点灯装置および照明器具
【課題】効率も良くチラツキも少なくしつつ、調光や調色による光源の点灯及び消灯時に、違和感の少ない始動点灯、始動消灯が行える点灯装置、及び照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具1は、発光色の異なる光源である赤色LED2aと、緑色LED2bと、青色LED2cとを備えている。照明器具1は、点灯装置3を備えている。点灯装置3は、電気接続する整流器5とマイコン6と駆動部7と調光器8と調光入力部9とを備えている。点灯時は、赤色LED2aを最初に点灯させ、消灯時は緑色LED2bを最初に消灯させる。
【解決手段】照明器具1は、発光色の異なる光源である赤色LED2aと、緑色LED2bと、青色LED2cとを備えている。照明器具1は、点灯装置3を備えている。点灯装置3は、電気接続する整流器5とマイコン6と駆動部7と調光器8と調光入力部9とを備えている。点灯時は、赤色LED2aを最初に点灯させ、消灯時は緑色LED2bを最初に消灯させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、色の異なる複数の光源を用いて調光や調色を行う点灯装置、及び照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、照明の光源としてLED(発光ダイオード)を備える照明器具が普及してきている。それに伴い、照明器具も低コスト化と高機能化が要求されている。LEDは、白熱電球や放電灯に比べ、光色を自由にコントロールし易く、状況に応じた調光および調色制御が可能であり、LEDを利用した照明器具が多く開発されてきている。
【0003】
この種の照明器具に於いて、色の異なるLEDを合成して所望の光を得て、発光時間や発光開始タイミングを制御することが行われている。従来の点灯装置、及び照明器具の一例を図11に示す(特許文献1参照)。
【0004】
図11は、従来の点灯装置、及び照明器具の構成を示すブロック図である。
【0005】
従来の照明器具100は、異なる色、例えば、赤色、緑色、青色、のLED200を複数備え、光出力を調整することにより、所望の色度の合成光を実現している。また、照明器具100は、各LED200が発光する発光量を計測する受光素子Aと、1周期における発光時間や発光、非発光を周期的に制御するマイコン600等の制御部と、駆動回路700と、から成る点灯装置300も備えている。各LED200に流す電流を既定電流として、発光、非発光を周期的に制御し、1周期に占める各LED200の発光時間の割合(オンデューティ比)を調整するPWM(パルス幅変調)によって各LED200の光出力を調整している。そして、受光素子Aの計測により、各LED200の内、1色の単独発光の開始タイミングや色の異なるLED200の発光時間の開始タイミングを形成させていることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−34780号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の照明器具100では、1つの受光素子Aで複数のLED200の発光量を計測して、周期点滅する複数のLED200の点灯開始タイミング調節することで、所望の色度を得ることができるが、高価な受光素子Aを必要としている。また、LED200を周期的に点滅させる必要があるため、チラツキを生じやすいという問題がある。
【0008】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、効率も良くチラツキも少なくしつつ、調光や調色による光源の点灯及び消灯時に、違和感の少ない始動点灯、始動消灯が行える点灯装置、及び照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の点灯装置は、発光色が異なる複数の光源を制御する点灯装置であって、前記光源の点灯および消灯を制御する駆動部と、外部信号を受けて前記駆動部に制御信号を送る制御部と、を備え、前記複数の光源は、第1の光源と、当該第1の光源に比べて色温度および比視感度が高い第2の光源とを少なくとも含み、前記制御部は、前記光源の点灯時には前記第1の光源を前記第2の光源より先に点灯させるフェードイン制御と、前記光源の消灯時には前記第2の光源を前記第1の光源より先に消灯または減光させるフェードアウト制御と、の少なくとも一方の制御を行う制御信号を、前記駆動部に送る。
【0010】
好ましくは、前記制御部は、前記フェードイン制御によって前記第1の光源を最初に点灯させ、前記フェードアウト制御によって前記第2の光源を最初に消灯または減光させる。
【0011】
好ましくは、前記駆動部と前記光源との間に、コンデンサと抵抗から成る平滑回路が複数設けられ、前記複数の平滑回路の時定数が同一である。
【0012】
好ましくは、前記制御部は、消灯命令を受けて消灯時間を計測する消灯計測部と、消灯時間の計測結果を前記駆動部に送る出力部とを備え、前記フェードイン時に前記第2の光源の点灯始動タイミングを遅らせる。
【0013】
好ましくは、前記点灯始動タイミングを遅らせる時間量は、計測された前記消灯時間または調光レベルによって変更可能である。
【0014】
好ましくは、前記平滑回路に前記光源の両端電圧を検知する電圧検知部が設けられ、当該電圧検知部は、前記光源の点灯時に前記第1の光原の電圧を検知し、前記制御部は、前記電圧が前記第1の光源の点灯する電位になるまで、前記第2の光源の両端電圧を点灯する電位以下に維持する指令信号を出す。
【0015】
好ましくは、前記第1の光源が赤色の光を発光する光源であり、前記第2の光源が緑色の光を発光する光源である。
【0016】
本発明の照明器具は、前記光源と前記点灯装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、点灯時には色温度および比視感度の低い光源を先に点灯させ、消灯時には色温度および比視感度の高い光源を先に消灯させることで、点灯、消灯時に生じやすい違和感を程良く解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る点灯装置、及び照明器具の実施形態1を説明するための回路図である。
【図2】実施形態1における点灯時の各LEDへの供給電圧及び電流と合計照度を示すタイムチャートである。
【図3】実施形態1における消灯時の各LEDへの供給電圧及び電流と合計照度を示すタイムチャートである。
【図4】本発明に係る点灯装置、及び照明器具に用いられる各LEDの比視感度と波長を示すグラフである。
【図5】本発明に係る点灯装置、及び照明器具の実施形態2を説明するための回路図である。
【図6】実施形態2における消灯状態に移行し、その後フェードイン制御を行った時の各LEDへの供給電圧及び電流を示すタイムチャートである。
【図7】本発明に係る点灯装置、及び照明器具の実施形態3を説明するためのマイコンの回路図である。
【図8】実施形態3における消灯状態に移行し、その後フェードイン制御を行った時の各LED2の供給電圧及び電流を示すタイムチャートである。
【図9】本発明に係る点灯装置、及び照明器具の実施形態4を説明するための回路図である。
【図10】実施形態4における消灯状態に移行し、その後フェードイン制御を行った時の各LEDへの供給電圧及び電流を示すタイムチャートである。
【図11】従来の点灯装置、及び照明器具の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る点灯装置の好適な実施形態を、図1〜図10に基づいて詳述する。
【0020】
<実施形態1>
図1の回路図に基づいて、本発明の実施形態1である点灯装置、及び照明器具を説明する。
【0021】
照明器具1は、発光色の異なる光源であるLED(発光ダイオード)2を複数備えている。本発明の実施形態では、赤色、緑色、青色の3種類を一例として記載している。第1の光源である赤色LED2aは、例えば、GaAsPタイプのLED素子などから成り、第2の光源である緑色LED2bは、例えば、GaPタイプのLED素子などから成り、第3の光源である青色LED2cは、例えば、GaNタイプの素子などから成る。なお、赤色LED2aや緑色LED2bは、白色LEDを蛍光体により波長変換して得られても良い。また、実施形態では、赤色LED2aが、LED素子を4つ直列に、緑色LED2bと青色LED2cが、LED素子を2つ直列に、それぞれ電気接続されている。なお、LED2にはパッケージやチップ等も含まれる。
【0022】
照明器具1は、点灯装置3を備えている。点灯装置3は、整流器5とマイコン6と駆動部7と調光器8と調光入力部9とを、主に備え、それぞれが電気接続されている。点灯装置3は、商用電源などの交流電源ACから電源供給を受けるものであり、整流器5により直流電源を発生させ、DC/DCコンバータ51で脈流を含んだDCを直流電力に変換させ、コンデンサ(キャパシタ)52によりLED2への供給電圧Vを直流に平滑させている。
【0023】
制御部としてのマイコン6は、調光入力部9からの信号DIMをA/D変換し、その入力信号に対応する目標の色温度と光束と成るようにPWM(パルス幅変調)の周期やデューティ比を決定する。駆動部7は、各LED2a、2b、2cに直流電力である供給電圧Vを供給するDC/DCコンバータでもあり、マイコン6からのPWM信号(駆動部7aに対しPWM1、駆動部7bに対しPWM2、駆動部7cに対しPWM3)に応じて調光の動作を行う。駆動部7aが赤色LED2aを、駆動部7bが緑色LED2bを、駆動部7cが青色LED2cを、それぞれ制御している。
【0024】
調光器8は、照明器具1を調光する機能を有し、PWM信号や非同期シリアル通信信号を出力する。調光入力部9は、調光器8からの信号をマイコン6の入力に適した信号に変換する。上述の他、点灯装置3は、交流電源ACの電圧を検知してマイコン6に通電状態を送出する検出部10を備えている。また、マイコン6は、検出部10の信号ACINに応じてLED2の消灯制御信号も出力する。なお、調光器8と調光入力部9について説明したが、調色(色温度制御)機能を備えていても良い。
【0025】
上述の点灯装置3によるLED2の点灯、消灯について、図2、図3のタイムチャートを用いて説明する。このタイムチャートは、縦軸が、各LED2への供給電圧V及び電流IとLED2の合計照度を示し、横軸が時間tを示している。
【0026】
図2は、LED2の消灯状態から点灯状態にフェードイン制御を行った一例を示している。ここで述べる点灯状態とは、調光下限近傍であり、例えば、赤色LED2aの電流IO1が約1%、緑色LED2bの電流IO2が約0.5%に、設定されている。また、調光下限近傍では、青色LED2cは点灯しない状態に設定されている。タイムチャートでは、符号VO1を駆動部7aからの出力電圧、IO1をLED2aの電流、VO2を駆動部7bからの出力電圧、IO2をLED2bの電流、としている。
【0027】
なお、本発明の各実施形態において、赤色LED2aと緑色LED2bとの2色で説明するが、それ以上の色の異なる光源を用いても構わない。
【0028】
図2の横軸の各時間おける電圧V、電流I、照度について詳述する。
【0029】
時間t0以前:交流電源ACが供給され、DC/DCコンバータ51は、コンデンサ52の両端電圧を一定に制御している。マイコン6が起動し、調光入力部9からの調光信号を入力して出力レベルを決定している。
【0030】
時間t0:マイコン6が、各LED2a、2b、2cへ出力開始のPWM信号を送る。それに応じて駆動部7aの出力電圧VO1の上昇が開始する。また、駆動部7bの出力電圧VO2も同様に上昇を開始する
【0031】
時間t1:出力電圧VO1がLED2aを点灯させる電圧に到達し、LED2aは点灯してLED2aの電流IO1が生じる。この時点では、目標とする調光設定レベルに到達していないため、さらに、LED1aの電流IO1は、時間とともに上昇する。照度も上昇し始める。
【0032】
時間t2:LED2bの出力電圧VO2がLED2bを点灯させる電圧に到達し、LED2bは点灯してLED2bの電流IO2が生じる。この時点では、電流IO2が目標とするレベルに到達していないため、さらに、LED2aの電流IO2は、時間とともに上昇する。LED2bの点灯は、例えば、LED2aの点灯から100ミリ秒(ms)以内(t2−t1以内)とすることが望ましい。
【0033】
時間t3:電流IO1と電流IO2との電流レベルが所定の電流値まで到達する。マイコン6は駆動部7aと駆動部7bの出力上昇を停止させ、この点灯状態を維持する。所望の照度に達する。
【0034】
図3は、LED2の点灯状態から消灯状態にフェードアウト制御を行った一例を示している。点灯状態等や各符号は、図2と同様である。
【0035】
図3の横軸の各時間おける電圧V、電流I、照度について詳述する。
【0036】
時間t0以前:マイコン6は与えられている調光レベルに応じた出力状態を維持している。
【0037】
時間t0:マイコン6に消灯の信号が入力される。マイコン6はそれに応じて、駆動部7aの出力電圧VO1の下降を開始する。また、駆動部7bの出力電圧VO2も同様に下降を開始する。照度も下降を開始する。
【0038】
時間t1:駆動部7bの出力電圧VO2がLED2bを消灯させる電圧に到達し、LED2bは消灯する。LED2bの電流IO2は0になる。さらに、LED2bの電圧VO2を時間とともに下降させる制御が行われる。照度も下降する。
【0039】
時間t2:駆動部7aの出力電圧VO1が負荷LED2aを消灯させる電圧に到達し、LED2aは消灯する。LED2aの電流IO1は0になる。さらに、LED2aの電圧VO1を時間とともに下降させる制御が行われる。照度も0となる。
【0040】
時間t3:駆動部7aの出力電圧VO1と駆動部7bの出力電圧VO2の電圧が、0まで到達し、マイコン6は、駆動部7aと駆動部7bの動作を停止させ、消灯状態を維持する。
【0041】
赤色LED2aと緑色LED2bとの光を混合することで赤から黄色の光(白熱電球のような色味)を再現しているが、LED2aの点灯とLED2bの点灯のタイミングがズレたりすることがある。例えば、LED2のチップ温度変化などで点灯開始電圧が変化したり、駆動部7の出力バラツキなどで点灯開始時間が変化することがある。このバラツキにより緑色LED2bが先に点灯すると、違和感を生じさせる可能性があり、本発明の照明器具1では、始動時には色温度の低い赤色LED2aを先に点灯させ、消灯時には比視感度の高い緑色LED2bを先に消灯させることで、赤色LED2aの持つ電球色のリラックスやくつろぎ感を与え、点灯、消灯時の不安感を程良く解消している。また、色変化の不連続による違和感も改善され良好な照明器具1を提供できる。
【0042】
色変化の不連続による違和感について、図4のグラフを用いて説明する。
【0043】
図4は、縦軸に比視感度と光出力比を横軸に波長を示している。比視感度特性から各LED2が同じ光度の場合、緑色LED2bが最も強く感じられることが分かる。人の目は明るい場所では、波長555nm付近で、暗いところでは、波長507nm付近で、最大の感度を持つことが知られている(国際照明委員会)。また、赤色LED2aの色温度は約3000K、緑色LED2bは約5500K、青色LED2cは約6500Kが一般的である。本発明の照明器具1では、比視感度の高い緑色LED2bの点灯、消灯時に於けるチラツキ等を最小限に抑え、緑色LED2bに比べて比視感度が低く色温度の低い赤色LED2aを先に点灯し、後から消灯することで、調光開始時と終了時の色バランスを保ち、高演色性と調色(色温度制御)と調光を実現することが可能である。
【0044】
<実施形態2>
図5の回路図に基づいて、本発明の実施形態2である点灯装置、及び照明器具を説明する。
【0045】
実施形態2は、実施形態1の回路とほぼ同様であるが、相違は、駆動部7とLED2との間にコンデンサCと抵抗Rを並列に接続する平滑回路を構成している点である。駆動部7aとLED2aとの間には、コンデンサC1と抵抗R1とが電気接続され、駆動部7bとLED2bとの間には、コンデンサC2と抵抗R2とが電気接続され、駆動部7cとLED2cとの間には、コンデンサC3と抵抗R3とが電気接続されている。各コンデンサCの電気容量(キャパシタンス)cは同じであり(c1=c2=c3)、また、各抵抗Rの抵抗値rも同じである(r1=r2=r3)。実施形態2では、時定数(r×c)を揃えて電流比を固定している。
【0046】
実施形態2の点灯装置3により、LED2が消灯状態に移行し、その後フェードイン制御行った時の各時間おける供給電圧V及び電流Iについて、図6のタイムチャートを用いて説明する。
【0047】
時間t0以前:マイコン6は与えられている調光レベルに応じた出力状態を維持している。V1は、LED2aの点灯電圧、V2はLED2bの点灯電圧である。
【0048】
時間t0:マイコン6に消灯信号が入力される。マイコン6はそれに応じて、駆動部7aおよび駆動部7bの出力を停止する。それにより、駆動部7aの出力電圧VO1は、平滑回路の時定数c1×r1による電圧低下が起こる。同様に、駆動部7bの出力電圧VO2も平滑回路の時定数c2×r2による電圧低下が起こる。
【0049】
時間t1:マイコン6に点灯信号が入力される。マイコン6はそれに応じて、駆動部7aおよび駆動部7bの出力を再開する。駆動部7aの出力電圧V1は変化速度α1で上昇する。時間t1での出力電圧VO1の電圧V1Lとすると、(V1−V1L)/α1で出力電圧VO1は点灯電圧V1へ到達する。α1は、IO1/c1で表され(抵抗r1の電流影響が小さい時)、電流IO1に比例している。駆動部7bも同様に出力電圧VO2は変化速度α2で上昇する。t1の時点での駆動部7bの出力電圧VO2の電圧V2Lとすると、(V2−V2L)/α2で出力電圧VO2は点灯電圧V2へ到達する。α2は、IO2/c2で表され(抵抗r2の電流影響が小さい時)、電流IO2に比例している。
【0050】
時間t2:出力電圧VO1が点灯電圧V1まで到達し、LED2aが点灯する。
【0051】
時間t3:出力電圧VO2の点灯電圧V2まで到達し、LED2bが点灯し、調光下限の光出力状態となる。
【0052】
実施形態2は、平滑回路の時定数を一定にしたことを特徴としている。この構成により、コンデンサCの残留電荷状態による赤色LED2aと緑色LED2bとの点灯タイミングに於けるズレの変動を防止できる。更に、LED2aの点灯電圧V1とLED2bの点灯電圧V2が異なる場合、V1:V2=IO1:IO2=α1:α2とすることで、充電時間を揃えることが可能となる。この設定により色設定に制約が生じる場合があるが、点灯始動後に電流IO1と電流IO2の設定を変更して、所望の電流設定にすることで色変化を目立たなくすることも可能である。また実施形態1のように、LED2aを先に点灯させるために、例えば、IO1>IO2×(V1/V2)とマイコン6のPWM信号出力を設定すれば、必ずLED2aが先に点灯するので始動時の違和感を低減することが可能である。
【0053】
実施形態2は、LED2負荷の端子両端に比較的大容量のコンデンサCを備えた例である。この構成により、LED2のピーク電流電圧変化が少なくなるため、LED素子の電気的ストレスや効率も良くなり、さらにチラツキを少なくした設計が可能である。従来技術の欠点である、調光下限でLED2を始動点灯させる場合に生じる、長い充電時間と点灯タイミングのズレを解消できる。本発明に係る照明器具1を用いることで、効率も良くチラツキも少なく、調光調色時における違和感の少ない始動点灯を提供している。
【0054】
<実施形態3の点灯装置、及び照明器具の説明>
図7のマイコンの回路図に基づいて、本発明の実施形態3である点灯装置、及び照明器具を説明する。
【0055】
マイコン6は、調光コントロール部61と実施形態3を実行させるための消灯計測部62と出力部63とを備えている。調光コントロール部61は、調光入力部9からの信号をA/D変換し、その入力信号に対応する目標の色温度と光束となるようにPWM信号の周期やデューティ比を決定する。また、交流電源ACの通電状態に応じて消灯制御も行う。消灯計測部62は、交流電源ACの遮断や調光入力部9からの信号による消灯命令が、調光コントロール部61に与えられて消灯している時間を計測する。再び、点灯命令が調光コントロール部61に与えられて点灯状態へ移行するとき、消灯経過時間の計測結果を出力部63へ送る。出力部63は、消灯経過時間を元に、緑色LED2bへのPWM2信号出力の遅延時間を決定し、点灯開始から遅延時間だけPWM2信号の出力を消灯レベルにする。なお、その他の構成は、実施形態1又は実施形態2と基本的に変わらない。
【0056】
実施形態3のマイコン6を使用した点灯装置3により、LED2が消灯状態に移行し、その後フェードイン制御行った時の各時間おける供給電圧V及び電流Iについて、図8のタイムチャートを用いて説明する。
【0057】
時間t0以前:マイコン6は与えられている調光レベルに応じた出力状態を維持している。V1は、LED2aの点灯電圧、V2はLED2bの点灯電圧である。I1は、LED2aの電流、I2はLED2bの電流である。その他は、実施形態2と同様である。
【0058】
時間t0:マイコン6に消灯の信号が入力される。マイコン6の調光コントロール部61はそれに応じて、駆動部7aおよび駆動部7bへの出力を停止する。それにより、駆動部7aの出力電圧VO1は、平滑回路の時定数c1×r1による電圧低下が起こる。同様に、駆動部7bの出力電圧VO2も平滑回路の時定数c2×r2による電圧低下が起こる。消灯計測部62が消灯時間の計測を開始する。
【0059】
時間t1:マイコン6に点灯の信号が入力される。消灯計測部62が、消灯時間の計測を終了し、消灯時間(t1−t0)の計測結果を出力部63に送る。消灯計測部62は、調光コントロール部61のPWM2信号出力の遅延を開始する。遅延の行われないPWM1信号出力は駆動部7aへ送信され、駆動部7aは出力を開始し、供給電圧VO1は上昇を始める。
【0060】
時間t2:消灯計測部62は遅延を終了し、調光コントロール部61のPWM2信号の遅延が止まり、PWM2信号が駆動部7bへ送信される。駆動部7bは出力を開始し、供給電圧VO2は上昇を始める。
【0061】
時間t3:供給電圧VO1がV1まで到達し、LED2aが点灯する。
【0062】
時間t4:供給電圧VO2がV2まで到達し、LED2bが点灯する。
【0063】
実施形態3は、フェードイン時に緑色LED2bに電力を供給する駆動部7bの始動タイミングを遅らせたことを特徴としている。この遅延により、時定数や電流設定の違いによってLED2bの点灯開始時間がLED2aより早い設定であっても、LED2bが先に点灯することを防止できるため、平滑回路設計やLED2への負荷電流設定の変更に柔軟に対応することが可能となる。また、LED2bとLED2aの点灯開始時間の差は消灯時間によって変化するため、この消灯時間に応じてLED2bの遅延時間を補正することで消灯時間がばらついても常にLED2aを先に点灯させることができる。例えば、消灯時間と共に、LED2bとLED2aとの点灯開始時間の差が大きくなる場合や、更に、調光レベル設定でLED2aとLED2bとの電流が変化したときも、必要遅延時間の予測は可能なので演算により遅延時間を修正すれば良い。特に、LED2電流Iの大きい領域(定格点灯のレベルなど)で再始動する場合は、遅延時間を0とすれば良い。
【0064】
<実施形態4の点灯装置、及び照明器具の説明>
図9の回路図に基づいて、本発明の実施形態4である点灯装置、及び照明器具を説明する。
【0065】
実施形態2又は実施形態3と異なる点は、平滑回路にLED2の両端電圧を検知する電圧検知部Lを設けたことである。電圧検知部Lは、マイコン6とも電気接続されている。LED2の両端電圧を検知してLED2が点灯しないレベル以下であると、マイコン6に低電圧検出信号「Low」を送る。例えば、LED2aの調光下限の点灯電圧が13Vであれば、80%電圧の10.4Vを閾値とする。80%電圧でなくても通常時に誤検出しない範囲に設定すればよい。また、LED2bの調光下限の点灯電圧が6.5Vであれば、80%電圧の5.2Vを閾値とする。80%電圧でなくても通常時に誤検出しない範囲に設定すればよい。
【0066】
実施形態4の点灯装置3により、LED2が消灯状態に移行し、その後フェードイン制御行った時の各時間おける供給電圧V及び電流Iについて、図10のタイムチャートを用いて説明する。
【0067】
時間t0以前:マイコン6は与えられている調光レベルに応じた出力状態を維持している。V1は、LED2aの点灯電圧、V2はLED2bの点灯電圧である。I1は、LED2aの電流、I2はLED2bの電流である。
【0068】
時間t0:マイコン6に消灯信号が入力される。マイコン6はそれに応じて、駆動部7aおよび駆動部7bの出力を停止する。それにより、駆動部7aの出力電圧VO1は、平滑回路の時定数c1×r1による電圧低下が起こる。同様に、駆動部7bの出力電圧VO2も平滑回路の時定数c2×r2による電圧低下が起こる。
【0069】
時間t0〜t1間:供給電圧VO1がLED2aを確実に消灯する電圧レベルV1L以下になると、電圧検知部L1は低電圧検出信号「Low」を送る。また、供給電圧VO2LED2bを確実に消灯する電圧レベルV2L以下になると、電圧検知部L2は低電圧検出信号「Low」を送る。
【0070】
時間t1:マイコン6に点灯信号が入力される。マイコン6は、駆動部7aに初期充電のための電流設定をPWM1信号として出力する。駆動部7aの出力電流IO1はそれに応じてI1Cとなる。同時にマイコン6は、駆動部7bに初期充電のための電流設定をPWM2信号として出力する。駆動部7bの出力電流IO2はそれに応じてI2Cとなる。そして、初期充電電流でコンデンサCは充電され始める。
【0071】
時間t2:供給電圧VO2がLED2bを確実に消灯する電圧レベルV2Lより上になると電圧検知部L2は低電圧検出信号「Low」を送る。その信号を受けマイコン6は、コンデンサC2の初期充電動作を止める。マイコン6は、充電状態が一定になる電流レベルI2ZとなるPWM2信号を駆動部7bに送る。I2Zは、抵抗R2に流れる電流でI2Z=V2L/r2である。
【0072】
時間t3:供給電圧VO1がLED2aを確実に消灯する電圧レベルV1Lより上になると電圧検知部L1は高電圧検出信号「High」を送る。その信号を受けマイコン6は、コンデンサC1の初期充電動作を止める。マイコン6は、駆動部7aへ調光下限の電流設定となるPWM1信号を駆動部7aへ送る。またマイコン6は、駆動部7bへ調光下限の電流設定となるPWM2信号を駆動部7bへ送る。
【0073】
時間t4:供給電圧VO1がV1まで到達し、LED2aが点灯する。
【0074】
時間t5:供給電圧VO2がV2まで到達し、LED2bが点灯する。
【0075】
実施形態4は、LED2(負荷)が点灯する直前の電圧状態を検知して、点灯開始時間を短くすることでバラツキを抑えたうえで、緑色LED2bの始動タイミングを遅らせたことを特徴としている。これにより時定数や電流設定の違いによってLED2bの点灯開始時間がLED2aより早い設定であっても、LED2bが先に点灯することを防止することが可能となる。また、平滑回路設計や負荷電流設定の変更に柔軟に対応して、調光下限でLED2の電流Iが少ない状態でも点灯開始を早くすることも可能となる。更に、電圧検知部Lは、負荷異常検出と兼用し易くなる。即ち、点灯中の短絡などで負荷電圧が低下を検知し、点灯回路の出力を停止するなどの制御を行えば、点灯装置3を安全な状態を保てる。本発明のどの実施形態においても、本発明に係る照明器具1を用いることで、効率も良くチラツキも少なく、調光調色時における違和感の少ない始動点灯を提供している。
【0076】
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【符号の説明】
【0077】
1:照明器具
2、2a、2b、2c:LED(光源)
3:点灯回路
5:整流器
6:マイコン
7、7a、7b、7c:駆動部
8:調光部
9:調光入力部
【技術分野】
【0001】
本発明は、色の異なる複数の光源を用いて調光や調色を行う点灯装置、及び照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、照明の光源としてLED(発光ダイオード)を備える照明器具が普及してきている。それに伴い、照明器具も低コスト化と高機能化が要求されている。LEDは、白熱電球や放電灯に比べ、光色を自由にコントロールし易く、状況に応じた調光および調色制御が可能であり、LEDを利用した照明器具が多く開発されてきている。
【0003】
この種の照明器具に於いて、色の異なるLEDを合成して所望の光を得て、発光時間や発光開始タイミングを制御することが行われている。従来の点灯装置、及び照明器具の一例を図11に示す(特許文献1参照)。
【0004】
図11は、従来の点灯装置、及び照明器具の構成を示すブロック図である。
【0005】
従来の照明器具100は、異なる色、例えば、赤色、緑色、青色、のLED200を複数備え、光出力を調整することにより、所望の色度の合成光を実現している。また、照明器具100は、各LED200が発光する発光量を計測する受光素子Aと、1周期における発光時間や発光、非発光を周期的に制御するマイコン600等の制御部と、駆動回路700と、から成る点灯装置300も備えている。各LED200に流す電流を既定電流として、発光、非発光を周期的に制御し、1周期に占める各LED200の発光時間の割合(オンデューティ比)を調整するPWM(パルス幅変調)によって各LED200の光出力を調整している。そして、受光素子Aの計測により、各LED200の内、1色の単独発光の開始タイミングや色の異なるLED200の発光時間の開始タイミングを形成させていることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−34780号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の照明器具100では、1つの受光素子Aで複数のLED200の発光量を計測して、周期点滅する複数のLED200の点灯開始タイミング調節することで、所望の色度を得ることができるが、高価な受光素子Aを必要としている。また、LED200を周期的に点滅させる必要があるため、チラツキを生じやすいという問題がある。
【0008】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、効率も良くチラツキも少なくしつつ、調光や調色による光源の点灯及び消灯時に、違和感の少ない始動点灯、始動消灯が行える点灯装置、及び照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の点灯装置は、発光色が異なる複数の光源を制御する点灯装置であって、前記光源の点灯および消灯を制御する駆動部と、外部信号を受けて前記駆動部に制御信号を送る制御部と、を備え、前記複数の光源は、第1の光源と、当該第1の光源に比べて色温度および比視感度が高い第2の光源とを少なくとも含み、前記制御部は、前記光源の点灯時には前記第1の光源を前記第2の光源より先に点灯させるフェードイン制御と、前記光源の消灯時には前記第2の光源を前記第1の光源より先に消灯または減光させるフェードアウト制御と、の少なくとも一方の制御を行う制御信号を、前記駆動部に送る。
【0010】
好ましくは、前記制御部は、前記フェードイン制御によって前記第1の光源を最初に点灯させ、前記フェードアウト制御によって前記第2の光源を最初に消灯または減光させる。
【0011】
好ましくは、前記駆動部と前記光源との間に、コンデンサと抵抗から成る平滑回路が複数設けられ、前記複数の平滑回路の時定数が同一である。
【0012】
好ましくは、前記制御部は、消灯命令を受けて消灯時間を計測する消灯計測部と、消灯時間の計測結果を前記駆動部に送る出力部とを備え、前記フェードイン時に前記第2の光源の点灯始動タイミングを遅らせる。
【0013】
好ましくは、前記点灯始動タイミングを遅らせる時間量は、計測された前記消灯時間または調光レベルによって変更可能である。
【0014】
好ましくは、前記平滑回路に前記光源の両端電圧を検知する電圧検知部が設けられ、当該電圧検知部は、前記光源の点灯時に前記第1の光原の電圧を検知し、前記制御部は、前記電圧が前記第1の光源の点灯する電位になるまで、前記第2の光源の両端電圧を点灯する電位以下に維持する指令信号を出す。
【0015】
好ましくは、前記第1の光源が赤色の光を発光する光源であり、前記第2の光源が緑色の光を発光する光源である。
【0016】
本発明の照明器具は、前記光源と前記点灯装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、点灯時には色温度および比視感度の低い光源を先に点灯させ、消灯時には色温度および比視感度の高い光源を先に消灯させることで、点灯、消灯時に生じやすい違和感を程良く解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る点灯装置、及び照明器具の実施形態1を説明するための回路図である。
【図2】実施形態1における点灯時の各LEDへの供給電圧及び電流と合計照度を示すタイムチャートである。
【図3】実施形態1における消灯時の各LEDへの供給電圧及び電流と合計照度を示すタイムチャートである。
【図4】本発明に係る点灯装置、及び照明器具に用いられる各LEDの比視感度と波長を示すグラフである。
【図5】本発明に係る点灯装置、及び照明器具の実施形態2を説明するための回路図である。
【図6】実施形態2における消灯状態に移行し、その後フェードイン制御を行った時の各LEDへの供給電圧及び電流を示すタイムチャートである。
【図7】本発明に係る点灯装置、及び照明器具の実施形態3を説明するためのマイコンの回路図である。
【図8】実施形態3における消灯状態に移行し、その後フェードイン制御を行った時の各LED2の供給電圧及び電流を示すタイムチャートである。
【図9】本発明に係る点灯装置、及び照明器具の実施形態4を説明するための回路図である。
【図10】実施形態4における消灯状態に移行し、その後フェードイン制御を行った時の各LEDへの供給電圧及び電流を示すタイムチャートである。
【図11】従来の点灯装置、及び照明器具の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る点灯装置の好適な実施形態を、図1〜図10に基づいて詳述する。
【0020】
<実施形態1>
図1の回路図に基づいて、本発明の実施形態1である点灯装置、及び照明器具を説明する。
【0021】
照明器具1は、発光色の異なる光源であるLED(発光ダイオード)2を複数備えている。本発明の実施形態では、赤色、緑色、青色の3種類を一例として記載している。第1の光源である赤色LED2aは、例えば、GaAsPタイプのLED素子などから成り、第2の光源である緑色LED2bは、例えば、GaPタイプのLED素子などから成り、第3の光源である青色LED2cは、例えば、GaNタイプの素子などから成る。なお、赤色LED2aや緑色LED2bは、白色LEDを蛍光体により波長変換して得られても良い。また、実施形態では、赤色LED2aが、LED素子を4つ直列に、緑色LED2bと青色LED2cが、LED素子を2つ直列に、それぞれ電気接続されている。なお、LED2にはパッケージやチップ等も含まれる。
【0022】
照明器具1は、点灯装置3を備えている。点灯装置3は、整流器5とマイコン6と駆動部7と調光器8と調光入力部9とを、主に備え、それぞれが電気接続されている。点灯装置3は、商用電源などの交流電源ACから電源供給を受けるものであり、整流器5により直流電源を発生させ、DC/DCコンバータ51で脈流を含んだDCを直流電力に変換させ、コンデンサ(キャパシタ)52によりLED2への供給電圧Vを直流に平滑させている。
【0023】
制御部としてのマイコン6は、調光入力部9からの信号DIMをA/D変換し、その入力信号に対応する目標の色温度と光束と成るようにPWM(パルス幅変調)の周期やデューティ比を決定する。駆動部7は、各LED2a、2b、2cに直流電力である供給電圧Vを供給するDC/DCコンバータでもあり、マイコン6からのPWM信号(駆動部7aに対しPWM1、駆動部7bに対しPWM2、駆動部7cに対しPWM3)に応じて調光の動作を行う。駆動部7aが赤色LED2aを、駆動部7bが緑色LED2bを、駆動部7cが青色LED2cを、それぞれ制御している。
【0024】
調光器8は、照明器具1を調光する機能を有し、PWM信号や非同期シリアル通信信号を出力する。調光入力部9は、調光器8からの信号をマイコン6の入力に適した信号に変換する。上述の他、点灯装置3は、交流電源ACの電圧を検知してマイコン6に通電状態を送出する検出部10を備えている。また、マイコン6は、検出部10の信号ACINに応じてLED2の消灯制御信号も出力する。なお、調光器8と調光入力部9について説明したが、調色(色温度制御)機能を備えていても良い。
【0025】
上述の点灯装置3によるLED2の点灯、消灯について、図2、図3のタイムチャートを用いて説明する。このタイムチャートは、縦軸が、各LED2への供給電圧V及び電流IとLED2の合計照度を示し、横軸が時間tを示している。
【0026】
図2は、LED2の消灯状態から点灯状態にフェードイン制御を行った一例を示している。ここで述べる点灯状態とは、調光下限近傍であり、例えば、赤色LED2aの電流IO1が約1%、緑色LED2bの電流IO2が約0.5%に、設定されている。また、調光下限近傍では、青色LED2cは点灯しない状態に設定されている。タイムチャートでは、符号VO1を駆動部7aからの出力電圧、IO1をLED2aの電流、VO2を駆動部7bからの出力電圧、IO2をLED2bの電流、としている。
【0027】
なお、本発明の各実施形態において、赤色LED2aと緑色LED2bとの2色で説明するが、それ以上の色の異なる光源を用いても構わない。
【0028】
図2の横軸の各時間おける電圧V、電流I、照度について詳述する。
【0029】
時間t0以前:交流電源ACが供給され、DC/DCコンバータ51は、コンデンサ52の両端電圧を一定に制御している。マイコン6が起動し、調光入力部9からの調光信号を入力して出力レベルを決定している。
【0030】
時間t0:マイコン6が、各LED2a、2b、2cへ出力開始のPWM信号を送る。それに応じて駆動部7aの出力電圧VO1の上昇が開始する。また、駆動部7bの出力電圧VO2も同様に上昇を開始する
【0031】
時間t1:出力電圧VO1がLED2aを点灯させる電圧に到達し、LED2aは点灯してLED2aの電流IO1が生じる。この時点では、目標とする調光設定レベルに到達していないため、さらに、LED1aの電流IO1は、時間とともに上昇する。照度も上昇し始める。
【0032】
時間t2:LED2bの出力電圧VO2がLED2bを点灯させる電圧に到達し、LED2bは点灯してLED2bの電流IO2が生じる。この時点では、電流IO2が目標とするレベルに到達していないため、さらに、LED2aの電流IO2は、時間とともに上昇する。LED2bの点灯は、例えば、LED2aの点灯から100ミリ秒(ms)以内(t2−t1以内)とすることが望ましい。
【0033】
時間t3:電流IO1と電流IO2との電流レベルが所定の電流値まで到達する。マイコン6は駆動部7aと駆動部7bの出力上昇を停止させ、この点灯状態を維持する。所望の照度に達する。
【0034】
図3は、LED2の点灯状態から消灯状態にフェードアウト制御を行った一例を示している。点灯状態等や各符号は、図2と同様である。
【0035】
図3の横軸の各時間おける電圧V、電流I、照度について詳述する。
【0036】
時間t0以前:マイコン6は与えられている調光レベルに応じた出力状態を維持している。
【0037】
時間t0:マイコン6に消灯の信号が入力される。マイコン6はそれに応じて、駆動部7aの出力電圧VO1の下降を開始する。また、駆動部7bの出力電圧VO2も同様に下降を開始する。照度も下降を開始する。
【0038】
時間t1:駆動部7bの出力電圧VO2がLED2bを消灯させる電圧に到達し、LED2bは消灯する。LED2bの電流IO2は0になる。さらに、LED2bの電圧VO2を時間とともに下降させる制御が行われる。照度も下降する。
【0039】
時間t2:駆動部7aの出力電圧VO1が負荷LED2aを消灯させる電圧に到達し、LED2aは消灯する。LED2aの電流IO1は0になる。さらに、LED2aの電圧VO1を時間とともに下降させる制御が行われる。照度も0となる。
【0040】
時間t3:駆動部7aの出力電圧VO1と駆動部7bの出力電圧VO2の電圧が、0まで到達し、マイコン6は、駆動部7aと駆動部7bの動作を停止させ、消灯状態を維持する。
【0041】
赤色LED2aと緑色LED2bとの光を混合することで赤から黄色の光(白熱電球のような色味)を再現しているが、LED2aの点灯とLED2bの点灯のタイミングがズレたりすることがある。例えば、LED2のチップ温度変化などで点灯開始電圧が変化したり、駆動部7の出力バラツキなどで点灯開始時間が変化することがある。このバラツキにより緑色LED2bが先に点灯すると、違和感を生じさせる可能性があり、本発明の照明器具1では、始動時には色温度の低い赤色LED2aを先に点灯させ、消灯時には比視感度の高い緑色LED2bを先に消灯させることで、赤色LED2aの持つ電球色のリラックスやくつろぎ感を与え、点灯、消灯時の不安感を程良く解消している。また、色変化の不連続による違和感も改善され良好な照明器具1を提供できる。
【0042】
色変化の不連続による違和感について、図4のグラフを用いて説明する。
【0043】
図4は、縦軸に比視感度と光出力比を横軸に波長を示している。比視感度特性から各LED2が同じ光度の場合、緑色LED2bが最も強く感じられることが分かる。人の目は明るい場所では、波長555nm付近で、暗いところでは、波長507nm付近で、最大の感度を持つことが知られている(国際照明委員会)。また、赤色LED2aの色温度は約3000K、緑色LED2bは約5500K、青色LED2cは約6500Kが一般的である。本発明の照明器具1では、比視感度の高い緑色LED2bの点灯、消灯時に於けるチラツキ等を最小限に抑え、緑色LED2bに比べて比視感度が低く色温度の低い赤色LED2aを先に点灯し、後から消灯することで、調光開始時と終了時の色バランスを保ち、高演色性と調色(色温度制御)と調光を実現することが可能である。
【0044】
<実施形態2>
図5の回路図に基づいて、本発明の実施形態2である点灯装置、及び照明器具を説明する。
【0045】
実施形態2は、実施形態1の回路とほぼ同様であるが、相違は、駆動部7とLED2との間にコンデンサCと抵抗Rを並列に接続する平滑回路を構成している点である。駆動部7aとLED2aとの間には、コンデンサC1と抵抗R1とが電気接続され、駆動部7bとLED2bとの間には、コンデンサC2と抵抗R2とが電気接続され、駆動部7cとLED2cとの間には、コンデンサC3と抵抗R3とが電気接続されている。各コンデンサCの電気容量(キャパシタンス)cは同じであり(c1=c2=c3)、また、各抵抗Rの抵抗値rも同じである(r1=r2=r3)。実施形態2では、時定数(r×c)を揃えて電流比を固定している。
【0046】
実施形態2の点灯装置3により、LED2が消灯状態に移行し、その後フェードイン制御行った時の各時間おける供給電圧V及び電流Iについて、図6のタイムチャートを用いて説明する。
【0047】
時間t0以前:マイコン6は与えられている調光レベルに応じた出力状態を維持している。V1は、LED2aの点灯電圧、V2はLED2bの点灯電圧である。
【0048】
時間t0:マイコン6に消灯信号が入力される。マイコン6はそれに応じて、駆動部7aおよび駆動部7bの出力を停止する。それにより、駆動部7aの出力電圧VO1は、平滑回路の時定数c1×r1による電圧低下が起こる。同様に、駆動部7bの出力電圧VO2も平滑回路の時定数c2×r2による電圧低下が起こる。
【0049】
時間t1:マイコン6に点灯信号が入力される。マイコン6はそれに応じて、駆動部7aおよび駆動部7bの出力を再開する。駆動部7aの出力電圧V1は変化速度α1で上昇する。時間t1での出力電圧VO1の電圧V1Lとすると、(V1−V1L)/α1で出力電圧VO1は点灯電圧V1へ到達する。α1は、IO1/c1で表され(抵抗r1の電流影響が小さい時)、電流IO1に比例している。駆動部7bも同様に出力電圧VO2は変化速度α2で上昇する。t1の時点での駆動部7bの出力電圧VO2の電圧V2Lとすると、(V2−V2L)/α2で出力電圧VO2は点灯電圧V2へ到達する。α2は、IO2/c2で表され(抵抗r2の電流影響が小さい時)、電流IO2に比例している。
【0050】
時間t2:出力電圧VO1が点灯電圧V1まで到達し、LED2aが点灯する。
【0051】
時間t3:出力電圧VO2の点灯電圧V2まで到達し、LED2bが点灯し、調光下限の光出力状態となる。
【0052】
実施形態2は、平滑回路の時定数を一定にしたことを特徴としている。この構成により、コンデンサCの残留電荷状態による赤色LED2aと緑色LED2bとの点灯タイミングに於けるズレの変動を防止できる。更に、LED2aの点灯電圧V1とLED2bの点灯電圧V2が異なる場合、V1:V2=IO1:IO2=α1:α2とすることで、充電時間を揃えることが可能となる。この設定により色設定に制約が生じる場合があるが、点灯始動後に電流IO1と電流IO2の設定を変更して、所望の電流設定にすることで色変化を目立たなくすることも可能である。また実施形態1のように、LED2aを先に点灯させるために、例えば、IO1>IO2×(V1/V2)とマイコン6のPWM信号出力を設定すれば、必ずLED2aが先に点灯するので始動時の違和感を低減することが可能である。
【0053】
実施形態2は、LED2負荷の端子両端に比較的大容量のコンデンサCを備えた例である。この構成により、LED2のピーク電流電圧変化が少なくなるため、LED素子の電気的ストレスや効率も良くなり、さらにチラツキを少なくした設計が可能である。従来技術の欠点である、調光下限でLED2を始動点灯させる場合に生じる、長い充電時間と点灯タイミングのズレを解消できる。本発明に係る照明器具1を用いることで、効率も良くチラツキも少なく、調光調色時における違和感の少ない始動点灯を提供している。
【0054】
<実施形態3の点灯装置、及び照明器具の説明>
図7のマイコンの回路図に基づいて、本発明の実施形態3である点灯装置、及び照明器具を説明する。
【0055】
マイコン6は、調光コントロール部61と実施形態3を実行させるための消灯計測部62と出力部63とを備えている。調光コントロール部61は、調光入力部9からの信号をA/D変換し、その入力信号に対応する目標の色温度と光束となるようにPWM信号の周期やデューティ比を決定する。また、交流電源ACの通電状態に応じて消灯制御も行う。消灯計測部62は、交流電源ACの遮断や調光入力部9からの信号による消灯命令が、調光コントロール部61に与えられて消灯している時間を計測する。再び、点灯命令が調光コントロール部61に与えられて点灯状態へ移行するとき、消灯経過時間の計測結果を出力部63へ送る。出力部63は、消灯経過時間を元に、緑色LED2bへのPWM2信号出力の遅延時間を決定し、点灯開始から遅延時間だけPWM2信号の出力を消灯レベルにする。なお、その他の構成は、実施形態1又は実施形態2と基本的に変わらない。
【0056】
実施形態3のマイコン6を使用した点灯装置3により、LED2が消灯状態に移行し、その後フェードイン制御行った時の各時間おける供給電圧V及び電流Iについて、図8のタイムチャートを用いて説明する。
【0057】
時間t0以前:マイコン6は与えられている調光レベルに応じた出力状態を維持している。V1は、LED2aの点灯電圧、V2はLED2bの点灯電圧である。I1は、LED2aの電流、I2はLED2bの電流である。その他は、実施形態2と同様である。
【0058】
時間t0:マイコン6に消灯の信号が入力される。マイコン6の調光コントロール部61はそれに応じて、駆動部7aおよび駆動部7bへの出力を停止する。それにより、駆動部7aの出力電圧VO1は、平滑回路の時定数c1×r1による電圧低下が起こる。同様に、駆動部7bの出力電圧VO2も平滑回路の時定数c2×r2による電圧低下が起こる。消灯計測部62が消灯時間の計測を開始する。
【0059】
時間t1:マイコン6に点灯の信号が入力される。消灯計測部62が、消灯時間の計測を終了し、消灯時間(t1−t0)の計測結果を出力部63に送る。消灯計測部62は、調光コントロール部61のPWM2信号出力の遅延を開始する。遅延の行われないPWM1信号出力は駆動部7aへ送信され、駆動部7aは出力を開始し、供給電圧VO1は上昇を始める。
【0060】
時間t2:消灯計測部62は遅延を終了し、調光コントロール部61のPWM2信号の遅延が止まり、PWM2信号が駆動部7bへ送信される。駆動部7bは出力を開始し、供給電圧VO2は上昇を始める。
【0061】
時間t3:供給電圧VO1がV1まで到達し、LED2aが点灯する。
【0062】
時間t4:供給電圧VO2がV2まで到達し、LED2bが点灯する。
【0063】
実施形態3は、フェードイン時に緑色LED2bに電力を供給する駆動部7bの始動タイミングを遅らせたことを特徴としている。この遅延により、時定数や電流設定の違いによってLED2bの点灯開始時間がLED2aより早い設定であっても、LED2bが先に点灯することを防止できるため、平滑回路設計やLED2への負荷電流設定の変更に柔軟に対応することが可能となる。また、LED2bとLED2aの点灯開始時間の差は消灯時間によって変化するため、この消灯時間に応じてLED2bの遅延時間を補正することで消灯時間がばらついても常にLED2aを先に点灯させることができる。例えば、消灯時間と共に、LED2bとLED2aとの点灯開始時間の差が大きくなる場合や、更に、調光レベル設定でLED2aとLED2bとの電流が変化したときも、必要遅延時間の予測は可能なので演算により遅延時間を修正すれば良い。特に、LED2電流Iの大きい領域(定格点灯のレベルなど)で再始動する場合は、遅延時間を0とすれば良い。
【0064】
<実施形態4の点灯装置、及び照明器具の説明>
図9の回路図に基づいて、本発明の実施形態4である点灯装置、及び照明器具を説明する。
【0065】
実施形態2又は実施形態3と異なる点は、平滑回路にLED2の両端電圧を検知する電圧検知部Lを設けたことである。電圧検知部Lは、マイコン6とも電気接続されている。LED2の両端電圧を検知してLED2が点灯しないレベル以下であると、マイコン6に低電圧検出信号「Low」を送る。例えば、LED2aの調光下限の点灯電圧が13Vであれば、80%電圧の10.4Vを閾値とする。80%電圧でなくても通常時に誤検出しない範囲に設定すればよい。また、LED2bの調光下限の点灯電圧が6.5Vであれば、80%電圧の5.2Vを閾値とする。80%電圧でなくても通常時に誤検出しない範囲に設定すればよい。
【0066】
実施形態4の点灯装置3により、LED2が消灯状態に移行し、その後フェードイン制御行った時の各時間おける供給電圧V及び電流Iについて、図10のタイムチャートを用いて説明する。
【0067】
時間t0以前:マイコン6は与えられている調光レベルに応じた出力状態を維持している。V1は、LED2aの点灯電圧、V2はLED2bの点灯電圧である。I1は、LED2aの電流、I2はLED2bの電流である。
【0068】
時間t0:マイコン6に消灯信号が入力される。マイコン6はそれに応じて、駆動部7aおよび駆動部7bの出力を停止する。それにより、駆動部7aの出力電圧VO1は、平滑回路の時定数c1×r1による電圧低下が起こる。同様に、駆動部7bの出力電圧VO2も平滑回路の時定数c2×r2による電圧低下が起こる。
【0069】
時間t0〜t1間:供給電圧VO1がLED2aを確実に消灯する電圧レベルV1L以下になると、電圧検知部L1は低電圧検出信号「Low」を送る。また、供給電圧VO2LED2bを確実に消灯する電圧レベルV2L以下になると、電圧検知部L2は低電圧検出信号「Low」を送る。
【0070】
時間t1:マイコン6に点灯信号が入力される。マイコン6は、駆動部7aに初期充電のための電流設定をPWM1信号として出力する。駆動部7aの出力電流IO1はそれに応じてI1Cとなる。同時にマイコン6は、駆動部7bに初期充電のための電流設定をPWM2信号として出力する。駆動部7bの出力電流IO2はそれに応じてI2Cとなる。そして、初期充電電流でコンデンサCは充電され始める。
【0071】
時間t2:供給電圧VO2がLED2bを確実に消灯する電圧レベルV2Lより上になると電圧検知部L2は低電圧検出信号「Low」を送る。その信号を受けマイコン6は、コンデンサC2の初期充電動作を止める。マイコン6は、充電状態が一定になる電流レベルI2ZとなるPWM2信号を駆動部7bに送る。I2Zは、抵抗R2に流れる電流でI2Z=V2L/r2である。
【0072】
時間t3:供給電圧VO1がLED2aを確実に消灯する電圧レベルV1Lより上になると電圧検知部L1は高電圧検出信号「High」を送る。その信号を受けマイコン6は、コンデンサC1の初期充電動作を止める。マイコン6は、駆動部7aへ調光下限の電流設定となるPWM1信号を駆動部7aへ送る。またマイコン6は、駆動部7bへ調光下限の電流設定となるPWM2信号を駆動部7bへ送る。
【0073】
時間t4:供給電圧VO1がV1まで到達し、LED2aが点灯する。
【0074】
時間t5:供給電圧VO2がV2まで到達し、LED2bが点灯する。
【0075】
実施形態4は、LED2(負荷)が点灯する直前の電圧状態を検知して、点灯開始時間を短くすることでバラツキを抑えたうえで、緑色LED2bの始動タイミングを遅らせたことを特徴としている。これにより時定数や電流設定の違いによってLED2bの点灯開始時間がLED2aより早い設定であっても、LED2bが先に点灯することを防止することが可能となる。また、平滑回路設計や負荷電流設定の変更に柔軟に対応して、調光下限でLED2の電流Iが少ない状態でも点灯開始を早くすることも可能となる。更に、電圧検知部Lは、負荷異常検出と兼用し易くなる。即ち、点灯中の短絡などで負荷電圧が低下を検知し、点灯回路の出力を停止するなどの制御を行えば、点灯装置3を安全な状態を保てる。本発明のどの実施形態においても、本発明に係る照明器具1を用いることで、効率も良くチラツキも少なく、調光調色時における違和感の少ない始動点灯を提供している。
【0076】
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【符号の説明】
【0077】
1:照明器具
2、2a、2b、2c:LED(光源)
3:点灯回路
5:整流器
6:マイコン
7、7a、7b、7c:駆動部
8:調光部
9:調光入力部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光色が異なる複数の光源を制御する点灯装置であって、
前記光源の点灯および消灯を制御する駆動部と、
外部信号を受けて前記駆動部に制御信号を送る制御部と、を備え、
前記複数の光源は、第1の光源と、当該第1の光源に比べて色温度および比視感度が高い第2の光源とを少なくとも含み、
前記制御部は、前記光源の点灯時には前記第1の光源を前記第2の光源より先に点灯させるフェードイン制御と、前記光源の消灯時には前記第2の光源を前記第1の光源より先に消灯または減光させるフェードアウト制御と、の少なくとも一方の制御を行う制御信号を、前記駆動部に送る点灯装置。
【請求項2】
請求項1に記載の点灯装置であって、
前記制御部は、前記フェードイン制御によって前記第1の光源を最初に点灯させ、前記フェードアウト制御によって前記第2の光源を最初に消灯または減光させる点灯装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の点灯装置であって、
前記駆動部と前記光源との間に、コンデンサと抵抗から成る平滑回路が複数設けられ、前記複数の平滑回路の時定数が同一である点灯装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の点灯装置であって、
前記制御部は、消灯命令を受けて消灯時間を計測する消灯計測部と、消灯時間の計測結果を前記駆動部に送る出力部とを備え、前記フェードイン時に前記第2の光源の点灯始動タイミングを遅らせる点灯装置。
【請求項5】
請求項4に記載の点灯装置であって、
前記点灯始動タイミングを遅らせる時間量は、計測された前記消灯時間または調光レベルによって変更可能である点灯装置。
【請求項6】
請求項3に記載の点灯装置であって、
前記平滑回路に前記光源の両端電圧を検知する電圧検知部が設けられ、当該電圧検知部は、前記光源の点灯時に前記第1の光原の電圧を検知し、前記制御部は、前記電圧が前記第1の光源の点灯する電位になるまで、前記第2の光源の両端電圧を点灯する電位以下に維持する指令信号を出す点灯装置。
【請求項7】
請求項2に記載の点灯装置であって、
前記第1の光源が赤色の光を発光する光源であり、前記第2の光源が緑色の光を発光する光源である点灯装置。
【請求項8】
前記光源と請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の点灯装置を備える照明器具。
【請求項1】
発光色が異なる複数の光源を制御する点灯装置であって、
前記光源の点灯および消灯を制御する駆動部と、
外部信号を受けて前記駆動部に制御信号を送る制御部と、を備え、
前記複数の光源は、第1の光源と、当該第1の光源に比べて色温度および比視感度が高い第2の光源とを少なくとも含み、
前記制御部は、前記光源の点灯時には前記第1の光源を前記第2の光源より先に点灯させるフェードイン制御と、前記光源の消灯時には前記第2の光源を前記第1の光源より先に消灯または減光させるフェードアウト制御と、の少なくとも一方の制御を行う制御信号を、前記駆動部に送る点灯装置。
【請求項2】
請求項1に記載の点灯装置であって、
前記制御部は、前記フェードイン制御によって前記第1の光源を最初に点灯させ、前記フェードアウト制御によって前記第2の光源を最初に消灯または減光させる点灯装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の点灯装置であって、
前記駆動部と前記光源との間に、コンデンサと抵抗から成る平滑回路が複数設けられ、前記複数の平滑回路の時定数が同一である点灯装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の点灯装置であって、
前記制御部は、消灯命令を受けて消灯時間を計測する消灯計測部と、消灯時間の計測結果を前記駆動部に送る出力部とを備え、前記フェードイン時に前記第2の光源の点灯始動タイミングを遅らせる点灯装置。
【請求項5】
請求項4に記載の点灯装置であって、
前記点灯始動タイミングを遅らせる時間量は、計測された前記消灯時間または調光レベルによって変更可能である点灯装置。
【請求項6】
請求項3に記載の点灯装置であって、
前記平滑回路に前記光源の両端電圧を検知する電圧検知部が設けられ、当該電圧検知部は、前記光源の点灯時に前記第1の光原の電圧を検知し、前記制御部は、前記電圧が前記第1の光源の点灯する電位になるまで、前記第2の光源の両端電圧を点灯する電位以下に維持する指令信号を出す点灯装置。
【請求項7】
請求項2に記載の点灯装置であって、
前記第1の光源が赤色の光を発光する光源であり、前記第2の光源が緑色の光を発光する光源である点灯装置。
【請求項8】
前記光源と請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の点灯装置を備える照明器具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−101818(P2013−101818A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−244667(P2011−244667)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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