説明

無線送信装置および送信制御方法

【課題】簡易な方法で、マルチパス環境下における受信レベル低下による不感地帯を解消すること。
【解決手段】基地局装置10は、素子アンテナ111,112と、送信データを変調する変調部15と、変調部15で変調された信号をもとに、素子アンテナ111,112から送信する各無線信号を生成する無線信号処理部171,172と、無線信号処理部172で生成される無線信号の特性を所定の時間間隔で変動させる位相制御部18とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数のアンテナを用いて端末局に対して無線信号を送信する無線送信装置および送信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話の普及に伴い、ビル、家庭内など屋内に設置可能な超小型の基地局「フェムトセル」が注目されており、携帯電話キャリアを中心に開発が行われている。
【0003】
このようなビル、家庭など屋内に基地局を設置した場合、極めて閉空間に近い環境となり、外部への電波の漏洩による干渉は低減されるが、什器や壁などでの反射により、マルチパス環境となる。また屋外設置環境とは異なり、反射波の遅延時間も短く、かつ減衰も小さいことより基地局からの受信レベルが低下した不感地帯が存在する。
【0004】
しかも屋内の場合、端末局あるいは端末局の周囲が動的に動くことはあまり考えられなく、マルチパス伝搬路の変化によるレベル変動・改善は望めない。
【0005】
上記問題を解決する手法として、例えば、基地局に用いられるアンテナをアレー化の様に複数化し、各アンテナ素子に、角速度変動分を加えた位相差を与え、人工的にフェージングを発生させ、端末側の変動レベルを改善させる手法が提案されている(特許文献1又は2を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−196978公報
【特許文献2】特開2008−92062公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、上記手法においては、各素子アンテナから異なる周波数成分を有する信号が放射されることにより、例えば、OFDM(直交周波数分割多重)方式の信号のようにサブキャリアの直交性が担保されることを前提としたシステムにおいては、その適用が限定される。
【0008】
また、角速度を変化させること(つまり周波数を変化させること)は、回路規模が大きくなることにより、マクロセル、あるいはマイクロセル程度の大規模・中規模のエリアをカバーする基地局には向いているが、フェムトセルのような超小型基地局の場合、安価に製作することが困難となるため不向きである。
【0009】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、簡易な方法で、マルチパス環境下における受信レベル低下による不感地帯を解消することができる無線送信装置および送信制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、この発明の一態様は、送信データを無線信号にして複数のアンテナを介して端末に送信する無線送信装置であって、前記送信データを前記無線信号の所定の変調信号に変調して出力する変調手段と、前記変調信号を、前記複数のアンテナのうちの第1及び第2の前記アンテナへ向けて分配する分配手段と、前記各変調信号が入力され前記第1及び第2のアンテナから送信する第1及び第2の無線信号を前記各変調信号より生成する第1及び第2の無線部と、前記第2の無線信号の特性を所定の時間間隔で変動させる制御手段とを具備することを特徴とする無線送信装置を提供する。
【0011】
また、この発明の他の態様は、送信データを無線信号にして複数のアンテナを介して端末に送信する無線送信装置に用いられる方法であって、前記送信データを前記無線信号の所定の変調信号に変調して出力し、前記変調信号を、前記複数のアンテナのうちの第1及び第2の前記アンテナへ向けて分配し、前記第1及び第2のアンテナから送信する第1及び第2の無線信号を前記各変調信号より生成し、前記第2の無線信号の特性を所定の時間間隔で変動させることを特徴とする送信制御方法を提供する。
【発明の効果】
【0012】
したがってこの発明によれば、簡易な方法で、マルチパス環境下における受信レベル低下による不感地帯を解消することができる無線送信装置および送信制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る無線通信システムの概略構成図。
【図2】基地局の構成例を示すブロック図。
【図3】位相制御部の構成例を示すブロック図。
【図4】素子間隔を0.5波長とした場合の放射パターンを示す図。
【図5】素子間隔を4波長とした場合の放射パターンを示す図。
【図6】位相制御部の他の構成例を示すブロック図。
【図7】変形例1の位相制御部の構成例を示すブロック図。
【図8】ARQ再送タイミングを示す図。
【図9】ARQ再送シーケンスを示す図。
【図10】変形例3の基地局の構成例を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る無線送信装置を基地局に用いた無線通信システムの概略構成図である。図1に示すように、無線通信システムは、基地局10、端末局200−A〜200−Cにより構成される。基地局10の素子アンテナ111、112はそれぞれより、同一の信号の電波を放射し、端末局200−A〜200−Cとの通信を行う。図1に示すような閉空間においては、マイクロ波あるいは準マイクロ波では、直接波に加えて数多くのマルチパス遅延波が存在する。
【0015】
なお、無線通信システムに含まれる基地局および端末局の数量は、図1に示す数量に限定されるものではない。また、本実施形態に係る無線送信装置を端末局に用いることも可能である。
【0016】
ここで、例えば素子アンテナ111、112が同振幅、同位相で送信している場合に端末局200−Cがちょうどマルチパス波の合成により電力がキャンセルされ、通信を行うのに十分な受信電力が得られないとする。この場合、素子アンテナ112の位相を変動させることにより、マルチパス波の位相関係が変化し、電波のキャンセルが緩和され、通信を行うのに十分な受信電力を得ることができる。しかしながら、この場合、逆に端末局200−A、200−Bといったこれまで通信可能であった端末局が通信できなくなる可能性がある。
【0017】
そのため、素子アンテナ112の位相をある所定の時間間隔で変動させ、平均的に不感地帯を無くすことにより、エリア内のどこでも通信可能とする。加えて、素子アンテナ112の送信電力を素子アンテナ111よりも低く設定する。これにより、直接波が見えるような(見通し)状況においても、振幅差を設けることにより、完全に電力が落ち込むことを防止でき、通信を続行することができる。
【0018】
図2は、本実施形態に係る基地局10の構成を示すブロック図である。
図2において、アンテナ部11は、2つの素子アンテナ111、112を有する。素子アンテナ111、112には、送受信信号分離部121、122を介して、端末局から受信する信号の受信・合成・復調を行う受信部13と送信部14とに接続されている。受信部13、送信部14はバックボーンのネットワークとの接続を行うネットワーク接続部20を介して、バックボーンネットワークとの通信を行う。
【0019】
送信部14は、ネットワーク接続部20より送出される送信データを送信電波形式の変調信号に変調する変調部15、変調信号を入力して2つの系統に分配出力する分配部16、分配された各変調信号をそれぞれ所定の無線信号に変換する無線信号処理部171,172、変調部15からの変調情報により素子アンテナ112から送信される電波の送信位相を施御する移相制御信号を生成して出力する位相制御部18、及び、分配部16から入力される一方の変調信号に対して位相制御部18から入力される移相制御信号に指定される移相(遅延)量を与え、無線信号処理部172に出力する遅延部19を備える。
【0020】
分配部16は、入力される変調信号を各アンテナ素子111、112に向けて分配するが、この際に、位相制御が行われない側のアンテナ111への電力を、位相制御が行われる側のアンテナ112への電力に対して、ここでは大きくなるように、非対称な電力分配を行う。
【0021】
図3は、位相制御部18の構成を示すブロック図である。
図3において、位相制御部18は、スケジューラ181と、乱数発生部182と、移相量算出部183とを備える。スケジューラ181は、変調部15から入力されるシンボル同期信号、フレーム同期信号等の同期に係わる変調パラメータをもとに、位相(遅延)変化を与えるタイミング信号を生成し乱数発生部182と、移相量算出部183とに出力する。このタイミング信号は、フレームを乱さないよう、例えば2〜3秒程度の周期で出力される。好ましくは、フレーム周期よりもやや長めの時間に設定されると良い。
【0022】
スケジューラ181で生成されたタイミング信号に基づいて、乱数発生部182は乱数を発生し、移相量算出部183は乱数発生部182より入力される乱数をもとに素子アンテナ112へ向けて出力される変調信号に与える移相量(遅延量)を算出し、その移相量(遅延量)を与える移相制御信号を生成して、遅延部19に出力する。
【0023】
なお、移相制御部18、又はスケジューラ181は、当該基地局の電波の送受信制御を行う図示されないCPUが実行する機能の一部で有っても良いが、ここでは、説明の利便上独立した機能ブロックとして扱う。
【0024】
遅延部19においては、位相制御部18に指定された移相量(遅延量)を分配部16から入力される信号に与える。以上の処理により素子アンテナ111と素子アンテナ112とから送信される電波の間の位相差にタイミング信号に従って時間的変動が生じ、それらの両方のアンテナから送信された電波を受信する端末200では、2つの電波の間に遅延時間変動を持つことになる。
【0025】
一般的に、端末200がマルチパス反射信号を受信する場合、2つのアンテナからの受信信号が逆相になると、受信電力が低下したままになってしまうが、本実施形態によれば遅延時間が変動するので受信信号が途絶したままになることを防ぐことが可能になる。
【0026】
また、本実施形態では、2つの素子アンテナ111,112からの送信電力に差(オフセット)があるため、端末200での受信電波が逆相になった場合でも送信電力の大きいアンテナからの信号成分が完全に打ち消されず残るため、言い換えればヌルが完全に落ち込まないので、受信電波が途絶することを防ぐことが出来る。
【0027】
図4は、素子間隔0.5波長、素子アンテナ111の振幅:素子アンテナ112の振幅=2:1、ともに無指向性を仮定した場合の同位相及び逆位相(180°位相差)の場合の放射パターンを示す。図5は、素子間隔を4波長にした場合の放射パターンである。図4と図5を比較すると、素子間隔が狭い図4の方が、電力の落ち込む角度範囲が広く、ある位相を設定した場合に、通信できなくなるエリアが大きくなる。一方、図5では、電力の落ち込む角度は増えているが、間隔が狭くなっており、通信ができなくなるエリアは小さくなる。また、素子アンテナ111と素子アンテナ112に2:1の振幅差をつけたことにより、ヌルは完全に落ち込むことがなくなっている。
【0028】
図6は、本実施形態の基地局10の位相制御部18の他の構成を示すブロック図である。図6において、上記図3との違いは、ガード位相判定部184を移相量算出部183の後段に設けている点である。これにより、他エリア、基地局に干渉を与える場合、ランダムに変化させる位相(遅延時間)に制限を設ける。
【0029】
ガード位相判定部184は、基地局10の設置された環境下において、例えば隣接する別の基地局あるいは基地局のカバーするエリアへの干渉が大きくなる位相量が判明している場合、予め設置時に与干渉となる素子アンテナ112の位相量を記憶しておき、移相量算出部183で与えられた移相量が与干渉となる移相量となった場合には、移相量算出部183で与えられた移相量を無視し、直前の移相量を継続して出力する。このように構成することにより、他への与干渉を抑圧することができる。
【0030】
さらに、上記実施形態について、以下のような変形例を提供することができる。
(変形例1)
変形例1は、位相制御部18において、素子アンテナ112から送信される無線信号の送信位相を回転させるようにするものである。
【0031】
図7は、変形例1の位相制御部18の構成を示すブロック図である。
図7において位相制御部18は、位相回転部185と、回転制御部186とを備える。位相回転部185は、一定速度で送信電波の位相を変える、即ち回転させる位相変調制御器である。回転制御部186は、後述の様に必要に応じて、位相の回転速度を変化させるよう位相回転部185を制御するものであっても良い。例えば、位相回転部185において位相を回転する速度は、個々のシステムにおける自動再送要求(ARQ:Automatic repeat request)および要求に対するACKにかかる速度(周期)を上回らないように設定する。
【0032】
ARQ、ACKの両処理については、先に述べたように本実施形態の無線送信装置が受信部を含めて処理する信号データ、無線信号の授受、送受信処理に係わるプロトコルの実行や動作の制御監視を行う図示されないCPUが行う。そしてCPUからARQ、ACKに係る速度情報を位相制御部18へ通知するか、または、予め位相制御部18に速度を設定して位相の回転処理を実行する。
【0033】
図8に、XGPシステムにおけるPHYレイヤ処置によるARQ再送タイミングを示す。図9に、ARQ再送シーケンスの一例を示す。これらのシーケンス制御やタイミング監視は、無線信号処理部171と、無線信号処理部172および受信部13とに対して、図示されないCPUが実行している。図8及び図9に示されるように、1つの再送シーケンスに15msかかる。例えば、位相回転部185は、PHYレイヤでの一連のARQ処理(15ms)が実施されるに充分な時間ごと(例えば30ms)に、位相角度を一定角度(例えば5度)回すような回転を行う(約2秒で360度)。
【0034】
こうすることにより、ランダムに遅延時間が変動する場合より、受信側の端末200での受信信号同期引込みにより、安定した受信が可能になる効果が得られる。
【0035】
通常、携帯電話の基地局におけるARQは、PHYレイヤもしくはMACレイヤで処置され、XGPやWiMAX、LTEなどのシステムごとにフレーム長は若干異なっているものの、PHYレイヤでの処置では数フレームごと(5〜20ms)、MACでの処置ではスーパーフレーム(100〜1000ms以上)などの単位で処理が行われるため、これを上回らない速度で位相を回転させるのが良い。ただし、ARQ速度を上回る位相回転速度であっても、それによりスループットの向上が見られる場合はその限りではない。
【0036】
また上記変形例1のように送信位相を回転させる構成において、回転の停止制御を行うようにしてもよい。上記実施形態は、フェムトセルのような、屋内環境でかつ端末が高速に移動しない(固定もしくはノマディック)条件下において、多数ではない端末局に対してスループットの低下を改善することを目的とするが、基地局10のCPUは、自局にログオンしている端末数、又は自局が電波を受信している端末数をカウントし、予め設定された局数よりも端末局が少ない使用条件においては位相回転を停止する機能を備えるとよい。
【0037】
(変形例2)
変形例2は、位相制御部18及び遅延部19の代わりに、振幅制御部21を設けて、素子アンテナ112から送信される無線信号の振幅(信号レベル)を制御するものである。
【0038】
図10は、変形例2の基地局10の構成を示すブロック図である。
【0039】
振幅制御部21は、所定の時間間隔で、素子アンテナ112から送信される無線信号の振幅を変動させる振幅量を算出して無線処理部172に出力する。無線処理部172は、振幅制御部21で算出された振幅量をもとに、送信信号の振幅を変動させる。
【0040】
このように一方の素子アンテナの振幅を変動させることによっても、上記同様の効果を得ることができ、位相制御を行うよりも簡易な方法で、マルチパス環境下における受信レベル低下による不感地帯を解消するこができる。
【0041】
なお、この発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0042】
10…基地局、200−A〜200−C…端末局、111,112…素子アンテナ、121,122…送受信信号分離部、13…受信部、14…送信部、15…変調部、16…分配部、171,172…無線処理部、18…位相制御部、19…遅延部、20…ネットワーク接続部、181…スケジューラ、182…乱数発生部、183…移相量算出部、184…ガード移相判定部、185…位相回転部、186…回転制御部、21…振幅制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信データを無線信号にして複数のアンテナを介して端末に送信する無線送信装置であって、
前記送信データを前記無線信号の所定の変調信号に変調して出力する変調手段と、
前記変調信号を、前記複数のアンテナのうちの第1及び第2の前記アンテナへ向けて分配する分配手段と、
前記各変調信号が入力され、前記第1及び第2のアンテナから送信する第1及び第2の無線信号を前記各変調信号より生成する第1及び第2の無線部と、
前記第2の無線信号の特性を所定の時間間隔で変動させる制御手段と
を具備することを特徴とする無線送信装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記変調手段のパラメータをもとに、前記第2のアンテナへ向けて分配された変調信号が前記第2の無線部へ入力される時の移相量又は遅延時間を変動させることにより前記第2の無線信号の送信位相を制御することを特徴とする請求項1に記載の無線送信装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記第2の無線信号の送信電力を、前記第1の無線信号の送信電力より低く設定することを特徴とする請求項2に記載の無線送信装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記変調信号の同期情報をもとに前記変動を発生させるタイミングを制御することを特徴とする請求項2又は3に記載の無線送信装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記第2の無線部へ入力される変調信号の遅延時間がランダムに変動するか、又は前記第2の変調信号が一定速度で位相角度が変化するよう前記移相量もしくは前記遅延時間を制御することを特徴とする請求項2乃至4の何れか1つに記載の無線送信装置。
【請求項6】
前記制御手段は、自装置が行う再送シーケンスに要する時間内での前記位相角度の変化が所定の一定速度で有るように制御することを特徴とする請求項5に記載の無線送信装置。
【請求項7】
前記制御手段は、自装置が通信する端末数が、予め定められた端末数よりも少ない場合、前記位相角度の変化を停止させることを特徴とする請求項5記載の無線送信装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記第2の無線信号の振幅を変動させることを特徴とする請求項1に記載の無線送信装置。
【請求項9】
送信データを無線信号にして複数のアンテナを介して端末に送信する無線送信装置に用いられる方法であって、
前記送信データを前記無線信号の所定の変調信号に変調して出力し、
前記変調信号を、前記複数のアンテナのうちの第1及び第2の前記アンテナへ向けて分配し、
前記第1及び第2のアンテナから送信する第1及び第2の無線信号を前記各変調信号より生成し、
前記第2の無線信号の特性を所定の時間間隔で変動させることを特徴とする送信制御方法。
【請求項10】
前記変調のパラメータをもとに、前記第2のアンテナへ向けて分配された変調信号の移相量又は遅延時間を変動させることにより前記第2の無線信号の送信位相を制御することを特徴とする請求項9に記載の送信制御方法。
【請求項11】
前記第2の無線信号の送信電力を、前記第1の無線信号の送信電力より低く設定することを特徴とする請求項10に記載の送信制御方法。
【請求項12】
前記変調信号の同期情報をもとに前記変動を発生させるタイミングを制御することを特徴とする請求項10又は11に記載の送信制御方法。
【請求項13】
前記第2のアンテナへ向けて分配された変調信号の遅延時間がランダムに変動するか、又は前記第2の変調信号が一定速度で位相角度が変化するよう前記移相量もしくは前記遅延時間を制御することを特徴とする請求項10乃至12の何れか1つに記載の送信制御方法。
【請求項14】
自装置が行う再送シーケンスに要する時間内での前記位相角度の変化が所定の一定速度で有るように制御することを特徴とする請求項13に記載の送信制御方法。
【請求項15】
自装置が通信する端末数が、予め定められた端末数よりも少ない場合、前記位相角度の変化を停止させることを特徴とする請求項13記載の送信制御方法。
【請求項16】
前記第2の無線信号の振幅を変動させることを特徴とする請求項9に記載の送信制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2011−193270(P2011−193270A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−58128(P2010−58128)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】