説明

炭素原子等による六員環等を利用した電子伝導性のある高分子化合物

【課題】π電子を利用した導電性高分子による集積回路の配線を作成し、従来の集積回路と同等の大きさで既存の物より大容量のメモリーデバイスを提供する。
【解決手段】ベンゼンの様に分子を構成する原子が全て共役二重結合で結合し、その六員環をその共役二重結合を維持しながら多数結合させ、π電子による導電性を持つ高分子を合成し、この高分子のπ電子を利用して導電性を持たせ、分子レベルの配線幅を持つ配線を作成し、集積度を上げる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ベンゼンの様にsp2混成軌道の炭素原子が6原子正六角形の形に結合し、これが直線状に多数結合し、全ての炭素原子が共役二重結合を形成し、そのπ電子を利用して導電性のある高分子を作成するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
現在の半導体の集積回路の配線の幅は理論的に限界に近づいており、これ以上素子の集積度を上げることは難しい。そこで高分子を直接配線に利用し、配線幅を狭くすることにより集積度を上げることを目的とする。
【0003】
現在の半導体を用いた回路ではなく、炭素原子等を用いて分子全体に共役二重結合を持つベンゼンの様な分子を結合させた高分子(ポリアセン化合物)を合成し、この高分子のπ電子を利用して導電性を持たせ、分子レベルの配線幅を持つ配線を作成し、集積度を上げる。
【0004】
現在のLSIの様に半導体を用いた電子回路の配線ではなく、共役二重結合した分子全体にπ電子を持つ、π電子を伝導電子として利用する高分子を直接導電性の配線として利用することにより従来の電子回路の配線の幅より細い配線を実現する。将来的には配線だけでなくデバイス自体も分子で作成し、集積回路の集積度を上げるものである。
【発明を解決する手段】
【0005】
このような目的を達成する本発明は、有機合成反応により図面(図1)に示す化学式I(nは1〜10)の様な導電性のある高分子を合成してこれを配線に利用することにより集積度をあげる。なお図面(図1)の様に高分子の端は導電性の分子の幅を広げ、他の部分との結合が出来やすいようにしてある。
【発明の効果】
【0006】
このような高分子によれば集積回路の集積度を上げる事が出来る。これにより集積回路を小型化できる。また従来の集積回路と同等の大きさで既存の物より大容量のメモリ等を作成できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】 本発明の導電性高分子の構造図。高分子の両端は他の部分との接続がしやすいように分子の幅を広げてある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素原子等により構成された六員環化合物で、これを構成する原子が共役二重結合で結合している六員環化合物が、共役二重結合を構成したまま平面状及び直線状に多数結合することを特徴とする導電性高分子化合物。

【図1】
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【公開番号】特開2012−172148(P2012−172148A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−52173(P2011−52173)
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【出願人】(511062449)
【Fターム(参考)】