説明

無線通信端末装置

【課題】通信速度の異なる複数のデータ無線通信モジュールを1つの無線通信モジュールの出し入れ可能な装置で共用できるようにする。
【解決手段】UARTモジュール1a又はUSBモジュール1又はSDモジュール1cの1つが携帯ジャケット7に挿入されると、携帯ジャケット7に挿入されたUARTモジュール1a又はUSBモジュール1又はSDモジュール1cの1つからUARTインターフェースIC40aに設けられたバイパス通路を経由して上記挿入されたモジュール自身の種類を表す信号がCPU37に入力され、CPU37がインターフェース切換スイッチ44を切り替えて上記挿入されたモジュールをそれに対応するUARTインターフェースIC40a又はUSBインターフェースIC40b又はSDインターフェースIC40cの1つを経由してCPU37に接続させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信速度の異なる複数の無線通信モジュールを携帯ジャケットに差し換えて使用することができる無線通信端末装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図17乃至図19は、特許文献1で開示された無線通信端末装置を示す。図17において、音声信号をデジタル信号で処理する通信方式の無線通信モジュール(以下、デジタル無線通信モジュールと称する)1がスロット9から携帯ジャケット58に挿入されることによって、デジタル無線通信モジュール1のモジュール端子部3と携帯ジャケット58のジャケット端子部10とが接続された後、ユーザーが携帯ジャケット58のキーボード14を操作して無線による音声通信やデータ通信を行えるようになっている。携帯ジャケット58は、無線通信モジュール1の出し入れ可能な装置であって、デジタル無線通信モジュール1が携帯ジャケット58に挿入されることによって通信が可能になるものである。携帯ジャケット58は、取音孔11、放音孔12、電源13、キーボード14、ディスプレイ15、コーデック部17、マイク18、スピーカ19、電源スイッチ23を備える。
【0003】
図18において、デジタル無線通信モジュール1は、合成樹脂PCカードやSIMカードなどのカードタイプの容器に、モジュール端子部3、モジュール制御部4、アンテナ25、アンテナスイッチ26、送信部27、受信部28、変調部29、復調部30、TDMA符号化部31、TDMA復号化部32、ADPCMトランスコーダ33を備える。
【0004】
モジュール制御部4は、モジュール制御部4に内蔵されたCPU34が、フラッシュメモリ35に格納されたプログラムに従い、RAM36を使用しながらネットワークを利用する通信ルールであるプロトコルに則って動作することによって、送受信処理、アンテナ切換処理、ルーティング処理などを実行し、アンテナスイッチ26、TDMA符号化部31、TDMA復号化部32を制御する。フラッシュメモリ35には、モジュール製造番号などの固有情報や電話帳などが記録されている。
【0005】
一方、携帯ジャケット58は、PHSや携帯電話などの容器に、ジャケット端子部10、電源13、キーボード14、ディスプレイ15、コーデック部17、マイク18、スピーカ19、電源スイッチ23、ジャケット制御部59を備える。
【0006】
ジャケット制御部59には、CPU37、ROM38、RAM39、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)40、GPIO41が設けられる。ジャケット制御部59は、CPU37がROM38に格納されたプログラムに従い、RAM39を使用しながらネットワークを利用する通信ルールであるプロトコルに則って動作することによって、電源投入処理や初期化処理などを実行する。
【0007】
図19において、ジャケット制御部59がデジタル無線通信モジュール1の挿入されたことをINSなる検出信号により検出し、GPIO41が携帯ジャケット58の電源スイッチSW1をオンに制御すると、ジャケット制御部59がデジタル無線通信モジュール1への電源の供給を開始する。
【0008】
その後、モジュール制御部4とジャケット制御部59とがTXD、RXD、RTS、CTS、DCD、RIなる各信号のやり取りでデータ交換、ユーザー認証、ディスプレイ表示などの処理を行い、データ交換やユーザー認証が正規に終了すると、データ通信と、音声信号をデジタル信号で処理する通信方式での音声通話が可能になる。
【0009】
以下、モジュール端子部3とジャケット端子部10との接続を具体的に説明すると、図19において、モジュール端子部3は、No.1乃至No.18で表示された18本の端子で構成される。ジャケット端子部10は、18本の信号線として表示された端子で構成される。デジタル無線通信モジュール1が携帯ジャケット58に挿入されることによって、モジュール端子部3を構成する18本の端子とジャケット端子部10を構成する18本の端子とが1本ずつ個別に接続される。
【0010】
モジュール端子部3のNo.1乃至No.7で表示された7本の端子に個別に対応するジャケット端子部10における7本の端子は、データ通信用として備えられたUART40の7つのポートに1本ずつ個別に接続される。モジュール端子部3のNo.8乃至No.11で表示された4本の端子に個別に対応するジャケット端子部10における4本の端子は、GPIO(General Purpose I/O)41の4つのポートに1本ずつ個別に接続される。
【0011】
モジュール端子部3のNo.12で表示された1本の端子に対応するジャケット端子部10における1本の端子は、インターフェースに使用されるデータ転送方式を示すインターフェース通知用信号(IF−SEL)として用いられる。
【0012】
モジュール端子部3のNo.13乃至No.16で表示された4本の端子に個別に対応するジャケット端子部10における4本の端子は、コーデック部17の4つのポートに1本ずつ個別に接続される。モジュール端子部3のNo.17で表示された1本の端子に対応するジャケット端子部10における1本の端子は、携帯ジャケット58の電源13に電源スイッチSW1を介して接続される。モジュール端子部3のNo.18で表示された1本の端子に対応するジャケット端子部10における1本の端子は、携帯ジャケット58のアースGNDに接続される。
【0013】
ところで、通信用インターフェース集積回路(以下、インターフェースICと称する)として、UART40の他に、UART40よりも通信速度の早いUSB(Universal Serial Bus)、USBよりも通信速度の早いSDカードなどに使用される規格に沿った伝送方式のSDを用いることも考えられるが、UART40、USB、SDのモジュール端子部3を構成する各端子に割り当てられた機能が個別に異なるため、UART用やUSB用或いはSD用の無線通信モジュールを同じ大きさで同じ形に構成しても、携帯ジャケット58を共用できないという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特許第4118294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
発明が解決しようとする問題点は、UART用やUSB用或いはSD用の無線通信モジュールを同じ大きさで同じ形に構成しても携帯ジャケットを共用できないという点である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る無線通信端末装置は、通信速度の異なる複数の無線通信モジュールの容器が共用の携帯ジャケットに挿入可能に構成され、携帯ジャケットには複数の無線通信モジュールに対応する複数の通信用インターフェース集積回路と携帯ジャケットに挿入された無線通信モジュールから出力される種類を表す信号によって当該無線通信モジュールの種類に対応するデータ通信用インターフェースを選択する制御手段とが設けられたことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る無線通信端末装置によれば、通信速度の異なる複数の無線通信モジュールを1つの携帯ジャケットに差し換えて使用することができるので、通信速度の異なる複数の無線通信モジュールに対し1つの携帯ジャケットを共用することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施の形態に係る無線通信モジュールとしてのUARTモジュールとUSBモジュールとSDモジュールとで携帯ジャケットを共用する無線通信端末装置を示す模式図。
【図2】実施の形態に係る無線通信端末装置の主要部の構成を示す模式図。
【図3】実施の形態に係るUARTモジュールを携帯ジャケットに挿入した場合を示す模式図。
【図4】実施の形態に係るUSBモジュールを携帯ジャケットに挿入した場合を示す模式図。
【図5】実施の形態に係るSDモジュールを携帯ジャケットに挿入した場合を示す模式図。
【図6】実施の形態に係るUARTモジュールの主要部の構成を示す模式図。
【図7】実施の形態に係るUSBモジュールの主要部の構成を示す模式図。
【図8】実施の形態に係るSDモジュールの主要部の構成を示す模式図。
【図9】実施の形態に係るデジタル無線通信モジュールと携帯ジャケットとからなる無線通信端末装置を示すブロック構成図。
【図10】実施の形態に係るデジタルUART無線通信モジュールを携帯ジャケットに挿入した態様を特定して示す回路構成図。
【図11】実施の形態に係るデジタルUSB無線通信モジュールを携帯ジャケットに挿入した態様を特定して示す回路構成図。
【図12】実施の形態に係るデジタルSD無線通信モジュールを携帯ジャケットに挿入した態様を特定して示す回路構成図。
【図13】実施の形態に係るアナログ無線通信モジュールと携帯ジャケットとからなる無線通信端末装置を示すブロック構成図。
【図14】実施の形態に係るアナログUART無線通信モジュールを携帯ジャケットに挿入した態様を特定して示す回路構成図。
【図15】実施の形態に係るアナログUSB無線通信モジュールう携帯ジャケットに挿入した態様を特定して示す回路構成図。
【図16】実施の形態に係るアナログSD無線通信モジュールを携帯ジャケットに挿入した態様を特定して示す回路構成図。
【図17】従来のデジタル無線通信モジュールと携帯ジャケットとからなる無線通信端末装置を示す斜視図。
【図18】従来のデジタル無線通信モジュールと携帯ジャケットとからなる無線通信端末装置を示すブロック構成図。
【図19】従来のデジタル無線通信モジュールと携帯ジャケットとからなる無線通信端末装置を示す回路構成図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1を参照し、UARTモジュール1aとUSBモジュール1bとSDモジュール1cとで携帯ジャケット7を共用する無線通信端末装置について説明する。携帯ジャケット7は、無線通信モジュール1の出し入れ可能な装置であって、UARTモジュール1aとUSBモジュール1bとSDモジュール1cが携帯ジャケット7に挿入されることによって通信が可能になるものである。つまり、本発明において、携帯ジャケットとは、無線通信モジュールの出し入れ可能な装置であり、無線通信モジュールを挿入することで無線通信モジュールの出し入れが可能な装置と無線通信モジュールとで信号のやり取りを行い、音声やデータなどの無線通信が可能な無線通信端末装置となるものである。UARTモジュール1aとUSBモジュール1bとSDモジュール1cとは、通信速度の異なる複数のデジタル通信用インターフェース集積回路を構成するものであって、同じ大きさで同じ形のカードタイプの容器を有する。UARTモジュール1aの容器には、モジュール端子部3やモジュール制御部4aを備える。USBモジュール1bの容器には、モジュール端子部3やモジュール制御部4bを備える。SDモジュール1cの容器には、モジュール端子部3やモジュール制御部4cを備える。モジュール端子部3は、18本の端子から構成される。
【0020】
携帯ジャケット7は、PHSや携帯電話などの容器に、スロットカバー8、スロット9、ジャケット端子部10、取音孔11、放音孔12、電源13、キーボード14、ディスプレイ15、ジャケット制御部16、図9に示すコーデック部17、マイク18、スピーカ19、図9に示す経路スイッチ20、図9に示す増幅部21、図9に示すUSIM22を備える。図1に戻り、取音孔11は、携帯ジャケット7の外部からの音声をマイク18に拾わせる孔である。放音孔12は、スピーカ19からの音声を携帯ジャケット7の外部に出す孔である。
【0021】
ジャケット制御部16には、CPU37、ROM38、RAM39、複数の無線通信モジュールに対応する複数の通信用インターフェース集積回路としてのUARTインターフェースIC40aやUSBインターフェースIC40b及びSDインターフェースIC40c、GPIO41、インターフェース切換スイッチ44が設けられる。CPU37とインターフェース切換スイッチ44とが、携帯ジャケットに挿入された無線通信モジュールから出力される種類を表す信号によって当該無線通信モジュールの種類に対応するデータ通信用インターフェースを選択する制御手段を構成する。なお、本実施の形態においては、インターフェース切換スイッチ44は、UARTモジュール1a又はUSBモジュール1b又はSDモジュール1cが携帯ジャケット7に挿入されていない場合、CPU37とUARTインターフェースIC40aとを接続する態様になっている。
【0022】
そして、キーボード14の電源スイッチ23がユーザーによりオン操作された状態でUARTモジュール1a又はUSBモジュール1b又はSDモジュール1cがスロット9から携帯ジャケット7に挿入されスロットカバー8が閉じられて、モジュール端子部3とジャケット端子部10とが互いに接続されるか、あるいは、UARTモジュール1a、USBモジュール1b又はSDモジュール1cがスロット9から携帯ジャケット7に挿入されスロットカバー8が閉じられて、モジュール端子部3とジャケット端子部10とが互いに接続された状態で電源スイッチ23がユーザーによりオン操作される。
【0023】
それに伴い、電力が電源13からジャケット制御部16とモジュール制御部4a;4b又は4cとの双方に供給され、モジュール制御部4a;4b又は4cとジャケット制御部16との双方が電気的に起動するとともに、携帯ジャケット7に挿入されたUARTモジュール1a又はUSBモジュール1b又はSDモジュール1cのうちの1つが自分の種類を表す信号を携帯ジャケット7に出力する。これによって、ジャケット制御部16が上記携帯ジャケット7に挿入されたUARTモジュール1a又はUSBモジュール1b又はSDモジュール1cのうちの1つに対応する通信用インターフェース集積回路としてのUARTインターフェースIC40a又はUSBインターフェースIC40b又はSDインターフェースIC40cの1つを選択した後、電気的な起動を完了したジャケット制御部16がデータ通信用インターフェースの切換処理と、音声通信用のデジタル経路とアナログ経路の経路切換処理を行う。
【0024】
図2を参照し、CPU37とインターフェース切換スイッチ44とが携帯ジャケット7に挿入された無線通信モジュール1a乃至1c出力される種類を表す信号によって当該無線通信モジュール1a乃至1cの種類に対応するデータ通信用インターフェースを選択する場合について具体的に説明する。UARTモジュール1a又はUSBモジュール1b又はSDモジュール1cの1つが携帯ジャケット7に挿入されると、当該携帯ジャケット7に挿入されたUARTモジュール1a又はUSBモジュール1b又はSDモジュール1cの1つが携帯ジャケット7から供給された電力によって自分の種類を表す信号を携帯ジャケット7に出力する。例えば、UARTモジュール1aが携帯ジャケット7に挿入された場合、UARTモジュール1aは自分の種類を表す信号として2つの高電位の信号からなる「1」、「1」を携帯ジャケット7に出力する。USBモジュール1bが携帯ジャケット7に挿入された場合、USBモジュール1bは自分の種類を表す信号として1つの高電位の信号と1つの低電位の信号とからなる「1」、「0」を携帯ジャケット7に出力する。SDモジュール1cが携帯ジャケット7に挿入された場合、SDモジュール1cは自分の種類を表す信号として2つの低電位の信号からなる「0」、「0」を携帯ジャケット7に出力する。
【0025】
上記携帯ジャケット7に挿入されたUARTモジュール1a又はUSBモジュール1b又はSDモジュール1cの1つから携帯ジャケット7に出力された自分の種類を表す信号は、例えば、UARTインターフェースIC40aの内部に形成されたバイパス通路からインターフェース切換スイッチ44を経由してCPU37に入力される。これによって、CPU37はモジュールリセット完了前に上記携帯ジャケット7に挿入されたUARTモジュール1a又はUSBモジュール1b又はSDモジュール1cの1つがどれであるかを判断し、CPU37がインターフェース切換スイッチ44を上記携帯ジャケット7に挿入されたUARTモジュール1a又はUSBモジュール1b又はSDモジュール1cのうちの1つに対応する通信用インターフェース集積回路としてのUARTインターフェースIC40a又はUSBインターフェースIC40b又はSDインターフェースIC40cの1つを選択するように動作させる。
【0026】
図3を参照し、UARTモジュール1aが携帯ジャケット7に挿入された場合について説明する。上述のように、インターフェース切換スイッチ44は、無線通信モジュール1a〜1cが携帯ジャケットに挿入されていない場合、CPU37とUARTインターフェースIC40aを接続している。UARTモジュール1aが携帯ジャケット7に挿入されて、UARTモジュール1aから「1」と「1」とからなる信号がUARTインターフェースIC40aのバイパス通路及びインターフェース切換スイッチ44を経由してCPU37に入力さることによって、CPU37が携帯ジャケット7に挿入されたものがUARTモジュール1aであると判断してインターフェース切換スイッチ44をそのままの状態に維持する。
【0027】
図4を参照し、USBモジュール1bが携帯ジャケット7に挿入された場合について説明する。USBモジュール1bが携帯ジャケット7に挿入される前の段階は、インターフェース切換スイッチ44の可動接点が図示は省略するがUARTモジュール1aとCPU37とを接続している。そして、USBモジュール1bが携帯ジャケット7に挿入されて、USBモジュール1bから「1」と「0」とからなる信号がUARTインターフェースIC40aのバイパス通路及びインターフェース切換スイッチ44を経由してCPU37に入力さることによって、CPU37が携帯ジャケット7に挿入されたものがUSBモジュール1bであると判断してインターフェース切換スイッチ44をUSBモジュール1bとCPU37とを接続するように動作させる。
【0028】
図5を参照し、SDモジュール1cが携帯ジャケット7に挿入された場合について説明する。SDモジュール1cが携帯ジャケット7に挿入される前の段階は、インターフェース切換スイッチ44の可動接点が図示は省略するがUARTモジュール1aとCPU37とを接続している。そして、SDモジュール1cが携帯ジャケット7に挿入されて、SDモジュール1cから「0」と「0」とからなる信号がUARTインターフェースIC40aのバイパス通路及びインターフェース切換スイッチ44を経由してCPU37に入力さることによって、CPU37が携帯ジャケット7に挿入されたものがSDモジュール1cであると判断してインターフェース切換スイッチ44をSDモジュール1cとCPU37とを接続するように動作させる。
【0029】
図6を参照し、UARTモジュール1aについて説明する。UARTモジュール1aは、モジュール端子部3、モジュール制御部4a、送受信部24、アンテナ部25を備える。モジュール制御部4aは、UARTモジュール1aが携帯ジャケット7に挿入されると、携帯ジャケット7の電源から供給される電力によって、No.4の端子とNo.6の端子とから「1」と「1」とからなる信号を出力する。
【0030】
図7を参照し、USBモジュール1bについて説明する。USBモジュール1bは、モジュール端子部3、モジュール制御部4b、送受信部24、アンテナ部25を備える。モジュール制御部4bは、USBモジュール1bが携帯ジャケット7に挿入されると、携帯ジャケット7の電源から供給される電力によって、No.4の端子とNo.6の端子とから「1」と「0」とからなる信号を出力する。
【0031】
図8を参照し、SDモジュール1cについて説明する。SDモジュール1cは、モジュール端子部3、モジュール制御部4c、送受信部24、アンテナ部25を備える。モジュール制御部4cは、SDモジュール1cが携帯ジャケット7に挿入されると、携帯ジャケット7の電源から供給される電力によって、No.4の端子とNo.6の端子とから「0」と「0」とからなる信号を出力する。
【0032】
図9を参照し、デジタル無線通信モジュール1aW乃至1cWと携帯ジャケット7とからなる無線通信端末装置について説明する。デジタル無線通信モジュール1aWは、UARTモジュール1aにおける音声信号をデジタル信号で処理する方式のデジタル無線通信モジュールである。デジタル無線通信モジュール1bWは、USBモジュール1bにおける音声信号をデジタル信号で処理する方式のデジタル無線通信モジュールである。デジタル無線通信モジュール1cWは、SDモジュール1cにおける音声信号をデジタル信号で処理する方式のデジタル無線通信モジュールである。これらのデジタル無線通信モジュール1aW乃至1cWが、PCカードやSIMカードなどのカードタイプの容器に、モジュール端子部3、モジュール制御部4a乃至4cの1つ、送受信部24、アンテナ25を備える。送受信部24は、アンテナスイッチ26、送信部27、受信部28、変調部29、復調部30、TDMA符号化部31、TDMA復号化部32、ADPCMトランスコーダ33を備える。
【0033】
モジュール制御部4a〜4cのそれぞれは、モジュール制御部4a〜4cのそれぞれに内蔵されたCPU34が、フラッシュメモリ35に格納されたプログラムに従い、RAM36を使用しながらネットワークを利用する通信ルールであるプロトコルに則って動作することによって、携帯ジャケット7から供給された電力によって自分の種類を表す信号を出力する処理、送受信処理、アンテナ切換処理、ルーティング処理などを実行し、アンテナスイッチ26、TDMA符号化部31、TDMA復号化部32を制御する。フラッシュメモリ35には、モジュール製造番号などの固有情報や電話帳などが記録されている。
【0034】
携帯ジャケット7は、PHSや携帯電話などの携帯端末タイプの容器に、ジャケット端子部10、電源13、キーボード14、ディスプレイ15、ジャケット制御部16、コーデック部17、マイク18、スピーカ19、経路スイッチ20、増幅部21、USIM22、電源スイッチ23を備える。
【0035】
ジャケット制御部16は、CPU37、ROM38、RAM39、UARTインターフェースIC40aやUSBインターフェースIC40b及びSDインターフェースIC40c、GPIO41、インターフェース切換スイッチ44を備える。ジャケット制御部16では、ジャケット制御部16に内蔵されたCPU37がROM38に格納されたプログラムに従い、RAM39を使用しながらネットワークを利用する通信ルールであるプロトコルに則って動作することによって、無線通信モジュールの種類に対応するデータ通信用インターフェースを選択する処理、電源投入処理、音声通信用のデジタルとアナログの経路切換処理などを実行する。
【0036】
携帯ジャケット7は、電源13、キーボード14、ディスプレイ15、電源スイッチ23、マイク18、スピーカ19加え、デジタル無線通信モジュールとしてのUARTモジュール1aやUSBモジュール1b及びSDモジュール1c以外に、アナログ無線通信モジュールとしてのUARTモジュール1aやUSBモジュール1b及びSDモジュール1cにも使用可能とするために、コーデック部17、経路スイッチ20、増幅部21、USIM22を備える。そして、経路スイッチ20が、コーデック部17をジャケット端子部10から切り離して増幅部21とUSIM22とをジャケット端子部10に接続するか、又は、コーデック部17をジャケット端子部10に接続して増幅部21とUSIM22とをジャケット端子部10から切り離す。
【0037】
USIM22は、フラッシュメモリにより構成される。USIM22には、携帯ジャケット製造番号やIMSI(International Mobile Subscriber Identity)などの固有情報や電話帳などが記録されている。
【0038】
図10を参照し、UARTモジュール1aにおける音声信号をデジタル信号で処理する方式のデジタル無線通信モジュール(以下、UARTデジタル無線通信モジュールと称する)1aWが携帯ジャケット7に挿入されて図3に示すCPU37による無線通信モジュールの種類に対応するデータ通信用インターフェースを選択する処理が終了してUARTインターフェースIC40aが選択された態様の無線通信端末装置の回路構成について説明する。よって、図10は、USBインターフェースIC40b及びSDインターフェースIC40cの図示を省略してあり、ジャケット制御部16のCPU37とUARTインターフェースIC40aとが互いに接続され、経路スイッチ20がデジタル無線通信モジュール用の回路側に切り換えられた後の状態である。経路切換動作について具体的に説明すると、先ず、デジタルUARTモジュール1aWが携帯ジャケット7に挿入され、UARTデジタル無線通信モジュール1aWのモジュール端子部3が携帯ジャケット7のジャケット端子部10に接続され、モジュール制御部4aとジャケット制御部16とが電気的に起動する。
【0039】
次に、INS信号がモジュール端子部3のNo.8で表示された端子からGPIO41を経由してCPU37に入力される。そして、TXD信号がCPU37からUART40aおよびモジュール端子部3のNo.1で表示された端子を経由してUARTデジタル無線通信モジュール1aWに入力される。この入力された信号の応答としてUARTデジタル無線通信モジュール1aWを示すフォーマットのRXD信号がモジュール端子部3のNo.2で表示された端子からUART40aを経由してCPU37に入力される。
【0040】
引き続き、CPU37がRXD信号の内容から携帯ジャケット7に挿入された無線通信モジュールがUARTデジタル無線通信モジュール1aWであると判定する。その後、CPU37がスイッチ切換信号としてのUARTデジタル無線通信モジュール1aWを示す種別信号をGPIO41から経路スイッチ20に出力する。その結果、経路スイッチ20が動作して図10に示す状態となる。UARTデジタル無線通信モジュール1aWの携帯ジャケット7への挿入を示すINS信号に伴う携帯ジャケット7からUARTデジタル無線通信モジュール1aWへの最初の問い合わせを示すTXD信号に対して応答する信号を示すRXD信号が上記挿入されたモジュールの種類を示す形態に構成されているので、前述したデータ通信用インターフェースの判別切換と相俟って、無線通信モジュールの携帯ジャケット7への挿入の直後に無線通信モジュールの種類が判別し、無線通信端末装置としてデータ通信と音声通信を短時間に使用可能になるという利点がある。
【0041】
経路切換の結線について具体的に説明すると、上記経路スイッチ20が図10に示す状態となった動作の結果、モジュール端子部3のNo.7で表示された端子がGPIO41からのPOWER ON信号の出力用の端子から切り離され、かつUART40aへのRI信号の入力用の端子に接続される。モジュール端子部3のNo.9で表示された端子がUSIM22へのSIMRST信号の入力用の端子から切り離され、かつGPIO41への第1DISP信号の入力用の端子に接続される。
【0042】
モジュール端子部3のNo.10で表示された端子がUSIM22のSIMDATA信号の入出力用の端子から切り離され、かつGPIO41の第2DISP信号の入力用の端子に接続される。モジュール端子部3のNo.11で表示された端子がUSIM22のSIMCLK信号の入力用の端子から切り離され、かつGPIO41への第3DISP信号の入力用の端子に接続される。
【0043】
モジュール端子部3のNo.12で表示された端子が増幅器42のMIC−信号用の端子から切り離され、かつIF−SEL信号用の端子に接続される。モジュール端子部3のNo.13で表示された端子が増幅器43のREC+信号用の端子から切り離され、かつコーデック部17へのPCMCLK信号の入力用の端子に接続される。モジュール端子部3のNo.14で表示された端子が増幅器43のREC−信号用の端子から切り離され、かつコーデック部17へのPCMSYNC信号の入力用の端子に接続される。
【0044】
モジュール端子部3のNo.15で表示された端子が増幅器42のMIC+信号用の端子から切り離され、かつコーデック部17のPCMOUT信号の入力用の端子に接続される。モジュール端子部3のNo.16で表示された端子がUSIM22へのSIM Vcc供給用の端子から切り離され、かつコーデック部17からのPCMIN信号の出力用の端子に接続される。
【0045】
このように、UARTデジタル無線通信モジュール1aWが携帯ジャケット7に挿入され、モジュール制御部4aとジャケット制御部16とが電気的に起動し、CPU37がUART40aに接続されると共に、経路スイッチ20がUARTデジタル無線通信モジュール1aWの回路側に切り換えられることによって、UARTデジタル無線通信モジュール1aWが増幅器42、増幅器43、USIM22のそれぞれから切り離され、かつUARTインターフェースIC40a、GPIO41、コーデック部17に接続されて、UARTデジタル無線通信モジュールル1aWと携帯ジャケット7とからなる無線通信端末装置が構成される。増幅器42および増幅器43は、図9の増幅部21を構成する。
【0046】
図11を参照し、USBモジュール1bにおける音声信号をデジタル信号で処理する方式のデジタル無線通信モジュール(以下、USBデジタル無線通信モジュールと称する)1bWが携帯ジャケット7に挿入されて図4に示すCPU37による無線通信モジュールの種類に対応するデータ通信用インターフェースを選択する処理が終了してUSBインターフェースIC40bが選択された態様の無線通信端末装置の回路構成について説明する。よって、図11は、UARTインターフェースIC40a及びSDインターフェースIC40cの図示を省略してあり、ジャケット制御部16のCPU37とUSBインターフェースIC40bとが互いに接続され、ジャケット制御部16のUSBインターフェースIC40bとUSBデジタル無線通信モジュール1bWのモジュール端子部3のNo.1とNo.2との端子が、双方向通信を行うための2本の信号線D+;D−で接続され、経路スイッチ20がデジタル無線通信モジュール用の回路側に切り換えられた後の状態である。経路切換動作について具体的に説明すると、先ず、USBデジタル無線通信モジュール1bWが携帯ジャケット7に挿入され、USBデジタル無線通信モジュール1bWのモジュール端子部3が携帯ジャケット7のジャケット端子部10に接続され、モジュール制御部4aとジャケット制御部16とが電気的に起動する。
【0047】
次に、INS信号がモジュール端子部3のNo.8で表示された端子からGPIO41を経由してCPU37に入力される。そして、デジタル無線通信モジュールかアナログ無線通信モジュールかの問い合わせ信号がCPU37からUSBインターフェースIC40bおよびモジュール端子部3のNo.1;No.2で表示された端子を経由してデジタルUSBモジュール1bWに入力される。この入力された信号の応答としてUSBデジタル無線通信モジュール1bWを示すフォーマットの応答信号がモジュール端子部3のNo.1;No.2で表示された端子からUSBインターフェースIC40bを経由してCPU37に入力される。
【0048】
引き続き、CPU37が応答信号の内容から携帯ジャケット7に挿入された無線通信モジュールがUSBデジタル無線通信モジュール1bWであると判定する。その後、CPU37がスイッチ切換信号としてのUSBデジタル無線通信モジュール1bWを示す信号をGPIO41から経路スイッチ20に出力する。その結果、経路スイッチ20が動作して図11に示す状態となる。USBデジタル無線通信モジュール1bWの携帯ジャケット7への挿入を示すINS信号に伴う携帯ジャケット7からUSBデジタル無線通信モジュール1bWへの最初の問い合わせを示す信号に対して応答を示す信号が上記挿入されたモジュールの種類を示す形態に構成されているので、前述したデータ通信用インターフェースの判別切換と相俟って、無線通信モジュールの携帯ジャケット7への挿入の直後に無線通信モジュールの種類が判別し、無線通信端末装置としてデータ通信と音声通信を短時間に使用可能になるという利点がある。
【0049】
図12を参照し、SDモジュール1cにおける音声信号をデジタル信号で処理する方式のデジタル無線通信モジュール(以下、SDデジタル無線通信モジュールと称する)1cWが携帯ジャケット7に挿入されて図5に示すCPU37による無線通信モジュールの種類に対応するデータ通信用インターフェースを選択する処理が終了してSDインターフェースIC40cが選択された態様の無線通信端末装置の回路構成について説明する。よって、図12は、UARTインターフェースIC40a及びUSBインターフェースIC40bの図示を省略してあり、ジャケット制御部16のCPU37とSDインターフェースIC40cとが互いに接続され、SDデジタル無線通信モジュール1cWのモジュール端子部3のNo.1乃至No.6の端子が双方向通信を行うための4本のデータ信号線DAT0乃至DAT3とコマンド信号線CMDとジャケット側からモジュール側にクロックを供給するための信号線CLKとで接続され、経路スイッチ20がSDデジタル無線通信モジュール1cWの回路に切り換えられた後の状態である。経路切換動作について具体的に説明すると、先ず、SDデジタル無線通信モジュール1cWが携帯ジャケット7に挿入され、SDデジタル無線通信モジュール1cWのモジュール端子部3が携帯ジャケット7のジャケット端子部10に接続され、モジュール制御部4cとジャケット制御部16とが電気的に起動する。
【0050】
次に、INS信号がモジュール端子部3のNo.8で表示された端子からGPIO41を経由してCPU37に入力される。そして、デジタル無線通信モジュールかアナログ無線通信モジュールかの問い合わせ信号がCPU37からSDインターフェースIC40cおよびモジュール端子部3の対応する端子No.4を経由してSDデジタル無線通信モジュール1cWに入力される。この入力された信号の応答としてSDデジタル無線通信モジュール1cWを示すフォーマットの応答信号がモジュール端子部3の対応する端子No.1;No.2;No.5;No.6からSDインターフェースIC40cを経由してCPU37に入力される。
【0051】
引き続き、CPU37が応答信号の内容から携帯ジャケット7に挿入された無線通信モジュールがSDデジタル無線通信モジュール1cWであると判定する。その後、CPU37がスイッチ切換信号としてのSDデジタル無線通信モジュール1cWを示す信号をGPIO41から経路スイッチ20に出力する。その結果、経路スイッチ20が動作して図12に示す状態となる。SDデジタル無線通信モジュール1cWの携帯ジャケット7への挿入を示すINS信号に伴う携帯ジャケット7からSDデジタル無線通信モジュール1cWへの最初の問い合わせを示す信号に対して応答を示す信号が上記挿入されたモジュールの種類を示す形態に構成されているので、前述したデータ通信用インターフェースの判別切換と相俟って、無線通信モジュールの携帯ジャケット7への挿入の直後に無線通信モジュールの種類が判別し、無線通信端末装置としてデータ通信と音声通信を短時間に使用可能になるという利点がある。
【0052】
次に、図13を参照し、アナログ無線通信モジュール1aC乃至1cCと携帯ジャケット7とからなる無線通信端末装置について説明する。アナログ無線通信モジュール1aCは、UARTモジュール1aにおける音声信号をアナログ信号で処理する方式のアナログ無線通信モジュールである。アナログ無線通信モジュール1bCは、USBモジュール1bにおける音声信号をアナログ信号で処理する方式のアナログ無線通信モジュールである。アナログ無線通信モジュール1cCは、SDモジュール1cにおける音声信号をアナログ信号で処理する方式のアナログ無線通信モジュールである。これらのアナログ無線通信モジュール1aC乃至1cCは、図9に示すデジタル無線通信モジュール1aW〜1cWと同じ形と同じ大きさの容器に、端子部5、モジュール制御部6a乃至6cの1つ、送受信部24a、アンテナ45を備える。送受信部24aは、アンテナスイッチ46、送信部47、受信部48、変調部49、復調部50を備える。
【0053】
モジュール制御部6a乃至6cのそれぞれは、モジュール制御部6a乃至6cに内蔵されたCPU51が、フラッシュメモリ52に格納されたプログラムに従い、RAM53を使用しながらネットワークを利用する通信ルールであるプロトコルに則って動作することによって、携帯ジャケット7から供給された電力によって自分の種類を表す信号を出力する処理、送受信処理、アンテナ切換処理、ルーティング処理などを実行し、アンテナスイッチ46を制御する。フラッシュメモリ35には、モジュール製造番号などの固有情報や電話帳などが記録されている。
【0054】
携帯ジャケット7が、PHSや携帯電話などの携帯端末タイプの容器に、ジャケット端子部10、電源13、キーボード14、ディスプレイ15、ジャケット制御部16、コーデック部17、マイク18、スピーカ19、経路スイッチ20、増幅部21、USIM22、電源スイッチ23を備える。
【0055】
図14を参照し、UARTモジュール1aにおける音声信号をアナログ信号で処理する方式のアナログ無線通信モジュール(以下、UARTアナログ無線通信モジュールと称する)1aCが携帯ジャケット7に挿入されて図3に示すCPU37による無線通信モジュールの種類に対応するデータ通信用インターフェースを選択する処理が終了してUARTインターフェースIC40aが選択された態様の無線通信端末装置の回路構成について説明する。よって、図14は、USBインターフェースIC40b及びSDインターフェースIC40cの図示を省略してあり、ジャケット制御部16のCPU37とUARTインターフェースIC40aとが互いに接続され、経路スイッチ20がデジタル無線通信モジュール用の回路側に切り換えられた後の状態である。経路切換動作について具体的に説明すると、先ず、UARTアナログ無線通信モジュール1aCが携帯ジャケット7に挿入され、UARTアナログ無線通信モジュール1aCのジャケット端子部5が携帯ジャケット7のジャケット端子部10に接続され、モジュール制御部6aとジャケット制御部16とが電気的に起動する。
【0056】
次に、INS信号がジャケット端子部5のNo.8で表示された端子からGPIO41を経由してCPU37に入力される。そして、TXD信号がCPU37からUART40aおよびジャケット端子部5のNo.1で表示された端子を経由してUARTアナログ無線通信モジュール1aCに入力される。この入力された信号の応答としてC−SIMを示すフォーマットのRXD信号がジャケット端子部5のNo.2で表示された端子からUART40aを経由してCPU37に入力される。
【0057】
引き続き、CPU37がRXD信号の内容から携帯ジャケット7に挿入された無線通信モジュールがUARTアナログ無線通信モジュール1aCであると判定する。その後、CPU37がスイッチ切換信号としてのUARTアナログ無線通信モジュール1aCを示す種別信号をGPIO41より経路スイッチ20に出力する。その結果、経路スイッチ20が動作して図14に示す状態となる。UARTアナログ無線通信モジュール1aCの携帯ジャケット7への挿入を示すINS信号に伴う携帯ジャケット7からUARTアナログ無線通信モジュール1aCへの最初の問い合わせを示すTXD信号に対して応答する信号を示すRXD信号が上記挿入されたモジュールの種類を示す形態に構成されているので、前述したデータ通信用インターフェースの判別切換と相俟って、無線通信モジュールの携帯ジャケット7への挿入の直後に無線通信モジュールの種類が判別し、無線通信端末装置としてデータ通信と音声通信を短時間に使用可能になるという利点がある。
【0058】
経路切換の結線について具体的に説明すると、上記経路スイッチ20の図14に示す状態となった動作の結果、ジャケット端子部5のNo.7で表示された端子がUART40aへのRI信号の入力用の端子から切り離され、かつGPIO41からのPOWER ON信号の出力用の端子に接続される。ジャケット端子部5のNo.9で表示された端子がGPIO41への第1DISP信号の入力用の端子から切り離され、かつUSIM22へのSIMRST信号の入力用の端子に接続される。
【0059】
ジャケット端子部5のNo.10で表示された端子がGPIO41の第2DISP信号の入力用の端子から切り離され、かつUSIM22からのSIMDATA信号の入出力用の端子に接続される。ジャケット端子部5のNo.11で表示された端子がGPIO41への第3DISP信号の入力用の端子から切り離され、かつUSIM22のSIMCLK信号の入力用の端子に接続される。
【0060】
ジャケット端子部5のNo.12で表示された端子がIF−SEL信号用の端子から切り離され、かつ増幅器42のMIC−信号用の端子に接続される。ジャケット端子部5のNo.13で表示された端子がコーデック部17へのPCMCLK信号の入力用の端子から切り離され、かつ増幅器43のREC+信号用の端子に接続される。ジャケット端子部5のNo.14で表示された端子がコーデック部17へのPCMSYNC信号の入力用の端子から切り離され、かつ増幅器43のREC−信号用の端子に接続される。
【0061】
ジャケット端子部5のNo.15で表示された端子がコーデック部17のPCMOUT信号の入力用の端子から切り離され、かつ増幅器42のMIC+信号用の端子に接続される。ジャケット端子部5のNo.16で表示された端子がコーデック部17からのPCMIN信号の出力用の端子から切り離され、かつUSIM22へのSIM Vcc供給用の端子に接続される。
【0062】
このように、UARTアナログ無線通信モジュール1aCが携帯ジャケット7に挿入され、モジュール制御部6aとジャケット制御部16とが電気的に起動し、経路スイッチ20がUARTアナログ無線通信モジュール1aCの回路側に切り換えられることによって、UARTアナログ無線通信モジュール1aCがコーデック部17から切り離され、かつ、増幅器42;43、USIM22のそれぞれに接続されて、データ通信用インターフェースとしてUARTインターフェースIC40aを用い、かつアナログ方式による音声通信が可能なUARTアナログ無線通信モジュール1aCと携帯ジャケット7とからなる無線通信端末装置が構成される。
【0063】
図15を参照し、USBモジュール1bにおける音声信号をアナログ信号で処理する方式のアナログ無線通信モジュール(以下、USBアナログ無線通信モジュールと称する)1bCと携帯ジャケット7とからなる無線通信端末装置の回路構成について説明する。よって、図15は、UARTインターフェースIC40a及びSDインターフェースIC40cの図示を省略してあり、ジャケット制御部16のCPU37とUSBインターフェースIC40bとが互いに接続され、ジャケット制御部16のUSBインターフェースIC40bとUSBアナログ無線通信モジュール1bCのモジュール端子部3のNo.1とNo.2との端子が、双方向通信を行うための2本の信号線D+;D−で接続され、経路スイッチ20がアナログ無線通信モジュール用の回路側に切り換えられた後の状態である。経路切換動作について具体的に説明すると、先ず、USBアナログ無線通信モジュール1bCが携帯ジャケット7に挿入され、アナログ無線通信モジュール1bCのジャケット端子部5が携帯ジャケット7のジャケット端子部10に接続され、モジュール制御部6bとジャケット制御部16とが電気的に起動する。
【0064】
次に、INS信号がジャケット端子部5のNo.8で表示された端子からGPIO41を経由してCPU37に入力される。そして、デジタル無線通信モジュールかアナログ無線通信モジュールかの問い合わせ信号がCPU37からUSBインターフェースIC40bおよびジャケット端子部5のNo.1;No.2で表示された端子を経由してUSBアナログ無線通信モジュール1bCに入力される。この入力された信号の応答としてUSBアナログ無線通信モジュールを示すフォーマットの応答信号がジャケット端子部5のNo.1;No.2で表示された端子からUSBインターフェースIC40bを経由してCPU37に入力される。
【0065】
引き続き、CPU37が応答信号の内容から携帯ジャケット7に挿入された無線通信モジュールがUSBアナログ無線通信モジュール1bCであると判定する。その後、CPU37がスイッチ切換信号としてのUSBアナログ無線通信モジュール1bCを示す信号をGPIO41から経路スイッチ20に出力する。その結果、経路スイッチ20が動作して図15に示す状態となる。USBアナログ無線通信モジュール1bCの携帯ジャケット7への挿入を示すINS信号に伴う携帯ジャケット7からUSBアナログ無線通信モジュール1bCへの最初の問い合わせを示す信号に対して応答を示す信号が上記挿入されたモジュールの種類を示す形態に構成されているので、前述したデータ通信用インターフェースの判別切換と相俟って、無線通信モジュールの携帯ジャケット7への挿入の直後に無線通信モジュールの種類が判別し、無線通信端末装置としてデータ通信と音声通信を短時間に使用可能になるという利点がある。
【0066】
図16を参照し、SDモジュール1cにおける音声信号をアナログ信号で処理する方式のアナログ無線通信モジュール(以下、SDアナログ無線通信モジュールと称する)1cCが携帯ジャケット7に挿入されて図5に示すCPU37による無線通信モジュールの種類に対応するデータ通信用インターフェースを選択する処理が終了してSDインターフェースIC40cが選択された態様の無線通信端末装置の回路構成について説明する。よって、図16は、UARTインターフェースIC40a及びUSBインターフェースIC40bの図示を省略してあり、ジャケット制御部16のCPU37とSDインターフェースIC40cとが互いに接続され、SDデジタル無線通信モジュール1cWのモジュール端子部3のNo.1乃至No.6の端子が双方向通信を行うための4本のデータ信号線DAT0乃至DAT3とコマンド信号線CMDとジャケット側からモジュール側にクロックを供給するための信号線CLKとで接続され、経路スイッチ20がSDアナログ無線通信モジュール1cCの回路に切り換えられた後の状態である。経路切換動作について具体的に説明すると、先ず、SDアナログ無線通信モジュール1cCが携帯ジャケット7に挿入され、ジャケット端子部5がジャケット端子部10に接続され、モジュール制御部6cとジャケット制御部16とが電気的に起動する。
【0067】
次に、INS信号がジャケット端子部5のNo.8で表示された端子からGPIO41を経由してCPU37に入力される。そして、デジタル無線通信モジュールかアナログ無線通信モジュールかの問い合わせ信号がCPU37からSDインターフェースIC40cおよびジャケット端子部5の対応する端子No.4を経由してアナログSDモジュール(C−SIM)1cCに入力される。この入力された信号の応答としてSDデジタル無線通信モジュール1cCを示すフォーマットの応答信号がジャケット端子部5の対応する端子No.1;No.2;No.5;No.6からSDインターフェース用IC40cを経由してCPU37に入力される。
【0068】
引き続き、CPU37が応答信号の内容から携帯ジャケット7に挿入された無線通信モジュールがSDアナログ無線通信モジュール1cCであると判定する。その後、CPU37がスイッチ切換信号としてのSDアナログ無線通信モジュール1cCを示す信号をGPIO41から経路スイッチ20に出力する。その結果、経路スイッチ20が動作して図16に示す状態となる。SDデジタル無線通信モジュール1cCの携帯ジャケット7への挿入を示すINS信号に伴う携帯ジャケット7からSDデジタル無線通信モジュール1cCへの最初の問い合わせを示す信号に対して応答を示す信号が上記挿入されたモジュールの種類を示す形態に構成されているので、前述したデータ通信用インターフェースの判別切換と相俟って、無線通信モジュールの携帯ジャケット7への挿入の直後に無線通信モジュールの種類が判別し、無線通信端末装置としてデータ通信と音声通信を短時間に使用可能になるという利点がある。
【0069】
前記実施の形態では、携帯ジャケット7を3種類の無線通モジュールに共用する場合を例示したが、2種類の無線通信モジュールであれば1つの高電位の信号「1」と1つの低電位の信号「0」との単独で無線通信モジュールの種類を検出することができる。また、実施の形態のように、高電位の信号「1」又は低電位の信号「0」で表現される2つの2値信号の組み合わせによって、無線通信モジュールの種類を検出すれば、4種類までの無線通モジュールに携帯ジャケット7を共用することができる。また、高電位の信号「1」又は低電位の信号「0」で表現される3つの2値信号の組み合わせによって、無線通信モジュールの種類を検出すれば、8種類までの無線通モジュールに携帯ジャケット7を共用することができる。
【符号の説明】
【0070】
1a UARTモジュール
1b USBモジュール
1c SDモジュール
1aW UARTデジタル無線通信モジュール
1bW USBデジタル無線通信モジュール
1cW SDデジタル無線通信モジュール
1aC UARTアナログ無線通信モジュール
1bC USBアナログ無線通信モジュール
1cC SDアナログ無線通信モジュール
3;5 モジュール端子部
4a乃至4c;6a乃至6c モジュール制御部
7 携帯ジャケット
9 スロット
10 ジャケット端子部
13 電源
16 ジャケット制御部
17 コーデック部
20 経路スイッチ
21 増幅部
22 USIM
23 電源スイッチ
34;37 CPU
40a UARTインターフェースIC
40b USBインターフェースIC
40c SDインターフェースIC
44 インターフェース切換スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信速度の異なる複数の無線通信モジュールを共用の無線通信モジュールの出し入れ可能な装置に差し換えて使用する無線通信端末装置であって、通信速度の異なる複数の無線通信モジュールの容器が共用の無線通信モジュールの出し入れ可能な装置に挿入可能に構成され、無線通信モジュールの出し入れ可能な装置には複数の無線通信モジュールに対応する複数の通信用インターフェース集積回路と挿入された無線通信モジュールから出力される種類を表す信号によって当該無線通信モジュールの種類に対応するデータ通信用インターフェースを選択する制御手段とが設けられたことを特徴とする無線通信端末装置。
【請求項2】
通信用インターフェースは、UARTインターフェース集積回路、USBインターフェース集積回路、SDインターフェース集積回路であることを特徴とする請求項1記載の無線通信端末装置。
【請求項3】
無線通信モジュールの出し入れ可能な装置には音声信号をデジタル信号で処理する方式の無線通信モジュールおよび音声信号をアナログ信号で処理する方式の無線通信モジュールの信号処理に必要なコーデック部と増幅部およびUSIM、挿入された無線通信モジュールの種類を判別して無線通信モジュールを経路スイッチを介してコーデック部に接続するか又は増幅部およびUSIMに接続するかの経路切換処理を行うジャケット制御部が設けられたことを特徴とする請求項1記載の無線通信端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−97482(P2011−97482A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−251529(P2009−251529)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(304058826)株式会社ウィルコム (56)
【Fターム(参考)】