説明

無線通信装置及びプログラム

【課題】通信相手に適した応答待機時間の設定を可能とし、ユーザの使い勝手を向上させること。
【解決手段】タイムアウト時間に応じて通信相手とのデータの送受信を無線通信で行なう無線部14と、通信相手毎にデータの送受信の動作履歴情報を記憶する記憶部11と、無線部により無線通信を行う通信相手に対する前記記憶部に記憶されている動作履歴情報に基づいて、タイムアウト時間を変更する制御部10と、を備える無線通信装置1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、データを送信する側の無線通信装置(イニシエータ)と、当該データを受信する側の無線通信装置(ターゲット)と、の間における近距離で双方向の通信を行う近距離無線通信規格として、国際標準規格「ISO/IEC IS 18092」として承認されたNFC(Near Field Communication)や、RFID(Radio Frequency Identification)等がある。
【0003】
このような近距離無線通信規格に基づく無線通信システムでは、無線通信装置間でのデータの送信が時間的に重ならならず公平に通信を開始できるように、データを送信できる時間が規定されている。
【0004】
例えば、NFCを用いた無線通信システムでは、タイムアウト値(RWT;Response Waiting Time)と拡張タイムアウト計数(RTOX;Response timeout extension)とにより、応答信号を待機する時間(応答待機時間)が60段階に設定可能となっている。
【0005】
また、RFIDを用いた無線通信システムでは、最大連続送信時間と最小送信停止時間とが規定されており、空きチャンネルからの送信を開始した後にタグの無応答状態を検出した場合、無応答状態の経過時間がタイムアウト時間を満了した場合にはタグへの通信を停止したり、タイムアウトの発生頻度等に応じてタイムアウト時間を設定したりする技術が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−241392
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、NFCを用いた無線通信システムでは、予め応答待機時間が設定されているため、通信状態や取り扱うデータ量等の動作条件が通信相手毎に異なる場合には、適宜、ユーザが応答待機時間を変更する作業が発生している。
また、特許文献1のような技術では、タイムアウトの発生頻度等に応じてタイムアウトの時間を一義的に設定するものにすぎず、動作条件が通信相手毎に異なる場合には、通信相手に応じた適正なタイムアウトの時間が設定されるまでに時間がかかり、使い勝手のよいものではないという問題がある。
【0008】
本発明の課題は、上記問題に鑑みて、通信相手に適した応答待機時間の設定を可能とし、ユーザの使い勝手を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上の課題を解決するため、請求項1記載の発明は、連続した処理が実行可能な時間を制限する応答待機時間に応じて、通信相手とのデータの送受信を無線通信で行なう無線部と、前記通信相手毎に、前記データの送受信の動作履歴情報を記憶する記憶部と、前記動作履歴情報を前記通信相手毎に収集し、当該収集した動作履歴情報を前記記憶部に記憶させ、前記無線部により無線通信を行う通信相手に対する前記記憶部に記憶されている動作履歴情報に基づいて、前記応答待機時間を変更する制御部と、を備える無線通信装置であることを特徴としている。
更に、コンピュータを上述した請求項1記載の発明に示した主要手段として機能させるためのプログラムを提供する(請求項7記載の発明)。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の無線通信装置において、前記動作履歴情報には、前記応答待機時間を経過してもデータを送受信できなかった応答待機回数を示す情報が含まれており、前記制御部は、前記動作履歴情報に含まれている応答待機回数が、予め設定された応答待機回数よりも大きい場合、前記応答待機時間を増加して変更すること、を特徴としている。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載の無線通信装置において、前記動作履歴情報には、前記データの送受信で発生した通信エラーの回数を示す情報が含まれており、前記制御部は、前記動作履歴情報に含まれている通信エラーの回数が、予め設定された通信エラーの回数よりも大きい場合、前記応答待機時間を減少して変更すること、を特徴としている。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の無線通信装置において、前記記憶部は、前記通信相手毎に応答待機時間を記憶しており、前記制御部は、前記応答待機時間を変更した場合、前記無線部にて無線通信を行う通信相手に対する前記記憶部に記憶している応答待機時間を書き換えること、を特徴としている。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の無線通信装置において、前記制御部は、前記応答待機時間を変更した場合、前記無線部にて無線通信を行う通信相手に対する前記記憶部に記憶している前記動作履歴情報を初期状態に戻すこと、を特徴としている。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の無線通信装置において、指示信号が入力される入力部と、前記応答待機時間を表示する表示部と、を備え、前記制御部は、前記応答待機時間を変更する場合、変更前の応答待機時間及び変更後の応答待機時間を前記表示部に表示させ、前記入力部により応答待機時間の変更を示す指示信号が入力された場合、前記応答待機時間を変更すること、を特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、通信相手に適した応答待機時間の設定が可能となり、ユーザの使い勝手を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施の形態1における無線通信システムの概略構成図である。
【図2】第1無線通信装置の概略構成図である。
【図3】実施の形態1における動作履歴テーブルの例を示す図である。
【図4】無線部の内部構成図である。
【図5】実施の形態1における動作履歴情報生成処理のフローチャートである。
【図6】実施の形態1におけるタイムアウト時間設定処理のフローチャートである。
【図7】タイムアウト時間確認画面の例を示す図である。
【図8】実施の形態2における動作履歴テーブルの例を示す図である。
【図9】実施の形態2における動作履歴情報生成処理のフローチャートである。
【図10】実施の形態2におけるタイムアウト時間設定処理のフローチャートである。
【図11】実施の形態3における動作履歴テーブル130の例を示す図である。
【図12】実施の形態3におけるタイムアウト時間設定処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、この発明にはこの実施の形態に限定されるものではない。また、この発明の実施の形態は、発明の最も好ましい形態を示すものであり、この発明の用語はこれに限定されない。
【0018】
[実施の形態1]
まず、構成を説明する。
図1に、本実施の形態1における無線通信システムAの概略構成図を示す。
図1に示すように、無線通信システムAは、第1無線通信装置1と、複数の第2無線通信装置2a、2bとから構成されている。
【0019】
本実施の形態1における第1無線通信装置1は、第2無線通信装置2a、2bとの間でNFC(Near Field Communication)等による近距離無線通信を行う機能を有する。例えば、第1無線通信装置1として、画像を撮像して画像データを生成し送信する撮像装置、第2無線通信装置2a、2bとして、受信した画像データに画像処理等を施すPC(Personal Computer)等を用いることができる。なお、第2無線通信装置2a、2bは、第1無線通信装置1と同様の機能を有する構成であってもよい。
本実施の形態1では、第1無線通信装置1において、通信相手(第2無線通信装置2a又は第2無線通信装置2b)とデータの送受信を近距離無線通信で行なう場合について説明する。
【0020】
NFCは、単一の無線周波数を使用した電磁誘導による近接通信の通信プロトコルである。NFCで使用される無線周波数としては、例えば、ISM帯の13.56MHz等である。NFCでは、データを送信する側の装置をイニシエータ、データを受信する側の装置をターゲットと称する。
【0021】
図2に、第1無線通信装置1の概略構成図を示す。
図2では、第1無線通信装置1を、近距離無線通信を用いて第2無線通信装置2a、2bに画像データ等を送信するデジタルカメラ等の撮像装置とした場合の概略構成図である。図2に示すように、第1無線通信装置1は、制御部10、記憶部11、表示部12、入力部13、無線部14、撮像部15等を備え、各部が電気的に接続されている。
【0022】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備える。制御部10は、記憶部11に記憶されている各種プログラム、各種テーブルやデータ等の中から指定されたプログラム、テーブルやデータを読み出し、RAM又は記憶部11のワークエリアに展開し、上記プログラムとの協働によって各種処理を実行し、その処理結果をRAM内又は記憶部11の所定の領域に格納するとともに、第1無線通信装置1内の各部に指示して、第1無線通信装置1の動作全般を統括的に制御する。
【0023】
また、制御部10は、記憶部11に記憶されている動作履歴生成処置プログラム、タイムアウト時間設定処理プログラムや各種必要なデータ等をROM又は記憶部11から読み出し、動作履歴生成処理、タイムアウト時間設定処理を実行する。
【0024】
動作履歴生成処理では、データを送受信した際の動作履歴情報が通信相手毎に収集され、当該通信相手毎に収集された動作履歴情報が記憶部11の動作履歴テーブルに記憶される。動作履歴生成処理では、タイムアウト時間設定処理において、タイムアウト時間が変更された場合、無線部14にて無線通信を行う通信相手に対する動作履歴情報が初期状態に戻りリセットされる。
【0025】
本実施の形態1のおける動作履歴生成処理では、動作履歴情報として、タイムアウト時間が経過してもデータを送受信できなかった応答待機回数(タイムアウト回数)が通信相手毎に収集され、動作履歴テーブルに記憶される。
【0026】
図3に、本実施の形態1における動作履歴テーブル110の例を示す。
図3に示すように、動作履歴テーブル110は、通信相手の識別情報、設定タイムアウト回数、拡張タイムアウト係数、動作履歴情報等を示す各種フィールドから構成された通信相手毎のレコードから成る。
【0027】
通信相手の識別情報を示すフィールド111には、通信相手となる第2無線通信装置のアドレスや識別番号等が格納されている。設定タイムアウト回数を示すフィールド112には、通信相手毎に予め設定されているタイムアウト回数が格納されている。拡張タイムアウト係数を示すフィールド113には、タイムアウト時間設定処理によって算出された拡張タイムアウト係数が格納されている。なお、タイムアウト時間設定処理が実行されていない場合には、予め設定された初期値が拡張タイムアウト係数を示すフィールド113に格納されている。動作履歴情報を示すフィールド114には、タイムアウト回数を示す情報が含まれている。
【0028】
タイムアウト時間設定処理では、無線部14により無線通信が行われる通信相手に対する記憶部11に記憶されている動作履歴情報に基づいて、タイムアウト時間が変更される。タイムアウト時間設定処理では、タイムアウト時間が変更された場合、無線部14にて無線通信を行う通信相手に対する記憶部11に記憶されている拡張タイムアウト係数が書き換えられ、タイムアウト時間が変更され再設定される。
【0029】
本実施の形態1におけるタイムアウト時間設定処理では、動作履歴情報に含まれているタイムアウト回数が、設定タイムアウト回数よりも大きくなる場合、拡張タイムアウト係数が大きくなり、タイムアウト時間が増加される。
【0030】
タイムアウト時間とは、データの送信可能な時間を制限する応答待機時間である。タイムアウト時間Tは、タイムアウト値(RWT)と、拡張タイムアウト係数(RTOX)と、に基づいて下記の式で定義されており、拡張タイムアウト係数を変更することにより複数段階に変更可能である。
なお、タイムアウト時間Tの予め設定された最大値をTmaxとする。
【0031】
T=RWT×RTOX≦Tmax
RWT=(256×16/f)×2WT
f;搬送波周波数(NFCの場合は13.56[MHz])
WT;0〜14の予め設定された値
RTOX=1〜59
【0032】
記憶部11は、磁気的、光学的記録媒体又は半導体等の電気的に消去及び書き換えが可能な不揮発性メモリで構成されており、第1無線通信装置1に固定的に設けられたもの又は着脱自在に装着されるものである。また、記憶部11には、制御部10により実行される各種プログラム、動作履歴生成処置プログラム、タイムアウト時間設定処理プログラム及びこれらプログラムで使用される各種テーブル、動作履歴テーブルやデータ等が記憶されている。
【0033】
表示部12は、LCD(Liquid Crystal Display)やEL(Electro Luminescence)ディスプレイ等によって構成され、制御部10から入力される信号に応じて各種情報を表示する。
【0034】
入力部13は、テンキーや文字入力キー等の各種入力キーを有するキーや、位置信号の入力を受け付けるポインティングデバイス等を備え、キーから入力されたキー入力信号や、ポインティングデバイスに入力された位置信号を指示信号として制御部10に出力する入力部として機能する。
【0035】
無線部14は、タイムアウト時間に応じて、通信相手とのデータの送受信をNFCで行う。
図4に、無線部14の内部構成図を示す。
図4に示す無線部14は、BPSK(Binary Phase Shift Keying)変調部141、ASK(Amplitude Shift Keying)変調部142、ASK復調部143、BPSK復調部144、アンテナ145を備える。
【0036】
BPSK変調部141は、送信するデータの位相を変調する。ASK変調部142は、送信するデータの振幅を変調する。ASK復調部143は、受信したデータの振幅を復調する。BPSK復調部144は、受信したデータの位相を復調する。
なお、変調方式として、上記に限定されるもではなく、その他を利用することが可能である。
【0037】
撮像部15は、レンズ部と、電子撮像部等を備えて構成され、被写体を撮影する機能を有する。
レンズ部は、ズームレンズやフォーカスレンズ等の複数のレンズや、複数のレンズを通過する光の量を調整する絞り等を備えている。
電子撮像部は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-oxide Semiconductor)等のイメージセンサから構成され、レンズ部の各種レンズを通過した光学像を、二次元のデジタル画像データに変換して取得する。取得されたデジタル画像データは、記憶部11に一時的に記憶される。
【0038】
次に、本実施の形態1の動作を説明する。
本実施の形態1における図5、6に示す各ステップの処理は、プログラムにより記述され、コンピュータとしての制御部10が読み取り可能な記憶部11に格納されている。このプログラムは、制御部10によりメモリから読み出され、制御部10を当該フローチャートに示す各処理をして機能させる。
【0039】
図5に、本実施の形態1における動作履歴情報生成処理のフローチャートを示す。
なお、図5に示す処理は、第1無線通信装置内の制御部10と各部との協働により実行されるものである。
【0040】
制御部10は、電源が供給されると起動し(ステップT1)、無線部14との協働により、データの送受信を行なう通信相手を特定する(ステップT2)。
【0041】
制御部10は、タイムアウト時間設定処理において、タイムアウト時間Tが変更されて再設定されたか否かを判別する(ステップT3)。タイムアウト時間Tが再設定された場合(ステップT3;YES)、制御部10は、記憶部11内の動作履歴テーブル110を参照し、ステップT2で特定した通信相手に対するタイムアウト回数Nをリセット(N=0)する(ステップT4)。
【0042】
タイムアウト時間Tが再設定されていない場合(ステップT3;NO)又はステップT4後、制御部10は、タイムアウト時間Tの計時を開始する(ステップT5)。
ステップT5では、記憶部11内の動作履歴テーブル110が参照され、ステップT2で特定された通信相手に対する拡張タイムアウト係数が読み出され、当該読み出された拡張タイムアウト係数に基づいてタイムアウト時間Tが算出される。そして、無線部14によりデータが送信されると、当該算出されたタイムアウト時間Tの計時が開始される。
【0043】
制御部10は、無線部14が送信したデータに対する応答信号を受信したか否かを判別する(ステップT6)。応答信号を受信していない場合(ステップT6;NO)、制御部10は、タイムアウト時間Tが経過したか否かを判別する(ステップT7)。タイムアウト時間Tが経過していない場合(ステップT7;NO)、制御部10は、ステップT6の処理に戻る。
【0044】
タイムアウト時間Tが経過した場合(ステップT7;YES)、制御部10は、記憶部11内の動作履歴テーブル110を参照し、ステップS2で特定した通信相手に対するタイムアウト回数Nを1カウント増加させる(インクリメントする(N=N+1))(ステップT8)。
【0045】
応答信号を受信した場合(ステップT6;YES)又はステップT8後、制御部10は、ステップT2で特定した通信相手との通信が終了したか否かを判別する(ステップT9)。通信が終了していない場合(ステップT9;NO)、制御部10は、ステップT5の処理に戻る。通信が終了した場合(ステップT9;YES)、制御部10は、動作履歴情報生成処理を終了する。
【0046】
図6に、本実施の形態1におけるタイムアウト時間設定処理のフローチャートを示す。
制御部10は、電源が供給されると起動し(ステップS1)、無線部14を介したリーダ/ライタの動作を開始する(ステップS2)。
【0047】
ステップS2では、制御部10と無線部14との協働により、データの送受信を行なう通信相手が特定され、特定された通信相手との通信が確立される。
例えば、第1無線通信装置1が第2無線通信装置2aに近づき、第1無線通信装置1の無線部14から送信されたポーリングデータに対する応答信号が第2無線通信装置2aから送信され、第1無線通信装置1と第2無線通信装置2aとの間でNFC通信の確立が行われる。
なお、このときに用いられるタイムアウト時間の拡張タイムアウト係数は、予め設定された初期値である。
【0048】
ステップS2後、制御部10は、拡張タイムアウト係数(RTOX=n)の設定を行なう(ステップS3)。
ステップS3では、記憶部11内の動作履歴テーブル110が参照され、ステップS2で特定した通信相手に対する拡張タイムアウト係数が選択され、選択された拡張タイムアウト係数nが設定される。なお、ステップS2で特定した通信相手に対する拡張タイムアウト係数が無い場合(例えば、初めて通信を行う場合)、予め設定された初期値が設定される。
【0049】
制御部10は、タイムアウト回数を選択し(ステップS4)、選択したタイムアウト回数を、設定タイムアウト回数として設定する(ステップS5)。
【0050】
ステップS4、S5では、記憶部11内の動作履歴テーブル110が参照され、ステップS2で特定した通信相手に対する設定タイムアウト回数が選択され、当該選択された設定タイムアウト回数が設定される。なお、ステップS2で特定した通信相手に対する設定タイムアウト回数が無い場合(例えば、初めて通信を行う場合)、予め設定されたタイムアウト回数が設定される。
【0051】
制御部10は、記憶部11内の動作履歴テーブル110からステップS2で特定した通信相手に対する動作履歴情報を読み出し(ステップS6)、動作履歴情報を解析して、ステップS2で特定した通信相手に対するタイムアウト回数Nを取得する(ステップS7)。
【0052】
制御部10は、ステップS7の解析により取得したタイムアウト回数Nが、ステップS5で設定した設定タイムアウト回数よりも大きいか否かを判別する(ステップS8)。
タイムアウト回数Nが設定タイムアウト回数以下の場合(ステップS8;NO)、制御部10は、タイムアウト時間設定処理を終了する。
【0053】
タイムアウト回数Nが設定タイムアウト回数よりも大きい場合(ステップS8;YES)、制御部10は、拡張タイムアウト係数を算出する(ステップS9)。
【0054】
ステップS9では、ステップS2で設定した拡張タイムアウト係数(RTOX=n)が、n+1以上の値となるように算出され、拡張タイムアウト係数が増加される。ステップS9での拡張タイムアウト係数の増加量は、例えば、予め設定された値(1以上)や、タイムアウト回数Nと設定タイムアウト回数との差分値に応じて設定された値(1以上)である。
【0055】
制御部10は、ステップS9後、予め設定されているタイムアウト値RWTと、ステップS9で算出した拡張タイムアウト係数RTOXと、に基づいてタイムアウト時間Tを算出し(ステップS10)、表示部12にタイムアウト時間確認画面を表示させる(ステップS11)。
【0056】
図7に、ステップS11で表示されるタイムアウト時間確認画面の例を示す。
図7に示すように、タイムアウト時間確認画面G1には、第1表示領域E1、第2表示領域E2、OKボタンB1、NGボタンB2が設けられている。
OKボタンB1が押下されることにより、タイムアウト時間を変更する指示信号が受け付けられ、NGボタンB2が押下されることにより、タイムアウト時間を変更しない指示信号が受け付けられる。
【0057】
第1表示領域E1には、現在設定されているタイムアウト時間、即ち、OKボタンB1が押下されることにより変更されるタイムアウト時間の変更前のタイムアウト時間が表示されている。第2表示領域E2には、ステップS10で算出したタイムアウト時間、即ち、OKボタンB1が押下されることにより変更されるタイムアウト時間の変更後のタイムアウト時間が表示される。
【0058】
制御部10は、OKボタンが押下されたか否かを判別する(ステップS12)。
OKボタンが押下されずNGボタンが押下された場合(ステップS12;NO)、制御部10は、タイムアウト時間設定処理を終了する。
【0059】
OKボタンが押下された場合(ステップS12;YES)、制御部10は、ステップS9で算出した拡張タイムアウト係数をステップS2で特定した通信相手の拡張タイムアウト係数として記憶部11内の動作履歴テーブル110に書き換え、タイムアウト時間をステップS10で算出したタイムアウト時間に変更して再設定し(ステップS13)、タイムアウト時間設定処理を終了する。
【0060】
以上のように、本実施の形態1によれば、無線部14により無線通信を行う通信相手の動作履歴情報(タイムアウト回数)に基づいて拡張タイムアウト係数を算出し、当該拡張タイムアウト係数により算出されたタイムアウト時間に変更してデータの送受信を行なうことができるため、通信相手に適した応答待機時間(タイムアウト時間)の設定ができ、ユーザの使い勝手を向上させることができる。
【0061】
タイムアウト回数が多い場合には、タイムアウト時間内でデータの送受信が完了できていない可能性が高いため、動作履歴情報に含まれているタイムアウト回数が設定タイムアウト回数よりも大きい場合には、タイムアウト時間を増加することで、タイムアウト時間を長くしてデータの送受信を行なう時間を増やすことができ、再送受信を行なう機会を減少させて円滑な通信を実現できる。
【0062】
また、通信相手毎に記憶されている拡張タイムアウト係数を、当該通信相手のタイムアウト時間が変更される度に書き替えることができるため、通信相手の最新の通信状態に適したタイムアウト時間で、データの送受信を行なうことができる。
【0063】
また、タイムアウト時間を変更した場合に動作履歴情報(タイムアウト回数N)を初期状態(N=0)に戻すことで、変更された新たなタイムアウト時間でのデータ送受信のタイムアウト回数をカウントすることができ、設定された新たなタイムアウト時間でのデータ送受信の動作履歴情報に基づいて、タイムアウト時間を変更することができる。
【0064】
更に、タイムアウト時間を変更する場合、変更前のタイムアウト時間及び変更後のタイムアウト時間を表示部12に表示でき、入力部13によりタイムアウト時間の変更を示すOKボタンが押下された場合にタイムアウト時間を変更することができるため、変更前後のタイムアウト時間をユーザに視認させることができると共に、タイムアウト時間の変更をユーザの意図で実行でき、ユーザの使い勝手を向上させることができる。
【0065】
[実施の形態2]
まず、構成を説明する。
本実施の形態2における無線通信システムの概略構成は、図1に示す実施の形態1における無線通信システムの概略構成と同様であるため、図示及び説明は省略する。
【0066】
本実施の形態2における第1無線通信1の概略構成は、実施の形態1と同様であるため、図示及び同様の部分の説明は省略し、異なる部分のみ説明する。
【0067】
制御部10は、記憶部11に記憶されている動作履歴生成処置プログラム、タイムアウト時間設定処理プログラムや各種必要なデータ等をROM又は記憶部11から読み出し、動作履歴生成処理、タイムアウト時間設定処理を実行する。
【0068】
動作履歴生成処理では、データを送受信した際の動作履歴情報が通信相手毎に収集され、当該通信相手毎に収集された動作履歴情報が記憶部11の動作履歴テーブルに記憶される。動作履歴生成処理では、タイムアウト時間設定処理において、タイムアウト時間が変更された場合、無線部14にて無線通信を行う通信相手に対する動作履歴情報が初期状態に戻りリセットされる。
【0069】
本実施の形態2のおける動作履歴生成処理では、動作履歴情報として、データの送受信で発生した通信エラーの回数を示す情報(通信エラー回数)が通信相手毎に収集され、動作履歴テーブルに記憶される。
【0070】
図8に、本実施の形態2における動作履歴テーブル120の例を示す。
図8に示すように、動作履歴テーブル120は、通信相手の識別情報、設定通信エラー回数、拡張タイムアウト係数、動作履歴情報等を示す各種フィールドから構成された通信相手毎のレコードから成る。
通信相手の識別情報を示すフィールド121と拡張タイムアウト係数を示すフィールド123とは、実施の形態1の動作履歴テーブル110の通信相手の識別情報を示すフィールド111と拡張タイムアウト係数を示すフィールド113と同様であるため、説明は省略する。
【0071】
設定通信エラー回数を示すフィールド122には、通信相手毎に予め設定されている通信エラー回数が格納されている。
動作履歴情報を示すフィールド124には、通信エラー回数を示す情報が含まれている。通信エラー回数は、通信エラーの種類毎に発生回数が示されている。通信エラーの種類としては、データの欠落、接続拒否等の通信状態が不安定であったり通信相手側のメモリ不足や通信相手側の通信機能に問題が発生したりしている場合等により生じるエラーである。
【0072】
タイムアウト時間設定処理では、無線部14により無線通信が行われる通信相手に対する記憶部11に記憶されている動作履歴情報に基づいて、タイムアウト時間が変更される。タイムアウト時間設定処理では、タイムアウト時間が変更された場合、無線部14にて無線通信を行う通信相手に対する記憶部11に記憶されている拡張タイムアウト係数が書き換えられ、タイムアウト時間が変更され再設定される。
【0073】
実施の形態2におけるタイムアウト時間設定処理では、動作履歴情報に含まれている通信エラー回数が、設定通信エラー回数よりも大きくなる場合、拡張タイムアウト係数が小さくなり、タイムアウト時間が減少される。
タイムアウト時間については、実施の形態1と同様であるため、説明は省略する。
【0074】
次に、本実施の形態2の動作を説明する。
本実施の形態2における図9、10に示す各ステップの処理は、プログラムにより記述され、コンピュータとしての制御部10が読み取り可能な記憶部11に格納されている。このプログラムは、制御部10によりメモリから読み出され、制御部10を当該フローチャートに示す各処理をして機能させる。
【0075】
図9に、本実施の形態2における動作履歴情報生成処理のフローチャートを示す。
なお、図9に示す処理は、第1無線通信装置内の制御部10と各部との協働により実行されるものである。
【0076】
ステップT11〜T13は、実施の形態1の図5に示すステップT1〜T3と同様であるため、説明は省略する。
【0077】
タイムアウト時間Tが再設定された場合(ステップT13;YES)、制御部10は、記憶部11内の動作履歴テーブル120を参照し、ステップT12で特定した通信相手に対する通信エラー回数Mをリセット(M=0)する(ステップT14)。
ステップT14の通信エラー回数Mは、各種通信エラーの発生回数の総数である。
ステップT14では、動作履歴テーブル120の動作履歴情報を示すフィールド124内のステップT2で特定した通信相手に対する各種通信エラーの発生回数が全て「0」に設定される。
【0078】
制御部10は、無線部14による通信が開始すると(ステップT15)、通信エラーが発生したか否かを判別する(ステップT16)。
【0079】
通信エラーが発生した場合(ステップT16;YES)、制御部10は、記憶部11内の動作履歴テーブル120を参照し、ステップS12で特定した通信相手に対する通信エラー回数Mを1カウント増加させる(インクリメントする(M=M+1))(ステップT17)。
ステップT17では、例えば、発生した通信エラーの種類がデータの欠落である場合、動作履歴テーブル120の動作履歴情報のフィールド124の「データ欠落」フィールド内のカウント値がインクリメントされる。
【0080】
通信エラーが発生していない場合(ステップT16;NO)又はステップT17後、制御部10は、制御部10は、ステップT12で特定した通信相手との通信が終了したか否かを判別する(ステップT18)。通信が終了していない場合(ステップT18;NO)、制御部10は、ステップT16の処理に戻る。通信が終了した場合(ステップT18;YES)、制御部10は、動作履歴情報生成処理を終了する。
【0081】
図10に、本実施の形態2におけるタイムアウト時間設定処理のフローチャートを示す。ステップS21〜S23は、実施の形態1の図6に示すステップS1〜S3と同様であるため、説明は省略する。
【0082】
制御部10は、通信エラー回数を選択し(ステップS24)、選択した通信エラー回数を、設定通信エラー回数として設定する(ステップS25)。
【0083】
ステップS24、S25では、記憶部11内の動作履歴テーブル120が参照され、ステップS22で特定した通信相手に対する設定通信エラー回数が選択され、当該選択された設定通信エラー回数が設定される。なお、ステップS22で特定した通信相手に対する設定通信エラー回数が無い場合(例えば、初めて通信を行う場合)、予め設定された通信エラー回数が設定される。
【0084】
制御部10は、記憶部11内の動作履歴テーブル120からステップS22で特定した通信相手に対する動作履歴情報を読み出し(ステップS26)、動作履歴情報を解析して、ステップS22で特定した通信相手に対する通信エラー回数Mを取得する(ステップS27)。
ステップS27では、制御部10は、動作履歴情報を示すフィールド内の各種通信エラーのエラー発生回数を合算して、通信エラー回数Mを算出する。
【0085】
制御部10は、ステップS27の解析により取得した通信エラー回数が、ステップ25で設定した設定通信エラー回数よりも大きいか否かを判別する(ステップS28)。
通信エラー回数Mが設定通信エラー回数以下の場合(ステップS28;NO)、制御部10は、タイムアウト時間設定処理を終了する。
【0086】
通信エラー回数Mが設定通信エラー回数よりも大きい場合(ステップS28;YES)、制御部10は、拡張タイムアウト係数を算出する(ステップS29)。
【0087】
ステップS29では、ステップS23で設定した拡張タイムアウト係数(RTOX=n)が、n−1以下の値となるように算出され、拡張タイムアウト係数が減少される。拡張タイムアウト係数nの減少量は、例えば、予め設定された値(1以上)や、通信エラー回数と閾値との差分値に応じて設定された値(1以上)である。
【0088】
ステップS30〜S33は、実施の形態1の図6に示すステップS10〜13と同様であるため、説明は省略する。
【0089】
以上のように、本実施の形態2によれば、無線部14により無線通信を行う通信相手の動作履歴情報(通信エラー回数)に基づいて拡張タイムアウト係数を算出し、当該拡張タイムアウト係数により算出されたタイムアウト時間に変更してデータの送受信を行なうことができるため、通信相手に適した応答待機時間(タイムアウト時間)の設定ができ、ユーザの使い勝手を向上させることができる。
【0090】
通信エラー回数が多い場合には、通信状態が不安定であったり、通信相手側のメモリ不足や通信相手側の通信機能に問題が発生したりしている可能性が高いため、動作履歴情報に含まれている通信エラー回数が設定通信エラー回数よりも大きい場合、タイムアウト時間を減少することにより、タイムアウト時間を短くしてデータの送受信を再試行する機会を増やすことができ、通信エラーが発生しにくい通信確立状態を確保できる可能性を高めることができる。
【0091】
また、通信相手毎に記憶されている拡張タイムアウト係数を、当該通信相手のタイムアウト時間が変更される度に書き替えることができるため、通信相手の最新の通信状態に適したタイムアウト時間で、データの送受信を行なうことができる。
【0092】
また、タイムアウト時間を変更した場合に動作履歴情報(通信エラー回数M)を初期状態(M=0)に戻すことで、変更された新たなタイムアウト時間でのデータ送受信の通信エラー回数をカウントすることができ、設定された新たなタイムアウト時間でのデータ送受信の動作履歴情報に基づいて、タイムアウト時間を変更することができる。
【0093】
更に、タイムアウト時間を変更する場合、変更前のタイムアウト時間及び変更後のタイムアウト時間を表示部12に表示でき、入力部13によりタイムアウト時間の変更を示すOKボタンが押下された場合にタイムアウト時間を変更することができるため、変更前後のタイムアウト時間をユーザに視認させることができると共に、タイムアウト時間の変更をユーザの意図で実行でき、ユーザの使い勝手を向上させることができる。
【0094】
[実施の形態3]
まず、構成を説明する。
本実施の形態3における無線通信システムの概略構成は、図1に示す実施の形態1における無線通信システムの概略構成と同様であるため、図示及び説明は省略する。
【0095】
本実施の形態3における第1無線通信1の概略構成は、実施の形態1と同様であるため、図示及び同様の部分の説明は省略し、異なる部分のみ説明する。
【0096】
制御部10は、記憶部11に記憶されている動作履歴生成処置プログラム、タイムアウト時間設定処理プログラムや各種必要なデータ等をROM又は記憶部11から読み出し、動作履歴生成処理、タイムアウト時間設定処理を実行する。
【0097】
動作履歴生成処理では、データを送受信した際の動作履歴情報が通信相手毎に収集され、当該通信相手毎に収集された動作履歴情報が記憶部11の動作履歴テーブルに記憶される。動作履歴生成処理では、タイムアウト時間設定処理において、タイムアウト時間が変更された場合、無線部14にて無線通信を行う通信相手に対する動作履歴情報が初期状態に戻りリセットされる。
【0098】
本実施の形態3のおける動作履歴生成処理では、動作履歴情報として、タイムアウト時間が経過してもデータを送受信できなかった応答待機回数(タイムアウト回数)と、データの送受信で発生した通信エラーの回数を示す情報(通信エラー回数)と、が通信相手毎に収集され、動作履歴テーブルに記憶される。
【0099】
図11に、本実施の形態3における動作履歴テーブル130の例を示す。
図11に示すように、動作履歴テーブル130は、通信相手の識別情報、設定タイムアウト回数、設定通信エラー回数、拡張タイムアウト係数、動作履歴情報等を示す各種フィールドから構成された通信相手毎のレコードから成る。
【0100】
通信相手の識別情報を示すフィールド131、設定タイムアウト回数を示すフィールド132、拡張タイムアウト係数を示すフィールド134は、実施の形態1の動作履歴テーブル110の通信相手の識別情報を示すフィールド111、設定タイムアウト回数を示すフィールド112、拡張タイムアウト係数を示すフィールド113と同様であるため、説明は省略する。また、設定通信エラー回数を示すフィールド132は、実施の形態2の動作履歴テーブル120の設定通信エラー回数を示すフィールド122と同様であるため、説明は省略する。
【0101】
動作履歴情報を示すフィールド115には、タイムアウト回数を示す情報と、通信エラー回数を示す情報と、が含まれている。タイムアウト回数は、タイムアウト時間を経過してもデータを送受信できなかったカウント回数を示す応答待機回数である。
通信エラー回数は、通信エラーの種類毎に発生回数が示されている。通信エラーの種類は、実施の形態2と同様である。
【0102】
タイムアウト時間設定処理では、無線部14により無線通信が行われる通信相手に対する記憶部11に記憶されている動作履歴情報に基づいて、タイムアウト時間が変更される。タイムアウト時間設定処理では、タイムアウト時間が変更された場合、無線部14にて無線通信を行う通信相手に対する記憶部11に記憶されている拡張タイムアウト係数が書き換えられ、タイムアウト時間が変更され再設定される。
【0103】
実施の形態3におけるタイムアウト時間設定処理では、動作履歴情報に含まれているタイムアウト回数が、設定タイムアウト回数よりも大きくなる場合、拡張タイムアウト係数が大きくなり、タイムアウト時間が増加される。また、動作履歴情報に含まれている通信エラー回数が、予め設定された閾値よりも大きくなる場合、拡張タイムアウト係数が小さくなり、タイムアウト時間が減少される。
タイムアウト時間については、実施の形態1と同様であるため、説明は省略する。
【0104】
次に、本実施の形態3の動作を説明する。
本実施の形態3における図12に示す各ステップの処理は、プログラムにより記述され、コンピュータとしての制御部10が読み取り可能な記憶部11に格納されている。このプログラムは、制御部10によりメモリから読み出され、制御部10を当該フローチャートに示す各処理をして機能させる。
【0105】
本実施の形態3における、動作履歴生成処理は、実施の形態1の動作履歴生成処置と、実施の形態2の動作理的生成処理とが個別に実行され、それぞれの処理結果が動作履歴テーブル130に通信相手毎に対応付けられて格納されるものである。従って、本実施の形態3における動作履歴生成処理については、図示及び説明は省略する。
【0106】
図12に、本実施の形態3におけるタイムアウト時間設定処理のフローチャートを示す。ステップS41〜S43は、実施の形態1の図6に示すステップS1〜S3と同様であるため、説明は省略する。
【0107】
制御部10は、タイムアウト回数及び通信エラー回数を選択し(ステップS44)、選択したタイムアウト回数及び通信エラー回数を、設定タイムアウト回数及び設定通信エラー回数として設定する(ステップS45)。
【0108】
ステップS44、S45では、記憶部11内の動作履歴テーブル130が参照され、ステップS42で特定した通信相手に対する設定タイムアウト回数及び設定通信エラー回数が選択され、当該選択された設定タイムアウト回数及び設定通信エラー回数が設定される。なお、ステップS42で特定した通信相手に対する設定タイムアウト回数又は設定通信エラー回数が無い場合(例えば、初めて通信を行う場合)、予め設定された値が設定される。
【0109】
制御部10は、記憶部11内の動作履歴テーブル130からステップS42で特定した通信相手に対する動作履歴情報を読み出し(ステップS46)、動作履歴情報を解析して、ステップS42で特定した通信相手に対するタイムアウト回数N及び通信エラー回数Mを取得する(ステップS47)。
【0110】
ステップS48、S49は、実施の形態1の図6に示すステップS8、S9と同様であるため、説明は省略する。
【0111】
また、タイムアウト回数Nが設定タイムアウト回数以下の場合(ステップS48;NO)に進むステップS51、S51は、実施の形態2の図10に示すステップ28、29と同様であるため、説明は省略する。
【0112】
ステップS52〜S55は、実施の形態1の図6に示すステップS10〜13と同様であるため、説明は省略する。
【0113】
以上のように、本実施の形態3によれば、無線部14により無線通信を行う通信相手の動作履歴情報(タイムアウト回数、通信エラー回数)に基づいて拡張タイムアウト係数を算出し、当該拡張タイムアウト係数により算出されたタイムアウト時間に変更してデータの送受信を行なうことができるため、通信相手に適した応答待機時間(タイムアウト時間)の設定ができ、ユーザの使い勝手を向上させることができる。
【0114】
また、本実施の形態3によれば、実施の形態1及び実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
【0115】
本実施の形態において、図5、6、9、10、12に示すフローチャートに記述されている各機能は、コンピュータ(CPU)が読み取り可能なプログラムコードの形態で記録媒体(記憶部11)に格納されており、このプログラムコードにしたがったコンピュータ(CPU)による処理動作が実行される。なお、伝送媒体を介して外部より伝送されてきた上述のプログラムコードに従ってコンピュータ(CPU)による処理動作を実行することもでき、このような伝送媒体も含めて、本実施の形態では記録媒体と定義する。
【符号の説明】
【0116】
1 第1無線通信装置
2a、2b 第2無線通信装置
10 制御部
11 記憶部
110、120、130 動作履歴テーブル
12 表示部
13 入力部
14 無線部
141 BPSK変調部
142 ASK変調部
143 ASK復調部
144 BPSK復調部
145 アンテナ
15 撮像部
B1 OKボタン
B2 NGボタン
E1 第1表示領域
E2 第2表示領域
G1 タイムアウト時間確認画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続した処理が実行可能な時間を制限する応答待機時間に応じて、通信相手とのデータの送受信を無線通信で行なう無線部と、
前記通信相手毎に、前記データの送受信の動作履歴情報を記憶する記憶部と、
前記動作履歴情報を前記通信相手毎に収集し、当該収集した動作履歴情報を前記記憶部に記憶させ、前記無線部により無線通信を行う通信相手に対する前記記憶部に記憶されている動作履歴情報に基づいて、前記応答待機時間を変更する制御部と、
を備えること、
を特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
前記動作履歴情報には、
前記応答待機時間を経過してもデータを送受信できなかった応答待機回数を示す情報が含まれており、
前記制御部は、
前記動作履歴情報に含まれている応答待機回数が、予め設定された応答待機回数よりも大きい場合、前記応答待機時間を増加して変更すること、
を特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記動作履歴情報には、
前記データの送受信で発生した通信エラーの回数を示す情報が含まれており、
前記制御部は、
前記動作履歴情報に含まれている通信エラーの回数が、予め設定された通信エラーの回数よりも大きい場合、前記応答待機時間を減少して変更すること、
を特徴とする請求項1又は2に記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記記憶部は、
前記通信相手毎に応答待機時間を記憶しており、
前記制御部は、
前記応答待機時間を変更した場合、前記無線部にて無線通信を行う通信相手に対する前記記憶部に記憶している応答待機時間を書き換えること、
を特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記応答待機時間を変更した場合、前記無線部にて無線通信を行う通信相手に対する前記記憶部に記憶している前記動作履歴情報を初期状態に戻すこと、
を特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の無線通信装置。
【請求項6】
指示信号が入力される入力部と、
前記応答待機時間を表示する表示部と、を備え、
前記制御部は、
前記応答待機時間を変更する場合、変更前の応答待機時間及び変更後の応答待機時間を前記表示部に表示させ、前記入力部により応答待機時間の変更を示す指示信号が入力された場合、前記応答待機時間を変更すること、
を特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の無線通信装置。
【請求項7】
コンピュータを、
連続した処理が実行可能な時間を制限する応答待機時間に応じて、通信相手とのデータの送受信を無線通信で行なう無線手段、
前記通信相手毎に、前記データの送受信の動作履歴情報を記憶する記憶手段、
前記動作履歴情報を前記通信相手毎に収集し、当該収集した動作履歴情報を前記記憶部に記憶させ、前記無線部により無線通信を行う通信相手に対する前記記憶手段に記憶されている動作履歴情報に基づいて、前記応答待機時間を変更する制御手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2011−77736(P2011−77736A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−225728(P2009−225728)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】