説明

灌水装置

【課題】植物を配置するに場合で灌水設備が確保されない、灌水が不十分であるような設置環境へ、既存の設置構造体へ適応可能な灌水装置を提供することを課題とする。
【解決手段】既存構造体へ適応可能である形状を有し、取り付け、内臓、連結を可能として必要灌水量を確保しながら直接植物へ灌水を与える効果を発揮する灌水装置の提案。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集合住宅や戸建て、施設等の灌水設備が不十分な場所に配置される植物へ、灌水を可能とする灌水装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
植物を配置することを想定した設置場所以外での植物設置のニーズが高まっているが、植物を配置しても灌水設備等の環境が整っていないなど、設置場所で植物が育ちにくく、その維持・管理が困難であるのが現状である。
【0003】
同様に、集合住宅のベランダや施設、室内等に植物を配置する場合も多く、灌水設備が整っていない環境に対応した鉢底を二重にして灌水を確保するコンテナ等が提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−144885
【0005】
【特許文献2】特開2005−185199
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在提供されている植物設置用の構造体は、ベランダや屋外ではデッキやタイルを用い場合が多く、室内に於いても室内に適した素材やインテリアに適合する素材等多様である。これらは単に目的が植物を配置する際の配置台であるために、設置場所に灌水設備が確保されていない場合がほとんどである。植物を配置しても灌水が十分に得られない現状では、植物の維持・管理が滞り易く、植物を配置することの効果や目的が失われてしまう。
【0007】
現在提供されている灌水に関する商品は、その利用範囲がガーデニング分野に限られているために、植物を配置することを想定した設置場所以外での植物設置に対応しておらず、現状の設置構造体への適応が困難である。
【0008】
現状提供されている配置台及び設置構造体等は、ユニット化されている物が多く、様々な構造体へ適応可能な灌水貯水装置が提供されていないことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、灌水設備が不十分な条件下に於いても、現在提供されている設置構造体其々の形状に組み合わせ自在に適応可能である特徴をもって、取り付け及び内蔵、連結を可能とする灌水装置を提供することを手段として課題を解決しようとするものである。
【発明の効果】
【0010】
現在提供されている植物設置に用いられる構造体は、ユニット化されたものが多く、ガーデニングや関連分野で提供されている灌水関連の商品との親和性が乏しい。本発明は、このユニット化されている最小単位形状に適応することを特徴として、既存構造体が成す形状に自在に対応可能であり、取り付け、内蔵、連結を可能として必要灌水量を確保しながら直接植物へ灌水する効果を発揮するものである。
【0011】
また、既存構造体内に灌水装置を納めることにより、ベランダや室内に於ける有効利用可能なスペースを確保することができる効果を得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は集合住宅等のベランダのデッキに取り付けた例である。
【図2】図2は図1の注水部の例である。
【図3】図3は注水部の別形態の例である。
【図4】図4は室内や施設等に設置する場合の例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態を図1から図4で説明する。実施に当たって用いる用語や形状は、本発明の実施例を説明するためのものであり、これに限定されるものではない。
【0014】
図1は、集合住宅等の一般的なベランダのデッキ下部に本灌水装置を取り付けて、植物用コンテナに灌水を行う例を説明するものである。
【0015】
1はデッキである。2はベランダに設置された植物用コンテナである。3は、1の下部の空間部に取り付けられた灌水装置内蔵の貯水槽である。この3の形状は、現状一般的に提供されている既存構造体の最小ユニットサイズを基本とする特徴をもつ。このサイズを基本として、自在に連結していくことで、既存構造体が作る形状に対応可能となる。また広域での灌水貯水量の確保を可能とする。
【0016】
4はバッテリー、5はポンプである。図1のコンテナが一般的鉢よりも高さがある形状であるので、バッテリーとタイマー付ポンプを分離型で実施しているが、容器に高さが無く水圧等が対応可能であれば水中ポンプ単体でも良い。
【0017】
6は、コンテナ上端まで灌水を送るためのホースである。8は、貯水槽内に注水された水量を調節するための排水孔である。本水中ポンプにはタイマーを内蔵しており、決められた時間に自動的に灌水される仕様である。
【0018】
図2は、灌水用貯水槽へ注水する孔を示す図である。最端の側面に7の注水孔をもつ。本実施例では、ジョロやホース等から注水しているが、場所や雨水集積可能な装置等との併用も可能である。
【0019】
図3は、図2同様、注水方法を示す図である。直接本体上部のスライド孔9を開けての注水を可能とする。
【0020】
図4は、室内に配置された植物用配置台10の内部に、本灌水装置3を内蔵した例である。11のコンテナへ6を通して3に貯水された灌水を4,5の電池式バッテリーとタイマー付ポンプによって送っている。12は、貯水槽内の注水量を確認するためのケージで、灌水貯水量を確認可能とする。本実施例はバッテリーと水中ポンプを分離して用いているが、一体型の水中ポンプで水圧が得られる条件であれば一体型を用いる。
【0021】
19は、3の灌水装置内蔵の貯水槽を連結する際の部位である。必要に応じて横、縦方向等へ連結可能である。本実施例では、ガーデニング等で使われるホースとホースを接続するコネクターを用いて連結した。この方法を用いれば連結の間隔は自在に延長され、連結形状も自在に調節可能で、ユニット化されている構造体が作る形状にも簡易に対応可能である。
【0022】
本発明により、植物を配置することを想定した設置場所以外での植物の設置ニーズに十分対応可能として、植物が健康に育成していくための環境を提供可能とするものである。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明の灌水装置の提供により、灌水設備が不十分な場所への植物の利用範囲を広げる効果が得られる。また長期不在時に於ける灌水不足により起こる植物状態の悪化を緩和する効果によって維持・管理を容易にする。本灌水装置は、構造体の形状、用途等への汎用性が高く、平面、側面等への利用を可能とする。また、地球温暖化緩和のため、戸建てや集合住宅等での緑化の期待が高まっている現状に対して、緑化促進の一助となるものである。
【符号の説明】
【0024】
1 デッキ
2 植物用コンテナ
3 灌水装置
4 バッテリー
5 水中ポンプ
6 灌水パイプ
7 注水孔
8 排水孔
9 スライド孔
10 設置台
11 鉢
12 ケージ
13 接続部位


【特許請求の範囲】
【請求項1】
集合住宅及び戸建てや施設に於いて、屋外、室内に植物を配置する場合の多くはデッキやタイル及び同仕様の構造物を設置するが、それらの設置場所には灌水手段が少ないのが現状で、植物の維持・管理が難しい状況下に於いて、デッキやタイル及び同仕様構造物へ分離可能な一体型及び組み合わせ自在であり且つバッテリーとポンプを内蔵する貯水槽を提供して、必要な灌水の確保を可能として直接コンテナ内植物に灌水を提供する灌水装置。
【請求項2】
前記記載の灌水装置は、植物設置に用いられる同目的の仕様構造物への対応を可能として、これら構造体への取り付け及び内蔵、連結を可能とする。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2011−92101(P2011−92101A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−249533(P2009−249533)
【出願日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(592200903)株式会社アイ・アンド・プラス (17)