説明

無線通信システム、情報通信端末、携帯電話、リーダライタ、通信方法およびコンピュータプログラム

【課題】 1つまたは複数のパケットを一度に連続して送信することによって無線通信の効率を向上させることが可能な、新規かつ改良された無線通信システム、情報通信端末、携帯電話、リーダライタ、通信方法およびコンピュータプログラムを提供すること。
【解決手段】 ICチップ120を用いて非接触による無線通信を行う情報通信端末であって、他の情報通信端末からのパケットを受信し、1つまたは複数のパケットを一度に連続して無線送信するアンテナ130と、アンテナ130で送信する1つまたは複数のパケットの内、最後に送信するパケットに最後のパケットであることを示す識別子を付加する識別子付加部121と、を含むことを特徴とする、情報通信端末100が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システム、情報通信端末、携帯電話、リーダライタ、通信方法およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話やカードのような情報通信端末に、情報が記録されたICチップを埋め込み、非接触でリーダライタ(R/W)端末と無線通信を行う情報通信端末が広く使われている。特に、交通機関の改札口における改札処理や、小売店のレジにおける支払処理やクレジットカードの決済処理、社員の出勤や退勤の管理などを行うために、このようなICチップを埋め込んだ情報通信端末は広く普及している。
【0003】
従来では、ICチップを埋め込んだ情報通信端末を用いてR/W端末と無線通信を行う際には、ICチップの制御を行うコントローラが発する1回のコマンドで1つのパケットを互いに送受信する半二重通信が行われていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の通信においては,1回のコマンドで1つのデータを互いに送受信していたため、送信するデータが多数存在する場合においては、データの送信効率が悪いという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、1つまたは複数のパケットを一度に連続して送信することによって無線通信の効率を向上させることが可能な、新規かつ改良された無線通信システム、情報通信端末、携帯電話、リーダライタ、通信方法およびコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、ICチップを内蔵した情報通信端末を用いて非接触によって交互に無線通信を行う無線通信システムであって、2つの情報通信端末を含み、一の情報通信端末は、他の情報通信端末からのパケットを受信する受信部と、1つまたは複数のパケットを他の情報通信端末に無線送信し、所定の条件を満たした場合は、交互の無線通信の代わりに、他の情報通信端末に送信可能な全てのパケットを送信する送信部と、送信部で送信する、他の情報通信端末に送信可能な全てのパケットの内、最後に送信するパケットに最後のパケットであることを示す識別子を付加する識別子付加部と、を含むことを特徴とする、無線通信システムが提供される。
【0007】
かかる構成によれば、一の情報通信端末において、受信部は他の情報通信端末からのパケットを受信し、送信部は1つまたは複数のパケットを一度に連続して他の情報通信端末に無線送信し、識別子付加部は送信部で送信する1つまたは複数のパケットの内、最後に送信するパケットに最後のパケットであることを示す識別子を付加する。その結果、一度の送信で複数のパケットを送信するのでICチップを用いた非接触通信を高速化することができる。また、一度に連続して送信するパケットの内の最後のパケットに識別子を付加することで、自身の情報通信端末は送信中状態から受信中状態に切り替わり、通信相手の情報通信端末は受信中状態から送信中状態に切り替わることができる。
【0008】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ICチップを用いて非接触によって他の情報通信端末と交互に無線通信を行う情報通信端末であって、他の情報通信端末からのパケットを受信する受信部と、1つまたは複数のパケットを無線送信し、所定の条件を満たした場合は、交互の無線通信の代わりに、他の情報通信端末に送信可能な全てのパケットを送信する送信部と、送信部で送信する、他の情報通信端末に送信可能な全てのパケットの内、最後に送信するパケットに最後のパケットであることを示す識別子を付加する識別子付加部と、を含むことを特徴とする、情報通信端末が提供される。
【0009】
かかる構成によれば、受信部は他の情報通信端末からのパケットを受信し、送信部は1つまたは複数のパケットを一度に連続して他の情報通信端末に無線送信し、識別子付加部は送信部で送信する1つまたは複数のパケットの内、最後に送信するパケットに最後のパケットであることを示す識別子を付加する。その結果、一度の送信で複数のパケットを送信するのでICチップを用いた非接触通信を高速化することができる。また、一度に連続して送信するパケットの内の最後のパケットに識別子を付加することで、自身の情報通信端末は送信中状態から受信中状態に切り替わり、通信相手の情報通信端末は受信中状態から送信中状態に切り替わることができる。
【0010】
上記情報処理端末は、情報通信端末に関するパラメータを記憶する記憶部をさらに含んでもよい。そして、通信開始時に他の情報通信端末との間でパラメータを交換し、パラメータに基づいて、一度に連続して送信するパケットの数を決定してもよく、通信開始時に他の情報通信端末との間でパラメータを交換し、パラメータに基づいて、一度に連続して送信するデータの容量を決定してもよい。
【0011】
上記情報通信端末は、携帯電話であってもよく、リーダライタ装置であってもよい。
【0012】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ICチップを用いて非接触によって他の情報通信端末と交互に無線通信を行う無線通信方法であって、他の情報通信端末からのパケットを受信する受信ステップと、1つまたは複数のパケットを無線送信し、所定の条件を満たした場合は、交互の無線通信の代わりに、他の情報通信端末に送信可能な全てのパケットを送信する送信ステップと、送信ステップで送信する、他の情報通信端末に送信可能な全てのパケットの内、最後に送信するパケットに最後のパケットであることを示す識別子を付加する識別子付加ステップと、を含むことを特徴とする、無線通信方法が提供される。
【0013】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ICチップを用いて非接触によって他の情報通信端末と交互に無線通信を行うコンピュータプログラムであって、コンピュータに、1つまたは複数のパケットを他の情報通信端末に送信し、所定の条件を満たした場合は、交互の無線通信の代わりに、他の情報通信端末に送信可能な全てのパケットを送信する送信ステップと、送信ステップで送信する送信する、前記他の情報通信端末に送信可能な全てのパケットの内、最後に送信するパケットに最後のパケットであることを示す識別子を付加する識別子付加ステップと、を含む処理を実行させること特徴とする、コンピュータプログラムが提供される。
【0014】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ICチップを内蔵した情報通信端末を用いて非接触による無線通信を行う無線通信システムであって、2つの情報通信端末を含み、一の情報通信端末は、複数のパケットを一度に連続して送信する送信部と、自身の通信に関する情報を記憶する記憶部と、通信確立時に通信相手の情報通信端末の通信に関する情報を受信する受信部と、記憶部に記憶されている自身の通信に関する情報と、受信部で受信した通信相手の情報通信端末の通信に関する情報に基づいて、送信部での複数のパケットの送信間隔を算出する間隔算出部と、を含むことを特徴とする、無線通信システムが提供される。
【0015】
かかる構成によれば、一の情報通信端末において、送信部は複数のパケットを一度に連続して送信し、記憶部は自身の通信に関する情報を記憶し、受信部は通信確立時に通信相手の情報通信端末の通信に関する情報を受信し、間隔算出部は記憶部に記憶されている自身の通信に関する情報と、受信部で受信した通信相手の情報通信端末の通信に関する情報に基づいて、送信部での複数のパケットの送信間隔を算出する。その結果、複数のパケットを連続して送信する際に、適切な送信間隔を算出し、その間隔でパケットを送信することができる。
【0016】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ICチップを用いて非接触による無線通信を行う情報通信端末であって、複数のパケットを一度に連続して送信する送信部と、自身の通信に関する情報を記憶する記憶部と、通信確立時に通信相手の情報通信端末の通信に関する情報を受信する受信部と、記憶部に記憶されている自身の通信に関する情報と、受信部で受信した通信相手の情報通信端末の通信に関する情報に基づいて、送信部での複数のパケットの送信間隔を算出する間隔算出部と、を含むことを特徴とする、情報通信端末が提供される。
【0017】
かかる構成によれば、送信部は複数のパケットを一度に連続して送信し、記憶部は自身の通信に関する情報を記憶し、受信部は通信確立時に通信相手の情報通信端末の通信に関する情報を受信し、間隔算出部は記憶部に記憶されている自身の通信に関する情報と、受信部で受信した通信相手の情報通信端末の通信に関する情報に基づいて、送信部での複数のパケットの送信間隔を算出する。その結果、複数のパケットを連続して送信する際に、適切な送信間隔を算出し、その間隔でパケットを送信することができる。
【0018】
自身の通信に関する情報および通信相手の情報通信端末の通信に関する情報は、ICチップの処理時間であってもよい。
【0019】
上記情報通信端末は、携帯電話であってもよく、リーダライタ装置であってもよい。
【0020】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ICチップを用いて非接触による無線通信を行う無線通信方法であって、自身の通信に関する情報を記憶する記憶ステップと、通信確立時に通信相手の情報通信端末の通信に関する情報を受信する受信ステップと、記憶ステップで記憶した自身の通信に関する情報と、受信部で受信した通信相手の情報通信端末の通信に関する情報に基づいて、複数のパケットの送信間隔を算出する間隔算出ステップと、間隔算出ステップで制御された送信タイミングに基づいて、複数のパケットを一度に連続して送信する送信ステップと、を含むことを特徴とする、通信方法が提供される。
【0021】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ICチップを用いて非接触による無線通信を行うコンピュータプログラムであって、コンピュータに、通信確立時に通信相手の情報通信端末の通信に関する情報を受信する受信ステップと、コンピュータに記憶されている自身の通信に関する情報と、受信ステップで受信した通信相手の情報通信端末の通信に関する情報に基づいて、複数のパケットの送信間隔を算出する間隔算出ステップと、間隔算出ステップで制御された送信タイミングに基づいて、複数のパケットを一度に連続して送信する送信ステップと、を実行させることを特徴とする、コンピュータプログラムが提供される。
【0022】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ICチップを内蔵した情報通信端末を用いて非接触による無線通信を行う無線通信システムであって、2つの情報通信端末を含み、一の情報通信端末は、通信相手の情報通信端末に送信するデータの有無を確認するデータ確認部と、データ確認部の確認の結果、通信相手の情報通信端末に送信するデータが存在する場合には、通信相手の情報通信端末に送信するデータを含むパケットを生成し、通信相手の情報通信端末に送信するデータが存在しない場合には、通信相手の情報通信端末に送信するデータを含まないパケットを生成するパケット生成部と、パケット生成部で生成された、1つまたは複数のパケットを一度に連続して送信する送信部と、を含むことを特徴とする、無線通信システムが提供される。
【0023】
かかる構成によれば、一の情報通信端末において、データ確認部は通信相手の情報通信端末に送信するデータの有無を確認し、パケット生成部は、データ確認部の確認の結果、通信相手の情報通信端末に送信するデータが存在する場合には、通信相手の情報通信端末に送信するデータを含むパケットを生成し、通信相手の情報通信端末に送信するデータが存在しない場合には、通信相手の情報通信端末に送信するデータを含まないパケットを生成し、送信部はパケット生成部で生成された、1つまたは複数のパケットを一度に連続して送信する。その結果、通信相手の情報通信端末に送信するデータが存在しない場合には、通信相手の情報通信端末に送信するデータを含まないパケットを送信し、通信順を相手に渡すことで、データの送信順の明確にすることができ、また情報通信端末同士の送信データの衝突を回避することもできる。
【0024】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ICチップを用いて非接触による無線通信を行う情報通信端末であって、通信相手の情報通信端末に送信するデータの有無を確認するデータ確認部と、データ確認部の確認の結果、通信相手の情報通信端末に送信するデータが存在する場合には、通信相手の情報通信端末に送信するデータを含むパケットを生成し、通信相手の情報通信端末に送信するデータが存在しない場合には、通信相手の情報通信端末に送信するデータを含まないパケットを生成するパケット生成部と、パケット生成部で生成された、1つまたは複数のパケットを一度に連続して送信する送信部と、を含むことを特徴とする、情報通信端末が提供される。
【0025】
かかる構成によれば、データ確認部は通信相手の情報通信端末に送信するデータの有無を確認し、パケット生成部は、データ確認部の確認の結果、通信相手の情報通信端末に送信するデータが存在する場合には、通信相手の情報通信端末に送信するデータを含むパケットを生成し、通信相手の情報通信端末に送信するデータが存在しない場合には、通信相手の情報通信端末に送信するデータを含まないパケットを生成し、送信部はパケット生成部で生成された、1つまたは複数のパケットを一度に連続して送信する。その結果、通信相手の情報通信端末に送信するデータが存在しない場合には、通信相手の情報通信端末に送信するデータを含まないパケットを送信し、通信順を相手に渡すことで、データの送信順の明確にすることができ、また情報通信端末同士の送信データの衝突を回避することもできる。
【0026】
上記情報通信端末は、通信相手の情報通信端末に送信するデータを一時的に蓄積するデータ蓄積部をさらに含み、データ確認部は、データ蓄積部に蓄積されているデータの有無を確認してもよい。
【0027】
通信相手の情報通信端末に送信するデータを含まないパケットを送信する際には、送信部でのパケットの送信までの待機時間を通常より長くしてもよい。その結果、待機時間を長くすることで情報通信端末の電力消費を抑えることができる。
【0028】
上記情報通信端末は、携帯電話であってもよく、リーダライタ装置であってもよい。
【0029】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ICチップを用いて非接触による無線通信を行う通信方法であって、通信相手の情報通信端末に送信するデータの有無を確認するデータ確認ステップと、データ確認ステップでの確認の結果、通信相手の情報通信端末に送信するデータが存在する場合には、通信相手の情報通信端末に送信するデータを含むパケットを生成し、通信相手の情報通信端末に送信するデータが存在しない場合には、通信相手の情報通信端末に送信するデータを含まないパケットを生成するパケット生成ステップと、パケット生成ステップで生成された、1つまたは複数のパケットを一度に連続して送信する送信ステップと、を含むことを特徴とする、通信方法が提供される。
【0030】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ICチップを用いて非接触による無線通信を行うコンピュータプログラムであって、コンピュータに、通信相手の情報通信端末に送信するデータの有無を確認するデータ確認ステップと、データ確認ステップでの確認の結果、通信相手の情報通信端末に送信するデータが存在する場合には、通信相手の情報通信端末に送信するデータを含むパケットを生成し、通信相手の情報通信端末に送信するデータが存在しない場合には、通信相手の情報通信端末に送信するデータを含まないパケットを生成するパケット生成ステップと、パケット生成ステップで生成された、1つまたは複数のパケットを一度に連続して送信する送信ステップと、を含む処理を実行させる特徴とする、コンピュータプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0031】
以上説明したように本発明によれば、無線通信の効率を向上させることが可能な、新規かつ改良された無線通信システム、情報通信端末、携帯電話、リーダライタ、通信方法およびコンピュータプログラムを提供することにある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0033】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態にかかる情報通信端末および通信方法について説明する。
【0034】
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる情報通信端末の構成について説明する説明図である。以下、図1を用いて本発明の第1の実施形態にかかる情報通信端末の構成について詳細に説明する。
【0035】
図1に示したように、本発明の第1の実施形態にかかる情報通信端末100は、コントローラ110と、ICチップ120と、アンテナ130と、を含んで構成される。
【0036】
情報通信端末100は、アンテナ130を介して、空気を媒体として無線で情報の通信を行うものである。情報通信端末100は例えば小型の情報処理装置であってもよく、小型の情報処理装置とは、例えば携帯電話やPDA等の小型の情報処理装置であってもよい。
【0037】
コントローラ110は、ICチップ120および情報通信端末100の各部の制御を行うものである。コントローラ110からの命令により、ICチップ120および情報通信端末100の各部の動作が行われる。
【0038】
ICチップ120は、データの記憶や演算処理、及び非接触通信によって外部機器に対してデータの送受信を行うためのものである。また、ICチップ120には、図示しないが、データの送受信を行うためにデジタル情報とアナログ情報との変換を行うA/D変換器を含んで構成されていてもよい。
【0039】
アンテナ130は、本発明の送信部および受信部の一例であり、ICチップ120からの無線信号を伝送媒体である空気中に所定の周波数で放出し、あるいは他の端末(情報通信端末やリーダライタ装置等)から送られてくる所定の周波数を有する無線信号を空気中から受け取り、受け取った信号をICチップ120に渡すものである。アンテナ130を介して所定の周波数を有する無線信号の授受を行うことで、情報通信端末100は外部とのデータのやり取りを行うことができる。アンテナ130として、例えば所定の巻き数を有するアンテナコイルを用いることができる。
【0040】
以上、図1を用いて本発明の第1の実施形態にかかる情報通信端末の構成について説明した。次に、本発明の第1の実施形態にかかるICチップの構成について説明する。
【0041】
図2は、本発明の第1の実施形態にかかるICチップ120の構成について説明する説明図である。以下、図2を用いて本発明の第1の実施形態にかかるICチップの構成について説明する。
【0042】
図2に示したように、本発明の第1の実施形態にかかるICチップ120は、識別子付加部121と、記憶部122と、間隔算出部123と、データ確認部124と、パケット生成部125と、を含んで構成される。
【0043】
識別子付加部121は、アンテナ130で連続して送信する1つまたは複数のパケットの内、最後に送信するパケットに最後のパケットであることを示す識別子を付加するものである。
【0044】
記憶部122は、ICチップ120に関する情報を記憶するためのものである。記憶部122として、例えば各種の不揮発性メモリを用いてもよい。
【0045】
間隔算出部123は、アンテナ130から送信するパケットの送信間隔を算出するものである。パケットの送信間隔の算出については後述する。
【0046】
データ確認部124は、通信相手の端末に送信するデータの有無を確認するものである。
【0047】
パケット生成部125は、通信相手の端末に送信するパケットを生成するものである。通信状況に応じてパケット生成部125で生成するパケットはそれぞれ異なるものとなる。通信状況に応じて異なるパケットとは、例えば、他の情報通信端末、例えばリーダライタ装置との無線通信を行う際に通信を確立するためのパケット、通信相手の情報通信端末にデータを送信するためのパケット、通信を切断するためのパケット等を指す。
【0048】
以上、図2を用いて本発明の第1の実施形態にかかるICチップの構成について説明した。次に、本発明の第1の実施形態にかかるリーダライタ装置の構成について説明する。
【0049】
図3は、本発明の第1の実施形態にかかるリーダライタ装置の構成について説明する説明図である。以下、図3を用いて本発明の第1の実施形態にかかるリーダライタ装置の構成について説明する。
【0050】
図3に示したように、本発明の第1の実施形態にかかるリーダライタ装置200は、リーダライタ端末210と、パーソナルコンピュータ等の制御装置220とを含んで構成される。そして、リーダライタ端末210は、ICチップ212と、アンテナ214とを含んで構成され、制御装置220はコントローラ222を含んで構成される。
【0051】
リーダライタ端末210は、情報通信端末100との間で無線によるデータの送受信を行うものである。情報通信端末100とリーダライタ端末210との間で、所定の周波数を有する無線によるデータの送受信を行うことで、情報通信端末100はデータの授受を行うことができる。
【0052】
ICチップ212は、データの記憶や演算処理、及び非接触通信によって外部機器に対してデータの送受信を行うためのものである。本実施形態におけるICチップ212の内部構成は、ICチップ120の内部構成と同一であるため、詳細な説明は省略する。また、ICチップ212には、図示しないが、アンテナ214でデータの送受信を行うためにデジタル情報とアナログ情報との変換を行うA/D変換器を含んで構成されていてもよい。ICチップ212に含まれる記憶部として、例えば各種の不揮発性メモリを用いてもよい。
【0053】
アンテナ214は、本発明の送信部および受信部の一例であり、ICチップ212からの無線信号を伝送媒体である空気中に放出し、あるいは他の端末、例えば情報通信端末100から送られてくる無線信号を空気中から受け取ってICチップ212に渡すものである。アンテナ214を介して所定の周波数を有する無線信号の授受を行うことで、情報通信端末100は外部とのデータのやり取りを行うことができる。アンテナ214として、例えば所定の巻き数を有するアンテナコイルを用いることができる。
【0054】
制御装置220は、リーダライタ端末210と接続され、リーダライタ端末210の制御を行うものである。制御装置220に含まれるコントローラ222は、リーダライタ端末210に含まれるICチップ212および制御装置220の内部に含まれる各部の制御を行うものである。コントローラ222からの命令により、ICチップ212および制御装置220の各部の動作が行われる。なお、制御装置220として、例えばパーソナルコンピュータ等の情報処理装置を用いてもよい。
【0055】
なお、図3に示したリーダライタ装置においては、リーダライタ端末210と制御装置220とが有線で接続されていたが、接続形態は有線に限られず、無線であってもよい。また、図3に示したリーダライタ装置においては、ICチップ212とコントローラ222とが直接接続されているが、ICチップ212とコントローラ222との間の接続形態はこれに限られず、ICチップ212とコントローラ222との間に通信インターフェースを設けて、通信インターフェースを介してICチップ212とコントローラ222との間の通信を行うようにしてもよい。
【0056】
以上、図3を用いて本発明の第1の実施形態にかかるリーダライタ装置の構成について説明した。次に、本発明の第1の実施形態にかかる無線通信方法について、従来の無線通信方法と比較して説明する。
【0057】
図4Aは、従来のICチップを内蔵した2つの情報通信端末のデータの授受の流れについて説明する説明図である。ICチップを内蔵した2つの情報通信端末を、それぞれ「端末A」「端末B」と称する。端末Aは例えばICチップを内蔵したリーダライタ端末であり、端末Bは例えばICチップを内蔵した携帯電話やカードである。
【0058】
従来の端末Aと端末Bとの間のデータの授受の流れは以下のように行われる。まず端末Aと端末Bとの間でハンドシェイクが行われる。ハンドシェイクは、情報通信端末間でのデータの授受を行う前に、情報通信端末間の通信を確立するものである。ハンドシェイクは、例えばポーリング信号を発しているICチップを内蔵したリーダライタ端末に、同じくICチップを内蔵した情報通信端末を近づけることによって開始される。
【0059】
ハンドシェイクが行われると、続いてデータを送信したい端末Aから端末Bに向けてデータが送信される。端末Bは、端末Aからのデータを受信すると、端末Bで端末Aからのデータを処理し、端末Aに対して適切な応答データを送信する。端末Bからの応答データを受け取った端末Aは、端末Aで端末Bからの応答データを処理し、再度端末Aから端末Bに対してデータの送信を行う必要がある場合には、端末Aから端末Bに対してデータの送信を行う。
【0060】
このように、従来においては2つの端末間で交互にデータの授受を行っていた。しかし、従来においては1回の送信で1つのパケットしか送信することができず、一度送信を行うと相手からの応答が来るか、タイムアウトになるまで次のパケットの送信を行うことができなかった。しかも、1つのパケットで一度に送信できるデータの容量には限度がある。そのため、相手からの応答を待ってからデータの送信を行っていたのでは、通信効率も悪く、送信すべきデータを最後まで送りきるまでに時間がかかるという問題がある。
【0061】
そのため、本発明の第1の実施形態にかかる通信方法では、従来においては一度に1つしか送信できなかったパケットを、所定の条件を満たした場合に、まとまった単位で送信することで、通信効率を向上させて、データの送信に要する時間を短縮できるようにすることを特徴とする。
【0062】
ここで、複数のパケットを一度に連続して送信できるようにするためには、以下のような取り決めを定める必要がある。
【0063】
一つは、ICチップにおいて、データを送信した後に相手からの応答が無い、という状態を新たに設けることである。従来においては、ICチップからデータを送信した後には、送信したデータに対する応答を受け取るまでは、ICチップから次のデータの送信を実行することができなかった。それに対して本発明では、ICチップからデータを送信した後に、送信したデータに対する応答が無くても、ICチップから次のデータを送信することができる状態を新たに設けることで、複数のパケットを一度に送信することが可能となった。
【0064】
もう一つは、ICチップから一度に連続して送信するパケットのうち、最後に送信するパケットに、最後のパケットであることを示す識別子を付加することである。識別子を付加せずにパケットを送信すると、パケットを受け取った情報通信端末は、データの送信元に対して応答するタイミングが分からない。そのため、一度に連続して送信するパケットのうち、最後に送信するパケットに識別子を付加して送信することで、パケットを受け取った端末では、相手の端末に対して応答することが可能となる。
【0065】
このように、ICチップを内蔵した情報処理端末間におけるデータ授受に際する取り決めを定めることで、ICチップを内蔵した情報処理端末間で複数のパケットを一度に連続して送受信することができる。
【0066】
図4Bは、本発明の第1の実施形態にかかる2つの情報通信端末間でのデータの授受の流れについて説明する説明図である。以下、図4Bを用いて本発明の第1の実施形態にかかる通信方法について説明する。
【0067】
図4Bの(a)は、本発明の一実施形態にかかるICチップを内蔵した情報通信端末のデータの授受の流れの例について説明する説明図である。図4Bの(a)においては、情報通信端末100とリーダライタ装置200との間のデータの送受信について説明する。図4Bの(a)に示したように、本発明の一実施形態にかかるICチップを内蔵した情報通信端末100とリーダライタ装置200との間のデータの授受の流れは、情報通信端末100およびリーダライタ装置200のそれぞれから一度に複数のパケットを連続して送信することを特徴とする。
【0068】
まず、情報通信端末100とリーダライタ装置200との間の通信を確立させるためにハンドシェイクを行う。ハンドシェイクを行う際には相互にハンドシェイク用のパケットを交換する。ハンドシェイク用のパケットには情報通信端末100とリーダライタ装置200との間の通信を行うために必要な情報が含まれている。通信を行うために必要な情報として、例えば自身が連続して受信することができるパケットの数、一度に受信することができるデータの量、自身がデータの処理に要する時間などを含めてもよい。
【0069】
本実施形態においては、ハンドシェイク時に、情報通信端末100もリーダライタ装置200も、それぞれ3つのパケットを連続して受信することができるという情報をハンドシェイク用のパケットに含めて相手に送信する。
【0070】
図4Bの(a)に示した例では、情報通信端末100のICチップ120から、アンテナ130を介して、3つのパケットを連続して一度にリーダライタ装置200に送信する。そして、情報通信端末100から送信された3つ目のパケットには、ICチップ120の識別子付加部121において情報通信端末100から送信される最後のデータであることを示す識別子を付加している。
【0071】
リーダライタ装置200は、アンテナ214を介して情報通信端末100から3つ目のパケットを受け取ると、情報通信端末100に対して応答するタイミングであると判断する。そして、リーダライタ装置200は、ICチップ212から、アンテナ214を介して情報通信端末100に対してデータの送信を行う。リーダライタ装置200からのデータも、情報通信端末100からのデータと同様に、一度に複数のパケットを連続して送信することができる。そして、リーダライタ装置200から送信されるパケットにおいても、最後のパケットには、ICチップ212に含まれる識別子付加部において識別子を付加している。リーダライタ装置200から一度に送信するパケットの内の最後のパケットに識別子を付加して、情報通信端末100で識別子が付加されたパケットを受け取ることで、情報通信端末100はリーダライタ装置200に対して応答するタイミングであると認識することができる。
【0072】
このようなパケットの授受を、お互いに通信が完了するまで繰り返す。
【0073】
このように、本発明の一実施形態にかかる通信方法によれば、複数のパケットをまとめて一度に連続して送信することで、1つのパケットを交互に送信する場合に比べて、データの送受信に要する時間を短縮し、またデータの通信効率も向上する。
【0074】
図4Bの(a)では、お互いに複数のパケットを連続して送信する場合のデータの授受の流れを例に挙げて説明した。本発明はこれに限らず、一方は複数のパケットを連続して送信し、他方は1つのパケットのみを送信してもよい。図4Bの(b)は、本発明の第1の実施形態にかかる、ICチップを内蔵した情報通信端末とリーダライタ装置との間のデータの授受の流れの別の例について説明する説明図である。
【0075】
図4Bの(b)に示した例では、情報通信端末100からは一度に3つのパケットを送信し、リーダライタ装置200からは1つのパケットを送信している。この場合であっても、それぞれの端末から一度に送信するパケットの内、最後のパケットには識別子付加部121が識別子を付加して、パケットを受け取った端末ではその識別子を認識することによって、パケットを受け取った端末が応答するタイミングを認識することができる。というのも、リーダライタ装置200から送信するパケットが1つであっても、情報通信端末100はそのパケットに続きが存在するのか、そのパケットが最後のパケットであるか判断できなければ、情報通信端末100はリーダライタ装置200に対して応答ができないからである。情報通信端末100が応答を行うために、リーダライタ装置200はICチップ212に含まれる識別子付加部がパケットに識別子を付加することで、情報通信端末100はリーダライタ装置200への応答タイミングを認識することができる。
【0076】
このように、無線通信を行う端末間で連続して送受信することができるパケットの数が異なっていても、データの送受信に要する時間を短縮し、データの通信効率を向上させることができる。
【0077】
なお、上述した例では複数のパケットを連続して送信していたが、一度の送信で必ずしも複数のパケットを送信する必要はない。例えば、一度に3つのパケットを送信できるような場合でも、送信するデータ量が少なく、1つのパケットで足りる場合には一度の送信で1つのパケットを送信してもよく、2つのパケットで足りる場合には一度の送信で2つのパケットを送信してもよい。
【0078】
以上、図4Bを用いて本発明の第1の実施形態にかかる無線通信方法におけるデータ授受の流れについて説明した。次に、本発明の第1の実施形態にかかる無線通信方法についてより詳細に説明する。
【0079】
図5は、本発明の第1の実施形態にかかる、ICチップを用いた無線通信方法について説明する流れ図である。以下、図5を用いて本発明の第1の実施形態にかかる、ICチップを用いた無線通信方法について説明する。なお、図5に至るまでに、無線通信を行う端末間でハンドシェイクが行われ、所定の情報が交換されているものとする。
【0080】
本発明の第1の実施形態にかかる、ICチップを用いた無線通信方法においては、まずICチップ120はコントローラ110から通信相手に送信するパケットを受信する(ステップS110)。パケットを受信したICチップ120は、アンテナ130を介してパケットの送信先のリーダライタ装置200にパケットを送信する(ステップS112)。
【0081】
ここで、まだ送信していない未送信パケットがあるかどうかをICチップ120で判断する(ステップS114)。判断の結果、未送信パケットが存在していれば、上記ステップS110に戻り、ICチップ120はコントローラ110からパケットを受信する。一方、未送信パケットが存在していなければ、コントローラ110で、次に送信するパケットに識別子を付加する(ステップS116)。
【0082】
ICチップ120は、コントローラ110から識別子が付加されたパケットを受信し(ステップS118)、アンテナ130を介してパケットの送信先のリーダライタ装置200にパケットを送信する(ステップS120)。そして、すべてのパケットを送信したので、情報通信端末100の内部の状態をリーダライタ装置200からのパケットを受信する受信中状態に切り替える(ステップS122)
【0083】
このように、最後に送信するパケットに識別子を付加することで、識別子が付加されたパケットを送信した端末ではデータを受信する受信中状態に切り替わり、識別子が付加されたパケットを受信した端末ではデータを送信する送信中状態に切り替わる。
【0084】
以上、図5を用いて本発明の第1の実施形態にかかる無線通信方法について説明した。
【0085】
以上のように、本発明の第1の実施形態にかかるICチップを内蔵した情報通信端末において、複数のパケットを連続して送受信することが可能となるため、1つの端末からデータを送信し続けることが可能になる。しかし、1つの端末からデータを送信し続けると、かえって通信効率が低下する場合がある。通信効率が低下する場合とは、例えばICチップが上位のコントローラ等からデータを受け取ったタイミングと、ICチップがデータの無線送信を開始するタイミングとが合っておらず、データを受け取ったタイミングとデータを送信するタイミングとの間隔が長くなり、データ送信待ちの状態が長くなってしまう場合である。上位からデータを受け取ってすぐにデータを送信することができれば、データ送信待ちの状態も短縮され、通信効率も向上する。
【0086】
そこで、情報通信端末間の通信を開始する際、すなわち情報通信端末間のハンドシェイク時に、通信に関するパラメータを交換することで、通信効率を向上させることができる。通信に関するパラメータとしては、例えば連続して受信することができるパケットの数があり、情報通信端末間のハンドシェイク時に、連続して受信することができるパケットの数の交換を行ってもよい。このように、ハンドシェイク時に連続して受信することができるパケットの数の交換を行うことで、通信効率を向上させることができる。
【0087】
図6は、本発明の第1の実施形態にかかるICチップを内蔵した情報通信端末のデータの授受の流れの例について説明する説明図である。図6の(a)は、情報通信端末100とリーダライタ装置200との間で一度に1つのパケットの授受を行う場合の例について説明する説明図であり、図6の(b)は、情報通信端末100とリーダライタ装置200との間で一度に1つのパケットの授受を行う場合の例について説明する説明図である。
【0088】
図6に示した例であれば、図6の(a)と(b)とでは、情報通信端末100において、上位のコントローラ等からデータを受け取ったタイミングは同じである。この場合において、一度に3つのパケットの授受を行う図6の(b)に示した場合の方が、図6の(a)に示した場合に比べ、データの通信は高速に行われる。一方、図6の(b)は、ICチップが上位のコントローラ等からデータを受け取ったタイミングと、ICチップがデータの無線送信を開始するタイミングとの間隔が、図6の(a)の場合に比べて広くなっている。そのため、図6の(a)の方が、データを受け取ってすぐ相手のリーダライタ装置200にデータを送信することができるので、データの通信効率は良い。
【0089】
そこで、コントローラの性能や周囲の状況等の通信環境に応じて、情報通信端末とリーダライタ装置との間のハンドシェイク時に交換するパケットに、一度に送受信を行うパケットの数を含めてそのパケットを交換することで、通信効率を向上させることができる。
【0090】
なお、本実施形態では情報通信端末間のハンドシェイク時に、相手の情報通信端末に向けて、自身が連続して受信することができるパケットの数の交換を行っていたが、本発明はこれに限られず、情報通信端末間のハンドシェイク時に、相手の情報通信端末に向けて、自身が一度に受信することができるパケットのデータ量の交換を行ってもよい。情報通信端末間のハンドシェイク時に、一度に受信することができるパケットのデータ量の交換を行うことで、通信内容に合った通信特性で情報通信端末間の無線通信を行うことができる。
【0091】
図7は、本発明の第1の実施形態にかかるICチップを内蔵したリーダライタ装置と情報通信端末間のデータの授受の流れの別の例について説明する説明図である。以下、図7を用いて、ICチップを内蔵したリーダライタ装置と情報通信端末間のデータの授受の流れの別の例について説明する
【0092】
図7の(a)は本発明の第1の実施形態にかかるICチップを内蔵したリーダライタ装置と情報通信端末間のデータの授受の流れの別の例について説明する説明図である。図7の(a)に示したデータ授受の例によれば、リーダライタ装置200と情報通信端末100とがハンドシェイクを行って通信を行う際に、リーダライタ装置200からは、ICチップ212からアンテナ214を介して情報通信端末100に対してハンドシェイクを行うためのパケット(以下「ハンドシェイクパケット」とも称する)を送信する。そして、情報通信端末100に向けて送信するハンドシェイクパケットには、リーダライタ装置200が受信可能なパケットの最大長の情報を含める。本実施形態においては、受信可能なパケットの最大長が200バイトであるという情報を含める(ステップS152)。もちろん、本発明においてはパケットの最大長はかかる例に限られない。
【0093】
一方、リーダライタ装置200からのハンドシェイクパケットを受信した情報通信端末100は、ICチップ120からアンテナ130を介して、リーダライタ装置200に対して応答のパケット(以下「ハンドシェイク応答パケット」とも称する)を送信する。リーダライタ装置200に向けて送信するハンドシェイク応答パケットには、情報通信端末100が受信可能なパケットの最大長の情報を含める。本実施形態においては、受信可能なパケットの最大長が200バイトであるという情報を含める(ステップS154)。もちろん、本発明においてはパケットの最大長はかかる例に限られない。
【0094】
このように、ICチップを用いた無線通信の最初の段階でお互いの情報を交換することで、その後は通信内容に合った通信特性で情報通信端末間の無線通信を行うことができる。
【0095】
図7の(a)に示した本実施形態の例においては、リーダライタ装置200から情報通信端末100への1回の通信は、最大でも200バイトに収まるように、コントローラ222でパケットのサイズの調整をして送信する(ステップS156)。
【0096】
図7の(a)に示した例では、1回の通信で受信できるパケットの最大長が同じ、つまりICチップの種類が同じものである場合について示した。上述のように、通信を開始する際のハンドシェイク時にパラメータを交換するので、ICチップの種類が異なる場合、例えば1回の通信で受信できるパケットの最大長が異なるICチップとの通信の場合でも、通信を行うことができる。
【0097】
図7の(b)は本発明の第1の実施形態にかかるICチップを内蔵した2つの情報通信端末間のデータの授受の流れのさらに別の例について説明する説明図である。図7の(b)に示したデータ授受の例によれば、リーダライタ装置200と情報通信端末100とがハンドシェイクを行って通信を行う際に、リーダライタ装置200からは情報通信端末100に対して、ICチップ212からアンテナ214を介して、ハンドシェイクパケットを送信する。そして、情報通信端末100に向けて送信するハンドシェイクパケットには、リーダライタ装置200が受信可能なパケットの最大長の情報を含める。本実施形態においては、受信可能なパケットの最大長が200バイトであるという情報を含める(ステップS162)。もちろん、本発明においてはパケットの最大長はかかる例に限られない。
【0098】
一方、リーダライタ装置200からのハンドシェイクパケットを受信した情報通信端末100は、ICチップ120からアンテナ130を介して、リーダライタ装置200に対してハンドシェイク応答パケットを送信する。リーダライタ装置200に向けて送信するハンドシェイク応答パケットには、情報通信端末100が受信可能なパケットの最大長の情報を含める。本実施形態においては、受信可能なパケットの最大長が150バイトであるという情報を含める(ステップS164)。もちろん、本発明においてはパケットの最大長はかかる例に限られない。
【0099】
ハンドシェイク時に、リーダライタ装置200は、ハンドシェイク応答パケットで情報通信端末100が一度に受信可能なパケットの長さが150バイトであるという情報を受信したので、図7の(b)に示した本実施形態の例においては、リーダライタ装置200から情報通信端末100への1回の通信は、最大でも150バイトに収まるように、ICチップ212でパケットのサイズの調整をして送信する(ステップS166)。
【0100】
以上のように、情報通信端末間のハンドシェイク時に、連続して受信することができるデータ量の交換を行うことで、ICチップの種類が同じである場合に限らず、受信できるパケットが異なる等の異なるICチップとの通信を行う場合であっても、通信内容に合った通信特性で情報通信端末間の無線通信を行うことができる。
【0101】
なお、上述した無線通信方法は、情報通信端末100やリーダライタ装置200の内部に記憶されているコンピュータプログラムによって実行されてもよい。
【0102】
以上、本発明の第1の実施形態にかかる情報通信端末および無線通信方法について説明した。
【0103】
以上説明したように本発明の第1の実施形態によれば、ICチップを内蔵した情報通信端末間の通信において、1つのパケットを交互に送受信するのではなく、1つまたは複数のパケットを連続して送受信することで、通信速度と通信効率を向上させることができる。また、通信開始時の情報通信端末間のハンドシェイク時に、連続して受信できるパケット数や一度に受信できるパケットの容量等の通信に関するパラメータを交換することによって、通信効率を向上させることができる。
【0104】
(第2の実施形態)
本発明の第1の実施形態では、1つまたは複数のパケットを連続して送受信することで、通信速度と通信効率を向上させることができる、情報通信端末および無線通信方法について説明した。本発明の第2の実施形態では、連続してパケットを送信する際の送信間隔を算出することによってパケットの送信間隔を制御して、パケットの送信先で正常にパケットを受信することができる、情報通信端末および無線通信方法について説明する。
【0105】
ICチップは、1つのデータの処理が完了するまでは次のデータを処理することができない。そのため、データを連続して送信するICチップを内蔵した情報通信端末では、データの送信を行う際に、データの送信間隔を制御する必要がある。以下、ICチップを内蔵した情報通信端末において、データの送信を行う際に、データの送信間隔を制御する方法について説明する。
【0106】
本発明の第2の実施形態にかかる情報通信端末およびリーダライタ装置の内部構成は、図1および図3に示した情報通信端末およびリーダライタ装置の内部構成と同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0107】
図8は、本発明の第2の実施形態にかかるICチップを内蔵した情報通信端末のデータの授受の流れの例について説明する説明図である。図8は、ICチップを内蔵した情報通信端末のデータの授受の流れの一部を抜き出したものである。以下、図8を用いて本発明の第2の実施形態にかかる無線通信方法について説明する。
【0108】
情報通信端末100からリーダライタ装置200にパケットを送信する場合、まずコントローラ110からICチップ120に向けてパケットの送信を行う。ここでパケットの送信に要する時間をTDaとする。
【0109】
コントローラ110からデータを受け取ったICチップ120は、受け取ったパケットの処理を行う。ここでのパケットの処理とは、例えばデータのA/D変換処理等を指す。ICチップ120でパケットの処理に要する時間をTDbとする。
【0110】
ICチップ120でパケットの処理が完了すると、アンテナ130を介して、リーダライタ装置200へ向けて無線によるパケットの送信を行う。無線によるパケットの送信に要する時間をTDcとする。
【0111】
情報通信端末100から無線によって、アンテナ214を介してパケットを受信したリーダライタ装置200は、ICチップ212で受信したパケットの処理を行う。ここでのパケットの処理とは、例えばデータのA/D変換処理等を指す。ICチップ212でパケットの処理に要する時間をTDb´とする。
【0112】
ICチップ212でパケットの処理が完了すると、ICチップ212からコントローラ222にパケットの送信を行う。ICチップ212からコントローラ222へのパケットの送信に要する時間をTDd´とする。
【0113】
パケットを受信したコントローラ222は、受信したパケットの処理等を行う。ここでのパケットの処理とは、受信したパケットの解析処理等を指す。ICチップ212は、パケットを受信してコントローラ222に送信した直後は、ICチップ212は別のデータを受信できない状態となっているが、所定の時間が経過すると、再びICチップ212はパケットを受け取れる状態となる。この所定の時間をTDe´とする。
【0114】
このように、リーダライタ装置200において、コントローラ222がICチップ212からパケットを受け取ってから、次のパケットを受け取るまでには所定の間隔を空けなければならない。そのため、情報通信端末100では、1つのパケットを送信してから次のパケットを送信するまでの待機時間、すなわち、コントローラ110からICチップ120にパケットを送信し、コントローラ110がICチップ120からAck(Acknowledgement;確認応答)を受け取ってから、次のパケットを送信するまでの待機時間IVaを制御する必要がある。時間IVaだけ待機してから、コントローラ110からICチップ120にパケットを送信することで、ICチップ212が正常にデータを受け取ることが可能となる。
【0115】
情報通信端末100での待機時間IVaは、情報通信端末100のパラメータだけでは算出することができない。というのも、待機時間IVaの算出には、リーダライタ装置200の情報が必要だからである。具体的には、待機時間IVaの算出には、ICチップ212の処理時間と、ICチップ212からコントローラ222へのパケットの送信に要する時間と、ICチップ212がパケットを受け取れる状態となるまでの所定の時間の情報が必要となる。
【0116】
そのため、通信開始時における情報通信端末100とリーダライタ装置200との間のハンドシェイク時に、情報通信端末100のパラメータと、リーダライタ装置200のパラメータとを交換する。情報通信端末100とリーダライタ装置200との間のハンドシェイク時には、片方がハンドシェイクパケットを送信し、ハンドシェイクパケットを受信した装置が、ハンドシェイク応答パケットを送信する。このハンドシェイクパケットと、ハンドシェイク応答パケットに、それぞれのパラメータを含めて、お互いに送受信を行う。
【0117】
具体的には、情報通信端末100からは、コントローラ110からICチップ120へのパケットの送信に要する時間TDa、ICチップ120でパケットの処理に要する時間TDb、無線によるパケットの送信に要する時間TDcの情報を送信し、リーダライタ装置200からは、ICチップ212でパケットの処理に要する時間TDb´、ICチップ212からコントローラ222へのパケットの送信に要する時間TDd´、ICチップ212がパケットをコントローラ222に送信した後に、再びICチップ212がパケットを受け取れる状態となるまでの所定の時間TDe´の情報を送信する。
【0118】
このように、ハンドシェイク時にお互いの情報を交換することで、間隔算出部123は待機時間IVaの算出を行うことができる。待機時間IVaは、ICチップ120からコントローラ110へのAckの送信時間、およびICチップ120が無線通信を開始してから最初のビットがICチップ212に到達するまでに要する時間Sは非常に短いため0と仮定すると、以下の数式1で算出することができる。
【0119】
【数1】

【0120】
数式1のように待機時間IVaを算出することによって、コントローラ110におけるパケットの送信間隔が求まる。
【0121】
情報通信端末100から連続してパケットを送信する場合には、コントローラ110からパケットをICチップ120に送信し、コントローラ110がICチップ120からAckを受け取った後に、コントローラ110は待機時間IVaだけ待機する。そして、次のパケットをコントローラ110からICチップ120に送信することで、パケットを受け取るリーダライタ装置200のICチップ212で、データを正常に受信することができる。
【0122】
以上、本発明の第2の実施形態にかかる無線通信方法について説明した。
【0123】
なお、間隔算出部123による待機時間IVaの算出の結果、待機時間IVaの値が負の値になった場合には、IVaの値を0、すなわちコントローラ110がICチップ120からAckを受け取ると、直ちにコントローラ110から次のパケットを送信するようにしてもよい。
【0124】
また、待機時間IVaには下限値を設けてもよい。算出した待機時間IVaや、その他のパラメータの値によっては、ICチップ120がアンテナ130にパケットを送信している最中に、コントローラ110から次のパケットを受信する場合が生じる。その場合、ICチップ120の種類によっては、コントローラ110からのパケットを受け付けない、またはアンテナ130へのパケットの送信が中断され、もしくはデータが破壊される等、アドホック通信の成立が困難になる可能性がある。そのため、待機時間IVaに下限値を設けることで、そのような状態を回避することができる。
【0125】
また、上述した無線通信方法は、情報通信端末100やリーダライタ装置200の内部に記憶されているコンピュータプログラムによって実行されてもよい。
【0126】
以上、本発明の第2の実施形態にかかる情報通信端末および無線通信方法について説明した。
【0127】
以上のように、本発明の第2の実施形態によれば、ICチップを内蔵した情報処理端末において、連続してパケットを送信する際の送信間隔を算出し、適切な間隔を空けてパケットを送信することによって、パケットの送信先で正常にパケットを受信することができる。
【0128】
(第3の実施形態)
本発明の第2の実施形態では、連続してパケットを送信する際の送信間隔を算出することによってパケットの送信間隔を制御して、パケットの送信先で正常にパケットを受信することができる、ICチップを内蔵した情報通信端末および無線通信方法について説明した。本発明の第3の実施形態では、ICチップを内蔵した情報通信端末間でデータの通信を行う際に、お互いに送信するデータが無い場合には通信間隔を広げる、ICチップを内蔵した情報通信端末および無線通信方法について説明する。
【0129】
ICチップを内蔵した情報通信端末には、相手に送信するデータを一時的に保管するためのバッファを設けているものがある。相手にデータを送信する際には、そのバッファからデータを取得し、所定のサイズのパケットを生成して、ICチップからアンテナを経由して相手に送信する。
【0130】
このようにICチップを内蔵した情報通信端末間でデータの送受信を行う際には、通信の途中で一時的にお互いに送信するデータが無くなり、例えばバッファに保管されているデータが一時的に無くなる場合が生じる可能性がある。次にどちらが送信を開始すればよいか分からない状態が発生する可能性がある。
【0131】
ここで、本発明の第3の実施形態では、ICチップを内蔵した情報通信端末間でデータの通信を行う際に、お互いに送信するデータが無い場合には、お互いに空のデータを送信し合って送信順を交換し、さらに空のデータを送信する場合には送信間隔を広げる、ICチップを内蔵した情報通信端末および無線通信方法について説明する。
【0132】
本発明の第3の実施形態にかかる情報通信端末およびリーダライタ装置の内部構成は、図1および図3に示した情報通信端末100およびリーダライタ装置200の内部構成と同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0133】
図9は、本発明の第3の実施形態にかかるICチップを内蔵した情報通信端末とリーダライタ装置との間のデータの送受信の流れの例について説明する説明図である。図9に示した流れは、ICチップを内蔵した情報通信端末とリーダライタ装置との間のデータの送受信の流れの一部を抜き出したものである。図9に至るまでに、情報通信端末とリーダライタ装置との間でハンドシェイクが行われ、所定の処理が行われているが、ここではそれらの詳細な流れは省略する。
【0134】
情報通信端末100からリーダライタ装置200へ向けて、ICチップ120からアンテナ130を経由してデータの無線による送信が行われる(ステップS210)。このとき、ペイロードのサイズが0ではないパケットが送信される。つまりパケットにデータが存在している。しかし、情報通信端末100からはこのタイミングで送信するデータが存在しなくなったものとする。
【0135】
情報通信端末100からのデータを受信したリーダライタ装置200は、応答まで第1の所定の時間待機する(ステップS212)。ここで、ICチップ212に含まれるデータ確認部で、情報通信端末100に対して送信するデータが存在するかどうか判断し、情報通信端末100に対して送信するデータが存在しない場合には、第1の所定時間待機後、ICチップ212に含まれるパケット生成部でペイロードのサイズが0であるパケットを生成する。そして、リーダライタ装置200は情報通信端末100に対して、ICチップ212からアンテナ214を経由して、生成したパケットを送信して(ステップS214)、データの送信順を情報通信端末100に切り替える。ここで、第1の所定時間とは、ICチップがデータを受信してから応答するまでの時間をいう。
【0136】
リーダライタ装置200からペイロードのサイズが0であるデータを受信した情報通信端末100は、応答まで第2の所定時間待機する(ステップS216)。ここで、データ確認部124で、リーダライタ装置200に対して送信するデータが存在するかどうか判断し、リーダライタ装置200に対して送信するデータが存在しない場合には、第2の所定時間待機後、パケット生成部125でペイロードのサイズが0であるパケットを生成する。そして、情報通信端末100はリーダライタ装置200に対して、ペイロードのサイズが0であるデータを送信して(ステップS218)、データの送信順をリーダライタ装置200に切り替える。ここで、第2の所定時間とは、データを一時的に送り合わない場合において、端末の有効活用のために、データを受信してから応答するまでの時間をいい、第1の所定時間より長い時間である。
【0137】
情報通信端末100からペイロードのサイズが0であるデータを受信したリーダライタ装置200は、応答まで第2の所定時間待機する(ステップS220)。ここで、ICチップ212に含まれるデータ確認部で、情報通信端末100に対して送信するデータが存在するかどうか判断し、情報通信端末100に対して送信するデータが存在しない場合には、第1の所定時間待機後、ICチップ212に含まれるパケット生成部でペイロードのサイズが0であるパケットを生成する。そして、リーダライタ装置200は情報通信端末100に対して、ICチップ212からアンテナ214を経由して、生成したパケットを再び送信して(ステップS222)、データの送信順を情報通信端末100に切り替える。
【0138】
リーダライタ装置200からペイロードのサイズが0であるデータを受信した情報通信端末100は、応答まで第2の所定時間待機する(ステップS224)。この情報通信端末100での第2の所定時間待機の間に、リーダライタ装置200には新しいデータが上位の装置から渡される(ステップS226)。この時点でも、情報通信端末100にはまだ新しいデータが存在していない。しかし、リーダライタ装置200との通信は継続状態にある。そのため、データ確認部124で、リーダライタ装置200に対して送信するデータが存在するかどうか判断して、リーダライタ装置200に対して送信するデータが存在しないので、情報通信端末100は、第2の所定時間待機後に、パケット生成部125でペイロードのサイズが0であるパケットを生成する。そして、リーダライタ装置200に対して、パケットを再び送信して(ステップS228)、データの送信順をリーダライタ装置200に切り替える。
【0139】
情報通信端末100からペイロードのサイズが0であるデータを受信したリーダライタ装置200は、情報通信端末100に対して送信するデータが存在するため、応答まで第1の所定時間待機する(ステップS230)。そして、第1の所定時間待機した後に、リーダライタ装置200は情報通信端末100に対して、データの送信を行う(ステップS232)。このときのペイロードのサイズは0でないパケットを送信する。
【0140】
このように、送信するデータが存在しない場合に、所定の時間待機してデータの送信順を相手に切り替えることで、次にどちらが送信を開始すればよいか分からない状態の発生を回避することができる。また、送信すべきデータが存在しない場合には、通常よりもデータの送信までの間隔を広くすることで、消費電力を抑えることができる。
【0141】
なお、上述した無線通信方法は、情報通信端末100およびリーダライタ装置200に、相手に送信すべきデータを一時的に蓄積するデータ蓄積部をさらに備え、データ蓄積部に蓄積されているデータの有無によって、ペイロードのサイズが0であるパケットを生成するかどうか判断してもよい。
【0142】
また、上述した無線通信方法は、情報通信端末100やリーダライタ装置200の内部に記憶されているコンピュータプログラムによって実行されてもよい。
【0143】
以上、本発明の第3の実施形態にかかる情報通信端末および無線通信方法について説明した。
【0144】
以上のように、本発明の第3の実施形態によれば、ICチップを内蔵した情報通信端末間でデータの通信を行う際に、お互いに送信するデータが無い場合には、お互いに空のデータを送信しあう。また、空のデータを送信する際には、通信間隔を広げて通信を行う。お互いに空のデータを送信しあうことで、次にどちらが送信を開始すればよいか分からない状態の発生を回避することができる。また、通信間隔を広げて通信を行うことで、送信すべきデータが存在しない場合に消費電力を抑えることができる。
【0145】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0146】
例えば、上記各実施形態においては、ICチップに本発明の識別子付加部、間隔算出部、データ確認部およびパケット生成部の機能を含めていたが、本発明はこれに限られない。これらの一部または全部をコントローラ側に含めるようにしてもよく、情報通信端末に含まれるその他の構成要素に含めるようにしてもよい。また、逆に全ての処理をICチップに含めるようにしてもよい。
【0147】
また、例えば、上記各実施形態においては、情報通信端末とリーダライタ装置との間のデータの送受信を例に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、ICチップを内蔵した情報通信端末同士のデータの送受信を行う際に本発明を適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0148】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる情報通信端末の構成について説明する説明図である。
【図2】本発明の第1の実施形態にかかるICチップ120の構成について説明する説明図である。
【図3】本発明の第1の実施形態にかかるリーダライタ装置の構成について説明する説明図である。
【図4A】従来のICチップを内蔵した2つの情報通信端末のデータの授受の流れについて説明する説明図である。
【図4B】本発明の第1の実施形態にかかる2つの情報通信端末間でのデータの授受の流れについて説明する説明図である。
【図5】本発明の第1の実施形態にかかる、ICチップを用いた無線通信方法について説明する流れ図である。
【図6】本発明の第1の実施形態にかかる、ICチップを内蔵した情報通信端末のデータの授受の流れの例について説明する説明図である。
【図7】本発明の第1の実施形態にかかる、ICチップを内蔵したリーダライタ装置と情報通信端末間のデータの授受の流れの別の例について説明する説明図である。
【図8】本発明の第2の実施形態にかかる、ICチップを内蔵した情報通信端末のデータの授受の流れの例について説明する説明図である。
【図9】本発明の第3の実施形態にかかる、ICチップを内蔵した情報通信端末とリーダライタ装置との間のデータの送受信の流れの例について説明する説明図である。
【符号の説明】
【0149】
100 情報通信端末
110、222 コントローラ
120、212 ICチップ
121 識別子付加部
122 記憶部
123 間隔算出部
124 データ確認部
125 パケット生成部
130、214 アンテナ
200 リーダライタ装置
210 リーダライタ端末
220 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICチップを内蔵した情報通信端末を用いて非接触によって交互に無線通信を行う無線通信システムであって:
2つの情報通信端末を含み、
一の前記情報通信端末は、
他の情報通信端末からのパケットを受信する受信部と;
1つまたは複数のパケットを前記他の情報通信端末に無線送信し、所定の条件を満たした場合は、交互の無線通信の代わりに、前記他の情報通信端末に送信可能な全てのパケットを送信する送信部と;
前記送信部で送信する、前記他の情報通信端末に送信可能な全てのパケットの内、最後に送信するパケットに最後のパケットであることを示す識別子を付加する識別子付加部と;
を含むことを特徴とする、無線通信システム。
【請求項2】
ICチップを用いて非接触によって他の情報通信端末と交互に無線通信を行う情報通信端末であって:
他の情報通信端末からのパケットを受信する受信部と;
1つまたは複数のパケットを前記他の情報通信端末に無線送信し、所定の条件を満たした場合は、交互の無線通信の代わりに、前記他の情報通信端末に送信可能な全てのパケットを送信する送信部と;
前記送信部で送信する、前記他の情報通信端末に送信可能な全てのパケットの内、最後に送信するパケットに最後のパケットであることを示す識別子を付加する識別子付加部と;
を含むことを特徴とする、情報通信端末。
【請求項3】
前記情報通信端末に関するパラメータを記憶する記憶部をさらに含み、
通信開始時に前記他の情報通信端末との間で前記パラメータを交換し、前記パラメータに基づいて、一度に連続して送信するパケットの数を決定することを特徴とする、請求項2に記載の情報通信端末。
【請求項4】
前記情報通信端末に関するパラメータを記憶する記憶部をさらに含み、
通信開始時に前記他の情報通信端末との間で前記パラメータを交換し、前記パラメータに基づいて、一度に連続して送信するデータの容量を決定することを特徴とする、請求項2に記載の情報通信端末。
【請求項5】
前記情報通信端末は、携帯電話であることを特徴とする、請求項2〜4のいずれかに記載の情報通信端末。
【請求項6】
前記情報通信端末は、リーダライタ装置であることを特徴とする、請求項2〜4のいずれかに記載の情報通信端末。
【請求項7】
ICチップを用いて非接触によって他の情報通信端末と交互に無線通信を行う無線通信方法であって:
他の情報通信端末からのパケットを受信する受信ステップと;
1つまたは複数のパケットを前記他の情報通信端末に無線送信し、所定の条件を満たした場合は、交互の無線通信の代わりに、前記他の情報通信端末に送信可能な全てのパケットを送信する送信ステップと;
前記送信ステップで送信する、前記他の情報通信端末に送信可能な全てのパケットの内、最後に送信するパケットに最後のパケットであることを示す識別子を付加する識別子付加ステップと;
を含むことを特徴とする、無線通信方法。
【請求項8】
ICチップを用いて非接触によって他の情報通信端末と交互に無線通信を行うコンピュータプログラムであって、コンピュータに、
他の情報通信端末からのパケットを受信する受信ステップと;
1つまたは複数のパケットを前記他の情報通信端末に送信し、所定の条件を満たした場合は、交互の無線通信の代わりに、前記他の情報通信端末に送信可能な全てのパケットを送信する送信ステップと;
前記送信ステップで送信する、前記他の情報通信端末に送信可能な全てのパケットの内、最後に送信するパケットに最後のパケットであることを示す識別子を付加する識別子付加ステップと;
を含む処理を実行させること特徴とする、コンピュータプログラム。
【請求項9】
ICチップを内蔵した情報通信端末を用いて非接触による無線通信を行う無線通信システムであって:
2つの情報通信端末を含み、
一の前記情報通信端末は、
複数のパケットを一度に連続しての情報通信端末に送信する送信部と;
自身の通信に関する情報を記憶する記憶部と;
通信確立時に通信相手の情報通信端末の通信に関する情報を受信する受信部と;
前記記憶部に記憶されている前記自身の通信に関する情報と、前記受信部で受信した前記通信相手の情報通信端末の通信に関する情報に基づいて、前記送信部での複数のパケットの送信間隔を算出する間隔算出部と;
を含むことを特徴とする、無線通信システム。
【請求項10】
ICチップを用いて非接触による無線通信を行う情報通信端末であって:
複数のパケットを一度に連続して送信する送信部と;
自身の通信に関する情報を記憶する記憶部と;
通信確立時に通信相手の情報通信端末の通信に関する情報を受信する受信部と;
前記記憶部に記憶されている前記自身の通信に関する情報と、前記受信部で受信した前記通信相手の情報通信端末の通信に関する情報に基づいて、前記送信部での複数のパケットの送信間隔を算出する間隔算出部と;
を含むことを特徴とする、情報通信端末。
【請求項11】
前記自身の通信に関する情報および前記通信相手の情報通信端末の通信に関する情報は、前記ICチップの処理時間であることを特徴とする、請求項10に記載の情報通信端末。
【請求項12】
前記情報通信端末は、携帯電話であることを特徴とする、請求項10に記載の情報通信端末。
【請求項13】
前記情報通信端末は、リーダライタ装置であることを特徴とする、請求項10に記載の情報通信端末。
【請求項14】
ICチップを用いて非接触による無線通信を行う無線通信方法であって:
自身の通信に関する情報を記憶する記憶ステップと;
通信確立時に通信相手の情報通信端末の通信に関する情報を受信する受信ステップと;
前記記憶ステップで記憶した前記自身の通信に関する情報と、前記受信部で受信した前記通信相手の情報通信端末の通信に関する情報に基づいて、複数のパケットの送信間隔を算出する間隔算出ステップと;
前記間隔算出ステップで制御された送信タイミングに基づいて、前記複数のパケットを一度に連続して送信する送信ステップと;
を含むことを特徴とする、通信方法。
【請求項15】
ICチップを用いて非接触による無線通信を行うコンピュータプログラムであって、コンピュータに、
通信確立時に通信相手の情報通信端末の通信に関する情報を受信する受信ステップと;
前記コンピュータに記憶されている自身の通信に関する情報と、前記受信ステップで受信した前記通信相手の情報通信端末の通信に関する情報に基づいて、複数のパケットの送信間隔を算出する間隔算出ステップと;
前記間隔算出ステップで制御された送信タイミングに基づいて、前記複数のパケットを一度に連続して送信する送信ステップと;
を実行させることを特徴とする、コンピュータプログラム。
【請求項16】
ICチップを内蔵した情報通信端末を用いて非接触による無線通信を行う無線通信システムであって:
2つの情報通信端末を含み、
一の前記情報通信端末は、
通信相手の情報通信端末に送信するデータの有無を確認するデータ確認部と;
前記データ確認部の確認の結果、前記通信相手の情報通信端末に送信するデータが存在する場合には、前記通信相手の情報通信端末に送信するデータを含むパケットを生成し、前記通信相手の情報通信端末に送信するデータが存在しない場合には、前記通信相手の情報通信端末に送信するデータを含まないパケットを生成するパケット生成部と;
前記パケット生成部で生成された、1つまたは複数のパケットを一度に連続して送信する送信部と;
を含むことを特徴とする、無線通信システム。
【請求項17】
ICチップを用いて非接触による無線通信を行う情報通信端末であって:
通信相手の情報通信端末に送信するデータの有無を確認するデータ確認部と;
前記データ確認部の確認の結果、前記通信相手の情報通信端末に送信するデータが存在する場合には、前記通信相手の情報通信端末に送信するデータを含むパケットを生成し、前記通信相手の情報通信端末に送信するデータが存在しない場合には、前記通信相手の情報通信端末に送信するデータを含まないパケットを生成するパケット生成部と;
前記パケット生成部で生成された、1つまたは複数のパケットを一度に連続して送信する送信部と;
を含むことを特徴とする、情報通信端末。
【請求項18】
前記通信相手の情報通信端末に送信するデータを一時的に蓄積するデータ蓄積部をさらに含み、
前記データ確認部は、前記データ蓄積部に蓄積されているデータの有無を確認することを特徴とする、請求項17に記載の情報通信端末。
【請求項19】
前記通信相手の情報通信端末に送信するデータを含まないパケットを送信する際には、前記送信部でのパケットの送信までの待機時間を通常より長くすることを特徴とする、請求項17に記載の情報通信端末。
【請求項20】
前記情報通信端末は、携帯電話であることを特徴とする、請求項17に記載の情報通信端末。
【請求項21】
前記情報通信端末は、リーダライタ装置であることを特徴とする、請求項17に記載の情報通信端末。
【請求項22】
ICチップを用いて非接触による無線通信を行う通信方法であって:
通信相手の情報通信端末に送信するデータの有無を確認するデータ確認ステップと;
前記データ確認ステップでの確認の結果、前記通信相手の情報通信端末に送信するデータが存在する場合には、前記通信相手の情報通信端末に送信するデータを含むパケットを生成し、前記通信相手の情報通信端末に送信するデータが存在しない場合には、前記通信相手の情報通信端末に送信するデータを含まないパケットを生成するパケット生成ステップと;
前記パケット生成ステップで生成された、1つまたは複数のパケットを一度に連続して送信する送信ステップと;
を含むことを特徴とする、通信方法。
【請求項23】
ICチップを用いて非接触による無線通信を行うコンピュータプログラムであって、コンピュータに、
通信相手の情報通信端末に送信するデータの有無を確認するデータ確認ステップと;
前記データ確認ステップでの確認の結果、前記通信相手の情報通信端末に送信するデータが存在する場合には、前記通信相手の情報通信端末に送信するデータを含むパケットを生成し、前記通信相手の情報通信端末に送信するデータが存在しない場合には、前記通信相手の情報通信端末に送信するデータを含まないパケットを生成するパケット生成ステップと;
前記パケット生成ステップで生成された、1つまたは複数のパケットを一度に連続して送信する送信ステップと;
を含む処理を実行させる特徴とする、コンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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