説明

無干出での海苔種網の新芽育成方法

【課題】無干出でのPH処理後の死滅したケイ藻が壁塗り状態となり海苔種網の新芽の育成の妨げとなるのを防止し、無干出での海苔種網の育成を可能とする無干出での海苔種網の新芽育成方法を提供する。
【解決手段】洗浄ノズル3を種網洗浄機8に取りつけたものを油圧モーター10によりクランク11を回転させクランクロッド12とアームにより支持メタル13を軸にして種網洗浄機8を左右に振れるようにした。また、種網洗浄機8に取りつけた洗浄ノズル3からは給水ホース14から吸い上げられた海水が高圧ポンプ5により圧送ホース6で送られ、勢いよく吹き出し、ガイドパイプによりすくい上げられた種網のケイ藻を隙間なく洗い落とせるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は無干出で海苔の新芽を育成するための方法と装置に関するもの。
【背景技術】
【0002】
従来の海苔種網の新芽を育成するためには竹竿を海底に差したり干出枠を利用するなどして海苔種網を水面より上にあげて干出を行い干すことでケイ藻などの雑藻や雑菌類を除去して海苔の新芽を育成していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、以上の技術によれば干出のための竹竿や干出枠の資材代や設置及び撤去のための大変な労力また、それらを保管するための広い土地の確保など大変なものだった。本発明は、海苔種網の新芽を育成するに当たり干出しないで育成することで干出のための竹竿や干出枠などの資材を必要としないで上記の資材代や労力を削減しまた保管するための土地も必要でなくすることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以上の課題を解決するために、第一発明は。無干出で海苔種網に付いている海苔の新芽を育成するために海苔種網に付着するケイ藻などの雑藻や雑菌を除去するため既存のPH処理船でPH処理しますがケイ藻は死滅はしていても海苔網の糸から離れず壁塗り状態になつて海苔の新芽の発育の障害となり発育不良や死滅を引き起こします。
そこで、壁塗り状態のケイ藻を取り除くためにPH処理船またはその他の船の前方または後方にまた、上方または下方に洗浄のためのノズルを船の進行方向に横に多数配列しノズルを同方向にまたは、縦方向に振り移動しながら海苔種網を隙間なく洗浄できるようにした。ポンプからノズルに海水を圧送しノズルから吹き出した海水の水圧で洗い落とす。
【発明の効果】
【0005】
第一発明により無干出で海苔種網の育成ができると言うことは干出のための資材やそれらを保管するための土地また、設置や撤去また育成のための労力を省くことができると共に小人数で大量の網を管理できるまた、時間に関係なく作業でき、干出できないような湿度の高い時でも作業をすることができる。また、干し加減などの経験や技術も必要としなくなる。干出に向かない丈夫な網をも使用できるので経済的です。干出枠を使わないので荒天の時に網へのリスクが少ない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
この発明の実施形態を、図1、図2、図3、に示す。
図3は洗浄ノズル3 を往復運動させるための解説略図であるが海苔種網洗浄機8 に洗浄ノズル3 を取り付け油圧モーター10 の回転運動をクランク11 とクランクロッド12 により往復運動に変換しこれを横振りアーム15 に伝えることで 海苔種網洗浄機8 は図3のようにに横振りし(船の進行方向に対し縦振り)しながら種網を洗浄していく。横振りの軸となる支持メタル13 図2は海苔種網洗浄機と高圧ポンプの斜視略図で施設全体の配置がわかる。洗浄のための海水の流れは給水ホース14 で吸い上げられ高圧ポンプ5 により海水圧送ホース6 を介し海苔種網洗浄機8 に送られて洗浄ノズル3 よりいよく吹き出される。図1は海苔種網洗浄機を設置し作業中のPH処理船側面図で PH処理船1 はガイドパイプ9 により前進することで海苔種網を船上にすくい上げ海苔種網洗浄機8 の噴水7 により洗浄される。また、運転席4 海面2
[実施形態の効果]
【0007】
この実施形態によれば無干出での海苔種網の育成ではPH処理船でPH処理しても死滅したケイ藻などの雑藻が付着したままとなりこれが新芽の成長の妨げとなり無干出での海苔種網の育成はできなかったがこれらの付着物を完全に取り去ることができ無干出での海苔種網の育成が可能となった。 そのことで、従来の有干出での海苔種網の育成では竹竿や干出枠など大量の資材やこれらを設置または撤去の作業などに大変な労力や費用を必要としていたがこれらを必要としなくなった。また、海苔種網の干し加減などの経験も必要ないとともに少人数で大量の種網を育成することができる。
[他の実施形態]
【0008】
本発明に使用する海苔種網洗浄機を利用すれば生産中の海苔網においてもケイ藻や雑菌の除去を行うことができる。海面上のから海面下にある海苔網に高圧の海水を吹きつけるようにこれを設置すれば水圧でケイ藻を除去し水中に発生するミクロの泡が破裂する時に起こる衝撃波により細菌を死滅させることができるとともに海苔の細胞を活性化でき成長をも促進できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】海苔種網洗浄機を設置し作業中のPH処理船側面図
【図2】海苔種網洗浄機と高圧ポンプの斜視略図
【図3】洗浄ノズルの往複運動させるための解説略図
【符号の説明】
【0010】
1.PH処理船 2.海面 3.洗浄ノズル 4.運転席 5.高圧ポンプ 6.海水圧送ホース 7.噴水 8.海苔種網洗浄機本体 9.ガイドパイプ 10.油圧モーター 11.クランク 12.クランクロッド 13.支持メタル 14.給水ホース 15.横振りアーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無干出での海苔種網の新芽育成方法において、まず最初に海苔の種網を従来使用しているベタ流しのセットに複数枚ずつはりつけます。
次にPH処理船で海苔種網のPH処理を行い新芽の育成の障害となる雑菌やケイ藻アオノリなどの雑藻の死滅をさせます。 しかし、ケイ藻などは死滅はしても海苔種網から除去することができず海苔種網の表面を壁塗り状態となり新芽を覆い発育の妨げや死滅の原因となり目的を果たすことができない。そこで、PH処理船またはその他の船の前方または後方にまた、海苔種網の上方または下方から洗浄できるように洗浄ノズルを多数を進行方向に横方向に配列設置し、これを同方向に横振りまたは、縦振りする構造とした。また、高圧ポンプにより送られた海水が洗浄ノズルから噴出し、その水圧で海苔種網の表面に壁塗り状態となつて死滅したケイ藻を船を前進させることでまんべんなく除去できるようにしたことを特徴としている。上記のような方法を繰り返し行うことで海苔種網の新芽を快適に成長させる環境を作りだし干出施設を必要としない無干出での海苔種網の新芽育成方法を可能とした。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−209316(P2007−209316A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−60170(P2006−60170)
【出願日】平成18年2月6日(2006.2.6)
【出願人】(595122338)
【Fターム(参考)】