説明

炭を内蔵したパネル

【目 的】 病人やペット、タバコ等の部屋にこもった空気中に漂う臭いを自動的に除去したり、部屋の中の湿気の調節をする為の炭を内蔵したパネルを提供する。
【構 成】 仕切板(1)(2)て仕切られたこの仕切の中に炭、活性炭又はセラミック(3)を詰め、仕切板(1)(2)の木口面を被覆シート(4)で接着し、板状(10)にしたものを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、病人やペット、タバコ等の部屋にこもった空気中にただよう臭いを自然に除いたり、部屋の温度調整をするための炭を内蔵したパネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、古くから使われてきた炭(木炭、竹炭、活性炭)には、吸・排水性の良さ、活性炭の臭い消し、有害物質の吸着性の効能は公知の事実である。しかし炭の取り扱いの不便さ等により、近年の文明の利器の便利さに需要が極めて減少している。一方、建築様式が変わった現代では、密封度が良くなり、それに加えて壁はビニール系のクロス張りで湿気の吸収、又は放出ができなくなり、結露の問題等が出ている。また、道路沿いの家では排気ガスに年中晒され、健康面での問題や、新築時では大量に使われている新建材から放出される様々な有害物質で、体の不調を訴えるようになった。それらを解決するかのごとく、近年では、除加湿器、エアコン、空気清浄器等の強制器具を用いるようになった。しかしそれらの器具を使用維持するにはそれなりの部品の交換等、手当をしなければ機能しないという不便さがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これは次のような欠点があった。
イ.炭は取り扱いが悪く、生活空間に取り入れることが難しかった。
ロ.生活環境の悪化に伴い、湿気の調節、臭い、有害物質等の除去が必要になってきて、そのための強制器具ができたが、値段も高いし、取り換え部品も頻繁に行わなければ効能がなくなるなど、保守維持にコストがかかる。
ハ.本発明は、炭の取り扱いの悪さと必要量をどこでも持ち込むことができなかったのと、低コストで炭の効果に浴することができなかったこれらの欠点を解決するために発明されたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】仕切板(1)(2)で仕切られた仕切の中に炭又は活性炭(3)を詰める。そして、仕切板(1)(2)の木口面を被覆シート(4)で接着して板状(10)にした。本発明は、以上の構成によりなる炭を内蔵したパネルである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について説明する。炭を内蔵したパネルとは、仕切板(1)(2)で仕切を作り、その底部に当たる木口面に被覆シート(4)を接着してから仕切の中に炭、又は活性炭(3)等を使用目的により選んで、その仕切の中に詰める。詰められた仕切板(1)(2)の上部の木口面をさらに被覆シート(4)で接着すると、炭を内蔵した一枚のパネル(10)が出来上がる。又、この炭を内蔵したパネルには使用目的に応じ、さらに化粧被覆シート(5)を貼る。被覆シート(4)においては、中の炭塵を通さないことが条件である。被覆シート(4)(5)は共に通気性があることを条件とする。たとえば布や不織布、紙等を使用する。本発明は、以上のような構造で、これを使用するときは、部屋やその場所に必要な生活用器具又は装飾物等の一部としてこのパネルを使用することにより、違和感なく炭を部屋へ持ち込み、炭の効能に浴することができる。また他の目的は、器具の一部分として取り入れるので、コストも少なくてすむし、維持管理も少なくてすむ。具体的には、照明器具の傘に使用するなどである。仕切りが入っているので破損した時、少量の被害ですむし、また細く仕切りが入っていると丈夫で取り扱いも楽になる。従って、大小、形もいろいろ用意すれば、それを組み合わせて様々な器具を作ったり、応用できる。例えば、衝立、唐紙、襖戸、マットレス、照明器具の傘、壁掛等である。従って、病人やペット等、臭いの出る部屋の出入り口等に戸の替わりになるような本発明の炭を内蔵したパネルを使っておけば、空気の移動により、このパネルが臭いを24時間中吸着できることになり、部屋の中も臭いがこもらず、又隣の部屋へも漏れなくてすむ。また、照明器具の傘の部分にこのパネルを使用すれば、点灯時は電球の発熱で上昇気流が起こり、部屋の中の対流でパネルを通過する空気総体が浄化される。もし、一日中必要な場所では、点灯時以外はファンが回るような構造にしておく。照明器具の傘等にあんどん形式の照明、ムーンライト等では仕切の模様によって、影絵のような幻想的な雰囲気も楽しめる。この炭を内蔵したパネルは、空気清浄器等と違い、専用ではないのでコストも低くてすむ。又、これらのパネルは、しばらく使用したら日光に当てることにより、効能が相当再生できるので、繰り返し使用できて経済的である。
【実施例】次に(図1)から(図8)を参照して、本発明の実施例について説明する。本発明の炭を内蔵したパネルを使用して、部屋の中の空気を清浄したり湿度の調整等、健康衛生上良いためのものの実施例である。(図3R>3)のように、襖または化粧パネルとして使用する。襖の芯の中が格子状態の中空になっているので、この格子の中に入る大きさの炭を内蔵したパネルを作り、はめ込み使用する。無論大きなパネルを作り、それに襖紙を貼って襖にすることはできる。この建具を襖としては当然一般の引き戸、開き戸として使う。又、化粧パネルとして壁面に取り付けて使う。従来の建具の中を適当にくり抜いて(切り取って)、そこへパネルをはめ込んで使用することもできる。このようにすることにより、違和感なく炭を部屋の中に取り込むことができ、快適な生活ができる。(図4)は、建具でも障子の格子の中に炭を内蔵したパネルを体裁よく配置して、粘着テープ等で止めて使用した例である。(図5)は、木や竹等を自然の姿のまま、焼いた炭や、炭をデザインよく形作った物をパネル状に納めて、それを戸等にはめ込んで使えば、楽しい雰囲気作りもできる。(図6)は、照明器具に炭を内蔵したパネルを使用して、空気の浄化を図ろうとしたものである。例えば、台形に作られたパネルを組み合わせて作った行燈形の中に電灯(7)が取り付けられ、その上部に小型のファン(8)も設置しておく。点灯すると、電球の熱で空気の上昇が起こり、パネルの外から空気が入り込み、その際、空気中の埃や臭い、その他有害物質を活性炭、炭が吸着濾過し、従って部屋の中の対流で空気が清浄化される。または、点灯中のみではなく、他の時も必要な時はファンのみを回しておけば良い。仕切の模様や炭の量の加減で、点灯時は影絵のような幻想的な影が浮かび上がり、素晴らしい装飾灯にもなる。(図7)は(図6)の置いたり掛けたりする照明器具と別で、吊すタイプの器具であるが、使用する目的や、ねらう効果は大同小異である。この吊す場合は、下からの空気が素通りして上昇してしまうので、下部を透明な板(11)で空気を遮断しなければならない。また、この器具にも電球とファンを取り付けておけば、四六時中空気の浄化ができる。(図8)は、炭を内蔵したパネルをマットレスとして使用するものである。健康に良い竹炭、木炭等を使い、パネルにしてマットレスとして使うと、吸湿性が良いので病人の床ずれ防止になったり、吸着性が良いので病室の臭い消しになる。このマットレスも、たまに日光に当てることで、効果が長続きする。炭をキルティング状の中に閉じ込めたマットレスもあるが、表面が凹凸しているので、病人や弱い人には耐えられない。本発明のパネル状だと平らに仕上げるので、誰にも使えるし、取り扱いも楽である。また炭から出るマイナスイオンが、体や環境に良いのも知られている。健常者にも無論良いことは変わりない。
【0006】
【発明の効果】炭は(木炭、活性炭等)、空気や水の浄化には大変効果的なことはいろいろの浄化装置の器具に使われているので、実証済である。炭は埃のかたまりのような物で、運搬、加工、取り扱いが非常に悪いので、なかなか部屋の中へ持ち込むことが難しかった。本発明のように、小さな仕切の中に閉じ込めたものを大きな一枚のパネルとして扱えるようにすることにより、部屋の多くの場所に大量に持ち込むことができるようになった。今後ますます悪くなる住環境の中で、空気の清浄化は健康上重大な問題となってくる。そのための器具は開発され使われているが、コスト高で、その上よく手入れをしないと効果がなくなるので、いつもベストコンディションに維持するのは大変である。本発明のパネルを使用すれば、どこでも場所をとらずに設置でき、又器具の一部として使うものは経済的だし、シンプルだから維持管理も大変楽で長期間使える。他の器具より運転音も小さくてすむ。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のパネルである。
【図2】 本発明のパネルの断面図である。
【図3】 本発明の一実施例を示す斜視図である。
【図4】 本発明の一実施例を示す斜視図である。
【図5】 本発明の別のパネルである。
【図6】 本発明の一実施例を示す斜視図である。
【図7】 本発明の一実施例を示す斜視図である。
【図8】 本発明の一実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1.枠。
2.仕切板。
3.炭又は活性炭、セラミック。
4.被覆シート。
5.化粧被覆シート。
6.電線(コード)。
7.電灯。
8. ファン。
9. コード。
10.炭を内蔵したパネル。
11.透明板(シート)。
12. マットレス用カバー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 仕切板(1)(2)で仕切られたこの仕切の中に炭、活性炭又はセラミック(3)を詰め、仕切板(1)(2)の木口面を被覆シート(4)で接着し、板状(10)にしたものを特徴とする炭を内蔵したパネル。

【図2】
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【図5】
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【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開平10−8633
【公開日】平成10年(1998)1月13日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平8−195182
【出願日】平成8年(1996)6月19日
【出願人】(392019271)