説明

点字表示装置および点字表示システム

【課題】ウエラブルな点字表示装置および点字表示システムを提供する。
【解決手段】点字表示情報を点字表示装置に提供する装置と、指に装着可能な保持部を有し装置と物理的に分離された点字表示装置とで構成された点字表示システムが提供される。点字表示装置は、点字キャラクタを1文字ずつ指に伝えることが可能な点字表示部と、点字キャラクタに対応する点字表示情報を点字表示部に供給するインターフェース部と、点字表示部やインターフェース部に電力を供給するバッテリーとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点字表示装置及び点字表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、小型、軽量で騒音を発生しない点字認識装置を目的としており、その構成として電気刺激により点字表示を行う点字認識装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平07−098562
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した公知文献(ここで点字認識装置は点字表示装置の一種である。)を含め既存の点字表示装置は、最も小型な物でも卓上機器である。視覚障害者が点字を読み取る場合は、机上の点字表示装置の上を指でなぞる必要がある。このため、利用者は机上でのみしか利用できないことが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
点字に対応する点字表示情報を発行する装置と、該装置からは物理的に分離され、使用者に点字を伝える点字表示装置とを有する点字表示システムが提供される。
【発明の効果】
【0006】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
点字表示情報を発行する装置と、点字を使用者に伝える点字表示装置が物理的に分離していることにより、使用者の活動性を高められる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施の形態1に係る点字表示装置の構成図である。
【図2】実施の形態1に係る点字表示装置及びコンテンツ機器を有する点字表示システムの構成図である。
【図3】実施の形態1に係る点字表示システムの動作フローチャートである。
【図4】実施の形態2に係る点字表示装置の構成図である。
【図5】実施の形態2に係る点字表示装置及びコンテンツ機器を有する点字表示システムの構成図である。
【図6】実施の形態2に係る点字表示システムの動作フローチャートである。
【図7】実施の形態1や実施の形態2の点字表示装置の変形例の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、本発明を示す実施の形態について詳細に説明する。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、応用例、詳細説明、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
【0009】
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(動作ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数等(個数、数値、量、範囲等を含む)についても同様である。
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一または関連する符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
【0011】
また、実施の形態で用いる図面においては、断面図であっても図面を見易くするためにハッチングを省略する場合もある。また、平面図であっても図面を見易くするためにハッチングを付す場合もある。
【0012】
(実施の形態1)
以下、図面を参照しながら本実施の形態の点字表示装置及び点字表示システムの構成と点字表示システムの動作フローチャートについて詳細に説明する。図1は点字表示装置の構成図である。図2は点字表示装置及びコンテンツ機器を有する点字表示システムの構成図である。図3は点字表示システムの動作フローチャートである。
【0013】
はじめに本明細書において、点字コンテンツDCとは点字化された電子図書や文章情報を示す。コンテンツ機器CAとは、点字コンテンツDCが記憶されている各種機器、例えばPC(パーソナルコンピューター)、携帯電話、タブレットPC等を示す。点字(点字キャラクタ)DChaとは、「あ」「1」「い」等の1つの文字や数字に対応する点字を表す横2×縦3のドットの並びを示す。尚、漢字の場合は点字DChaは横2×縦4の並びで表されるものになる。点字表示情報は、点字1文字に対応する情報を示す。この時、点字1文字に対応する情報は、データ化されたコード情報(ASCIIコードのようなもの)でもよく、点字1文字ごとに横2×縦4のどのドットをアクチュエータにて駆動するのかを指し示す情報でもよい。
【0014】
よって複数の点字表示情報を適切に組み合わせることにより、点字化された電子図書や文章情報としての点字コンテンツDCが出来上がることになる。
【0015】
まず、図1を参照しながら、本実施の形態の点字表示装置について説明する。
本実施の形態の点字表示装置(本装置)DDDは、BluetoothやWLAN(無線LAN)等で構成される相互に無線通信が可能なユニットである、第一インターフェース部(通信処理部)IFU1を持つ。第一インターフェース部IFU1は、アンテナANTと通信処理ユニットCPとを持つ。コンテンツ機器CAとBluetoothやWLAN等の規格で無線通信を第一インターフェース部IFU1が行う。この際、アンテナANTが無線信号を送受信し、送受信した無線信号を通信処理ユニットCPが信号処理する。
【0016】
尚、コンテンツ機器CAとBluetoothの規格にて無線通信を行う場合は、第一インターフェース部IFU1はBluetoothであり、コンテンツ機器CAとWLANの規格にて無線通信を行う場合は、第一インターフェース部IFU1はWLANである。点字表示装置DDDとコンテンツ機器CAとは互いに物理的に分離されている。
【0017】
更に点字表示装置DDDは、点字表示装置DDD自身がどれだけ移動したかを算出するための移動量検出部MVDUを持つ。移動量検出部MVDUは3軸ジャイロ等で構成され、点字表示装置DDDの移動量に従った検出信号を生成する移動量センサーMVSと、移動量センサーからの点字表示装置DDDの移動量に従った検出信号を受けて点字表示装置DDDの移動量を算出する移動量検出処理ユニットMVDPとを有する。
【0018】
更に点字表示装置DDDは、指に対して縦4×横2の点字表示が可能である点字表示部DDUを持つ。点字表示部DDUは、アクチュエータ制御処理ユニットACPから複数の点字表示情報を連続的に受け、複数の点字表示情報それぞれに対応した点字キャラクタDChaを1文字ずつ指に伝えることが可能な縦4×横2のドットを有する点字表示器DDAを持つ。点字表示部のドットは縦4×横2のみとされており、点字表示装置DDDを小型化し、ウエラブル性を向上させている。尚、図示はしないが縦4×横2のドットそれぞれの下部には薄型アクチュエータがあり、更にそれぞれの薄型アクチュエータの先端に指に物理的圧力を加えるための棒状の突起部があり、この棒状の突起部が薄型アクチュエータによって動かされることでドットを通るか否かを制御されて点字表示が行われる。これら薄型アクチュエータはアクチュエータ制御処理ユニットACPによって駆動制御される。尚、このようなアクチュエータ+棒状の突起部を有する形の点字表示器DDAである必要は必ずしもなく、ドットそれぞれに電気刺激を与えるか否かを制御することで点字表示を行う点字表示器DDAであってもよい。
【0019】
尚、本発明に適用可能な一例としての薄型アクチュエータに関しては、2011年6月21日時点において、以下のURLに記載されている。
http://www.aist.go.jp/aist_j/new_research/nr20100323/nr20100323.html
【0020】
このURLの特に図1およびその説明箇所には、イオン流体とポリマーで構成されたゲル電解質を、カーボンナノチューブとイオン流体及びポリマーバインダーから構成された電極2枚で、サンドイッチした構造の薄型アクチュエータが開示されており、2つの電極の間に3V以下の電圧を印加すると、大きく変形してアクチュエータの機能を果たすことが記載されている。
【0021】
点字表示部DDUはコンテンツ機器CAから第一インターフェース部IFU1を介して送信されてきた複数の点字情報を受け、複数の点字表示情報それぞれに対応した点字キャラクタDChaを1文字ずつのみ指に伝えるように点字表示器DDAを駆動制御するアクチュエータ制御処理ユニットACPを持つ。
【0022】
更に点字表示装置DDDは、点字表示装置DDD全体を制御するための情報処理ユニットIPと、図示しない各種演算処理や命令処理を行うCPU(中央演算処理ユニット)とCPUのための各種プログラムを格納するための不揮発性メモリであるROMとCPUのワークエリアとして用いられ一時記憶領域として用いられるRAMとを有するマイコンMCU(マイクロコンピューティングユニット)と、第一インターフェース部IFU1や移動量検出部MVDUや点字表示部DDUやマイコンMCUに電源を供給し電池等で構成されるバッテリーBTYとを有する。
【0023】
尚、通信処理ユニットCPや、移動量検出処理ユニットMVDPや、アクチュエータ制御処理ユニットACPや、情報処理ユニットIPそれぞれは、マイコンMCUがROM内のプログラムに基づいて動作して機能を実行することにより機能ブロックとして成り立つものであり、ROM内のプログラムの変更に基づいて柔軟にそれら機能が変更可能なものである。
【0024】
次に図2を参照しながら、本実施の形態の点字表示システムについて説明する。
点字表示システムDDSは図1にて説明を行った点字表示装置DDD及びコンテンツ機器CAにより構成される。図1においては図示しなかったが、点字表示装置DDDは指に点字表示装置DDD自身を保持するための保持部HUを有する。本実施の形態では手袋のような形状となっており、指先に点字表示部DDUが装着され、縦4×横2のドットが指側になるようになっている。尚、点字表示装置DDDの点字表示器DDA及び保持部HU以外の各構成要素(マイコンMCUやバッテリーBTY等)は点字表示器DDAを形作る筐体の内部に格納されている。
【0025】
コンテンツ機器CAには各種文字やグラフィック情報を表示するディスプレイDPと、コンテンツ機器CAを制御するためのコンテンツ機器本体部CAMUとが存在する。コンテンツ機器本体部CAMUには、コンテンツ機器CA全体を制御するための制御部CUと、BluetoothやWLAN等で構成され相互に無線通信が可能なユニットである第二インターフェース部(通信処理部)IFU2と、各種情報を記憶可能であり点字コンテンツDCを記憶している記憶部SUとが設けられる。
【0026】
点字表示部DDUに点字DChaが表示される際、ディスプレイDPには点字コンテンツDCが表示され、更に現在点字表示部DDUに表示されている点字DChaは表示カーソルCSに囲われる。更に点字コンテンツDCの下にはその翻訳文も表示されている。これは点字表示装置DDDを使用している視覚障害者がいまどの点字DChaを読んでいるのかを周りの目が見える人間、例えば視覚障害者の介助者や友達等が分かるようにすることで円滑なコミュニケーションを図るためである。
【0027】
次に図3を参照にしながら、本実施の形態の点字表示システムの動作フローチャートを説明する。尚、図3に示す動作フローチャートの説明の際、点字表示装置DDDとコンテンツ機器CAとの間にて情報や指示(コマンド)やり取りを行うステップが出てくるが、この場合には、第一インターフェース部IFU1及び第二インターフェース部IFU2間にてデータや指示のやり取りを行う。
【0028】
点字表示装置DDD側において、初めに点字表示装置DDDに対する電源投入やシステム起動を行う点字表示装置スタートステップDDDSSを実行する。
【0029】
加えてコンテンツ機器CA側において、コンテンツ機器CAに対する電源投入やシステム起動を行うコンテンツ機器スタートステップCASSを実行する。
【0030】
これら点字表示装置スタートステップDDDSSやコンテンツ機器スタートステップCASSが実行された後、点字表示装置DDDを用いてコンテンツ機器CA内の点字コンテンツDCを使用可能にするアプリケーションプログラムを起動する点字表示装置用アプリケーションプログラム起動ステップDDDASUSを実行する。
【0031】
点字表示装置用アプリケーションプログラム起動ステップDDDASUSを実行した後、第一インターフェース部IFU1及び第二インターフェース部IFU2が点字表示装置DDDとコンテンツ機器CAとの間で通信を相互に行うために、機器認証や通信プロトコル確立を行うための初期化動作を行う、点字表示装置無線通信確立ステップDDDWLCCS(点字表示装置DDD側)及びコンテンツ機器無線通信確立ステップCAWLCCS(コンテンツ機器CA側)を実行する。
【0032】
これら点字表示装置無線通信確立ステップDDDWLCCS(点字表示装置DDD側)及びコンテンツ機器無線通信確立ステップCAWLCCS(コンテンツ機器CA側)を実行した後、記憶部SUに記憶されていた点字コンテンツDCの情報を読み出すことにより、ディスプレイDPに点字コンテンツDCを表示する点字コンテンツ表示ステップDCDSを実行する。
【0033】
点字コンテンツ表示ステップDCDSを実行した後、記憶部SUに記憶されていた起点に対応する点字表示情報を読み出して、この起点に対応した点字表示情報を点字表示装置DDDに伝送する起点点字キャラクタ伝送ステップSPDCTSが実行される。尚、起点とは初めに読む点字キャラクタDChaに対応する場所である。特に実施の形態1においては、点字表示装置無線通信確立ステップDDDWLCCS及びコンテンツ機器無線通信確立ステップCAWLCCSが実行された直後、点字表示装置DDDの位置を起点とし、読むべき文章の先頭の点字キャラクタDChaが起点に対応するようにする。この起点に対応する点字キャラクタDChaに対応する点字表示情報を点字表示装置DDDに伝送する。
【0034】
起点点字キャラクタ伝送ステップSPDCTSを実行した後、コンテンツ機器CAからの点字表示情報を第一インターフェース部IFU1が受け、アクチュエータ制御部ACUによってアクチュエータの動作を行うことにより起点に対応する点字キャラクタDChaを点字表示部DDUに表示する第一アクチュエータ動作ステップAMS1を実行する。
【0035】
第一アクチュエータ動作ステップAMS1を実行した後、点字表示装置DDDが装着された指が横スライドされることにより指の横スライドステップFSSSが実行される。尚、この指の横スライドステップFSSSは点字表示装置DDDを装着した人によって実行されるものであり、点字表示装置DDDによって主体的に実行されるものではない。更に実際には横のような方向が限定されるものではなく、移動方向としては3次元空間の任意の方向となる。よって、点字表示装置DDDを装着した人の指に移動の有無やその速さにこの指の横スライドステップFSSSは依存することとなる。点字表示装置DDDを装着した人が第一アクチュエータ動作ステップAMS1後、指を動かさないで点字表示装置DDDに対して終了指示を行うこともあるが、その場合は、後に説明する終了指示判断ステップEIDSにおいて、点字表示装置DDDを終了処理する指示がある場合と同じステップを実行することとなる。
【0036】
指の横スライドステップFSSSが実行された後、指の横スライド量に従った点字表示装置DDDの移動量が、移動量検出部MVDUによって算出される移動量検出ステップMVDSを実行する。尚、この移動量は距離と方向を持つベクトル量である。
【0037】
移動量検出ステップMVDSを実行した後、第一インターフェース部IFU1から移動量を第二インターフェース部IFU2に対して伝送する移動量伝送ステップMVTSを実行する。
【0038】
移動量伝送ステップMVTSを実行した後、コンテンツ機器CAは第二インターフェース部IFU2で受けた移動量に基づいて、表示カーソルCSをスライド量に従った点字キャラクタDChaに移動させる表示カーソル移動ステップDCMSを実行する。
【0039】
表示カーソル移動ステップDCMSを実行した後、表示カーソルCSが指し示す点字キャラクタDChaに対応する点字表示情報を、記憶部SUから読み出してから、第二インターフェース部IFU2を介して第一インターフェース部IFU1に送信するカーソル位置点字キャラクタ伝送ステップCPDCTSを実行する。
【0040】
カーソル位置点字キャラクタ伝送ステップCPDCTSを実行した後、表示カーソルCSが指し示す点字キャラクタDChaに対応する点字表示情報を第一インターフェース部IFU1が受け、この点字表示情報に基づいて、アクチュエータ制御部ACUによってアクチュエータの動作を行うことにより、表示カーソルCSが指し示す点字キャラクタDChaを点字表示部DDUに表示する第二アクチュエータ動作ステップAMS2を実行する。
【0041】
第二アクチュエータ動作ステップAMS2を実行した後、点字表示装置DDDを終了処理する指示があるか否かを判断する終了指示判断ステップEIDSを実行する。点字表示装置DDDを終了処理する指示がない場合には、指の横スライドステップに戻る。点字表示装置DDDを終了処理する指示がある場合には、第一インターフェース部IFU1を介してコンテンツ機器CAの第二インターフェース部IFU2に対して終了を指示するコマンドを出力し、コンテンツ機器CA側が次に説明する終了判断ステップEDSに進み、更に点字表示装置DDDが点字表示装置DDDを終了処理する点字表示装置終了ステップDDDESに進む。
【0042】
カーソル位置点字キャラクタ伝送ステップCPDCTSを実行した後、終了判断ステップEDSに進む。ここでは終了指示判断ステップEIDSに基づいて第二インターフェース部IFU2が終了を指示するコマンドを受けた場合、コンテンツ機器CAを終了処理するコンテンツ機器終了ステップCAESに進む。このような終了を指示するコマンドを受けなければ、カーソル位置点字キャラクタ伝送ステップCPDCTSに戻る。
【0043】
尚、点字表示装置DDDにおいて、第一アクチュエータ動作ステップAMS1後から、終了指示判断ステップEIDSまでの間では以下の表1に示す各種コマンドを実行することが可能である。
【0044】
【表1】

【0045】
ここで、ページの送りやページの戻しは点字コンテンツDCのページの送りや戻しを表しており、行の送りや行の戻しは点字コンテンツDCの行の送りや行の戻し表している。
【0046】
又、点字表示装置DDDがシステム起動されていないときは、点字表示装置スタートステップDDDSSが腕の振りにより実行され、点字表示装置DDDがシステム起動されているときには点字表示装置終了ステップDDDESが腕の振りにより実行される。
【0047】
点字表示装置DDDが指に保持された状態を前提とするが、腕の振りや、右回り及び左回りで円を書く動作や、各種タップ動作は、移動量検出部MVDUで算出された3次元的な移動量及び早さに閾値を設け、通常の指の横スライドと区別すればよく、この閾値は適宜任意に定めればよい。(例えば3次元のそれぞれが直交であるXYZ空間を仮定し、通常の指の横スライドがXやY方向のあまり大きくない5cm/s以下の速さのもの、腕の振りは方向を問わず10cm/s以上の速さのもの等、適宜任意に定めるべきである。)
【0048】
又、表1に示した各種コマンドと各種動作の対応はどのように入れ替えてもよく、タップの回数も任意に定めても良い。更に、点字表示装置スタートステップDDDSS及び点字表示装置終了ステップDDDESは点字表示装置DDDにおいて判断する必要があるが、それ以外のコマンドは、点字表示装置DDDのマイコンMCUによって判断を行ってもよく、移動量を点字表示装置DDDからコンテンツ機器CAを送り、この移動量に基づいて算出された3次元的な移動量及び早さに関する閾値に基づいてコンテンツ機器CAがコマンドの判断を行っても良い。
【0049】
本実施の形態において、コンテンツ機器CAと点字表示装置DDDが互いに物理的に分けられていることにより、点字表示装置DDDを用いる使用者の活動性を向上させることができる。尚、活動性とは、物を用いる際、外出先等にてどの程度活動的に行動や作業等が可能であるのかを表す度合いとして本明細書では用いている。
【0050】
点字表示装置DDD自体が保持部HUにより指に装着されることが可能となっている。よって、指に装着された点字表示装置DDDが机や壁や空中で動かされることで点字DChaの読み取りが可能となる。これにより屋外など利用者の行動範囲を広げる事が可能となる。
【0051】
保持部HUがあり、点字コンテンツDCを記憶するコンテンツ機器CAと点字表示装置DDDが分けられていることにより、点字表示装置DDDを小さくでき、更に点字表示装置DDDのウエラブル性を獲得している。尚、ウエラブルとは体に直接身に付けることが可能であることであり、活動性が高い状態である。
【0052】
第一インターフェース部IFU1及び第二インターフェース部IFU2が無線ユニットであることにより、有線でなく無線にて点字表示装置DDDとコンテンツ機器CAが接続されるため、より行動自由度の高い点字表示装置を得ることができる。余計な配線が無くすことができ体に絡まることも防げる。
【0053】
又、指の横スライドステップFSSSにより指の移動に従って、点字表示装置DDDが移動した場合、コンテンツ機器CAが移動量に従った点字キャラクタDChaに対応する点字表示情報を点字表示装置DDDに送り、その結果第二アクチュエータ動作ステップAMS2で点字表示される。このように点字表示装置DDDの移動量に従った点字表示情報をコンテンツ機器CAから点字表示装置DDDに送信する動作ステップにより、点字表示装置DDDの移動量の変更に従って、動的に点字キャラクタDChaの表示が変更される。
【0054】
更に、点字表示装置DDDが移動量検出部MVDUを有する構造である。指の横スライドステップFSSSにより指の移動に従って、点字表示装置DDDが移動した場合、移動量伝送ステップMVTSにより点字表示装置DDDの移動量がコンテンツ機器CAに送信され、コンテンツ機器CAが移動量に従った点字キャラクタDChaに対応する点字表示情報を点字表示装置DDDに送り、その結果第二アクチュエータ動作ステップAMS2で点字表示される。このように点字表示装置DDDの移動量の変更に従って、動的に点字キャラクタDChaの表示が変更するための構成として、コンテンツ機器CA側は移動量を算出するための特別な構成は不要となり、移動量に従って点字表示情報を変更するようなソフトウエア動作により対応可能となる。尚、コンテンツ機器CAはパソコン等となる場合が多い。パソコン等においては、点字表示装置DDDのために必要となるような構成はコストアップに繋がる上、視覚障害者用の特殊な装置のための構成は一般の人には不要なものであるために、点字表示装置DDD専用の特殊構成をパソコンに付加するのはデメリットが大きい。
【0055】
点字表示装置無線通信確立ステップDDDWLCCS及びコンテンツ機器無線通信確立ステップCAWLCCSが実行された直後、点字表示装置DDDの位置を起点とし、読むべき文章の先頭の点字キャラクタDChaが起点に対応するようにしている。このことにより、あたかも仮想的に点字コンテンツDCが平面状に広がっている空間を簡単に作り出すことができる。このことで、点字表示装置DDDのみを携帯し、外出先等で自由に使用することができる。一例として電車等のターミナル駅前に、電車の運行情報等を示すためにコンテンツ機器CAを設ける。このコンテンツ機器CAと点字表示装置DDDとの間で点字表示システムDDSを形成するような形態である。
【0056】
尚、図2を参照とし、アを起点とし、点字キャラクタDCha3文字分点字表示装置DDDが移動した場合の動作を例示する。この場合、ア、イ、ウ、エと3文字分点字表示が変更される。よって、点字表示部DDUとしては、コンテンツ機器CAから第一インターフェース部IFU1を介して複数の点字表示情報(ア、イ、ウ、エ)を連続的に受け、複数の点字表示情報(ア、イ、ウ、エ)それぞれに対応した点字キャラクタDCha(ア、イ、ウ、エ)を1つずつ指に伝える動作を行うこととなる。尚、アが起点に対応する点字キャラクタDChaとなる。
【0057】
(実施の形態2)
次に、図面を参照しながら本実施の形態の点字表示装置及び点字表示システムの構成と点字表示システムの動作フローチャートについて詳細に説明する。図4は点字表示装置の構成図である。図5は点字表示装置及びコンテンツ機器を有する点字表示システムの構成図である。図6は点字表示システムの動作フローチャートである。
【0058】
実施の形態1においては、点字表示装置DDDが移動量検出部MVDUを備え、コンテンツ機器CAはディスプレイDPを備えていたが、本実施の形態においてはこの代わりに、点字表示装置DDDがタッチパネル用操作電極TPOEを備え、コンテンツ機器CAがタッチパネルディスプレイTPD及びタッチパネル制御部TPCUを備えている。実施の形態2においては、主に実施の形態1と違う箇所のみを説明し、特に説明を行わない箇所は実施の形態1と同じである。
【0059】
以下、本実施の形態について説明する。
まず、図4を参照しながら、本実施の形態の点字表示装置について説明する。
実施の形態1との違いは、移動量検出部MVDUがない代わりに、タッチパネル用操作電極(タッチパネル通電電極)TPOEがあることである。尚、タッチパネル用操作電極TPOEは、タッチパネルディスプレイTPDとタッチパネル用操作電極TPOEが接触した場合、タッチパネルディスプレイTPDのどの位置に電流が流れるのかをコンテンツ機器CAが検出するための電極である。その他箇所は特に違うこともないので、説明は省略する。
【0060】
次に、図5を参照しながら、本実施の形態の点字表示システムDDSについて説明する。
点字表示装置DDDは、指側に当たる表MSには横2×縦4のドットを有する点字表示部DDUがあるが、裏BSにはタッチパネル用操作電極TPOEがある。
【0061】
コンテンツ機器CAはタッチパネルディスプレイTPDを持ち、コンテンツ機器本体部CAMUにはタッチパネルディスプレイTPDの駆動制御を行うためのタッチパネル制御部TPCUがある。その他箇所は特に違うこともないので、説明は省略する。
【0062】
次に、図6を参照しながら、本実施の形態の点字表示システムDDSの動作フローチャートについて説明する。
【0063】
点字コンテンツ表示ステップDCDS実行後、起点点字キャラクタ伝送ステップSPDCTSが実行される。起点とは初めに読む点字キャラクタDChaに対応する場所であるが、特に本実施の形態においては、タッチパネルディスプレイTPDに表示された点字コンテンツDCにおいて、点字コンテンツDC表示後、初めにタッチパネル用操作電極TPOEに接触された箇所の点字キャラクタDChaを起点と定める。この接触はタッチパネル制御部TPCUによって検出され、タッチ箇所の場所を算出される。よって実施の形態1では起点は点字コンテンツDCの先頭の文字となっていたが、本実施の形態では、点字表示装置DDDを用いる人が任意の箇所の点字キャラクタDChaに指し示すことが可能となる。この起点に対応する点字表示情報を記憶部SUから読み出して、この起点に対応した点字表示情報を点字表示装置DDDに伝送することで起点点字キャラクタ伝送ステップSPDCTSが実行される。
【0064】
第一アクチュエータ動作ステップAMS1実行後、指の横スライドステップFSSSが実行される。このステップは実施の形態1では、点字表示装置DDDが装着された指が移動するに伴い、タッチパネルディスプレイTPDではタッチパネル用操作電極TPOEとの接触箇所が変更される。この変更接触箇所はタッチパネル制御部TPCUによって検出され、タッチ箇所の変更場所を算出される。タッチパネル用操作電極TPOEとタッチパネルディスプレイTPDとの間の接触が離れるような指の移動の際は、その後の移動は検出できない。改めてこの接触が行われたときにタッチ箇所の変更がタッチパネル制御部TPCUにて算出される。尚実施の形態1と同じように、この指の横スライドステップFSSSは点字表示装置DDDを装着した人によって実行されるものであり、点字表示装置DDDによって主体的に実行されるものではない。更に実際には横のような方向が限定されるものではなく、移動方向としては3次元空間の任意の方向となる。よって、点字表示装置DDDを装着した人の指に移動の有無やその速さにこの指の横スライドステップFSSSは依存することとなる。点字表示装置DDDを装着した人が第一アクチュエータ動作ステップAMS1後、指を動かさないで点字表示装置DDDに対して終了指示を行うこともあるが、その場合は、後に説明する終了指示判断ステップEIDSにおいて、点字表示装置DDDを終了処理する指示がある場合と同じステップを実行することとなる。
【0065】
指の横スライドステップFSSSが実行された後、タッチパネルディスプレイTPD内のタッチされた箇所に対応する箇所の点字キャラクタDChaに表示カーソルCSを移動させるタッチ箇所カーソル移動ステップTPCMSを実行する。この表示カーソルCSの移動に伴うカーソル移動量はタッチ箇所変更に従うものであり、点字表示装置DDDの移動量となるものである。尚、この移動量も実施の形態1と同様に距離と方向を持つベクトル量である。但し、この表示カーソルCSの移動に伴うカーソル移動量がタッチ箇所変更に従うものであり、点字表示装置DDDの移動量となる場合は、点字表示装置DDDのタッチパネル用操作電極TPOEとタッチパネルディスプレイTPDとが接触されつつ点字表示装置DDDが移動された場合であり、タッチパネル用操作電極TPOEがタッチパネルディスプレイTPDから離れた場合はそのようにはならない。
【0066】
タッチ箇所カーソル移動ステップTPCMSを実行した後、表示カーソルCSが指し示す点字キャラクタDChaに対応する点字表示情報を、記憶部SUから読み出してから、第二インターフェース部IFU2を介して第一インターフェース部IFU1に送信するカーソル位置点字キャラクタ伝送ステップCPDCTSを実行する。
【0067】
カーソル位置点字キャラクタ伝送ステップCPDCTSを実行した後、終了指示判断ステップEIDSに基づいて第二インターフェース部IFU2が終了を指示するコマンドを受けた場合、コンテンツ機器CAを終了処理するコンテンツ機器終了ステップCAESに進む。このような終了を指示するコマンドを受けなければ、タッチ箇所カーソル移動ステップTPCMSに戻る。その他箇所は実施の形態1と比べて特に違うところもないので、説明を省略する。
【0068】
実施の形態1で説明を行った表1に示す各種コマンドは本実施の形態でも適用可能であるが、本実施の形態では、点字表示装置DDDの移動量の算出はタッチパネル用操作電極TPOEをタッチパネルディスプレイTPDに接触させながら移動させる必要がある。よって、腕の振りや、右回り及び左回りで円を書く動作や、各種タップ動作は、タッチパネル用操作電極TPOEをタッチパネルディスプレイTPDに接触させながら移動させることで、タッチパネル制御部TPCUが検出及び判断を行う。
【0069】
尚、実施の形態1と同一な構成要素や動作要素に伴う発明効果は本実施の形態でも持つものである。
点字表示装置DDD自体が保持部HUにより指に装着され、点字表示装置DDDがタッチパネル用操作電極TPOEを持っている。よって、指に装着された点字表示装置DDDがタッチパネルディスプレイTPDをなぞることで点字DChaの読み取りが可能となる。これにより通常のタッチパネルディスプレイTPDを持つコンテンツ機器CAを操作するのと同じようにして点字DChaの読み取りが可能となる。
【0070】
更に本実施の形態では、点字表示装置DDDがタッチパネル用操作電極TPOEを持ち、コンテンツ機器CAがタッチパネルディスプレイTPD及びタッチパネル制御部TPCUを持つために、点字表示装置DDDから移動量検出部MVDUを削除でき、点字表示装置の小型化及び低コスト化を図ることができる。更にタッチパネルディスプレイTPDを持つコンテンツ機器CAにおいては、タッチパネルディスプレイTPD自身やタッチパネル制御部TPCUは通常備えているものであるから、特に追加の必要なハードウエアがあるわけではない。点字表示装置DDDのタッチパネル用操作電極TPOEを点字コンテンツDCの読み取りだけでなく、それ以外の用途(映像や音楽を楽しむ、インターネット接続、メール使用、ゲーム等)でタッチパネルディスプレイTPDを持つコンテンツ機器CAを用いる場合でも用いてもよく、その場合には点字表示装置DDDの取り外しを行うことなく、様々な用途にてタッチパネルディスプレイTPDを持つコンテンツ機器CAを用いることができる。
【0071】
更に本実施の形態では、点字表示装置DDDがタッチパネル用操作電極TPOEを持ち、コンテンツ機器CAがタッチパネルディスプレイTPD及びタッチパネル制御部TPCUを持ち、指の横スライドステップFSSSに従って、タッチ箇所カーソル移動ステップTPCMSを実行され、カーソル位置点字キャラクタ伝送ステップCPDCTSを実行される。よって点字表示装置DDDが移動量検出部を有さなくても、点字表示装置DDDの移動量の変更に従って、動的に点字キャラクタDChaの表示が変更される。尚、実施の形態1と同じように図5を参照とし、点字キャラクタDCha3文字分点字表示装置DDDが移動した場合の動作を例示する。この場合、ア、イ、ウ、エと3文字分点字表示が変更される。よって、点字表示部DDUとしては、コンテンツ機器CAから第一インターフェース部IFU1を介して複数の点字表示情報(ア、イ、ウ、エ)を連続的に受け、複数の点字表示情報(ア、イ、ウ、エ)それぞれに対応した点字キャラクタDCha(ア、イ、ウ、エ)を1つずつ指に伝える動作を行うこととなる。尚、アが起点に対応する点字キャラクタDChaとなる。尚、本実施の形態では、起点に関しては初めにタッチパネル用操作電極TPOEがア以外の箇所(例えばウ等)を指した場合はその場所が起点となる。
【0072】
(変形例)
実施の形態1及び実施の形態2において、以下に示すような形にて変更が可能である。
図7には、実施の形態1や実施の形態2の点字表示装置の変形例の構成図が示される。
保持部HUがバンド形状の保持部BHUとなっている。季節によっては手袋のような保持部HUは手が蒸れ不快となる上、場所も取るために持ち運ぶのにかさばるが、本変形例ではそのようなことは避けられる。
【0073】
更にボタンBNを有する。このボタン(スイッチ)BNのオン状態、オフ状態は表1に示す各種コマンドのいずれかに当てはめてよいものであるが、特に好適なのは点字表示装置スタートステップDDDSSにボタンBNのオン状態を当てはめ、点字表示装置終了ステップDDDESにボタンBNのオフ状態を当てはめればよい。実施の形態1や2では腕の振りにより点字表示装置スタートステップDDDSS、及び点字表示装置終了ステップDDDESが実行される。点字表示装置スタートステップDDDSSが実行されるには、腕の振りを検出するために、最低限の点字表示装置DDDの駆動が必要となり、バッテリーBTYの消耗が大きくなる。ボタンBNを設け、点字表示装置スタートステップDDDSS、及び点字表示装置終了ステップDDDESに当てはめることにより、点字表示装置終了ステップDDDESにて点字表示装置DDDの電源を完全に落とすことが可能となり、バッテリーBTYの消耗が抑えられる。
【0074】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0075】
DDD 点字表示装置(本装置)
CA コンテンツ機器
MCU マイクロコンピューティングユニット(マイコン)
IFU1 第一インターフェース部(通信処理部)
ANT アンテナ
CP 通信処理ユニット
MVDU 移動量検出部
MVS 移動量センサー
MVDP 移動量検出処理ユニット
DDU 点字表示部
DDA 点字表示器
ACP アクチュエータ制御処理ユニット
IP 情報処理ユニット
BTY バッテリー
DDS 点字表示システム
HU 保持部
DC 点字コンテンツ
DCha 点字(点字キャラクタ)
CS 表示カーソル
DP ディスプレイ
CAMU コンテンツ機器本体部
CU 制御部
IFU2 第二インターフェース部
SU 記憶部
DDDSS 点字表示装置スタートステップ
DDDWLCCS 点字表示装置無線通信確立ステップ
AMS1 第一アクチュエータ動作ステップ
FSSS 指の横スライドステップ
MVDS 移動量検出ステップ
MVTS 移動量伝送ステップ
AMS2 第二アクチュエータ動作ステップ
EIDS 終了指示判断ステップ
DDDES 点字表示装置終了ステップ
CASS コンテンツ機器スタートステップ
DDDASUS 点字表示装置用アプリケーションプログラム起動ステップ
CAWLCCS コンテンツ機器無線通信確立ステップ
DCDS 点字コンテンツ表示ステップ
SPDCTS 起点点字キャラクタ伝送ステップ
DCMS 表示カーソル移動ステップ
CPDCTS カーソル位置点字キャラクタ伝送ステップ
EDS 終了判断ステップ
CAES コンテンツ機器終了ステップ
TPOE タッチパネル用操作電極
BS 裏面
MS 表面
TPD タッチパネルディスプレイ
TPCU タッチパネル制御部
TPCMS タッチ位置カーソル移動ステップ
BHU バンド形状の保持部
BN ボタン(スイッチ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
指に装着するための保持部を有する点字表示装置であって、
複数の点字表示情報を連続的に受け、前記複数の点字表示情報それぞれに対応した点字キャラクタを1文字ずつ指に伝えることが可能な点字表示部と、
前記点字表示装置から物理的に分離された装置から、前記複数の点字表示情報を受け、前記複数の点字表示情報を前記点字表示部に供給するインターフェース部と、
前記点字表示部及び前記インターフェース部に電力を供給するバッテリーとを有する点字表示装置。
【請求項2】
前記インターフェース部がBluetooth又は無線LANの無線ユニットである請求項1に記載の点字表示装置。
【請求項3】
前記インターフェース部は、前記複数の点字表示情報の一部であり、前記点字表示部に表示するための起点に対応した第一点字キャラクタの第一点字表示情報、及び前記複数の点字表示情報の一部であり、前記点字表示装置の移動量に従った第二点字キャラクタの第二点字表示情報を受けるものであり、
前記起点は前記装置と前記インターフェース部との間にて通信が確立された後、初めに読まれる前記第一点字キャラクタに対応する場所である請求項1に記載の点字表示装置。
【請求項4】
前記点字表示装置の物理的移動量を検出するための移動量検出センサーからの検出信号に従って、前記点字表示装置の前記移動量を算出する移動量検出部を更に有し、
前記インターフェース部は、前記第一及び第二点字表示情報を受け、前記点字表示装置の前記移動量を出力する請求項3に記載の点字表示装置。
【請求項5】
前記点字表示部に表示するための前記起点に対応した前記第一点字キャラクタを指示し、前記起点を指示した後にタッチ箇所変更に伴う異なる箇所の前記第二点字キャラクタを指示するタッチパネル用通電電極を更に有し、
前記装置は、前記タッチパネル用通電電極の前記起点を指示する為のタッチを検出することにより前記起点に対応する前記第一点字表示情報を前記点字表示装置に出力し、前記起点を指示した後に前記タッチパネル用通電電極の接触を検出することにより前記タッチ箇所変更に伴う異なる箇所に対応する前記第二点字表示情報の前記第二点字キャラクタを前記点字表示装置に出力する請求項3に記載の点字表示装置。
【請求項6】
複数の点字表示情報を出力する第二インターフェース部を持つ装置と、
保持部と、
前記複数の点字表示情報を連続的に受け、前記複数の点字表示情報それぞれに対応した点字キャラクタを1文字ずつ指に伝えることが可能な点字表示部と、
前記第二インターフェース部からの前記複数の点字表示情報を受け、前記点字表示部に前記複数の点字表示情報を供給する第一インターフェース部と、
前記点字表示部及び前記第一インターフェース部に電力を供給するバッテリーとを備え、
前記装置とは物理的に分離されている点字表示装置と、
を持ち、前記点字表示装置は前記保持部によって指に装着される点字表示システム。
【請求項7】
前記第一インターフェース部は第一無線ユニットであり、
前記第二インターフェース部は第二無線ユニットであり、
前記第一無線ユニットがBluetoothであれば前記第二無線ユニットもBluetoothであり、
前記第一無線ユニットが無線LANであれば前記第二無線ユニットも無線LANである請求項6に記載の点字表示システム。
【請求項8】
前記第一インターフェース部は、前記複数の点字表示情報の一部であり、前記点字表示部に表示するための起点に対応する第一点字キャラクタの第一点字表示情報、および前記複数の点字表示情報の一部であり、前記点字表示装置の移動量に従った第二点字キャラクタの第二点字表示情報を受け、
前記装置は、
前記第一点字キャラクタおよび前記第二点字キャラクタを含む複数の前記点字キャラクタを表示するディスプレイと、
複数の前記点字キャラクタに対応する前記複数の点字表示情報を記憶する記憶部とを有し、
前記第二インターフェース部は前記第一点字表示情報と、前記第二点字表示情報とを出力し、
前記起点は前記装置と前記インターフェース部との間にて通信が確立された後、初めに読まれる前記第一点字キャラクタに対応する場所である請求項6に記載の点字表示システム。
【請求項9】
前記第一インターフェース部は前記点字表示装置の前記移動量を出力し、
前記点字表示装置は、前記点字表示装置の物理的移動量を検出するための移動量センサーからの検出信号に従って、前記点字表示装置の前記移動量を算出する移動量検出部を更に有し、
前記第二インターフェース部は前記点字表示装置の前記移動量を受ける請求項8に記載の点字表示システム。
【請求項10】
前記点字表示装置は、前記点字表示部に表示するための前記起点に対応する前記第一点字キャラクタを指示し、前記起点を指示した後にタッチ箇所変更に伴う異なる箇所の前記第二点字キャラクタを指示するタッチパネル用通電電極を更に有し、
前記ディスプレイはタッチパネルディスプレイであり、
前記第二インターフェース部は、前記タッチパネルディスプレイに対する前記タッチパネル用通電電極の接触を検出することにより前記第一点字キャラクタの前記第一点字表示情報を出力し、前記起点を指示した後に前記タッチパネルディスプレイに対する前記タッチパネル用通電電極の接触を検出することにより前記第二点字キャラクタの前記第二点字表示情報を出力する請求項8に記載の点字表示システム。

【図3】
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【図6】
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【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−83752(P2013−83752A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−222794(P2011−222794)
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(311005884)ルネサスモバイル株式会社 (11)