説明

無線通信制御装置及び無線通信方式選択方法

【課題】複数のアンテナの切替及び複数の無線通信方式の切替が可能な無線端末における無線通信方式の優先順位付けのための処理量を削減することを図る。
【解決手段】無線通信方式ごとに前記無線端末の状況に応じて前記無線端末の複数のアンテナと前記無線端末の通信相手のアンテナとの組合せの中からアンテナに係る候補を選択する方式内候補選択部22と、各無線通信方式の優先度を該選択されたアンテナに係る候補ごとに計算する優先度計算部27とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信制御装置及び無線通信方式選択方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一台の無線端末で複数の無線通信方式(例えば、通信エリアが広域のセルラー方式の移動通信システムの無線通信方式と通信エリアが狭域の無線LANシステムの無線通信方式)を切り替えて使用することができる無線通信装置(以下、マルチモード端末と称する場合がある)が注目されている。マルチモード端末では、無線チャネルの状況やユーザアプリケーション等に応じて使用する無線通信方式を選択したり、リアルタイムに無線通信方式を切り替えたりすることができる。
【0003】
マルチモード端末の従来技術として、例えば特許文献1では、無線端末が各無線通信方式の伝搬環境データ及びシステム固有データに基づいて各無線通信方式の通信品質QoSを計算する。そして、無線端末が通信に利用している無線通信方式の基地局が、該無線端末から報告された各無線通信方式の通信品質QoSに基づいて、各無線通信方式の通信品質QoSに順位付けを行っている。又、非特許文献1では、端末主導で無線通信方式の切替制御を行うために、無線端末が、ユーザアプリケーションの要求条件及び各無線通信方式の状態に基づいて、各無線通信方式の優先順位付けを行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−54168号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】山崎浩輔、前山利幸、武内良男、“ソフトウェア無線技術を用いた通信機器主導型通信モード変更方法の提案”、社団法人電子情報通信学会、2008年電子情報通信学会総合大会講演論文集、B−17−2、pp.604、2008年3月5日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述した従来技術では、各無線通信方式の優先順位付けのための処理量が膨大となる恐れがある。特に、複数のアンテナを備え、各無線通信方式においてSISO(Single-Input Single-Output)伝送とMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)伝送を切り替えて使用することができる場合、優先順位付けの対象数は、無線通信方式の候補数に対して使用するアンテナの候補数を加味した数となるために非常に多くなる。この結果、優先順位付けのための処理量が増大するので、マルチモード端末の消費電力増につながる。さらには、各受信アンテナを用いて各無線通信方式の無線チャネル状態を監視する際の時間間隔が長くなることにより、無線チャネルの時間変動の影響が無視できなくなり、優先順位の精度が劣化する恐れが生じる。
【0007】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、複数のアンテナの切替及び複数の無線通信方式の切替が可能な無線端末における無線通信方式の優先順位付けのための処理量を削減することのできる無線通信制御装置及び無線通信方式選択方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明に係る無線通信制御装置は、複数のアンテナの切替及び複数の無線通信方式の切替が可能な無線端末において前記切替を制御する無線通信制御装置であり、無線通信方式ごとに、前記無線端末の状況に応じて、前記無線端末の複数のアンテナと前記無線端末の通信相手のアンテナとの組合せの中からアンテナに係る候補を選択する方式内候補選択手段と、各無線通信方式の優先度を、前記選択されたアンテナに係る候補のみを対象にして計算する優先度計算手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明に係る無線通信制御装置において、前記方式内候補選択手段は、前記無線端末の複数のアンテナの一つ一つに対して、SISO伝送が可能な各無線通信方式の通信相手のアンテナの一つ一つとの組合せの全てを選択対象として、SISO伝送用のアンテナ候補を選択し、前記無線端末の複数のアンテナの中から複数個を取り出す組合せの一つ一つに対して、MIMO伝送が可能な各無線通信方式の通信相手の複数のアンテナの中から複数個を取り出す組合せの一つ一つとの組合せの全てを選択対象として、MIMO伝送用のアンテナ組合せ候補を選択する、ことを特徴とする。
【0010】
本発明に係る無線通信制御装置において、前記方式内候補選択手段は、アンテナごとの特性又はアンテナ間の特性を表す無線品質パラメータ及び通信アプリケーションの要求QoSに基づいて、要求QoSを満たさないものを前記選択対象から除外した残りのみを前記候補として選択することを特徴とする。
【0011】
本発明に係る無線通信制御装置において、前記方式内候補選択手段は、アンテナごとの特性又はアンテナ間の特性を表す無線品質パラメータ、前記無線端末の電源の残余電力及び通信アプリケーションの要求QoSに基づいて、候補削減基準に合致するものを前記選択対象から除外した残りのみを前記候補として選択することを特徴とする。
【0012】
本発明に係る無線通信制御装置において、前記方式内候補選択手段は、要求QoSが即時性を要求しない場合において、受信状態が良好かつ残余電力が基準値に満たないときは、全アンテナを含むアンテナ組合せを前記選択対象から除外した残りのみを前記候補として選択することを特徴とする。
【0013】
本発明に係る無線通信制御装置においては、予測対象の無線通信方式に係るアンテナごとの特性又はアンテナ間の特性を表す無線品質パラメータに基づいて当該無線通信方式の性能を予測する無線性能予測手段を備え、前記方式内候補選択手段は、前記性能予測値に基づいて、候補削減基準に合致するものを前記選択対象から除外した残りのみを前記候補として選択することを特徴とする。
【0014】
本発明に係る無線通信制御装置において、前記方式内候補選択手段は、一無線通信方式候補について、アンテナに係る候補の各性能予測値を比較し、性能差が基準値以上あって極端に低性能となるものを前記選択対象から除外した残りのみを前記候補として選択することを特徴とする。
【0015】
本発明に係る無線通信制御装置においては、前記無線端末の状況に応じて前記複数の無線通信方式の中から無線通信方式候補を選択する候補方式選択手段を備え、前記優先度計算手段は、前記選択された無線通信方式候補のみを優先度計算対象とする、ことを特徴とする。
【0016】
本発明に係る無線通信制御装置において、前記候補方式選択手段は、地理的条件に基づいて候補を選択することを特徴とする。
【0017】
本発明に係る無線通信制御装置において、前記候補方式選択手段は、各無線通信方式に係る無線品質パラメータ及び通信アプリケーションの要求QoSに基づいて、要求QoSを満たさないものを前記選択対象から除外した残りのみを前記候補として選択することを特徴とする。
【0018】
本発明に係る無線通信制御装置においては、前記選択対象から除外されたものを候補として復活させる周期(リフレッシュサイクル)を制御するリフレッシュサイクル制御手段を備えたことを特徴とする。
【0019】
本発明に係る無線通信制御装置において、前記リフレッシュサイクル制御手段は、前記無線端末の電源の残余電力が下限基準値以下となって残り少なくなった場合にリフレッシュサイクルを初期値から所定量だけ延長し、残余電力が下限基準値を上回った場合にはリフレッシュサイクルを初期値に戻す、ことを特徴とする。
【0020】
本発明に係る無線通信制御装置において、前記リフレッシュサイクル制御手段は、前記無線端末の移動度が上限基準値以上となった場合にリフレッシュサイクルを初期値から所定量だけ短縮し、移動度が上限基準値を下回った場合にはリフレッシュサイクルを初期値に戻す、ことを特徴とする。
【0021】
本発明に係る無線通信制御装置において、前記リフレッシュサイクル制御手段は、前記無線端末の移動度が下限基準値以下となった場合にリフレッシュサイクルを初期値から所定量だけ延長し、移動度が下限基準値を上回った場合にはリフレッシュサイクルを初期値に戻す、ことを特徴とする。
【0022】
本発明に係る無線通信制御装置において、前記候補方式選択手段及び前記方式内候補選択手段は、候補削減の段階ごとに、削減した候補の情報を記録する記録手段を有し、前記リフレッシュサイクル制御手段は、候補削減の段階ごとに、リフレッシュサイクルを制御する、ことを特徴とする。
【0023】
本発明に係る無線通信方式選択方法は、複数のアンテナの切替及び複数の無線通信方式の切替が可能な無線端末における無線通信方式選択方法であって、無線通信方式ごとに、前記無線端末の状況に応じて前記複数のアンテナの中からアンテナに係る候補を選択するステップと、各無線通信方式の優先度を、前記選択されたアンテナに係る候補のみを対象にして計算するステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、複数のアンテナの切替及び複数の無線通信方式の切替が可能な無線端末における無線通信方式の優先順位付けのための処理量を削減することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態に係る無線端末1の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す無線通信制御部7の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る無線通信方式選択方法の手順を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る無線端末1の構成を示すブロック図である。この無線端末1では、複数(N個)の無線通信方式を切り替えて使用することができる。本実施形態では、無線端末1は、ソフトウェア無線技術によって複数の無線通信方式を切り替えて利用することができるものである。又、無線端末1が使用可能な無線通信方式の中には、SISO伝送とMIMO伝送を切り替えて使用することができるものがある。但し、本実施形態では、MIMO伝送は、SIMO(Single-Input Multiple-Output)伝送およびMISO(Multiple-Input Single-Output)伝送を含む。本実施形態に係る無線通信方式としては、例えば、通信エリアが広域のセルラー方式の移動通信システムの無線通信方式、通信エリアが狭域の無線LANシステムの無線通信方式などがある。
【0027】
図1において、無線端末1は、複数(M個)のアンテナRX1〜RXMと、アンテナRX1〜RXMの各々に対応して設けられるM個の観測用アンテナQ1〜QMと、RF部2と、AD/DA変換部3と、ベースバンド信号処理部4と、ソフトウェア記憶部5と、無線環境監視部6と、無線通信制御部7を備える。なお、各無線通信方式に対応するアンテナをそれぞれ備えるようにしてもよい。
【0028】
RF部2は、RF(無線周波数)信号を処理する部分であって、M個のアンテナRX1〜RXMとM個の観測用アンテナQ1〜QMの合計2M個のRF信号をそれぞれ処理するRF回路を有する。RF部2は、無線端末1が使用可能なN個の無線通信方式に対応することができる。例えば、各無線通信方式に専用のRF回路を備えるようにしてもよく、或いは、汎用的なRF回路を備えて各無線通信方式に対応させるパラメータを設定するようにしてもよい。
【0029】
AD/DA変換部3は、RF部2(アナログ信号処理部)とベースバンド信号処理部4(デジタル信号処理部)の間で、アナログ信号とデジタル信号の相互変換を行う。AD/DA変換部3は、無線端末1が使用可能なN個の無線通信方式に対応する各AD/DA変換回路を有する。
【0030】
ベースバンド信号処理部4は、ベースバンド信号を処理する部分であって、M個のアンテナRX1〜RXMとM個の観測用アンテナQ1〜QMの合計2M個のベースバンド信号をそれぞれ処理するベースバンド信号処理回路を有する。該ベースバンド信号処理回路は、無線端末1が使用可能な無線通信方式のベースバンド信号処理機能を実現するソフトウェアを実行することによって、該無線通信方式のベースバンド信号処理機能を実現する。
【0031】
ソフトウェア記憶部5は、無線端末1が使用可能なN個の無線通信方式に対応するソフトウェアを格納している。ソフトウェア記憶部5に格納される各ソフトウェアは、ベースバンド信号処理部4で実行されることによって、各無線通信方式のベースバンド信号処理機能を実現する。
【0032】
無線環境監視部6は、M個の観測用アンテナQ1〜QMで各々受信されたRF信号及び各RF信号のベースバンド信号処理後のベースバンド信号を用いて、観測用アンテナQ1〜QMごとに、無線端末1に係る無線環境を表す無線環境データを測定する。各観測用アンテナQ1〜QMに係る無線環境データは、各々対応するアンテナRX1〜RXMにおける無線環境を表すものである。又、無線環境監視部6は、GPS(Global Positioning System)を有し、無線端末1の位置を表す端末位置データを取得する。
【0033】
無線通信制御部7は、無線環境監視部6の測定データを用いて、無線端末1で使用する無線通信方式を選択する。このとき無線通信制御部7は、無線通信方式が使用可能な伝送方法(SISO伝送又はMIMO伝送)に応じて、使用するアンテナを選択する。無線通信制御部7は、選択結果の無線通信方式に対応するソフトウェアをソフトウェア記憶部5からベースバンド信号処理部4へ供給すると共に、RF部2及びAD/DA変換部3に対して無線通信方式の切替を指示する。又、無線通信制御部7は、選択結果のアンテナを各部2、3、4へ指示する。これにより、選択結果の無線通信方式によって、M個のアンテナRX1〜RXMの中で選択結果のアンテナのみの信号の処理が実行される。
【0034】
なお、M個の観測用アンテナQ1〜QMの受信信号の処理については、適宜、観測対象の無線通信方式に切り替える。
【0035】
図2は、図1に示す無線通信制御部7の構成を示すブロック図である。図2において、無線通信制御部7は、候補方式選択部21と方式内候補選択部22とアプリケーション要求取得部23と端末状況取得部24と無線品質パラメータ取得部25と無線性能予測部26と優先度計算部27と優先度記憶部28とリフレッシュサイクル制御部29と方式切替制御部30を有する。
【0036】
候補方式選択部21は、無線端末1が使用可能なN個の無線通信方式の中から、無線端末1の状況に応じて使用する候補を選択する。方式内候補選択部22は、無線通信方式ごとに、M個のアンテナRX1〜RXMの中から、無線端末1の状況に応じて使用するアンテナの候補を選択する。
【0037】
アプリケーション要求取得部23は、通信を伴うアプリケーション(通信アプリケーション)が要求するQoS(Quality of Service:サービス品質)の情報を取得する。ここで、通信アプリケーションが要求するQoS(要求QoS)は、通信アプリケーションに必要な通信性能(スループット、遅延時間、ジッタ、ビット誤り率等)に基づいて規定され、通信アプリケーション毎に事前に定義される。端末状況取得部24は、無線端末1の電源の残余電力の情報及び各無線通信方式のサービス加入状況や利用料金等の情報を取得する。
【0038】
無線品質パラメータ取得部25は、各無線通信方式の無線品質を表す無線品質パラメータを取得する。無線性能予測部26は、各無線通信方式の無線性能を予測する。
【0039】
優先度計算部27は、各無線通信方式の優先度を計算する。優先度記憶部28は、優先度計算部27で計算された各優先度を格納する。
【0040】
リフレッシュサイクル制御部29は、候補方式選択部21及び方式内候補選択部22の動作を初期化する周期(リフレッシュサイクル)を制御する。方式切替制御部30は、優先度記憶部28内の優先度に従って、無線端末1で使用する無線通信方式及びアンテナを選択し、ソフトウェアの切替等の無線通信方式切替処理を行う。
【0041】
次に、図3を参照して、図2に示す無線通信制御部7の動作を説明する。図3は、本実施形態に係る無線通信方式選択方法の手順を説明するための図である。
【0042】
図3において、ステップS1では、事前方式削減処理を行う。この事前方式削減処理において、候補方式選択部21は、例えば地理的条件に基づいて、無線端末1が使用可能な全て(本実施形態ではN個)の無線通信方式の中から、無線端末1が使用する無線通信方式の候補を選択する。まず、候補方式選択部21は、無線環境監視部6から端末位置データを受け取る。そして、候補方式選択部21は、無線端末1が使用可能なN個の無線通信方式の各基地局の配置を表す基地局配置データと端末位置データを照合して、無線端末1が接続可能な基地局の無線通信方式を調べる。候補方式選択部21は、その調査の結果、無線端末1が接続可能な基地局がない無線通信方式を候補から除外する。つまり、無線端末1が接続可能な基地局がない無線通信方式を選択対象から除外した残りのみを無線通信方式候補として選択する。このステップS1の事前方式削減処理の結果、無線端末1が接続可能な基地局がある無線通信方式のみが、無線通信方式候補として残る。図3の例では、n個(但し、n≦N)の無線通信方式(ここでは、第1方式から第n方式までとする)が無線通信方式候補として残っている。
【0043】
次いで、ステップS2では、方式削減処理を行う。この方式削減処理において、候補方式選択部21は、ステップS1の事前方式削減処理の結果として残った無線通信方式候補(第1方式から第n方式まで)の中から、さらに無線通信方式候補を選択する。まず、候補方式選択部21は、無線品質パラメータ取得部25に対し、ステップS1の事前方式削減処理の結果として残った無線通信方式候補(第1方式から第n方式まで)を対象として、無線品質パラメータの取得を指示する。無線品質パラメータ取得部25は、候補方式選択部21からの指示に従って、各無線通信方式候補に係る無線環境データを無線環境監視部6から取得する。この無線環境データは、無線通信方式候補ごとに、M個のアンテナRX1〜RXMに各々対応するものである。無線環境データとしては、ベースバンドの受信信号から得られるチャネル応答、受信電力などである。無線品質パラメータ取得部25は、無線通信方式候補ごとに、無線環境データを用いて無線品質パラメータを算出する。無線品質パラメータ算出処理では、必要に応じた統計処理を行う。無線品質パラメータとしては、M個のアンテナRX1〜RXMごとのCINR(Carrier to Interference and Noise power Ratio:;搬送波対干渉波及び雑音電力比)の平均値、アンテナ間の相関値、無線端末1の移動の度合いを示す移動度などである。
【0044】
候補方式選択部21は、無線品質パラメータ取得部25から、各無線通信方式候補に係る無線品質パラメータを受け取る。又、候補方式選択部21は、アプリケーション要求取得部23から、要求QoSの情報を取得する。候補方式選択部21は、各無線通信方式候補に係る無線品質パラメータ及び要求QoSに基づいて、要求QoSを満たさない無線通信方式を候補から除外する。つまり、要求QoSを満たさない無線通信方式を選択対象から除外した残りのみを無線通信方式候補として選択する。
【0045】
例えば、アンテナRX1〜RXMごとのCINR平均値の全てが要求QoSに基づいた許容範囲を逸脱する無線通信方式は、無線通信方式候補から除外する。つまり、アンテナRX1〜RXMごとのCINR平均値の全てが要求QoSに基づいた許容範囲を逸脱する無線通信方式を選択対象から除外した残りのみを無線通信方式候補として選択する。これにより、この段階で、要求QoSを満足することができない無線通信方式が無線通信方式候補から除外され、要求QoSを満足する無線通信方式のみが無線通信方式候補として残る。又は、無線端末1の移動度では要求QoSを満足することができない無線通信方式は、無線通信方式候補から除外する。つまり、無線端末1の移動度では要求QoSを満足することができない無線通信方式を選択対象から除外した残りのみを無線通信方式候補として選択する。これにより、高速移動中の無線端末1においては、この段階で、高速移動に対応していない無線通信方式が無線通信方式候補から除外され、高速移動に対応している無線通信方式のみが無線通信方式候補として残る。
【0046】
このステップS2の方式削減処理の結果、無線端末1が接続可能な基地局がある無線通信方式であって、要求QoSを満たすことのできる無線通信方式のみが、無線通信方式候補として残る。候補方式選択部21は、方式内候補選択部22に対して、方式削減処理の結果として残った無線通信方式候補を通知する。
【0047】
次いで、ステップS3では、第1の方式内アンテナ候補削減処理を行う。この第1の方式内アンテナ候補削減処理において、方式内候補選択部22は、ステップS2の方式削減処理の結果として残った無線通信方式候補を対象にして、無線通信方式候補ごとに、M個のアンテナRX1〜RXMの中からアンテナ候補及びアンテナ組合せ候補を選択する。このとき、SISO伝送が可能な無線通信方式に対してSISO用のアンテナ候補を選択すると共に、MIMO伝送が可能な無線通信方式に対してMIMO用のアンテナ組合せ候補を選択する。さらに、自無線端末1のM個のアンテナRX1〜RXMと、通信相手のアンテナとの組合せも含めて選択する。
従って、SISO用のアンテナ候補を選択する場合、自無線端末1のM個のアンテナRX1〜RXMの一つ一つに対して、SISO伝送が可能な各無線通信方式の通信相手のアンテナの一つ一つとの組合せの全てが、SISO伝送用のアンテナ候補の選択対象となる。方式内候補選択部22は、自無線端末1のM個のアンテナRX1〜RXMの一つ一つに対して、SISO伝送が可能な各無線通信方式の通信相手のアンテナの一つ一つとの組合せの全てを選択対象として、SISO伝送用のアンテナ候補を選択する。この結果、SISO伝送用の一アンテナ候補として、自無線端末1の一アンテナとSISO伝送が可能な無線通信方式の通信相手の一アンテナとの組が選択される。
又、MIMO用のアンテナ組合せ候補を選択する場合、自無線端末1のM個のアンテナRX1〜RXMの中から複数個を取り出す組合せの一つ一つに対して、MIMO伝送が可能な各無線通信方式の通信相手の複数のアンテナの中から複数個を取り出す組合せの一つ一つとの組合せの全てが、MIMO伝送用のアンテナ組合せ候補の選択対象となる。方式内候補選択部22は、自無線端末1のM個のアンテナRX1〜RXMの中から複数個を取り出す組合せの一つ一つに対して、MIMO伝送が可能な各無線通信方式の通信相手の複数のアンテナの中から複数個を取り出す組合せの一つ一つとの組合せの全てを選択対象として、MIMO伝送用のアンテナ組合せ候補を選択する。この結果、MIMO伝送用の一アンテナ組合せ候補として、自無線端末1の一アンテナ組合せとMIMO伝送が可能な無線通信方式の通信相手の一アンテナ組合せとの組が選択される。
【0048】
まず、方式内候補選択部22は、無線品質パラメータ取得部25から、ステップS2の方式削減処理の結果として残った無線通信方式候補を対象として、無線品質パラメータを取得する。この取得対象の無線品質パラメータは、アンテナごとの特性又はアンテナ間の特性を表すものであり、例えば、アンテナごとのCINR平均値、アンテナごとのチャネル変動量、アンテナ間相関などである。又、方式内候補選択部22は、端末状況取得部24から、無線端末1の電源の残余電力の情報を取得する。又、方式内候補選択部22は、アプリケーション要求取得部23から要求QoSの情報を取得する。
【0049】
方式内候補選択部22は、一無線通信方式候補に係る無線品質パラメータ及び要求QoSに基づいて、要求QoSを満たさないアンテナ及びアンテナ組合せを当該無線通信方式候補のアンテナに係る候補から除外する。つまり、要求QoSを満たさないアンテナ及びアンテナ組合せを選択対象から除外した残りのみを当該無線通信方式候補のアンテナに係る候補として選択する。例えば、アンテナごとのCINR平均値に大きな差がある場合には、CINR平均値が基準値に満たないアンテナを含むアンテナ組合せを除外する。つまり、CINR平均値が基準値に満たないアンテナを含むアンテナ組合せを除外した残りのアンテナ組合せのみをアンテナ組合せ候補とする。そして、m本のアンテナから成るアンテナ組合せ候補には、CINR平均値の上位m番目までのアンテナなら成るアンテナ組合せのみを選択する。これにより、最も性能のよいアンテナ組合せのみを残し、優先度計算の効率化を図る。
【0050】
また、方式内候補選択部22は、一無線通信方式候補に係る無線品質パラメータ、残余電力及び要求QoSに基づいて、削除基準に合致するアンテナ及びアンテナ組合せを当該無線通信方式候補のアンテナに係る候補から除外する。つまり、削除基準に合致するアンテナ及びアンテナ組合せを選択対象から除外した残りのみを当該無線通信方式候補のアンテナに係る候補として選択する。例えば、要求QoSが即時性を要求しない場合において、受信状態が良好かつ残余電力が基準値に満たないときは、全アンテナを含むアンテナ組合せを除外する。つまり、全アンテナを含むアンテナ組合せを除外した残りのアンテナ組合せのみをアンテナ組合せ候補とする。
【0051】
次いで、ステップS4では、第2の方式内アンテナ候補削減処理を行う。この第2の方式内アンテナ候補削減処理において、方式内候補選択部22は、一無線通信方式候補に係るステップS3の第1の方式内アンテナ候補削減処理の結果として残ったアンテナ候補及びアンテナ組合せ候補の中から、さらに候補の選択を行う。まず、方式内候補選択部22は、無線性能予測部26に対し、無線通信方式候補ごとに、ステップS3の第1の方式内アンテナ候補削減処理の結果として残ったアンテナ候補及びアンテナ組合せ候補を対象にして、無線通信方式の無線性能の予測を指示する。
【0052】
無線性能予測部26は、無線品質パラメータ取得部25から、予測対象の無線通信方式に係るアンテナごとの特性又はアンテナ間の特性を表す無線品質パラメータを取得し、該無線品質パラメータに基づいて当該無線通信方式の性能を予測する。この性能予測値としては、例えば、スループット、消費電力量などである。
【0053】
方式内候補選択部22は、無線性能予測部26から、各無線通信方式候補に係るアンテナ候補ごとの性能予測値及びアンテナ組合せ候補ごとの性能予測値を受け取る。方式内候補選択部22は、一無線通信方式候補に係るアンテナ候補及びアンテナ組合せ候補の各性能予測値を比較し、性能差が基準値以上あって極端に低性能となるアンテナ及びアンテナ組合せを候補から除外する。つまり、性能差が基準値以上あって極端に低性能となるアンテナ及びアンテナ組合せを選択対象から除外した残りのみを当該無線通信方式候補のアンテナに係る候補として選択する。例えば、スループット予測値の比較の結果、極端に低いスループット予測値のアンテナ及びアンテナ組合せは除外する。つまり、極端に低いスループット予測値のアンテナ及びアンテナ組合せを除外した残りのアンテナのみ及びアンテナ組合せのみをアンテナ組合せ候補とする。又は、消費電力量予測値の比較の結果、消費電力量予測値が極端に大きく、無線端末1のバッテリ残量に見合わないアンテナ及びアンテナ組合せは除外する。つまり、消費電力量予測値が極端に大きく、無線端末1のバッテリ残量に見合わないアンテナ及びアンテナ組合せを除外した残りのアンテナのみ及びアンテナ組合せのみをアンテナ組合せ候補とする。
【0054】
図3の例では、第1方式に対して、ステップS3の第1の方式内アンテナ候補削減処理の結果、SISO伝送用のアンテナRX2が候補から除外され、残りのアンテナのみがSISO伝送用のアンテナ候補として残っている。さらに、第1方式に対して、ステップS4の第2の方式内アンテナ候補削減処理の結果、MIMO伝送用の全アンテナRX1〜RXMを含むアンテナ組合せが候補から除外され、残りのアンテナ組合せのみがアンテナ組合せ候補として残っている。又、第N方式に対して、ステップS3の第1の方式内アンテナ候補削減処理の結果、SISO伝送用のアンテナRX1が候補から除外され、、残りのアンテナのみがSISO伝送用のアンテナ候補として残っている。なお、第N方式に対しては、ステップS4の第2の方式内アンテナ候補削減処理の結果、さらなるアンテナ及びアンテナ組合せの除外はなかった。
【0055】
優先度計算部27は、上記ステップS1〜S4の処理の結果として残った各無線通信方式候補のアンテナ候補ごと及びアンテナ組合せ候補ごとに、優先度を計算する。この優先度計算では、スループット及び消費電力量などの予測値、無線端末1の電源の残余電力、並びに、各無線通信方式の利用料金に基づいて、総合的な優先度を計算する。優先度計算部27は、その計算結果の優先度を優先度記憶部28に格納する。
【0056】
方式切替制御部30は、優先度記憶部28内の優先度に従って、無線通信方式とSISO用のアンテナ又はMIMO用のアンテナ組合せを選択する。そして、方式切替制御部30は、その選択結果に従って、ソフトウェアの切替及び使用するアンテナの指定等の無線通信方式切替処理を行う。
【0057】
次に、リフレッシュサイクル制御部29の動作を説明する。リフレッシュサイクル制御部29は、候補方式選択部21及び方式内候補選択部22の動作を初期化する周期(リフレッシュサイクル)を制御する。候補方式選択部21及び方式内候補選択部22の動作を初期化することで、上記各ステップS1〜S4で無線端末1の使用可能な候補から除外されたもの(無線通信方式、アンテナ及びアンテナ組合せ)が、使用可能な候補として復活する。これにより、無線端末1に係る状況の変化に適応させることが可能となる。
【0058】
リフレッシュサイクル制御部29は、以下の規則(1)〜(3)に従ってリフレッシュサイクルを変化させる。なお、リフレッシュサイクルの初期値は、予め設定しておく。
【0059】
(1)無線端末1の電源の残余電力が下限基準値以下となって残り少なくなった場合、リフレッシュサイクルを初期値から所定量だけ延長する。これにより、候補方式選択部21及び方式内候補選択部22の動作の初期化の頻度を減らして、候補復活による処理量の増加によって消費電力量が増大することを防ぐ。なお、充電等によって残余電力が下限基準値を上回った場合には、リフレッシュサイクルを初期値に戻す。
【0060】
(2)無線端末1の移動度が上限基準値以上となった場合、リフレッシュサイクルを初期値から所定量だけ短縮する。これにより、無線端末1の高速移動による無線環境の大きな変化に対して無線通信方式及びアンテナの切替が追従できるように、無線端末1の使用可能な候補(無線通信方式、アンテナ及びアンテナ組合せ)を充実させる。なお、無線端末1の移動度が上限基準値を下回った場合には、リフレッシュサイクルを初期値に戻す。
【0061】
(3)無線端末1の移動度が下限基準値以下となった場合、リフレッシュサイクルを初期値から所定量だけ延長する。無線端末1の低速移動期間では無線環境があまり変化しないと想定されるので、候補方式選択部21及び方式内候補選択部22の動作の初期化の頻度を減らしても特に問題ないと考えられる。これにより、候補方式選択部21及び方式内候補選択部22の動作の初期化の頻度を減らして、候補復活による処理量の増加によって消費電力量が増大することを防ぐ。なお、無線端末1の移動度が下限基準値を上回った場合には、リフレッシュサイクルを初期値に戻す。
【0062】
上述した実施形態によれば、無線通信方式、アンテナ及びアンテナ組合せの各候補を削減することにより、無線通信方式の優先順位付けのための処理量を削減することができるという効果が得られる。
【0063】
マルチアンテナ技術を用いる受信ダイバーシティ及びMIMO伝送などでは、受信アンテナ数、アンテナ間の相関および端末の移動速度等によってスループット及び消費電力などが大きく変化する。このため、マルチモード端末において、無線チャネルの状態、端末の残余電力およびユーザアプリケーションに最適な無線通信方式を正確に選択するためには、無線通信方式自体の選択に加えてアンテナの選択も重要となる。例えば、CINRが良好な状態かつ端末の電源の残余電力が少ない場合は、MIMO伝送を行うよりも、最も受信状態が良好なアンテナを用いたSISO伝送を行うほうがバッテリ残存時間を延長できる。本実施形態では、無線通信方式ごとに、適切なアンテナを候補に選択して候補の絞り込みを行うことにより、無線性能を落とすことなく、無線通信方式の優先順位付けの処理量を削減することが可能となる。
【0064】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、リフレッシュサイクルの制御は、上記ステップS1〜S4ごとに、独立に行うようにしてもよい。例えば、ステップS1では、地理的条件に基づいた方式削除を行うので、それほど頻繁に無線通信方式候補の初期化を行う必要はないと考えられる。一方、ステップS2では、要求QoSに基づいた方式削除を行うので、無線環境の少しの変化によって無線通信方式候補が変わることがあり得ることから、ステップS1よりも無線通信方式候補の初期化頻度を多くすることが望ましい。候補方式選択部21及び方式内候補選択部22は、ステップS1〜S4ごとに削減した候補の情報を記録し、初期化対象ステップの候補削減記録に基づいて候補を復活させる。
【0065】
なお、上記ステップS1〜S4において、候補削減基準は、候補削減によって得られる処理量の削減量と、候補削減によって狭まる選択の自由度とのトレードオフを勘案して決定することが望ましい。
【符号の説明】
【0066】
1…無線端末、2…RF部、3…AD/DA変換部、4…ベースバンド信号処理部、5…ソフトウェア記憶部、6…無線環境監視部、7…無線通信制御部、21…候補方式選択部、22…方式内候補選択部、23…アプリケーション要求取得部、24…端末状況取得部、25…無線品質パラメータ取得部、26…無線性能予測部、27…優先度計算部、28…優先度記憶部、29…リフレッシュサイクル制御部、30…方式切替制御部、RX1〜RXM…アンテナ、Q1〜QM…観測用アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアンテナの切替及び複数の無線通信方式の切替が可能な無線端末において前記切替を制御する無線通信制御装置であり、
無線通信方式ごとに、前記無線端末の状況に応じて、前記無線端末の複数のアンテナと前記無線端末の通信相手のアンテナとの組合せの中からアンテナに係る候補を選択する方式内候補選択手段と、
各無線通信方式の優先度を、前記選択されたアンテナに係る候補のみを対象にして計算する優先度計算手段と、
を備えたことを特徴とする無線通信制御装置。
【請求項2】
前記方式内候補選択手段は、
前記無線端末の複数のアンテナの一つ一つに対して、SISO伝送が可能な各無線通信方式の通信相手のアンテナの一つ一つとの組合せの全てを選択対象として、SISO伝送用のアンテナ候補を選択し、
前記無線端末の複数のアンテナの中から複数個を取り出す組合せの一つ一つに対して、MIMO伝送が可能な各無線通信方式の通信相手の複数のアンテナの中から複数個を取り出す組合せの一つ一つとの組合せの全てを選択対象として、MIMO伝送用のアンテナ組合せ候補を選択する、
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信制御装置。
【請求項3】
前記方式内候補選択手段は、アンテナごとの特性又はアンテナ間の特性を表す無線品質パラメータ及び通信アプリケーションの要求QoSに基づいて、要求QoSを満たさないものを前記選択対象から除外した残りのみを前記候補として選択することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の無線通信制御装置。
【請求項4】
前記方式内候補選択手段は、アンテナごとの特性又はアンテナ間の特性を表す無線品質パラメータ、前記無線端末の電源の残余電力及び通信アプリケーションの要求QoSに基づいて、候補削減基準に合致するものを前記選択対象から除外した残りのみを前記候補として選択することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の無線通信制御装置。
【請求項5】
前記方式内候補選択手段は、要求QoSが即時性を要求しない場合において、受信状態が良好かつ残余電力が基準値に満たないときは、全アンテナを含むアンテナ組合せを前記選択対象から除外した残りのみを前記候補として選択することを特徴とする請求項4に記載の無線通信制御装置。
【請求項6】
予測対象の無線通信方式に係るアンテナごとの特性又はアンテナ間の特性を表す無線品質パラメータに基づいて当該無線通信方式の性能を予測する無線性能予測手段を備え、
前記方式内候補選択手段は、前記性能予測値に基づいて、候補削減基準に合致するものを前記選択対象から除外した残りのみを前記候補として選択することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の無線通信制御装置。
【請求項7】
前記方式内候補選択手段は、一無線通信方式候補について、アンテナに係る候補の各性能予測値を比較し、性能差が基準値以上あって極端に低性能となるものを前記選択対象から除外した残りのみを前記候補として選択することを特徴とする請求項6に記載の無線通信制御装置。
【請求項8】
前記無線端末の状況に応じて前記複数の無線通信方式の中から無線通信方式候補を選択する候補方式選択手段を備え、
前記優先度計算手段は、前記選択された無線通信方式候補のみを優先度計算対象とする、
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の無線通信制御装置。
【請求項9】
前記候補方式選択手段は、地理的条件に基づいて候補を選択することを特徴とする請求項8に記載の無線通信制御装置。
【請求項10】
前記候補方式選択手段は、各無線通信方式に係る無線品質パラメータ及び通信アプリケーションの要求QoSに基づいて、要求QoSを満たさないものを前記選択対象から除外した残りのみを前記候補として選択することを特徴とする請求項8に記載の無線通信制御装置。
【請求項11】
前記選択対象から除外されたものを候補として復活させる周期(リフレッシュサイクル)を制御するリフレッシュサイクル制御手段を備えたことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の無線通信制御装置。
【請求項12】
前記リフレッシュサイクル制御手段は、前記無線端末の電源の残余電力が下限基準値以下となって残り少なくなった場合にリフレッシュサイクルを初期値から所定量だけ延長し、残余電力が下限基準値を上回った場合にはリフレッシュサイクルを初期値に戻す、
ことを特徴とする請求項11に記載の無線通信制御装置。
【請求項13】
前記リフレッシュサイクル制御手段は、前記無線端末の移動度が上限基準値以上となった場合にリフレッシュサイクルを初期値から所定量だけ短縮し、移動度が上限基準値を下回った場合にはリフレッシュサイクルを初期値に戻す、
ことを特徴とする請求項11に記載の無線通信制御装置。
【請求項14】
前記リフレッシュサイクル制御手段は、前記無線端末の移動度が下限基準値以下となった場合にリフレッシュサイクルを初期値から所定量だけ延長し、移動度が下限基準値を上回った場合にはリフレッシュサイクルを初期値に戻す、
ことを特徴とする請求項11に記載の無線通信制御装置。
【請求項15】
前記候補方式選択手段及び前記方式内候補選択手段は、候補削減の段階ごとに、削減した候補の情報を記録する記録手段を有し、
前記リフレッシュサイクル制御手段は、候補削減の段階ごとに、リフレッシュサイクルを制御する、
ことを特徴とする請求項11から14のいずれか1項に記載の無線通信制御装置。
【請求項16】
複数のアンテナの切替及び複数の無線通信方式の切替が可能な無線端末における無線通信方式選択方法であって、
無線通信方式ごとに、前記無線端末の状況に応じて、前記無線端末の複数のアンテナと前記無線端末の通信相手のアンテナとの組合せの中からアンテナに係る候補を選択するステップと、
各無線通信方式の優先度を、前記選択されたアンテナに係る候補のみを対象にして計算するステップと、
を含むことを特徴とする無線通信方式選択方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−9964(P2011−9964A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−150229(P2009−150229)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】