説明

潰せる芯、フィルタ、および方法

【課題】できるだけ少ない材料を使用し、廃棄又は、焼却も容易な、中央コアを使用したフィルタエレメントを提供する。
【解決手段】フィルタエレメント100は、潰せる巻芯102の周りに巻かれるひだ付きのフィルタ媒体104を含む。ひだ付きのフィルタ媒体104のひだはフィルタエレメント100の長手方向の軸106に対して実質的に長手方向に配向されており、フィルタエレメント100を軸方向に通過する流体の流れのろ過をおこなう。ひだ付きのフィルタ媒体104は通常、ひだ状のシートおよび表面シートを軸の周りに巻き、複数の隣接して接触するひだを形成することにより設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状または気体状の流体の流れから粒子状の物体を取り除く流体用のフィルタに関し、エンジンやコンプレッサ等の機械類に供給される吸気の濾過に使用する種類のフィルタを含む。
【背景技術】
【0002】
エンジンの吸入空気から粒子状物質をろ過して除去するために使用されるタイプのフィルタは、渦巻き形のパターンに形成され、しばしば産業界においてひだ付きのフィルタ媒体と呼ばれる1層以上の多孔性のフィルタ材料を含むことがある。
【0003】
フィルタエレメントの一般的に使用される一の形態において、フィルタエレメントは、フィルタエレメントの長手方向の軸をその第1および第2の軸方向の端部の間に画成し、フィルタエレメントは、中央コアと中央コアに巻かれた一巻のひだ付き(溝付き)のフィルタ媒体とを有し、ひだ付きのフィルタ媒体のひだ(溝)は実質的に長手方向に配向され、それによりフィルタエレメントを軸方向に通過する流体の流れの濾過を実現する。かかるフィルタエレメントは、通常、フィルタエレメントを洗浄または新しいフィルタエレメントと交換するために定期的に取り外しできるようにハウジングまたはダクト内に取り付けられる。ハウジングを通過する流体がフィルタエレメントを迂回できないように、通常、フィルタエレメントとハウジングとの間にはシールが設けられ、それにより確実にハウジングを通過する流体の全てがフィルタエレメントの一方の軸方向の端部に入り、フィルタエレメントの反対側の軸方向の端部から出るように設けられている。
【0004】
可能であれば、上述の種類のフィルタエレメントは典型的には断面形状が円形の円柱状に形成され、フィルタ媒体が丸い中央コアに巻かれる。しかしながら用途によっては、フィルタエレメントを非円柱状に形成して特定の用途の空間的制約を充たす必要がある。例えば、競技用トラック形のエレメントでは、フィルタエレメントの断面形状は競技用のトラックの形状であり、両端が一対の直線部分により接合された一対の半円形の曲線形状を有する。そのような競技用トラック形のフィルタエレメント、および楕円や長方形等の非円形の断面形状を有するフィルタエレメントでは、例えば、一巻のひだ付きのフィルタ材料が非円形の中央コアに巻かれる。かかる非円形の中央コアの断面は、実質的に長方形であってもよい。
【0005】
Gieseke等への米国特許第7,001,450号、米国特許第6,746,518号、および米国特許第6,547,857号に開示された競技用トラック形のフィルタエレメントを提供する1つの従来のアプローチにおいて、ひだ付きのフィルタ媒体は長方形の中央板に巻かれる。従来技術において周知であり、Gieseke等への特許に述べられているように、ひだ付きのフィルタ媒体は、典型的には媒体を中央板から遠ざかるように半径方向の外側方向に曲げることができる固有の形状記憶を示す。円柱状の中央コアを有するフィルタエレメントにおいては、媒体の湾曲は、コアの上、または媒体の既に巻かれている層の上に媒体を引き下ろすために干渉することなく実際に役立つので、この固有の湾曲の記憶は通常は問題にならない。
【0006】
競技用トラック形のフィルタエレメントを形成する他の従来のアプローチは、Krisko等の米国特許第7,008,467号および米国特許第6,966,940号に示されている。Krisko等は、非円柱形状の部材内において開口空間を画成する対面壁を有する、非円柱形状の競技用のトラック形状の壁部材によるコア構造を使用している。断面において、非円柱形状の部材は、全体として、湾曲壁によって両端が接合される平らな対面側壁を有する扁平な円柱形の管の外観を有していて、開口空間を取り囲んでいる。Krisko等のコア構造は開口空間内に配置されるモールディング構造とプラグとをさらに有し、それらは強度を向上するとともに、開口空間を軸方向に閉鎖して流体が非円柱形状の部材の内部の開口空間を通過して漏れないことを確実にしている。
【0007】
Krisko等の中央コア構造は、上述のGieseke等の中央板よりもさらに複雑である。Krisko等のコア構造もまた相当量の軸材料を含むものと見受けられ、かかるコア構造を製造するために、望ましくないほど高価かつ必要により重く設けられている。Krisko等のコア構造は、また、フィルタエレメントの交換の際に廃棄または焼却を要する相当量の余剰な材料をもたらす可能性がある。
【0008】
中央コアは本質的にフィルタ完成品において動作をしない部分であるので、中央コアは、できるだけ少ない材料を使用して最小コストで製造でき、かつ廃棄または焼却も容易にできる形態で容易に製造され得る構造であることが望ましい。用途によっては、中央コアは可能な限り軽量に作られることも望ましい。
【0009】
従って、上述の問題の1つ以上を克服し、および/または改良により従来技術を超える有用性を提供することができるように、競技用トラック形のような非円柱形の延長された形状を有する流体フィルタエレメントを製造する改良された方法および装置を提供することが望まれる。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、競技用トラック形などの延長された形状を有するフィルタエレメントを形成するための、改良方法および装置を提供する。この改良された方法および装置は、円筒状の予備組立てされた状態および略平らな潰された状態を有する潰せる巻芯を含む。本発明の実施の形態による潰せる巻芯を用いてフィルタ媒体を巻く方法において、ひだ付きのフィルタ媒体は円筒状の予備組立てされた状態の潰せる芯の周りに巻かれるため、前述のように従来の略平らな中央板を使用する場合にひだ付きのフィルタ媒体の固有の形状の記憶による問題が回避される。さらに、いくつかの実施の形態における潰せる巻芯は、板紙等の比較的安価な材料から、巻き上げ機械の従来の円筒状のローラに嵌まるように設けられた単純な円筒形状に形成できるため、全体的な製造コストを削減することもでき、それにより特定の非円筒状の巻芯を収容するための特別な巻き上げ機の必要性が排除される。
【0011】
1つの態様においては、本発明はフィルタエレメントを形成する方法を提供する。この方法は、潰せる巻芯を提供するステップと、中間フィルタエレメントを形成するために、ひだ付きのフィルタ媒体を潰せる巻芯の周りに巻くステップと、中間フィルタエレメントを潰すステップとを含む。
【0012】
他の態様においては、本発明は、潰せる巻芯と、潰せる巻芯の周りに巻かれるひだ付きのフィルタ媒体とを備えるフィルタエレメントを提供する。
【0013】
さらに他の態様においては、本発明はフィルタエレメント用の潰せる巻芯を提供する。潰せる芯は、予備組立てされた状態の円筒状の芯の本体と、潰された状態の略平らな芯の本体とを含む。
【0014】
本発明の他の態様、目的及び利点は、添付図面を併せ見れば、以下の詳細な説明によりさらに明らかになるであろう。
【0015】
本明細書に組み入れられ、本明細書の一部分を形成する添付図面は、本発明の複数の態様を例示し、記述とともに、本発明の原理の説明に資する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の実施の形態による潰せる巻芯を含む競技用トラック形状を有するフィルタエレメントの斜視図であり、部分的な断面図を示すためにフィルタの一部が取り除かれている説明図である。
【0017】
【図2】図2は、予備組立てされた状態にある、図1に示す潰せる巻芯の斜視図である。
【0018】
【図3】図3は、潰された状態にある、図2および図3に示す潰せる巻芯の斜視図である。
【0019】
【図4】図4は、中間状態にある、図1に示すフィルタエレメントの斜視図である。
【0020】
【図5】図5は、本発明の実施の形態による図1から図4までに示す潰せる巻芯を形成するための加工ラインを示す概略図である。
【0021】
【図6】図6は、図4に示す中間フィルタエレメントを巻き上げるための巻き上げ機を示す概略図である。
【0022】
【図7】図7は、図1に示す潰せる巻芯の周りに巻かれたひだ付きのフィルタ媒体の拡大図である。
【0023】
【図8】図8は、図4に示す中間フィルタエレメントが取り付けられた潰しステーションの側面図である。
【0024】
【図9】図9は、フィルタエレメントに力を加えて潰し、競技用トラック形状にした後の図8に示す潰しステーションの側面図である。
【0025】
【図10】図10は、本発明の実施の形態による潰せる巻芯へと巻かれる前に、接着剤ストリップが塗布される平らな巻芯材料の斜視図である。
【0026】
【図11】図11は、本発明の実施の形態による、潰された巻芯の軸方向の端部が密封材料によって密封される図9に示す競技用トラック形状のフィルタエレメントの側面図である。
【0027】
【図12】図12は、本発明の実施の形態による、予備組立てされた状態の潰せる巻芯の斜視図である。
【0028】
【図13】図13は、本発明の実施の形態による、径方向の穿孔線を含む潰せる巻芯の斜視図である。
【0029】
【図14】図14は、本発明の実施の形態による、ひだ付きのフィルタ媒体の前縁が取り付けられるとともに、接着剤/封止剤のビードが設けられる図13に示す潰せる巻芯の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明は、ある好ましい実施の形態と関連付けて説明されるが、それら実施の形態に限定する意図はない。反対に、意図するところは、全ての代替物、変形、および均等物を、特許請求の範囲に定義されているように本発明の精神と範囲の内に含まれるものとして、カバーすることである。
【0031】
図1は、本発明の一の実施の形態によるフィルタエレメント100を示す。フィルタエレメント100は、潰せる巻芯102の周りに巻かれるひだ付きのフィルタ媒体104を含む。フィルタエレメント100は、長手方向の軸106、第1の軸方向の端部108、および第2の軸方向の端部110を画成する。図示するように、ひだ付きのフィルタ媒体104のひだはフィルタエレメント100の長手方向の軸106に対して実質的に長手方向に配向されており、フィルタエレメント100を軸方向に通過する流体の流れのろ過をおこなう。ひだ付きのフィルタ媒体104は通常、ひだ状のシートおよび表面シートを軸の周りに巻き、複数の隣接して接触するひだを形成することにより設けられる。このようなひだ付きのフィルタ媒体104において、隣接するひだの端部は交互に閉塞され、「入口」ひだの一つの開口する端部に流入する流体が、多孔性のフィルタ媒体を通って流れ、ひだの反対側の端部においてフィルタ媒体から流出する前に、隣接する「出口」ひだに流れ込むように設けられている。
【0032】
潰せる巻芯102は、図2に示す予備組立てされた状態112、および図3に示す潰された状態114を有する。一の実施の形態においては、図2および図3に示すように、潰せる巻芯102は2本の折り線118、120を有する。予備組立てされた状態112の潰せる巻芯102は、本明細書において、予備組立てされた潰せる芯、または潰される前の潰せる芯、または潰される前の円筒状の芯の本体、または他の類似の用語で呼ばれることがある。図2に示すように、予備組立てされた状態112における潰せる巻芯102は、円筒状の本体、および第1の軸方向の端部124から第2の軸方向の端部126へと延在する2本の平行な折り線118、120を有する。本実施の形態の潰せる巻芯102は2本の折り線118、120を有するように示しているが、他の実施形態においては、潰せる巻芯102は折り線を含まなくてもよく、または1本のみ折り線を含んでもよく、または3本以上の折り線を含んでもよい。潰せる巻芯102は、プラスチック、紙、金属等の適切な材料から形成してもよい。好ましくは、潰せる巻芯102は板紙材料から形成される。いくつかの実施の形態においては、この板紙材料はプラスチック材料によりコーティングまたはラミネート(積層)されてもよい。折り線118、120は、折り目線、穿孔、部分的に潰せる巻芯の材料の厚みを貫通するように切り抜いた刻み線であってもよい。
【0033】
ひだ付きのフィルタ媒体104は、予備組立てされた状態112の潰せる巻芯102の周りに巻かれ、図4に示すように、円筒形状を有する中間状態のフィルタエレメント122を形成する。中間状態のフィルタエレメント122は円筒形状のフィルタエレメントを必要とする一部のろ過用途に用いてもよい。競技用のトラックに類似する形状のフィルタエレメントを必要とする他の用途においては、図1に示すように、中間状態のフィルタエレメント122を潰してフィルタエレメント100を形成することができる。
【0034】
一の実施の形態においては、フィルタエレメントを形成する方法は、潰せる巻芯を提供するステップと、中間フィルタエレメントを形成するために、ひだ付きのフィルタ媒体を潰せる巻芯に巻くステップと、および中間フィルタエレメントを潰すステップとを含む。従来において、競技用のトラックに類似する形状のフィルタエレメント用の様々な巻芯が開発されているが、その例としては、米国特許出願第11/634,647号明細書において開示されている実質的に平坦なプラスチック製の巻芯等がある。この特許出願は本譲受人に譲渡されており、その開示はその全体が参照として本明細書に組み込まれる。しかしながら、このような非円筒状の巻芯は、巻芯の特定の形状を収容するための特別製の巻き上げ機を必要とした。これらの非円筒状の巻芯とは異なり、本発明の潰せる巻芯は、従来のフィルタエレメント製造機械の多様な円筒状のローラまたは他のウェブ巻き上げ機械に適合するように形成することができる。したがって、本発明の潰せる巻芯を用いたフィルタエレメントの形成方法は、特別な巻き上げ装置の必要性を排除することにより製造コストを低減させることができる。
【0035】
上述のように、潰せる巻芯は、任意の適切な材料から形成されてもよく、図2に示すように1本以上の折り線を含んでもよい。本実施の形態においては、潰せる巻芯102はプラスチックコーティングされた板紙から形成されるとともに、2本の折り線118、120を含む。折り線118、120は、所定の、予測可能な方法で、この折り線に沿って、中間フィルタエレメント122(図4参照)を潰すプロセスを可能とするように設けられている。巻芯102は、任意の適当な従来の製造プロセスを用いて形成してもよい。図5は、本発明の一の実施の形態による潰せる巻芯102を提供するための加工ラインを概略的に示す。本実施の形態において、1巻のプラスチックコーティングされた板紙材料130は、1組のトリミングナイフ132を用いて所望の幅に切り取られる。そして、切り取られたプラスチックコーティングされた板紙材料は穿孔ナイフ134を通過し、そこで折り線118、120が形成される。プラスチックコーティングされた板紙材料は、次に切断ステーション136において所望の長さに切断され、長方形シート138が形成される。最後に、接着剤ステーション140において、適切な接着剤が長方形シート138の一方の端部にその幅に沿って塗布され、円筒形状に巻かれる。この巻くステップにおいて、接着剤146が2つの端部142と144との間でこれらの端部どうしを固定するように、接着剤塗布端部142は長方形シート138の反対側の端部144と重なり合い、予備組立てされた状態112の潰せる巻芯102を形成する。
【0036】
異なる実施の形態においては、図12に示すように、潰せる芯202は適切な材料、好ましくは板紙材料から折り線なしで形成される。この潰せる芯202は、一般的な芯製作ライン上で製作され、面と面とが向かい合う関係で重ねられる板紙材料の内層および外層を含む。板紙の各層は原料のスプールから芯製作用のマンドレルへ(芯棒)と供給される。これら2つの層が芯製作用のマンドレルに供給されると、それらは通常は同方向にらせん状に巻き付けられる。巻き付けの際、これらの層は所望の円筒状の構成を維持するように全体的に接着される。従って、潰せる芯202は板紙材料の層の間にらせん状の縁部204を含む。
【0037】
図6は、本発明の一の実施の形態による潰せる巻芯102を用いてひだ付きのフィルタ媒体104を巻くための巻き上げ装置150を示す。図7はひだ付きのフィルタ媒体104を示す。ひだ付きのフィルタ媒体104は、本明細書において本発明の例示的実施の形態を説明するために用いられ、多孔性のフィルタ材料からなる、ひだ状シート152を含む。ひだ状シート152は山部154および谷部156を形成し、表面シート158に取り付けられる。図示するように、隣接する山部154は互いからピッチ「P」の一定間隔で配置される。本明細書で用いる用語「表面シート」は、多孔性のフィルタ材料のひだ付きのシートに取り付けられる、略平らな多孔性または非多孔性の材料のシートまたはストリップ形状のものを包含することが意図されている。本発明の大部分の実施の形態において、表面シートは多孔性のフィルタ材料から形成されることが好ましい。ひだ付きのシート152は、コルゲート加工またはプリーツ加工等の適切な加工により形成してもよいが、「エアフィルタ用のギャザー加工されたフィルタ媒体およびその製作方法」と題し、本発明の譲受人に譲渡され、参照により本明細書に組み込まれる米国特許公開公報第2006/0091066に記述されているギャザー加工によることが好ましい。当業者には理解されるように、本発明の他の実施の形態においては、本発明は他のタイプのフィルタ媒体に用いてもよい。
【0038】
図6に示す巻き上げ装置150は、巻き出し機160、巻き戻し機162、接着剤塗布機164、1組の挟みローラ166、およびカッタ168を含む。巻き上げ装置150において、図2に示すように、円筒状の本体を有する予備組立てされた状態112の潰せる巻芯102は、円筒状のローラを備える巻き戻し機162上に嵌め込まれる。1巻のひだ付きのフィルタ媒体104は巻き出し機160から巻き出される。ひだ付きのフィルタ媒体104の前縁は、接着剤/封止剤により潰せる巻芯102に取り付けられ、巻き戻し機162により巻かれる。あるいは、ひだ付きのフィルタ媒体104の前縁は適切なテープを用いて取り付けてもよい。さらに異なる実施の形態においては、ひだ付きのフィルタ媒体104の前縁は、巻き上げプロセスのための接着剤、封止剤、およびテープを用いて取り付けなくてもよい。例えば、巻き戻し機162は、巻き上げの際、ひだ付きのフィルタ媒体104と潰せる巻芯102とを一緒に機械的に固定するように構成することもできる。このような実施の形態において、フィルタエレメントの軸方向の端部は組立ての後に密封されてもよい。ひだ付きのフィルタ媒体104のウェブが移動するに従い、接着剤塗布機164はひだ付きのフィルタ媒体104のウェブ上に接着剤/封止剤を塗布する。本明細書で用いる接着剤/封止剤という用語は、限定的ではなく包含的な意図で用いられ、フィルタ媒体の層どうしを構造的に結合させるか、もしくは本発明によるフィルタエレメントを通る流体の流れを完全または部分的に封止する等の目的で塗布機164を介して塗布される任意の材料を含む。所望の量のフィルタ媒体104が潰せる巻芯102に巻かれると、一組の挟みローラはひだ付きのフィルタ媒体104のウェブに向かって移動し、カッタ168がウェブを切断する間このウェブを固定する。図4および図6に示す円筒形状を有する中間フィルタエレメント122は巻き戻し機162から取り外される。
【0039】
巻き戻し機162から取り外した後、図8および図9に示すように、中間フィルタエレメント122は潰しステーション170へ運ばれる。潰しステーション170は天板172およびテーブル174を含む。中間フィルタエレメント122は、折り線118および120がテーブル174の表面と平行な長軸178上に位置するようにテーブル174上に置かれる。そして、天板172は中間フィルタエレメント122に向かって下降し、中間フィルタエレメント122が短軸176に沿って押圧されるように力180を加える。この力180が加えられるに従い、潰せる巻芯102は折り線118、120に沿って折れ、円筒状の中間フィルタエレメント122は長軸178に沿ってゆっくりと延長される。最後に、潰せる巻芯102は略平らな潰された状態114へと潰され、図9に示すように、競技用のトラックに類似する形状のフィルタエレメント100を形成する。
【0040】
一の実施の形態において、適切な接着剤は、潰しステーション170から取り外された後にフィルタエレメント100が接着剤により競技用のトラックに類似した形状を保持するように、ステーション170で押圧される前に予備組立てされた状態112の潰せる巻芯102の内面182(図8参照)に塗布される。適切な接着剤としては、水性接着剤、溶剤系接着剤、熱融解性接着剤、糊等が挙げられる。一の実施の形態において、接着剤は、潰せる巻芯102の内面全体の上に連続的な薄い層として塗布される。従って、この接着剤の薄い層は、潰せる巻芯102の内側を密封する機能も有する。異なる実施の形態においては、接着剤ストリップ184、185は、円筒状の潰せる芯102へと巻かれる前に平らな芯材料103に塗布される。図10に示すように、接着剤ストリップ184、185は隣接縁部186、188に設けられ、ひだ付きのフィルタ媒体104が潰せる巻芯102の周りに巻かれた後、潰せる巻芯102が潰されると、接着剤ストリップ184、185は、流体のバイパス(近回り)を防止するように潰せる巻芯102の第1の軸方向の端部108と第2の軸方向の端部110とを密封する。
【0041】
異なる実施の形態においては、適切な密封材料190は、図11に示すように軸方向の端部を密封するために潰せる巻芯102の各端部に塗布される。この適切な密封材料190は、ウレタンフォームまたは他のポリマー密封材料を含んでもよい。他の実施の形態においては、フィルタハウジング(不図示)は、潰せる巻芯102の間隙を通って流体がバイパス(近回り)することを防止するために潰せる巻芯102の軸方向の端部に嵌まるように設けられた1組のキャップを含んでもよい。
【0042】
他の実施の形態においては、図13に示すように、潰せる芯302は径方向の穿孔線304を含んでもよい。図13の実施の形態では1本の径方向の穿孔線304が潰せる芯302の本体を取り囲むように示されているが、他の実施の形態では2本以上の径方向の穿孔線を含んでもよい。さらに、いくつかの実施の形態においては、径方向の穿孔線は、潰せる芯の軸方向の端部に平行ではなく、傾斜するように形成してもよい。前述の実施の形態にあったように、潰せる芯302は、プラスチック材料または板紙材料等の適切な材料から形成してもよい。径方向の穿孔線304は、潰せる芯302の厚みを貫通するように切り抜いて形成してもよい。
【0043】
図14は、ひだ付きのフィルタ媒体306および潰せる芯302を示しており、ここでは前縁308が巻き上げプロセスのために潰せる芯302に取り付けられている。図示するように、接着剤/封止剤のビード310は、塗布機(不図示)を用いて、穿孔線304の軸方向における位置305に対応する軸方向における位置311において、ひだ付きのフィルタ媒体306に沿って塗布される。塗布機(不図示)は、ひだ付きのフィルタ媒体306の軸方向における位置311に沿って長手方向に移動し、潰せる芯302の円周に実質的に等しい距離312に亘って接着剤/封止剤を塗布する。ひだ付きのフィルタ媒体306が潰せる芯302の周りに巻かれるに従い、接着剤/封止剤のビード310は、穿孔線304に沿って、ひだ付きのフィルタ媒体306を潰せる芯302に取り付ける。さらに、後に続くひだ付きのフィルタ媒体306の層により接着剤/封止剤のビード310に加えられる圧力は、接着剤/封止剤が穿孔304を通って浸出することを可能とする。図14に示すように、ひだ付きのフィルタ媒体306を潰せる芯302の周りに少なくとも完全に1周巻き付けた後、フィルタエレメントの一方の軸方向の端部318に近接する一部のひだを接着剤/封止剤のビード316が閉塞するように、塗布機(不図示)は第2の軸方向における位置314へ向かって軸方向に移動する。いくつかの実施の形態においては、塗布機(不図示)は穿孔線304に沿って潰せる芯302の上に接着剤/封止剤を塗布し始め、上述のように対応する軸方向における位置に沿ってひだ付きのフィルタ媒体306への塗布を続けてもよい。このような実施の形態においては、穿孔を通して浸出する接着剤の量は、穿孔線に沿って塗布される接着剤/封止剤が多くなるに従って増加してもよい。
【0044】
巻き上げプロセスの後、潰せる芯302を有する中間状態のフィルタエレメントは、前述の実施の形態において記述したように潰される。中間状態のフィルタエレメントが競争用のトラックに類似する形状を有するフィルタエレメントへと潰されると、穿孔線304を通して浸出する接着剤/封止剤は、穿孔線304に沿って潰された潰せる芯302の内面を結合させ、これにより、潰された芯302は密封されるとともに、フィルタエレメントは競技用のトラックに類似した形状に保持される。上述のようにフィルタエレメントの軸方向の端部をさらに密封するために、追加的な接合剤を潰された芯302の軸方向の端部の一方または両方に塗布してもよい。
【0045】
本明細書中で引用する公報、特許出願および特許を含むすべての文献は、各文献を個々に、具体的に示し、引用して組み込むかのように、また、その全体を本明細書に記載するかのように、引用して組み込まれる。
【0046】
本発明の説明に関連して(特に以下の請求項に関連して)用いられる名詞及び同様な指示語の使用は、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、単数および複数の両方に及ぶものと解釈される。語句「備える」、「有する」、「含む」および「包含する」は、特に断りのない限り、オープンエンドターム(すなわち「〜を含むが限らない」という意味)として解釈される。本明細書中の数値範囲の具陳は、本明細書中で特に指摘しない限り、単にその範囲内に該当する各値を個々に言及するための略記法としての役割を果たすことだけを意図しており、各値は、本明細書中で個々に列挙されたかのように、明細書に組み込まれる。本明細書中で説明されるすべての方法は、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、あらゆる適切な順番で行うことができる。本明細書中で使用するあらゆる例または例示的な言い回し(例えば「など」)は、特に主張しない限り、単に本発明をよりよく説明することだけを意図し、本発明の範囲に対する制限を設けるものではない。明細書中のいかなる言い回しも、請求項に記載されていない要素を、本発明の実施に不可欠であるものとして示すものとは解釈されないものとする。
【0047】
本明細書中では、本発明を実施するため本発明者が知っている最良の形態を含め、本発明の好ましい実施の形態について説明している。当業者にとっては、上記説明を読めば、これらの好ましい実施の形態の変形が明らかとなろう。本発明者は、熟練者が適宜このような変形を適用することを期待しており、本明細書中で具体的に説明される以外の方法で本発明が実施されることを予定している。従って本発明は、準拠法で許されているように、本明細書に添付された請求項に記載の内容の修正および均等物をすべて含む。さらに、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、すべての変形における上記要素のいずれの組合せも本発明に包含される。
【0048】
[態様(1)]
本発明の態様(1)は、フィルタエレメントを形成する方法であって、潰せる巻芯を提供するステップと;中間フィルタエレメントを形成するように、ひだ付きのフィルタ媒体を前記潰せる巻芯に巻くステップと;前記中間フィルタエレメントを潰すステップとを備える;フィルタエレメントを形成する方法である。
[態様(2)]
本発明の態様(2)は、前記潰せる巻芯を提供するステップは、略円筒状の本体を有する潰せる巻芯を形成するステップを含み;前記巻くステップは、前記ひだ付きのフィルタ媒体の前縁を前記円筒状の本体の表面に取り付けるステップと、前記ひだ付きのフィルタ媒体を前記円筒状の本体の周りに巻くことにより略円筒形状を有する前記中間フィルタエレメントを形成するステップとを含む、本発明の態様(1)の方法である。
[態様(3)]
本発明の態様(3)は、前記潰せる巻芯を提供するステップは、紙、板紙、プラスチック、または金属を用いて前記潰せる巻芯を形成するステップと、前記潰せる巻芯に少なくとも1本の折り線を形成するステップとを含み、前記少なくとも1本の折り線は、前記中間フィルタエレメントを潰すことを可能とするように設けられる、本発明の態様(1)の方法であって;この方法は、前記潰すステップにおいて、前記芯を折るステップをさらに含み、前記潰せる巻芯は前記折り線に沿って潰される、本発明の態様(1)の方法である。
[態様(4)]
本発明の態様(4)は、潰した後に前記潰せる巻芯を潰された平らな状態に固定し、前記潰せる巻芯の軸方向の端部を密封するように前記潰せる巻芯の内面に接着剤または糊を塗布するステップをさらに含む、本発明の態様(3)の方法である。
[態様(5)]
本発明の態様(5)は、前記少なくとも1本の折り線は、前記少なくとも1本の折り線を画成する線を折り付ける折り型を用いて形成される、本発明の態様(3)の方法である。
[態様(6)]
本発明の態様(6)は、前記少なくとも1本の折り線は、前記少なくとも1本の折り線を画成する線を刻む、または穿孔するための刻み型または穿孔型を用いて形成される、本発明の態様(3)の方法である。
[態様(7)]
本発明の態様(7)は、前記巻くステップは、前記ひだ付きのフィルタ媒体を2本の折り線を有する前記潰せる巻芯の周りに巻き、前記2本の折り線を第1の軸に沿って配置するように略円筒形状を有する前記中間フィルタエレメントを形成するステップを含み;前記潰すステップは、前記中間フィルタエレメントに第2の軸に沿って力を加えるステップを含み、前記第1の軸および前記第2の軸は互いに対して垂直であり、前記潰せる巻芯は、前記力を受けて前記第1の軸に沿って潰される際、前記2本の折り線に沿って折れ、これにより前記第1の軸を延長された長軸とする競技用のトラックに類似する形状を有するフィルタエレメントを形成する、本発明の態様(3)の方法である。
[態様(8)]
本発明の態様(8)は、潰された後に、ウレタンフォーム材料により前記潰せる巻芯の軸方向の端部を密封するステップをさらに含む、本発明の態様(7)の方法である。
[態様(9)]
本発明の態様(9)は、前記巻くステップは、前記潰せる巻芯の周りに前記ひだ付きのフィルタ媒体を巻き、略円筒形状を有する前記中間フィルタエレメントを形成するステップを含み;前記潰すステップは、前記中間フィルタエレメントの表面を下へ押し、円筒状の潰せる巻芯を略平らな潰された巻芯へと潰すステップを含む、本発明の態様(1)の方法である。
[態様(10)]
本発明の態様(10)は、前記潰せる巻芯を提供するステップは、円筒状の巻き上げローラに嵌まるように設けられた円筒状の芯の本体を有する予備組立てされた前記潰せる巻芯を形成し、前記円筒状の巻き上げローラの上の前記予備組立てされた前記潰せる巻芯の周りに前記ひだ付きのフィルタ媒体を巻いて円筒状の本体を有する前記中間フィルタエレメントを形成するステップを含み;前記潰すステップは、前記円筒状の巻き上げローラから前記中間フィルタエレメントを取り外すステップと、潰しテーブルの上で前記中間フィルタエレメントの表面に力を加え、競技用のトラックの形状に類似する本体を有する前記フィルタエレメントを形成するステップとを含む、本発明の態様(1)の方法である。
[態様(11)]
本発明の態様(11)は、前記潰せる巻芯の内面に接着剤を塗布するステップと、潰した後に密封材料により前記潰せる巻芯の軸方向の端部を密封するステップとをさらに含む、本発明の態様(1)の方法である。
[態様(12)]
本発明の態様(12)は、潰せる巻芯と;前記潰せる巻芯の周りに巻かれるひだ付きのフィルタ媒体とを備える;フィルタエレメントである。
[態様(13)]
本発明の態様(13)は、前記フィルタエレメントは、円筒状の本体を有する中間状態、および競技用のトラックに類似する形状の本体を有する最終状態を有する、本発明の態様(12)のフィルタエレメントである。
[態様(14)]
本発明の態様(14)は、前記中間状態は円筒状の芯の本体を有する予備組立てされた状態の前記潰せる巻芯を含み;前記最終状態は略平らな芯の本体を有する潰された状態の前記潰せる巻芯を含む、本発明の態様(13)のフィルタエレメントである。
[態様(15)]
本発明の態様(15)は、前記潰せる巻芯は少なくとも1本の折り線を含み、前記潰せる巻芯を前記予備組立てされた状態から前記潰された状態へと潰す力を受けると、前記予備組立てされた状態の前記潰せる巻芯は前記少なくとも1本の折り線に沿って折れるように構成され、前記中間状態の前記フィルタエレメントは前記最終状態へと変換される、本発明の態様(14)のフィルタエレメントである。
[態様(16)]
本発明の態様(16)は、前記少なくとも1本の折り線は、少なくとも1本の折り目線、少なくとも1本の穿孔線、または少なくとも1本の切り込み線により画成される、本発明の態様(15)のフィルタエレメントである。
[態様(17)]
本発明の態様(17)は、前記少なくとも1本の折り線は2本の折り線を含み、前記2本の折り線は第1の軸に沿って配置され、前記予備組立てされた状態の前記潰せる巻芯は力を受けると前記2本の折り線に沿って折れるように構成され、前記最終状態のフィルタエレメントの延長された長軸は前記第1の軸により画成される、本発明の態様(15)のフィルタエレメントである。
[態様(18)]
本発明の態様(18)は、前記潰せる巻芯を潰された状態に固定し、前記潰せる巻芯の軸方向の端部を密封する糊または接着剤を前記潰せる巻芯の内面の上にさらに含む、本発明の態様(14)のフィルタエレメントである。
[態様(19)]
本発明の態様(19)は、前記潰された状態の前記潰せる巻芯の軸方向の端部を密封する密封材料をさらに含み、前記密封材料はウレタンフォームを含む、本発明の態様(14)のフィルタエレメントである。
[態様(20)]
本発明の態様(20)は、前記潰せる巻芯は、板紙、プラスチック材料、または金属から形成される、本発明の態様(12)のフィルタエレメントである。
[態様(21)]
本発明の態様(21)は、予備組立てされた円筒状の芯の本体と;潰された略平らな芯の本体とを備える;フィルタエレメント用の潰せる巻芯である。
[態様(22)]
本発明の態様(22)は、ひだ付きのフィルタ媒体が前記予備組立てされた円筒状の芯の本体に巻かれ、円筒状の本体を有するフィルタエレメントを形成する、本発明の態様(21)の潰せる巻芯である。
[態様(23)]
本発明の態様(23)は、前記予備組立てされた円筒状の芯は、フィルタ巻き上げ機械の円筒状のローラに嵌まるように構成される、本発明の態様(22)の潰せる巻芯である。
[態様(24)]
本発明の態様(24)は、前記予備組立てされた円筒状の芯の本体は、力を受けると潰れて、潰された略平らな芯の本体を形成するように構成される、本発明の態様(21)の潰せる巻芯である。
[態様(25)]
本発明の態様(25)は、前記潰せる巻芯は少なくとも1本の折り線を含み、前記少なくとも1本の折り線は前記予備組立てされた円筒状の芯の本体が潰れることを可能とするように構成され、前記予備組立てされた円筒状の芯の本体は前記力を受けると前記少なくとも1本の折り線に沿って折れる、本発明の態様(24)の潰せる巻芯である。
[態様(26)]
本発明の態様(26)は、前記少なくとも1本の折り線は、少なくとも1本の折り目線、少なくとも1本の穿孔線、または少なくとも1本の切り込み線により画成される、本発明の態様(25)の潰せる巻芯である。
【符号の説明】
【0049】
100 フィルタエレメント
102 潰せる巻芯
103 平らな芯材料
104 ひだ付きのフィルタ媒体
106 長手方向の軸(フィルタエレメント/潰せる巻芯)
108 第1の軸方向の端部(フィルタエレメント/潰せる巻芯)
110 第2の軸方向の端部(フィルタエレメント/潰せる巻芯)
112 予備組立てされた状態(潰せる巻芯)
114 潰された状態(潰せる巻芯)
118 折り線(潰せる巻芯)
120 折り線(潰せる巻芯)
122 中間状態のフィルタエレメント
124 第1の軸方向の端部(潰せる巻芯)
126 第2の軸方向の端部(潰せる巻芯)
130 板紙材料(加工ライン)
132 トリミングナイフ(加工ライン)
134 穿孔ナイフ(加工ライン)
136 切断ステーション(加工ライン)
138 長方形シート(加工ライン)
140 接着剤ステーション(加工ライン)
142 端部(接着剤塗布/長方形シート)(加工ライン)
144 端部(長方形シート)(加工ライン)
146 接着剤(加工ライン)
150 巻き上げ装置
152 ひだ状シート(ひだ付きのフィルタ媒体)
154 山部(ひだ状シート)
156 谷部(ひだ状シート)
158 表面シート(ひだ付きのフィルタ媒体)
160 巻き出し機(巻き上げ装置)
162 巻き戻し機(巻き上げ装置)
164 接着剤塗布機(巻き上げ装置)
166 挟みローラ(巻き上げ装置)
168 カッタ(巻き上げ装置)
170 潰しステーション
172 天板(潰しステーション)
174 テーブル(潰しステーション)
176 短軸(潰しステーション)
178 長軸(潰しステーション)
180 力(潰しステーション)
182 内面(潰せる巻芯)
184 接着剤ストリップ(平らな芯材料)
185 接着剤ストリップ(平らな芯材料)
186 隣接縁部(平らな芯材料)
188 隣接縁部(平らな芯材料)
190 密封材料
202 潰せる芯
204 縁部(潰せる芯)
302 潰せる芯
304 穿孔線(潰せる芯)
305 軸方向における位置(穿孔線)
306 ひだ付きのフィルタ媒体
308 前縁(ひだ付きのフィルタ媒体)
310 ビード(接着剤/封止剤)
311 軸方向における位置(塗布機)
312 潰せる芯の円周に実質的に等しい距離(塗布機)
314 第2の軸方向における位置(塗布機)
316 ビード(接着剤/封止剤)
318 一方の軸方向の端部(フィルタエレメント)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
潰せる巻芯を提供するステップと;
中間フィルタエレメントを形成するように、ひだ付きのフィルタ媒体を前記潰せる巻芯に巻くステップと;
前記中間フィルタエレメントを潰すステップとを備える;
フィルタエレメントを形成する方法。
【請求項2】
前記潰せる巻芯を提供するステップは、略円筒状の本体を有する潰せる巻芯を形成するステップを含み;
前記巻くステップは、前記ひだ付きのフィルタ媒体の前縁を前記円筒状の本体の表面に取り付けるステップと、前記ひだ付きのフィルタ媒体を前記円筒状の本体の周りに巻くことにより略円筒形状を有する前記中間フィルタエレメントを形成するステップとを含む;
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記潰せる巻芯を提供するステップは、紙、板紙、プラスチック、または金属を用いて前記潰せる巻芯を形成するステップと、前記潰せる巻芯に少なくとも1本の折り線を形成するステップとを含み、前記少なくとも1本の折り線は、前記中間フィルタエレメントを潰すことを可能とするように設けられ;
前記潰すステップは、前記芯を折るステップをさらに含み、前記潰せる巻芯は前記折り線に沿って潰され;
前記少なくとも1本の折り線は、前記少なくとも1本の折り線を画成する線を折り付けるための折り型を用いて形成され、前記少なくとも1本の折り線を画成する線を刻む、または穿孔する刻み型、または穿孔型を用いて形成される;
請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
潰した後に前記潰せる巻芯を潰された平らな状態に固定し、前記潰せる巻芯の軸方向の端部を密封する接着剤または糊を前記潰せる巻芯の内面に塗布するステップをさらに含む、請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記巻くステップは、2本の折り線を有する前記潰せる巻芯の周りに前記ひだ付きのフィルタ媒体を巻き、前記2本の折り線が第1の軸に沿って配置されるように略円筒形状を有する前記中間フィルタエレメントを形成するステップを含み;
前記潰すステップは、前記中間フィルタエレメントに第2の軸に沿って力を加えるステップを含み、前記第1の軸および前記第2の軸は互いに対して垂直であり、前記潰せる巻芯は、前記力を受け前記第1の軸に沿って潰れる際、前記2本の折り線に沿って折れ、これにより前記第1の軸を延長された長軸とする競技用のトラックに類似した形状を有するフィルタエレメントを形成し;
潰した後に前記潰せる巻芯の軸方向の端部をウレタンフォーム材料により密封するステップをさらに含む;
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記巻くステップは、円筒状の前記潰せる巻芯の回りに前記ひだ付きのフィルタ媒体を巻き、略円筒形状を有する前記中間フィルタエレメントを形成するステップを含み;
前記潰すステップは、前記中間フィルタエレメントの表面を下へ押圧し、前記円筒形状の巻芯を略平らな潰された巻芯へと潰して競技用のトラックに類似した形状を有するフィルタエレメントを形成するステップを含む、請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記潰せる巻芯を提供するステップは、円筒状の巻き上げローラに嵌まるように設けられた円筒状の芯の本体を有する予備組み立てされた前記潰せる巻芯を形成し、前記円筒状の巻き上げローラの上の前記予備組立てされた前記潰せる巻芯の周りに前記ひだ付きのフィルタ媒体を巻いて円筒状の本体を有する前記中間フィルタエレメントを形成するステップを含み;
前記潰すステップは、前記円筒状の巻き上げローラから前記中間フィルタエレメントを取り外すステップと、潰しテーブルの上で前記中間フィルタエレメントの表面に力を加え、競技用のトラックに類似する形状の本体を有する前記フィルタエレメントを形成するステップとを含む;
請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
潰せる巻芯と;
前記潰せる巻芯の周りに巻かれるひだ付きのフィルタ媒体とを備える;
フィルタエレメント。
【請求項9】
前記フィルタエレメントは、円筒状の本体を有する中間状態、および競技用のトラックに類似した形状を有する最終状態を有し;
前記中間状態は円筒状の芯の本体を有する予備組立てされた状態の前記潰せる巻芯を含み;
前記最終状態は略平らな芯の本体を有する潰された状態の前記潰せる巻芯を含む;
請求項8に記載のフィルタエレメント。
【請求項10】
前記潰せる巻芯は少なくとも1本の折り線を含み、前記潰せる巻芯を前記予備組立てされた状態から前記潰された状態へと潰す力を受けると、前記予備組立てされた状態の前記潰せる巻芯は前記少なくとも1本の折り線に沿って折れるように構成されて、前記中間状態の前記フィルタエレメントが前記最終状態へと変換され;前記少なくとも1本の折り線は、少なくとも1本の折り目線、少なくとも1本の穿孔線、または少なくとも1本の切り込み線により画成される、請求項8または請求項9に記載のフィルタエレメント。
【請求項11】
前記少なくとも1本の折り線は2本の折り線を含み、前記2本の折り線は第1の軸に沿って配置され、前記予備組立てされた状態の前記潰せる巻芯は力を受けると前記2本の折り線に沿って折れるように構成され、前記最終状態のフィルタエレメントの延長された長軸は前記第1の軸により画成される、請求項10に記載のフィルタエレメント。
【請求項12】
前記潰せる芯は、予備組立てされた状態の円筒状の芯の本体と、潰された状態の略平らな芯の本体とにより構成される、請求項8から請求項11までのいずれか一項に記載のフィルタエレメント。
【請求項13】
前記ひだ付きのフィルタ媒体は、前記予備組立てされた状態の円筒状の芯の本体に巻かれ、円筒状の本体を有するフィルタエレメントを形成する、請求項12に記載のフィルタエレメント。
【請求項14】
前記予備組立てされた状態の円筒状の芯の本体は、力を受けると潰れて前記潰された状態の略平らな芯の本体を形成するように構成される、請求項12または請求項13に記載のフィルタエレメント。
【請求項15】
前記潰せる巻芯を前記潰された状態に固定し、前記潰せる巻芯の軸方向の端部を密封する接着剤または糊を前記潰せる巻芯の内面の上にさらに含む、請求項8から請求項14までのいずれか一項に記載のフィルタエレメント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−41942(P2011−41942A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−182947(P2010−182947)
【出願日】平成22年8月18日(2010.8.18)
【出願人】(593020201)ボールドウィン・フィルターズ・インコーポレーテッド (26)
【氏名又は名称原語表記】Baldwin Filters Inc
【住所又は居所原語表記】4400 East Highway 30, P.O. Box 6010, Kearney, Nebraska 68848−6010, United States of America
【Fターム(参考)】