出部に供給し、同時に潤滑剤室の容積が縮小するようにピストンユニットを運動させるようにした。
【0009】
本発明の有利な構成手段は、各従属請求項に記載されている。
【発明の効果】
【0010】
請求項1には、潤滑剤用の容器を備えた潤滑装置が記載されており、前記容器内に潤滑剤室を形成するための少なくとも1つの可動のピストンユニットが設けられており、潤滑剤室が少なくとも2つの開口を有しており、これらの開口の内の一方が潤滑剤流入部として構成されており且つ他方が潤滑剤流出部として構成されている。この場合、前記の一方の第1の開口がピストンユニット内に配置されている。他方の開口は、有利にはピストンユニット内に配置された開口にほぼ対向位置するように、潤滑剤室に配置されている。これにより、両開口は、潤滑剤室の大きさに関して容器内のピストンユニットの如何なる状態においても最大限の間隔を有している。以下で本発明を1実施例に基づいて説明するが、この場合、ピストンユニット内に配置された潤滑剤の開口は流入部である。従って、他方の開口は潤滑剤流出部として構成されている。
【0011】
但し択一的に、ピストンユニット内に潤滑剤流出部を配置し、これに対応して潤滑剤流入部を対向位置する潤滑剤室側に配置することも可能である。このことは、以下に述べる本発明の全ての構成に当てはまる。
【0012】
ピストンユニットは、冒頭で述べた形式の公知の構成と同様に、受動型又は能動型のピストンを有していてよく、このピストンが潤滑剤室を制限している。受動型のピストンの場合、潤滑装置はポンプを有しており、このポンプは相応の運転時に潤滑剤を潤滑剤室から潤滑剤流出部に送り、これにより、潤滑剤室の容積が縮小される。ピストンはこの容積縮小化に、容器内で相応に運動することにより、受動的に追従する。能動型の構成の場合、ピストンは例えば圧力負荷によって、又は機械的に運動され、これにより、潤滑剤が潤滑剤流出部に送られる。
【0013】
公知の潤滑装置の場合、潤滑剤流入部は、潤滑剤室の、潤滑剤流出部と同じ側に配置されている。その結果、新鮮な潤滑剤による潤滑剤室の充填は、消費されない潤滑剤が、潤滑剤室内で新しい潤滑剤とピストンとの間に残留するように行われる。潤滑装置を長時間使用した場合、又は使用時間中に温度が上昇したり、類似の影響が及ぼされると、潤滑剤室内に残留している潤滑剤は老化する。特に、潤滑グリースを使用した場合は、使用時間の増大に伴い、潤滑グリースの油分が減少する。これにより、潤滑グリースが硬くなり、潤滑装置の運転を損なう恐れがある。特にこのことを防止することが、本発明の別の課題である。
【0014】
潤滑剤流入部をピストンユニット内に配置することにより、潤滑剤室の充填時に新たな潤滑剤がピストンユニットのすぐ下の潤滑剤室内にもたらされるということが、その都度保障されている。潤滑剤室が完全には空にならないことに基づいて未だ潤滑剤室内に位置している古い潤滑剤は、充填後は新しい潤滑剤と潤滑剤流出部との間に位置している。これにより、潤滑剤を新たに取り出す場合には、まず最初に前のサイクルの古い潤滑剤が潤滑剤流出部に供給され、次いで新たに充填された潤滑剤が潤滑剤流出部に供給されることが簡単に保障される。その結果、各サイクルにおいて潤滑剤の完全な交換が保障されている。
【0015】
同じ利点は同様に、潤滑剤流出部がピストン内に配置されており、且つ潤滑剤流入部が潤滑剤流出部に対応して対向位置している場合にも得られる。この場合は新たな潤滑剤が潤滑剤室の後充填に際して、ピストンとは反対の側にもたらされる。古い潤滑剤は、この構成でもやはり、新たな潤滑剤と潤滑剤流出部との間に位置している。従って、開口のこの配置形式においても各作業サイクル毎の潤滑剤の完全な交換が保証されている。
【0016】
本発明の有利な構成において、ピストンは、一方の方向での運動時に潤滑剤室の容積の縮小が生ぜしめられるように配置されており、この場合、潤滑剤は潤滑剤流出部に供与され、他方の方向での運動に際しては、潤滑剤室の容積の拡大が生ぜしめられ、この場合、潤滑剤は潤滑剤流入部から潤滑剤室内へ案内される。
【0017】
本発明の択一的な構成において、潤滑装置はポンプを有しており、このポンプによって潤滑剤を潤滑剤室から潤滑剤流出部に供与することができる。この場合、ピストンユニットは有利には受動的にのみ運動する。
【0018】
本発明の別の有利な構成において、潤滑剤流入部はピストン内の貫通案内部として構成されており、この貫通案内部は導管を介して充填装置に接続されている。この配置形式により、潤滑剤室の後充填に際して潤滑剤は導管を通じて簡単に潤滑剤流入部に供給され得る。充填装置は、例えば外部で容器に接して配置されたポンプとして構成されていてよく、このポンプはリザーバ内に位置する潤滑剤を、ピストンの運動に関連して導管を通じて潤滑剤流入部に送る。ポンプが潤滑剤を潤滑剤流入部に供給すると直ちに、潤滑剤室が新たに充填される。この場合、ピストンユニットのピストンが相応に運動する。作業ステップの同調は、空気が潤滑剤室内に流入しないようになっていなければならない。この場合にのみ、潤滑剤流出部への潤滑剤の連続的な供給が保証され得る。これに対応して、ポンプ制御が調整される。
【0019】
本発明の更に別の有利な構成において、充填装置は、ピストンに関して潤滑剤室とは反対の側に位置する容器側に配置されている。この配置形式では、容器の、潤滑剤室に所属しない容積における導管の特に簡単なガイドが可能である。この導管は、容器内で完全に充填装置とピストンとの間に配置され得る。
【0020】
本発明の更に別の有利な構成において、導管は、螺旋状のホースとして構成されている。このように成形されたホースは、ピストンの運動延いては該ホースに供与されている体積の縮小に、屈曲又は過剰な負荷が生じることなく最適に追従可能である。
【0021】
本発明の更に別の有利な構成において、ピストンは潤滑剤室に面した側に少なくとも1つの溝を有しており、この溝は第1の開口に接続されている。前記溝により、潤滑剤室の充填中に後流する潤滑剤が最適に配分され得る。このことは特に、例えばグリース等の粘性の高い潤滑剤を使用する場合に有利である。
【0022】
請求項8には、請求項1から7までのいずれか1項記載の潤滑装置の運転方法が記載されており、この潤滑装置の運転方法は以下の方法ステップを有している。即ち:
‐潤滑剤を、潤滑剤流入部を介して潤滑剤室にもたらし、
‐同時に潤滑剤室の容積が拡大するようにピストンを運動させ、
‐潤滑剤を潤滑剤流出部に供給し、
‐潤滑剤室の容積が縮小するようにピストンを運動させる。
【0023】
この方法によって、各作業サイクル毎に潤滑剤の完全な交換が行われることが保証される。その結果、潤滑剤が比較的長い時間潤滑剤室に残留することはなく、これにより、潤滑装置の耐用年数の向上が得られる。有利には、前記方法ステップはサイクル式で繰り返される。
【0024】
本発明の有利な形態では、最初の容積拡大前に以下の方法ステップが実施される。即ち:
‐潤滑剤流入部と潤滑剤室との間の接続部に潤滑剤を充填し、
‐潤滑剤室に潤滑剤を充填し、
‐同時に潤滑剤室から空気を抜き、
‐潤滑剤室にガスが流入しないようにピストンユニットを使用する。
【0025】
これにより、潤滑しようとする装置の運転を妨げる恐れのある空気が潤滑剤室に残留しないということが保証される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】従来技術から公知の潤滑装置である。
【図2】本発明の1実施形態による潤滑装置である。
【図3】図2に示した潤滑装置を別の運転状態で示した図である。
【図4】ピストンの下面を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、本発明を実施するための形態を図面につき詳しく説明する。
【0028】
以下に説明する従来技術及び本発明の実施例は、それぞれ冒頭で説明した受動型ピストンユニットを備えた構成に関する。但し、以下に説明する全ての実施例では、同様に能動型ピストンの使用が可能である。
【0029】
図1には、従来技術から公知の潤滑装置1が示されている。この潤滑装置1は、例えば金属、ガラス又はプラスチックから成る容器3を有している。この容器3は、内部に位置する構成部材を可視化するために、図1では部分的に開放されて示されている。容器3内には運動可能なピストン5が配置されている。このピストン5は、容器3内で昇降運動する。ピストン5と容器3の制限部とによって潤滑剤室7が規定され、この潤滑剤室7には潤滑剤、例えば潤滑グリースが位置している。潤滑剤室7に関して容器3のピストン5とは反対の側には圧送装置9が位置している。この圧送装置9は潤滑剤流出部10aを有しており、この潤滑剤流出部10aは、潤滑剤室7に接続されている。潤滑剤の取出し用に圧送装置9はポンプ(図示せず)を有しており、このポンプによって、潤滑剤を潤滑剤室7から潤滑剤流出部10aに送ることができる。ピストン5は、図示の実施例では能動的に運動するのではなく、単にポンプによってトリガされる潤滑剤室7の容積変化に追従するに過ぎない。潤滑剤流出部10aには、例えば導管(ここでは図示せず)が接続されており、この導管は、潤滑剤を適宜潤滑しようとする装置に送る。
【0030】
ピストン5が圧送装置9付近の位置に到達すると直ちに、ポンプの圧縮作業が逆転するので、新たな潤滑剤が潤滑剤室7にもたらされる。この目的のためには、圧送装置9が潤滑剤流入部10bを有している。この潤滑剤流入部10bは、例えば導管(図示せず)を介して潤滑剤リザーバに接続されている。択一的に、圧送装置9は潤滑剤を潤滑剤室7に送る第2のポンプを有していてよい。この第2のポンプは潤滑装置1の外部に配置されていてもよい。
【0031】
潤滑剤室7を空にするときのピストン5の終端位置は、潤滑剤室7が決して完全に空にはならないように選択されている。潤滑剤室7が完全に空になってしまうと、圧送装置9のポンプ障害を招く恐れがある。その結果、新たな潤滑剤が後から充填される場合に、潤滑剤の残りが潤滑剤室7において、ピストン5と潤滑剤流入部10bとの間に残留してしまう。従って、新たに潤滑剤室7にもたらされる潤滑剤は、選択図1において古い潤滑剤の下位にもたらされる。すなわち、新たな潤滑剤は古い潤滑剤と潤滑剤流出部10aとの間に位置しているので、潤滑剤を新規に取り出す場合は新たな潤滑剤が潤滑剤流出部10aに供与される。古い潤滑剤は、このサイクルに際してもほぼ完全に潤滑剤室7に残留する。潤滑装置1を比較的長時間使用した場合、古い潤滑剤には、潤滑装置1の運転を損なう恐れのある老化現象が現れる。特に潤滑グリースを使用した場合は、油の堆積によって、とりわけピストン5の運動を損なう挙動を招く恐れがある。これに加えて更に、老化した潤滑剤の潤滑特性の低下が生じる。
【0032】
図2及び図3には、本発明の有利な1実施例が2つの異なるサイクル状態で示されている。図2には、容器13を有する潤滑装置11が示されている。容器13内には、図1に示した公知の構成と同様に潤滑剤室17を規定する可動のピストン15が配置されている。このピストン15は昇降運動可能なので、受動的に、潤滑剤室17の容積変化に追従することができる。容器13の下端部には圧送装置19が配置されており、この圧送装置19は、潤滑剤室17に接続された潤滑剤流出部21を有している。圧送装置19は、図1に示した公知の構成と同様に、潤滑剤室17から潤滑剤を取り出すためのポンプを有している。潤滑剤流出部21は、潤滑しようとする装置に導管(ここでは図示せず)を介して接続されていてよい。
【0033】
図2では、ピストン15は圧送装置19から最大間隔をあけて位置しているので、潤滑剤室17の容積は最大である。図3においてピストン15は圧送装置19に対して最小間隔をあけて位置しているので、潤滑剤室17の容積は最小である。ピストン15は潤滑剤流入部として働く貫通案内部23を有しており、この貫通案内部23を介して潤滑剤を潤滑剤室17に供給可能である。貫通案内部23は螺旋状のホース25に接続されており、このホース25は、容器13の、潤滑剤室17に所属しない容積内に位置している。ホース25は、例えば自体公知のホースカップリング26を介して貫通案内部23に接続されていてよい。
【0034】
ピストン15の運動に対応して、ホース25は押しつぶされる若しくは互いに引き離される。他方の端部においてホース25は、潤滑剤を供給可能な充填装置27に接続されている。この充填装置27はポンプを有しており、このポンプはリザーバ(図示せず)から潤滑剤を、ホース25を介して潤滑剤室17に送り、これにより、ピストン15の上昇運動が生ぜしめられる。択一的に、前記ポンプはリザーバに対応配置されていてもよい。この場合、充填装置27は、単に接続導管をポンプに接続するためのホースカップリングだけを有している。
【0035】
貫通案内部23と、潤滑剤流出部21との対向配置に基づいて、潤滑剤室17内に残留している潤滑剤は、新たな潤滑剤を後充填する場合に、この新たな潤滑剤と潤滑剤流出部21との間に位置している。その結果、後から潤滑剤を充填する場合は、まず最初に古い潤滑剤が潤滑剤流出部21に供給され、この古い潤滑剤が完全に除去された状態で初めて、後充填された潤滑剤が潤滑剤流出部21に供給される。その結果、潤滑剤は各サイクル毎にほぼ完全に交換され、これにより、公知の構成において潤滑剤室内に残留している潤滑剤の老化に基づき潤滑装置11に生じる不都合な影響が回避される。
【0036】
図4には、ピストン15の潤滑剤室17に面した側の平面図が示されている。貫通案内部23には、ピストン15の端面に設けられた複数の溝31が接続している。潤滑剤をホース25を介して貫通案内部23に供給する場合、潤滑剤は溝31を介してピストン15の端面において最適に分配されるので、潤滑剤室17に均等に潤滑剤を充填することができる。
【0037】
本発明の構成に基づいて潤滑装置を製作する場合は、空気が潤滑剤に流入しないように注意しなければならない。従って、全ての導管、ポンプ及び潤滑剤室には、事前に空気を含むこと無しに潤滑剤が充填される必要がある。このことは、例えば潤滑グリースを使用した場合、まず個々のコンポーネントに潤滑グリースを充填し、充填した状態で組み立てることによって行うことができる。特にホース25は、潤滑剤の最初の供給時に該ホース25を介して空気が潤滑剤室17に流入しないようにするために、予め充填する必要がある。
【0038】
潤滑装置の運転はサイクル式で、まず最初に潤滑剤が圧送装置19のポンプによって潤滑剤室17から取り出されるように行われる。潤滑剤は、潤滑剤流出部21に供給され、潤滑しようとする装置に送られる。この場合、潤滑剤室17の容積は連続的に減少し、これにより、ピストン15は潤滑剤流出部21に向かって運動する。ピストン15が予め規定された最小位置に到達すると直ちに、圧送装置19の別のポンプ又は外部のポンプによって潤滑剤がホース25及びピストン15の貫通案内部23を介して潤滑剤室17にもたらされる。潤滑剤室17が、その最大容積に達し且つ潤滑剤で満たされると直ちに、圧送装置19のポンプを介して潤滑剤が再び潤滑剤流出部21に供給される。
【符号の説明】
【0039】
1,11 潤滑装置、 3,13 容器、 5,15 ピストン、 7,17 潤滑剤室、 9,19 圧送装置、 10a 潤滑剤流入部、 10b,21 潤滑剤流出部、 23 貫通案内部、 25 ホース、 27 充填装置、 31 溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
潤滑剤用の容器を備えた潤滑装置であって、前記容器内に潤滑剤室を形成するための少なくとも1つの可動のピストンユニットが設けられており、潤滑剤室が少なくとも2つの開口を有しており、これらの開口の内の一方が潤滑剤流入部として構成されており且つ他方が潤滑剤流出部として構成されている形式のものにおいて、
一方の第1の開口がピストンユニット内に配置されていることを特徴とする、潤滑装置。
【請求項2】
潤滑装置がポンプを有しており、該ポンプにより潤滑剤を潤滑剤室から潤滑剤流出部に供与可能である、請求項1記載の潤滑装置。
【請求項3】
第1の開口が、ピストンユニット内の貫通案内部として構成されており、該貫通案内部が導管を介して充填装置に接続されている、請求項1又は2記載の潤滑装置。
【請求項4】
充填装置が、ピストンユニットに関して潤滑剤室とは反対の側に位置する容器側に配置されている、請求項3記載の潤滑装置。
【請求項5】
前記導管が螺旋状のホースとして構成されている、請求項3又は4記載の潤滑装置。
【請求項6】
ピストンユニットが、潤滑剤室に面した側に少なくとも1つの溝を有しており、該溝が潤滑剤流入部に接続されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の潤滑装置。
【請求項7】
前記溝が直線状、円形又は螺旋状に構成されている、請求項1から6までのいずれか1項記載の潤滑装置。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか1項記載の潤滑装置の運転方法であって、以下の方法ステップ、即ち、
‐潤滑剤を、潤滑剤流入部を介して潤滑剤室にもたらし、
‐同時に潤滑剤室の容積が拡大するようにピストンユニットを運動させ、
‐潤滑剤を潤滑剤流出部に供給し、
‐同時に潤滑剤室の容積が縮小するようにピストンユニットを運動させることを特徴とする、潤滑装置の運転方法。
【請求項9】
前記方法ステップをサイクル式に繰り返す、請求項8記載の方法。
【請求項10】
最初の容積拡大前に以下の方法ステップを実施する、即ち、
‐潤滑剤流入部と潤滑剤室との間の接続部に潤滑剤を充填し、
‐潤滑剤室に潤滑剤を充填し、
‐同時に潤滑剤室から空気を抜き、
‐潤滑剤室にガスが流入しないようにピストンユニットを使用する、請求項8又は9記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−144926(P2011−144926A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−7245(P2011−7245)
【出願日】平成23年1月17日(2011.1.17)
【出願人】(509015590)
【氏名又は名称原語表記】Aktiebolaget SKF
【住所又は居所原語表記】Hornsgatan 1, SE−415 50 Goeteborg, Sweden