説明

照明システムのための対話機構

システム500は、光を供給するよう構成される少なくとも1つの制御可能な光源510と、ユーザからのユーザ入力に応じて、対話モード320と、照明モード310とを切り替えるよう構成されるプロセッサ520とを含む。前記対話モード320においては、前記プロセッサ520は、様々な特性を持つ光のプレビュー410を、ユーザによる1つのプレビュー420の選択のために、供給するよう、前記光源を制御する。ユーザがプレビューを選択し次第始められ得る前記照明モード310においては、前記プロセッサ520は、選択された前記プレビュー420と関連する特性を持つ光430を供給するよう前記光源510を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明システムと対話し、少なくとも1つの光源を制御するためのシステム及び方法に関し、より詳細には、前記光源の光の特性の設定に関する。
【背景技術】
【0002】
照明システムは、所望の照明の選択において幅を与えるために、一層、高度で、複雑で、集積化したものになっている。複雑さの増大は、これらの照明システムとの対話において困難をもたらす。例えば、光源の色、色相及び飽和度、並びに強度などの様々な光特性を設定し易いこと、又は特定の照明領域だけの光特性さえも設定し易いことはユーザにとって望ましい。適切で、使いやすい対話ソリューションが必要とされていることは明らかである。
【0003】
最新のソリューションは、通常、色相、飽和度及び強度のような光の異なる変数に対して異なる制御ユニットを供給する。これらのソリューションには、ユーザが或る制御動作を行なう場合、又はユーザが光特性の程度又は変数を選択する場合、光は、どのように見えるであろうかといった適切なフィードフォワードが欠けている。より重要なことには、光特性を選択又は変更するのに用いられる変数は、ユーザが持つ、光のメンタルモデルに合致しない。例えば、ユーザは、或るレベルの強度、例えば80%の強度を持つ60%飽和した青色光のような、別々のレベルの飽和度及び強度という観点では考えない。従って、所望の光特性を容易且つ直観的に選択するための改善されたシステム及び方法が必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本システム及び本方法の1つの目的は、従来技術の不利な点を克服することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的及び他の目的は、フィードフォワード機構を含むシステム及び方法であって、例えば、少なくとも1つの制御可能な光源が、光を供給するよう構成され、プロセッサが、ユーザからのユーザ入力に応じて、対話モードと、照明モードとを切り替えるよう構成されるシステム及び方法によって達成される。前記対話モードにおいては、前記プロセッサは、様々な特性を持つ光のプレビューを、前記ユーザによる1つのプレビュー又は1つ以上の領域を照明するためのプレビューの組み合わせの選択のために、供給するよう前記光源を制御する。前記照明モードにおいては、前記プロセッサは、前記ユーザによって選択された前記プレビューと関連する前記特性を持つ光を供給するよう前記光源を制御する。
【0006】
前記ユーザ入力は、ジェスチャを含んでもよく、ここで、前記システムは、例えば、前記対話モードと前記照明モードとの切り替え、及び/又は前記所望のプレビューの選択のための前記ジェスチャを認識するよう構成される視覚システムを更に含む。他の例においては、又は加えて、前記ユーザ入力を供給するのにポインティングデバイス又はボタンが用いられてもよい。例えば、とりわけ、多くの光源が設けられる場合、前記光源、又はディスプレイであって、前記光源若しくは前記光源と関連する照明セクション(light sections)が、空間的にマップされる若しくは前記ディスプレイ上に表示されるディスプレイに、ポインティングデバイスを向けることによって、前記ユーザ入力が供給される。
【0007】
もちろん、所望の光特性を持つ所望の照明セクションの選択のために、前記ディスプレイ上には、1つだけの光源からの様々な光特性を持つ様々な照明セクションが、空間的に表示されてもよく(各セクションが一定の光特性を持つ2つ以上のセクションが表示される)、又は時間的に表示されてもよい(各セクションが時間とともに変化する光特性を持つ少なくとも1つのセクションが表示される)。例えば、或る光源からの或る照明セクションが、ディスプレイ上に表示されてもよく、又は前記光源自体が、時間とともに変化するプレビューを供給するよう制御されてもよい。
【0008】
前記光源によって直接供給されてもよく、又は前記ディスプレイ上に表示されてもよい、前記プレビューのうちの少なくとも1つは、前記ユーザによって、例えば前記所望のプレビューの方を指すことにより、前記所望の/選択された光特性を持つ光を(前記光源によって)供給するために選択される。もちろん、各選択されたプレビューの個々の光特性の組み合された特性を持つ光を供給するために、前記ユーザによって選択された少なくとも2つのプレビューの組み合わせから形成される他のプレビューも供給されてもよい。
【0009】
本システム及び本方法の適用可能な他の領域は、以下に示されている詳細な説明から明らかになるであろう。前記システム及び前記方法の典型的な実施例を示している詳細な説明及び具体例は、単に説明の目的のためのものであって、本発明の範囲を限定することを目的としてはいないことを理解されたい。
【0010】
本発明の装置及び方法の、これら及び他の、特徴、態様及び利点は、以下の説明、添付した請求項及び添付した図面からより理解されるようになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
或る典型的な実施例の以下の説明は、本質的に単に例示的なものであり、決して、本発明、本発明のアプリケーション又は使用を限定することを目的としてはいない。本システムの実施例の以下の詳細の説明においては、これの一部を形成する添付図面に対する参照がなされており、添付図面には、例として、前記システムが実施され得る特定の実施例が示されている。これらの実施例は、当業者が現在開示されているシステムを実施することを可能にするのに十分に詳細に記載されている。本システムの精神及び範囲から外れずに、構造上及び論理上の変更がなされ得ること、及び他の実施例が利用され得ることを理解されたい。それ故、以下の詳細な説明は、限定する意味で解釈されるべきではなく、本システムの範囲は、添付した請求項によってしか規定されない。ここでは、図の参照符号の先頭の数字は、一般的に、図番号に対応し、それを除けば、多数の図に現れる同一の構成要素は、同じ参照符号によって識別される。更に、明瞭にする目的で、本システムの説明を不明瞭にしないために、よく知られている装置、回路及び方法の詳細な説明は省かれている。
【0012】
前記照明システム及び方法は、どの光の設定が望ましいかを示すためにユーザが指さすことが出来る多数のプレビューを供給するフィードフォワード対話ソリューションを提供する。前記照明システムは、ユーザが光を変更したいという要求を示した後に、異なる特性を持つ光、例えば、異なる強度、色相、色、飽和度又はそれらの組み合わせの光の多数のプレビューを供給する。プレビューは、少なくとも1つの光源から直接供給されてもよく、又は画面上にマップされる照明セクションの画像として供給されてもよい。マッピングは、例えば、光源の位置、又は光源によって照明される領域の位置に対応してもよい。
【0013】
ユーザが、望ましいプレビューを指さすなどによってプレビューを選択するのに応じて、照明システムの光源から出る光の特性は、選択されたプレビューの光特性に変わる。実例として、指さし動作が、システムによって認識され、照明システム全体が、光源から出る光を、選択されたプレビューにおいて示されているように適合させる。
【0014】
ユーザは、照明システム上に位置しているハードウェアのボタンを押すことによって、光の設定を変えたいという要求を示してもよい。他の例においては、ユーザは、例えばカメラの前などの或る領域において、例えば米国特許出願公開番号第U.S. 2004/0161132A1号に記載されているものと同様の、カメラ及びコンピュータビジョンを用いるシステムによって認識される、所定の方向の指さし又は任意の他のジェスチャを含むジェスチャをしてもよい。米国特許出願公開番号第U.S. 2004/0161132A1号は、参照により、そっくりそのまま本願明細書に盛り込まれる。ユーザのジェスチャ、ハードウェアのボタンであってもよく、若しくは照明システムのディスプレイ上に表示されるソフトウェアのボタンであってもよいボタンの作動、又は特定の領域若しくは方向に対する指さしなどによる、このようなユーザ動作に応じて、システムは、照明モードのような通常モードから、光のプレビューがユーザに供給される対話モードに変わる。
【0015】
大きな領域を照明するために、アレイ又は他の配列内に配設される、多数の光源、例えば、発光ダイオード(LED)又は任意の制御可能な光源を有する照明システムの場合には、照明システムは、空間的に、例えば一列に並んだ、プレビューを供給し得る。この場合、ユーザは、好ましい光の設定又はプレビューを指さすことによって、光の設定を選択し得る。この動作は、例えば、カメラ及びコンピュータビジョンのハードウェア及びソフトウェアのアクセサリを用いて、認識され得る。
【0016】
プレビューの空間的提示に代わる方法として、照明システムは、例えば、少なくとをも1つの光源から直接的に出る光、又はディスプレイ上に表示される光の光特性のゆっくりとした変更、例えば強度の増加又は色の変更などによって、時間的にプレビューを示してもよい。
【0017】
次に、ユーザは、時間的に又は空間的に提示されるプレビューから所望の設定を持つ所望のプレビューを照明システムに知らせるために、別のジェスチャーをする(例えば、ポインタであって、単に、ユーザの手若しくは指であってもよく、又はタタッチスクリーン上に空間的に若しくは時間的に表示されるより多くのプレビューのうちの1つをタッチスクリーン上で指し示し、選択するのに用いられる単なるポインタ若しくはレーザポインタであってもよいポインタを用いて、特定のプレビューを指し示す)ことによって、プレビューを選択し得る。指し示す代わりに、システムは、例えばカメラ及びコンピュータビジョンを用いて、プレビュー又はプレビューの組み合わせの選択を示すような、任意の所定の又は学習したジェスチャを認識するよう構成されてもよい。
【0018】
プレビューの組み合わせを選択する場合には、選択されたプレビューの光特性の組み合わせから形成される光特性を持つ他のプレビューも提示され得る。システムは、「合成プレビュー(combine preview)」モードを持つなどによって、組み合されるプレビューの選択を認識するよう構成され得る。実例として、ポインタ又はシステムの任意の構成要素は、選択されたプレビューが他のプレビューと組み合わされる「合成プレビュー」モードを選択するためのボタンを持っていてもよい。プレビューセクションがディスプレイ上に空間的に表示される場合には、プレビューセクションは、例えばマウスによって制御されるカーソル又はポインタによるドラッグ・アンド・ドロップを用いて組み合わされ得る。
【0019】
従って、或るプレビューセクションを別のプレビューセクションの上でドラッグすることで、個々のプレビューセクションの光特性の組み合わされた光特性を持つ新しいプレビューセクションが形成される。
【0020】
光のプレビューは、ユーザのメンタルモデルに合うようにして、強度、色、色相及び飽和度又はこれらの組み合わせをカバーすることが出来る。例えば、飽和度と強度とは、一次元で組み合され、図1に示されているようなプレビューの列100で提示され得る。図1に示されているように、プレビューの列100は、異なる光特性、即ち、光の組み合わされた飽和度及び強度を持つ、照明セクション105、110、115、120を含む。
【0021】
例えば、4つのセクション105、110、115、120全てが、セクション105における低い強度の薄い青色のような低い飽和度及び強度から、セクション120に向けた高い強度の鮮やかな青色のような高い飽和度及び強度までの、異なる飽和度及び強度の青色である。セクション間の重複領域は、飽和度と強度との異なる組み合わせも含むこと、即ち、重複領域を形成するセクションの各々からの飽和度と強度との組み合わせも含むことに注意されたい。従って、重複領域は、光源から放射されるべき光の飽和度及び強度の所望の組み合わせをユーザが選択するためのより多くの選択肢も供給する。
【0022】
更に、照明システムは、一次元のプレビューの代わりに、多次元でプレビューを供給することが出来る。例えば、図2に示されているように、システムは、プレビューの行列における色及び飽和度/強度のような二次元でプレビューを供給してもよい。図2に示されている典型的な実施例においては、或る次元においては、例えば図1に示されているものと同様に左から右へ横に増大する飽和度と強度とが組み合わされ、別の次元においては、例えば縦に変化する色が表わされ、このようにして、プレビューの行列200を供給する。例えば、プレビュー行列200の第1行又は最上部の行205の色は、図1と同様に左から右へ飽和度及び強度が高くなる青色であってもよく、第2行210は緑色であってもよく、第3行215は黄色であってもよく、第4行又は最下部の行220は、例えば、薄いピンク色のセクション220から始まり鮮やかな赤色のセクション240で終わる、異なる飽和度及び強度の中間セクション230、235を備え、隣接する2つのセクションの重複領域においては他の異なる飽和度及び強度も含む、赤色であってもよい。
【0023】
或る典型的な実施例においては、ユーザが、どのプリセットセクション若しくは領域又はプレビューセクション若しくは領域を持ちたいかを示したら、システムは、光源が、選択されたプリセットセクション又はプレビューセクションの特性を持つ光を供給するよう制御される通常モード又は照明モードに戻る。他の例においては、図3に示されているように、システムは、システムが対話モード320においてユーザ入力を検出しなくなって或る期間経過後に、矢印330によって示されているように、光源からの光の特性が変更されない通常モード又は照明モード310に戻ってもよい。もちろん、必要に応じて、システムは、所定の期間ユーザ入力を検出しなかったら、光特性を、デフォルト特性又は所定のプログラム可能な特性に変えるよう構成されてもよく、前記所定の期間自体は、一般的には約数十秒又は約数十分くらいの任意の所望の長さの時間であるようプログラム可能であってもよい。上記のように、ユーザが、光源から出る光の光特性を変える意志を示すと、矢印340によって示されているように、対話モード320に入り得る。
【0024】
図4には、照明システムが、大きい領域を照明するためにLEDの行列のような光源の行列400を有する他の実施例が示されている。実例として、各円は、照明行列400内の単一のLEDによって照明される領域を示しており、それはまた、照明システムと関連するディスプレイ上にマップされ、示されてもよい。ユーザのジェスチャを検出するためにカメラが用いられる場合には、対話モードにおいてフィードフォワードを供給するためにも用いられるLED行列400によって照明される領域(例えば、LED行列400と関連する照明領域の一部)などの、カメラ視聴領域においてユーザがジェスチャをする場合に、システムは対話モードに変わり、ユーザに光のプレビューが示され、ここで、LED行列400全体は、1つ以上のLEDが空間的に異なるプレビューを示すプレビューを示す。もちろん、所望なように、又はプログラム可能なように、1つ以上のLEDによるプレビューの時間的提示又は時間的提示と空間的提示との組み合わせも供給され得る。
【0025】
他の例においては、LED行列400全体ではなく、LED行列400の一部410であって、例えば、LED行列400の残りは通常照明モードのままにしながら、光のプレビューを供給するようユーザによってプログラム可能なようなLED行列400の一部410が、対話モードのために用いられ得る。ユーザが、プレビュー、例えばプレビュー420を選択したら、照明システム全体が、選択されたプレビュー又はプリセット420に適合し、システムは、対話モードから通常モード又は照明モードに変わり、ここで、全てのLED430(又は例えばユーザによってプログラム可能なようなLEDの任意の所望の一部)が、選択されたプリセット又はプレビュー420の特性を持つ光を供給する。
【0026】
LED行列400がディスプレイ上にマップされ、示される場合には、ユーザが、表示されるプレビュー又はそれらの組み合わせからプレビューを選択すると、選択されたプレビューの特性を持つ光を供給するよう実際の光源が制御される前に、まず、ディスプレイ上に表示される行列400全体が、選択されたプレビュー420を表示する430よう変えられてもよく、次いで、ユーザの承認若しくは動作後、又は所定の時間がユーザ入力なしに経過した後、選択されたプレビューの特性を持つ光を供給するよう光源が制御されてもよい。
【0027】
図5は、本システムの実施例による照明システム500を示している。システム500は、選択可能な又は可変の特性の光を供給するために少なくとも1つの制御可能な光源510を持つ。上記のように、例えば図4に示されている行列400内に配設される、複数の光源が用いられてもよい。光源は、様々な光特性の制御のためのバラストを持ち得る、白熱灯、蛍光灯、ハロゲンランプ又は高輝度放電(HID)ランプなどの、様々な強度レベル、異なる色、色相、飽和度などといった様々な特性の光を供給することが出来るあらゆる種類の光源であり得る。発光ダイオード(LED)は、容易に、変化する色、強度、色相、飽和度及び他の特性を備える光を供給するよう構成され得るので、とりわけ適した光源であり、一般的に、様々な光特性の制御のための電子回路を持つ。
【0028】
システム500は、更に、ユーザからの入力/出力(I/O)装置530を介したユーザ入力に応じて、合成プレビューモードを含む対話モードと、照明モードとを切り替えるよう構成されるプロセッサ520を含む。キーボード、又はスクリーン若しくはディスプレイ540上に表示されるカーソルを制御するマウス、キーボードを持つ装置などのあらゆる適切なユーザI/O装置530が用いられ得る。前記ディスプレイ540は、プロセッサ520に接続可能な又は操作上結合されるスタンドアロンのディスプレイであってもよい。システムの様々な構成要素は、操作上、例えば有線リンク又は無線リンクを含む、任意のタイプのリンクによって、互いに結合され得る。ディスプレイ540はまた、別の装置の一部であってもよく、又はプロセッサ520の一部であってもよい。実例として、プロセッサ520及び/又はディスプレイ540は、遠隔制御装置、PDA(personal digital assistant)、移動体電話及び/又はラップトップコンピュータ若しくはパソコンなどの移動体装置の一部であってもよい。
【0029】
上記のように、I/O装置530は、対話モード及び/又は他のモードを選択する又は前記モードに入るための1つ以上のボタン又はキーを含んでもよい。もちろん、ボタンは、例えば対話モードにおけるプレビューの表示及び選択と同様なように、スクリーン又はディスプレイ540上に表示され、マウスによって制御されるカーソルを介して選択されるような、ソフトウェアのボタンであってもよい。他の例においては、又はそれに加えて、ディスプレイは、ソフトウェアのボタン又は表示されるプレビューがポインタを用いて選択され得る、タッチセンサ式のものであってもよい。もちろん、液晶ディスプレイ(LCD)又は陰極線管(CRT)などのあらゆるタイプのディスプレイが用いられ得る。更に、ディスプレイは、マルチメディアシステム又はテレビなどの異なるシステムの一部であってもよい。明らかに、操作のためには、例えば、スタンドアロンであってもよく、又はI/O装置530の一部であってもよい1つだけのディスプレイが適切であるが、多くのディスプレイもまた用いられ得る。もちろん、光源自体が直接プレビューを供給する場合には、ディスプレイは必要でさえない。
【0030】
I/O装置530は、上記のように、スクリーン上に表示される、又は光源の行列によって供給される、又は1つ以上の光源によって時間的に供給される所望のプレビューを指し示すことを含むジェスチャを用いたプレビューの選択、及び/又は照明モードと対話モードとの切り替えなどの、システム500の制御のためのユーザのジェスチャを認識するよう構成される、プロセッサ520に操作上結合されるメモリ550に格納される関連コンピュータビジョンソフトウェアを備えるカメラも含み得る。
【0031】
メモリ550は、アプリケーションデータ、及び所望の光特性のプリセットなどの他のデータを記憶するためのあらゆるタイプの装置であり得る。アプリケーションデータ及び他の信号又はデータは、本システム及び方法に従って操作動作を行うようプロセッサ520を設定するために、プロセッサ520によって受け取られる。操作動作は、照明モードと対話モードとの切り替え、プレビューを供給又は表示するための光源510及び/又はディスプレイ540の制御、並びにユーザが選択し次第、選択されたプレビューと関連する特性を持つ光を供給するための光源510の制御を含む。ディスプレイ540上には様々なプログラム可能なユーザインタフェースも表示され得る。
【0032】
本方法の操作動作は、コンピュータソフトウェアプログラムによって実行されるのにとりわけ適しており、このようなコンピュータソフトウェアプログラムは、好ましくは、前記方法の個々のステップ又は動作に対応するモジュールを含む。もちろん、このようなソフトウェアは、集積チップなどのコンピュータ可読媒体、周辺装置、又はメモリ550若しくはプロセッサ520に結合される他のメモリなどのメモリにおいて実施され得る。
【0033】
コンピュータ可読媒体及び/又はメモリ550は、任意の記録可能な媒体(例えば、RAM、ROM、着脱可能なメモリ、CD−ROM、ハードディスク、DVD、フロッピー(登録商標)ディスク又はメモリカード)であってもよく、又は伝送媒体(例えば、光ファイバ、ワールドワイドウェブ、ケーブル、及び/又は例えば時分割多重アクセス、符号分割多重アクセス若しくは他の無線通信システムを用いる無線チャネルを有するネットワーク)であってもよい。コンピュータシステムでの使用に適した情報を記憶することが出来る、既知又は先進の如何なる媒体も、コンピュータ可読媒体及び/又はメモリ550として用いられ得る。
【0034】
付加的なメモリも用いられ得る。コンピュータ可読媒体、メモリ550及び/又は任意の他のメモリは、長期メモリ、短期メモリ、又は長期メモリと短期メモリとの組み合わせであってもよい。これらのメモリは、本願明細書に開示されている方法、操作動作及び機能を実施するようプロセッサ520を設定する。メモリは、分散型メモリ又はローカルメモリであってもよく、付加的なプロセッサが設けられ得るプロセッサ520は、分散型又は単一のものであってもよい。メモリは、電気メモリ、磁気メモリ若しくは光メモリ、又はこれら若しくは他のタイプの記憶装置の任意の組み合わせとして実現され得る。更に、「メモリ」という用語は、プロセッサによってアクセスされるアドレス指定可能な空間内のアドレスから読み出されることが出来る、又は前記アドレスに書き込まれることが出来るあらゆる情報を含むよう十分に広く解釈されるべきである。この定義により、例えば、ネットワーク上の情報は、依然として、メモリ550内である。なぜなら、プロセッサ520は、ネットワークから情報を取り出し得るからである。
【0035】
プロセッサ520及びメモリ550は、米国特許出願公開番号第U.S. 2003/0057887号に記載されているものなど、任意のタイプのプロセッサ/コントローラ及びメモリであってもよく、米国特許出願公開番号第U.S. 2003/0057887号は、参照によりそっくりそのまま本願明細書に盛り込まれる。プロセッサ520は、I/O装置530及び/又は光源510からの入力信号に応じて制御信号を供給し、且つ/又は動作を実施し、且つメモリ550内に記憶された命令を実行することが出来る。プロセッサ520は、特定用途向け集積回路であってもよく、又は汎用集積回路であってもよい。更に、プロセッサ520は、本システムに従って実施するための専用プロセッサであってもよく、又は多くの機能のうちの1つだけが本システムに従って実施するために動作する汎用プロセッサであってもよい。プロセッサは、プログラム部、多数のプログラムセグメントを利用して動作してもよく、又は専用集積回路若しくは多目的集積回路を利用するハードウェア装置であってもよい。ユーザの存在及び身元を識別するために利用される上記のシステムの各々は、他のシステムと一緒に利用され得る。
【0036】
もちろん、ユーザの発見、ユーザと特定のパーソナリティの突き合わせ、及び関連するお勧めの供給においてより一層の改善を供給するために、上記の実施例又はプロセスのどれもが、1つ又は1つ以上の他の実施例又はプロセスと組み合わされ得ることは分かるであろう。
【0037】
結局、上記説明は、単に本システムを説明することを目的としており、添付した請求項を、いずれかの特定の実施例又は実施例のグループに限定するように解釈されるべきではない。従って、本システムは、本システムの特定の典型的な実施例に関してとりわけ詳細に記載されているが、請求項に記載されているような本システムのより広い、対象とする精神及び範囲から外れない多くの修正例及び代わりの実施例が当業者によって考え出され得ることも分かるであろう。従って、明細書及び図面は、例示であるようにして考えられるべきであり、添付した請求項の範囲を限定することを目的とはしていない。
【0038】
添付した請求項の解釈において、
a)「有する」という用語は、示されている請求項において列挙されている要素又は動作以外の要素又は動作の存在を除外せず、
b)要素の単数形表記は、このような要素の複数の存在を除外せず、
c)請求項内の如何なる参照符号も請求項の範囲を限定せず、
d)幾つかの「手段」は、同じアイテム、又はハードウェア若しくはソフトウェア実施構造若しくは機能によって表わされてもよく、
e)開示されている要素のいずれも、(例えば、ばらばらの電子回路及び集積電子回路を含む)ハードウェア部、ソフトウェア部(例えばコンピュータプログラム)、及びそれらの任意の組み合わせで構成されてもよく、
f)ハードウェア部は、アナログ部及びデジタル部の一方又は両方で構成されてもよく、
g)特に別段の定めをした場合を除き、開示されている装置又はその一部のいずれも、更なる部分に分けられてもよく、又は組み合わされてもよく、
h)特に示されない限り、特定の順序の動作又はステップが必要とされるとは意図されていないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】或る実施例による光の組み合された飽和度及び強度を持つプレビューの列を示す。
【図2】別の実施例による光の組み合された飽和度、強度及び色を持つプレビューの行列を示す。
【図3】他の実施例による照明システムのモードを示す。
【図4】他の実施例によるプレビューのためのセクションを持つ照明セクションの行列を示す。
【図5】別の実施例による照明システムを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を供給するよう構成される少なくとも1つの制御可能な光源と、
ユーザからのユーザ入力に応じて、対話モードと、照明モードとを切り替えるよう構成されるプロセッサとを有するシステムであって、
前記対話モードにおいては、前記プロセッサは、少なくとも1つの様々な特性を持つ前記光のプレビューを、前記ユーザによる前記プレビューのうちの1つのプレビューの選択のために、供給するよう、前記少なくとも1つの制御可能な光源を制御し、
前記照明モードにおいては、前記プロセッサは、前記1つのプレビューと関連する特性を持つ前記光を供給するよう前記少なくとも1つの制御可能な光源を制御するシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、前記ユーザ入力が、ジェスチャを含み、前記システムが、前記対話モードと前記照明モードとの切り替え、及び前記1つのプレビューの選択のうちの少なくとも1つのために、前記ジェスチャを認識するよう構成される視覚システムを更に有するシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムであって、前記ユーザ入力を供給するために、ポインティングデバイス及びボタンのうちの少なくとも1つを更に有するシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムであって、前記ユーザ入力が、前記少なくとも1つの制御可能な光源と関連する少なくとも1つの照明セクションのディスプレイ、及び前記少なくとも1つの制御可能な光源のうちの前記少なくとも1つに、ポインティングデバイスを向けることによって供給されるシステム。
【請求項5】
請求項4に記載のシステムであって、前記ディスプレイが、マルチメディア装置、コンピュータ、モニタ、テレビ、PDA、電話及び遠隔制御ユニットのうちの1つに含まれているシステム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムであって、前記様々な特性が、時間と共に変えられるシステム。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムであって、前記対話モードにおいて、前記少なくとも1つの制御可能な光源が、前記少なくとも1つの様々な特性を持つ前記プレビューを、時間的に供給するシステム。
【請求項8】
請求項1に記載のシステムであって、前記対話モードにおいて、複数の光源が、前記少なくとも1つの様々な特性を持つ前記プレビューを、空間的に供給するシステム。
【請求項9】
請求項1に記載のシステムであって、複数の光源が、少なくとも2つの様々な特性を持つ前記プレビューを、空間的に供給するシステム。
【請求項10】
請求項1に記載のシステムであって、前記少なくとも1つの様々な特性が、強度、飽和度、色及び色相のうちの少なくとも1つを含むシステム。
【請求項11】
光を供給するよう構成される複数の制御可能な光源と、
様々な特性を持つ前記光のプレビューを供給するよう、前記複数の制御可能な光源を制御し、ユーザ入力に応じた前記プレビューのうちの1つのプレビューの選択を可能にするよう構成されるプロセッサとを有するシステム。
【請求項12】
請求項11に記載のシステムであって、前記プロセッサが、対話モードにおいては、前記様々な特性を持つ前記プレビューを供給するよう前記複数の制御可能な光源を制御し、照明モードにおいては、前記1つのプレビューと関連する特性を持つ前記光を供給するよう前記複数の制御可能な光源を制御するシステム。
【請求項13】
請求項12に記載のシステムであって、ユーザのジェスチャの認識に応じて、前記対話モードに入るシステム。
【請求項14】
請求項13に記載のシステムであって、前記ユーザの前記ジェスチャの認識のために前記プロセッサに画像を供給するよう構成されるカメラを更に有するシステム。
【請求項15】
請求項11に記載のシステムであって、前記複数の制御可能な光源が、前記対話モードにおいて、時間的に変化する前記様々な特性及び空間的に変化する前記様々な特性のうちの少なくとも1つによって前記プレビューを供給するシステム。
【請求項16】
請求項11に記載のシステムであって、前記プロセッサが、前記プレビューを供給するよう、前記複数の制御可能な光源の一部を制御するよう構成されるシステム。
【請求項17】
請求項11に記載のシステムであって、前記複数の光源が、前記様々な特性のうちの少なくとも2つを持つ前記光を空間的に供給するシステム。
【請求項18】
請求項11に記載のシステムであって、前記様々な特性が、強度、飽和度、色及び色相のうちの少なくとも1つを含むシステム。
【請求項19】
少なくとも1つの制御可能な光源からの光の特性を選択するための方法であって、
ユーザ入力に応じて、対話モードと、照明モードとを切り替える動作と、
前記対話モードにおいて、様々な特性を持つ前記光のプレビューを供給するよう前記少なくとも1つの制御可能な光源を制御する動作と、
前記プレビューのうちの1つのプレビューを選択する動作と、
前記1つのプレビューと関連する特性を持つ前記光を供給するよう前記少なくとも1つの制御可能な光源を制御する動作とを有する方法。
【請求項20】
請求項20に記載の方法であって、前記切り替える動作、及び前記選択する動作のうちの少なくとも1つを実施するための前記ユーザ入力としてジェスチャを認識する動作を更に有する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−528659(P2009−528659A)
【公表日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−556882(P2008−556882)
【出願日】平成19年2月16日(2007.2.16)
【国際出願番号】PCT/IB2007/050512
【国際公開番号】WO2007/099470
【国際公開日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】