説明

点字読取学習装置

【課題】点字の読み取りを容易に行うことができるとともに、点字の読取に不慣れな視覚障害者等に対して点字の読み取りの学習を可能にした点字読取学習装置を提供する。
【解決手段】点字読取学習装置100は、点字形成面300から点字310を読み取る点字読取部10と、点字読取部10を点字読取者の指200に装着する装着部20と、点字読取部10により読み取られた点字を点字読取者に報知する音声報知部16とを有し、装着部20は、指200により読み取られる点字に先行若しくは後行して点字形成面300から点字を読み取るように、挟持部21a、21bの弾性力を利用して、点字読取部10を指200に装着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、点字の読み取り、学習を支援する点字読取学習装置に関し、特に、点字の読取に不慣れな視覚障害者等に対して点字の読み取り、学習を可能にした点字読取学習装置に関する。
【背景技術】
【0002】
視覚障害者等に対して各種情報を提供するために点字が利用されている。この点字は、視覚障害者等が触覚によって読み取る文字で、盛り上がった複数の点によって文字、数字等が表現される。
【0003】
通常用いられる点字は、横2×縦3の6つの点で表され、視覚障害者等は、この6つの点の配列位置を触覚により認識して点字を読み取る。
【0004】
しかし、この点字の読み取りは、簡単にできるものではなく、特に点字の読取に不慣れな視覚障害者等にとっては、せっかく点字で情報が提供されていてもこの情報を得ることができない。
【0005】
従来、点字の読み取りを容易に行うことができる携帯性に優れた点字読取装置としては特許文献1に記載されたものがある。
【0006】
この特許文献1に記載された点字読取装置は、操作者の少なくとも一方の手によって保持され、先行読みに用いられる指の後を追従して移動されて、点字を読み取ることが可能な点字読取装置であって、点字センサと、点字センサが感知した点字情報信号を出力する点字情報信号出力手段とが、格納される筐体を有し、筐体には、点字センサが進行する方向における側壁面に、点字の先行読みを行う指に当接させる当接部が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−195213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、この特許文献1に記載された点字読取装置は、例えば、左手でこの点字読取装置を保持し、この点字読取装置に先行読みに用いられる指、例えば、右手の人差し指を当接して点字読み取りが行われるもので、左右の手を同時に使用しなければならないため、使い勝手が悪く、また、先行読みに用いられる指は、この点字読取装置の案内に用いられるだけであるので、この点字読取装置の利用によっては点字読取能力の学習効果は期待できない。
【0009】
そこで、この発明は、点字の読み取りを容易に行うことができるとともに、点字の読取に不慣れな視覚障害者等に対して点字の読み取りの学習を可能にした点字読取学習装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1の発明の点字読取学習装置は、点字形成面から点字を読み取る点字読取部と、前記点字読取部を点字読取者の所定の指に装着する装着部と、前記点字読取部により読み取られた点字を前記点字読取者に報知する報知部とを具備し、前記装着部は、前記指により読み取られる点字に先行若しくは後行して前記点字形成面から点字を読み取るように前記点字読取部を前記指に装着する。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記点字読取部は、前記点字形成面を斜め方向から照明する照明部と、前記照明部により照明された前記点字形成面からの反射光を受光する受光部と、前記受光部の受光出力に基づき前記点字形成面に形成された点字を認識する認識部とを具備する。
【0012】
また、請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記装着部は、前記点字読取部の一端に回転自在に取り付けられ、前記指を該指の側方から挟持する挟持部を有し、前記挟持部による前記指の挟持により前記指による前記点字形成面の点字を読取可能な状態にして前記点字読取部を該指の点字読取方向前側面若しくは点字読取方向後側面に密着装着する。
【0013】
また、請求項4の発明は、請求項2の発明において、前記報知部は、前記認識部による点字の認識毎に該認識部で認識した点字に対応する音声を発音する第1の発音部と、前記点字読取部による点字読取終了後に前記認識部で認識した点字に対応する音声を連続発音する第2の発音部とを具備する。
【発明の効果】
【0014】
この発明に係わる点字読取学習装置によれば、点字の読み取りを容易に行うことができるとともに、点字の読取に不慣れな視覚障害者等に対して点字の読み取りの学習を行うことが可能になり、これにより視覚障害者等の点字読取能力の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明に係わる点字読取学習装置の実施例1を示す上面図および側面図である。
【図2】図2は、図1に示した点字読取学習装置の点字読取部の内部構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、図2に示した点字解析部の内部構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、図2に示した音声報知部の内部構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、図2および図3、図4に示した点字読取部10の処理を示すフローチャートである。
【図6】図6は、図2に示した点字読取学習装置100の使用例を説明する説明図である。
【図7】図7は、実施例2の点字読取学習装置を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明に係わる点字読取学習装置の一実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0017】
図1は、この発明に係わる点字読取学習装置の一実施例を示す図である。
【0018】
図1(a)において、この実施例1の点字読取学習装置100は、視覚障害者が点字を読み取る指、例えば右手の人指し指200の左側に装着して使用されるもので、点字読取部10とこの点字読取部10を指200に装着する装着部20から構成される。
【0019】
装着部20は、点字読取部10の一端に取り付けられ、指200に点字読取部10を装着するための一対の挟持部21a、21bを有する。挟持部21a、21bは、指200の点字読取部の手側部を挟持するもので、指の形状に沿って湾曲した弾性体から形成される。
【0020】
この点字読取学習装置100を指に装着する場合は、点字読取部10の側部が指200の側部に密着するように、挟持部21a、21bの弾性力を利用して指200に装着する。この場合、点字読取部10の側部が指200の側部に密着した状態で、点字読取部10が指200に装着されるので、点字読取部10を指200に安定して固定することができる。
【0021】
図1(b)は、この点字読取学習装置100を手側からみた側面図である。点字読取部10の手側の一端には装着部20が取り付けられ、この装着部20には、指200を挟持するための上述した挟持部21a、21bが設けられている。ここで、装着部20および点字読取部10の側面には点字読取部10を指200に更に密着させるための点線で示すような凹部20cを設けてもよい。
【0022】
図2は、図1に示した点字読取学習装置100の点字読取部10の内部構成を示すブロック図である。
【0023】
点字読取部10は、下面に点字形成面300に形成された点字310に接触する透明の点字読取窓部11が設けられ、点字読取部10の内部には、この点字読取窓部11を通って点字記載面300を斜めの方向から照射する光源12、点字形成面300からの反射光を集光して受光部14に導くレンズ部13、レンズ部13で集光された点字形成面300からの反射光を受光する受光部14、受光部14の受光出力に基づき点字310を認識解析する点字解析部15、点字解析部15で認識した点字310に対応する情報を点字読取学習装置100の使用者に報知する音声報知部16が設けられている。
【0024】
図3は、図2に示した点字解析部15の内部構成を示すブロック図である。
【0025】
この実施例の点字読取学習装置100は、光源12からの光で点字形成面300を斜めに照射して、このときできる点字の盛り上がり部の影位置から点字310を認識する。
【0026】
点字解析部15に設けられた影位置抽出部151は、受光部14の出力を入力して、光源12からの光の照射により生じる点字310の盛り上がり部の影位置を抽出する。
【0027】
点字辞書記憶部152は、点字の盛り上がり部のパターンを示す点字パターンを該点字パターンに対応する文字に対応して記憶する。
【0028】
点字認識部153は、影位置抽出部151で抽出した影位置のパターンを点字辞書記憶部152に記憶した点字パターンと比較して、影位置抽出部151で抽出した影位置のパターンが点字辞書記憶部152に記憶した点字パターンのいずれかと一致すると、この一致した点字パターンに対応する文字を該点字の表す文字として認識する。
【0029】
点字認識終了判定部154は、この点字読取学習装置100による点字読み取りの終了を判定するもので、この点字読み取りの終了の判別は、例えば、受光部14の出力に基づく影位置抽出部151で点字の盛り上がり部に対応する影位置が検出できなくなった場合に、点字読み取りの終了と判定する。
【0030】
なお、この点字認識終了判定部154による点字読み取りの終了の判定は、点字読み取りの終了を入力するスイッチ等を設け、このスイッチ等の入力に基づき判定するように構成してもよい。
【0031】
図4は、図2に示した音声報知部16の内部構成を示すブロック図である。
【0032】
音声報知部16は、点字解析部15で認識した点字310に対応する文字情報を音声で報知する。音声報知部16による報知には、点字解析部15による点字310に対応する文字の認識に同期して認識確認音発生部162から発生される認識確認音、点字解析部15による点字に対応する文字の認識毎に認識一文字音発生部163から発生される認識文字に対応する音、この点字読取学習装置100による点字読み取りの終了時に認識連続文字音発生部164から発生される連続文字音がある。
【0033】
点字解析部15の点字認識部152で点字に対応する文字が認識されると、この認識された文字は認識文字一時記憶部161に一時記憶される。そして、この認識文字一時記憶部161に対する認識文字の記憶に同期して認識確認音発生部162から認識確認音が発生される。この認識確認音発生部162から発生される認識確認音は、点字認識部152での野路認識が成功したことを示す、例えば「ピッ」という音である。
【0034】
また、点字解析部15の点字認識部152で点字310に対応する文字が認識され、この認識された文字が認識文字一時記憶部161に一時記憶されると、認識一文字音発生部163から認識文字に対応する音が発生される。ここで、認識一文字音発生部163から発生される音は、点字認識部152で認識された点字に対応する文字が「か」であると、「か」に対応する音声である。
【0035】
また、この点字読取学習装置100による点字読み取りが終了すると、認識連続文字音発生部164から認識文字一時記憶部161に順次記憶された文字に対応する音声が連続して発生される。例えば、認識文字一時記憶部161に順次記憶された文字が「か」、「い」、「だ」、「ん」、「ちゅ」、「う」、「い」であると、認識連続文字音発生部164から発生される音は、「かいだんちゅうい」に対応する音声である。
【0036】
図5は、図2および図3、図4に示した点字読取部10の処理を示すフローチャートである。
【0037】
点字読取部10の受光部14で点字形成面300の点字310からの反射を受光すると、受光部14の受光出力に基づき、点字解析部15の影位置抽出部151で、点字310の盛り上がり部の影位置を抽出する(ステップ501)。
【0038】
次に、影位置抽出部151で抽出した影位置のパターンと点字辞書記憶部152に記憶した点字パターンとを比較する(ステップ502)。この比較により、影位置抽出部151で抽出した影位置のパターンが点字辞書記憶部152に記憶した点字パターンのいずれかと一致すると(ステップ503でYES)、この一致した点字パターンに対応する文字を該点字の表す文字として認識して、音声報知部16の認識確認音発生部162から認識確認音を発生し(ステップ504)、一致した点字パターンに対応する認識文字を音声報知部16の認識文字一時記憶部161に一時記憶する(ステップ505)。
【0039】
そして、点字認識部152で認識され、認識文字一時記憶部161に一時記憶された認識文字に対応する音声が認識一文字音発生部163から発生される。
【0040】
次に、この点字読取部10による点字読み取りが終了かが調べられる(ステップ507)この点字読み取りが終了か否かの判断は、図3に示した点字認識参照判定部154の判定に基づき判断される。
【0041】
ここで、点字読み取りがまだ続く場合は(ステップ507でNO)、ステップ501に戻り、次の点字に対応する影位置の抽出が行われる。
【0042】
また、ステップ507で、この点字読取部10による点字読み取りが終了であると判断されると、音声報知部16の認識文字一時記憶部161に順次記憶された文字に対応する音声を連続発音して(ステップ508)、この処理を終了する。
【0043】
なお、ステップ503で、影位置抽出部151で抽出した影位置のパターンが点字辞書記憶部152に記憶した点字パターンのいずれとも一致しない場合は(ステップ503でNO)、すなわち、ステップ504で認識確認音が発生されない場合は、ステップ501に戻り、受光部14の受光出力に基づく影位置抽出部151による点字の影位置の再抽出が行われる。この影位置抽出部151による点字の影位置の再抽出は、点字読取部10を上下左右に微小に動かすことにより行われ、この処理は、ステップ503で一致が判定されるまで続けられる。
【0044】
図6は、図2に示した点字読取学習装置100の使用例を説明する説明図である。
【0045】
図6においては、点字形成面300に「市民課」に対応する「し」、「み」、「ん」、「か」が点字で生成されており、この場合に、点字読取学習装置100を用いてこの点字を読み取り、学習する動作について説明する。
【0046】
図6において、点線で囲んだ枠601は、視覚障害者が点字を読み取る指、例えば右手の人指し指の触覚により点字の盛り上がり部を認識する範囲を示し、実線で囲んだ枠602は、この発明に係わる点字読取学習装置100の点字読取部10で点字を読み取る範囲を示す。
【0047】
図6(a)に示すように、まず、視覚障害者が右手の人指し指に、この発明に係わる点字読取学習装置100を装着して、点字形成面300に形成された点字の「し」に対応する部分を右手の人指し指で探し、「し」に対応する点字を人指し指の触感により読み取る。ここで、「し」に対応する点字が認識できない場合若しくは認識に自信がない場合は、この人指し指を右方に移動させる。すると、この人指し指の右方への移動に伴って、点字読取学習装置100の点字読取部10も右方に移動し、図6(b)に示すように、点字読取学習装置100の点字読取部10が点字の「し」に対応する部分に達すると、点字読取部10によりこの点字の「し」が読み取られ、音声報知部16の認識確認音発生部162から「ピィ」という認識確認音が発生し、認識一文字音発生部163から「し」という音声が発生される。
【0048】
これにより、この点字読取学習装置100の使用者は、最初に、人指し指の触感で認識しようとした点字が「し」であることを確認学習することができる。
【0049】
次に、図6(b)に示すように、人指し指が点字「み」の位置にあるときに、「み」に対応する点字を人指し指の触感により読み取る。ここで、「み」に対応する点字が認識できない場合若しくは認識に自信がない場合は、この人指し指を更に右方に移動させる。すると、この人指し指の右方への移動に伴って、点字読取学習装置100の点字読取部10も右方に移動し、図6(c)に示すように、点字読取学習装置100の点字読取部10が点字の「み」に対応する部分に達すると、点字読取部10によりこの点字の「み」が読み取られ、音声報知部16の認識確認音発生部162から「ピィ」という認識確認音が発生し、認識一文字音発生部163から「み」という音声が発生される。
【0050】
これにより、この点字読取学習装置100の使用者は、次に、人指し指の触感で認識しようとした点字が「み」であることを確認学習することができる。
【0051】
更に、図6(c)に示すように、人指し指が点字「ん」の位置にあるときに、「ん」に対応する点字を人指し指の触感により読み取る。ここで、「ん」に対応する点字が認識できない場合若しくは認識に自信がない場合は、この人指し指を更に右方に移動させる。すると、この人指し指の右方への移動に伴って、点字読取学習装置100の点字読取部10も右方に移動し、図6(d)に示すように、点字読取学習装置100の点字読取部10が点字の「ん」に対応する部分に達すると、点字読取部10によりこの点字の「ん」が読み取られ、音声報知部16の認識確認音発生部162から「ピィ」という認識確認音が発生し、認識一文字音発生部163から「ん」という音声が発生される。
【0052】
これにより、この点字読取学習装置100の使用者は、次に、人指し指の触感で認識しようとした点字が「ん」であることを確認学習することができる。
【0053】
更に、図6(d)に示すように、人指し指が点字「か」の位置にあるときに、「か」に対応する点字を人指し指の触感により読み取る。ここで、「か」に対応する点字が認識できない場合若しくは認識に自信がない場合は、この人指し指を更に右方に移動させる。すると、この人指し指の右方への移動に伴って、点字読取学習装置100の点字読取部10も右方に移動し、図6(e)に示すように、点字読取学習装置100の点字読取部10が点字の「か」に対応する部分に達すると、点字読取部10によりこの点字の「か」が読み取られ、音声報知部16の認識確認音発生部162から「ピィ」という認識確認音が発生し、認識一文字音発生部163から「か」という音声が発生される。
【0054】
これにより、この点字読取学習装置100の使用者は、次に、人指し指の触感で認識しようとした点字が「か」であることを確認学習することができる。
【0055】
この状態において、この点字読取学習装置100の使用者は、人指し指の触感で次の点字がないことを知ることができるので、この人指し指を更に右方に移動させる。すると、この人指し指の右方への移動に伴って、点字読取学習装置100の点字読取部10も右方に移動し、図6(f)に示す状態になり、この状態では、点字読取部10で点字による盛り上がりを検出できないので、点字解析部15の点字認識終了判定部154で点字認識終了と判定され、これにより、音声報知部16の認識連続文字音発生部164から「しみんか」という音声が発生される。
【0056】
これにより、この点字読取学習装置100の使用者は、人指し指の触感で読み取った点字が「しみんか」であることを再確認することができる。
【実施例2】
【0057】
上記実施例1においては、この発明に係わる点字読取学習装置100を視覚障害者が点字を読み取る指、例えば右手の人指し指200の左側に装着して使用するように構成したが、実施例2においては、この発明に係わる点字読取学習装置100を視覚障害者が点字を読み取る指、例えば右手の人指し指200の右側に装着して使用する。
【0058】
図7は、実施例2の点字読取学習装置100を説明する図である。図7において、図7(a)は、実施例1の点字読取学習装置100を示し、図7(b)実施例2の点字読取学習装置100を示す。
【0059】
実施例2の点字読取学習装置100は、実施例1の点字読取学習装置100が人指し指200の左側に装着されるのに対して、人指し指200の右側に装着される。このため、実施例2の点字読取学習装置100においては、挟持部21a、21bが装着部20から左側に伸びている。
【0060】
この構成は、点字読取部10に対して装着部20を回転可能に取り付け、実施例2の点字読取学習装置100として用いる場合は、装着部20を点字読取部10に対して180度回転させることにより構成することができる。
【0061】
この実施例2の点字読取学習装置100を図6に示した使用例に用いて説明すると、まず、視覚障害者が右手の人指し指に、この発明に係わる点字読取学習装置100を装着して、点字形成面300に形成された点字の「し」に対応する部分を右手の人指し指で探し、次に、この人指し指を左方に移動させ、点字読取学習装置100の点字読取部10が点字の「し」に対応する部分に達すると、点字読取部10によりこの点字の「し」が読み取る。この状態で、音声報知部16の認識確認音発生部162から「ピィ」という認識確認音が発生し、認識一文字音発生部163から「し」という音声が発生される。
【0062】
その後、この人指し指を順次右方に移動させ、点字読取部10による読み取りと、人指し指の触感による認識とを繰り返すことになる。
【0063】
この実施例2の点字読取学習装置100によると、最初に点字読取部10で点字形成面300の点字310を読み取り、これに続いて人指し指200の触感により点字310を読み取る使用方法となるので、点字の表す文字を知った上で人指し指200の触覚による点字の読み取りを試みることができるので、特に点字の読取に不慣れな視覚障害者等にとっては更に大きな学習効果が期待できる。
【符号の説明】
【0064】
10 点字読取部
11 点字読取窓部
12 光源
13 レンズ部
14 受光部
15 点字解析部
16 音声報知部
20 装着部
21a、21b 挟持部
100 点字読取学習装置
151 影位置抽出部
152 点字辞書記憶部
153 点字認識部
154 点字認識終了判定部
161 認識文字一時記憶部
162 認識確認音発生部
163 認識一文字音発生部
164 認識連続文字音発生部
200 指(人指し指)
300 点字形成面
310 点字

【特許請求の範囲】
【請求項1】
点字形成面から点字を読み取る点字読取部と、
前記点字読取部を点字読取者の所定の指に装着する装着部と、
前記点字読取部により読み取られた点字を前記点字読取者に報知する報知部と
を具備し、
前記装着部は、
前記指により読み取られる点字に先行若しくは後行して前記点字形成面から点字を読み取るように前記点字読取部を前記指に装着する点字読取学習装置。
【請求項2】
前記点字読取部は、
前記点字形成面を斜め方向から照明する照明部と、
前記照明部により照明された前記点字形成面からの反射光を受光する受光部と、
前記受光部の受光出力に基づき前記点字形成面に形成された点字を認識する認識部と
を具備する請求項1記載の点字読取学習装置。
【請求項3】
前記装着部は、
前記点字読取部の一端に回転自在に取り付けられ、前記指を該指の側方から挟持する挟持部
を有し、
前記挟持部による前記指の挟持により前記指による前記点字形成面の点字を読取可能な状態にして前記点字読取部を該指の点字読取方向前側面若しくは点字読取方向後側面に密着装着する請求項1記載の点字読取学習装置。
【請求項4】
前記報知部は、
前記認識部による点字の認識毎に該認識部で認識した点字に対応する音声を発音する第1の発音部と、
前記点字読取部による点字読取終了後に前記認識部で認識した点字に対応する音声を連続発音する第2の発音部と
を具備する請求項2記載の点字読取学習装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2010−281978(P2010−281978A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−134490(P2009−134490)
【出願日】平成21年6月3日(2009.6.3)
【出願人】(503158475)株式会社ティーエヌケー (14)