説明

無線通信装置、無線送信方法及び無線受信方法

【課題】時空間ブロック符号化前には同じデータブロックであった時空間ブロック符号化後のデータブロックには、同じデータシンボルをサイクリックプレフィックスとして付加することができる無線通信装置を提供する。
【解決手段】複数のシンボル群を時空間符号化して、複数の時空間符号化シンボル群をそれぞれ含む複数の系列を生成し、前記複数の系列のうちの少なくとも1つの系列の各時空間符号化シンボル群を予め定められたシンボル数分サイクリックシフトし、サイクリックシフトされた系列を含む前記複数の系列の各時空間符号化シンボル群に、当該時空間符号化シンボル群中の少なくとも1つのシンボルのコピーをサイクリックプレフィックスとして付加し、サイクリックプレフィックスが付加された前記複数の系列を複数のアンテナからそれぞれ送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイクリックプレフィックスが付与されたシングルキャリア無線通信における時空間ブロック符号化ダイバーシチ送信方法及び受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
サイクリックプレフィックスが付与されたシングルキャリア無線通信における、従来の時空間ブロック符号化ダイバーシチ送信方法は、複数のデータブロックを用いて時空間ブロック符号化を行っている。より具体的には、複数のデータブロックを並べ替えることに加え、複数のデータブロックのうち、一部のデータブロックに含まれるデータシンボルに対して、複素共役をとるとともに、符号反転並びにシンボル並び替えを行っている。(例えば、特許文献1並びに非特許文献1参照)
また、サイクリックプレフィックスが付与されたシングルキャリア無線通信において、サイクリックプレフィックスとして送信されるシンボルとこれ以外の送信シンボルの変調方式を違えることにより(より具体的には、サイクリックプレフィックスとして送信されるシンボルの変調多値数をこれ以外の送信シンボルの変調多値数よりも大きくすることにより)、サイクリックプレフィックスを有効に活用することが提案されている。(例えば、特許文献2参照)
【特許文献1】特開P2005−12531
【特許文献2】特開P2006−238355
【非特許文献1】Naofal Al-Dhahir, “Single-Carrier Frequency-Domain Equalization for Space-Time Block-Coded Transmissions Over Frequency-Selective Fading Channels”, IEEE COMMUNICATIONS LETTERS, VOL. 5, NO. 7, JULY 2001
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記した時空間ブロック符号化ダイバーシチ送信方法では、一部のデータブロックに含まれるデータシンボルに対してシンボル並び替えを行っている。これは、時空間ブロック符号化前には同じデータブロックであった時空間ブロック符号化後のデータブロックには、異なるデータシンボルがサイクリックプレフィックスとして付加されることとなる。その結果、上記したようなサイクリックプレフィックスを有効に活用する効果を低減させてしまう。
【0004】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、時空間ブロック符号化前には同じデータブロックであった時空間ブロック符号化後のデータブロックには、同じデータシンボルをサイクリックプレフィックスとして付加することができる無線送信方法、無線受信方法及び無線通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)無線通信装置(無線送信装置)は、
複数のシンボル群を生成する第1の生成手段と、
前記複数のシンボル群を時空間符号化して、複数の時空間符号化シンボル群をそれぞれ含む複数の系列を生成する第2の生成手段と、
前記複数の系列のうちの少なくとも1つの系列中の各時空間符号化シンボル群を予め定められたシンボル数分サイクリックシフトするサイクリックシフト手段と、
サイクリックシフトされた系列を含む前記複数の系列の各時空間符号化シンボル群に、当該時空間符号化シンボル群中の少なくとも1つのシンボルのコピーをサイクリックプレフィックスとして付加する付加手段と、
前記サイクリックプレフィックスが付加された前記複数の系列を複数のアンテナからそれぞれ送信する送信手段と、
を含む。
【0006】
(2)無線通信装置(無線受信装置)は、
複数のパイロットシンボル群と、複数の時空間符号化シンボル群を受信する受信手段と、
前記複数のパイロットシンボル群を用いて伝送路推定を行う伝送路推定手段と、
前記複数のパイロットシンボル群のうちの少なくとも1つのパイロットシンボル群から得られた伝送路推定結果を位相回転する補償手段と、
前記位相回転された伝送路推定結果を用いて、前記複数の時空間符号化シンボル群を時空間復号し、複数のシンボル群を得る時空間復号手段と、
を含む。
【発明の効果】
【0007】
時空間ブロック符号化前には同じデータブロックであった時空間ブロック符号化後のデータブロックには、同じデータシンボルをサイクリックプレフィックスとして付加することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0009】
図1に本実施形態に係る無線送信信号のフレームフォーマットを示す。図1によると、1つのスロットは、複数のデータブロック並びに複数のパイロットブロックにより構成される。1つのデータブロックは、複数のデータシンボルと、当該シンボルの一部をコピーしたサイクリックプレフィックス(以下CPと称する)により構成される。図1には図示していないが、1つのパイロットブロックは、データブロックと同様に、複数のパイロットシンボルと、当該シンボルの一部をコピーしたCPにより構成される。図1ではスロットの先頭、中間、及び最後部にパイロットブロックが存在するが、パイロットブロックの位置ならびに数は任意に定義することが可能である。
【0010】
図2に本実施形態に係る送信装置の構成例を示す。図2の送信装置は、アンテナ1(1a、1b)、無線処理部2(2a、2b)、D/A変換部3(3a、3b)、CP付加部4(4a、4b)、シフト部5(5a、5b)、多重部6(6a、6b)、ダイバーシチエンコーダ10、パイロット生成部11、変調部12及び符号化部13を含む。また、アンテナ1、無線処理部2、D/A変換部3、CP付加部4、シフト部5、多重部6はアンテナ数と同じ数を備える。なお、図2では送信アンテナ数を「2」として説明している。
【0011】
続いて、図2に記載された送信装置の動作例を説明する。まず、送信データは符号化部13に入力される。符号化部13は入力されたデータに対してCRC(Cyclic Redundancy Check)などの所定の誤り検出符号を付加するとともに、所定の符号化方式及び符号化率により誤り訂正符号化を行い、結果を変調部12に出力する。符号化部12への送信データの入力は、図1のスロットを単位として行われる。より具体的には、1つのスロットで送信可能な量のデータが符号化部13へと入力される。
【0012】
変調部12は所定の変調方式にしたがって入力された送信データを変調し、得られた送信データシンボルをダイバーシチエンコーダ10へと出力する。
【0013】
ダイバーシチエンコーダ10は入力された送信データシンボルに対して時空間ブロック符号化を行い、複数の(例えばここでは2つの)ブロック符号化後の送信データシンボル(以後ブロック符号化シンボルと称する)系列を多重部6(6a、6b)へと出力する。図2では、2つのアンテナで送信する時空間ブロック符号化を行っている。
【0014】
パイロット生成部11は、アンテナ毎に、パイロットシンボルとして所定の既知シンボルを生成し、当該シンボルを多重部6(6a、6b)へと出力する。多重部6(6a、6b)は、図1に示したフレームフォーマットにしたがい、2つのブロック符号化シンボル系列のそれぞれにとパイロットシンボルを多重し、シフト部5(5a、5b)へと出力する。
【0015】
シフト部5(5a、5b)は、入力された系列中のブロック符号化シンボルとパイロットシンボルのうち、ブロック符号化シンボルをサイクリックにシフトしてCP付加部4(4a、4b)に出力する。
【0016】
CP付加部4(4a、4b)は入力された系列中のブロック符号化シンボルならびにパイロットシンボルのそれぞれに対して、所定数のシンボルをコピーしてCPとして付加し、D/A変換部3(3a、3b)へ出力する。各系列は、D/A変換部3(3a、3b)によりアナログ信号に変換された後、無線処理部2(2a、2b)により直交変調、アップコンバート、帯域制限、電力増幅等の所定の無線処理が行われアンテナ1(1a、1b)より送信される。
【0017】
続いて、図3を用いてダイバーシチエンコーダ10における時空間ブロック符号化の概要を説明する。ここでは、図2の送信装置構成例に従い、2つのアンテナ(ANT0及びANT1)で送信する時空間ブロック符号化を説明する。なお、アンテナ1aはANT0に対応し、アンテナ1bはANT1に対応する。
【0018】
図3に示した時空間ブロック符号化は、2つのデータブロック(BN及びBN+1)を用いて行われる。ダイバーシチエンコーダ10は、入力された2つのブロックBN及びBN+1に対して、時空間ブロック符号化を行い、ANT0で送信する信号系列としてBN及び-BN+1*を、ANT1で送信する信号系列としてBN+1及びBN*を出力する。なお、−は符号反転を、は複素共役をあらわしている。また、ANT1への出力の順序がBN+1、BN*となっていることから、同時にデータブロックの並べ替えも行っている。したがって、ダイバーシチエンコーダは一時的に入力されたデータブロックを保持するバッファ101を備えている。
【0019】
さらに、図4を用いてダイバーシチエンコーダにおける時空間ブロック符号化の詳細を説明する。ここでは、1つのデータブロックを構成する送信データシンボルの数を「4」として説明している。また、データブロックNを構成する送信データシンボルを、xN(0)、xN(1)、xN(2)、xN(3)と、データブロックN+1を構成する送信データシンボルをxN+1(0)、xN+1(1)、xN+1(2)、xN+1(3)と記している。
【0020】
図3を用いて説明したように、入力された各データブロックは一時的に入力バッファ101a、101bに記憶される。まず、データブロックNの送信データシンボルを見ると、ANT0出力バッファ101cの先頭より順に格納される。さらに、複素共役をとったのち、一部のシンボルの順序を入れ替えてANT1出力バッファ101dの後段部分に格納される。具体的には、xN*(0)、xN*(3)、xN*(2)、xN*(1)の順に格納される。*は複素共役を表している。
【0021】
続いて、データブロックN+1の送信データシンボルを見ると、ANT1出力バッファ101dの先頭より順に格納される。さらに、複素共役をとり符号反転を行ったのち、一部のシンボルの順序を入れ替えてANT0出力バッファ101cの後段部分に格納される。具体的には、−xN+1*(0)、−xN+1*(3)、−xN+1*(2)、−xN+1*(1)の順に格納される。−は符号反転を表している。
【0022】
最後にANT0出力バッファ101c及びANT1出力バッファ101dに格納されたブロック符号化シンボルが順に出力される。従って、ANT0で送信される系列中のブロック符号化シンボルはxN(0)、xN(1)、xN(2)、xN(3)、−xN+1*(0)、−xN+1*(3)、−xN+1*(2)、−xN+1*(1)となる。ANT1で送信される系列中のブロック符号化シンボルはxN+1(0)、xN+1(1)、xN+1(2)、xN+1(3)、xN*(0)、xN*(3)、xN*(2)、xN*(1)となる。
【0023】
続いて、図5を用いて、シフト部5(5a、5b)の動作を説明する。図5において、ANT0のシフト部5aでは、ANT0に対応する系列中のロック符号化シンボルxN(0)、xN(1)、xN(2)、xN(3)、−xN+1*(0)、−xN+1*(3)、−xN+1*(2)、−xN+1*(1)が、この順に入力されて、xN(0)、xN(1)、xN(2)、xN(3)、−xN+1*(0)、−xN+1*(3)、−xN+1*(2)、−xN+1*(1)が、この順に出力される。
【0024】
また、ANT1のシフト部5bでは、ANT1に対応する系列中のブロック符号化シンボルxN+1(0)、xN+1(1)、xN+1(2)、xN+1(3)、xN*(0)、xN*(3)、xN*(2)、xN*(1)が、この順に入力されて、xN+1(3)、xN+1(0)、xN+1(1)、xN+1(2)、xN*(1)、xN*(0)、xN*(3)、xN*(2)が、この順に出力される。
【0025】
つまり、図5の例では、シフト部5aは、入力されたANT0に対応する系列中のブロック符号化シンボルをそのまま出力し、シフト部5bは、入力されたANT1に対応する系列中のブロック符号化シンボルを、データブロック毎に、各データブロック中の4つのシンボルをサイクリックシフトして出力する。
【0026】
続いて、図6を用いてCP付加部4(4a、4b)の動作を説明する。図6に示したANT0のCP付加部4a及びANT1のCP付加部4bはともに、データブロック毎に、各データブロック中の4つのシンボルのうちの後ろ2つのシンボルを、先頭のシンボルの前に付加する。したがって、ANT0の系列中のブロック符号化シンボルについては、xN(2)、xN(3)、xN(0)、xN(1)、xN(2)、xN(3)、−xN+1*(2)、−xN+1*(1)、−xN+1*(0)、−xN+1*(3)、−xN+1*(2)、−xN+1*(1)が出力される。また、ANT1の系列中のブロック符号化シンボルについては、xN+1(1)、xN+1(2)、xN+1(3)、xN+1(0)、xN+1(1)、xN+1(2)、xN*(3)、xN*(2)、xN*(1)、xN*(0)、xN*(3)、xN*(2)が出力される。
【0027】
ここで、図7を用いてCP付加後のデータブロックを確認する。図7は図4、図5及び図6を用いて説明した各処理を経てD/A変換部3(3a、3b)へ入力されるブロック符号化シンボルを示している。なお、図中の網掛けのシンボルはCPとしてコピーされたシンボルを表している。
【0028】
図7において、時空間ブロック符号化前のN番目のデータブロックについては、ANT0及びANT1のそれぞれの系列において、3番目と4番目のデータシンボル(xN(2)、xN(3))がCPとしてコピーされている。また、時空間ブロック符号化前のN+1番目のデータブロックについては、ANT0及びANT1のそれぞれの系列において、2番目と3番目のデータシンボル(xN+1(1)、xN+1(2))がCPとしてコピーされている。従って、時空間ブロック符号化前のそれぞれのデータブロックにおいて、ダイバーシチエンコーダによるシンボルの順序を入れ替えが影響を与えていないことがわかる。
【0029】
続いて、図8を用いて、変調部12からCP付加部4までの処理について説明する。特にデータシンボル送信順序を中心に説明する。図8にはN番目のデータブロック及びN+1番目のデータブロックについて、変調部12の出力からCP付加部4の出力までを示している。
【0030】
時空間ブロック符号化前(変調部出力)のN番目のデータブロックを構成するデータシンボルを「0」〜「7」と、N+1番目のデータブロックを構成するデータシンボルを「8」〜「15」とする。なお、図8では、1つのデータブロックを構成するデータシンボルの数を「8」として説明している。
【0031】
変調部出力並びにダイバーシチエンコーダ出力までは、図4を用いて説明した通りである。シフト部出力については、ここでは、ANT1で送信される系列中の各データブロックについて、3シンボル分前方向へサイクリックシフトされている。
【0032】
CP付加部出力については、ANT0及びANT1で送信されるそれぞれの系列中のデータブロックについて、最後の2シンボルを先頭にコピーしている。
【0033】
この結果、時空間ブロック符号化前、すなわち変調部出力のN番目のデータブロックを構成するデータシンボル群に着目すると、各アンテナに対応するCP付加部3から出力される各系列中の当該データシンボル群(ANT0のN番目のデータブロック、ANT1のN+1番目のデータブロック)には、同じデータシンボル(シンボル「6」及び「7」)がCPとして付加されている。同様に、時空間ブロック符号化前、すなわち変調部出力のN+1番目のデータブロックを構成するデータシンボル群に着目すると、各アンテナに対応するCP付加部3から出力される各系列中の当該データシンボル群(ANT0のN+1番目のデータブロック、ANT1のN番目のデータブロック)には、同じデータシンボル(シンボル「9」及び「19」)がCPとして付加されている。
【0034】
つまり、CPとしてコピーされるシンボル数をPと表すと、シフト部5bが、ANT1で送信される時空間ブロック符号化後の各データブロックについて、P+1シンボル分前方向へサイクリックシフトすることにより、時空間ブロック符号化前には同じデータシンボル群(データブロック)であった時空間ブロック符号化後のデータブロックには同じデータシンボルがCPとして付加されることとなる。
【0035】
このように、ANT0及びANT1で送信される同じデータシンボル群には同じデータシンボルがCPとして付加されていると、CPとしてコピーされるシンボル(図8の変調部出力のN番目のデータブロックの場合「6」「7」、変調部出力のN+1番目のデータブロックの場合「9」「10」)に制御情報などの重要な情報をマッピングすることにより、受信側では、各データブロックのCPとその元のデータシンボルとを加算することにより、制御信号をより高精度に復調及び復号することができる。
【0036】
図9は、図8で説明した処理の一部を変形したものである。図9において、シフト部出力が、ここでは、ANT1で送信される系列中の各データブロックについて、5シンボル分後方向へサイクリックシフトされている。CP付加部出力については、図8と同様である。
【0037】
この結果、図8と同様に、時空間ブロック符号化前、すなわち変調部出力におけるN番目及びN+1番目それぞれのデータブロックを構成するデータシンボルについて見ると、時空間ブロック符号化を行った後の各データブロックにおいて、同じデータシンボルがCPとして付加されている。
【0038】
つまり、1つのデータブロックに含まれるデータシンボル数をMと表すと、シフト部5bが、ANT1で送信される系列中の時空間ブロック符号化後の各データブロックについて、M−(P+1)シンボル分後方へサイクリックシフトすることにより、時空間ブロック符号化前には同じデータブロックであった時空間ブロック符号化後のデータブロックには同じデータシンボルがCPとして付加されることとなる。
【0039】
図10は、図9と同様に、図8で説明した処理の一部を変形したものである。図10を見ると、シフト部出力が、ここでは、ANT0で送信される系列中の各データブロックについて、1シンボル分前方へサイクリックシフトされている。また、ANT1で送信される系列中の各データブロックについて、2シンボル分前方へサイクリックシフトされている。
【0040】
ここで、ANT0の各データブロックの前方サイクリックシフト量shf0、ANT1の各データブロックの前方サイクリックシフト量shf1とすると、図10の例の場合、shf0=1シンボル、shf1=2シンボルである。
【0041】
つまり、シフト部5が、ANT0及びANT1で送信される時空間ブロック符号化後の各データブロックについて、ANT0の各データブロックのサイクリックシフト量shf0とANT1の各データブロックのサイクリックシフト量shf1の合計(shf0+shf1)がP+1シンボルとなるように前方へサイクリックシフトすることにより、時空間ブロック符号化前には同じデータブロックであった時空間ブロック符号化後のデータブロックには同じデータシンボルがCPとして付加されることとなる。
【0042】
なお、図9を用いて説明したように、後方へサイクリックシフトする場合も上記同様である。すなわち、ANT0の系列中の各データブロックの後方サイクリックシフト量shb0、ANT1の系列中の各データブロックの後方サイクリックシフト量shb1とすると、これらの合計shb0+shb1がM−(P+1)シンボルとなるように後方へサイクリックシフトしても、時空間ブロック符号化前には同じデータシンボル群(データブロック)であった時空間ブロック符号化後のデータブロックには同じデータシンボルがCPとして付加されることとなる。
【0043】
図2に示した送信装置の構成では、アンテナ数と同じ数のシフト部5(5a、5b)を備えていたが、例えば図5に示したシフト部5の動作では、ANT1にて送信する系列中の、ブロック符号化後のデータシンボルについてのみ、シフト部5bでデータシンボルの並び替えを行っている。したがって、図11に示すように、送信装置はシフト部5aを備えていなくともよい。一部のアンテナに対応する、サイクリックシフトする必要のあるシフト部のみが含まれていればよい。
【0044】
図2に示した送信装置の構成例では、ダイバーシチエンコーダ10とCP付加部4(4a、4b)の間にシフト部5(5a、5b)を備えているが、図12に示したように、シフト部5(5a、5b)はダイバーシチエンコーダ10の内部に備えられていてもよい。この場合、図4を用いて説明したされたダイバーシチエンコーダ10からの出力は、図13に示したようになる。つまり、ダイバーシチエンコーダ10はあらかじめブロック符号化後のデータシンボルを並び替えて(サイクリックシフトして)出力する。
【0045】
ここで、図2に示したパイロット生成部11で生成され、各アンテナ1(1a、1b)より送信されるパイロットブロック並びにパイロットシンボルについて説明する。
【0046】
パイロットブロック(シンボル)は、受信装置において、例えば伝送路推定処理などに利用される。詳細は後述するが、当該処理は送信装置が備えるアンテナ毎に行われる。したがって、パイロット生成部11は、受信装置が送信装置の各アンテナから送信されたパイロットブロック(シンボル)を分離することができるようパイロットブロック(シンボル)を生成する。より具体的には、各アンテナから送信されるパイロットブロック(シンボル)を、時間分割、周波数分割、符号分割などの方法により多重する。
【0047】
図5及び図8〜図10では、データブロック並びにパイロットブロックを区別することなく説明してきたが、パイロットブロックについては、図5及び図8〜図10を用いて説明したようなシフト処理を行わずに送信してもよい。言い換えると、図5及び図8〜図10を用いて説明したようなシフト処理は、データブロック並びにパイロットブロック双方に適用しても、またデータブロックだけに適用してもよい。
【0048】
図14に本実施形態に係る受信装置の構成例を示す。図2に示した送信装置に対応する受信装置は、図14に示すように、アンテナ201、無線処理部202、A/D変換部203、CP除去部204、時間/周波数変換部205、分離部206、ダイバーシチデコーダ207、伝送路推定部208、等化部209、周波数/時間変換部210、復調部2121、復号部212を含む。なお、図14では受信アンテナ数を「1」として説明している。
【0049】
図14の受信装置の動作を説明する。アンテナ201により受信された無線信号は、無線処理部202により電力増幅、帯域制限、ダウンコンバート、直交復調等の所定の無線処理が行われた後、A/D変換部203によりデジタル信号に変換される。
【0050】
CP除去部204は、A/D変換部203から出力された信号からCPを除去する。このとき、CP除去部204では、各データブロックから除去したCPをその元のシンボルに加算してから時間/周波数変換部205へ出力するようにしてもよい。この結果、特に、CPとしてコピーされるデータシンボルに制御情報などの重要な情報がマッピングされている場合には、この制御信号をより正確に復調及び復号することができる。
【0051】
時間/周波数変換部205は、入力された信号を、例えばDFT(Discrete Fourier Transform)やFFT(Fast Fourier Transform)演算により時間ドメインのデジタル信号から周波数ドメインのデジタル信号に変換する。
【0052】
分離部206は、時間/周波数変換部205から出力されたデジタル信号を、ブロックを単位として、データブロックとパイロットブロックに分離する。データブロックはダイバーシチデコーダ207へ出力され、パイロットブロックは伝送路推定部208へ出力される。
【0053】
伝送路推定部208は、入力されたパイロットブロックに含まれるパイロットシンボルを用いて、送信装置のアンテナ毎の無線伝送路を推定し、アンテナ毎に各パイロットシンボルについて求めた伝送路推定値をダイバーシチデコーダ207に出力する。
【0054】
ダイバーシチデコーダ207では、入力されたデータブロックに対して、入力されたアンテナ毎の伝送路推定値を用いて、時空間ブロック復号(時空間復号)を行い、結果を等化部209へと出力する。
【0055】
続いて、等化部209で無線伝搬路のひずみが等化され、周波数/時間変換部210で、例えばIDFTやIFFT演算により周波数ドメインのデジタル信号から時間ドメインのデジタル信号に変換され、復調部211へ出力される。復調部211は、所定の変調方式に基づく復調方法で、入力された信号を復調し、復号部212は所定の符号化方式及び符号化率に基づく復号方法を用いて復号する。復号部212は、さらに誤り検出符号を用いて誤り検出を行い、誤り検出結果とともに復号された受信データを出力する。
【0056】
続いて、図15を用いて図3及び図4を用いて説明した時空間ブロック符号化について補足する。ここでは、図2の送信装置に従い、2つのアンテナ(ANT0及びANT1)で送信されたブロック符号化シンボルについて説明する。具体的には、図3を用いて説明したように、本実施形態における時空間ブロック符号化は、2つのデータブロック(BN及びBN+1)を用いて行われており、ANT0で送信される系列はBN及び−BN+1*を含み、ANT1で送信される系列はBN+1及びBN*を含むものとする。
【0057】
図15は時空間ブロック符号化が行われたブロック符号化シンボルを、データブロックを単位に、周波数ドメインで表記したものである。ここでは、時空間ブロック符号化前のデータブロックNの送信データシンボルの周波数ドメインにおける各シンボルをXN(0)、XN(1)、XN(2)、XN(3)と、データブロックN+1の送信データシンボルの周波数ドメインでのシンボルをXN+1(0)、XN+1(1)、XN+1(2)、XN+1(3)と記している。なお、図4における説明と同様に、1つのデータブロックを構成する送信データシンボルの数は「4」としている。
【0058】
図15から、各アンテナで送信された各データブロックは、周波数ドメインでの同じシンボルにおいて時空間符号化が行われていることがわかる。これにより、図14を用いて説明したように、時空間ブロック復号処理は周波数ドメインにて行われることとなる。
【0059】
続いて、図16を用いてダイバーシチデコーダ207における時空間ブロック復号処理の動作を説明する。図16は、図4及び図5を用いて説明したダイバーシチエンコーダ10及びシフト部5(5a、5b)の動作に対応するダイバーシチデコーダ207の動作を示している。また、図16は、上述したパイロットシンボルのシフトに関して、パイロットシンボルにはシフト処理が適用されていない場合の動作例である。
【0060】
ここでは、1つのデータブロックに含まれているデータシンボルの数を「4」として説明している。また、時空間ブロック符号化前のデータブロックNに含まれている送信データシンボルの周波数ドメインにおける各シンボルを、XN(0)、XN(1)、XN(2)、XN(3)と表し、データブロックN+1に含まれている送信データシンボルの周波数ドメインにおける各シンボルをXN+1(0)、XN+1(1)、XN+1(2)、XN+1(3)と表している。
【0061】
図14を用いて説明したように、ダイバーシチデコーダ207には、データブロックとともに、送信装置の各アンテナに対する伝送路推定値が入力される。分離部206から出力されるデータブロックは第1バッファ301に格納され、伝送路推定部208から出力されるANT0に対応する伝送路推定値(各パイロットシンボルに対する伝送路推定値H0(0)、H0(1)、H0(2)、H0(3))は第2バッファ302に格納され、ANT1に対応する伝送路推定値(各パイロットシンボルに対する伝送路推定値H1(0)、H1(1)、H1(2)、H1(3))は第3バッファ303に格納される。
【0062】
ダイバーシチデコーダ207に入力されるデータブロックを具体的に見ると、N番目の受信データブロックは、XN(0)+XN+1(0)、XN(1)+XN+1(1)、XN(2)+XN+1(2)、XN(3)+XN+1(3)、N+1番目の受信データブロックは−XN+1*(0)+XN*(0)、−XN+1*(1)+XN*(1)、−XN+1*(2)+XN*(2)、−XN+1*(3)+XN*(3)となっている。
【0063】
上記した入力に対して、図16に示したデコード処理を行うことにより、その出力、すなわちダイバーシチデコード結果として、時空間ブロック符号化前のN番目のデータブロックについては、X^N(0)、X^N(1)、X^N(2)、X^N(3)が得られ、N+1番目のデータブロックについては、X^N+1(0)、X^N+1(1)、X^N+1(2)、X^N+1(3)が得られる。
【0064】
ここで、図16に示したシフト補償処理について説明を加える。上述したように、図16の動作は、データブロックだけにシフト処理が行われている場合のものである。これは、時間ドメインにおけるサイクリックシフトは周波数ドメインでは位相回転として現れるため、データブロックについては周波数ドメインで位相回転が与えられているものの、パイロットブロックについては位相回転が与えられていないことを意味する。したがって、位相回転されているデータブロック内のデータシンボルに合わせるため、送信時に位相回転されていないパイロットブロック内の各パイロットシンボルから求めた伝送路推定値(この例では、ANT1に対応する伝送路推定値)に対し、ダイバーシチデコード時に、当該位相回転を補償する必要がある。具体的には、入力された伝送路推定値に対して、送信装置によりデータブロックに対して行われたサイクリックシフトに対応する周波数ドメインでの位相回転C(0)、C(1)、C(2)、C(3)を与えることで補償する。これをここでは、シフト補償処理と呼ぶ。
【0065】
図5に示したシフト部5(5a、5b)の動作例の場合、ダイバーシチデコーダ207で与える位相回転は、C(0)=exp(0)、C(1)=exp(−3π/2)、C(2)=exp(−3π)、C(3)=exp(−9π/2)である。より一般的には、Mを1つのデータブロックに含まれるデータシンボル数、Qをサイクリックシフト数(−Q:前方向、Q:後ろ方向のサイクリックシフトとする)、kを周波数ドメインにおける各シンボルとすると、シフト補償処理で各伝送路推定値に対し与える周波数ドメインでの位相回転を、C(k)=exp(2π×Q×k/M)とすることで、上記位相回転を補償することができる。
【0066】
なお、上述したパイロットシンボルのシフトに関して、パイロットシンボルにもデータシンボルと同様にシフト処理が適用されている場合のダイバーシチデコーダ207では、図17に示すように、第2バッファ302及び第3バッファ303に格納された各アンテナに対応する伝送路推定値に対する図16に示したようなシフト補償処理は除かれている。これ以外は図16と同様である。
【0067】
以上説明したように、上記実施形態によれば、第1のシンボル群(データブロックN)及び第2のシンボル群(データブロックN+1)を時空間符号化(時空間ブロック符号化)して、複数の時空間符号化シンボル群を含む第1の系列及び複数の時空間符号化シンボル群を含む第2の系列を生成した後、第1及び第2の系列のうちの少なくとも1つの系列中の各時空間符号化シンボル群を予め定められたシンボル数分サイクリックシフトする。その後、第1及び第2の系列の各時空間符号化シンボル群に、当該時空間符号化シンボル群中の少なくとも1つのシンボルのコピーをサイクリックプレフィックスとして付加することにより、時空間符号化前には同じデータブロックであった時空間符号化後のデータブロックには、同じデータシンボルをサイクリックプレフィックスとして付加することができる。
【0068】
この結果、サイクリックプレフィックスを有効に活用することができる。
【0069】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本実施形態に係る無線信号のフレームフォーマットの一例を示した図。
【図2】無線送信装置の構成例を示した図。
【図3】無線送信装置のダイバーシチエンコーダの動作を説明するための図。
【図4】ダイバーシチエンコーダの構成および動作の詳細を説明するための図。
【図5】無線送信装置のシフト部の動作を説明するための図。
【図6】無線送信装置のCP付加部の動作を説明するための図。
【図7】CP付加後の送信信号の一例を示した図。
【図8】シフト部の動作の詳細を説明するための図。
【図9】シフト部の他の動作を説明するための図。
【図10】シフト部のさらに他の動作を説明するための図。
【図11】無線送信装置の他の構成例を示した図。
【図12】無線送信装置のさらに他の構成例を示した図。
【図13】ダイバーシチエンコーダの他の構成及び動作を説明するための図。
【図14】本実施形態に係る無線受信装置の構成例を示した図。
【図15】無線受信装置のダイバーシチエンコードにおいて、時空間復号が周波数ドメインにて行われることを説明するための図。
【図16】ダイバーシチデコーダの構成及び動作を説明するための図。
【図17】ダイバーシチデコーダの構成及び動作を説明するための図。
【符号の説明】
【0071】
1(1a、1b)…アンテナ
2(2a、2b)…無線処理部
3(3a、3b)…D/A変換部
4(4a、4b)…CP付加部
5(5a、5b)…シフト部
6(6a、6b)…多重部
10…ダイバーシチエンコーダ
11…パイロット生成部
12…変調部
13…符号化部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のシンボル群及び第2のシンボル群を生成する第1の生成手段と、
前記第1及び第2のシンボル群を時空間符号化して、複数の時空間符号化シンボル群をそれぞれ含む2つの系列を生成する第2の生成手段と、
前記2つの系列のうちの少なくとも一方の系列中の各時空間符号化シンボル群を予め定められたシンボル数分サイクリックシフトするサイクリックシフト手段と、
サイクリックシフトされた系列を含む前記2つの系列の各時空間符号化シンボル群に、当該時空間符号化シンボル群中の少なくとも1つのシンボルのコピーをサイクリックプレフィックスとして付加する付加手段と、
前記サイクリックプレフィックスが付加された前記2つの系列を複数のアンテナからそれぞれ送信する送信手段と、
を含む無線通信装置。
【請求項2】
複数のシンボル群を生成する第1の生成手段と、
前記複数のシンボル群を時空間符号化して、複数の時空間符号化シンボル群をそれぞれ含む複数の系列を生成する第2の生成手段と、
前記複数の系列のうちの少なくとも1つの系列中の各時空間符号化シンボル群を予め定められたシンボル数分サイクリックシフトするサイクリックシフト手段と、
サイクリックシフトされた系列を含む前記複数の系列の各時空間符号化シンボル群に、当該時空間符号化シンボル群中の少なくとも1つのシンボルのコピーをサイクリックプレフィックスとして付加する付加手段と、
前記サイクリックプレフィックスが付加された前記複数の系列を複数のアンテナからそれぞれ送信する送信手段と、
を含む無線通信装置。
【請求項3】
前記サイクリックシフト手段で前方へサイクリックシフトされる各系列に予め定められた前方サイクリックシフト量の和は、P+1シンボル(Pはサイクリックプレフィックスとして用いるシンボル数)であることを特徴とする請求項2記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記サイクリックシフト手段で後方へサイクリックシフトされる各系列に予め定められた後方サイクリックシフト量の和は、M−(P+1)シンボル(Pはサイクリックプレフィックスとして用いるシンボルの数、Mは前記複数のシンボル群のそれぞれに含まれているシンボル数)であることを特徴とする請求項2記載の無線通信装置。
【請求項5】
複数のパイロットシンボル群を生成する第3の生成手段をさらに含み、
前記付加手段は、さらに、各パイロットシンボル群に当該パイロットシンボル群中の少なくとも1つのシンボルのコピーをサイクリックプレフィックスとして付加し、
前記送信手段は、さらに、前記サイクリックプレフィックスが付加された前記複数のパイロットシンボル群を複数のアンテナからそれぞれ送信する
ことを特徴とする請求項2記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記サイクリックシフト手段は、さらに、前記複数のパイロットシンボル群のうちの少なくとも1つのパイロットシンボル群を予め定められたシンボル数分サイクリックシフトし、
前記付加手段は、前記サイクリックシフトされたパイロットシンボル群を含む前記複数のパイロットシンボル群のそれぞれに前記サイクリックプレフィックスを付加することを特徴とする請求項5記載の無線通信装置。
【請求項7】
複数のパイロットシンボル群と、複数の時空間符号化シンボル群を受信する受信手段と、
前記複数のパイロットシンボル群を用いて伝送路推定を行う伝送路推定手段と、
前記複数のパイロットシンボル群のうちの少なくとも1つのパイロットシンボル群から得られた伝送路推定結果を位相回転する補償手段と、
前記位相回転された伝送路推定結果を用いて、前記複数の時空間符号化シンボル群を時空間復号し、複数のシンボル群を得る時空間復号手段と、
を含む無線通信装置。
【請求項8】
前記時空間復号手段で得られた前記複数のシンボル群を、周波数ドメインの信号から時間ドメインの信号へ変換する変換手段と、
時間ドメインの信号に変換された前記複数のシンボル群を復調する復調手段と、
をさらに含む請求項7記載の無線通信装置。
【請求項9】
請求項5記載の無線通信装置の送信手段から送信された、複数のパイロットシンボル群と、複数の時空間符号化シンボル群を受信する受信手段と、
前記複数のパイロットシンボル群を用いて伝送路推定を行う伝送路推定手段と、
前記複数のパイロットシンボル群のうちの少なくとも1つのパイロットシンボル群から得られた伝送路推定結果を位相回転する補償手段と、
前記位相回転された伝送路推定結果を用いて、前記複数の時空間符号化シンボル群を時空間復号し、複数のシンボル群を得る時空間復号手段と、
を含む無線通信装置。
【請求項10】
第1のシンボル群及び第2のシンボル群を生成する第1の生成ステップと、
前記第1及び第2のシンボル群を時空間符号化して、複数の時空間符号化シンボル群をそれぞれ含む2つの系列を生成する第2の生成ステップと、
前記2つの系列のうちの少なくとも一方の系列中の各時空間符号化シンボル群を予め定められたシンボル数分サイクリックシフトするシフトステップと、
サイクリックシフトされた系列を含む前記2つの系列の各時空間符号化シンボル群に、当該時空間符号化シンボル群中の少なくとも1つのシンボルのコピーをサイクリックプレフィックスとして付加する付加ステップと、
前記サイクリックプレフィックスが付加された前記2つの系列を複数のアンテナからそれぞれ送信する送信ステップと、
を含む無線送信方法。
【請求項11】
複数のシンボル群を生成する第1の生成ステップと、
前記複数のシンボル群を時空間符号化して、複数の時空間符号化シンボル群をそれぞれ含む複数の系列を生成する第2の生成ステップと、
前記複数の系列のうちの少なくとも1つの系列中の各時空間符号化シンボル群を予め定められたシンボル数分サイクリックシフトするシフトステップと、
サイクリックシフトされた系列を含む前記複数の系列の各時空間符号化シンボル群に、当該時空間符号化シンボル群中の少なくとも1つのシンボルのコピーをサイクリックプレフィックスとして付加する付加ステップと、
前記サイクリックプレフィックスが付加された前記複数の系列を複数のアンテナからそれぞれ送信する送信ステップと、
を含む無線送信方法。
【請求項12】
前記シフトステップで前方へサイクリックシフトされる各系列に予め定められた前方サイクリックシフト量の和は、P+1シンボル(Pはサイクリックプレフィックスとして用いるシンボル数)であることを特徴とする請求項11記載の無線送信方法。
【請求項13】
前記シフトステップで後方へサイクリックシフトされる各系列に予め定められた後方サイクリックシフト量の和は、M−(P+1)シンボル(Pはサイクリックプレフィックスとして用いるシンボルの数、Mは前記複数のシンボル群のそれぞれに含まれているシンボル数)であることを特徴とする請求項11記載の無線送信方法。
【請求項14】
複数のパイロットシンボル群を生成する第3の生成ステップをさらに含み、
前記付加ステップは、さらに、各パイロットシンボル群に当該パイロットシンボル群中の少なくとも1つのシンボルのコピーをサイクリックプレフィックスとして付加し、
前記送信ステップは、さらに、前記サイクリックプレフィックスが付加された前記複数のパイロットシンボル群を複数のアンテナからそれぞれ送信する
ことを特徴とする請求項11記載の無線送信方法。
【請求項15】
前記シフトステップは、さらに、前記複数のパイロットシンボル群のうちの少なくとも1つのパイロットシンボル群を予め定められたシンボル数分サイクリックシフトし、
前記付加ステップは、前記サイクリックシフトされたパイロットシンボル群を含む前記複数のパイロットシンボル群のそれぞれに前記サイクリックプレフィックスを付加することを特徴とする請求項14記載の無線送信方法。
【請求項16】
複数のパイロットシンボル群と、複数の時空間符号化シンボル群を受信する受信ステップと、
前記複数のパイロットシンボル群を用いて伝送路推定を行う伝送路推定ステップと、
前記複数のパイロットシンボル群のうちの少なくとも1つのパイロットシンボル群から得られた伝送路推定結果を位相回転する補償ステップと、
前記位相回転された伝送路推定結果を用いて、前記複数の時空間符号化シンボル群を時空間復号し、複数のシンボル群を得る時空間復号ステップと、
を含む無線受信方法。
【請求項17】
前記時空間復号ステップで得られた前記複数のシンボル群を、周波数ドメインの信号から時間ドメインの信号へ変換する変換ステップと、
時間ドメインの信号に変換された前記複数のシンボル群を復調する復調ステップと、
をさらに含む請求項16記載の無線受信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−33665(P2009−33665A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−197894(P2007−197894)
【出願日】平成19年7月30日(2007.7.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】