説明

照射露光精密制御装置並びに方法

【解決課題】実質的全光を少なくとも2つの光路に反射する反射ピクセル式空間光変調器を含んだ照射露光制御システムが開示されている。
【解決手段】少なくとも1光路は光伝播光路として作用し、光線を照射する。少なくとも他の1つの光路は非光伝播光路として作用し、光線の伝播を妨害する。照射露光制御システムは高速露光作用と露光時間及び露光頻度あるいは露光順序の精密制御を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高速で作動し、極性化光に限定されず、高パワー光源でも利用可能であり、照射の露光時間を正確に制御できるシャッターに関わる。
【0002】
関連出願
本願は2003年9月26日出願の米国仮特許願60/506120の優先権を主張する。
【背景技術】
【0003】
撮像、測定または化学反応あるいは生物反応を開始させる目的で、時に、物体、状況、組織サンプルまたは生体サンプル、化学組成物その他を光で照射することが必要となる。これら目的のためには、対象物または状況を照明する照射量の調整が重要である。照射量調整の最も一般的な方法は、光源エネルギーを変化させるか、照射時間の制御である。
【0004】
多くの照射源ではその出力エネルギーを変えることは実用的ではなく、あるいは不可能である。出力エネルギーを変えることができる照射源もあるが、精度が劣る。
【0005】
シャッターの使用が照射時間の制御による照射量の制御には最も一般的である。シャッターは良く知られており、撮像センサーの照射時間並びに被写体の照射時間を制御する。
【0006】
シャッターは2つの状態を有する装置である。すなわち、開放状態と閉鎖状態である。シャッターは、開放状態では光路に沿って光を伝播させ、閉鎖状態では、光路を遮断し、光の伝播を妨害する。換言すれば、シャッターは開いて光を通過させ、閉じて光をブロックする。典型的なシャッターは機械式、電気機械式、あるいは固形体である。電気機械式シャッターはマイクロプロセッサ制御下で作動されることが多く、シャッターの開放時間と閉鎖時間が決定される。
【0007】
多くの場合、照射は高速のオン/オフ切替を必要とする。その際、回転盤に円形に配された複数の開口部を有したシャッターがしばしば利用される。そのようなシャッターは“チョッパホイール”として一般的に知られている。チョッパホイールの弱点は露光頻度を変更することなく露光時間を変更するのが不可能なことである。あるいは、露光時間を変更することなく露光頻度を変更するのが不可能なことである。
【0008】
デジタル光プロセッサ(DLP、ピクセル式空間光変調器(SLM))に関わる問題はコントラストの欠如であった。ミラーアレイに照射するエネルギーの大半はDLPのミラーによって制御下で反射されるが、少量の光は、ミラーのミクロ変形部と、ミラー間及びミラー下側の電気部品及び機械部品に照射されることによって不完全に反射される。この結果、それら表面や光伝播通路から少量の不都合な光拡散が発生する。これら装置のコントラスト比は歴史的に約400:1であったが、近年の改善で1000:1程度になった。コントラスト比の質はDLPに照射する光の角度に依存し、光が複数の角度で照射されると劣化する。
【0009】
従って、一様タイプのDLPをシャッターとして使用することの限界は、オフ状態であってもそれらが少量の光を通過させ、いくつかの利用形態には適さないことである。
【0010】
現在の多くの利用形態では、電気機械式シャッターは充分な速度や時間の精度を提供できない。その理由の1つは、多くの電気機械式シャッターが電気信号で起動される小型ソレノイドの作用で作動される金属葉体を含んでいるからである。これら部材は小型軽量であるが、光の通過をブロックあるいはブロック解除のために動き出す際には不都合な慣性が作用する。この慣性作用時間は短いが、シャッターが実際に開閉するには一定の時間が必要である。このため、露光時間が100ミリ秒(1/秒)以下に接近すると、これらシャッターの精度が劣化する。
【0011】
このことはまた、実現可能な最短露光時間も限定する。
【0012】
このレベルの露光制御を提供する1つの試みは、シャッターとして液晶のごとき固体状装置を使用することであった。液晶は電気信号に反応して極性を変えることができる。極性化された光が液晶に向けられると、液晶が同一極性を有していれば光は液晶を通過するが、極性が光の通過に反すれば光はブロックされる。
【0013】
液晶シャッターは、照射する照射光が極性化されて制御可能となり、多くの光源の出力を低減させ、極性化光が不都合な場合には利用できないようにすることを要件とする。液晶シャッターは加熱しやすい。なぜなら、それらが通過しない光を吸収するため吸収光の消費を管理しなければならず、高パワー光源が必要な場合には適さない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
高速で作動し、極性化光に限定されず、高パワー光源でも利用可能であり、照射の露光時間を正確に制御できるシャッターは開発されていなかった。本発明はそれら及び他の利点を提供する。
【0015】
本発明は非常に正確で素早いシャッターを提供する。このシャッターは、照射または他の非撮像目的に使用される光線の切替え速度と露光時間の正確な制御が可能な照射露光制御システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は照射源からの第1光線を受領し、その光線をピクセル式空間光変調器(SLM)に向ける方法、装置及びシステムを提供する。ピクセル式SLMからの望まれる光は集光され、第2ピクセル式SLMに向けられる。第1ピクセル式SLMと第2(あるいはそれ以上)のピクセル式SLMは別体の装置でも構わず、同一装置の別領域であってもよい。第2ピクセル式SLOMからの光は集光され、下流光線となる。ここではそれをシャッター処理光線と呼称する。シャッター処理光線は照射露光制御システムから放光される。
【0017】
第1ピクセル式SLMはSLMに照射する実質的に全光を少なくとも2つの異なる光路に反射または拒絶する。実施例によっては、少なくとも1つの光路は光源に反射せず、光を第1ピクセル式SLMから第2ピクセル式SLMに伝播する伝播光路として作用する。他方の光路は非伝播光路として作用し、反射したエネルギーを収容部または代用伝播光路に向けることができる。望むなら、第1SLMまたは第2SLMからの異なる光路のいずれも光源には反射させないようにできる。
【0018】
第2ピクセル式SLMはSLMに照射された実質的に全光を少なくとも2つの光路に反射する。少なくとも1つの光路は第1ピクセル式SLMには反射せず、光を照射露光制御システムから外部に投光する伝播光路として作用する。他の光路は少なくとも1つの非伝播光路として作用し、反射光エネルギーを収容体や検出器等に反射することができる。
【0019】
典型的には、ピクセル式空間光変調器は正方形または長方形の装置(他の形状でも可)であり、意のままにオン/オフに切り替えられる多数のミクロピクセルを含む。一部のピクセルをオン状態にし、他のピクセルをオフ状態にすると空間光変調器は、ピクセル式SLMのその部分への照射光が伝播するか否かを制御することができる。伝播は、テキサスインスツルメント社が製造するデジタル光プロセッサ(SLP)のごときミクロ電気機械システム(MEMS)のように可動ミラーで光を異なる光路に向けることでも制御できる。
【0020】
実施例によっては、DLPはデジタル式ミクロミラー装置やシリコン上の液晶(LCOS)装置のごとき反射装置であり、ピクセル式液晶ダイオードやピクセル式ミクロシャッターのような透過性装置ではない。よって、それらは非伝播エネルギーを吸収する問題は有さない。それらは作用が素早く、商品的に信頼性が高い。
【0021】
コントラスト比を向上させる1方法は複数のDLP表面を順番に使用することである。この方法によって、第1DLP表面のコントラスト比に第2DLP表面のコントラスト比が掛け算される。よって、コントラスト比1000:1のDLPが、理論的コントラスト比の約1000000:1のシャッターを提供するのに使用できる。しかし実際には、他の要因がこれを達成可能なコントラスト比である、例えば100000:1以下に減少させる。5オーダから6オーダ規模の光ブロックは大抵の場合に充分である。もし、さらなるブロックが望まれるなら、さらなるDLP表面が利用できる。
【0022】
ピクセル式SLMのミラーは異なる光路間で前後に素早く切り替えることが可能であるため、反射光線は伝播光路と非伝播光路との間、あるいは複数の伝播光線間で前後に変更できる。
【0023】
ピクセル化SLMを含んだ露光制御システムは低コストであり、撮像、測定または化学あるいは生物反応を開始させるような種々な目的のために注意深く制御された露光時間を提供するのに貢献する。
【0024】
ピクセル式SLMを含んだ露光制御システムは低コストであるため、撮像、測定または化学反応や生物反応の開始のごとき種々な目的で正確に制御された露光時間を提供する効果的な方法が提供される。
【0025】
ピクセル式SLMはコントローラに接続可能である。コントローラはコンピュータ利用可能なプログラムを含み、ピクセル式SLMのピクセルのオン/オフパターンを制御する。コントローラはシステムの残り部分のいかなる望ましい位置にでも設置できる。例えば、コントローラはSLMシャッターを含んだ照明器具のケース内か、SLMに近接して維持される。あるいは遠隔的にシステムの残り部分にてワイヤ、光ファイバー、携帯電話リンクあるいは無線リンクで維持できる。望むなら、典型的には1体のコンピュータであるが、複数のリンクされたコンピュータ、複数の非リンクコンピュータ、コンピュータとは別体のコンピュータチップ、あるいは適当なコントローラ装置であるコントローラは、特殊照射特性、すなわち、特殊な望む照射時間と露光頻度とを提供するコンピュータ用プログラムを含むこともできる。
【0026】
露光時間と露光頻度は周期的でも、制御下で変更するものでも、場合によっては随意的なものであってもよい。例えば、複雑な化学反応のための露光は化学反応の過程で時間によって異なる露光時間を必要とするであろう。
【0027】
1特徴において本発明は、種々な選択露光時間と種々な選択露光間隔を提供する露光制御システムを提供する。この露光制御システムは次を含む光路を含む。
【0028】
a.望む場合、光路に沿って進む光源からの照射光線を受領するように設計された入力部;
b.光源の下流に配置され、光学的に光源に接続された第1ピクセル式SLM(反射ピクセル式SLM等)であり、ピクセル式SLMに照射される実質意的全光を反射するものであり、少なくとも片方は光源に光を反射して戻さない第1光路と第2光路との間で光線から光を反射または伝達するように切替可能なものSLM。第1ピクセル式SLMはデジタルミクロミラー装置またはシリコン装置その他上の液晶でよい。第1ピクセル式SLMはピクセル式SLM内のピクセルのオン/オフパターンを制御する少なくとも1つのコントローラに作動式に接続され、光線を少なくとも第1反射光路または第2反射光路に反射する;
c.望む場合、第2光路または望むなら反射光路からの光線を(第2ピクセル式SLMに)向ける少なくとも1つの光学部品;
d.第1ピクセル式SLMの下流で第1ピクセル式SLMに光学的に接続された第2ピクセル式SLMであって、ピクセル式SLM上に照射される実質的全光を反射し、少なくとも一方は第1ピクセル式SLMに反射して戻さない少なくとも第3光路と第4光路との間で光線から光を反射するように切り替え可能な第2ピクセル式SLM。第2ピクセル式SLMはデジタルミクロミラー装置、LCOS、ミクロシャッター等でよい。第2ピクセル式SLMは、ピクセル式SLM内のピクセルのオン/オフパターンを制御する少なくとも1つのコントローラに作動式に接続され、光線を第3反射光路または第4反射光路に反射する。本発明の実施例によっては、第1ピクセル式SLMと第2ピクセル式SLMは同一ピクセル式SLMの第1領域と第2領域でよく、第1コントローラと第2コントローラは同一コントローラでよい;
e.第4光路または望むなら他の光路から光を受領し、望んだ光線あるいはシャッター処理光線として照射制御システムから放光させる出力部。
【0029】
実施例によっては、このシステムは、第2の望む反射光路内を進まない光を第2反射ピクセル式SLMにまで進行しないようにブロックするバリヤをさらに含む。実施例によっては、このバリヤはミラーアレイまたはプリズムアレイであり、不都合な光を第2反射ピクセル式SLMから反射させる。あるいはバリヤは不都合な光を吸収する吸光部品でもよい。不都合な光をブロックする他の部品でも構わない。
【0030】
本発明の実施例によっては、入力光線は焦点すべく集束する光線でもよく、あるいは平行光線または非集束光線でもよい。
【0031】
実施例によっては、このシステムの入力ポートは、レーザービームのごとき細い入力光線を拡張する光学部品をさらに含んでおり、光線内のエネルギーを反射ピクセル式SLMの広範囲にわたって広げることができる。システムの出力ポートはさらに、光線を細い出力光線に変形させる光学部品を含むことができる。
【0032】
実施例によっては、このシステムの入力ポートは、入力光線を焦点させるか平行にする光学部品をさらに含んでいる。このシステムの出力ポートは出力ビームを焦点させるか平行にする光学部品をさらに含んでいる。光線を第2反射光路から第2反射ピクセル式SLMに向ける光学部品は平坦反射面であってもよく、あるいは反射曲面でもプリズムでもよく、あるいは光線の形状操作及び方向付けする別型の光学部品でもよい。
【0033】
実施例によっては、第2反射光路からの光を方向付ける光学部品は存在しない。このような実施例では、第2反射光路は第2反射ピクセル式SLMにまで直接的に進行する。実施例によっては、このシステムは光線をサンプル処理する検出器をさらに含むことができる。検出器は有用なフィードバックを提供できる。例えば、露光制御のタイミングに対して提供できる。実施例によっては、コントローラはコンピュータプログラムを含み、反射ピクセル式SLM内のピクセルのオン/オフパターンを制御することができる。
【0034】
別の特徴では、本発明は入力ポートの上流に位置する光源を含む。その光源はレーザー、キセノンアーク灯、水銀アーク灯、タングステンフィラメント灯、金属ハロゲン化物灯、蛍光灯、赤外線源、ガス放出管、発光ダイオード、または光線にすることができるどのような光源であってもよい。本発明のこれら及び他の特徴と実施例は本明細書中に記載されている。本説明は本発明の様々な特徴及び実施態様を提供する。それらの組合せ並びに変更は適宜可能である。さらに、本明細書中で様々な参考文献が紹介されている。そのような文献の内容を本願に援用する。それら文献には、US特許6781691、US特許願10/893132(2004年7月16日出願)「照明光の濃縮及び形状化に関する装置と方法」、US特許願(2004年9月27日出願)「色彩画像エンドスコープシステムに関する装置及び方法」、US特許願(2004年9月27日出願)「光治療、光力学治療及び診断を実行する装置と方法」並びにUS特許願(2004年9月27日出願)「性能向上したスペクトル測定システムに関連する装置と方法」がある。
【0035】
詳細な説明
本発明は照射露光制御システムを提供する。このシステムは、少なくとも2つのピクセル式空間光変調器(SLM)を直列に含んでいる。SLMは光源からの実質的全光を反射または拒絶する。その光はスペクトルに形成でき、少なくとも2つの異なる光路に方向付けすることができる。そして少なくともその一方は光源に戻らない。少なくとも1つの光路は伝播光路として作用し、発光システムからの光線を伝送する。非伝播光路として少なくとも1つの他の光路が存在でき、不都合な光線がシステムから伝送されるのを防止し、あるいは他形態の利用のために異なる光路に沿って伝送されるのを防止する。照射露光制御システムは高速露光動作と、露光時間並びに露光頻度または露光順序の精密制御を提供する。
【0036】
このシステムは別システムの一部であることも、照明体または他の適当な光源の一部であってもよい。
【0037】
定義
以下にて本明細書中で使用されるいくつかの用語の定義を提供する。それら用語を含めて本文で使用されている用語は特に記載がないかぎり通常の意味で使用されている。
【0038】
「コントローラ」とは本装置及び方法にて使用される空間光変調器、検出器等の機器である。「コントローラ」はコンピュータ用プログラムを含んでいるか、それにリンクされている。典型的には、コントローラはコンピュータや、CPU等の他の装置を含んでおり、他の装置に指示してピクセル式SLMのピクセルのオン/オフパターン、ピクセル式光検出器(電荷カップリング装置(CCD)等)、電荷注入デバイス(CID)またはコンプレメンタリ酸化金属半導体(CMOS)及び/又は検出器から得られたコンパイルデータの制御のごとき特定機能を、上流空間光変調器を制御するためのフィードバック等のデータを使用する等で実行させる。コンピュータは暗号化データを保存できる電子デバイスを含んでおり、高速にて数学的操作または論理的操作を実行するようにプログラムできる。コントローラは当業界ではよく知られており、本発明の特定の特徴に合わせた望ましいコントローラの選択は当該技術の範囲内である。
【0039】
「空間光変調器」(SLM)は選択的に光を変調できる装置である。本発明は照射システムの光路に提供された1体または複数体の空間光変調器を含んでいる。ピクセル式空間光変調器は独立ピクセルのアレイを含む。ピクセルとはスポットであり、光通過特性を有し、光路に沿って光を反射あるいは伝送し、あるいは光をブロックして光路での進行を妨害する。そのようなピクセル式アレイはよく知られている。マルチパターンアパーチャアレイとも呼称されており、強誘電液晶デバイス、電気泳動表示器または静電ミクロシャッターのアレイで形成できる。米国特許5587832、5121239、R.ブエレウミール、「新電気機械ミクロシャッター表示装置」(ユーロディスプレー誌84年、表示研究会議9月1984年)参照。
【0040】
反射ピクセル式SLMは、少なくとも1つのオン状態とオフ状態間の切り替え可能な高反射性ミラーのアレイを含んでいる。例えば、少なくとも2つの異なる反射角度間、または存在と非存在との間で切り替えできる。反射ピクセル式SLMの例には、デジタル式ミクロミラー装置(DMS)、シリコン上液晶(LCOS)装置及び他のミクロ電気機械構造体(MEMS)がある。DMDはテキサスインスツルメント社から入手できる。DMD実施例では、ミラーは3状態を有する。“0”状態では、ミラーはアレイ面に平行であり、アレイから直角光を入射方向に反射して戻す。第1エネルギー化状態すなわち“−10”状態では、ミラーはアレイ面に対して“−10°”に固定される。第2エネルギー化状態すなわち“+10”状態では、ミラーはアレイ面に対して“+10°”に固定される。他のずれ角でも可能であり、この装置の別形態で可能である。ミラーがオン状態のとき、そのミラーを照射する光は照射光路に向けられる。ミラーがオフ位置にあるとき、光は照射光路から離れる。オンとオフは選択でき、エネルギー化または非エネルギー化状態に対応する。あるいはオンとオフは異なるエネルギー化状態に対応するように選択できる。望めば、投射光路から離れる光も集光でき、いかなる望む目的にでも利用できる(換言すれば、DMDまたは他のSLMは同時的に、または連続的に複数の有用な光路を提供する)。DMDのパターンは複数のスペクトルと密度の提供を同時的または連続的に提供するように設計されており、DMDの異なる部分は複数の異なる投射光路に沿った投射または撮像目的に使用できる。
【0041】
「照射光路」とは光源から標的までの光路である。「検出光路」とは検出器に対して発生される光の光路である。「光」は紫外線(UV)、青色光線、可視光線、近赤外線(NIR)及び赤外線(IR)を含む。
【0042】
「上流」及び「下流」は通常の意味で使用される。すなわち上流とは装置が光源に近いことを示し、下流とは光源からさらに離れていることを示す。
【0043】
本発明の範囲は手段プラス機能の概念及び方法プラス機能の概念が含まれる。しかし、本明細書で使用される用語は、「手段」が特に言及されていない限り、「手段プラス機能」を請求項で意図しない。同様に、本明細書で使用される用語は、「方法」が請求項に明記されていない限り「方法プラス機能」を意図しない。一方「方法」と明記されていれば、「方法プラス機能」が意図される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
本願の他の用語は上記の定義に基づいて解釈される。
【0045】
図に関しては、図1は、可変である選択された露光時間と露光頻度を有した光を提供する照射露光制御システムを概略的に示す。光源は入力ポートの上流端に提供されており、入力ポートを通って照射露光制御システムに入光する光線2を発生し、反射ピクセル式SLM1に方向付けられている。
【0046】
光線2は反射ピクセル式SLM1で反射され、SLMの構成要素であるミラーがオン位置であるとき伝播光路3に沿って進行する。光路3は出力ポート方向に向けられ、そこから光線はシステム外に放射させる。
【0047】
光線2は反射ピクセル式SLM1で反射され、SLMの構成要素であるミラーがオフ位置にあるとき非伝播光路4に沿って進行する。実施例によっては、光路4は、光が熱等となって吸収減衰される光トラップのごとき収容器の方向に向けられる。実施例によっては、光路4は、例えば、照射露光制御タイミングに対して、有用なフィードバックを提供できる検出器に向けることができる。
【0048】
反射ピクセル式SLM1は伝播光路3と非伝播光路4との間で自由に切り替えられる。
【0049】
本実施例では、光路には増強光学部品が存在しない。他の実施例では、光線2または光線3あるいは光線4は、光を伝達するか反射する光学部品で形状付与または方向付けされる。光の焦点用、拡張用、平行処理用等のレンズ、ミラー、フィルターあるいは他のどのような適した光学部品であっても利用可能である。よって、光は増強光学部品により、伝達または反射その他によって通過される。
【0050】
大抵の実施例では、第2反射ピクセル式SLMは第1反射ピクセル式SLMの下流側に位置する。これによって改良されたコントラスト比が提供できる。図2は同反射ピクセル式化SLM上で第1表面及び第2表面として利用される第1反射ピクセル式SLM1と第2反射ピクセル式SLM20を概略的に図示する。図示の実施例では、第1面と第2面との間に、第1面から第2面への不都合な光移動を妨害するための光バリヤ6が提供されている。他の実施例では、さらなる反射ピクセル式SLMを第1反射ピクセル式SLMと第2反射ピクセル式SLMの下流側に追加することでコントラスト比はさらに改善される。実施例によっては、これら追加反射ピクセル式SLMは1体または複数体の反射ピクセル式SLM上の別表面領域として利用される。
【0051】
図3は第2反射ピクセル式SLMが第1反射ピクセル式SLMの下流に位置する実施例を概略的に図示する。この実施例では、2つの反射ピクセル式SLMは同反射ピクセル式SLM上の2つの別表面として利用され、それら2面は光バリヤ6で分離されている。第1反射ピクセル式SLM1は伝播光路9の光を、光路11の光を第2反射ピクセル式SLM20に提供する光学部品8の方向に反射する。この実施例では、光学部品は平坦ミラーである。他の実施例では光学部品は湾曲ミラーまたは他の光学部品あるいは光線を反射できる光学部品の組み合わせでよい。第2反射ピクセル式SLM20は、SLMの反射要素がオン位置であるとき伝播光路3の光を出力ポート側に反射し、SLMの反射要素がオフ位置であるとき非伝播光路5の光を反射する。
【0052】
図4は同SLM上で2つの別々の表面として2つの反射ピクセル式SLM1と20を備えた1実施例を概略的に図示する。この実施例では、第1反射ピクセル式SLM1で反射した電波光路9は、光線を光学部品8の方向で伝播光路10内に向ける光学部品7の方向に向けられる。光学部品8は光を第2反射ピクセル式SLM20の側の伝播光路11に向ける。この実施例では、光学部品7と8は平坦ミラーである。他の実施例では、これら光学部品はプリズム、湾曲ミラーその他の光学部品またはそれらの組み合わせて、光路を光路9から光路11に向けることができるものである。この実施例では、2つの表面1と20は、反射プリズムアレイの光バリヤ6で分離される。他の光バリヤ材料や、少なくとも1つの列がオフ位置にされた形態でも利用できる。光バリヤ6は第1反射ピクセル式SLM1で反射された非伝播光路4を非伝播光路12に反射する。光バリヤは第2反射ピクセル式SLM20で反射された非伝播光路5を非伝播光路13に反射する。非伝播光路12と13は光学部品7と8を通過しない方向で進行し、実質的に非電波光路の光のいずれも伝播光路に加わらせない。
【0053】
図5は図4のものに機能的に類似しているが、異なる光路形態である1実施例を概略的に図示する。
【0054】
図6は、第1反射ピクセル式SLMと第2反射ピクセル式SLMが別々の反射ピクセル式SLMである1実施例を概略的に図示する。この実施例では、第1反射ピクセル式SLM1で反射された伝播光路9は第2反射ピクセル式SLM20に直行する方向に向けられ、第2反射ピクセル式SLM20は出力ポート方向に向けられている。
【0055】
ほとんどの実施例では、非伝播光路は不都合なエネルギーの消費に利用でき、別の照射光路を提供し、検出光を提供して、不都合な光または望ましい光のサンプルが得られるようにすることができる(望む部分はサンプル可能である。なぜなら、照射光路のピクセルのオン状態/オフ状態がセット可能であり、望む部分を分析のために検出器に送ることができ、続いて照射光路に戻すことができるからである)。
【0056】
別の特徴では、方法は本明細書のデバイスの製造ステップを含む。さらに、生体組織サンプル、生体内組織、医療患者または、景観等の非医療患者のごとき対象物の照射が含まれる。対象物の照射の実施例によっては、方法は(a)光路に沿い、光線を受領するように設計された第1ピクセル式SLMを介して光線を方向付けるステップを含む。第1ピクセル式SLMは光を遮蔽し、第1ピクセル式SLM上にシャッター処理光線として照射された希望光だけを通過させる。さらに、(b)第1ピクセル式SLMからの部分的に遮蔽された光線を受領するように設計された第2ピクセル式SLMを介して、部分的に遮蔽された光線を方向付け、第2ピクセル式SLMを照射する希望光だけをシャッター処理光線として通過させるステップを含んでいる。第1ピクセル式SLMと第2ピクセル式SLMは、第1ピクセル式SLMと第2ピクセル式SLM内のピクセルのオン/オフパターンを制御し、実質的に同一シャッター形態を提供し、光線または部分的に遮蔽された光線から実質的に同一パターンの不都合な光を同時的に拒絶し、希望光を、実質的に希望する選択された光出力のみで成るシャッター処理光線として通過させるコンピュータ利用可能なプログラムを搭載した少なくとも1つのコントローラと接続している。
【0057】
方法はさらに、第2ピクセル式SLMを越えて光線を方向付けする前に、光線からスペクトルを提供し、シャッター処理光線が本質的に選択スペクトル出力と選択波長依存密度分布で成るように、光線をプリズムや回折格子のごときスペクトル形成具を介して方向付けするステップを含むことができる。光線は、第1ピクセル式SLM及び第2ピクセル式SLMと同じ容器内で、それらの上流に位置する光源から得ることができる。スペクトル形成具は少なくともプリズムと回折格子のいずれか一方でよい。方法は、光線をスペクトル形成具と少なくとも第2ピクセル式SLMとの間の光学部品によって通過させ、実質的に増強されたスペクトル画像を提供するステップをさらに含むことができる。方法はまた、第2ピクセル式SLMの下流側に位置する照射装置でシャッター処理光線を通過させ、光を方向付けされた光線として照射するステップも含むことができる。
【0058】
シャッター処理光線は、知られた電灯、陰極線管画像表示装置、光放射性画像表示装置、光放射源、または天然光の少なくとも1つのスペクトル出力と波長依存密度分布を実質的に擬似するように選択できる。シャッター処理光線は、病気治療のための出力エネルギー、光力学治療、または病気診断のスペクトル出力と波長依存密度分布を実質的に擬似するように選択することができる。第1ピクセル式SLMと第2ピクセル式SLMは、デジタル式ミクロミラー装置、透過性SLM及びそれらの組み合わせのごとき反射SLMでよい。3以上のSLMでも構わない。第1ピクセル式SLMと第2ピクセル式SLMは単反射ピクセル式SLMの異なる部分であってもよい。それらは光ブロックバリヤを挟んで並べることができる。光ブロックバリヤは、オフ位置で設計された単反射ピクセル式SLMの少なくとも1列のピクセル、またはミラーから突起する物理的バリヤを含むことができる。その突起は少なくとも1つの反射プリズムアレイを含むことができる。
【0059】
以上の通り、いくつかの実施例が解説されているが、それらは本発明の説明のみを意図したものであり、本発明の限定は意図されず、本発明の範囲内においてそれら実施例の様々な変更は可能である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】図1はデジタル式ミクロミラー装置によって異なる方向に反射している光線の概略図である。
【図2】図2は本発明の1実施例による照射露光制御システムの概略図であり、単SLM装置の2領域で形成された2つのピクセル式SLMを含んでおり、領域の分離は光ブロックバリヤで増強されている。
【図3】図3は本発明の1実施例による照射露光制御システムの概略図であり、単SLM装置の2領域で形成された2つのピクセル式SLMを含んでおり、領域の分離は光ブロックバリヤで増強されており、光線は平坦ミラーによって第1領域から第2領域へと向けられている。
【図4】図4は本発明の1実施例による照射露光制御システムの概略図であり、単SLM装置の2領域で形成された2つのピクセル式SLMを含んでおり、領域の分離は光ブロックバリヤで増強されており、ブロックされた光と、2つの平坦ミラーによって第1領域から第2領域へと向けられている光線を再方向付けするプリズムアレイが含まれている。
【図5】図5は図4と類似するが、異なる光路形態を有している。他の光路形態でも可能である。
【図6】図6は2つのピクセル式SLMを含んだ本発明の1実施例による照射露光制御システムの概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
精密高速シャッター装置であって、
a)光源からの光を受領するように設計された第1ピクセル式空間光変調器(SLM)であって、該光をシャッター処理するものであり、一部遮断光線として前記第1ピクセル式SLM照射用の望まれる光のみを実質的に通過させる第1ピクセル式SLMと、
b)前記第1ピクセル式SLMからの前記一部遮断光線を受領するように設計された第2ピクセル式SLMであって、シャッター処理光線として該第2ピクセル式SLM照射用の望ましい光のみを実質的に通過させる第2ピクセル式SLMと、
を含んでおり、前記第1ピクセル式SLMと前記第2ピクセル式SLMは、同一シャッター形態を表示し、同時的に光源または第1ピクセル式SLMからの望まれない光の同一パターンを拒絶し、望ましい選択光出力のみで実質的に成るシャッター処理光線として望ましい光を通過させるために前記第1ピクセル式SLMと前記第2ピクセル式SLMのピクセルのオン/オフパターンを制御するコンピュータ用プログラムを搭載した少なくとも1つのコントローラに作動式に接続されていることを特徴とするシャッター装置。
【請求項2】
第1ピクセル式SLMの上流側に設置され、光源から第1ピクセル式SLMにスペクトルを提供するように設計されたスペクトル形成具をさらに含んでおり、第1ピクセル式SLMと第2ピクセル式SLMは、望ましい選択スペクトル出力と望ましい波長依存密度分布とで本質的に成る望ましい光部分を通過させるように設計されていることを特徴とする請求項1記載のシャッター装置。
【請求項3】
光源をさらに含み、スペクトル形成具はプリズムと回折格子の少なくとも一方を含んでいることを特徴とする請求項2記載のシャッター装置。
【請求項4】
第1ピクセル式SLMと第2ピクセル式SLMは反射SLMであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のシャッター装置。
【請求項5】
第1ピクセル式SLMと第2ピクセル式SLMは透過SLMであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のシャッター装置。
【請求項6】
第1ピクセル式SLMと第2ピクセル式SLMの一方は反射SLMであり、他方は透過SLMであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のシャッター装置。
【請求項7】
第1ピクセル式SLMと第2ピクセル式SLMは単反射SLMの異なる部分であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のシャッター装置。
【請求項8】
第1ピクセル式SLMと第2ピクセル式SLMは単反射SLM上で実質的に並んで提供されており、光ブロックバリヤを挟んでいることを特徴とする請求項7記載のシャッター装置。
【請求項9】
光ブロックバリヤは、オフ位置に設計された単反射ピクセル式SLMのピクセルの少なくとも1列を含んでいることを特徴とする請求項8記載のシャッター装置。
【請求項10】
光ブロックバリヤは少なくとも1つの反射プリズムアレイを含んでいることを特徴とする請求項8記載のシャッター装置。
【請求項11】
第1反射式ピクセル式SLMの下流側に設置された光投射装置をさらに含んでおり、方向付けられたシャッター処理光線として外部に投光することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のシャッター装置。
【請求項12】
望まれる光部分は病気治療のために出力エネルギーのスペクトル出力と波長依存密度分布とを実質的に擬似するように選択されることを特徴とする請求項2から11のいずれかに記載のシャッター装置。
【請求項13】
望まれる光部分は光力学治療のために出力エネルギーのスペクトル出力と波長依存密度分布とを実質的に擬似するように選択されることを特徴とする請求項2から11のいずれかに記載のシャッター装置。
【請求項14】
望まれる光部分は病気診断のために出力エネルギーのスペクトル出力と波長依存密度分布とを実質的に擬似するように選択されることを特徴とする請求項2から11のいずれかに記載のシャッター装置。
【請求項15】
望まれる光部分は組織内の望まれる対象体の検出または区別のためのコントラストを増強することができる出力エネルギーのスペクトル出力と波長依存密度分布とを実質的に擬似するように選択されることを特徴とする請求項2から11のいずれかに記載のシャッター装置。
【請求項16】
ピクセル式SLMはデジタル式ミクロミラー装置であることを特徴とする請求項1から15のいずれかに記載のシャッター装置。
【請求項17】
光投射し、精密高速なシャッター処理を実行する独立照射装置であって、少なくとも、
a)高出力光源と、
b)該光源からの光を受領するように設計された第1ピクセル式空間光変調器(SLM)であって、該光をシャッター処理するものであり、一部遮断光線として前記第1ピクセル式SLM照射用の望ましい光のみを実質的に通過させる第1ピクセル式SLMと、
c)前記第1ピクセル式SLMからの前記一部遮断光線を受領するように設計された第2ピクセル式SLMであって、シャッター処理光線として該第2ピクセル式SLM照射用の望ましい光のみを実質的に通過させる第2ピクセル式SLMと、
d)第1方向にて光学的にピクセル式SLMにその下流側で接続される光投射装置であって、その光景を照射するために方向付けられた光線として望ましい光部分を投光する光投射装置と、
を含んでおり、前記第1ピクセル式SLMと前記第2ピクセル式SLMは、同一シャッター形態を表示し、同時的に光源または第1ピクセル式SLMからの望まれない光の同一パターンを拒絶し、望ましい選択光出力のみで実質的に成るシャッター処理光線として望ましい光を通過させるために前記第1ピクセル式SLMと前記第2ピクセル式SLMのピクセルのオン/オフパターンを制御するコンピュータ用プログラムを搭載した少なくとも1つのコントローラに作動式に接続されていることを特徴とする照射装置。
【請求項18】
第1ピクセル式SLMの上流側に設置され、光源から第1ピクセル式SLMにスペクトルを提供するように設計されたスペクトル形成具をさらに含んでおり、第1ピクセル式SLMと第2ピクセル式SLMは、望ましい選択スペクトル出力と望ましい波長依存密度分布とで本質的に成る望ましい光部分を通過させるように設計されていることを特徴とする請求項17記載の照射装置。
【請求項19】
第1ピクセル式SLMにスペクトルの増強された画像を提供するスペクトル形成具にその下流側で作動式に接続された光学部品をさらに含んでいることを特徴とする請求項18記載の照射装置。
【請求項20】
第1ピクセル式SLMと第2ピクセル式SLMは反射SLMであることを特徴とする請求項17から19のいずれかに記載の照射装置。
【請求項21】
第1ピクセル式SLMと第2ピクセル式SLMは透過SLMであることを特徴とする請求項17から19のいずれかに記載の照射装置。
【請求項22】
第1ピクセル式SLMと第2ピクセル式SLMの一方は反射SLMであり、他方は透過SLMであることを特徴とする請求項17から19のいずれかに記載の照射装置。
【請求項23】
第1ピクセル式SLMと第2ピクセル式SLMは単反射SLMの異なる部分であることを特徴とする請求項17から20のいずれかに記載の照射装置。
【請求項24】
第1ピクセル式SLMと第2ピクセル式SLMは単反射式SLM上で実質的に並んで提供されており、光ブロックバリヤを挟んでいることを特徴とする請求項23記載の照射装置。
【請求項25】
光ブロックバリヤは、オフ位置に設計された単反射ピクセル式SLMのピクセルの少なくとも1列を含んでいることを特徴とする請求項24記載の照射装置。
【請求項26】
光ブロックバリヤは少なくとも1つの反射プリズムアレイを含んでいることを特徴とする請求項24記載の照射装置。
【請求項27】
望ましい光部分は病気治療のために出力エネルギーのスペクトル出力と波長依存密度分布とを実質的に擬似するように選択されることを特徴とする請求項18から26のいずれかに記載の照射装置。
【請求項28】
望ましい光部分は病気診断のために出力エネルギーのスペクトル出力と波長依存密度分布とを実質的に擬似するように選択されることを特徴とする請求項18から26のいずれかに記載の照射装置。
【請求項29】
望ましい光部分は光力学治療のために出力エネルギーのスペクトル出力と波長依存密度分布とを実質的に擬似するように選択されることを特徴とする請求項18から26のいずれかに記載の照射装置。
【請求項30】
望ましい光部分は組織内の望ましい対象体の検出または区別のためのコントラストを増強することができる出力エネルギーのスペクトル出力と波長依存密度分布とを実質的に擬似するように選択されることを特徴とする請求項18から26のいずれかに記載の照射装置。
【請求項31】
望ましい光部分は光景の望まれる対象体の検出または区別のためのコントラストを増強することができる出力エネルギーのスペクトル出力と波長依存密度分布とを実質的に擬似するように選択されることを特徴とする請求項18から26のいずれかに記載の照射装置。
【請求項32】
ピクセル式SLMはデジタル式ミクロミラー装置であることを特徴とする請求項17から31のいずれかに記載の照射装置。
【請求項33】
少なくとも1つの1ピクセル式SLMに下流側で光学的に接続された検出器をさらに含んでおり、該検出器は、少なくとも1つの一部遮断光線とシャター処理光線の少なくとも一方が望ましい選択スペクトル出力と望ましい波長依存密度分布とを含むか否かを決定し、少なくとも1つのピクセル式SLMのピクセルのオン/オフパターンを調整して、望ましい光部分と望ましい選択スペクトル出力と望ましい波長依存密度分布との間の対応状態を改善するように設計されているコンピュータ用プログラムを搭載したコントローラにも作動式に接続されていることを特徴とする請求項17から32のいずれかに記載の照射装置。
【請求項34】
光源に作動式に接続され、該光源から反射ピクセル式SLM、光学部品及びスペクトル形成具のうちの少なくとも1つの方向に発生される不都合なエネルギーを取り除くための除熱要素をさらに含んでいることを特徴とする請求項17から33のいずれかに記載の照射装置。
【請求項35】
除熱要素はダイクロイックミラーを含んでいることを特徴とする請求項34記載の照射装置。
【請求項36】
不都合なエネルギーはエネルギー吸収面に向けられ、ラジエターに熱伝導されることを特徴とする請求項17から35のいずれかに記載の照射装置。
【請求項37】
第2ピクセル式SLMの下流で光学的に接続されたスペクトル再結合器をさらに含んでいることを特徴とする請求項17から36のいずれかに記載の照射装置。
【請求項38】
検出器はCCD、CID、CMOS及び光ダイオードアレイのうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項17から37のいずれかに記載の照射装置。
【請求項39】
物体を照射する方法であって、
a)光線を、光路に沿い、該光線を受領するように設計された第1ピクセル式空間光変調器(SLM)を越えて方向付けるステップであって、該第1ピクセル式SLMは光線をシャッター処理し、一部遮断光線として該第1ピクセル式SLMを照射する望ましい光線のみを実質的に通過させるように設計されていることを特徴とするステップと、
b) 前記一部遮断光を、前記第1ピクセル式SLMからの前記一部遮断光線を受領するように設計された第2ピクセル式SLMを越えて方向付けるステップであって、シャッター処理光線として前記第2ピクセル式SLMを照射する望ましい光線のみを実質的に通過させるように設計されていることを特徴とするステップと、
を含んでおり、前記第1ピクセル式SLMと前記第2ピクセル式SLMは、実質的に同一シャッター形態を表示し、同時的に光源または前記一部遮断光線からの望まれない光の同一パターンをそれぞれ拒絶し、望ましい選択光出力のみで実質的に成るシャッター処理光線として望ましい光を通過させるために前記第1ピクセル式SLMと前記第2ピクセル式SLMのピクセルのオン/オフパターンを制御するコンピュータ用プログラムを搭載した少なくとも1つのコントローラに作動式に接続されていることを特徴とする方法。
【請求項40】
第2ピクセル式SLMを越えて光線を方向付ける前に、光線をスペクトル形成具を通して方向付け、シャッター処理光線が選択されたスペクトル出力と選択された波長依存密度分布とで本質的に成るように、光線からスペクトルを提供するステップをさらに含んでいることを特徴とする請求項39記載の方法。
【請求項41】
第1ピクセル式SLMと第2ピクセル式SLMと同じ収容器内に位置する光源からの光線を方向付けるステップをさらに含んでおり、スペクトル形成具はプリズムと回折格子の少なくとも一方を含んでいることを特徴とする請求項39記載の方法。
【請求項42】
スペクトル形成具と第2ピクセル式SLMの間で光学部品に光線を通過させ、該スペクトル形成具から反射式ピクセル式SLMに実質的に増強されたスペクトルを提供するステップをさらに含んでいることを特徴とする請求項40または41に記載の方法。
【請求項43】
スペクトル形成具は第1ピクセル式SLMと第2ピクセル式SLMの上流側に位置することを特徴とする請求項40から42のいずれかに記載の方法。
【請求項44】
シャッター処理光線を、第2ピクセル式SLMの下流に位置する光照射装置に通過させ、方向付けられた光線として光照射させるステップをさらに含んでいることを特徴とする請求項39から43のいずれかに記載の方法。
【請求項45】
シャッター処理光線は、知られた電灯、陰極線管画像表示装置、光放射画像表示装置及び光放射源のうちの少なくとも1つのスペクトル出力と波長依存密度分布を実質的に擬似するように選択されることを特徴とする請求項40から44のいずれかに記載の方法。
【請求項46】
シャッター処理光線は望まれる自然光情景に対応する出力エネルギーのスペクトル出力と波長依存密度分布を実質的に擬似するように選択されることを特徴とする請求項40から44のいずれかに記載の方法。
【請求項47】
シャッター処理光線は病気治療のために出力エネルギーのスペクトル出力と波長依存密度分布とを実質的に擬似するように選択されることを特徴とする請求項40から44のいずれかに記載の方法。
【請求項48】
シャッター処理光線は光力学治療のために出力エネルギーのスペクトル出力と波長依存密度分布とを実質的に擬似するように選択されることを特徴とする請求項40から44のいずれかに記載の方法。
【請求項49】
シャッター光線は病気診断のために出力エネルギーのスペクトル出力と波長依存密度分布とを実質的に擬似するように選択されることを特徴とする請求項40から44のいずれかに記載の方法。
【請求項50】
第1ピクセル式SLMと第2ピクセル式SLMは反射SLMであることを特徴とする請求項39から49のいずれかに記載の方法。
【請求項51】
反射式SLMはデジタル式ミクロミラー装置であることを特徴とする請求項50記載の方法。
【請求項52】
第1ピクセル式SLMと第2ピクセル式SLMは透過SLMであることを特徴とする請求項39から51のいずれかに記載の方法。
【請求項53】
第1ピクセル式SLMと第2ピクセル式SLMの一方は反射SLMであり、他方は透過SLMであることを特徴とする請求項39から52のいずれかに記載の方法。
【請求項54】
第1ピクセル式SLMと第2ピクセル式SLMは単反射SLMの異なる部分であることを特徴とする請求項39から53のいずれかに記載の方法。
【請求項55】
ピクセル式SLMと第2ピクセル式SLMは単反射SLM上に実質的に並んで配置され、光ブロックバリヤを挟んでいることを特徴とする請求項54記載の方法。
【請求項56】
光ブロックバリヤはオフ位置で設計された単反射ピクセル式SLMのピクセルの少なくとも1列を含んでいることを特徴とする請求項55記載の方法。
【請求項57】
光ブロックバリヤは少なくとも1つの反射プリズムアレイであることを特徴とする請求項56記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−506994(P2007−506994A)
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−527251(P2006−527251)
【出願日】平成16年9月27日(2004.9.27)
【国際出願番号】PCT/CA2004/001752
【国際公開番号】WO2005/031434
【国際公開日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(506015074)タイダール フォトニクス,インク. (6)
【Fターム(参考)】