点滴フィルタ
【課題】点滴流体フィルタ装置、および点滴流体を患者へ供給する方法の改良を図ること。
【解決手段】親水性膜51を備え、かつ内側から外側への流れを与える離間される第1および第2のフィルタ要素51’、52’を備えるフィルタを含む点滴流体フィルタ装置、ならびに該装置を使用する方法を開示する。
【解決手段】親水性膜51を備え、かつ内側から外側への流れを与える離間される第1および第2のフィルタ要素51’、52’を備えるフィルタを含む点滴流体フィルタ装置、ならびに該装置を使用する方法を開示する。
【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
[0001]点滴(IV)流体は、一般に、流体を患者へ供給する前に望ましくない物質を流体から除去するために濾過される。空気が患者の静脈内に入らないようにするため、インラインIVフィルタ装置は、液体−空気(ガス)分離を行なうことが好ましい。また、IV流体が患者へ供給される前にフィルタ要素の下流側のチューブ内および装置ハウジング内の空気を除去しなければならず、また、残存する空気、例えば小さい気泡を効率的に除去することは、気泡を除去するために装置ハウジングをたたくなどの操作を伴い得る。
【0002】
[0002]IVフィルタ装置の大きさを小さくするため、「外側から内側へ」の流れのために2つの別個のフィルタ要素が利用される幾つかの装置が提供されてきた。この場合、第1および第2の外側入口部から共通の中心出口部に向けて2つの流体流路が設けられる。濾過されるべき流体の一部は、装置入口およびハウジングの第1の外側入口部から、第1のフィルタ要素を通過して、共通の出口部に至る第1の流体流路に沿って流れ、濾過されるべき他の部分は、装置入口およびハウジングの第2の外側入口部から、第2のフィルタ要素を通過して、共通の出口部に至る第2の流体流路に沿って流れる。濾過された流体は、共通の出口部から、装置出口およびチューブを通過して、患者に流れる。
【0003】
[0003]しかしながら、IVフィルタ装置、およびIV流体を患者へ供給する方法を改良する必要がある。
【発明の概要】
【0004】
[0004]本発明の一実施形態は、少なくとも第1のセクションと第2のセクションとを備えるハウジングを備え、(i)第1のセクションが外面および内面を備える上壁を備え、第1のセクションが第1の濾液下流チャンバを含み、第1の濾液下流チャンバが上壁の内面の一部を含み、(ii)第2のセクションが外面および内面を備える下壁を備え、第2のセクションが第2の濾液下流チャンバを含み、第2の濾液下流チャンバが下壁の内面の一部を含み、第1の濾液下流チャンバを含む第1のセクションが、少なくとも1つの第1の通気チャンバも含み、第1の通気チャンバが上壁の内面の他の部分を含み、および/または、第2の濾液下流チャンバを含む第2のセクションが、少なくとも1つの第2の通気チャンバも含み、第2の通気チャンバが下壁の内面の他の部分を含み、ハウジングが、入口および出口と、側壁内面を有する少なくとも1つの側壁と、上壁および下壁の内面ならびに少なくとも1つの側壁の内面によって境界付けられるキャビティとを更に備え、フィルタが、少なくとも第1および第2の離間された多孔質フィルタ要素を備え、各フィルタ要素が、それぞれ親水性膜を備え、第1および第2のフィルタ要素がそれぞれ上流面および下流面を有し、第1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切ってハウジング内に配置され、第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切ってハウジング内に配置され、ハウジングがキャビティ内に上流入口チャンバを含み、この上流入口チャンバが、第1および第2のフィルタ要素の上流面間にあって、少なくとも1つの側壁の内面とフィルタ要素の上流面とによって境界付けられ、ハウジングが、入口、上流入口チャンバ、第1の濾液下流チャンバ、および、出口の間に第1の流体流路を画定し、第1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切って配置され、また、ハウジングが、入口、上流入口チャンバ、第2の濾液下流チャンバ、および出口の間に第2の流体流路を画定し、第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切って配置される、フィルタ装置を提供する。
【0005】
[0005]装置の好ましい実施形態において、上流入口チャンバは、第1および第2のフィルタ要素の上流面間に中実の仕切りがない。
【0006】
[0006]一実施形態において、装置は、中心チャネルを第1および/または第2の濾液下流チャンバ内に更に備え、この中心チャネルは該チャネルの長さの大部分にわたって覆われる。
【0007】
[0007]更なる他の実施形態は、第1のセクションと第2のセクションとを備えるハウジングを備え、(i)第1のセクションが、外面および内面を備える上壁と、少なくとも1つの側壁とを備え、第1のセクションが第1の濾液下流チャンバを含み、第1の濾液下流チャンバが上壁の内面の一部を含み、(ii)第2のセクションが、外面および内面を備える下壁と、少なくとも1つの側壁とを備え、第2のセクションが第2の濾液下流チャンバを含み、第2の濾液下流チャンバが下壁の内面の一部を含み、ハウジングが、入口および出口と、上壁および下壁の内面ならびに第1および/または第2のセクションの少なくとも1つの側壁の内面によって境界付けられるキャビティとを更に備え、フィルタが、少なくとも第1および第2の離間された多孔質フィルタ要素を備え、各フィルタ要素が親水性膜を備え、第1および第2のフィルタ要素がそれぞれ上流面および下流面を有し、第1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切ってハウジング内に配置され、第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切ってハウジング内に配置され、ハウジングがキャビティ内に上流入口チャンバを含み、この上流入口チャンバが、第1および第2のフィルタ要素の上流面間にあって、第1および/または第2のセクションの少なくとも1つの側壁の内面とフィルタ要素の上流面とによって境界付けられ、ハウジングが、入口、上流入口チャンバ、第1の濾液下流チャンバ、および出口の間に第1の流体流路を画定し、第1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切って配置され、また、ハウジングが、入口、上流入口チャンバ、第2の濾液下流チャンバ、および出口の間に第2の流体流路を画定し、第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切って配置され、第1の濾液下流チャンバの上壁内面および第2の濾液下流チャンバの下壁内面のそれぞれが、複数のチャネルを与える複数の隆起部を備え、チャネルが、流体を第1および第2のフィルタ要素の下流面からハウジング出口に方向付け、第1の濾液下流チャンバの上壁内面および第2の濾液下流チャンバの下壁内面のそれぞれが、他のチャネルよりも幅広い、および/または深い中心チャネルを備え、各中心チャネルが、各中心チャネルの長さの少なくとも大部分にわたって閉じられたチューブを形成する側壁、上壁、および下壁を有する、フィルタ装置を備える。
【0008】
[0008]他の実施形態では、第1のセクションと第2のセクションとを備えるハウジングを備え、(i)第1のセクションが、外面および内面を備える上壁と、少なくとも1つの側壁とを備え、第1のセクションが第1の濾液下流チャンバと第1の通気チャンバとを含み、第1の濾液下流チャンバが上壁の内面の一部を含み、第1の通気チャンバが上壁の内面の他の部分を含み、(ii)第2のセクションが外面および内面を備える下壁と少なくとも1つの側壁とを備え、第2のセクションが第2の濾液下流チャンバと第2の通気チャンバとを含み、第2の濾液下流チャンバが下壁の内面の一部を含み、第2の通気チャンバが下壁の内面の他の部分を含み、ハウジングが、入口および出口と、上壁および下壁の内面、ならびに第1および/または第2のセクションの少なくとも1つの側壁の内面によって境界付けられるキャビティとを更に備え、フィルタが少なくとも第1および第2の離間された多孔質フィルタ要素を備え、各フィルタ要素が親水性膜を備え、第1および第2のフィルタ要素がそれぞれ上流面および下流面を有し、第1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切ってハウジング内に配置され、第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切ってハウジング内に配置され、ハウジングがキャビティ内に上流入口チャンバを含み、この上流入口チャンバが、第1および第2のフィルタ要素の上流面間にあって、第1および/または第2のセクションの少なくとも1つの側壁の内面とフィルタ要素の上流面とによって境界付けられ、上流チャンバが、第1および第2のフィルタ要素の内面間に中実の仕切りがなく、ハウジングが、入口、上流入口チャンバ、第1の濾液下流チャンバ、および出口の間に第1の流体流路を画定し、第1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切って配置され、また、ハウジングが、入口、上流入口チャンバ、第2の濾液下流チャンバ、および出口の間に第2の流体流路を画定し、第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切って配置される、フィルタ装置が提供される。
【0009】
[0009]他の実施形態において、フィルタ装置は、第1のセクションと第2のセクションとを備えるハウジングを備え、第1のセクションが外面および内面を備える上壁を備え、第1のセクションが第1の濾液下流チャンバと第1の通気チャンバとを含み、第1の濾液下流チャンバが上壁の内面の一部を含み、第1の通気チャンバが上壁の内面の他の部分を含み、第2のセクションが、外面および内面を備える下壁を備え、第2のセクションが第2の濾液下流チャンバと第2の通気チャンバとを含み、第2の濾液下流チャンバが下壁の内面の一部を含み、第2の通気チャンバが下壁の内面の他の部分を含み、ハウジングが、入口および出口と、対向する第1の側壁および対向する第2の側壁とを更に備え、第1および/または第2のハウジングセクションが内面を有する対向する第1の側壁を備え、第1および/または第2のハウジングセクションが内面を有する対向する第2の側壁を備え、ハウジングが、上壁、下壁、および側壁の内面によって境界付けられるキャビティを備え、フィルタが、少なくとも第1および第2の離間された多孔質フィルタ要素を備え、各フィルタ要素がそれぞれ親水性膜を備え、第1および第2のフィルタ要素がそれぞれ上流面および下流面を有し、第1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切ってハウジング内に配置され、第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切ってハウジング内に配置され、ハウジングがキャビティ内に上流入口チャンバを含み、この上流入口チャンバが、第1および第2のフィルタ要素の上流面間にあって、側壁の内面とフィルタ要素の上流面とによって境界付けられ、上流チャンバが、第1および第2のフィルタ要素の上流面間に中実の仕切りがなく、ハウジングが、入口、上流入口チャンバ、第1の濾液下流チャンバ、および出口の間に第1の流体流路を画定し、第1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切って配置され、また、ハウジングが、入口、上流入口チャンバ、第2の濾液下流チャンバ、および出口の間に第2の流体流路を画定し、第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切って配置される。
【0010】
[0010]本発明の実施形態によれば、装置をプライミングする方法、および、例えば患者への投与のために装置を使用して流体を濾過する方法、ならびに、装置を含むシステムも提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1A】第1および第2のハウジングセクション、第1および第2のフィルタ要素を備えるフィルタ、第2の濾液下流チャンバ、第2のフィルタ要素、ならびに、第2の通気チャンバを示す本発明のフィルタ装置の一実施形態の分解図(上側斜視図)である。
【図1B】第1および第2のハウジングセクション、第1および第2のフィルタ要素を備えるフィルタ、第1の濾液下流チャンバ、第1のフィルタ要素、ならびに、第1の通気チャンバを示す本発明のフィルタ装置の一実施形態の分解図(下側斜視図)である。
【図2A】本発明のフィルタ装置の一実施形態の平面図である。
【図2B】図2Aに示される装置の2B−2B線に沿う側断面図である。
【図2C】図2Aに示される装置の2C−2C線に沿う断面図である。
【図2D】図2Aに示される装置の2D−2D線に沿う断面図である。
【図3】本発明によるフィルタ装置の一実施形態による第1の濾液チャンバの下流壁の部分図を示している。
【図4】ハウジングがクリップを含む、フィルタ装置の他の実施形態の上面図および下面図である。
【図5A】フィルタ装置の他の実施形態の分解図(上側斜視図)であり、第2の濾液下流チャンバの中心チャネルは該チャネルの長さの大部分にわたって覆われる。
【図5B】フィルタ装置の他の実施形態の分解図(下側斜視図)であり、第1の濾液下流チャンバの中心チャネルは該チャネルの長さの大部分にわたって覆われる。
【図5C】組み立て時の図5Aおよび図5Bに示される装置の5C−5C線に沿う断面図である。
【図6A】フィルタ装置の他の実施形態の分解図(上側斜視図)であり、第2の濾液下流チャンバが出口を更に備える。
【図6B】フィルタ装置の他の実施形態の分解図(下側斜視図)であり、第1の濾液下流チャンバが入口を更に備える。
【図7A】フィルタ装置の他の実施形態の分解図(上側斜視図)である。
【図7B】フィルタ装置の他の実施形態の分解図(下側斜視図)であり、第1の濾液下流チャンバが単一の通気孔を含む。
【図8A】フィルタ装置の他の実施形態の分解図(上側斜視図)であり、第2の濾液下流チャンバが2つの通気孔を含む。
【図8B】フィルタ装置の他の実施形態の分解図(下側斜視図)である。
【図9A】フィルタ装置の他の実施形態の分解図(上側斜視図)であり、装置が3つのハウジングセクションを備える。
【図9B】フィルタ装置の他の実施形態の分解図(下側斜視図)であり、装置が3つのハウジングセクションを備える。
【図10A】フィルタ装置の他の実施形態の分解図(上側斜視図)であり、出口の構成要素が第1のハウジングセクションおよび第2のハウジングセクションの両方に取り付けられる。
【図10B】フィルタ装置の他の実施形態の分解図(下側斜視図)であり、出口の構成要素が第1のハウジングセクションおよび第2のハウジングセクションの両方に取り付けられる。
【発明の詳細な説明】
【0012】
[0021]本発明の一実施形態は、少なくとも第1のセクションと第2のセクションとを備えるハウジングを備え、(i)第1のセクションが外面および内面を備える上壁を備え、第1のセクションが第1の濾液下流チャンバを含み、第1の濾液下流チャンバが上壁の内面の一部を含み、(ii)第2のセクションが外面および内面を備える下壁を備え、第2のセクションが第2の濾液下流チャンバを含み、第2の濾液下流チャンバが下壁の内面の一部を含み、第1の濾液下流チャンバを含む第1のセクションが少なくとも1つの第1の通気チャンバも含み、第1の通気チャンバが上壁の内面の他の部分を含み、および/または、第2の濾液下流チャンバを含む第2のセクションが少なくとも1つの第2の通気チャンバも含み、第2の通気チャンバが下壁の内面の他の部分を含み、ハウジングが、入口および出口と、側壁内面を有する少なくとも1つの側壁と、上壁および下壁の内面ならびに少なくとも1つの側壁の内面によって境界付けられるキャビティとを更に備え、フィルタが、少なくとも第1および第2の離間された多孔質フィルタ要素を備え、各フィルタ要素がそれぞれ多孔質親水性膜を備え、第1および第2のフィルタ要素がそれぞれ上流面および下流面を有し、第1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切ってハウジング内に配置され、第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切ってハウジング内に配置され、ハウジングがキャビティ内に上流入口チャンバを含み、上流入口チャンバが、第1および第2のフィルタ要素の上流面間にあって、少なくとも1つの側壁の内面とフィルタ要素の上流面とによって境界付けられ、ハウジングが、入口、上流入口チャンバ、第1の濾液下流チャンバ、および出口の間に第1の流体流路を画定し、第1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切って配置され、また、ハウジングが、入口、上流入口チャンバ、第2の濾液下流チャンバ、および出口の間に第2の流体流路を画定し、第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切って配置される、フィルタ装置を提供する。
【0013】
[0022]装置の好ましい実施形態において、上流入口チャンバは、第1および第2のフィルタ要素の上流面間に中実の仕切りがなく、および/または、第1の濾液下流チャンバの上壁の少なくとも一部および第2の濾液下流チャンバの下壁の少なくとも一部が透明または半透明である。
【0014】
[0023]装置の更に好ましい実施形態において、第1の濾液下流チャンバの上壁内面および第2の濾液下流チャンバの下壁内面が、それぞれ複数のチャネルを与える複数の隆起部を備え、チャネルは、流体を第1および第2のフィルタ要素の下流面からハウジング出口に方向付ける。
【0015】
[0024]好ましくは、第1および/または第2の通気チャンバが、通気ポートと、第1の微多孔通気要素を含む通気孔とを更に備え、これらは、ガスが(例えば、上流入口チャンバから)通気要素および通気ポートを通過できるように配置される。
【0016】
[0025]装置の幾つかの実施形態では、第1の濾液下流チャンバを含む第1のセクションが2つの第1の通気チャンバを含み、また、2つの第1の通気チャンバがそれぞれ上壁の内面の別個の部分を含み、および/または、第2の濾液下流チャンバを含む第2のセクションが2つの第2の通気チャンバを含み、また、2つの第2の通気チャンバがそれぞれ下壁の内面の別個の部分を含む。
【0017】
[0026]これに代えてあるいはこれに加えて、一実施形態において、装置は、中心チャネルを第1および/または第2の濾液下流チャンバ内に更に備え、中心チャネルは該チャネルの長さの大部分にわたって覆われる。
【0018】
[0027]装置の幾つかの実施形態において、第1および/または第2のハウジングセクションは側壁内面を有する少なくとも1つの側壁を備える。例えば、ハウジングは、第1の側壁内面を有する対向する第1の側壁と、第2の側壁内面を有する対向する第2の側壁とを備えることができ、ハウジングは、上壁、下壁、および側壁の内面によって境界付けられるキャビティを備え、また、第1および/または第2のハウジングセクションが第1の側壁内面を有する対向する第1の側壁を備え、また、第1および/または第2のハウジングセクションが第2の側壁内面を有する対向する第2の側壁を備える。一般に、対向する第1の側壁は互いに略平行であり、また、対向する第2の側壁は互いに略平行である。
【0019】
[0028]装置の他の実施形態では、ハウジングが第3のハウジングセクションを更に備え、第3のセクションは側壁内面を有する少なくとも1つの側壁を備える。例えば、ハウジングは、第1の側壁内面を有する対向する第1の側壁と、第2の側壁内面を有する対向する第2の側壁とを備えることができ、ハウジングは、上壁、下壁、および側壁の内面によって境界付けられるキャビティを備え、また、第3のセクションは、第1の側壁内面を有する対向する第1の側壁と、第2の側壁内面を有する対向する第2の側壁とを備える。
【0020】
[0029]本発明の更に他の実施形態によるフィルタ装置は、少なくとも第1のセクションと第2のセクションとを備えるハウジングを備え、第1のセクションが外面および内面を備える上壁を備え、第1のセクションが第1の濾液下流チャンバを含み、第1の濾液下流チャンバが上壁の内面の一部を含み、第2のセクションが外面および内面を備える下壁を備え、第2のセクションが第2の濾液下流チャンバを含み、第2の濾液下流チャンバが下壁の内面の一部を含み、第1の濾液下流チャンバを含む第1のセクションが少なくとも1つの第1の通気チャンバも含み、第1の通気チャンバが上壁の内面の他の部分を含み、かつ/または、第2の濾液下流チャンバを含む第2のセクションが少なくとも1つの第2の通気チャンバも含み、第2の通気チャンバが下壁の内面の他の部分を含み、ハウジングが、入口および出口と、第1の側壁内面を有する対向する第1の側壁と、第2の側壁内面を有する対向する第2の側壁とを更に備え、また、ハウジングが、上壁、下壁、および側壁の内面によって境界付けられるキャビティを備え、フィルタが、少なくとも第1および第2の離間された多孔質フィルタ要素を備え、各フィルタ要素が親水性膜を備え、第1および第2のフィルタ要素がそれぞれ上流面および下流面を有し、第1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切ってハウジング内に配置され、第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切ってハウジング内に配置され、ハウジングがキャビティ内に上流入口チャンバを含み、この上流入口チャンバが、第1および第2のフィルタ要素の上流面間にあって、側壁の内面とフィルタ要素の上流面とによって境界付けられ、上流チャンバが、第1および第2のフィルタ要素の内面間に中実の仕切りがなく、ハウジングが、入口、上流入口チャンバ、第1の濾液下流チャンバ、および出口の間に第1の流体流路を画定し、第1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切って配置され、また、ハウジングが、入口、上流入口チャンバ、第2の濾液下流チャンバ、および出口の間に第2の流体流路を画定し、第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切って配置される。
【0021】
[0030]更なる他の実施形態では、第1のセクションと第2のセクションとを備えるハウジングを備え、(i)第1のセクションが、外面および内面を備える上壁と、少なくとも1つの側壁とを備え、第1のセクションが第1の濾液下流チャンバを含み、第1の濾液下流チャンバが上壁の内面の一部を含み、(ii)第2のセクションが、外面および内面を備える下壁と、少なくとも1つの側壁とを備え、第2のセクションが第2の濾液下流チャンバを含み、第2の濾液下流チャンバが下壁の内面の一部を含み、第1の濾液下流チャンバを含む第1のセクションが少なくとも1つの第1の通気チャンバも含み、第1の通気チャンバが上壁の内面の他の部分を含み、かつ/または、第2の濾液下流チャンバを含む第2のセクションが少なくとも1つの第2の通気チャンバも含み、第2の通気チャンバが下壁の内面の他の部分を含み、ハウジングが、入口および出口と、上壁および下壁の内面ならびに第1および/または第2のセクションの少なくとも1つの側壁の内面によって境界付けられるキャビティとを更に備え、フィルタが、少なくとも第1および第2の離間された多孔質フィルタ要素を備え、各要素が親水性膜を備え、第1および第2のフィルタ要素がそれぞれ上流面および下流面を有し、第1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切ってハウジング内に配置され、第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切ってハウジング内に配置され、ハウジングがキャビティ内に上流入口チャンバを含み、この上流入口チャンバが、第1および第2のフィルタ要素の上流面間にあって、第1および/または第2のセクションの少なくとも1つの側壁の内面とフィルタ要素の上流面とによって境界付けられ、ハウジングが、入口、上流入口チャンバ、第1の濾液下流チャンバ、および出口の間に第1の流体流路を画定し、第1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切って配置され、また、ハウジングが、入口、上流入口チャンバ、第2の濾液下流チャンバ、および出口の間に第2の流体流路を画定し、第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切って配置される、フィルタ装置が提供される。
【0022】
[0031]更なる他の実施形態は、第1のセクションと第2のセクションとを備えるハウジングを備え、(i)第1のセクションが、外面および内面を備える上壁と、少なくとも1つの側壁とを備え、第1のセクションが第1の濾液下流チャンバを含み、第1の濾液下流チャンバが上壁の内面の一部を含み、(ii)第2のセクションが、外面および内面を備える下壁と、少なくとも1つの側壁とを備え、第2のセクションが第2の濾液下流チャンバを含み、第2の濾液下流チャンバが下壁の内面の一部を含み、ハウジングが、入口および出口と、上壁および下壁の内面、ならびに第1および/または第2のセクションの少なくとも1つの側壁の内面によって境界付けられるキャビティとを更に備え、フィルタが少なくとも第1および第2の離間された多孔質フィルタ要素を備え、フィルタ要素がそれぞれ親水性膜を備え、第1および第2のフィルタ要素がそれぞれ上流面および下流面を有し、第1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切ってハウジング内に配置され、第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切ってハウジング内に配置され、ハウジングがキャビティ内に上流入口チャンバを含み、この上流入口チャンバが、第1および第2のフィルタ要素の上流面間にあって、第1および/または第2のセクションの少なくとも1つの側壁の内面とフィルタ要素の上流面とによって境界付けられ、ハウジングが、入口、上流入口チャンバ、第1の濾液下流チャンバ、および出口の間に第1の流体流路を画定し、第1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切って配置され、また、ハウジングが、入口、上流入口チャンバ、第2の濾液下流チャンバ、および、出口の間に第2の流体流路を画定し、第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切って配置され、第1の濾液下流チャンバの上壁内面および第2の濾液下流チャンバの下壁内面のそれぞれが、複数のチャネルを与える複数の隆起部を備え、チャネルが、流体を第1および第2のフィルタ要素の下流面からハウジング出口に方向付け、第1の濾液下流チャンバの上壁内面および第2の濾液下流チャンバの下壁内面のそれぞれが、他のチャネルよりも幅広い、および/または深い中心チャネルを備え、各中心チャネルが、各中心チャネルの長さの少なくとも大部分にわたって閉じられたチューブを形成する側壁、上壁、および下壁を有する、フィルタ装置を備える。更なる好ましい実施形態では、第1の濾液下流チャンバを含む第1のセクションが第1の通気チャンバも含み、第1の通気チャンバが壁の内面の他の部分を含み、また、第2の濾液下流チャンバを含む第2のセクションが第2の通気チャンバも備え、第2の通気チャンバが下壁の内面の他の部分を含む。
【0023】
[0032]本発明の他の実施形態によれば、第1のセクションと第2のセクションとを備えるハウジングを備え、(i)第1のセクションが、外面および内面を備える上壁と、少なくとも1つの側壁とを備え、第1のセクションが第1の濾液下流チャンバと第1の通気チャンバとを含み、第1の濾液下流チャンバが上壁の内面の一部を含み、第1の通気チャンバが上壁の内面の他の部分を含み、(ii)第2のセクションが、外面および内面を備える下壁と、少なくとも1つの側壁とを備え、第2のセクションが第2の濾液下流チャンバと第2の通気チャンバとを含み、第2の濾液下流チャンバが下壁の内面の一部を含み、第2の通気チャンバが下壁の内面の他の部分を含み、ハウジングが、入口および出口と、上壁および下壁の内面、ならびに第1および/または第2のセクションの少なくとも1つの側壁の内面によって境界付けられるキャビティとを更に備え、フィルタが、少なくとも第1および第2の離間された多孔質フィルタ要素を備え、各フィルタ要素がそれぞれ親水性膜を備え、第1および第2のフィルタ要素がそれぞれ上流面および下流面を有し、第1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切ってハウジング内に配置され、第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切ってハウジング内に配置され、ハウジングがキャビティ内に上流入口チャンバを含み、この上流入口チャンバが、第1および第2のフィルタ要素の上流面間にあって、第1および/または第2のセクションの少なくとも1つの側壁の内面とフィルタ要素の上流面とによって境界付けられ、上流チャンバが、第1および第2のフィルタ要素の内面間に中実の仕切りがなく、ハウジングが、入口、上流入口チャンバ、第1の濾液下流チャンバ、および出口の間に第1の流体流路を画定し、第1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切って配置され、また、ハウジングが、入口、上流入口チャンバ、第2の濾液下流チャンバ、および、出口の間に第2の流体流路を画定し、第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切って配置される、フィルタ装置が提供される。
【0024】
[0033]他の実施形態において、フィルタ装置は、第1のセクションと第2のセクションとを備えるハウジングを備え、第1のセクションが外面および内面を備える上壁を備え、第1のセクションが第1の濾液下流チャンバと第1の通気チャンバとを含み、第1の濾液下流チャンバが上壁の内面の一部を含み、第1の通気チャンバが上壁の内面の他の部分を含み、第2のセクションが、外面および内面を備える下壁を備え、第2のセクションが第2の濾液下流チャンバと第2の通気チャンバとを含み、第2の濾液下流チャンバが下壁の内面の一部を含み、第2の通気チャンバが下壁の内面の他の部分を含み、ハウジングが、入口および出口と、対向する第1の側壁および対向する第2の側壁とを更に備え、第1および/または第2のハウジングセクションが内面を有する対向する第1の側壁を備え、第1および/または第2のハウジングセクションが内面を有する対向する第2の側壁を備え、ハウジングが、上壁、下壁、および側壁の内面によって境界付けられるキャビティを備え、フィルタが、少なくとも第1および第2の離間された多孔質フィルタ要素を備え、各フィルタ要素がそれぞれ親水性膜を備え、第1および第2のフィルタ要素がそれぞれ上流面および下流面を有し、第1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切ってハウジング内に配置され、第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切ってハウジング内に配置され、ハウジングがキャビティ内に上流入口チャンバを含み、この上流入口チャンバが、第1および第2のフィルタ要素の上流面間にあって、側壁の内面とフィルタ要素の上流面とによって境界付けられ、上流チャンバが、第1および第2のフィルタ要素の上流面間に中実の仕切りがなく、ハウジングが、入口、上流入口チャンバ、第1の濾液下流チャンバ、および出口の間に第1の流体流路を画定し、第1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切って配置され、また、ハウジングは、入口、上流入口チャンバ、第2の濾液下流チャンバ、および出口の間に第2の流体流路を画定し、第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切って配置される。
【0025】
[0034]本発明による「インサイド−アウト」フィルタ装置は、二重フィルタ要素「アウトサイド−イン」IVフィルタ装置と比べて少ない数の構成要素(例えば、ハウジング要素および/または少ない通気孔)を用いて組み付けることができ有益である。本発明の実施形態によるフィルタ装置は、ユーザが出口チャンバを見ることができるようにするハウジングを備えることが好ましい。1つまたは複数の通気孔を更に備える本発明によるこれらの「インサイド−アウト」フィルタ装置の、二重フィルタ要素「アウトサイド−イン」IVフィルタ装置と比べた他の利点は、適切なプライミングを更に容易に検証できるという点である。本発明によるそのような通気孔付きの装置は、自己プライミングまたは自動プライミングすることが好ましい。すなわち、充填中に装置をひっくり返す必要がない。例えば、必要に応じて、入口が上向きに配置され、かつ出口が下向きに配置された状態で装置を垂直に吊るすことができる。
【0026】
[0035]本発明による方法の一実施形態は、流体を一実施形態のフィルタ装置に通すステップを含む。例えば、方法の1つの実施形態は、IV流体などの流体を、入口を通して入口チャンバ内へ送るステップと、流体の一部を第1の流体流路に沿って第1のフィルタ要素、第1の濾液下流チャンバ、および出口に通すステップと、流体の一部を第2の流体流路に沿って第2のフィルタ要素、第2の濾液下流チャンバ、および出口に通すステップと、空気またはガスを入口チャンバから少なくとも1つの通気孔に通すステップとを含む。方法の好ましい実施形態において、方法は、濾過されたIV流体を、出口を通して患者などの被検者へ送るステップを更に含む。
【0027】
[0036]様々な流体、好ましくはIV流体を本発明によるフィルタ装置、方法、および、システムにしたがって濾過することができる。適切な流体は当技術分野において知られている。一般に、流体は、生理学的に許容できる流体であり、無菌流体であってもよい。本発明にしたがって複数の流体を使用でき、また、流体が相互に互換性があってもよい。例えば、薬剤および/または栄養物を備える流体などの他の流体を投与する前に、1つの流体を使用して装置をプライミングできる。必要に応じて、流体を混入および/または混合することができる。
【0028】
[0037]装置の実施形態は、患者などの任意の被検者へ流体を送ることを含む様々な用途に適する。例えば、装置の実施形態は、人および動物へ流体を投与するのに適する。装置の実施形態は、例えばアフェレーシス療法を伴う用途での使用に適する。本発明によるシステムの一実施形態は、装置の一実施形態と、少なくとも1つの導管(好ましくは、少なくとも2つの導管)と、濾過されるべき流体を保持するための少なくとも1つの容器とを備え、好ましくは、容器が可撓性の容器を備え、例えば、容器が第1の導管を介して装置の入口と流体連通して配置され、また、第2の導管が装置の出口と連通する。
【0029】
[0038]ハウジングは、任意の適した形状、例えば略長方形、正方形、円形、楕円形、または三角形を成すことができる。ハウジングは、使用が容易となるように、および/または被検者が快適となるように構成することができる。例えば、ハウジングは、以下のうちの1つまたは複数、すなわち入口および出口を伴わないハウジングセクションが被検者または患者の衣類と接触して配置される場合における同じハウジングセクションにある入口および出口、ブラケット、クリップ、および/または、例えば支持のためあるいは流体投与を容易にするための衣類、寝具類、および/または、他の構造体に取り付くためのアイレットのうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0030】
[0039]ハウジングは、例えば締まり嵌め、接着剤、溶剤、レーザ溶着、高周波シール、超音波シール、および/または、熱シールを利用して当該技術分野において知られるようにシールできる。これに加えてあるいはこれに代えて、ハウジングを射出成形によってシールすることができる。当該技術分野において知られるように、例えばハウジングに対する加圧、締まり嵌め、または結合、および/または溶着によってフィルタおよび通気要素をハウジング内にシールできる。
【0031】
[0040]処理される流体と適合する任意の不浸透熱可塑性材料を含む任意の適した硬質不浸透性材料から、ハウジングを製造できる。好ましい実施形態において、ハウジングは、高分子であり、より好ましくは透明または半透明高分子、例えばアクリル、ポリプロピレン、ポリスチレン、またはポリカーボネート樹脂である。そのようなハウジングは、容易にかつ経済的に製造されるとともに、ハウジングを通した流体の通過の観察を可能にする。必要に応じて、1つまたは複数の望ましい部分(および/またはハウジングセクション全体)が透明または半透明となるようにハウジングを製造できる。
【0032】
[0041]一般に、ハウジングは第1のハウジングセクションと第2のハウジングセクションとを備え、幾つかの実施形態では、ハウジングが第1、第2、および第3のハウジングセクションを備える。ハウジングは、上壁および下壁の内面と、少なくとも1つの側壁の内面とによって境界付けられるキャビティを含む。
【0033】
[0042]ここで、以下に、本発明の構成要素のそれぞれについて更に詳しく説明する。この場合、同様の構成要素が同様の参照符号を有する。
【0034】
[0043]参照のために図1、図2、図5〜図8、図10に示される実施形態を使用すると、図示のフィルタ装置500は、第1のセクション101および第2のセクション102を備えるハウジング200と、離間される第1および第2の多孔質フィルタ要素51’、52’を備えるフィルタ50とを備え、第1のフィルタ要素51’が第1の親水性微多孔膜51を備え、第2のフィルタ要素52’が第2の親水性微多孔膜52を備えており、これらはハウジング内に密封される。フィルタ50は、ハウジング内に形成されるキャビティ内に配置される(図2Bはキャビティ40を示している)。図1、図2、図4、図5、図7、図8、および図10に示される実施形態では、第1のセクション101が入口1と出口2とを含む。
【0035】
[0044]他の実施形態では、入口および出口をハウジングの異なるセクションと関連付けることができ(例えば図6に示される)、または更なる(第3の)ハウジングセクションと関連付けることができ(例えば図9に示される)、あるいは、第2のセクションが入口および出口を含むことができる(図示せず)。装置が使用中に被検者と接触する幾つかの実施形態では、入口および出口が同じハウジングセクションと関連付けられることが望ましい場合がある。この場合、入口および出口を有さないハウジングセクションが被検者と接触して配置される。
【0036】
[0045]図1(A〜B)、図5(A〜B)、図10(A〜B)に更に詳しく示されるように、これらの図示の実施形態において、第1のセクション101は、外面110aおよび内面110bを備える上壁110を備えるとともに、第1の濾液下流チャンバ10および第1の通気チャンバ15を含み、第1の濾液下流チャンバ10は上壁の内面の部分16を含み、第1の通気チャンバ15は上壁の内面の他の部分18を含み、また、第2のセクション102は、外面120aおよび内面120bを備える下壁120を備えるとともに、第2の濾液下流チャンバ20および第2の通気チャンバ25を含み、第2の濾液下流チャンバ20は下壁の内面の部分26を含み、第2の通気チャンバ25は下壁の内面の他の部分28を含む。例えば図6(A〜B)、図7(A〜B)、図8(A〜B)、図9(A〜B)に示されるように、通気チャンバの他の配置および数、および/または位置を含む他の形態が本発明の実施形態によって包含される。
【0037】
[0046]図1(A〜B)、図5(A〜B)、図6(A〜B)、図7(A〜B)、図8(A〜B)、および図10(A〜B)に示される例示的な第1および第2のセクションはそれぞれ少なくとも1つの側壁を含み、少なくとも一方のセクションの側壁が内面および外面を有する。ハウジングが略正方形(図示せず)、または略長方形(例えば、図2、図5〜図8、および図10に示される)である幾つかの実施形態では、第1のハウジングセクション101が対向する第1の側壁115と、対向する第2の側壁115’とを備え、各側壁が外面115a(側壁115の場合)、115’a(側壁115’の場合)と内面115b(側壁115の場合)、115’b(側壁115’の場合)とを備え、また、第2のハウジングセクション102が対向する第1の側壁125と対向する第2の側壁125’とを備え、各側壁が、外面125a(側壁125の場合)、125’a(側壁125’の場合)と、上下壁の内面ならびに第1のハウジングセクション側壁の内面によって境界付けられるキャビティ40(図2B参照)とを備える。図1(A〜B)に示される実施形態では、第1のハウジングセクション101が舌部118(内面115b、115’bの一部がそれぞれ舌部内面118b、118’bの一部をそれぞれ形成するとともに、外面115a、115’aの一部がそれぞれ舌部外面118a、118’aの一部をそれぞれ形成するように、側壁115、115’からそれぞれ延びるように示されている)を更に備え、また、第2のハウジングセクション102が、側壁内面125b(側壁125の場合)、125’b(側壁125’の場合)と、舌部に係合するための溝128とを更に備える。これらの図示の実施形態において、第1および第2のハウジングセクション101、102の互いの取付けは、第2のセクション102の側壁がキャビティ40を境界付ける内面を与えないように成される。しかしながら、本発明はそのような形態に限定されず、例えば、第1および第2のハウジングセクションがそれぞれキャビティを境界付ける内面の一部を与えるように上方へ突出する内面を含むことができる。
【0038】
[0047]あるいは、幾つかの実施形態では、ハウジングが略平行に対向する側壁を有さない。例えば、ハウジングが略円形または楕円形(図示せず)である幾つかの実施形態では、ハウジングセクションがそれぞれ少なくとも1つの側壁を備えることができ、また、ハウジングが略三角形(図示せず)である幾つかの実施形態では、ハウジングセクションがそれぞれ少なくとも3つの側壁を備えることができる。その場合、側壁のうちの少なくとも1つの内面と上下壁の内面とがキャビティを境界付ける。これに加えてあるいはこれに代えて、装置が第1、第2、第3のハウジングセクションを備える(例えば、図9(A〜B)に示される)ことができ、この場合、第3のセクションは、第1のセクションと第2のセクションとの間にあり、キャビティを境界付ける側壁を与える。
【0039】
[0048]図1、図2、図5〜図8、図10に示される実施形態において、第1および第2の親水性微多孔膜51、52を備える離間される第1および第2の多孔質フィルタ要素51’、52’を備えるフィルタ50は、ハウジングのキャビティ40内に配置され、この場合、第1および第2のフィルタ要素51’、52’はそれぞれ下流(または外側)面51a、52aと上流(または内側)面51b、52bとを有する。各フィルタ要素が親水性微多孔膜である実施形態では、各フィルタ要素の下流面が各膜の下流面であり、各フィルタ要素の上流面が各膜の上流面である。フィルタが(第1および第2の親水性膜に加えて図示しない)更なるフィルタ要素、例えば、上流繊維プレフィルタ、および/または、繊維要素またはメッシュまたはスクリーンなどの下流支持体を更に備える他の実施形態では、各フィルタ要素の下流面が各支持体の下流面となることができ、かつ/または、各フィルタ要素の上流面が各繊維プレフィルタの上流面となることができる。
【0040】
[0049]上流入口チャンバ5は、第1および第2のフィルタ要素51’、52’の上流面51b、52b間に配置されており(便宜上、以下の説明は51b、52bを膜の上流面と称するが、前述したように上流面は繊維媒体である)、膜の上流面とハウジングの第1のセクションの側壁の内面(舌部の内面を含んでもよい)とによって境界付けられる。図9に示される実施形態において、上流入口チャンバは、第1および第2の膜の上流面間に配置されており、ハウジングの第3のセクションの側壁の内面と膜の上流面とによって境界付けられる。これらの図示の実施形態のそれぞれにおいて、図示の上流チャンバには、第1および第2の膜の上流面間に中実の仕切りがない。
【0041】
[0050]図2Bの断面図を参照のために使用すると(また、ハウジングが3つのセクション、ならびに/または異なるハウジングセクションに関連付けられる入口および出口を有する実施形態に適用できるように)、第1および第2のフィルタ要素はハウジング200内に配置され、また、ハウジングは、入口1、入口通路1a、上流入口チャンバ5、第1の濾液下流チャンバ10、および出口2の間に第1の流体流路151を画定する。この場合、第1のフィルタ要素51’(膜51として示される)が第1の流体流路151を横切って配置される。また、ハウジングは、入口1、入口通路1a、上流入口チャンバ5、第2の濾液下流チャンバ20、出口通路2a、および、出口2の間に第2の流体流路152を画定する。この場合、第2のフィルタ要素52’(膜52として示される)が第2の流体流路152を横切って配置される。図1A、図2B、図5Aは、特に、入口通路1aの下流側にあり、かつ上流入口チャンバ5への入口に隣接する随意的なフローバッフル75も示している。幾つかの実施形態において、フローバッフルは、液体流を偏向させて(例えば、入口チャンバ5の側部へ向けて)、装置のプライミング効率を高める。
【0042】
[0051]フィルタ装置は1つまたは複数の通気孔を備えることが好ましい。この場合、第1のハウジングセクション、および/または第2のハウジングセクションが通気孔を含む。好ましくは、通気孔は、疎水性微多孔通気要素と通気ポートとを備え、より好ましくは、(濾液下流チャンバの壁を形成する内面の部分以外の)ハウジングセクションの内面の一部が通気チャンバの壁を備え、更に好ましくは、通気チャンバは、空気またはガスを通気要素の下流面からハウジングの通気ポートを通して方向付ける少なくとも1つのチャネルを与える複数の隆起部を備える。例えば、図7に示される実施形態は単一の通気孔を備え、その場合、第1の濾液下流チャンバを備える第1のハウジングセクションが通気孔を備える。
【0043】
[0052]装置が少なくとも2つの通気孔を備える実施形態では、第1のハウジングセクションが2つ以上の通気孔を含むことができ、かつ/または、第2のハウジングセクションが2つ以上の通気孔を含むことができる(例えば図8に示される)。より好ましくは、第1および第2のハウジングセクションがそれぞれ1つまたは複数の通気孔を備え(例えば、図1、図5、図6、図9、および図10)、それぞれの通気孔が疎水性微多孔通気要素と通気ポートとを備え、それにより、ガスまたは空気を液体流路から分離して装置から送ることができる。図1Bおよび図5Bは第1の通気チャンバ15を示しており、第1の通気チャンバはそれぞれ第1の通気ポート19と第1の通気微多孔疎水性膜61とを更に備え、これらはガスが第1の通気チャンバの第1の通気膜および第1の通気ポートを通過できるように配置される。図1Aおよび図5Aは第2の通気チャンバ25を示しており、この場合、第2の通気チャンバは、1つまたは複数の第2の通気ポート29と、ガスが第2の通気チャンバの第2の通気ポートと第2の通気要素とを通過できるように配置される第2の通気微多孔疎水性膜62とを更に備える。図6〜図10は第1の通気孔も示しており、また、図6および図8〜図10に示される実施形態は第2の通気孔も示しており、各通気孔は、通気チャンバと、通気ポートと、通気微多孔疎水性膜とを備える。装置ハウジングの壁の外面が陥凹状の通気ポートを含む実施形態では、壁の外面が少なくとも1つの通気スロットも含むことが好ましい。例えば、図1Bおよび図5Bに示される実施形態では、通気ポート29が外周隆起部126の外面からくぼみがつくられており、また、外周隆起部が通気スロット29aを含む。そのような配置は、ハウジングのその側が患者の皮膚、および/または衣類の近傍に配置され、あるいは患者の皮膚、および/または衣類と接触する際に、および/または、ハウジングが患者にテープで貼り付けられてテープが通気ポートを塞ぐ場合があるときに、更に効率的な通気を行なうことができる。図1Aおよび図5Aに示される実施形態において、通気スロット19aはそれぞれ、通気ポート19の近傍または通気ポート19に一端を有するチャネルを備える。
【0044】
[0053]特に図1A、図1B、図5A、図5Bに示される(幾つかの他の例示的な実施形態にも示される)例示的な実施形態において、第1の濾液下流チャネル10の上壁110を備える第1のハウジングセクションの内面110bの少なくとも一部16、および、第2の濾液下流チャネル20の下壁120を備える第2のハウジングセクションの内面120bの少なくとも一部26は、それぞれ、複数のチャネル11a、12aを与える複数の隆起部11(第1の下流チャンバ)、12(第2の下流チャンバ)を備え、チャネルは、第1および第2の膜の下流面から通過する流体を装置の出口通路2aおよび出口2に方向付ける。一般に、隆起部の少なくとも一部は、下流面(図示の下流面は膜として示されている)がチャネルを塞ぐのを防止しつつ液体圧力に抗してフィルタ要素の下流面を支持する。
【0045】
[0054]同様に、特に図1A、図1B、図5A、図5Bに示される(幾つかの他の例示的な実施形態にも示される)ように、第1の通気チャンバ15の上壁110を備える第1のハウジングセクションの内面110aの少なくとも1つの他の部分18、および、第2の通気チャンバ25の下壁120を備える第2のハウジングセクション102の内面の少なくとも1つの他の部分28はそれぞれ、随意的に、ガスを通気要素の下流面からハウジングの通気ポートを通じて方向付ける少なくとも1つのチャネル14a、24aを与える複数の隆起部14、24を備える。通気チャンバが隆起部を含む幾つかの実施形態において、隆起部の少なくとも一部は、下流面がチャネルを塞ぐのを防止しつつ液体圧力に抗して通気要素の下流面を支持することができる。
【0046】
[0055]濾液チャンバの上壁および下壁の内面がそれぞれ3つ以上のチャネルを備えることが好ましく、この場合、随意的に、上壁と関連付けられる少なくとも1つのチャネル、および下壁と関連付けられる少なくとも1つのチャネルは、上壁および下壁と関連付けられ、かつこれらの壁と略平行に配置される少なくとも2つの他のチャネルよりも大きい深さ、および/または幅を有する。幾つかの実施形態において、そのような配置は、出口への更に効率的な濾液流れを促進させる。図1(A〜B)および図5(A〜B)に示される随意的な実施形態において、それぞれの濾液チャンバの中心チャネル11b、12bは、それぞれの濾液チャンバの他のチャネルよりも大きい深さ、および幅を有する。随意的に、図2Dにも示されるように、第1および第2のハウジングチャネルに中心チャネルを形成する隆起部の上端は、フィルタ要素の下流面に対するシールのための隆起ビード11f、12fを含む。
【0047】
[0056]図3に示されるような他の随意的な配置において、隆起部11、12の少なくとも一部は、チャネルに対して角度を成す、またはチャネルに対して略垂直な溝11c、12cを含む。幾つかの実施形態において、そのような配置は、例えば、フィルタ要素の下流面領域と殆ど接触しないようにして遮蔽部を低減することによって、より効果的な濾過面を与えてもよい。
【0048】
[0057]図5A〜図5Bに示されるフィルタ装置の実施形態は、図1A〜図1Bに示される実施形態とほぼ同様であるが、図5Aおよび図5Bに示される実施形態では、各濾液チャンバの中心チャネル11b、12bがチャネル長さの大部分(より好ましくは、少なくとも約60%)にわたってチャネル壁11d、12dにより覆われ、それにより、中実の側壁、下壁、および上壁が管状構造を形成する(図2Dおよび図5Cはそれぞれの中心チャネルの断面図を示している)。例えば、チャネル壁は、長さの少なくとも約60%、図示の実施形態では更に好ましくは長さの少なくとも約90%を覆うことができ、それにより、流体がチャネルに入るための開口がシールされたチューブに設けられ、チューブの長さの残りがシールされる。幾つかの実施形態において、そのような配置は、液体がチャネルを通して流れる前に液体からの空気の分離を更に効率的に行なうことができる。図5Cに示される実施形態において、膜の下流面と対向するチャネル壁11d、12dの面は、壁の長さの一部に沿って、他のチャネルと略平行に延びる僅かな中心凹部11e、12eを有する。
【0049】
[0058]前述したように、図2Dに示される実施形態では、随意的に、第1および第2のハウジングチャネルに中心チャネルを形成する隆起部の上端は、フィルタ要素の下流面に対するシールのための隆起ビード11f、12fを含むように形成される。第1および第2のハウジングチャネルに中心チャネルを形成する隆起部を第1の要素の下流面に対してシールすると、液体がチャネルを通して流れる前にプライミングのための、および液体から空気を更に効率的に分離するための管状構造を与えることもできる。
【0050】
[0059]入口および出口は、同じハウジングセクションと関連付けることができ(例えば、図1、図4、図5、図7〜図10に示される)、あるいは、異なるハウジングセクションと関連付けることができる(例えば、図6に示される)。これに代えてあるいはこれに加えて、ハウジングセクションは、一体に取り付けられる入口、および/または出口を含むことができ(例えば、ハウジングは、図1、図5、図7〜図9に示されるように、入口、および/または出口を含んで形成される)、ハウジングセクションは、別個に取り付けられる入口、および/または出口を更に備えることができ(例えば、第1および第2のハウジングセクションの両方に取り付けられる出口の構成要素を示す図10に示されるように)、あるいは、ハウジングが配置の組み合わせを含むことができる。例えば、ハウジングセクションが一体に取り付けられる入口(または出口)を含むことができ、また、ハウジングセクション、または異なるハウジングセクションが別個に取り付けられる出口(または入口)を更に備えることができる。
【0051】
[0060]図示のフィルタ装置のうちの多くにおける入口および出口は雄コネクタとして示されているが、本発明はそのように限定されず、例えば、図4は雌コネクタを備える入口を示す。雄コネクタおよび雌コネクタを含む様々なコネクタが、ルアー取付具(図4は、ルアー取付具を備える入口を示している)を含めて、適しており、当技術分野において知られている。
【0052】
[0061]フィルタ装置の実施形態は、更なる構造、例えば、ブラケット、クリップ、および/または、例えば支持のためあるいは流体投与を容易にするための衣類、寝具類、および/または、他の構造体に取り付くためのアイレットのうちの1つまたは複数を含むことができる。例えば、図4に示されるように、ハウジングは、図では患者の衣類、寝具類、または患者に取り付けられる他の構造体(例えば、プラスチックループ)に対して装置を取り付けるための交互に対向される歯701a、701bを備えるアーム701を備えるクリップ700(第1のハウジングセクションに取り付けられて示されている)を更に含む。他の例示的な代替的手段において、フィルタ装置のハウジングは、図では使用中にフィルタ装置を支持体に吊るすための開口を備えるアイレットを更に備えることができる。
【0053】
[0062]様々な多孔質材料が本発明の実施形態によるフィルタ要素(プレフィルタ要素および支持体を含む)、および通気要素としての使用に適しており、また、適した多孔質材料が当技術分野において知られている。フィルタ要素および通気要素が微多孔膜を備えることが好ましく、また、様々な適した膜が当該技術分野において知られている。
【0054】
[0063]また、フィルタがスクリーン、またはメッシュを備える支持体を更に備える実施形態では、様々な材料が支持体としての使用に適しており、また、適した材料が当該技術分野において知られている。
【0055】
[0064]フィルタ要素としての使用に適した親水性膜は、高分子膜を含む。適した高分子としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド(例えば、任意のナイロン、例えば、ナイロン6、11、46、66、610)、ポリイミド、スルホン(例えば、ポリエーテルスルホン、ビスフェノールAポリスルホン、ポリアリールスルホン、および、ポリフェニルスルホンなどの芳香族ポリスルホンを含むポルスルホン)、ポリビニリデンハロゲン化物(ポリビニリデンフッ化物(PVDF)を含む)、アクリル、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリアリレン酸化物および硫化物、および、ハロゲン化オレフィンと不飽和ニトリルとから形成される高分子および共重合体が挙げられるが、これらに限定されない。例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)が挙げられるが、これらに限定されない。また、好ましい高分子は、ポリスルホン、ポリオレフィン、ポリエステル、および、ポリアミドである。
【0056】
[0065]他の適した材料としては、セルロース誘導体、例えば、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、および、酪酸セルロースが挙げられる。ガラス繊維などの非樹脂性材料が使用されてもよい。
【0057】
[0066]典型的な膜は米国特許第4,702,840号明細書、および第4,900,499に開示される。米国特許第4,906,374号明細書、第4,886,836号明細書、第4,964,989号明細書、第5,019,260号明細書、第4,340,479号明細書、第4,855,163号明細書、第4,744,132号明細書、第4,707,266号明細書、第4,203,848号明細書、第4,618,533号明細書、第6,039,872号明細書、第6,780,327号明細書、第6,783,937号明細書、および第7,189,322号明細書に開示される膜を含む他の膜が適する場合もある。
【0058】
[0067]繊維媒体、例えば、米国特許第5,133,878号明細書に開示されるような不織媒体が適する場合もある。
【0059】
[0068]特に好ましいのは、SUPOR(登録商標)、VERSAPOR(登録商標)、POSIDYNE(登録商標)の下でPall社から入手できる媒体などの市販の媒体である。ULTIPOR N66(登録商標)、ULTIPOR(登録商標)、FLUORODYNE(登録商標)、LOPRODYNE(登録商標)、CARBOXYDYNE(登録商標)、IMMUNODYNE(登録商標)、BIODYNE A(登録商標)、BIODYNE B(登録商標)、BIODYNE C(登録商標)、MUSTANG(登録商標)の下でPall社から入手できる膜などの市販の膜、ならびに、HDC(登録商標)の下でPall社から入手できる繊維媒体などの市販の繊維媒体が適する場合もある。
【0060】
[0069]通気膜としての使用に適する疎水性膜は高分子膜を含む。適した高分子としては、ポリオレフィン、特にポリプロピレンおよびポリメチルペンテン;ペルフルオロポリオレフィン、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、および、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)が挙げられるが、これらに限定されない。適した膜としては、国際公開第91/17809号パンフレット、ならびに米国特許第5,126,054号明細書および米国特許第5,451,321号明細書に開示される膜が挙げられるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態において、通気膜は、国際公開第91/17809号パンフレットならびに米国特許第5,126,054号明細書および米国特許第5,451,321号明細書に開示されるような多層疎水性膜および多層親水性膜を備えることができる。多層膜を備える実施形態では、親水性膜が液体に面し、また、多層膜によって、親水性膜が液体と接触するあるいは液体によって覆われるまで、空気またはガスが通過できる。
【0061】
[0070]フィルタ要素、および/または通気膜は、任意の適した細孔構造、例えば、細孔サイズ(例えば、沸点によって、または、例えば米国特許第4,340,479号明細書に記載されるようなKLによって明らかにされるように、または、毛管凝縮流細孔計によって明らかにされるように)、細孔率、孔径(例えば、米国第特許4,925,572号明細書に記載されるような改良されたOSU F2テストを使用して特徴付けられるとき)、または、流体が要素に通されるときに1つまたは複数の対象物質を減少させ、もしくは対象物質がそこを通過できるようにする除去速度を有することができる。使用される細孔構造は、処理されるべき流体の組成、および処理された流体の望ましい排出レベルによって決まる。フィルタおよび通気孔は、複数の層状媒体または複合媒体を備えることができる。
【0062】
[0071]フィルタ要素の細孔構造は、当技術分野において知られるように、フィルタ装置の用途、および濾過されるべき流体に基づいて選択される。一般に、フィルタ要素は約5ミクロン以下の孔径を有する。フィルタが殺菌フィルタである幾つかの実施形態では、孔径が例えば約0.2ミクロンである。
【0063】
[0072]通気膜の細孔構造、例えば細孔率は、例えば利用される作動圧でIV流体がそこを通過できないようにするために、当該技術分野において知られるように選択されるのが好ましい。例えば、通気膜の細孔率は、一般的には約0.3ミクロン以下、より好ましくは0.2ミクロン以下、例えば約0.2ミクロン〜約0.02ミクロンの範囲内である。通気孔は複数の層状膜または複合膜を備えることができる。
【0064】
[0073]フィルタ要素および通気膜は、任意の望ましい臨界湿潤表面張力(例えば米国特許第4,925,572号明細書に規定されるCWST)を有することができる。一般に、フィルタ要素は、約72ダイン/cm(約72×10−5N/cm)以上、幾つかの実施形態では約80ダイン/cm(約84×10−5N/cm)以上のCWSTを有する。フィルタが殺菌フィルタである幾つかの実施形態において、フィルタ要素は、約84ダイン/cm(約84×10−5N/cm)〜約90ダイン/cm(約90×10−5N/cm)またはこれを超える範囲のCWSTを有する。一般に、通気膜は、約22ダイン/cm〜約24ダイン/cm(約22×10−5N/cm〜約24×10−5N/cm)の範囲のCWSTを有するが、CWSTを更に高くまたは低くすることができる。
【0065】
[0074]フィルタ要素、および/または通気膜、および/またはハウジングの内面の表面特性は、湿式酸化または乾式酸化によって、高分子を表面上にコーティングまたは堆積することによって、あるいは、グラフト反応によって改質することができる(例えば、CWSTに影響を及ぼすために、表面電荷、例えばプラス電荷またはマイナス電荷を含むため、および/あるいは、表面の極性、親水性、または疎水性を変えるため)。改質は、例えば、照射、極性単量体または荷電単量体、荷電ポリマーで表面をコーティングまたは硬化すること、および、化学的改質を行なって官能基を表面上に付着させることを含む。グラフト反応は、ガスプラズマ、蒸気プラズマ、コロナ放電、加熱、ヴァンデグラフ起電機、紫外光、電子ビームなどのエネルギー源、または、様々な他の形態の放射線に晒すことによって、あるいは、プラズマ処理を使用する表面エッチングまたは蒸着によって活性化されてもよい。
【0066】
[0075]装置の全流体充填量は、例えば、濾過される流体、意図される用途、および、濾過された流体が投与されるべきかどうか、被検者または患者(例えば、新生児 対 成人)に応じて変化してもよい。典型的な充填量は、例えば約0.1cc〜約5ccの範囲内であってもよい。幾つかの実施形態において、下流濾液チャンバの全充填量は、約2cc以下であり、好ましくは約1.5cc以下である。
【0067】
[0076]本発明の一実施形態によれば、フィルタ装置をプライミングする方法は、例えば重力またはポンプによって装置に液体を充填するステップを含む。装置が少なくとも1つの通気孔を備える実施形態では、装置は、自己プライミングまたは自動プライミングするステップが好ましい。すなわち、充填中に装置をひっくり返す必要がない。例えば、必要に応じて、入口が上向きに配置され、かつ出口が下向きに配置された状態で装置を垂直に吊るすことができる。上流入口チャンバを下から上へ充填することができ、また、空気またはガスが通気膜および通気ポートを通じて外側環境へ移動される。濾過された流体が下流濾液チャンバを満たし、また、濾過されない流体は、上流入口チャンバが液体で満たされるまで空気またはガスを、通気膜を通じて移動させ続ける。
【0068】
[0077]流体は、任意の適した期間にわたって本発明の実施形態にしたがって処理されてもよい。
【0069】
[0078]本明細書中で挙げられる公報、特許出願、および特許を含む全ての文献は、あたかもそれぞれの文献が参照することにより本願に組み入れられるように個別に、かつ具体的に示され、かつその全体が本明細書中に記載されているかのように同じ程度まで参照することにより本願に組み入れられる。
【0070】
[0079]本発明を説明する文脈における(特に以下の特許請求の範囲の文脈における)用語「1つの(a,an)」、および「その(the)」、および同様の指示対象の使用は、本明細書中で他のことが示唆されていなければ、または文脈によって明らかに矛盾しなければ、単数および複数の両方を網羅するように解釈されるべきである。用語「備える」、「有する」、「含む」、および「包含する」は、他に言及されていなければ、開放型の用語(すなわち、「含むがそれらに限定されない」ことを意味する)として解釈されるべきである。本明細書中の値の範囲の列挙は、本明細書中で他のことが示唆されていなければ、その範囲内に入るそれぞれの別個の値を個別に示す省略法としての役目を果たそうとしているにすぎず、また、それぞれの別個の値は、あたかもそれがここに個別に列挙されているかのうように明細書中に組み入れられる。本明細書中に記載される全ての方法は、本明細書中で他のことが示唆されていなければ、または文脈によって明らかに矛盾しなければ、任意の適した順序で行なうことができる。本明細書中で与えられる任意のおよび全ての例または典型的な言語(例えば「など」)の使用は、本発明をより良く説明しようとしているにすぎず、他に主張されていなければ本発明の範囲を限定するものではない。明細書中の言語は、請求項に記載されない任意の要素を本発明の実施に不可欠なものとして示していると解釈されるべきではない。
【0071】
[0080]本明細書では、本発明を実施するために発明者等に知られる最良の形態を含むこの発明の好ましい実施形態について説明してきた。これらの好ましい実施形態の変形形態は、以上の説明を読むと当業者に明らかになり得る。発明者等は、当業者がそのような変形を必要に応じて使用することを予期し、また、発明者等は、本明細書に具体的に説明される以外の方法で本発明が実施されることを意図する。したがって、この発明は、適用できる法律によって許容されるような本明細書に添付される特許請求の範囲に記載される主題の全ての変更形態および等価物を含む。また、前述した要素のその全ての想定し得る変形形態における任意の組み合わせは、本明細書中で他のことが示唆されていなければ、または文脈によって明らかに矛盾しなければ、本発明によって包含される。
【符号の説明】
【0072】
1…入口、1a…入口通路、2…出口、2a…出口通路、5…上流入口チャンバ、10、20…濾液下流チャンバ、11、12、14、24…隆起部、11a、12a、14a、24a…チャネル、11b、12b…中心チャネル、11c、12c、128…溝、11d、12d…チャネル壁、11e、12e…中心凹部、11f、12f…隆起ビード、15、25…通気チャンバ、16…上壁の内面の部分、18…上壁の内面の他の部分、19…通気ポート、26…下壁の内面の部分、28…下壁の内面の他の部分、29…通気ポート、40…キャビティ、50…フィルタ、51、52…親水性微多孔膜、51a、52a…下流(または外側)面、51b、52b…上流(または内側)面、51’、52’…多孔質フィルタ要素、61、62…通気微多孔疎水性膜、75…フローバッフル、101、102、…ハウジングセクション、110…上壁、110a、115a、115’a、125a、125’a…外面、110b、115b、115’b、125b、125’b…内面、115、125、125’…側壁、118…舌部、118a、118’a…舌部外面、118b、118’b…舌部内面、120…下壁、126…外周隆起部、151、152…流体流路、200…ハウジング、500…フィルタ装置、700…クリップ、701…アーム、701a、701b…歯
【発明の背景】
【0001】
[0001]点滴(IV)流体は、一般に、流体を患者へ供給する前に望ましくない物質を流体から除去するために濾過される。空気が患者の静脈内に入らないようにするため、インラインIVフィルタ装置は、液体−空気(ガス)分離を行なうことが好ましい。また、IV流体が患者へ供給される前にフィルタ要素の下流側のチューブ内および装置ハウジング内の空気を除去しなければならず、また、残存する空気、例えば小さい気泡を効率的に除去することは、気泡を除去するために装置ハウジングをたたくなどの操作を伴い得る。
【0002】
[0002]IVフィルタ装置の大きさを小さくするため、「外側から内側へ」の流れのために2つの別個のフィルタ要素が利用される幾つかの装置が提供されてきた。この場合、第1および第2の外側入口部から共通の中心出口部に向けて2つの流体流路が設けられる。濾過されるべき流体の一部は、装置入口およびハウジングの第1の外側入口部から、第1のフィルタ要素を通過して、共通の出口部に至る第1の流体流路に沿って流れ、濾過されるべき他の部分は、装置入口およびハウジングの第2の外側入口部から、第2のフィルタ要素を通過して、共通の出口部に至る第2の流体流路に沿って流れる。濾過された流体は、共通の出口部から、装置出口およびチューブを通過して、患者に流れる。
【0003】
[0003]しかしながら、IVフィルタ装置、およびIV流体を患者へ供給する方法を改良する必要がある。
【発明の概要】
【0004】
[0004]本発明の一実施形態は、少なくとも第1のセクションと第2のセクションとを備えるハウジングを備え、(i)第1のセクションが外面および内面を備える上壁を備え、第1のセクションが第1の濾液下流チャンバを含み、第1の濾液下流チャンバが上壁の内面の一部を含み、(ii)第2のセクションが外面および内面を備える下壁を備え、第2のセクションが第2の濾液下流チャンバを含み、第2の濾液下流チャンバが下壁の内面の一部を含み、第1の濾液下流チャンバを含む第1のセクションが、少なくとも1つの第1の通気チャンバも含み、第1の通気チャンバが上壁の内面の他の部分を含み、および/または、第2の濾液下流チャンバを含む第2のセクションが、少なくとも1つの第2の通気チャンバも含み、第2の通気チャンバが下壁の内面の他の部分を含み、ハウジングが、入口および出口と、側壁内面を有する少なくとも1つの側壁と、上壁および下壁の内面ならびに少なくとも1つの側壁の内面によって境界付けられるキャビティとを更に備え、フィルタが、少なくとも第1および第2の離間された多孔質フィルタ要素を備え、各フィルタ要素が、それぞれ親水性膜を備え、第1および第2のフィルタ要素がそれぞれ上流面および下流面を有し、第1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切ってハウジング内に配置され、第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切ってハウジング内に配置され、ハウジングがキャビティ内に上流入口チャンバを含み、この上流入口チャンバが、第1および第2のフィルタ要素の上流面間にあって、少なくとも1つの側壁の内面とフィルタ要素の上流面とによって境界付けられ、ハウジングが、入口、上流入口チャンバ、第1の濾液下流チャンバ、および、出口の間に第1の流体流路を画定し、第1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切って配置され、また、ハウジングが、入口、上流入口チャンバ、第2の濾液下流チャンバ、および出口の間に第2の流体流路を画定し、第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切って配置される、フィルタ装置を提供する。
【0005】
[0005]装置の好ましい実施形態において、上流入口チャンバは、第1および第2のフィルタ要素の上流面間に中実の仕切りがない。
【0006】
[0006]一実施形態において、装置は、中心チャネルを第1および/または第2の濾液下流チャンバ内に更に備え、この中心チャネルは該チャネルの長さの大部分にわたって覆われる。
【0007】
[0007]更なる他の実施形態は、第1のセクションと第2のセクションとを備えるハウジングを備え、(i)第1のセクションが、外面および内面を備える上壁と、少なくとも1つの側壁とを備え、第1のセクションが第1の濾液下流チャンバを含み、第1の濾液下流チャンバが上壁の内面の一部を含み、(ii)第2のセクションが、外面および内面を備える下壁と、少なくとも1つの側壁とを備え、第2のセクションが第2の濾液下流チャンバを含み、第2の濾液下流チャンバが下壁の内面の一部を含み、ハウジングが、入口および出口と、上壁および下壁の内面ならびに第1および/または第2のセクションの少なくとも1つの側壁の内面によって境界付けられるキャビティとを更に備え、フィルタが、少なくとも第1および第2の離間された多孔質フィルタ要素を備え、各フィルタ要素が親水性膜を備え、第1および第2のフィルタ要素がそれぞれ上流面および下流面を有し、第1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切ってハウジング内に配置され、第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切ってハウジング内に配置され、ハウジングがキャビティ内に上流入口チャンバを含み、この上流入口チャンバが、第1および第2のフィルタ要素の上流面間にあって、第1および/または第2のセクションの少なくとも1つの側壁の内面とフィルタ要素の上流面とによって境界付けられ、ハウジングが、入口、上流入口チャンバ、第1の濾液下流チャンバ、および出口の間に第1の流体流路を画定し、第1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切って配置され、また、ハウジングが、入口、上流入口チャンバ、第2の濾液下流チャンバ、および出口の間に第2の流体流路を画定し、第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切って配置され、第1の濾液下流チャンバの上壁内面および第2の濾液下流チャンバの下壁内面のそれぞれが、複数のチャネルを与える複数の隆起部を備え、チャネルが、流体を第1および第2のフィルタ要素の下流面からハウジング出口に方向付け、第1の濾液下流チャンバの上壁内面および第2の濾液下流チャンバの下壁内面のそれぞれが、他のチャネルよりも幅広い、および/または深い中心チャネルを備え、各中心チャネルが、各中心チャネルの長さの少なくとも大部分にわたって閉じられたチューブを形成する側壁、上壁、および下壁を有する、フィルタ装置を備える。
【0008】
[0008]他の実施形態では、第1のセクションと第2のセクションとを備えるハウジングを備え、(i)第1のセクションが、外面および内面を備える上壁と、少なくとも1つの側壁とを備え、第1のセクションが第1の濾液下流チャンバと第1の通気チャンバとを含み、第1の濾液下流チャンバが上壁の内面の一部を含み、第1の通気チャンバが上壁の内面の他の部分を含み、(ii)第2のセクションが外面および内面を備える下壁と少なくとも1つの側壁とを備え、第2のセクションが第2の濾液下流チャンバと第2の通気チャンバとを含み、第2の濾液下流チャンバが下壁の内面の一部を含み、第2の通気チャンバが下壁の内面の他の部分を含み、ハウジングが、入口および出口と、上壁および下壁の内面、ならびに第1および/または第2のセクションの少なくとも1つの側壁の内面によって境界付けられるキャビティとを更に備え、フィルタが少なくとも第1および第2の離間された多孔質フィルタ要素を備え、各フィルタ要素が親水性膜を備え、第1および第2のフィルタ要素がそれぞれ上流面および下流面を有し、第1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切ってハウジング内に配置され、第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切ってハウジング内に配置され、ハウジングがキャビティ内に上流入口チャンバを含み、この上流入口チャンバが、第1および第2のフィルタ要素の上流面間にあって、第1および/または第2のセクションの少なくとも1つの側壁の内面とフィルタ要素の上流面とによって境界付けられ、上流チャンバが、第1および第2のフィルタ要素の内面間に中実の仕切りがなく、ハウジングが、入口、上流入口チャンバ、第1の濾液下流チャンバ、および出口の間に第1の流体流路を画定し、第1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切って配置され、また、ハウジングが、入口、上流入口チャンバ、第2の濾液下流チャンバ、および出口の間に第2の流体流路を画定し、第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切って配置される、フィルタ装置が提供される。
【0009】
[0009]他の実施形態において、フィルタ装置は、第1のセクションと第2のセクションとを備えるハウジングを備え、第1のセクションが外面および内面を備える上壁を備え、第1のセクションが第1の濾液下流チャンバと第1の通気チャンバとを含み、第1の濾液下流チャンバが上壁の内面の一部を含み、第1の通気チャンバが上壁の内面の他の部分を含み、第2のセクションが、外面および内面を備える下壁を備え、第2のセクションが第2の濾液下流チャンバと第2の通気チャンバとを含み、第2の濾液下流チャンバが下壁の内面の一部を含み、第2の通気チャンバが下壁の内面の他の部分を含み、ハウジングが、入口および出口と、対向する第1の側壁および対向する第2の側壁とを更に備え、第1および/または第2のハウジングセクションが内面を有する対向する第1の側壁を備え、第1および/または第2のハウジングセクションが内面を有する対向する第2の側壁を備え、ハウジングが、上壁、下壁、および側壁の内面によって境界付けられるキャビティを備え、フィルタが、少なくとも第1および第2の離間された多孔質フィルタ要素を備え、各フィルタ要素がそれぞれ親水性膜を備え、第1および第2のフィルタ要素がそれぞれ上流面および下流面を有し、第1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切ってハウジング内に配置され、第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切ってハウジング内に配置され、ハウジングがキャビティ内に上流入口チャンバを含み、この上流入口チャンバが、第1および第2のフィルタ要素の上流面間にあって、側壁の内面とフィルタ要素の上流面とによって境界付けられ、上流チャンバが、第1および第2のフィルタ要素の上流面間に中実の仕切りがなく、ハウジングが、入口、上流入口チャンバ、第1の濾液下流チャンバ、および出口の間に第1の流体流路を画定し、第1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切って配置され、また、ハウジングが、入口、上流入口チャンバ、第2の濾液下流チャンバ、および出口の間に第2の流体流路を画定し、第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切って配置される。
【0010】
[0010]本発明の実施形態によれば、装置をプライミングする方法、および、例えば患者への投与のために装置を使用して流体を濾過する方法、ならびに、装置を含むシステムも提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1A】第1および第2のハウジングセクション、第1および第2のフィルタ要素を備えるフィルタ、第2の濾液下流チャンバ、第2のフィルタ要素、ならびに、第2の通気チャンバを示す本発明のフィルタ装置の一実施形態の分解図(上側斜視図)である。
【図1B】第1および第2のハウジングセクション、第1および第2のフィルタ要素を備えるフィルタ、第1の濾液下流チャンバ、第1のフィルタ要素、ならびに、第1の通気チャンバを示す本発明のフィルタ装置の一実施形態の分解図(下側斜視図)である。
【図2A】本発明のフィルタ装置の一実施形態の平面図である。
【図2B】図2Aに示される装置の2B−2B線に沿う側断面図である。
【図2C】図2Aに示される装置の2C−2C線に沿う断面図である。
【図2D】図2Aに示される装置の2D−2D線に沿う断面図である。
【図3】本発明によるフィルタ装置の一実施形態による第1の濾液チャンバの下流壁の部分図を示している。
【図4】ハウジングがクリップを含む、フィルタ装置の他の実施形態の上面図および下面図である。
【図5A】フィルタ装置の他の実施形態の分解図(上側斜視図)であり、第2の濾液下流チャンバの中心チャネルは該チャネルの長さの大部分にわたって覆われる。
【図5B】フィルタ装置の他の実施形態の分解図(下側斜視図)であり、第1の濾液下流チャンバの中心チャネルは該チャネルの長さの大部分にわたって覆われる。
【図5C】組み立て時の図5Aおよび図5Bに示される装置の5C−5C線に沿う断面図である。
【図6A】フィルタ装置の他の実施形態の分解図(上側斜視図)であり、第2の濾液下流チャンバが出口を更に備える。
【図6B】フィルタ装置の他の実施形態の分解図(下側斜視図)であり、第1の濾液下流チャンバが入口を更に備える。
【図7A】フィルタ装置の他の実施形態の分解図(上側斜視図)である。
【図7B】フィルタ装置の他の実施形態の分解図(下側斜視図)であり、第1の濾液下流チャンバが単一の通気孔を含む。
【図8A】フィルタ装置の他の実施形態の分解図(上側斜視図)であり、第2の濾液下流チャンバが2つの通気孔を含む。
【図8B】フィルタ装置の他の実施形態の分解図(下側斜視図)である。
【図9A】フィルタ装置の他の実施形態の分解図(上側斜視図)であり、装置が3つのハウジングセクションを備える。
【図9B】フィルタ装置の他の実施形態の分解図(下側斜視図)であり、装置が3つのハウジングセクションを備える。
【図10A】フィルタ装置の他の実施形態の分解図(上側斜視図)であり、出口の構成要素が第1のハウジングセクションおよび第2のハウジングセクションの両方に取り付けられる。
【図10B】フィルタ装置の他の実施形態の分解図(下側斜視図)であり、出口の構成要素が第1のハウジングセクションおよび第2のハウジングセクションの両方に取り付けられる。
【発明の詳細な説明】
【0012】
[0021]本発明の一実施形態は、少なくとも第1のセクションと第2のセクションとを備えるハウジングを備え、(i)第1のセクションが外面および内面を備える上壁を備え、第1のセクションが第1の濾液下流チャンバを含み、第1の濾液下流チャンバが上壁の内面の一部を含み、(ii)第2のセクションが外面および内面を備える下壁を備え、第2のセクションが第2の濾液下流チャンバを含み、第2の濾液下流チャンバが下壁の内面の一部を含み、第1の濾液下流チャンバを含む第1のセクションが少なくとも1つの第1の通気チャンバも含み、第1の通気チャンバが上壁の内面の他の部分を含み、および/または、第2の濾液下流チャンバを含む第2のセクションが少なくとも1つの第2の通気チャンバも含み、第2の通気チャンバが下壁の内面の他の部分を含み、ハウジングが、入口および出口と、側壁内面を有する少なくとも1つの側壁と、上壁および下壁の内面ならびに少なくとも1つの側壁の内面によって境界付けられるキャビティとを更に備え、フィルタが、少なくとも第1および第2の離間された多孔質フィルタ要素を備え、各フィルタ要素がそれぞれ多孔質親水性膜を備え、第1および第2のフィルタ要素がそれぞれ上流面および下流面を有し、第1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切ってハウジング内に配置され、第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切ってハウジング内に配置され、ハウジングがキャビティ内に上流入口チャンバを含み、上流入口チャンバが、第1および第2のフィルタ要素の上流面間にあって、少なくとも1つの側壁の内面とフィルタ要素の上流面とによって境界付けられ、ハウジングが、入口、上流入口チャンバ、第1の濾液下流チャンバ、および出口の間に第1の流体流路を画定し、第1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切って配置され、また、ハウジングが、入口、上流入口チャンバ、第2の濾液下流チャンバ、および出口の間に第2の流体流路を画定し、第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切って配置される、フィルタ装置を提供する。
【0013】
[0022]装置の好ましい実施形態において、上流入口チャンバは、第1および第2のフィルタ要素の上流面間に中実の仕切りがなく、および/または、第1の濾液下流チャンバの上壁の少なくとも一部および第2の濾液下流チャンバの下壁の少なくとも一部が透明または半透明である。
【0014】
[0023]装置の更に好ましい実施形態において、第1の濾液下流チャンバの上壁内面および第2の濾液下流チャンバの下壁内面が、それぞれ複数のチャネルを与える複数の隆起部を備え、チャネルは、流体を第1および第2のフィルタ要素の下流面からハウジング出口に方向付ける。
【0015】
[0024]好ましくは、第1および/または第2の通気チャンバが、通気ポートと、第1の微多孔通気要素を含む通気孔とを更に備え、これらは、ガスが(例えば、上流入口チャンバから)通気要素および通気ポートを通過できるように配置される。
【0016】
[0025]装置の幾つかの実施形態では、第1の濾液下流チャンバを含む第1のセクションが2つの第1の通気チャンバを含み、また、2つの第1の通気チャンバがそれぞれ上壁の内面の別個の部分を含み、および/または、第2の濾液下流チャンバを含む第2のセクションが2つの第2の通気チャンバを含み、また、2つの第2の通気チャンバがそれぞれ下壁の内面の別個の部分を含む。
【0017】
[0026]これに代えてあるいはこれに加えて、一実施形態において、装置は、中心チャネルを第1および/または第2の濾液下流チャンバ内に更に備え、中心チャネルは該チャネルの長さの大部分にわたって覆われる。
【0018】
[0027]装置の幾つかの実施形態において、第1および/または第2のハウジングセクションは側壁内面を有する少なくとも1つの側壁を備える。例えば、ハウジングは、第1の側壁内面を有する対向する第1の側壁と、第2の側壁内面を有する対向する第2の側壁とを備えることができ、ハウジングは、上壁、下壁、および側壁の内面によって境界付けられるキャビティを備え、また、第1および/または第2のハウジングセクションが第1の側壁内面を有する対向する第1の側壁を備え、また、第1および/または第2のハウジングセクションが第2の側壁内面を有する対向する第2の側壁を備える。一般に、対向する第1の側壁は互いに略平行であり、また、対向する第2の側壁は互いに略平行である。
【0019】
[0028]装置の他の実施形態では、ハウジングが第3のハウジングセクションを更に備え、第3のセクションは側壁内面を有する少なくとも1つの側壁を備える。例えば、ハウジングは、第1の側壁内面を有する対向する第1の側壁と、第2の側壁内面を有する対向する第2の側壁とを備えることができ、ハウジングは、上壁、下壁、および側壁の内面によって境界付けられるキャビティを備え、また、第3のセクションは、第1の側壁内面を有する対向する第1の側壁と、第2の側壁内面を有する対向する第2の側壁とを備える。
【0020】
[0029]本発明の更に他の実施形態によるフィルタ装置は、少なくとも第1のセクションと第2のセクションとを備えるハウジングを備え、第1のセクションが外面および内面を備える上壁を備え、第1のセクションが第1の濾液下流チャンバを含み、第1の濾液下流チャンバが上壁の内面の一部を含み、第2のセクションが外面および内面を備える下壁を備え、第2のセクションが第2の濾液下流チャンバを含み、第2の濾液下流チャンバが下壁の内面の一部を含み、第1の濾液下流チャンバを含む第1のセクションが少なくとも1つの第1の通気チャンバも含み、第1の通気チャンバが上壁の内面の他の部分を含み、かつ/または、第2の濾液下流チャンバを含む第2のセクションが少なくとも1つの第2の通気チャンバも含み、第2の通気チャンバが下壁の内面の他の部分を含み、ハウジングが、入口および出口と、第1の側壁内面を有する対向する第1の側壁と、第2の側壁内面を有する対向する第2の側壁とを更に備え、また、ハウジングが、上壁、下壁、および側壁の内面によって境界付けられるキャビティを備え、フィルタが、少なくとも第1および第2の離間された多孔質フィルタ要素を備え、各フィルタ要素が親水性膜を備え、第1および第2のフィルタ要素がそれぞれ上流面および下流面を有し、第1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切ってハウジング内に配置され、第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切ってハウジング内に配置され、ハウジングがキャビティ内に上流入口チャンバを含み、この上流入口チャンバが、第1および第2のフィルタ要素の上流面間にあって、側壁の内面とフィルタ要素の上流面とによって境界付けられ、上流チャンバが、第1および第2のフィルタ要素の内面間に中実の仕切りがなく、ハウジングが、入口、上流入口チャンバ、第1の濾液下流チャンバ、および出口の間に第1の流体流路を画定し、第1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切って配置され、また、ハウジングが、入口、上流入口チャンバ、第2の濾液下流チャンバ、および出口の間に第2の流体流路を画定し、第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切って配置される。
【0021】
[0030]更なる他の実施形態では、第1のセクションと第2のセクションとを備えるハウジングを備え、(i)第1のセクションが、外面および内面を備える上壁と、少なくとも1つの側壁とを備え、第1のセクションが第1の濾液下流チャンバを含み、第1の濾液下流チャンバが上壁の内面の一部を含み、(ii)第2のセクションが、外面および内面を備える下壁と、少なくとも1つの側壁とを備え、第2のセクションが第2の濾液下流チャンバを含み、第2の濾液下流チャンバが下壁の内面の一部を含み、第1の濾液下流チャンバを含む第1のセクションが少なくとも1つの第1の通気チャンバも含み、第1の通気チャンバが上壁の内面の他の部分を含み、かつ/または、第2の濾液下流チャンバを含む第2のセクションが少なくとも1つの第2の通気チャンバも含み、第2の通気チャンバが下壁の内面の他の部分を含み、ハウジングが、入口および出口と、上壁および下壁の内面ならびに第1および/または第2のセクションの少なくとも1つの側壁の内面によって境界付けられるキャビティとを更に備え、フィルタが、少なくとも第1および第2の離間された多孔質フィルタ要素を備え、各要素が親水性膜を備え、第1および第2のフィルタ要素がそれぞれ上流面および下流面を有し、第1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切ってハウジング内に配置され、第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切ってハウジング内に配置され、ハウジングがキャビティ内に上流入口チャンバを含み、この上流入口チャンバが、第1および第2のフィルタ要素の上流面間にあって、第1および/または第2のセクションの少なくとも1つの側壁の内面とフィルタ要素の上流面とによって境界付けられ、ハウジングが、入口、上流入口チャンバ、第1の濾液下流チャンバ、および出口の間に第1の流体流路を画定し、第1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切って配置され、また、ハウジングが、入口、上流入口チャンバ、第2の濾液下流チャンバ、および出口の間に第2の流体流路を画定し、第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切って配置される、フィルタ装置が提供される。
【0022】
[0031]更なる他の実施形態は、第1のセクションと第2のセクションとを備えるハウジングを備え、(i)第1のセクションが、外面および内面を備える上壁と、少なくとも1つの側壁とを備え、第1のセクションが第1の濾液下流チャンバを含み、第1の濾液下流チャンバが上壁の内面の一部を含み、(ii)第2のセクションが、外面および内面を備える下壁と、少なくとも1つの側壁とを備え、第2のセクションが第2の濾液下流チャンバを含み、第2の濾液下流チャンバが下壁の内面の一部を含み、ハウジングが、入口および出口と、上壁および下壁の内面、ならびに第1および/または第2のセクションの少なくとも1つの側壁の内面によって境界付けられるキャビティとを更に備え、フィルタが少なくとも第1および第2の離間された多孔質フィルタ要素を備え、フィルタ要素がそれぞれ親水性膜を備え、第1および第2のフィルタ要素がそれぞれ上流面および下流面を有し、第1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切ってハウジング内に配置され、第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切ってハウジング内に配置され、ハウジングがキャビティ内に上流入口チャンバを含み、この上流入口チャンバが、第1および第2のフィルタ要素の上流面間にあって、第1および/または第2のセクションの少なくとも1つの側壁の内面とフィルタ要素の上流面とによって境界付けられ、ハウジングが、入口、上流入口チャンバ、第1の濾液下流チャンバ、および出口の間に第1の流体流路を画定し、第1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切って配置され、また、ハウジングが、入口、上流入口チャンバ、第2の濾液下流チャンバ、および、出口の間に第2の流体流路を画定し、第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切って配置され、第1の濾液下流チャンバの上壁内面および第2の濾液下流チャンバの下壁内面のそれぞれが、複数のチャネルを与える複数の隆起部を備え、チャネルが、流体を第1および第2のフィルタ要素の下流面からハウジング出口に方向付け、第1の濾液下流チャンバの上壁内面および第2の濾液下流チャンバの下壁内面のそれぞれが、他のチャネルよりも幅広い、および/または深い中心チャネルを備え、各中心チャネルが、各中心チャネルの長さの少なくとも大部分にわたって閉じられたチューブを形成する側壁、上壁、および下壁を有する、フィルタ装置を備える。更なる好ましい実施形態では、第1の濾液下流チャンバを含む第1のセクションが第1の通気チャンバも含み、第1の通気チャンバが壁の内面の他の部分を含み、また、第2の濾液下流チャンバを含む第2のセクションが第2の通気チャンバも備え、第2の通気チャンバが下壁の内面の他の部分を含む。
【0023】
[0032]本発明の他の実施形態によれば、第1のセクションと第2のセクションとを備えるハウジングを備え、(i)第1のセクションが、外面および内面を備える上壁と、少なくとも1つの側壁とを備え、第1のセクションが第1の濾液下流チャンバと第1の通気チャンバとを含み、第1の濾液下流チャンバが上壁の内面の一部を含み、第1の通気チャンバが上壁の内面の他の部分を含み、(ii)第2のセクションが、外面および内面を備える下壁と、少なくとも1つの側壁とを備え、第2のセクションが第2の濾液下流チャンバと第2の通気チャンバとを含み、第2の濾液下流チャンバが下壁の内面の一部を含み、第2の通気チャンバが下壁の内面の他の部分を含み、ハウジングが、入口および出口と、上壁および下壁の内面、ならびに第1および/または第2のセクションの少なくとも1つの側壁の内面によって境界付けられるキャビティとを更に備え、フィルタが、少なくとも第1および第2の離間された多孔質フィルタ要素を備え、各フィルタ要素がそれぞれ親水性膜を備え、第1および第2のフィルタ要素がそれぞれ上流面および下流面を有し、第1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切ってハウジング内に配置され、第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切ってハウジング内に配置され、ハウジングがキャビティ内に上流入口チャンバを含み、この上流入口チャンバが、第1および第2のフィルタ要素の上流面間にあって、第1および/または第2のセクションの少なくとも1つの側壁の内面とフィルタ要素の上流面とによって境界付けられ、上流チャンバが、第1および第2のフィルタ要素の内面間に中実の仕切りがなく、ハウジングが、入口、上流入口チャンバ、第1の濾液下流チャンバ、および出口の間に第1の流体流路を画定し、第1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切って配置され、また、ハウジングが、入口、上流入口チャンバ、第2の濾液下流チャンバ、および、出口の間に第2の流体流路を画定し、第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切って配置される、フィルタ装置が提供される。
【0024】
[0033]他の実施形態において、フィルタ装置は、第1のセクションと第2のセクションとを備えるハウジングを備え、第1のセクションが外面および内面を備える上壁を備え、第1のセクションが第1の濾液下流チャンバと第1の通気チャンバとを含み、第1の濾液下流チャンバが上壁の内面の一部を含み、第1の通気チャンバが上壁の内面の他の部分を含み、第2のセクションが、外面および内面を備える下壁を備え、第2のセクションが第2の濾液下流チャンバと第2の通気チャンバとを含み、第2の濾液下流チャンバが下壁の内面の一部を含み、第2の通気チャンバが下壁の内面の他の部分を含み、ハウジングが、入口および出口と、対向する第1の側壁および対向する第2の側壁とを更に備え、第1および/または第2のハウジングセクションが内面を有する対向する第1の側壁を備え、第1および/または第2のハウジングセクションが内面を有する対向する第2の側壁を備え、ハウジングが、上壁、下壁、および側壁の内面によって境界付けられるキャビティを備え、フィルタが、少なくとも第1および第2の離間された多孔質フィルタ要素を備え、各フィルタ要素がそれぞれ親水性膜を備え、第1および第2のフィルタ要素がそれぞれ上流面および下流面を有し、第1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切ってハウジング内に配置され、第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切ってハウジング内に配置され、ハウジングがキャビティ内に上流入口チャンバを含み、この上流入口チャンバが、第1および第2のフィルタ要素の上流面間にあって、側壁の内面とフィルタ要素の上流面とによって境界付けられ、上流チャンバが、第1および第2のフィルタ要素の上流面間に中実の仕切りがなく、ハウジングが、入口、上流入口チャンバ、第1の濾液下流チャンバ、および出口の間に第1の流体流路を画定し、第1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切って配置され、また、ハウジングは、入口、上流入口チャンバ、第2の濾液下流チャンバ、および出口の間に第2の流体流路を画定し、第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切って配置される。
【0025】
[0034]本発明による「インサイド−アウト」フィルタ装置は、二重フィルタ要素「アウトサイド−イン」IVフィルタ装置と比べて少ない数の構成要素(例えば、ハウジング要素および/または少ない通気孔)を用いて組み付けることができ有益である。本発明の実施形態によるフィルタ装置は、ユーザが出口チャンバを見ることができるようにするハウジングを備えることが好ましい。1つまたは複数の通気孔を更に備える本発明によるこれらの「インサイド−アウト」フィルタ装置の、二重フィルタ要素「アウトサイド−イン」IVフィルタ装置と比べた他の利点は、適切なプライミングを更に容易に検証できるという点である。本発明によるそのような通気孔付きの装置は、自己プライミングまたは自動プライミングすることが好ましい。すなわち、充填中に装置をひっくり返す必要がない。例えば、必要に応じて、入口が上向きに配置され、かつ出口が下向きに配置された状態で装置を垂直に吊るすことができる。
【0026】
[0035]本発明による方法の一実施形態は、流体を一実施形態のフィルタ装置に通すステップを含む。例えば、方法の1つの実施形態は、IV流体などの流体を、入口を通して入口チャンバ内へ送るステップと、流体の一部を第1の流体流路に沿って第1のフィルタ要素、第1の濾液下流チャンバ、および出口に通すステップと、流体の一部を第2の流体流路に沿って第2のフィルタ要素、第2の濾液下流チャンバ、および出口に通すステップと、空気またはガスを入口チャンバから少なくとも1つの通気孔に通すステップとを含む。方法の好ましい実施形態において、方法は、濾過されたIV流体を、出口を通して患者などの被検者へ送るステップを更に含む。
【0027】
[0036]様々な流体、好ましくはIV流体を本発明によるフィルタ装置、方法、および、システムにしたがって濾過することができる。適切な流体は当技術分野において知られている。一般に、流体は、生理学的に許容できる流体であり、無菌流体であってもよい。本発明にしたがって複数の流体を使用でき、また、流体が相互に互換性があってもよい。例えば、薬剤および/または栄養物を備える流体などの他の流体を投与する前に、1つの流体を使用して装置をプライミングできる。必要に応じて、流体を混入および/または混合することができる。
【0028】
[0037]装置の実施形態は、患者などの任意の被検者へ流体を送ることを含む様々な用途に適する。例えば、装置の実施形態は、人および動物へ流体を投与するのに適する。装置の実施形態は、例えばアフェレーシス療法を伴う用途での使用に適する。本発明によるシステムの一実施形態は、装置の一実施形態と、少なくとも1つの導管(好ましくは、少なくとも2つの導管)と、濾過されるべき流体を保持するための少なくとも1つの容器とを備え、好ましくは、容器が可撓性の容器を備え、例えば、容器が第1の導管を介して装置の入口と流体連通して配置され、また、第2の導管が装置の出口と連通する。
【0029】
[0038]ハウジングは、任意の適した形状、例えば略長方形、正方形、円形、楕円形、または三角形を成すことができる。ハウジングは、使用が容易となるように、および/または被検者が快適となるように構成することができる。例えば、ハウジングは、以下のうちの1つまたは複数、すなわち入口および出口を伴わないハウジングセクションが被検者または患者の衣類と接触して配置される場合における同じハウジングセクションにある入口および出口、ブラケット、クリップ、および/または、例えば支持のためあるいは流体投与を容易にするための衣類、寝具類、および/または、他の構造体に取り付くためのアイレットのうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0030】
[0039]ハウジングは、例えば締まり嵌め、接着剤、溶剤、レーザ溶着、高周波シール、超音波シール、および/または、熱シールを利用して当該技術分野において知られるようにシールできる。これに加えてあるいはこれに代えて、ハウジングを射出成形によってシールすることができる。当該技術分野において知られるように、例えばハウジングに対する加圧、締まり嵌め、または結合、および/または溶着によってフィルタおよび通気要素をハウジング内にシールできる。
【0031】
[0040]処理される流体と適合する任意の不浸透熱可塑性材料を含む任意の適した硬質不浸透性材料から、ハウジングを製造できる。好ましい実施形態において、ハウジングは、高分子であり、より好ましくは透明または半透明高分子、例えばアクリル、ポリプロピレン、ポリスチレン、またはポリカーボネート樹脂である。そのようなハウジングは、容易にかつ経済的に製造されるとともに、ハウジングを通した流体の通過の観察を可能にする。必要に応じて、1つまたは複数の望ましい部分(および/またはハウジングセクション全体)が透明または半透明となるようにハウジングを製造できる。
【0032】
[0041]一般に、ハウジングは第1のハウジングセクションと第2のハウジングセクションとを備え、幾つかの実施形態では、ハウジングが第1、第2、および第3のハウジングセクションを備える。ハウジングは、上壁および下壁の内面と、少なくとも1つの側壁の内面とによって境界付けられるキャビティを含む。
【0033】
[0042]ここで、以下に、本発明の構成要素のそれぞれについて更に詳しく説明する。この場合、同様の構成要素が同様の参照符号を有する。
【0034】
[0043]参照のために図1、図2、図5〜図8、図10に示される実施形態を使用すると、図示のフィルタ装置500は、第1のセクション101および第2のセクション102を備えるハウジング200と、離間される第1および第2の多孔質フィルタ要素51’、52’を備えるフィルタ50とを備え、第1のフィルタ要素51’が第1の親水性微多孔膜51を備え、第2のフィルタ要素52’が第2の親水性微多孔膜52を備えており、これらはハウジング内に密封される。フィルタ50は、ハウジング内に形成されるキャビティ内に配置される(図2Bはキャビティ40を示している)。図1、図2、図4、図5、図7、図8、および図10に示される実施形態では、第1のセクション101が入口1と出口2とを含む。
【0035】
[0044]他の実施形態では、入口および出口をハウジングの異なるセクションと関連付けることができ(例えば図6に示される)、または更なる(第3の)ハウジングセクションと関連付けることができ(例えば図9に示される)、あるいは、第2のセクションが入口および出口を含むことができる(図示せず)。装置が使用中に被検者と接触する幾つかの実施形態では、入口および出口が同じハウジングセクションと関連付けられることが望ましい場合がある。この場合、入口および出口を有さないハウジングセクションが被検者と接触して配置される。
【0036】
[0045]図1(A〜B)、図5(A〜B)、図10(A〜B)に更に詳しく示されるように、これらの図示の実施形態において、第1のセクション101は、外面110aおよび内面110bを備える上壁110を備えるとともに、第1の濾液下流チャンバ10および第1の通気チャンバ15を含み、第1の濾液下流チャンバ10は上壁の内面の部分16を含み、第1の通気チャンバ15は上壁の内面の他の部分18を含み、また、第2のセクション102は、外面120aおよび内面120bを備える下壁120を備えるとともに、第2の濾液下流チャンバ20および第2の通気チャンバ25を含み、第2の濾液下流チャンバ20は下壁の内面の部分26を含み、第2の通気チャンバ25は下壁の内面の他の部分28を含む。例えば図6(A〜B)、図7(A〜B)、図8(A〜B)、図9(A〜B)に示されるように、通気チャンバの他の配置および数、および/または位置を含む他の形態が本発明の実施形態によって包含される。
【0037】
[0046]図1(A〜B)、図5(A〜B)、図6(A〜B)、図7(A〜B)、図8(A〜B)、および図10(A〜B)に示される例示的な第1および第2のセクションはそれぞれ少なくとも1つの側壁を含み、少なくとも一方のセクションの側壁が内面および外面を有する。ハウジングが略正方形(図示せず)、または略長方形(例えば、図2、図5〜図8、および図10に示される)である幾つかの実施形態では、第1のハウジングセクション101が対向する第1の側壁115と、対向する第2の側壁115’とを備え、各側壁が外面115a(側壁115の場合)、115’a(側壁115’の場合)と内面115b(側壁115の場合)、115’b(側壁115’の場合)とを備え、また、第2のハウジングセクション102が対向する第1の側壁125と対向する第2の側壁125’とを備え、各側壁が、外面125a(側壁125の場合)、125’a(側壁125’の場合)と、上下壁の内面ならびに第1のハウジングセクション側壁の内面によって境界付けられるキャビティ40(図2B参照)とを備える。図1(A〜B)に示される実施形態では、第1のハウジングセクション101が舌部118(内面115b、115’bの一部がそれぞれ舌部内面118b、118’bの一部をそれぞれ形成するとともに、外面115a、115’aの一部がそれぞれ舌部外面118a、118’aの一部をそれぞれ形成するように、側壁115、115’からそれぞれ延びるように示されている)を更に備え、また、第2のハウジングセクション102が、側壁内面125b(側壁125の場合)、125’b(側壁125’の場合)と、舌部に係合するための溝128とを更に備える。これらの図示の実施形態において、第1および第2のハウジングセクション101、102の互いの取付けは、第2のセクション102の側壁がキャビティ40を境界付ける内面を与えないように成される。しかしながら、本発明はそのような形態に限定されず、例えば、第1および第2のハウジングセクションがそれぞれキャビティを境界付ける内面の一部を与えるように上方へ突出する内面を含むことができる。
【0038】
[0047]あるいは、幾つかの実施形態では、ハウジングが略平行に対向する側壁を有さない。例えば、ハウジングが略円形または楕円形(図示せず)である幾つかの実施形態では、ハウジングセクションがそれぞれ少なくとも1つの側壁を備えることができ、また、ハウジングが略三角形(図示せず)である幾つかの実施形態では、ハウジングセクションがそれぞれ少なくとも3つの側壁を備えることができる。その場合、側壁のうちの少なくとも1つの内面と上下壁の内面とがキャビティを境界付ける。これに加えてあるいはこれに代えて、装置が第1、第2、第3のハウジングセクションを備える(例えば、図9(A〜B)に示される)ことができ、この場合、第3のセクションは、第1のセクションと第2のセクションとの間にあり、キャビティを境界付ける側壁を与える。
【0039】
[0048]図1、図2、図5〜図8、図10に示される実施形態において、第1および第2の親水性微多孔膜51、52を備える離間される第1および第2の多孔質フィルタ要素51’、52’を備えるフィルタ50は、ハウジングのキャビティ40内に配置され、この場合、第1および第2のフィルタ要素51’、52’はそれぞれ下流(または外側)面51a、52aと上流(または内側)面51b、52bとを有する。各フィルタ要素が親水性微多孔膜である実施形態では、各フィルタ要素の下流面が各膜の下流面であり、各フィルタ要素の上流面が各膜の上流面である。フィルタが(第1および第2の親水性膜に加えて図示しない)更なるフィルタ要素、例えば、上流繊維プレフィルタ、および/または、繊維要素またはメッシュまたはスクリーンなどの下流支持体を更に備える他の実施形態では、各フィルタ要素の下流面が各支持体の下流面となることができ、かつ/または、各フィルタ要素の上流面が各繊維プレフィルタの上流面となることができる。
【0040】
[0049]上流入口チャンバ5は、第1および第2のフィルタ要素51’、52’の上流面51b、52b間に配置されており(便宜上、以下の説明は51b、52bを膜の上流面と称するが、前述したように上流面は繊維媒体である)、膜の上流面とハウジングの第1のセクションの側壁の内面(舌部の内面を含んでもよい)とによって境界付けられる。図9に示される実施形態において、上流入口チャンバは、第1および第2の膜の上流面間に配置されており、ハウジングの第3のセクションの側壁の内面と膜の上流面とによって境界付けられる。これらの図示の実施形態のそれぞれにおいて、図示の上流チャンバには、第1および第2の膜の上流面間に中実の仕切りがない。
【0041】
[0050]図2Bの断面図を参照のために使用すると(また、ハウジングが3つのセクション、ならびに/または異なるハウジングセクションに関連付けられる入口および出口を有する実施形態に適用できるように)、第1および第2のフィルタ要素はハウジング200内に配置され、また、ハウジングは、入口1、入口通路1a、上流入口チャンバ5、第1の濾液下流チャンバ10、および出口2の間に第1の流体流路151を画定する。この場合、第1のフィルタ要素51’(膜51として示される)が第1の流体流路151を横切って配置される。また、ハウジングは、入口1、入口通路1a、上流入口チャンバ5、第2の濾液下流チャンバ20、出口通路2a、および、出口2の間に第2の流体流路152を画定する。この場合、第2のフィルタ要素52’(膜52として示される)が第2の流体流路152を横切って配置される。図1A、図2B、図5Aは、特に、入口通路1aの下流側にあり、かつ上流入口チャンバ5への入口に隣接する随意的なフローバッフル75も示している。幾つかの実施形態において、フローバッフルは、液体流を偏向させて(例えば、入口チャンバ5の側部へ向けて)、装置のプライミング効率を高める。
【0042】
[0051]フィルタ装置は1つまたは複数の通気孔を備えることが好ましい。この場合、第1のハウジングセクション、および/または第2のハウジングセクションが通気孔を含む。好ましくは、通気孔は、疎水性微多孔通気要素と通気ポートとを備え、より好ましくは、(濾液下流チャンバの壁を形成する内面の部分以外の)ハウジングセクションの内面の一部が通気チャンバの壁を備え、更に好ましくは、通気チャンバは、空気またはガスを通気要素の下流面からハウジングの通気ポートを通して方向付ける少なくとも1つのチャネルを与える複数の隆起部を備える。例えば、図7に示される実施形態は単一の通気孔を備え、その場合、第1の濾液下流チャンバを備える第1のハウジングセクションが通気孔を備える。
【0043】
[0052]装置が少なくとも2つの通気孔を備える実施形態では、第1のハウジングセクションが2つ以上の通気孔を含むことができ、かつ/または、第2のハウジングセクションが2つ以上の通気孔を含むことができる(例えば図8に示される)。より好ましくは、第1および第2のハウジングセクションがそれぞれ1つまたは複数の通気孔を備え(例えば、図1、図5、図6、図9、および図10)、それぞれの通気孔が疎水性微多孔通気要素と通気ポートとを備え、それにより、ガスまたは空気を液体流路から分離して装置から送ることができる。図1Bおよび図5Bは第1の通気チャンバ15を示しており、第1の通気チャンバはそれぞれ第1の通気ポート19と第1の通気微多孔疎水性膜61とを更に備え、これらはガスが第1の通気チャンバの第1の通気膜および第1の通気ポートを通過できるように配置される。図1Aおよび図5Aは第2の通気チャンバ25を示しており、この場合、第2の通気チャンバは、1つまたは複数の第2の通気ポート29と、ガスが第2の通気チャンバの第2の通気ポートと第2の通気要素とを通過できるように配置される第2の通気微多孔疎水性膜62とを更に備える。図6〜図10は第1の通気孔も示しており、また、図6および図8〜図10に示される実施形態は第2の通気孔も示しており、各通気孔は、通気チャンバと、通気ポートと、通気微多孔疎水性膜とを備える。装置ハウジングの壁の外面が陥凹状の通気ポートを含む実施形態では、壁の外面が少なくとも1つの通気スロットも含むことが好ましい。例えば、図1Bおよび図5Bに示される実施形態では、通気ポート29が外周隆起部126の外面からくぼみがつくられており、また、外周隆起部が通気スロット29aを含む。そのような配置は、ハウジングのその側が患者の皮膚、および/または衣類の近傍に配置され、あるいは患者の皮膚、および/または衣類と接触する際に、および/または、ハウジングが患者にテープで貼り付けられてテープが通気ポートを塞ぐ場合があるときに、更に効率的な通気を行なうことができる。図1Aおよび図5Aに示される実施形態において、通気スロット19aはそれぞれ、通気ポート19の近傍または通気ポート19に一端を有するチャネルを備える。
【0044】
[0053]特に図1A、図1B、図5A、図5Bに示される(幾つかの他の例示的な実施形態にも示される)例示的な実施形態において、第1の濾液下流チャネル10の上壁110を備える第1のハウジングセクションの内面110bの少なくとも一部16、および、第2の濾液下流チャネル20の下壁120を備える第2のハウジングセクションの内面120bの少なくとも一部26は、それぞれ、複数のチャネル11a、12aを与える複数の隆起部11(第1の下流チャンバ)、12(第2の下流チャンバ)を備え、チャネルは、第1および第2の膜の下流面から通過する流体を装置の出口通路2aおよび出口2に方向付ける。一般に、隆起部の少なくとも一部は、下流面(図示の下流面は膜として示されている)がチャネルを塞ぐのを防止しつつ液体圧力に抗してフィルタ要素の下流面を支持する。
【0045】
[0054]同様に、特に図1A、図1B、図5A、図5Bに示される(幾つかの他の例示的な実施形態にも示される)ように、第1の通気チャンバ15の上壁110を備える第1のハウジングセクションの内面110aの少なくとも1つの他の部分18、および、第2の通気チャンバ25の下壁120を備える第2のハウジングセクション102の内面の少なくとも1つの他の部分28はそれぞれ、随意的に、ガスを通気要素の下流面からハウジングの通気ポートを通じて方向付ける少なくとも1つのチャネル14a、24aを与える複数の隆起部14、24を備える。通気チャンバが隆起部を含む幾つかの実施形態において、隆起部の少なくとも一部は、下流面がチャネルを塞ぐのを防止しつつ液体圧力に抗して通気要素の下流面を支持することができる。
【0046】
[0055]濾液チャンバの上壁および下壁の内面がそれぞれ3つ以上のチャネルを備えることが好ましく、この場合、随意的に、上壁と関連付けられる少なくとも1つのチャネル、および下壁と関連付けられる少なくとも1つのチャネルは、上壁および下壁と関連付けられ、かつこれらの壁と略平行に配置される少なくとも2つの他のチャネルよりも大きい深さ、および/または幅を有する。幾つかの実施形態において、そのような配置は、出口への更に効率的な濾液流れを促進させる。図1(A〜B)および図5(A〜B)に示される随意的な実施形態において、それぞれの濾液チャンバの中心チャネル11b、12bは、それぞれの濾液チャンバの他のチャネルよりも大きい深さ、および幅を有する。随意的に、図2Dにも示されるように、第1および第2のハウジングチャネルに中心チャネルを形成する隆起部の上端は、フィルタ要素の下流面に対するシールのための隆起ビード11f、12fを含む。
【0047】
[0056]図3に示されるような他の随意的な配置において、隆起部11、12の少なくとも一部は、チャネルに対して角度を成す、またはチャネルに対して略垂直な溝11c、12cを含む。幾つかの実施形態において、そのような配置は、例えば、フィルタ要素の下流面領域と殆ど接触しないようにして遮蔽部を低減することによって、より効果的な濾過面を与えてもよい。
【0048】
[0057]図5A〜図5Bに示されるフィルタ装置の実施形態は、図1A〜図1Bに示される実施形態とほぼ同様であるが、図5Aおよび図5Bに示される実施形態では、各濾液チャンバの中心チャネル11b、12bがチャネル長さの大部分(より好ましくは、少なくとも約60%)にわたってチャネル壁11d、12dにより覆われ、それにより、中実の側壁、下壁、および上壁が管状構造を形成する(図2Dおよび図5Cはそれぞれの中心チャネルの断面図を示している)。例えば、チャネル壁は、長さの少なくとも約60%、図示の実施形態では更に好ましくは長さの少なくとも約90%を覆うことができ、それにより、流体がチャネルに入るための開口がシールされたチューブに設けられ、チューブの長さの残りがシールされる。幾つかの実施形態において、そのような配置は、液体がチャネルを通して流れる前に液体からの空気の分離を更に効率的に行なうことができる。図5Cに示される実施形態において、膜の下流面と対向するチャネル壁11d、12dの面は、壁の長さの一部に沿って、他のチャネルと略平行に延びる僅かな中心凹部11e、12eを有する。
【0049】
[0058]前述したように、図2Dに示される実施形態では、随意的に、第1および第2のハウジングチャネルに中心チャネルを形成する隆起部の上端は、フィルタ要素の下流面に対するシールのための隆起ビード11f、12fを含むように形成される。第1および第2のハウジングチャネルに中心チャネルを形成する隆起部を第1の要素の下流面に対してシールすると、液体がチャネルを通して流れる前にプライミングのための、および液体から空気を更に効率的に分離するための管状構造を与えることもできる。
【0050】
[0059]入口および出口は、同じハウジングセクションと関連付けることができ(例えば、図1、図4、図5、図7〜図10に示される)、あるいは、異なるハウジングセクションと関連付けることができる(例えば、図6に示される)。これに代えてあるいはこれに加えて、ハウジングセクションは、一体に取り付けられる入口、および/または出口を含むことができ(例えば、ハウジングは、図1、図5、図7〜図9に示されるように、入口、および/または出口を含んで形成される)、ハウジングセクションは、別個に取り付けられる入口、および/または出口を更に備えることができ(例えば、第1および第2のハウジングセクションの両方に取り付けられる出口の構成要素を示す図10に示されるように)、あるいは、ハウジングが配置の組み合わせを含むことができる。例えば、ハウジングセクションが一体に取り付けられる入口(または出口)を含むことができ、また、ハウジングセクション、または異なるハウジングセクションが別個に取り付けられる出口(または入口)を更に備えることができる。
【0051】
[0060]図示のフィルタ装置のうちの多くにおける入口および出口は雄コネクタとして示されているが、本発明はそのように限定されず、例えば、図4は雌コネクタを備える入口を示す。雄コネクタおよび雌コネクタを含む様々なコネクタが、ルアー取付具(図4は、ルアー取付具を備える入口を示している)を含めて、適しており、当技術分野において知られている。
【0052】
[0061]フィルタ装置の実施形態は、更なる構造、例えば、ブラケット、クリップ、および/または、例えば支持のためあるいは流体投与を容易にするための衣類、寝具類、および/または、他の構造体に取り付くためのアイレットのうちの1つまたは複数を含むことができる。例えば、図4に示されるように、ハウジングは、図では患者の衣類、寝具類、または患者に取り付けられる他の構造体(例えば、プラスチックループ)に対して装置を取り付けるための交互に対向される歯701a、701bを備えるアーム701を備えるクリップ700(第1のハウジングセクションに取り付けられて示されている)を更に含む。他の例示的な代替的手段において、フィルタ装置のハウジングは、図では使用中にフィルタ装置を支持体に吊るすための開口を備えるアイレットを更に備えることができる。
【0053】
[0062]様々な多孔質材料が本発明の実施形態によるフィルタ要素(プレフィルタ要素および支持体を含む)、および通気要素としての使用に適しており、また、適した多孔質材料が当技術分野において知られている。フィルタ要素および通気要素が微多孔膜を備えることが好ましく、また、様々な適した膜が当該技術分野において知られている。
【0054】
[0063]また、フィルタがスクリーン、またはメッシュを備える支持体を更に備える実施形態では、様々な材料が支持体としての使用に適しており、また、適した材料が当該技術分野において知られている。
【0055】
[0064]フィルタ要素としての使用に適した親水性膜は、高分子膜を含む。適した高分子としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド(例えば、任意のナイロン、例えば、ナイロン6、11、46、66、610)、ポリイミド、スルホン(例えば、ポリエーテルスルホン、ビスフェノールAポリスルホン、ポリアリールスルホン、および、ポリフェニルスルホンなどの芳香族ポリスルホンを含むポルスルホン)、ポリビニリデンハロゲン化物(ポリビニリデンフッ化物(PVDF)を含む)、アクリル、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリアリレン酸化物および硫化物、および、ハロゲン化オレフィンと不飽和ニトリルとから形成される高分子および共重合体が挙げられるが、これらに限定されない。例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)が挙げられるが、これらに限定されない。また、好ましい高分子は、ポリスルホン、ポリオレフィン、ポリエステル、および、ポリアミドである。
【0056】
[0065]他の適した材料としては、セルロース誘導体、例えば、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、および、酪酸セルロースが挙げられる。ガラス繊維などの非樹脂性材料が使用されてもよい。
【0057】
[0066]典型的な膜は米国特許第4,702,840号明細書、および第4,900,499に開示される。米国特許第4,906,374号明細書、第4,886,836号明細書、第4,964,989号明細書、第5,019,260号明細書、第4,340,479号明細書、第4,855,163号明細書、第4,744,132号明細書、第4,707,266号明細書、第4,203,848号明細書、第4,618,533号明細書、第6,039,872号明細書、第6,780,327号明細書、第6,783,937号明細書、および第7,189,322号明細書に開示される膜を含む他の膜が適する場合もある。
【0058】
[0067]繊維媒体、例えば、米国特許第5,133,878号明細書に開示されるような不織媒体が適する場合もある。
【0059】
[0068]特に好ましいのは、SUPOR(登録商標)、VERSAPOR(登録商標)、POSIDYNE(登録商標)の下でPall社から入手できる媒体などの市販の媒体である。ULTIPOR N66(登録商標)、ULTIPOR(登録商標)、FLUORODYNE(登録商標)、LOPRODYNE(登録商標)、CARBOXYDYNE(登録商標)、IMMUNODYNE(登録商標)、BIODYNE A(登録商標)、BIODYNE B(登録商標)、BIODYNE C(登録商標)、MUSTANG(登録商標)の下でPall社から入手できる膜などの市販の膜、ならびに、HDC(登録商標)の下でPall社から入手できる繊維媒体などの市販の繊維媒体が適する場合もある。
【0060】
[0069]通気膜としての使用に適する疎水性膜は高分子膜を含む。適した高分子としては、ポリオレフィン、特にポリプロピレンおよびポリメチルペンテン;ペルフルオロポリオレフィン、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、および、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)が挙げられるが、これらに限定されない。適した膜としては、国際公開第91/17809号パンフレット、ならびに米国特許第5,126,054号明細書および米国特許第5,451,321号明細書に開示される膜が挙げられるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態において、通気膜は、国際公開第91/17809号パンフレットならびに米国特許第5,126,054号明細書および米国特許第5,451,321号明細書に開示されるような多層疎水性膜および多層親水性膜を備えることができる。多層膜を備える実施形態では、親水性膜が液体に面し、また、多層膜によって、親水性膜が液体と接触するあるいは液体によって覆われるまで、空気またはガスが通過できる。
【0061】
[0070]フィルタ要素、および/または通気膜は、任意の適した細孔構造、例えば、細孔サイズ(例えば、沸点によって、または、例えば米国特許第4,340,479号明細書に記載されるようなKLによって明らかにされるように、または、毛管凝縮流細孔計によって明らかにされるように)、細孔率、孔径(例えば、米国第特許4,925,572号明細書に記載されるような改良されたOSU F2テストを使用して特徴付けられるとき)、または、流体が要素に通されるときに1つまたは複数の対象物質を減少させ、もしくは対象物質がそこを通過できるようにする除去速度を有することができる。使用される細孔構造は、処理されるべき流体の組成、および処理された流体の望ましい排出レベルによって決まる。フィルタおよび通気孔は、複数の層状媒体または複合媒体を備えることができる。
【0062】
[0071]フィルタ要素の細孔構造は、当技術分野において知られるように、フィルタ装置の用途、および濾過されるべき流体に基づいて選択される。一般に、フィルタ要素は約5ミクロン以下の孔径を有する。フィルタが殺菌フィルタである幾つかの実施形態では、孔径が例えば約0.2ミクロンである。
【0063】
[0072]通気膜の細孔構造、例えば細孔率は、例えば利用される作動圧でIV流体がそこを通過できないようにするために、当該技術分野において知られるように選択されるのが好ましい。例えば、通気膜の細孔率は、一般的には約0.3ミクロン以下、より好ましくは0.2ミクロン以下、例えば約0.2ミクロン〜約0.02ミクロンの範囲内である。通気孔は複数の層状膜または複合膜を備えることができる。
【0064】
[0073]フィルタ要素および通気膜は、任意の望ましい臨界湿潤表面張力(例えば米国特許第4,925,572号明細書に規定されるCWST)を有することができる。一般に、フィルタ要素は、約72ダイン/cm(約72×10−5N/cm)以上、幾つかの実施形態では約80ダイン/cm(約84×10−5N/cm)以上のCWSTを有する。フィルタが殺菌フィルタである幾つかの実施形態において、フィルタ要素は、約84ダイン/cm(約84×10−5N/cm)〜約90ダイン/cm(約90×10−5N/cm)またはこれを超える範囲のCWSTを有する。一般に、通気膜は、約22ダイン/cm〜約24ダイン/cm(約22×10−5N/cm〜約24×10−5N/cm)の範囲のCWSTを有するが、CWSTを更に高くまたは低くすることができる。
【0065】
[0074]フィルタ要素、および/または通気膜、および/またはハウジングの内面の表面特性は、湿式酸化または乾式酸化によって、高分子を表面上にコーティングまたは堆積することによって、あるいは、グラフト反応によって改質することができる(例えば、CWSTに影響を及ぼすために、表面電荷、例えばプラス電荷またはマイナス電荷を含むため、および/あるいは、表面の極性、親水性、または疎水性を変えるため)。改質は、例えば、照射、極性単量体または荷電単量体、荷電ポリマーで表面をコーティングまたは硬化すること、および、化学的改質を行なって官能基を表面上に付着させることを含む。グラフト反応は、ガスプラズマ、蒸気プラズマ、コロナ放電、加熱、ヴァンデグラフ起電機、紫外光、電子ビームなどのエネルギー源、または、様々な他の形態の放射線に晒すことによって、あるいは、プラズマ処理を使用する表面エッチングまたは蒸着によって活性化されてもよい。
【0066】
[0075]装置の全流体充填量は、例えば、濾過される流体、意図される用途、および、濾過された流体が投与されるべきかどうか、被検者または患者(例えば、新生児 対 成人)に応じて変化してもよい。典型的な充填量は、例えば約0.1cc〜約5ccの範囲内であってもよい。幾つかの実施形態において、下流濾液チャンバの全充填量は、約2cc以下であり、好ましくは約1.5cc以下である。
【0067】
[0076]本発明の一実施形態によれば、フィルタ装置をプライミングする方法は、例えば重力またはポンプによって装置に液体を充填するステップを含む。装置が少なくとも1つの通気孔を備える実施形態では、装置は、自己プライミングまたは自動プライミングするステップが好ましい。すなわち、充填中に装置をひっくり返す必要がない。例えば、必要に応じて、入口が上向きに配置され、かつ出口が下向きに配置された状態で装置を垂直に吊るすことができる。上流入口チャンバを下から上へ充填することができ、また、空気またはガスが通気膜および通気ポートを通じて外側環境へ移動される。濾過された流体が下流濾液チャンバを満たし、また、濾過されない流体は、上流入口チャンバが液体で満たされるまで空気またはガスを、通気膜を通じて移動させ続ける。
【0068】
[0077]流体は、任意の適した期間にわたって本発明の実施形態にしたがって処理されてもよい。
【0069】
[0078]本明細書中で挙げられる公報、特許出願、および特許を含む全ての文献は、あたかもそれぞれの文献が参照することにより本願に組み入れられるように個別に、かつ具体的に示され、かつその全体が本明細書中に記載されているかのように同じ程度まで参照することにより本願に組み入れられる。
【0070】
[0079]本発明を説明する文脈における(特に以下の特許請求の範囲の文脈における)用語「1つの(a,an)」、および「その(the)」、および同様の指示対象の使用は、本明細書中で他のことが示唆されていなければ、または文脈によって明らかに矛盾しなければ、単数および複数の両方を網羅するように解釈されるべきである。用語「備える」、「有する」、「含む」、および「包含する」は、他に言及されていなければ、開放型の用語(すなわち、「含むがそれらに限定されない」ことを意味する)として解釈されるべきである。本明細書中の値の範囲の列挙は、本明細書中で他のことが示唆されていなければ、その範囲内に入るそれぞれの別個の値を個別に示す省略法としての役目を果たそうとしているにすぎず、また、それぞれの別個の値は、あたかもそれがここに個別に列挙されているかのうように明細書中に組み入れられる。本明細書中に記載される全ての方法は、本明細書中で他のことが示唆されていなければ、または文脈によって明らかに矛盾しなければ、任意の適した順序で行なうことができる。本明細書中で与えられる任意のおよび全ての例または典型的な言語(例えば「など」)の使用は、本発明をより良く説明しようとしているにすぎず、他に主張されていなければ本発明の範囲を限定するものではない。明細書中の言語は、請求項に記載されない任意の要素を本発明の実施に不可欠なものとして示していると解釈されるべきではない。
【0071】
[0080]本明細書では、本発明を実施するために発明者等に知られる最良の形態を含むこの発明の好ましい実施形態について説明してきた。これらの好ましい実施形態の変形形態は、以上の説明を読むと当業者に明らかになり得る。発明者等は、当業者がそのような変形を必要に応じて使用することを予期し、また、発明者等は、本明細書に具体的に説明される以外の方法で本発明が実施されることを意図する。したがって、この発明は、適用できる法律によって許容されるような本明細書に添付される特許請求の範囲に記載される主題の全ての変更形態および等価物を含む。また、前述した要素のその全ての想定し得る変形形態における任意の組み合わせは、本明細書中で他のことが示唆されていなければ、または文脈によって明らかに矛盾しなければ、本発明によって包含される。
【符号の説明】
【0072】
1…入口、1a…入口通路、2…出口、2a…出口通路、5…上流入口チャンバ、10、20…濾液下流チャンバ、11、12、14、24…隆起部、11a、12a、14a、24a…チャネル、11b、12b…中心チャネル、11c、12c、128…溝、11d、12d…チャネル壁、11e、12e…中心凹部、11f、12f…隆起ビード、15、25…通気チャンバ、16…上壁の内面の部分、18…上壁の内面の他の部分、19…通気ポート、26…下壁の内面の部分、28…下壁の内面の他の部分、29…通気ポート、40…キャビティ、50…フィルタ、51、52…親水性微多孔膜、51a、52a…下流(または外側)面、51b、52b…上流(または内側)面、51’、52’…多孔質フィルタ要素、61、62…通気微多孔疎水性膜、75…フローバッフル、101、102、…ハウジングセクション、110…上壁、110a、115a、115’a、125a、125’a…外面、110b、115b、115’b、125b、125’b…内面、115、125、125’…側壁、118…舌部、118a、118’a…舌部外面、118b、118’b…舌部内面、120…下壁、126…外周隆起部、151、152…流体流路、200…ハウジング、500…フィルタ装置、700…クリップ、701…アーム、701a、701b…歯
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のセクションと第2のセクションとを備えるハウジングを備え、(i)前記第1のセクションが、外面および内面を備える上壁と、少なくとも1つの側壁とを備え、前記第1のセクションが第1の濾液下流チャンバと第1の通気チャンバとを含み、前記第1の濾液下流チャンバが前記上壁の前記内面の一部を含み、前記第1の通気チャンバが前記上壁の前記内面の他の部分を含み、(ii)前記第2のセクションが、外面および内面を備える下壁と、少なくとも1つの側壁とを備え、前記第2のセクションが第2の濾液下流チャンバと第2の通気チャンバとを含み、前記第2の濾液下流チャンバが前記下壁の前記内面の一部を含み、前記前記第2の通気チャンバが下壁の前記内面の他の部分を含み、
前記ハウジングが、入口および出口と、前記上壁および下壁の前記内面、ならびに前記第1のセクションおよび/または前記第2のセクションの少なくとも1つの側壁の内面によって境界付けられるキャビティとを更に備え、
フィルタが、少なくとも、互いに離間された第1の多孔質のフィルタ要素および第2の多孔質のフィルタ要素を備え、前記第1のフィルタ要素および前記第2のフィルタ要素がそれぞれ親水性膜を備え、前記第1のフィルタ要素および前記第2のフィルタ要素がそれぞれ上流面および下流面を有し、第前記1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切って前記ハウジング内に配置され、前記第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切って前記ハウジング内に配置され、
前記ハウジングが前記キャビティ内に上流入口チャンバを含み、前記上流入口チャンバが、前記第1のフィルタ要素および前記第2のフィルタ要素の前記上流面間にあって、前記第1のセクションおよび/または前記第2のセクションの少なくとも1つの側壁の前記内面と前記フィルタ要素の前記上流面とによって境界付けられ、前記上流チャンバが、前記第1のフィルタ要素および前記第2のフィルタ要素の前記上流面間に中実の仕切りがなく、
前記ハウジングが、前記入口、前記上流入口チャンバ、前記第1の濾液下流チャンバ、および、前記出口の間に前記第1の流体流路を画定し、前記第1のフィルタ要素が前記第1の流体流路を横切って配置され、また、前記ハウジングが、前記入口、前記上流入口チャンバ、前記第2の濾液下流チャンバ、および前記出口の間に第2の流体流路を画定し、前記第2のフィルタ要素が前記第2の流体流路を横切って配置される、フィルタ装置。
【請求項2】
第1のセクションと第2のセクションとを備えるハウジングを備え、前記第1のセクションが外面および内面を備える上壁を備え、第1のセクションが第1の濾液下流チャンバと第1の通気チャンバとを含み、前記第1の濾液下流チャンバが前記上壁の前記内面の一部を含み、前記第1の通気チャンバが前記上壁の前記内面の他の部分を含み、前記第2のセクションが、外面および内面を備える下壁を備え、前記第2のセクションが第2の濾液下流チャンバと第2の通気チャンバとを含み、前記第2の濾液下流チャンバが前記下壁の前記内面の一部を含み、前記第2の通気チャンバが前記下壁の前記内面の他の部分を含み、
前記ハウジングが、入口および出口と、対向する第1の側壁および対向する第2の側壁とを更に備え、前記第1のセクションおよび/または前記第2のセクションが内面を有する対向する第1の側壁を備え、前記第1のセクションおよび/または前記第2のセクションが内面を有する対向する第2の側壁を備え、前記ハウジングが、前記上壁、下壁、および側壁の前記内面によって境界付けられるキャビティを備え、
フィルタが、少なくとも、互いに離間された第1の多孔質のフィルタ要素および第2の多孔質のフィルタ要素を備え、第1のフィルタ要素がそれぞれ親水性膜を備え、前記第1のフィルタ要素および前記第2のフィルタ要素がそれぞれ上流面および下流面を有し、前記第1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切って前記ハウジング内に配置され、前記第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切って前記ハウジング内に配置され、
前記ハウジングが、前記キャビティ内に上流入口チャンバを含み、前記上流入口チャンバが、前記第1のフィルタ要素および前記第2のフィルタ要素の前記上流面間にあって、前記側壁の前記内面と前記フィルタ要素の前記上流面とによって境界付けられ、前記上流チャンバが、前記第1のフィルタ要素および前記第2のフィルタ要素の前記上流面間に中実の仕切りがなく、
前記ハウジングが、前記入口、前記上流入口チャンバ、前記第1の濾液下流チャンバ、および、前記出口の間に前記第1の流体流路を画定し、前記第1のフィルタ要素が前記第1の流体流路を横切って配置され、また、前記ハウジングが、前記入口、前記上流入口チャンバ、前記第2の濾液下流チャンバ、および前記出口の間に前記第2の流体流路を画定し、前記第2のフィルタ要素が前記第2の流体流路を横切って配置される、フィルタ装置。
【請求項3】
第1のセクションと第2のセクションとを備えるハウジングを備え、(i)前記第1のセクションが、外面および内面を備える上壁と、少なくとも1つの側壁とを備え、前記第1のセクションが第1の濾液下流チャンバを含み、前記第1の濾液下流チャンバが前記上壁の前記内面の一部を含み、(ii)前記第2のセクションが、外面および内面を備える下壁と、少なくとも1つの側壁とを備え、前記第2のセクションが第2の濾液下流チャンバを含み、前記第2の濾液下流チャンバが前記下壁の前記内面の一部を含み、
前記ハウジングが、入口および出口と、前記上壁および下壁の前記内面ならびに前記第1のセクションおよび/または前記第2のセクションの少なくとも1つの側壁の内面によって境界付けられるキャビティとを更に備え、
フィルタが、少なくとも、互いに離隔された第1の多孔質のフィルタ要素および第2の多孔質のフィルタ要素を備え、各フィルタ要素が親水性膜を備え、前記第1のフィルタ要素および前記第2のフィルタ要素がそれぞれ上流面および下流面を有し、前記第1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切って前記ハウジング内に配置され、前記第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切って前記ハウジング内に配置され、
前記ハウジングが前記キャビティ内に上流入口チャンバを含み、前記上流入口チャンバが、前記第1のフィルタ要素および前記第2のフィルタ要素の前記上流面間にあって、前記第1のセクションおよび/または前記第2のセクションの少なくとも1つの側壁の前記内面と前記フィルタ要素の前記上流面とによって境界付けられ、
前記ハウジングが、前記入口、前記上流入口チャンバ、前記第1の濾液下流チャンバ、および前記出口の間に前記第1の流体流路を画定し、前記第1のフィルタ要素が前記第1の流体流路を横切って配置され、また、前記ハウジングが、前記入口、前記上流入口チャンバ、前記第2の濾液下流チャンバ、および前記出口の間に前記第2の流体流路を画定し、前記第2のフィルタ要素が前記第2の流体流路を横切って配置され、
前記第1の濾液下流チャンバの前記上壁内面および前記第2の濾液下流チャンバの前記下壁内面のそれぞれが、複数のチャネルを与える複数の隆起部を備え、前記チャネルが、流体を前記第1のフィルタ要素および前記第2のフィルタ要素の前記下流面から前記ハウジング出口に方向付け、前記第1の濾液下流チャンバの前記上壁内面および前記第2の濾液下流チャンバの前記下壁内面のそれぞれが、他のチャネルよりも幅広い、および/または深い中心チャネルを備え、各中心チャネルが、各中心チャネルの長さの少なくとも大部分にわたって閉じられたチューブを形成する側壁、上壁、および下壁を有する、フィルタ装置。
【請求項4】
前記第1の通気チャンバが、第1の通気ポートと、第1の微多孔通気要素を含む第1の通気孔とを更に備え、これらが、ガスが前記第1の通気要素および前記第1の通気ポートを通過できるように配置され、前記第2の通気チャンバが、第2の通気ポートと、第2の微多孔通気要素を含む第2の通気孔とを更に備え、これらが、ガスが前記第2の通気要素および前記第2の通気ポートを通過できるように配置される請求項1〜3のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
【請求項5】
前記第1の前記濾液下流チャンバの上壁の少なくとも一部、および前記第2の濾液下流チャンバの前記下壁の少なくとも一部が透明または半透明である請求項1〜4のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
【請求項6】
前記第1の前記濾液下流チャンバの上壁内面、および前記第2の濾液下流チャンバの前記下壁内面がそれぞれ複数のチャネルを与える複数の隆起部を備え、前記チャネルが、流体を前記第1のフィルタ要素および前記第2のフィルタ要素の前記下流面から前記ハウジング出口に方向付ける請求項1または2に記載のフィルタ装置。
【請求項7】
前記第1の濾液下流チャンバの前記上壁内面、および前記第2の濾液下流チャンバの前記下壁内面がそれぞれ、他のチャネルよりも幅広い、および/または深い中心チャネルを備える請求項6に記載のフィルタ装置。
【請求項8】
各中心チャネルが、各チャネルの長さの少なくとも大部分にわたって閉じられたチューブを形成する側壁、上壁、および、下壁を有する請求項7に記載のフィルタ装置。
【請求項9】
各中心チャネルを与える前記隆起部が前記フィルタ要素の前記下流面に対してシールされる請求項7に記載のフィルタ装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載のフィルタ装置に流体を通過させるステップを含む、流体を濾過する方法。
【請求項1】
第1のセクションと第2のセクションとを備えるハウジングを備え、(i)前記第1のセクションが、外面および内面を備える上壁と、少なくとも1つの側壁とを備え、前記第1のセクションが第1の濾液下流チャンバと第1の通気チャンバとを含み、前記第1の濾液下流チャンバが前記上壁の前記内面の一部を含み、前記第1の通気チャンバが前記上壁の前記内面の他の部分を含み、(ii)前記第2のセクションが、外面および内面を備える下壁と、少なくとも1つの側壁とを備え、前記第2のセクションが第2の濾液下流チャンバと第2の通気チャンバとを含み、前記第2の濾液下流チャンバが前記下壁の前記内面の一部を含み、前記前記第2の通気チャンバが下壁の前記内面の他の部分を含み、
前記ハウジングが、入口および出口と、前記上壁および下壁の前記内面、ならびに前記第1のセクションおよび/または前記第2のセクションの少なくとも1つの側壁の内面によって境界付けられるキャビティとを更に備え、
フィルタが、少なくとも、互いに離間された第1の多孔質のフィルタ要素および第2の多孔質のフィルタ要素を備え、前記第1のフィルタ要素および前記第2のフィルタ要素がそれぞれ親水性膜を備え、前記第1のフィルタ要素および前記第2のフィルタ要素がそれぞれ上流面および下流面を有し、第前記1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切って前記ハウジング内に配置され、前記第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切って前記ハウジング内に配置され、
前記ハウジングが前記キャビティ内に上流入口チャンバを含み、前記上流入口チャンバが、前記第1のフィルタ要素および前記第2のフィルタ要素の前記上流面間にあって、前記第1のセクションおよび/または前記第2のセクションの少なくとも1つの側壁の前記内面と前記フィルタ要素の前記上流面とによって境界付けられ、前記上流チャンバが、前記第1のフィルタ要素および前記第2のフィルタ要素の前記上流面間に中実の仕切りがなく、
前記ハウジングが、前記入口、前記上流入口チャンバ、前記第1の濾液下流チャンバ、および、前記出口の間に前記第1の流体流路を画定し、前記第1のフィルタ要素が前記第1の流体流路を横切って配置され、また、前記ハウジングが、前記入口、前記上流入口チャンバ、前記第2の濾液下流チャンバ、および前記出口の間に第2の流体流路を画定し、前記第2のフィルタ要素が前記第2の流体流路を横切って配置される、フィルタ装置。
【請求項2】
第1のセクションと第2のセクションとを備えるハウジングを備え、前記第1のセクションが外面および内面を備える上壁を備え、第1のセクションが第1の濾液下流チャンバと第1の通気チャンバとを含み、前記第1の濾液下流チャンバが前記上壁の前記内面の一部を含み、前記第1の通気チャンバが前記上壁の前記内面の他の部分を含み、前記第2のセクションが、外面および内面を備える下壁を備え、前記第2のセクションが第2の濾液下流チャンバと第2の通気チャンバとを含み、前記第2の濾液下流チャンバが前記下壁の前記内面の一部を含み、前記第2の通気チャンバが前記下壁の前記内面の他の部分を含み、
前記ハウジングが、入口および出口と、対向する第1の側壁および対向する第2の側壁とを更に備え、前記第1のセクションおよび/または前記第2のセクションが内面を有する対向する第1の側壁を備え、前記第1のセクションおよび/または前記第2のセクションが内面を有する対向する第2の側壁を備え、前記ハウジングが、前記上壁、下壁、および側壁の前記内面によって境界付けられるキャビティを備え、
フィルタが、少なくとも、互いに離間された第1の多孔質のフィルタ要素および第2の多孔質のフィルタ要素を備え、第1のフィルタ要素がそれぞれ親水性膜を備え、前記第1のフィルタ要素および前記第2のフィルタ要素がそれぞれ上流面および下流面を有し、前記第1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切って前記ハウジング内に配置され、前記第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切って前記ハウジング内に配置され、
前記ハウジングが、前記キャビティ内に上流入口チャンバを含み、前記上流入口チャンバが、前記第1のフィルタ要素および前記第2のフィルタ要素の前記上流面間にあって、前記側壁の前記内面と前記フィルタ要素の前記上流面とによって境界付けられ、前記上流チャンバが、前記第1のフィルタ要素および前記第2のフィルタ要素の前記上流面間に中実の仕切りがなく、
前記ハウジングが、前記入口、前記上流入口チャンバ、前記第1の濾液下流チャンバ、および、前記出口の間に前記第1の流体流路を画定し、前記第1のフィルタ要素が前記第1の流体流路を横切って配置され、また、前記ハウジングが、前記入口、前記上流入口チャンバ、前記第2の濾液下流チャンバ、および前記出口の間に前記第2の流体流路を画定し、前記第2のフィルタ要素が前記第2の流体流路を横切って配置される、フィルタ装置。
【請求項3】
第1のセクションと第2のセクションとを備えるハウジングを備え、(i)前記第1のセクションが、外面および内面を備える上壁と、少なくとも1つの側壁とを備え、前記第1のセクションが第1の濾液下流チャンバを含み、前記第1の濾液下流チャンバが前記上壁の前記内面の一部を含み、(ii)前記第2のセクションが、外面および内面を備える下壁と、少なくとも1つの側壁とを備え、前記第2のセクションが第2の濾液下流チャンバを含み、前記第2の濾液下流チャンバが前記下壁の前記内面の一部を含み、
前記ハウジングが、入口および出口と、前記上壁および下壁の前記内面ならびに前記第1のセクションおよび/または前記第2のセクションの少なくとも1つの側壁の内面によって境界付けられるキャビティとを更に備え、
フィルタが、少なくとも、互いに離隔された第1の多孔質のフィルタ要素および第2の多孔質のフィルタ要素を備え、各フィルタ要素が親水性膜を備え、前記第1のフィルタ要素および前記第2のフィルタ要素がそれぞれ上流面および下流面を有し、前記第1のフィルタ要素が第1の流体流路を横切って前記ハウジング内に配置され、前記第2のフィルタ要素が第2の流体流路を横切って前記ハウジング内に配置され、
前記ハウジングが前記キャビティ内に上流入口チャンバを含み、前記上流入口チャンバが、前記第1のフィルタ要素および前記第2のフィルタ要素の前記上流面間にあって、前記第1のセクションおよび/または前記第2のセクションの少なくとも1つの側壁の前記内面と前記フィルタ要素の前記上流面とによって境界付けられ、
前記ハウジングが、前記入口、前記上流入口チャンバ、前記第1の濾液下流チャンバ、および前記出口の間に前記第1の流体流路を画定し、前記第1のフィルタ要素が前記第1の流体流路を横切って配置され、また、前記ハウジングが、前記入口、前記上流入口チャンバ、前記第2の濾液下流チャンバ、および前記出口の間に前記第2の流体流路を画定し、前記第2のフィルタ要素が前記第2の流体流路を横切って配置され、
前記第1の濾液下流チャンバの前記上壁内面および前記第2の濾液下流チャンバの前記下壁内面のそれぞれが、複数のチャネルを与える複数の隆起部を備え、前記チャネルが、流体を前記第1のフィルタ要素および前記第2のフィルタ要素の前記下流面から前記ハウジング出口に方向付け、前記第1の濾液下流チャンバの前記上壁内面および前記第2の濾液下流チャンバの前記下壁内面のそれぞれが、他のチャネルよりも幅広い、および/または深い中心チャネルを備え、各中心チャネルが、各中心チャネルの長さの少なくとも大部分にわたって閉じられたチューブを形成する側壁、上壁、および下壁を有する、フィルタ装置。
【請求項4】
前記第1の通気チャンバが、第1の通気ポートと、第1の微多孔通気要素を含む第1の通気孔とを更に備え、これらが、ガスが前記第1の通気要素および前記第1の通気ポートを通過できるように配置され、前記第2の通気チャンバが、第2の通気ポートと、第2の微多孔通気要素を含む第2の通気孔とを更に備え、これらが、ガスが前記第2の通気要素および前記第2の通気ポートを通過できるように配置される請求項1〜3のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
【請求項5】
前記第1の前記濾液下流チャンバの上壁の少なくとも一部、および前記第2の濾液下流チャンバの前記下壁の少なくとも一部が透明または半透明である請求項1〜4のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
【請求項6】
前記第1の前記濾液下流チャンバの上壁内面、および前記第2の濾液下流チャンバの前記下壁内面がそれぞれ複数のチャネルを与える複数の隆起部を備え、前記チャネルが、流体を前記第1のフィルタ要素および前記第2のフィルタ要素の前記下流面から前記ハウジング出口に方向付ける請求項1または2に記載のフィルタ装置。
【請求項7】
前記第1の濾液下流チャンバの前記上壁内面、および前記第2の濾液下流チャンバの前記下壁内面がそれぞれ、他のチャネルよりも幅広い、および/または深い中心チャネルを備える請求項6に記載のフィルタ装置。
【請求項8】
各中心チャネルが、各チャネルの長さの少なくとも大部分にわたって閉じられたチューブを形成する側壁、上壁、および、下壁を有する請求項7に記載のフィルタ装置。
【請求項9】
各中心チャネルを与える前記隆起部が前記フィルタ要素の前記下流面に対してシールされる請求項7に記載のフィルタ装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載のフィルタ装置に流体を通過させるステップを含む、流体を濾過する方法。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【公開番号】特開2012−192178(P2012−192178A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−50784(P2012−50784)
【出願日】平成24年3月7日(2012.3.7)
【出願人】(596064112)ポール・コーポレーション (70)
【氏名又は名称原語表記】Pall Corporation
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−50784(P2012−50784)
【出願日】平成24年3月7日(2012.3.7)
【出願人】(596064112)ポール・コーポレーション (70)
【氏名又は名称原語表記】Pall Corporation
【Fターム(参考)】
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