説明

点灯装置およびそれを備えた照明器具

【課題】サージ電流を低減可能としながらも損失を低減することができる点灯装置およびそれを備えた照明器具を提供する。
【解決手段】制御部5は、第1および第2の切替スイッチ61,62をそれぞれオン・オフ制御することにより、直流電源回路3と発光素子20との間のサージ低減回路6のインピーダンス値を切り替える。制御部5は、調光点灯モード時にスイッチング素子4を駆動するPWM信号の有無によって、全点灯モードと調光点灯モードとを区別し、これらの点灯モードに応じて最適値となるようにインピーダンス値を切り替える。つまり、制御部5は、調光点灯モードではサージ低減回路6のインピーダンスを大きくしてサージ電流の低減を図り、全点灯モードではサージ低減回路6のインピーダンスを小さくして損失を低減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子を点灯させる点灯装置およびそれを備えた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、有機EL(ElectroLuminescence)やLED(Light EmittingDiode)などの発光素子に直流電圧を印加して発光素子を点灯させる点灯装置が提供されている。この種の点灯装置には、所望の直流電圧を出力する直流電源回路(直流電源手段)と、直流電源回路と発光素子(有機EL素子)との間に挿入されたスイッチング素子とを有した点灯装置がある(たとえば特許文献1参照)。特許文献1に記載の点灯装置は、スイッチング素子のデューティ比を可変的に制御することで発光素子の光出力を変化させることができるように構成されている。
【0003】
ただし、たとえば有機ELからなる発光素子を点灯させる点灯装置においては、有機ELは容量性の素子であるため、直流電源回路の出力がオンまたはオフする際、発光素子の容量成分によりサージ電流が流れることがある。これに対して、直流電源とEL素子部との間にコイルや抵抗を挿入することによって、EL素子部の電流の立ち上がりや立ち下がりを緩和することが考えられている(たとえば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−265805号公報
【特許文献2】特許第4359959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、スイッチング素子のスイッチングによる調光点灯と、スイッチング素子を連続してオンする全点灯とが切替可能な点灯装置においては、全点灯時には、サージ電流の影響はないので上述したコイルや抵抗は単に損失増大の原因となる。すなわち、点灯装置が、サージ電流の影響が小さい点灯モード(たとえば全点灯モード)で動作しているときには、コイルや抵抗は特に効果をもたらさず、かえってコイルや抵抗で発生する損失が問題になることがある。
【0006】
本発明は上記事由に鑑みて為されており、サージ電流を低減可能としながらも損失を低減することができる点灯装置およびそれを備えた照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の点灯装置は、発光素子に電圧を印加する電源回路と、前記電源回路と前記発光素子との間に挿入され前記発光素子への前記電源回路の出力を制御するスイッチング素子と、インピーダンス素子を有し前記電源回路と前記発光素子との間に挿入されるサージ低減回路とを備え、前記スイッチング素子のスイッチングにより前記発光素子の光出力を変化させる調光点灯モードを含む複数の点灯モードで動作可能であって、前記サージ低減回路は、前記電源回路と前記発光素子との間のインピーダンス値を前記点灯モードに応じて切り替える切替部を有することを特徴とする。
【0008】
この点灯装置において、前記サージ低減回路は、前記電源回路と前記発光素子との間において前記インピーダンス素子の接続関係を切り替える切替スイッチとを有し、前記切替部は前記切替スイッチを制御することにより前記インピーダンス値を切り替えることが望ましい。
【0009】
この点灯装置において、複数のグループに分けられた複数個の前記発光素子に対して前記電源回路の出力が前記グループごとに印加されるように、前記スイッチング素子は前記グループごとに個別に設けられていることがより望ましい。
【0010】
この点灯装置において、前記サージ低減回路は、前記複数の前記グループの各々に対応付けられ、対応する前記グループの前記発光素子と前記電源回路との間にそれぞれ挿入されており、対応する前記グループごとに決定される前記点灯モードに応じて前記インピーダンス値を切り替えることがより望ましい。
【0011】
この点灯装置において、前記切替部は、前記調光点灯モード時に前記スイッチング素子を駆動する信号の有無に応じて、前記インピーダンス値を切り替えることがより望ましい。
【0012】
この点灯装置において、前記切替部は、前記調光点灯モード時に前記スイッチング素子を駆動する信号が与えられている前記スイッチング素子の個数に応じて、前記インピーダンス値を切り替えることがより望ましい。
【0013】
この点灯装置において、前記切替部は、前記発光素子と前記電源回路との少なくとも一方に流れる電流の単位時間当たりの変化量に応じて、前記インピーダンス値を切り替えることがより望ましい。
【0014】
この点灯装置において、前記インピーダンス素子はインダクタであることがより望ましい。
【0015】
この点灯装置において、前記調光点灯モード時に前記スイッチング素子を駆動する信号は矩形波であることがより望ましい。
【0016】
この点灯装置において、前記発光素子は有機EL素子であることがより望ましい。
【0017】
本発明の照明器具は、上記いずれかの点灯装置と、前記発光素子が設けられた器具本体とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、サージ低減回路が、電源回路と発光素子との間のインピーダンス値を点灯モードに応じて切り替える切替部を有するので、サージ電流を低減可能としながらも損失を低減することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施形態1に係る点灯装置の構成を示す概略回路図である。
【図2】実施形態1に係る照明器具の構成を示す分解斜視図である。
【図3】実施形態1に係る点灯装置の他の構成を示す概略回路図である。
【図4】実施形態1に係るサージ低減回路の他の構成を示す概略回路図である。
【図5】実施形態2に係る点灯装置の構成を示す概略回路図である。
【図6】実施形態3に係る点灯装置の構成を示す概略回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(実施形態1)
本実施形態の照明器具10は、図2に示すように、発光部2(図1参照)が設けられたパネル型の器具本体100と、発光部2に電圧を印加して発光部2を点灯させる点灯装置1とを備えている。この照明器具10では、発光部2は面状光源であり縦横に2枚ずつ並ぶように配置された4枚の発光素子21〜24(以下、各々を特に区別しないときにはまとめて「発光素子20」という)からなり、点灯装置1は全ての発光素子20に対して電気的に接続される。このように、面状光源からなる発光素子20を用いれば、照明器具10の薄型化を図ることができ、たとえば屋内照明として好適な照明器具10を実現できる。
【0021】
以下、点灯装置1の詳しい構成について、図1を参照して説明する。
【0022】
点灯装置1は、所望の直流電圧を出力する直流電源回路3と、直流電源回路3と発光部2との間に挿入され発光部2への直流電源回路3の出力を制御するスイッチング素子4と、スイッチング素子4を制御する制御部5とを有している。さらに、点灯装置1は、直流電源回路3の正極側の出力端と発光部2との間に挿入されたサージ低減回路6および選択回路7を有している。サージ低減回路6、選択回路7については後述する。なお、制御部5はたとえばマイコン(マイクロコンピュータ)を主構成として構成される。
【0023】
発光部2を構成する各発光素子20は、それぞれ面状光源である有機EL(ElectroLuminescence)パネルからなり、直流電源回路3から出力される直流電圧が印加されることにより発光する。本実施形態では、各発光素子21〜24はいずれも同種で同サイズの有機ELパネルからなる。
【0024】
ここで、発光素子21と発光素子22とが直列接続されて第1のグループを構成するとともに、発光素子23と発光素子24とが直列接続されて第2のグループを構成しており、両グループの発光素子20は直流電源回路3の出力端間に互いに並列に接続されている。
【0025】
直流電源回路3は、ダイオードブリッジからなる整流回路31とコンバータ32とから構成されており、交流電源30からの交流電圧を整流回路31で全波整流し、整流された脈流電圧をコンバータ32にて所望の大きさの直流電圧に降圧する。コンバータ32は、MOSFET(Metal-Oxide-SemiconductorField-Effect Transistor)からなるスイッチ要素33と、インダクタ34と、コンデンサ35との直列回路を、整流回路31の出力端間に有している。さらに、コンバータ32は、インダクタ34およびコンデンサ35の直列回路の両端間に接続されたダイオード36と、スイッチ要素33をスイッチングする駆動回路37とを具備している。
【0026】
このコンバータ32は、スイッチ要素33を駆動回路37で制御して、スイッチ要素33のデューティ比を変更するPWM(Pulse WidthModulation)制御を行うことにより、所望の大きさの直流電圧を出力端となるコンデンサ35の両端から出力する。本実施形態では、駆動回路37は発光素子20を点灯させるのに必要な大きさの電圧がコンバータ32から出力されるようにPWM制御を行う。
【0027】
なお、コンバータ32は、上述したような降圧回路に限らず、たとえば昇圧回路や昇降圧チョッパ回路などで構成されていてもよく、PFC(Power FactorCorrection)回路としての機能を有していてもよい。また、コンバータ32に代えて平滑コンデンサのみが設けられていてもよい。チョッパ回路の場合、スイッチ要素33は数十kHz〜数百kHzでスイッチングされる。
【0028】
スイッチング素子4は、MOSFETからなり、直流電源回路3の負極側の出力端と発光部2との間に挿入されている。制御部5は、スイッチング素子4に制御信号を与えることによりスイッチング素子4のオン・オフを交互に切り替え、直流電源回路3の出力電圧が発光部2に間欠的に印加されるようにスイッチング素子4を制御する。
【0029】
ここで、点灯装置1は、スイッチング素子4のスイッチングを行うことにより発光素子20の光出力を変化させる調光点灯モードを含む複数の点灯モードでの動作が可能である。調光点灯モードでは、制御部5はスイッチング素子4に矩形波状のPWM信号を与えてスイッチング素子4を駆動し、スイッチング素子4のデューティ比を変更するPWM制御を行うことにより発光素子20の光出力を変化させる。本実施形態では、点灯装置1は少なくとも、このようにスイッチング素子4を断続的にオンさせる調光点灯モードと、スイッチング素子4を連続的にオンさせる全点灯モード(DC点灯モード)とを切替可能である。これらの点灯モードは、図示しないリモコン装置などからの操作信号に応じて制御部5が切り替える。
【0030】
また、制御部5は、スイッチング素子4のPWM制御の代わりに、コンバータ32の出力電圧(スイッチング素子4のオン時に発光素子20に印加される電圧)の大きさを調光率に応じて変化させてもよい。あるいは、制御部5は、スイッチング素子4のPWM制御に加え、コンバータ32の出力電圧の大きさを調光率に応じて変化させてもよい。つまり、制御部5は、調光が深く(調光率が低く)なる程コンバータ32の出力電圧を小さくするようにコンバータ32を制御してもよい。以下では、このように調光が深くなる程コンバータ32の出力電圧を小さくするようにコンバータ32を制御する点灯モードを「DC調光モード」という。
【0031】
選択回路7は、第1のグループの発光素子21,22と直列に接続された第1の個別スイッチ71、および第2のグループの発光素子23,24と直列に接続された第2の個別スイッチ72を有しており、第1のグループと第2のグループとを個別に選択する。さらに、選択回路7は、第1の個別スイッチ71と発光素子21,22との間に挿入された抵抗73、および第2の個別スイッチ72と発光素子23,24との間に挿入された抵抗74を有している。なお、抵抗73,74は電流制限用の限流要素として設けられており、抵抗の代わりにインダクタが限流要素として設けられていてもよいし、場合によっては限流要素は省略されていてもよい。
【0032】
個別スイッチ71,72および後述の切替スイッチ61,62は、それぞれMOSFET等のスイッチング素子からなり、制御部5の出力を受けて個別にオン・オフ制御される。
【0033】
上記構成により、制御部5は、第1および第2の各個別スイッチ71,72のオン・オフ制御によって、第1および第2の両グループの発光素子20を同時に点灯させる複数点灯モードと、片方のグループの発光素子20のみ点灯させる単点灯モードとを切り替える。さらに、制御部5は、第1および第2の両個別スイッチ71,72をオフすることにより、スイッチング素子4の動作状態に関わらずに両グループの発光素子20を非点灯とする非点灯モードにも切替可能である。
【0034】
また、スイッチング素子4の制御によって切り替わる点灯モード(全点灯モード・調光点灯モード)と、個別スイッチ71,72の制御によって切り替わる点灯モード(複数点灯モード・単点灯モード・非点灯モード)とは適宜組み合わせ可能である。つまり、点灯装置1は、たとえば調光点灯モードと複数点灯モードとを組み合わせた点灯モードや、調光点灯モードと単点灯モードとを組み合わせた点灯モードで動作可能である。
【0035】
図1において、サージ低減回路6は、サージ電流を低減させるインピーダンス素子としての第1および第2のインダクタ63,64と、インダクタ63,64の接続関係を切り替える第1および第2の切替スイッチ61,62とを有している。第1の切替スイッチ61は、直流電源回路3と発光部2との間に挿入されており、第1のインダクタ63は第1の切替スイッチ61と並列に接続されている。第2の切替スイッチ62は第2のインダクタ64と直列に接続され、第2の切替スイッチ62および第2のインダクタ64の直列回路は、第1のインダクタ63、第1の切替スイッチ61と並列に接続されている。
【0036】
これにより、直流電源回路3と発光素子20との間のインピーダンス値は、第1の切替スイッチ61がオンの状態で最小値(以下、「レベル1」という)となり、両切替スイッチ61,62がオフの状態で最大値(以下、「レベル3」という)となる。また、第1の切替スイッチ61がオフ、第2の切替スイッチ62がオンの状態で、インピーダンス値はレベル1とレベル3との間の値(以下、「レベル2」という)となる。このように、第1および第2の切替スイッチ61,62のオン・オフ状態によって、直流電源回路3と発光素子20との間のインピーダンス値はレベル1〜3の3段階で段階的に切り替わる。
【0037】
ところで、上述したように点灯モードを切替可能な点灯装置1は、調光点灯モードではサージ低減回路6のインピーダンスがサージ電流の低減に寄与するが、全点灯モードではサージ電流の影響はないので必要以上に大きなインピーダンスは単に損失増大の原因となる。また、点灯装置1は、調光点灯モードであっても、コンバータ32の出力電圧が小さいDC調光モードにあれば、発光部2の両端電圧の変化幅が小さくいので、サージ電流の影響は小さく、必要以上に大きなインピーダンスは損失増大の原因となる。
【0038】
そこで、本実施形態の点灯装置1は、サージ電流を低減可能としながらも損失を極力低減するために、以下の構成を採用している。
【0039】
すなわち、本実施形態においては、制御部5は、サージ低減回路6を構成する切替部を兼ねており、第1および第2の切替スイッチ61,62をそれぞれオン・オフ制御することにより、直流電源回路3と発光素子20との間のインピーダンス値を切り替える。ここで、制御部5は、直流電源回路3と発光素子20との間のインピーダンス値を、点灯モードに応じて最適値となるように切り替える。
【0040】
具体的には、制御部5は、調光点灯モード時にスイッチング素子4を駆動するPWM信号の有無によって、全点灯モードと調光点灯モードとを区別し、これらの点灯モードに応じてインピーダンス値を切り替える。さらに、制御部5は、第1および第2の個別スイッチ71,72のオン・オフ状態によって、複数点灯モードと単点灯モードと非点灯モードとを区別し、これらの点灯モードに応じてもインピーダンス値を切り替える。
【0041】
ここにおいて、サージ電流を低減させるためのインピーダンス素子はインダクタ63,64であるので、サージ低減回路6のインダクタンス(インピーダンス値)が大きくなるほど、サージ電流成分は減少する。ただし、サージ低減回路6のインダクタンスが大きくなると、インダクタ63,64の誘導成分(L成分)と、容量性の素子である発光素子(有機EL)20の容量成分(C成分)とが共振し、電流波形が大きく歪んだり振動したりする。したがって、サージ低減回路6のインダクタンスの最適値は、これらの歪みや振動が影響しない範囲において、サージ電流を最も小さく抑えられる値である。このことから、サージ低減回路6のインダクタンスの最適値は、並列に接続される発光素子20の個数が増えて発光部2の容量成分が大きくなる程、低い値となる。
【0042】
以下に、本実施形態の点灯装置1の動作について、第1〜第3の動作例を挙げて説明する。
(1)第1の動作例
この動作例では、スイッチング素子4の制御によって全点灯モード・調光点灯モードが切り替わり、個別スイッチ71,72の制御によって複数点灯モード・単点灯モード・非点灯モードが切り替わる場合を例示する。
【0043】
まず、スイッチング素子4に対するPWM信号がない場合、制御部5は、点灯モードが全点灯モードであると判断し、第1の切替スイッチ61をオンにする。つまり、全点灯モードのようにスイッチング素子4が連続的にオンする動作モードでは、サージ電流の影響がないので、制御部5は、サージ低減回路6のインダクタンスを最小のレベル1としてサージ低減回路6での損失を低減する。
【0044】
一方、スイッチング素子4に対するPWM信号がある場合、制御部5は、点灯モードが調光点灯モードであると判断し、第1の切替スイッチ61をオフにする。このとき、第1および第2の両個別スイッチ71,72がオンであれば、制御部5は、複数点灯モードであると判断し、第2の切替スイッチ62をオンにする。つまり、複数点灯モードでは単点灯モードに比べ発光部2の容量成分が大きいので、制御部5は、サージ低減回路6のインダクタンスをレベル2に切り替え、サージ電流の低減を図りながらも、インダクタ63,64と発光部2(の容量成分)との共振を回避する。
【0045】
これに対し、スイッチング素子4に対するPWM信号がある場合で、片方の個別スイッチ71,72がオンであれば、制御部5は、単点灯モードであると判断し、第1および第2の両切替スイッチ61,62をオフにする。つまり、単点灯モードでは複数点灯モードに比べ発光部2の容量成分が小さいので、制御部5は、サージ低減回路6のインダクタンスを最大のレベル3に切り替え、サージ電流の低減を図る。
【0046】
なお、第1および第2の両個別スイッチ71,72がオフの場合、制御部5は、非点灯モードであると判断する。この場合、全発光素子20が消灯状態であるので、サージ低減回路6のインピーダンスは関係しない。ただし、このとき、スイッチング素子4を含めて点灯装置1の回路を動作させたままにしておくことにより、個別スイッチ71,72のオン時に即座に発光素子20を点灯させることができる。一方、このとき回路動作を停止させる制御を行うと、余計な損失を低減させることができる。
(2)第2の動作例
この動作例では、スイッチング素子4は考慮せず(常時オンまたは短絡とする)、個別スイッチ71,72の制御によって複数点灯モード・単点灯モード・非点灯モードが切り替わり、且つ全点灯モード・調光点灯モードが切り替わる場合を例示する。この場合、個別スイッチ71,72はスイッチング素子としての機能を兼ねている。つまり、制御部5は、第1および第2の各個別スイッチ71,72のデューティ比を変更するPWM制御を行うことにより、発光素子20の光出力を変化させる調光点灯モードで点灯装置1を動作させることが可能である。
【0047】
まず、いずれの個別スイッチ71,72に対するPWM信号もない場合で、少なくとも一方の個別スイッチ71,72がオンの場合、制御部5は、全点灯モードであると判断し、第1の切替スイッチ61をオンにする。つまり、全点灯モードでは、サージ電流の影響がないので、制御部5は、サージ低減回路6のインダクタンスを最小のレベル1としてサージ低減回路6での損失を低減する。
【0048】
一方、少なくとも一方の個別スイッチ71,72に対するPWM信号がある場合、制御部5は、調光点灯モードであると判断し、第1の切替スイッチ61をオフにする。このとき、第1および第2の両個別スイッチ71,72に対するPWM信号があれば、制御部5は、複数点灯モードであると判断し、第2の切替スイッチ62をオンにする。つまり、複数点灯モードでは単点灯モードに比べ発光部2の容量成分が大きいので、制御部5は、サージ低減回路6のインダクタンスをレベル2に切り替え、サージ電流の低減を図りながらも、インダクタ63,64と発光部2(の容量成分)との共振を回避する。
【0049】
これに対し、片方の個別スイッチ71,72に対してのみPWM信号があれば、制御部5は、単点灯モード且つ調光点灯モードであると判断し、第1および第2の両切替スイッチ61,62をオフにする。つまり、単点灯モードでは複数点灯モードに比べ発光部2の容量成分が小さいので、制御部5は、サージ低減回路6のインダクタンスを最大のレベル3に切り替え、サージ電流の低減を図る。
(3)第3の動作例
この動作例では、スイッチング素子4の制御によって全点灯モード・調光点灯モードが切り替わり、さらに、調光が深くなる程コンバータ32の出力電圧を小さくするDC調光モードが選択可能な場合を例示する。なお、個別スイッチ71,72は考慮しない(常時オンまたは短絡とする)。
【0050】
まず、スイッチング素子4に対するPWM信号がない場合、制御部5は、点灯モードが全点灯モードであると判断し、第1の切替スイッチ61をオンにする。つまり、全点灯モードでは、サージ電流の影響がないので、制御部5は、サージ低減回路6のインダクタンスを最小のレベル1としてサージ低減回路6での損失を低減する。
【0051】
一方、スイッチング素子4に対するPWM信号がある場合、制御部5は、点灯モードが調光点灯モードであると判断し、第1の切替スイッチ61をオフにする。このとき、コンバータ32の出力電圧が所定の閾値未満であれば、制御部5は、DC調光モードであると判断し、第2の切替スイッチ62をオンにする。つまり、DC調光モードでは、PWM制御時における発光部2の両端電圧の変化幅は小さいので、制御部5は、サージ低減回路6のインダクタンスをレベル2に切り替え、サージ電流の低減を図りながらも、サージ低減回路6での損失を低減する。
【0052】
これに対し、スイッチング素子4に対するPWM信号がある場合で、コンバータ32の出力電圧が所定の閾値以上であれば、制御部5は、DC調光モードにないと判断し、第1および第2の両切替スイッチ61,62をオフにする。つまり、DC調光モードになければDC調光モードに比べてPWM制御時における発光部2の両端電圧の変化幅は大きいので、制御部5は、サージ低減回路6のインダクタンスを最大のレベル3に切り替え、サージ電流の低減を図る。
【0053】
以上説明した本実施形態の点灯装置1によれば、サージ低減回路6は、直流電源回路3と発光素子20との間のインピーダンス値を点灯モードに応じて切り替えるので、調光点灯モードと全点灯モードとではインピーダンス値が切り替えられることになる。すなわち、点灯装置1は、たとえば調光点灯モードではサージ低減回路6のインピーダンスを大きくしてサージ電流の低減を図り、全点灯モードではサージ低減回路6のインピーダンスを小さくして損失を低減することができる。同様に、点灯装置1は調光点灯モードであっても、DC調光モードになければサージ低減回路6のインピーダンスを大きくしてサージ電流の低減を図り、DC調光モードにあればサージ低減回路6のインピーダンスを小さくして損失を低減することができる。
【0054】
結果的に、本実施形態の点灯装置1においては、サージ低減回路6のインピーダンス値が発光素子20または直流電源回路3に流れるサージ電流の度合い(大きさ)に応じて切り替わるので、サージ電流を低減可能としながらも損失を極力低減することができる。サージ電流が低減されると、過電流による発光素子20や直流電源回路3の劣化が防止され、点灯装置1の長寿命化につながる。このような点灯装置1を照明器具10に備えることにより、信頼性の高い照明器具10を提供することが可能になる。
【0055】
さらに、本実施形態では、制御部5は、サージ低減回路6のインピーダンス値の切り替えを切替スイッチ61,62により簡単に行えるので、制御部5の回路構成を簡略化することができる。
【0056】
また、本実施形態では、制御部5は、複数点灯モードか単点灯モードかによってもサージ低減回路6のインピーダンス値を切り替えている。つまり、制御部5は、単点灯モードに比べて、多くの発光素子20が並列に接続されることになる複数点灯モードにおいては、サージ低減回路6のインダクタンスを単点灯モード時より小さくする。これにより、インダクタ63,64の誘導成分と発光素子20の容量成分とが共振することを回避でき、結果的にサージ低減回路6の損失を低減することができる。
【0057】
さらにまた、制御部5は、調光点灯モード時にスイッチング素子4を駆動するPWM信号の有無によって、全点灯モードと調光点灯モードとを区別し、これらの点灯モードに応じてインピーダンス値を切り替える。これにより、制御部5は、複雑な検出方法を用いることなく、PWM信号の有無を検出するだけの簡単な方法で、それぞれの点灯モードに適したインピーダンス値に調節することができる。
【0058】
また、サージ低減回路6のインピーダンス素子はインダクタであるので、インピーダンス素子が抵抗である場合に比べて、調光点灯モードにおいてもサージ低減回路6で生じる損失を小さく抑えることができる。
【0059】
ここで、調光点灯モードにおいてスイッチング素子4を駆動するPWM信号は矩形波であるから、調光点灯モードにおいては発光素子20または直流電源回路3の電圧波形が立ち上がり・立ち下がり時に急峻に変化する。そのため、調光点灯モードにおいては大きなサージ電流が生じやすく、サージ低減回路6のインピーダンス素子により得られるサージ電流の低減効果が大きくなる。また、発光素子20は面状光源である有機ELからなるので、容量成分が比較的大きく、大きなサージ電流が生じやすいので、サージ低減回路6のインピーダンス素子により得られるサージ電流の低減効果が大きくなる。
【0060】
ところで、サージ低減回路6のインピーダンス素子としては、インダクタの代わりに抵抗が用いられてもよい。この場合、サージ低減回路6の抵抗値(インピーダンス)が大きくなるほど、サージ電流成分は減少する。ただし、サージ低減回路6の抵抗値が大きくなると、抵抗での損失が増大する。したがって、サージ低減回路6の抵抗値の最適値は、この損失が影響しない範囲において、サージ電流を最も小さく抑えられる値である。ここで、並列に接続される発光素子20の個数が増えて発光部2の容量成分が大きくなる程、サージ電流を抑制するためには大きな抵抗値の抵抗が必要になる。そのため、インピーダンス素子に抵抗が用いられている場合、インピーダンス素子にインダクタが用いられている場合とは、上記第1の動作例および上記第2の動作例におけるサージ低減回路6の動作が異なる。
【0061】
すなわち、インピーダンス素子に抵抗が用いられている場合、第1および第2の動作例において、点灯モードが調光点灯モードで且つ複数点灯モードであれば、制御部5は、第1および第2の両切替スイッチ61,62をオフにする。つまり、複数点灯モードでは単点灯モードに比べ発光部2の容量成分が大きいので、制御部5は、サージ低減回路6の抵抗値を最大のレベル3に切り替え、サージ電流の低減を図る。これに対し、点灯モードが調光点灯モードで且つ単点灯モードであれば、制御部5は、第1の切替スイッチ61をオフ、第2の切替スイッチ62をオンにする。つまり、単点灯モードでは複数点灯モードに比べ発光部2の容量成分が小さいので、制御部5は、サージ低減回路6の抵抗値をレベル2に切り替え、サージ電流の低減を図りながらも、サージ低減回路6での損失を低減する。
【0062】
また、本実施形態の点灯装置1の具体的な回路構成は、図1に示す回路構成に限らず、適宜変更可能である。たとえば、サージ低減回路6は、図3に示すようにサージ電流を低減させるインピーダンス素子としてのインダクタ63と、切替スイッチ61とを1個ずつ有する構成であってもよい。図3では、切替スイッチ61は、直流電源回路3と発光部2との間に挿入されており、インダクタ63は切替スイッチ61と並列に接続されている。
【0063】
これにより、直流電源回路3と発光素子20との間のインピーダンス値は、切替スイッチ61がオンの状態で最小値となり、切替スイッチ61がオフの状態で最大値となるように、2段階で切り替わる。なお、図3では、直流電源回路3の出力をオン・オフするスイッチング素子、およびスイッチング素子と切替スイッチ61とのオン・オフ制御を行う制御部の図示を省略している。また、図3においては、発光素子20は、第1〜第3のグループに分類され、第1〜第3のグループの発光素子20が直流電源回路3の出力端間に互いに並列に接続されている。ここでは、第1〜第3の各グループの発光素子20はそれぞれ1個の発光素子21〜23からなるが、これに限らず、複数個の発光素子20の直列回路あるいは並列回路が各グループを構成していてもよい。
【0064】
図3の構成においては、制御部は、調光点灯モードでは切替スイッチ61をオフにしてサージ電流を低減させ、全点灯モードでは切替スイッチ61をオンにして損失を低減させる。図3において、直流電源回路3の出力電圧はどのような波形であってもよく、出力電圧が一定の直流波形であってもよいし、矩形波、正弦波、台形波、三角波等であってもよい。
【0065】
また、サージ低減回路6は、図4に示すように、直流電源回路3と発光部2との間に、サージ電流を低減させるインピーダンス素子としての第1および第2のインダクタ63,64が直列に接続されていてもよい。図4の例では、第1の切替スイッチ61は第1のインダクタ63と並列接続され、第2の切替スイッチ62は第2のインダクタ64と並列接続されている。第1のインダクタ63と第2のインダクタ64とは、インダクタンスが同値であってもよいが、ここでは第1のインダクタ63の方がインダクタンスが大きく設定されている。
【0066】
これにより、直流電源回路3と発光素子20との間のインピーダンス値は、第1および第2の両切替スイッチ61,62がオンの状態で最小のレベル1となり、両切替スイッチ61,62がオフの状態で最大のレベル4となる。また、第1の切替スイッチ61がオフ、第2の切替スイッチ62がオンの状態で、インピーダンス値はレベル4よりやや小さいレベル3となる。さらに、第1の切替スイッチ61がオン、第2の切替スイッチ62がオフの状態で、インピーダンス値はレベル1とレベル3との間のレベル2となる。このように、図4の例では、第1および第2の切替スイッチ61,62のオン・オフ状態によって、直流電源回路3と発光素子20との間のインピーダンス値はレベル1〜4の4段階で段階的に切り替わる。
【0067】
(実施形態2)
本実施形態の点灯装置は、複数のグループに分けられた複数個の発光素子に対して直流電源回路の出力がグループごとに印加されるように、スイッチング素子がグループごとに個別に設けられている点が実施形態1の点灯装置と相違する。
【0068】
本実施形態では、発光素子20は、図5に示すように第1〜第4のグループに分類され、各グループごとに個別にスイッチング素子41〜44(以下、各々を特に区別しないときには「スイッチング素子4」という)を介して直流電源回路3の出力端間に接続されている。ここでは、第1〜第4の各グループはそれぞれ1個の発光素子20からなるが、これに限らず、複数個の発光素子20の直列回路あるいは並列回路が各グループを構成していてもよい。なお、発光素子20は図5ではリーク抵抗201、直列等価抵抗202、等価容量203を並列に接続した等価回路で表されている。
【0069】
また、サージ低減回路610,620,630,640(以下、各々を特に区別しないときには「サージ低減回路6」という)は、第1〜第4の各グループに対応付けられ、対応するグループの発光素子20と直流電源回路3との間にそれぞれ挿入されている。ここで、第1のグループに対応するサージ低減回路610はインダクタ611と切替スイッチ612とを有し、第2のグループに対応するサージ低減回路620はインダクタ621と切替スイッチ622とを有している。第3のグループに対応するサージ低減回路630はインダクタ631と切替スイッチ632とを有し、第4のグループに対応するサージ低減回路640はインダクタ641と切替スイッチ642とを有している。インダクタ611,621,631,641(以下、各々を特に区別しないときには「インダクタ601」という)はサージ低減回路610,620,630,640のインピーダンス素子を構成する。
【0070】
各スイッチング素子41〜44および各切替スイッチ612,622,632,642(以下、各々を特に区別しないときには「切替スイッチ602」という)は、それぞれMOSFET等からなり、制御部5によって個別にオン・オフ制御される。
【0071】
さらに、各グループごとにインダクタ601の両端間において、切替スイッチ602とそれぞれ直列接続されたインダクタ613,623,633,643は電流制限用の限流要素として設けられている。ただし、インダクタ613,623,633,643の代わりに抵抗が限流要素として設けられていてもよいし、場合によっては限流要素は省略されていてもよい。
【0072】
ここで、サージ低減回路6は、対応するグループごとに決定される点灯モードに応じて、インピーダンス値の切り替えを行う。すなわち、たとえば第1のグループが調光点灯モードにあれば、制御部5は、切替スイッチ612をオフし、第1のグループに対応するサージ低減回路610のインピーダンス値を増大させることにより、第1のグループのサージ電流を低減する。一方、第1のグループが調光点灯モードになければ、制御部5は、切替スイッチ612をオンし、第1のグループに対応するサージ低減回路610のインピーダンス値を減少させることにより、第1のグループの損失を低減する。制御部5は、同様の切替スイッチ602の制御を、第2〜第4のグループに対しても独立して行う。
【0073】
以上説明した本実施形態の点灯装置1によれば、制御部5は各グループ内で完結した細かいインピーダンス値の切り替え制御が可能となる。ここでは一例として、制御部5が、第1および第2のグループは全点灯モード、第3および第4のグループは調光点灯モードとなるようにスイッチング素子4を制御する場合について説明する。この場合、直流電源回路3と各グループの発光素子20との間に共通のインピーダンス素子が接続されていると、第3および第4のグループのサージ電流は低減されるが、サージ電流の生じない第1および第2のグループの電流にも損失が発生する。これに対して、本実施形態の点灯装置1では、グループごとにサージ低減回路6のインピーダンス値が切り替えられるので、第3および第4のグループのサージ電流を低減しつつ、第1および第2のグループの損失低減も可能になる。
【0074】
その他の構成および機能は実施形態1と同様である。
【0075】
(実施形態3)
本実施形態の点灯装置は、直流電源回路に流れる電流の単位時間当たりの変化量を測定する測定部を有し、測定部の測定結果に応じて、サージ低減回路のインピーダンス値が切り替わるように構成されている点が実施形態1の点灯装置と相違する。
【0076】
本実施形態では、図6に示すよう直流電源回路3の負極側の出力端とスイッチング素子4との間に電流測定用の抵抗81が挿入されており、測定部82は、抵抗81の両端電圧を微分する微分回路からなる。直流電源回路3と発光素子20との間のインピーダンス値を切り替える切替部83は、測定部82の出力に接続されており、直流電源回路3に流れる電流の単位時間当たりの変化量に応じて第1および第2の切替スイッチ61,62をそれぞれオン・オフ制御する。
【0077】
すなわち、切替部83は、直流電源回路3を流れる電流の立ち上がり・立ち下がりの急峻さ、つまりサージ電流の度合いに応じてインピーダンス値を切り替えるので、より確実にそれぞれの点灯モードに適したインピーダンス値に調節することができる。ここで、切替部83は、スイッチング素子4を駆動する信号の波形によらずにインピーダンス値を切り替えるので、スイッチング素子4の駆動波形がどのような波形であっても、また波形が状況により変化する場合でも、最適なインピーダンス値に調節可能である。
【0078】
具体的には、切替部83は測定部82の測定結果に応じて、以下に説明するように第1および第2の切替スイッチ61,62をそれぞれオン・オフ制御する。
【0079】
まず、測定部82の測定結果(変化量)がゼロの場合、切替部83は、点灯モードが全点灯モードであると判断し、第1の切替スイッチ61をオンにする。つまり、全点灯モードでは、サージ電流の影響がないので、制御部5は、サージ低減回路6のインダクタンスを最小のレベル1としてサージ低減回路6での損失を低減する。
【0080】
一方、測定部82の測定結果がゼロではないものの所定の閾値未満であれば、切替部83は、電流の立ち上がり・立ち下がりが比較的緩やかな調光点灯モードであると判断し、第1の切替スイッチ61をオフ、第2の切替スイッチ62をオンにする。つまり、電流の立ち上がり・立ち下がりが比較的緩やかな点灯モードでは、サージ電流の影響は小さいので、切替部83は、サージ低減回路6のインダクタンスをレベル2に切り替え、サージ電流の低減を図りながらも、サージ低減回路6での損失を低減する。
【0081】
これに対し、測定部82の測定結果が所定の閾値以上であれば、切替部83は、電流の立ち上がり・立ち下がりが比較的急峻な調光点灯モードであると判断し、第1および第2の両切替スイッチ61,62をオフにする。つまり、電流の立ち上がり・立ち下がりが比較的急峻な点灯モードでは、サージ電流の影響は大きいので、制御部5は、サージ低減回路6のインダクタンスを最大のレベル3に切り替え、サージ電流の低減を図る。
【0082】
なお、測定部82は、上記構成に限らず、たとえば発光素子20に流れる電流の単位時間当たりの変化量を測定する構成であってもよい。その他の構成および機能は実施形態1と同様である。
【0083】
また、実施形態2の構成と実施形態3の構成とは適宜組み合わせ可能である。
【0084】
上記各実施形態では、発光素子20は有機ELからなる例を示したが、発光素子20は、有機ELに限らずたとえばLED(Light EmittingDiode)であってもよい。発光素子20は、有機ELとLEDとの組み合わせ、または、他の面状光源である無機ELパネルや、LEDとLEDの出射光を導光して面発光する導光板との組み合わせや、冷陰極蛍光灯を有する直下式またはエッジライト式面光源ユニット等であってもよい。
【符号の説明】
【0085】
1 点灯装置
3 (直流)電源回路
4,41,42,43,44 スイッチング素子
5 制御部(切替部)
6,610,620,630,640 サージ低減回路
10 照明器具
20,21,22,23,24 発光素子
61,62,602,612,622,632,642 切替スイッチ
63,64,601,611,621,631,641 インダクタ
83 切替部
100 器具本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子に電圧を印加する電源回路と、前記電源回路と前記発光素子との間に挿入され前記発光素子への前記電源回路の出力を制御するスイッチング素子と、インピーダンス素子を有し前記電源回路と前記発光素子との間に挿入されるサージ低減回路とを備え、前記スイッチング素子のスイッチングにより前記発光素子の光出力を変化させる調光点灯モードを含む複数の点灯モードで動作可能であって、前記サージ低減回路は、前記電源回路と前記発光素子との間のインピーダンス値を前記点灯モードに応じて切り替える切替部を有することを特徴とする点灯装置。
【請求項2】
前記サージ低減回路は、前記電源回路と前記発光素子との間において前記インピーダンス素子の接続関係を切り替える切替スイッチとを有し、前記切替部は前記切替スイッチを制御することにより前記インピーダンス値を切り替えることを特徴とする請求項1に記載の点灯装置。
【請求項3】
複数のグループに分けられた複数個の前記発光素子に対して前記電源回路の出力が前記グループごとに印加されるように、前記スイッチング素子は前記グループごとに個別に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の点灯装置。
【請求項4】
前記サージ低減回路は、前記複数の前記グループの各々に対応付けられ、対応する前記グループの前記発光素子と前記電源回路との間にそれぞれ挿入されており、対応する前記グループごとに決定される前記点灯モードに応じて前記インピーダンス値を切り替えることを特徴とする請求項3に記載の点灯装置。
【請求項5】
前記切替部は、前記調光点灯モード時に前記スイッチング素子を駆動する信号の有無に応じて、前記インピーダンス値を切り替えることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の点灯装置。
【請求項6】
前記切替部は、前記調光点灯モード時に前記スイッチング素子を駆動する信号が与えられている前記スイッチング素子の個数に応じて、前記インピーダンス値を切り替えることを特徴とする請求項3に記載の点灯装置。
【請求項7】
前記切替部は、前記発光素子と前記電源回路との少なくとも一方に流れる電流の単位時間当たりの変化量に応じて、前記インピーダンス値を切り替えることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の点灯装置。
【請求項8】
前記インピーダンス素子はインダクタであることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の点灯装置。
【請求項9】
前記調光点灯モード時に前記スイッチング素子を駆動する信号は矩形波であることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の点灯装置。
【請求項10】
前記発光素子は有機EL素子であることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の点灯装置。
【請求項11】
請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の点灯装置と、前記発光素子が設けられた器具本体とを備えることを特徴とする照明器具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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