説明

火力発電プラント設備

【課題】建屋コストの低減を図るとともに、分解仮置時の作業性の向上と自由な経路選択ができる火力発電プラント設備を提供する。
【解決手段】天井クレーン4により、分解部品をリフトダウンエリア11にある仮置プレート12にリフトダウンする。空きスペース17を利用して、分解部品が載荷された仮置プレート12を移動し、分解部品を所定位置に仮置きする。このときコントローラ20は、空きスペース17に対応するベース区分および移動する仮置プレート12に対応するベース区分の空気供給装置16を特定し、これらの空気供給装置16から空気噴出孔15を介して圧縮空気が噴出して、仮置プレート12を浮揚させる。人力程度の小さな駆動力により仮置プレート12を移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮置建屋を備えた火力発電プラント設備に関する。
【背景技術】
【0002】
火力発電プラントの一つであるコンバインドサイクル発電プラントタービン建屋(タービン建屋)内には一般に、圧縮された空気と燃料を燃焼させ回転運動を行なうガスタービンと、ガスタービンで燃焼した排気ガスの通路となる排気ダクトと、ガスタービンから排出される高温の排気ガスを利用して発生した蒸気により回転運動を行なう蒸気タービンと、回転運動を電気エネルギーに変換する発電機と、ガスタービン、蒸気タービン、発電機を支持する架台と、ガスタービン、蒸気タービン、発電機を分解点検するための天井クレーン装置が設けられている。
【0003】
コンバインドサイクル発電プラントは、ガスタービン、蒸気タービン、発電機などを定期的に分解し、点検・補修を行う。ガスタービン、蒸気タービン、発電機などの分解部品は、一般に、周囲の床面スペースを利用して仮置される。
【0004】
ガスタービン、蒸気タービン、発電機等の各機器の分解部品をタービン建屋内に仮置しようとすると、床面積や天井クレーンの稼動域を大きく取る必要があり、それに伴って建屋容積が増大し、建屋コストが増加する課題があった。
【0005】
このような課題を解決する従来技術が特許文献1に開示されている。
【0006】
従来技術は、原子力発電プラント設備に関し、天井クレーンを有するタービン建屋と、タービン建屋にシャッター開口部を介して隣接する仮置建屋を備え、仮置建屋の床は、一部がタービン建屋側に延長して敷設された親レールと、この親レールと直角方向に分岐して敷設された長尺子レールと、この長尺子レールに対し串刺し状に敷設された短尺子レールと、各分岐位置に設けられたターンテーブルを有する。
【0007】
天井クレーン端部直下に相当する親レール端部には、移動台車が待機している。タービン建屋において分解された各機器の分解部品は、天井クレーンにより移動台車に載荷される。移動台車が、親レール、長尺子レール、短尺子レール上を走行し、仮置建屋内の所定の仮置位置に移動する。仮置位置において、分解部品は荷卸しされる。
【0008】
このような従来技術においては、仮置建屋には天井クレーンが不要であるので、仮置建屋の高さを制限でき、仮置建屋の容積削減ができる。また、シャッター開口部も、移動台車が通過できる開口面積を確保できればよく、大型シャッターが不要になる。これにより、建屋コストの低減が図れる。
【0009】
また、特許文献1には、上記従来技術の変形例として、レールを敷設せず、フォークリフト等が、仮置建屋内を走行し、所定の仮置位置に移動する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平8−146180
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、従来技術に係る発電プラント設備は、以下のような課題がある。
【0012】
まず、移動台車から仮置場所への荷卸作業が必要である。また、仮置場所を変更する場合、再度、移動台車への荷積作業が必要になる。このような二次運搬による作業性(作業効率)に係る課題がある。さらに、作業性を高める為には、複数の移動台車が必要となる。一方、複数の移動台車がレール上を錯綜すると、返って作業性が低下する可能性がある。
【0013】
また、移動経路はレールに拘束されるため、仮置場所の変更などにおいて、柔軟な対応が取れない。つまり、経路選択の自由が少ないという課題があった。
【0014】
なお、仮置建屋内を無秩序にフォークリフトが走行すれば、経路選択の制限はないものの、作業計画通りの作業は期待できず、作業性は低下する。
【0015】
本発明の目的は、建屋コストの低減を図るとともに、分解仮置時の作業性の向上と自由な経路選択ができる火力発電プラント設備を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、タービンを含む機器が設置され、天井クレーンを有するタービン建屋と、このタービン建屋に隣接され、分解された機器を仮置きする仮置建屋を備えた火力発電プラント設備において、前記仮置建屋は底面に床機構を有し、この床機構は、床機構の一部が前記タービン建屋側に延長されて形成される、前記天井クレーンの端部に対応するリフトダウンエリアと、床上に格子状に取り外し可能に配置され、水平方向に移動可能な複数の仮置プレートと、前記複数の仮置プレートのうち少なくとも1枚の仮置プレートが取り外されて形成される空きスペースと、前記仮置プレートを浮揚させる浮揚手段とを有する。
【0017】
仮置建屋には天井クレーンが不要であるので、仮置建屋の高さを制限でき、仮置建屋の容積削減ができる結果、建屋コストの低減が図れる。
【0018】
仮置プレートが浮揚されることで、仮置きプレートは分解された機器が載荷された状態でも、小さな駆動力で移動できる。仮置きプレートは分解された機器が載荷されたまま移動されて仮置きされるため、仮置建屋内での荷卸作業や荷積作業といった二次運搬は不要であり、作業性が向上する。
【0019】
空きスペースを利用して仮置きプレートは移動される為、作業状況に応じた最適な移動経路を、柔軟に選択できる。
【0020】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記浮揚手段は、床下に設置され、前記仮置プレートの下面に圧縮空気を供給する空気圧供給手段である。
【0021】
これにより、仮置プレートは浮揚される。
【0022】
(3)上記(1)において、好ましくは、前記床機構は、前記複数の仮置プレートを結合するプレート結合手段をさらに有する。
【0023】
これにより、分解部品が重くまたは大きくて、1つの仮置プレートでは載荷できない場合にも、結合プレートに載荷することにより、柔軟に対応できる。
【0024】
(4)上記目的を達成するために、本発明は、床上に格子状に取り外し可能に配置され、水平方向に移動可能な複数のプレートと、前記複数のプレートのうち少なくともの仮置プレートが取り外されて形成される空きスペースと、前記プレートを浮揚させる浮揚手段とを備える床機構である。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、建屋コストの低減を図るとともに、分解仮置時の作業性の向上と自由な経路選択ができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】火力発電プラント設備の断面図である。
【図2】火力発電プラント設備の平面図である。
【図3】床機構の概略斜視図である(第1実施形態)。
【図4】床機構の制御系を示す概念図である。
【図5】仮置プレートおよびベース区分に番号を付したものである。
【図6】動作手順の一例を示すものである。
【図7】床機構の概略構成を示す図である(第2実施形態)。
【図8】結合プレートの断面図である。
【図9】床機構の概略斜視図である(第3実施形態)。
【発明を実施するための形態】
【0027】
<第1実施形態>
以下、本発明の一実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0028】
〜構成〜
図1は本実施形態に係る火力発電プラント設備の断面図であり、図2は本実施形態に係る火力発電プラント設備の平面図である。火力発電プラント設備は、タービン建屋1と仮置建屋2とを備えている。
【0029】
タービン建屋1内には、ガスタービン、蒸気タービン、発電機等の各機器を支持する架台3が架設されており、その上部天井近傍に天井クレーン4が走行するクレーン走行用レール5が設置されている。天井クレーン4のフックはタービン建屋1内のほぼ全域に移動できる。天井クレーンフック稼動範囲6を破線で示す。
【0030】
仮置建屋2はタービン建屋1に隣接しており、底面に床機構10を有している。床機構10は、その一部がタービン建屋側に延長されており、天井クレーンフック稼動範囲6の仮置建屋側端部との重複部に相当するリフトダウンエリア11が形成されている。仮置建屋2の床上には、複数の仮置プレート12が格子状に配置されている。
【0031】
仮置建屋2には天井クレーン4が不要であるので、仮置建屋2の高さを制限でき、仮置建屋2の容積削減ができる結果、建屋コストの低減が図れる。
【0032】
図3は、床機構10の概略斜視図である。説明の便宜の為、簡略化して説明する。上述の通り、複数の仮置プレート12はベース13上に格子状に配置されている。仮置プレート12は正方形状であり、全て同じ形状および同じ大きさをしている。仮置プレート12の四側面には、緩衝材14が設けられている。
【0033】
ベース13は、仮置プレート12の同じ大きさになるように区分けされている。ベース13には等間隔に空気噴出孔15が設けられ、ベース13の各区分にはそれぞれ、空気供給装置16(図4参照)が設けられている。また、ベース13の外周には、圧縮空気(後述)の漏れ防止用の外周枠が設けられている。
【0034】
ベース13の各区分の1つにおいて、仮置プレート12が取り外され(もしくは最初から仮置プレート12が配置されない)、空きスペース17が形成される。言い換えると、仮置プレート12の枚数は、ベース13各区分数より、少なくても1以上少ない。
【0035】
図4は、床機構10の制御系を示す概念図である。床機構10は、更に距離センサ18とコンプレッサ19とコントローラ20とを有している。距離センサ18は、ベース13各区分毎に設けられ、仮置プレート12下面とベース13上面との距離を計測し、コントローラ20に計測結果を出力する。コントローラ20は、オペレータの指示に基づき空気供給対象となる空気供給装置16を特定すると伴に、距離センサ18の計測結果に基づきコンプレッサ19の圧縮空気生成量および圧力を設定する。コンプレッサ19は所定量・所定圧の圧縮空気を生成し、配管を介して対象となる空気供給装置16に供給する。
【0036】
圧縮空気は、空気供給装置16から空気噴出孔15を介して噴出される。仮置プレート12下面とベース13上面との間に薄い空気膜が形成されることにより、仮置プレート12下面とベース13上面との間の摩擦係数を低減する。これにより、仮置プレート12に重量物が載荷する場合でも、小さな駆動力(たとえば人力程度)で仮置プレート12の移動ができる。
【0037】
仮置プレート12下面とベース13上面との基準距離(例えば1mm)を設定し、コントローラ20が、計測距離が基準距離より短い場合はコンプレッサ19の圧縮空気生成量および圧力を増加し、計測距離が基準距離より長い場合はコンプレッサ19の圧縮空気生成量および圧力を低減するといった制御を行うことにより、載荷重に関わらず仮置プレート12は所定位置に保持される。
【0038】
〜動作〜
火力発電プラント設備の各機器は定期的な点検・補修が必要である。各機器はタービン建屋1内において分解され、分解部品は天井クレーン4によりリフトアップされる。天井クレーン4はクレーン走行用レール5に沿って走行し、分解部品は床機構10のリフトダウンエリア11にてリフトダウンされる。
【0039】
図5および図6を用いて、床機構10の動作について説明する。図5は、複数の仮置プレート12およびベース13の区分にそれぞれ番号を付したものであり、図6は、動作手順の一例を示すものである。
【0040】
説明の便宜の為、3×3の格子状を想定する。ベース13はA〜Iまで9つに区分され、各区分にはそれぞれ、空気供給装置16が設けられている。ベース区分A〜Hに対応して、No.1〜8の仮置プレート12が配置される。ベース区分Iには仮置プレート12が配置されず、空きスペース17(スペースS)が形成される。図5において、リフトダウンエリア11は、No.1,No.4,No.7の仮置プレート(ベース区分A,D,Gに相当)から構成される。
【0041】
分解部品が、No.4仮置プレート(ベース区分Dに相当)にリフトダウンされ、ベース区分C相当位置に仮置きされる場合の動作について説明する。
【0042】
まず、天井クレーン4により、分解部品をリフトダウンエリア11にあるNo.4仮置プレートにリフトダウンする(S1)。ついで、スペースS(ベース区分Iに相当)に隣接するNo.6仮置プレートをベース区分Iに移動すると、No.6仮置プレートがあったベース区分FにスペースSが形成される(S2)。
【0043】
このときコントローラ20は、ベース区分F,Iの空気供給装置16を特定し、これらの空気供給装置16から圧縮空気が噴出して、No.6仮置プレートを浮揚させる。人力程度の小さな駆動力により仮置プレートを移動する。ベース区分F,I以外の空気供給装置16は動作せず、無用の動作を抑止できる。従って、コンプレッサ19の圧縮空気生成量を低減できる。
【0044】
さらに、No.4,No.5仮置プレートを図示右側に移動すると、No.4仮置プレートがあったベース区分DにスペースSが形成される(S3)。スペースS(ベース区分Dに相当)に隣接するNo.1仮置プレートをベース区分Dに移動すると、No.1仮置プレートがあったベース区分AにスペースSが形成される(S4)。No.2,No.3仮置プレートを図示左側に移動すると、No.3仮置プレートがあったベース区分CにスペースSが形成される(S5)。
【0045】
スペースS(ベース区分Cに相当)に隣接するNo.5仮置プレートをベース区分Cに移動すると、No.5仮置プレートがあったベース区分FにスペースSが形成される(S6)。スペースS(ベース区分Fに相当)に隣接するNo.4仮置プレートをベース区分Fに移動すると、No.4仮置プレートがあったベース区分EにスペースSが形成される(S7)。スペースS(ベース区分Eに相当)に隣接するNo.3仮置プレートをベース区分Eに移動すると、No.3仮置プレートがあったベース区分BにスペースSが形成される(S8)。スペースS(ベース区分Bに相当)に隣接するNo.5仮置プレートをベース区分Bに移動すると、No.5仮置プレートがあったベース区分CにスペースSが形成される(S9)。
【0046】
スペースS(ベース区分Cに相当)に隣接するNo.4仮置プレートをベース区分Cに移動する(S10)。これにより、分解部品はNo.4仮置プレートに載荷されたままベース区分Cに仮置きされる。
【0047】
一方、点検終了後は上記動作手順と逆の手順により、分解部品が載荷されたNo.4仮置プレートを仮置位置からベース区分Dに移動し、天井クレーン4により分解部品をリフトアップし、タービン建屋1内の所定の位置に戻す。
【0048】
また、仮置位置を変更する場合は、分解部品が載荷されたNo.4仮置プレートを、上記動作手順と同様な手順により、変更位置に移動する。
【0049】
このように、本実施形態では、仮置建屋2内での荷卸作業や荷積作業といった二次運搬は不要である。また、上記に移動経路の一例を示したが、作業状況に応じた最適な移動経路を、柔軟に選択できる。
【0050】
上記動作手順では、1つの分解部品に係るリフトダウンから所定位置への仮置きまでの手順(S1→S10)について説明したが、床機構10は、さらに次の分解部品に係る仮置作業を並行して行うことができる。
【0051】
タービン建屋1において、S1においてリフトダウン作業を終了した天井クレーン4により、次の分解部品をリフトアップし、クレーン走行用レール5を介してリフトダウンエリア11上空まで移動する。この一連の動作の間、前記動作手順は例えばS5まで進んでいるものとする。
【0052】
S5においてリフトダウンエリア11には、No.2,No.1,No.7の仮置プレートが配置されている。そのうちNo.1仮置プレートに次の分解部品をリフトダウンする。以下、分解部品が載荷されたNo.1仮置プレートを、上記動作手順と同様な手順により、所定の仮置位置に移動する。
【0053】
このように、リフトダウンエリア11には、常時、仮置プレート12が配置されており、前の仮置作業に影響されることなく、次の仮置作業を行うことができる。
【0054】
〜効果〜
本実施形態における火力発電プラント設備の仮置建屋2は床機構10を備えることにより、以下の効果が得られる。
【0055】
仮置建屋2には天井クレーン4が不要であるので、仮置建屋2の高さを制限でき、仮置建屋2の容積削減ができる結果、建屋コストの低減が図れる。
【0056】
仮置建屋2内での荷卸作業や荷積作業といった二次運搬は不要であり、従来技術と比較して作業性の向上が図れる。
【0057】
従来技術のように移動経路が制限されることがなく、自由に移動経路を選択できる。
【0058】
<第2実施形態>
第1実施形態では、仮置プレート12は、同じ大きさをしている。一方、分解部品の重さや大きさは多種多様であり、1つの仮置プレート12では載荷できない場合もあり得る。これに対し、本実施形態は、第1実施形態の床機構10にプレート結合アタッチメント21を付加したものである。
【0059】
図7は、本実施形態にかかる床機構の概略構成を示す図である。対応する図5(第1実施形態)を参考にして説明する。図8は、後述する結合プレート22の断面図である。
【0060】
プレート結合アタッチメント21は、I断面状のバー部材が十字になるように形成されている。I断面状の嵌合部に仮置プレート12端部を嵌合することにより、4つの仮置プレート(No.1,No.2,No.4,No.5,図5参照)を結合し、一枚の結合プレート22を形成する。
【0061】
ベース区分H,Iには仮置プレート12が配置されず、空きスペース23(スペースS)が形成される。
【0062】
分解部品が重いか大きいため、1つの仮置プレート12では載荷できない場合は、結合プレート22をリフトダウンエリア11に配置し、分解部品を結合プレート22にリフトダウンする。
【0063】
No.7仮置プレートをベース区分Iに移動すると、ベース区分G,HにスペースSが形成される。そして、結合プレート22をベース区分G,Hに移動する。このときコントローラ20は、ベース区分A,B,D,E,G,Hの空気供給装置16を特定し、これらの空気供給装置16から圧縮空気が噴出して、結合プレート22を浮揚させる。この手順を繰り返し、空きスペース23を利用して、仮置プレート12および結合プレート22を移動し、分解部品を所定位置に仮置きする。
【0064】
このように、床機構10は、分解部品が重い場合や大きい場合にも柔軟に対応できる。
【0065】
本実施形態では、プレート結合アタッチメント21を用いて、4つの仮置プレート12を一枚の大プレート22に結合したが、最初から4つの仮置プレート12に相当する大きさの一枚の大プレート24を用いてもよい。第1実施形態における4つの仮置プレート12(No.1,No.2,No.4,No.5)を取り外し、大プレート24(図示せず)を配置する。
【0066】
<第3実施形態>
第1実施形態において、仮置プレート12の浮揚手段として、空気供給装置16を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0067】
図9は、本実施形態にかかる床機構の概略斜視図である。対応する図3(第1実施形態)と同等の構成には同じ符号を付している。仮置プレート12の底面には永久磁石25が設けられ、ベース13の各区分にはそれぞれ、電磁石26が設けられている。電磁石26が励磁されると、永久磁石25と同じ磁極が発生し、磁極同士が反発しあうことにより、仮置プレート12が浮揚する。
【0068】
コントローラ20は、距離センサ18による計測距離が基準距離(例えば1mm)となるように、電磁石26に供給する励磁電流を制御する。
【0069】
本実施形態において、浮揚手段以外の構成は第1実施形態と同じであり、第1実施形態と同じ効果が得られる。
【符号の説明】
【0070】
1 タービン建屋
2 仮置建屋
3 架台
4 天井クレーン
5 クレーン走行用レール
6 天井クレーンフック稼動範囲
10 床機構
11 リフトダウンエリア
12 仮置プレート
13 ベース
14 緩衝材
15 空気噴出孔
16 空気供給装置
17 空きスペース
18 距離センサ
19 コンプレッサ
20 コントローラ
21 プレート結合アタッチメント
22 結合プレート22
23 空きスペース
24 大プレート
25 永久磁石
26 電磁石

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービンを含む機器が設置され、天井クレーンを有するタービン建屋と、このタービン建屋に隣接され、分解された機器を仮置きする仮置建屋を備えた火力発電プラント設備において、
前記仮置建屋は底面に床機構を有し、この床機構は、
床機構の一部が前記タービン建屋側に延長されて形成される、前記天井クレーンの端部に対応するリフトダウンエリアと、
床上に格子状に取り外し可能に配置され、水平方向に移動可能な複数の仮置プレートと、
前記複数の仮置プレートのうち少なくとも1枚の仮置プレートが取り外されて形成される空きスペースと、
前記仮置プレートを浮揚させる浮揚手段とを有する
ことを特徴とする火力発電プラント設備。
【請求項2】
請求項1記載の火力発電プラント設備において、
前記浮揚手段は、床下に設置され、前記仮置プレートの下面に圧縮空気を供給する空気圧供給手段である
ことを特徴とする火力発電プラント設備。
【請求項3】
請求項1記載の火力発電プラント設備において、
前記床機構は、前記複数の仮置プレートを結合するプレート結合手段をさらに有する
ことを特徴とする火力発電プラント設備。
【請求項4】
床上に格子状に取り外し可能に配置され、水平方向に移動可能な複数のプレートと、
前記複数のプレートのうち少なくともの仮置プレートが取り外されて形成される空きスペースと、
前記プレートを浮揚させる浮揚手段と
を備える床機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−154273(P2012−154273A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−15212(P2011−15212)
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)