説明

無線内線電話システム

【課題】騒音が激しい場所でも着信音が鳴動しない設定で使用している場合でも着信を確実にその使用者に通知することができるようにした無線内線電話システムを提供する。
【解決手段】予め登録した無線内線電話端末3に着信を通知する制御装置1に、無線内線電話端末3への着信時に着信補足表示開始信号を出力する表示通知部10を設け、この表示通知部10からの着信補足表示開始信号を受けて着信補足データを抽出して出力する表示装置制御部4と、この表示装置制御部4からの着信補足データに基づいて着信補足を表示部18に表示する表示装置5とを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予め登録した無線内線電話端末へ制御装置を通して着信通知を行う無線内線電話システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の無線内線電話システムとして、予め登録した無線内線電話端末へ制御装置を通して着信通知を行う構成が知られており(例えば、特許文献1および特許文献2を参照)、無線内線電話端末への着信を通知する主な方法として、無線内線電話端末自身に設けた着信通知機能により、着信音を鳴らしたり、発光部を明滅したり、振動したりする3種類が存在し、設定によりこれらを組み合わせて使用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−18650号公報
【特許文献2】特開2003−274045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の無線内線電話システムにおける無線内線電話端末への着信通知方法では、無線内線電話端末の使用形態として、騒音の激しい場所で使用していたり、作業着などに装着したケース内に入れた状態で保持したり、イヤホンなどを装着して着信音が鳴動しない設定で使用していたりした場合、着信に気がつかない、もしくは気がつきにくいことがあった。
【0005】
本発明の目的は、騒音が激しい場所や着信音が鳴動しない設定で使用している場合でも、その使用形態に拘わらず着信を確実にその使用者に通知することができるようにした無線内線電話システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記目的を達成するために、少なくとも1台の無線内線電話端末を予め制御装置に登録し、上記無線内線電話端末への着信を受けたとき上記制御装置は基地局を通して上記無線内線電話端末へ着信を通知するように構成した無線内線電話システムにおいて、上記制御装置に、上記無線内線電話端末への着信に関連して着信補足表示開始信号を出力する表示通知部を設け、この表示通知部からの着信補足表示開始信号を受けて対応する着信補足データを抽出する表示装置制御部と、この表示装置制御部で抽出した着信補足データに基づいて着信補足を表示する表示装置とを設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明による無線内線電話システムによれば、予め登録された無線内線電話端末への着信を受けた場合、無線内線電話端末における通常の通知の他に、この着信に関連して抽出した着信補足データに基づいて表示装置に着信補足を表示することが追加されて二重に通知されるため、無線内線電話端末の周囲環境や使用形態によってその使用者が着信に気付かないケースを減らすことができ、しかも、表示装置の設置位置や大きさによって他の人の視覚にも訴えて協力を仰ぐこともでき、必要な情報を速やかに伝達することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施の形態による無線内線電話システムを示すブロック構成図である。
【図2】図1に示した制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図3】図1に示した表示装置制御部の処理動作を示すフローチャートである。
【図4】図1に示した表示装置の処理動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0009】
図1は、本発明の一実施の形態による無線内線電話システムを示すブロック構成図である。
この無線内線電話システムは、予め登録した少なくとも1台の無線内線電話端末に着信を通知する機能を持つ制御装置1と、基地局2を通して制御装置1からの着信通知を受けたとき、設定により着信音を鳴らしたり、発光部を明滅させたり、振動させたりして着信を使用者に通知する着信通知機能を有する少なくとも1台の無線内線電話端末3と、制御装置1に接続されて制御装置1から受けた着信補足の表示開始信号および未応答着信履歴補足の表示開始信号などに従って対応する着信補足の表示データおよび未応答着信履歴補足の表示データを抽出する表示装置制御部4と、この表示装置制御部4からの着信補足および未応答着信履歴補足の表示データに基づいて補足表示を行う少なくとも1台の表示装置5とを有している。
【0010】
制御装置1は、呼び出し対象となった無線内線電話端末3に対して行う通常の着信通知部6と、この無線内線電話端末3が鳴動するなど着信通知機能が作動したことを検出する鳴動等検出部7と、無線内線電話端末3と無線電話端末20の間で通話状態になったことを検出する通話状態検出部8と、鳴動等検出部7が検出を行った後で通話状態になる前に発信元の無線電話端末20が切断されたときの未応答着信履歴を検出する未応答着信履歴検出部9と、これらの各部の検出信号等を用いて表示装置制御部4へ通知する表示通知部10と、これらの各部を制御する制御部11とを有している。
【0011】
上述した表示通知部10は、鳴動等検出部7が検出を行ったときに発信元の無線電話端末10の情報(電話番号、内線、外線など)や無線内線電話端末3の情報(電話番号、無線内線電話端末2を呼び出している基地局2の回線番号、呼び出しエリア12など)を含む着信補足の表示開始信号を表示装置制御部4へ送信し、また通話状態検出部8が検出を行ったときに着信補足の表示終了信号を表示装置制御部3へ送信し、さらに未応答着信履歴検出部9が未応答着信履歴を検出したときに上述した無線内線電話端末3の情報を含む未応答着信履歴補足の表示開始信号を表示装置制御部4へ送信するように構成している。
【0012】
表示装置制御部4は、登録されている各無線内線電話端末毎に規定位置(所属部署の位置)などの設定情報や、基地局2や呼び出しエリア12などの位置情報や各種未着信補足の表示データなどを対応付けて記憶した着信補足設定テーブル13と、この着信補足設定テーブル13と同様に未応答着信履歴補足の表示データなどを対応付けて記憶した個別未応答設定テーブル14と、制御部1からの着信補足の表示開始信号などに基づいて着信補足設定テーブル13を参照しながら対応する位置の表示装置5やその着信補足の表示データを抽出する着信補足表示部15と、未応答着信履歴補足の表示開始信号などに基づいて個別未応答設定テーブル14を参照しながら対応する位置の表示装置5やその未応答着信履歴補足の表示データを抽出する未応答着信履歴表示部16と、これら各部を制御する制御部17とを有している。
【0013】
表示装置5は、呼び出しエリア12毎に設置されており、着信補足の表示開始信号が送信されてから着信補足表示終了信号が送信されるまでの間、着信補足表示部15からの着信補足データにより表示を行うと共に、未応答着信履歴表示部16からの未応答着信履歴補足の表示データにより所定時間表示を行う表示部18と、必要に応じて設けられて表示部18と連動して補足音声を流すスピーカー19とを有している。
【0014】
次に、上述した無線内線電話システムの処理動作について説明する。
図2は、制御装置1の処理動作を示すフローチャートである。先ず、制御装置1では、ステップS1で予め登録された無線内線電話端末への発信を受けたか否かを監視している。今、呼び出しエリア12外の無線電話端末20から予め登録された無線内線電話端末3への発信を制御装置1が受けたとすると、制御装置1はステップS2で従来の場合と同様に着信通知部6によって無線内線電話端末3へ着信を通知し、その後はステップS3で鳴動等検出部7の監視状態となる。着信通知を受けた無線内線電話端末3は制御装置1へ呼び出しを返すと、これを受信した制御装置1の鳴動等検出部7は、ステップS4で無線内線電話端末3の着信通知機能が作動して鳴動状態になったことを検出する。
【0015】
すると、鳴動等検出部7の検出によって表示通知部10が作動し、ステップS5で表示通知部10は、発信側の無線電話端末20の情報(電話番号、内線、外線など)と、受信側の無線内線電話端末3の情報(電話番号、無線内線電話端末3を呼び出す基地局2の回線番号、呼び出しエリア12など)とを含む着信補足の表示開始信号を表示装置制御部4へ送信する。その後、制御装置1の通話状態検出部8は、ステップS6で無線電話端末20と無線内線電話端末3間が通話状態になるか、または通話状態になる前に無線電話端末20が切断されるかを監視する状態となる。
【0016】
その後、ステップS6およびステップS7で通話状態検出部8により無線電話端末20と無線内線電話端末3間で通話状態となったと判定されて検出されると、続いてステップS8で表示通知部10は、着信補足の表示終了信号を表示装置制御部4へ送信して終了となる。
【0017】
図3は、表示装置制御部4の処理動作を示すフローチャートであり、制御装置1の表示通知部10から図2に示したステップS5で着信補足の表示開始信号を受信し、その後、ステップS8で着信補足の表示終了信号を受信した場合の対応する処理動作について説明する。先ず、表示装置制御部4は、ステップS11で制御装置1の表示通知部10から送信されてくる着信補足の表示開始信号の受信を監視する監視状態となっている。図2に示したステップS5で表示通知部10から着信補足の表示開始信号が送信されると、表示装置制御部4の着信補足表示部15は、ステップS12でこの受信した着信補足の表示開始信号に含まれた回線番号または呼び出しエリア12などを用いて、着信補足設定テーブル13を参照しながら無線内線電話端末3に対応した規定位置に設置した表示装置5と着信補足の表示データとを抽出し、その表示装置5に着信補足の表示データを送信する。その後、表示装置制御部4の着信補足表示部15および未応答着信履歴表示部16は、ステップS13で制御装置1からの次の信号受信を待つ監視状態となる。
【0018】
このとき着信補足表示部15が選択する表示装置5としては、無線内線電話端末3に対応した呼び出しエリア12に設置した1台でも良いし、他のエリアを含めて近傍に配置した複数台であっても良い。この場合、無線内線電話端末3が応答している回線の呼び出しエリア12以外のどの表示装置に表示するかは、表示装置制御部4の着信補足設定テーブル13に記憶させた設定によって決定する。
【0019】
その後、ステップS13による監視状態のとき、図2で説明したステップS8で着信補足の表示終了信号が表示装置制御部4へ送信されると、表示装置制御部4における着信補足表示部15は、この着信補足の表示終了信号をステップS13およびステップS14で着信補足の表示終了信号であることを判定して検出し、ステップS15で着信補足表示を行っている表示装置5への着信補足の表示終了信号を送信する。
【0020】
図4は、表示装置5の処理動作を示すフローチャートであり、表示装置制御部4の着信補足表示部15から図3に示したステップS12で着信補足の表示データを受信し、その後、ステップS15で着信補足の表示終了信号を受信した場合の対応する処理動作について説明する。表示装置5は、ステップS18で制御装置1からの着信補足の表示データを待つ監視状態であり、このとき、図3に示したステップS12で着信補足表示部15から着信補足の表示データが送信されてくると、ステップS18で着信補足の表示データを検出し、ステップS19でこの着信補足の表示データに基づいて表示部18に着信補足表示を行い、同時にスピーカー19から着信補足の音声出力を行う。その後、ステップS20で表示装置制御部4からの着信補足の表示終了信号を待つ監視状態となる。
【0021】
このときの表示部18での着信補足表示は様々なスタイルで行うことができ、表示装置制御部4および表示装置5の設定および構成によって、無線内線電話端末3への着信を補足する文字数字表示の他に、無線内線電話端末3の着信通知機能などで行われているような光および音による注意喚起方法を組み合わせて行うこともできる。
【0022】
その後、表示装置制御部4が図3に示したステップS15で着信補足の表示終了信号を送信してくると、表示装置5はステップS20およびステップS21でこれを着信補足の表示終了信号と判定して検出し、ステップS22で着信補足表示、およびスピーカー19での音声出力を終了させる。
【0023】
上述した説明から分かるように本無線内線電話システムでは、制御装置1に、予め登録している無線内線電話端末への着信を受けたとき、この着信に関連して着信補足の表示開始信号を出力する表示通知部10を設け、この表示通知部10からの着信補足の表示開始信号を受けて対応する着信補足の表示データを抽出する表示装置制御部4と、この表示装置制御部4で抽出した着信補足の表示データに基づいて着信補足表示を行う表示装置5とを設けたため、予め登録された無線内線電話端末3への着信を受けた場合、この着信に関連して抽出した着信補足の表示データに基づいてその近辺に設置した表示装置5に着信補足表示が追加され、無線内線電話端末3における通常の鳴動と、表示装置5における表示部18およびスピーカー19の着信補足とによって一層強調されながら、無線内線電話端末3の使用者に対して着信通知されることになる。
【0024】
このようにして、従来における無線内線電話端末3における通常の鳴動だけでなく、無線内線電話端末3とは別に設置した表示装置5における表示部18の着信補足表示とによって着信があった旨が一層補強されるため、無線内線電話端末3の周囲環境や使用形態によってその使用者が着信に気付かない事態の発生を減らすことができ、しかも、表示装置5の設置位置や大きさによって近辺にいる他の人々の視覚にも訴えることができるので、無線内線電話端末3の使用者が気づかない場合でも、近辺にいる他の人の協力を仰ぐこともでき、必要な情報を速やかに伝達することができるようになる。
【0025】
この実施の形態の説明では、無線内線電話端末3の着信通知機能による鳴動等が始まったことを鳴動等検出部7が検出したときに、表示通知部10が着信補足の表示開始信号を表示装置制御部4へ与えるようにしているが、必ずしも着信通知機能による鳴動の検出に限らずその前後の信号検出によって表示通知部10が着信補足の表示開始信号を表示装置制御部4へ与えるようにしてもよい。つまり、無線内線電話端末3への着信を受けたとき、この着信に関連して着信補足の表示開始信号を表示通知部10から表示装置制御部4へ出力するようにすればよい。
【0026】
また本無線内線電話システムでは、制御装置1に、予め登録している無線内線電話端末への着信を受けたとき、この着信に関連して着信補足の表示開始信号を出力する表示通知部10を設け、この表示通知部10からの着信補足の表示開始信号を受けて対応する着信補足の表示データを抽出する表示装置制御部4と、この表示装置制御部4で抽出した着信補足の表示データに基づいて着信補足表示を行う表示装置5とを設けた上述した構成に加えて、着信補足の表示開始信号としては、受信側の無線内線電話端末3の情報(電話番号、無線内線電話端末3を呼び出す基地局2の回線番号、呼び出しエリア12など)とを含むため、表示装置5が複数設けられていても、表示装置制御部4で着信補足の表示開始信号を受信したとき、適切な表示装置を容易に選定して着信補足表示を素早く行うことができる。
【0027】
その後、上述したように着信補足表示を付加することによって使用者が気付いて、表示無線内線電話端末3で応答すると、発信元の無線電話端末20と無線内線電話端末3間は制御装置1および基地局2を通して通話状態となる。これは図2に示したようにステップS6およびステップ7で通話状態になったものとして図1に示した通話状態検出部8で検出され、ステップS8で表示通知部10は今度は着信補足の表示終了信号を表示装置制御部4へ送信する。この着信補足の表示終了信号は、図3に示したステップS13およびステップS14で表示装置制御部4の着信補足表示部15によって検出され、続くステップS15で表示装置5へ着信補足の表示終了信号を送信して着信補足を終了させる。これによって表示装置5では着信補足表示が終了となる。
【0028】
上述した無線内線電話システムでは、制御装置1に、予め登録している無線内線電話端末への着信を受けたとき、この着信に関連して着信補足の表示開始信号を出力し、またその後に通話状態となったことを検出して着信補足の表示終了信号を出力する表示通知部10を設け、この表示通知部10からの着信補足の表示開始信号を受けて対応する着信補足の表示データを抽出して出力する表示装置制御部4と、この表示装置制御部4で抽出した着信補足の表示データに基づいて着信補足表示を行うと共に、上記の着信補足の表示終了信号を受けて着信補足表示を終了させる表示装置5とを設けたため、先に述べた効果の他に、表示装置5での着信補足表示は、着信補足の表示開始信号を受けてから着信補足の表示終了信号を受けるまでとすることができ、表示装置5で不必要に着信補足表示を継続してしまうことを効果的に防止することができる。
【0029】
ところで、無線内線電話端末3の鳴動と表示装置4による着信補足通知とが付加されていても、無線内線電話端末20の発信者があきらめて着信補足通知の途中で切断してしまう場合も考えられる。次に、このような未応答着信履歴について説明する。
【0030】
このような未応答着信履歴は、図1に示した制御装置1の鳴動等検出部7が無線内線電話端末3からの鳴動信号を受信した後に、通話状態検出部8による検出が無く、未応答着信履歴検出部9が発信元の無線電話端末20が切断されたことを検出することによって判断することができる。これは図2に示したステップS6およびステップS9で表示通知部10によって検出され、この状態を検出した表示通知部10は、ステップS10で着信補足の表示開始信号の場合と同様の形式で未応答着信履歴補足の表示開始信号として表示装置制御部4へ送信する。
【0031】
このとき、図3に示したように表示装置制御部4の着信補足表示部15および未応答着信履歴表示部16は、ステップS13、ステップS14またステップS16で制御装置1からの着信補足の表示終了信号または未応答着信履歴補足の表示開始信号の受信とを監視する状態である。従って、未応答着信履歴表示部16は、ステップS13およびステップS16で制御装置1からの未応答着信履歴補足の表示開始信号を検出することになり、ステップS15で未応答着信履歴補足の表示開始信号に基づいて個別未応答設定テーブル14を参照しながら、対応する未応答着信履歴補足の表示データを抽出し、予め設定した所定時間だけ表示を行うように未応答着信履歴補足の表示データを対応する表示装置5に送信する。
【0032】
この個別未応答設定テーブル14は、発信元毎または受信元の電話番号毎に作成し、例えば、受信元の電話番号毎に作成した部分では、発信元電話番号のみの表示、発信者の別名と電話番号の表示、別名のみの表示などを選択設定可能に登録し、要望に応じて予め設定することができるようにしている。この個別未応答設定テーブル14での設定を変更することによって、未応答着信履歴表示部16が抽出する未応答着信履歴補足の表示データを変更して、表示装置5での表示条件を要望に合致させることができる。このような個別未応答設定テーブル14を設けることによって、表示装置5での未応答着信履歴補足表示が電話番号だけでは誰からの着信か分かりづらい場合に発信者の名前を表示したり、また電話番号を表示したくないとの各種要望に対処することができる。
【0033】
このとき表示装置5は、図4に示したステップS20で表示装置制御部4からの信号待ち状態であるため、ステップS20およびステップS23で未応答着信履歴補足の表示データを受信すると、ステップS24で未応答着信履歴補足の表示データに基づいて表示部18へ未応答着信履歴補足表示を行う。この表示は種々の方法で行うことができる。例えば、表示部18に上述したステップS19での着信補足表示の他に「着信アリ」の表示エリアを設け、そこに着信日時と発信者情報、着信者情報などの未応答着信履歴補足表示を行うこともできるし、ステップS19での着信補足表示を終了させて未応答着信履歴補足表示のみを行うこともできる。
【0034】
この未応答着信履歴補足の表示データが上述した着信補足の表示データと同様に音声データを含む場合は、スピーカー19から着信履歴補足音声を出力する。また、上述した着信通知の場合と同様に、この表示装置5における未応答着信履歴補足表示のときに点滅などによってさらに強調を加えることもできる。
【0035】
このような無線内線電話システムによれば、制御装置1に、予め登録している無線内線電話端末への着信を受けたとき、この着信に関連する着信補足の表示開始信号および未応答着信履歴に関連して未応答着信履歴の表示開始信号を出力する表示通知部10を設け、この表示通知部10からの着信補足または未応答着信履歴の表示開始信号を受けて対応する着信補足または未応答着信履歴の表示データを抽出する表示装置制御部4と、この表示装置制御部4で抽出した着信補足または未応答着信履歴の表示データに基づいて着信補足表示または未応答着信履歴補足表示を行う表示装置5とを設けたため、表示装置制御部4で着信補足の表示開始信号を受信した場合だけでなく、表示装置制御部4で未応答着信履歴補足の表示開始信号を受けた場合も、表示装置5による未応答着信履歴補足の表示を行うことができるので、本人もしくは周辺の人がその未応答着信履歴補足の表示に一層気付き易くなり、連絡を見過ごすことなく、無線内線電話端末3から無線電話端末1へ素早く接続して対応することができる。
【0036】
また本無線内線電話システムによれば、制御装置1に、予め登録している無線内線電話端末への着信を受けたとき、この着信に関連する着信補足の表示開始信号および未応答着信履歴に関連して未応答着信履歴の表示開始信号を出力する表示通知部10を設け、この表示通知部10からの着信補足または未応答着信履歴の表示開始信号を受けて対応する着信補足または未応答着信履歴の表示データを抽出する表示装置制御部4と、この表示装置制御部4で抽出した着信補足または未応答着信履歴の表示データに基づいて着信補足表示または未応答着信履歴補足表示を行う表示装置5とを設けた上述した構成に加えて、制御装置1から表示装置制御部4へ送信する未応答着信履歴の表示開始信号に、発信者の電話番号または内線番号、使用者名、発信日時などの発信者情報を含むようにしているため、この発信者情報や先の着信補足の表示開始信号に含まれた情報を用いてふさわしい項目を選定して表示装置5に表示することができ、無線内線電話端末3の使用者はこれを見て素早く対応することができる。
【0037】
しかも、本無線内線電話システムでは上述した構成に加えて、発信者情報と、表示に使用する未応答着信履歴補足の表示データなどを対応付けて記憶した個別未応答設定テーブル14を付加しているため、管理する電話番号毎に、表示装置5に表示する未応答着信履歴補足表示を変更可能に登録することができ、表示装置5で未応答着信履歴補足表示を行う際に、発信者、着信者、電話番号等を表示したくないとかの各種要望に合致するよう設定を変更させて対処することができる。
【0038】
他の実施の形態では、表示装置制御部4は実装により制御装置1の一部として構成したり、または制御装置1の外部装置として構成して制御装置1に接続しても良い。また表示装置5を基地局2に接続して設け、表示装置制御部4から基地局2を通して表示装置5を制御しても良い。さらに制御装置1から表示装置制御部4への着信補足表示開始信号は、鳴動等検出部7が無線内線電話端末3の着信通知機能の鳴動を検出したときに出力するようにしたが、無線内線電話端末3の着信通知に関連した他の信号を検出したときに出力するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明による無線内線電話システムは、図1に示した構成のものに限らず,他の構成のものにも適用することができる。
【符号の説明】
【0040】
1 制御装置
2 基地局
3 無線内線電話端末
4 表示装置制御部
5 表示装置
6 着信通知部
7 鳴動等検出部
8 通話状態検出部
9 未応答着信履歴通知部
10 表示通知部
11 制御部
12 呼び出しエリア
13 着信補足設定テーブル
14 個別未応答設定テーブル
15 着信補足表示部
16 未応答着信履歴表示部
17 制御部
18 表示部
19 スピーカー
20 無線電話端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1台の無線内線電話端末を予め制御装置に登録し、上記無線内線電話端末への着信を受けたとき上記制御装置は基地局を通して上記無線内線電話端末へ着信を通知するように構成した無線内線電話システムにおいて、上記制御装置に、上記無線内線電話端末への着信に関連して着信補足表示開始信号を出力する表示通知部を設け、この表示通知部からの着信補足表示開始信号を受けて対応する着信補足データを抽出する表示装置制御部と、この表示装置制御部で抽出した着信補足データに基づいて着信補足表示を行う表示装置とを設けたことを特徴とする無線内線電話システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−49685(P2012−49685A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−188176(P2010−188176)
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】