説明

照明システム

【課題】センシング情報に応じて照明設定を制御するシステムにおいて、システムの仕様変更、センサの追加などに柔軟に対応可能な技術を提供することを課題とする。
【解決手段】照明ユニット1は、PC2と無線通信を行い、制御プログラム101を取得し、メモリ142に格納する。制御プログラム101は、センサ15に対応したプログラムである。CPU141は、制御プログラム101を実行し、センサ15からセンシング情報を取得すると、センシング情報に応じた制御信号をLEDドライバ12に出力する。LED11は、センシング情報に応じた設定で発光する。センシング情報に応じた照明設定を変更する場合には、PC2から更新後の制御プログラム101を受信し、メモリ142内の制御プログラム101を更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明システムに関する。詳しくは、外部環境に応じた設定により照明装置を制御するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
センサによって外部環境の状態を検知し、外部環境に応じた設定で照明装置を制御するシステムがある。たとえば、人体検知センサによって人体を検知したことに応答して、施設内の照明をONにするシステムがある。施設内に人がいる場合だけ照明がONされることで、消費電力を低減させる効果がある。あるいは、夜間、許可のない者の立ち入りが禁止されている施設内において、侵入者に対する警告を発するという効果がある。他にも照度センサによって周辺の照度を検知し、周辺が暗くなった時点で照明をONにするシステムなどが提供されている。
【0003】
これらシステムは、外部環境の状態を検知するセンサと、センサから入力する状態情報に応じて制御信号を出力する制御用ハードウェアと、制御信号に応じて照明装置を駆動するドライバICなどから構成されている。センサが検知した外部環境の状態に応じて、どのように照明装置を制御するか、そのアルゴリズムは、制御用ハードウェアに実装されたロジック回路によって実現されている。
【0004】
したがって、照明システムが利用される環境が変化した場合、センサが検知する特定の状態に対する照明装置の設定を変更したい場合、あるいは、照明システムの目的が変更した場合などは、変更された仕様にあわせたハードウェアを設計する必要がある。
【0005】
下記特許文献1では、通信を利用して照明制御システムを設定することを可能としている。ハンドベルトプログラミング装置から通信機器に対して、ワイヤレス通信を利用して、照明制御システムを設定する命令信号が送信される。通信機器は、受信した命令信号に基づいて、照明装置やセンサなどの機器の設定を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2008−533669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
センサから入力する状態情報に応じて制御信号を出力するロジックをハードウェアで実現している場合、仕様変更に対応するのに時間とコストがかかるという問題がある。
【0008】
特許文献1では、通信を利用して機器の設定を行っているが、たとえば、出力レベルなどハードウェアの設定の一部を変更できるにすぎない。
【0009】
本発明は前記問題点に鑑み、仕様変更に柔軟に対応できる照明システムを低コストで構築することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1記載の照明システムは、照明装置と、前記照明装置を制御するドライバと、センサインタフェースと、前記センサインタフェースに接続されたセンサから入力したセンシング情報に基づいて前記照明装置の制御を行うための制御プログラムを記憶するプログラム記憶部と、前記センサインタフェースからセンシング情報を入力するとともに前記プログラム記憶部に格納された前記制御プログラムを実行し、センシング情報に対応した制御信号を前記ドライバに出力する演算処理装置と、前記センサインタフェースに接続される前記センサに対応した前記制御プログラムを外部から入力する入力インタフェースと、を含むことを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の照明システムにおいて、前記入力インタフェースは、通信インタフェースを含むことを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の照明システムにおいて、前記入力インタフェースは、着脱可能な記憶媒体のインタフェースを含むことを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の照明システムにおいて、さらに、追加センサを接続する追加センサインタフェース、を備え、前記演算処理装置は、前記追加センサインタフェースからセンシング情報を入力するとともに前記プログラム記憶部に格納された追加制御プログラムを実行し、センシング情報に対応した制御信号を前記ドライバに出力する追加センサ制御部、を含むことを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の照明システムにおいて、さらに、前記制御プログラムに基づいて前記照明装置を制御した結果をログ情報として記憶するログ情報記憶部、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の照明システムは、センシング情報に基づいて照明装置の制御を行うための制御プログラムがプログラム記憶部に記憶されており、演算処理装置は、センシング情報を入力するとともに制御プログラムを実行し、センシング情報に対応した制御信号を照明装置のドライバに出力する。照明システムは、制御プログラムを外部から入力する入力インタフェースを含むので、センシング情報に応じた照明制御を変更するためには、制御プログラムを更新するだけでよい。ハードウェアロジック回路の変更などが不要であり、照明システムの仕様変更にかかる時間とコストを低減させることができる。
【0016】
また、センシング情報に対する照明設定の変更のみならず、新たなセンサが追加されるようなシステム変更に対しても、優れた効果を発揮する。照明システムは、新たに追加されたセンサ対応した制御プログラムをプログラム記憶部に格納することで、新たに追加されたセンサから出力されたセンシング情報に基づいて照明装置の設定を制御することができる。将来、新しいセンサが開発されたようなケースでも、新規のセンサと所望する制御動作を照明システムに組み込むことが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】照明システムのメンテナンス作業の様子を示す図である。
【図2】照明システムのブロック図である。
【図3】追加センサが追加された照明システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
{1.照明システムの概略説明}
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態にかかる照明システムについて説明する。実施の形態にかかる照明システムは、LED照明装置とセンサなどが一体となった照明ユニット1と、照明ユニット1をメンテナンスするためのパーソナルコンピュータ(以下、PC)2などを備えて構成される。
【0019】
図1は、駐車場内に設置された照明システムを示す図である。駐車場内にはポールが設置され、ポールの上部には照明ユニット1が取り付けられている。照明ユニット1は、各種のセンサからセンシング情報を入力し、センシング情報に応じて照明装置の設定を制御することができる。
【0020】
一例として、照明ユニット1は、夜間、人体検知センサから人体の検知情報を入力すると、100%の出力で照明装置を点灯させ、駐車場内を明るくする。そして、人体の検知情報を入力しなくなった時点で、駐車場内を50%の明るさに落とすことで、消費電力を低減させる。このように、必要に応じて照明出力を制御することで、環境にやさしい照明システムを構築することができる。
【0021】
別の例として、照明ユニット1は、照度センサから駐車場内の照度を検知し、一定の照度以上の場合は駐車場内の照明を減光する。そして、一定の照度未満になった場合には、駐車場内の照明の強度を上げる。これにより、駐車場内の照度を一定に維持しつつ、消費電力を低減させることができる。
【0022】
図1には、また、サービスマン3が描かれている。サービスマン3は、PC2を利用して、無線通信により、照明ユニット1をメンテナンスすることができる。メンテナンスの方法については、後で詳しく説明するが、本実施の形態においては、サービスマン3は、PC2と照明ユニット1との間で無線通信を行うことで、照明ユニット1を容易にメンテナンスできるようになっている。
【0023】
{2.照明ユニットの構成}
次に、図2を参照しながら、照明ユニット1の構成について説明する。照明ユニット1は、LED(Light Emitting Diode)11を備えている。本実施の形態においては、LED11は、赤色LED11R、緑色LED11G、青色LED11Bを備えている。照明装置としては、LEDに限らず、他の光源を利用してもよい。また、LEDとしては、RGB3色のLEDを用いるほか、色温度の異なる白色LEDを利用してもよい。
【0024】
LED11には、LEDドライバ12が接続されている。LEDドライバ12は、各LED11R、11G、11Bの出力を個別に制御することのできる単数あるいは複数のICで構成されるユニットである。LEDドライバ12は、各LED11R、11G、11Bの出力を個別に制御することで、様々な色を発光可能である。各LED11R、11G、11Bは、それぞれ単数あるいは複数のLED素子から構成されている。
【0025】
LEDドライバ12には、電源部131から電力が供給される。電源部131は、電源コネクタ132に接続されている。電源コネクタ132を商用電源に接続することで、LEDドライバ12を含め、照明ユニット1が備える各装置に電力が供給される。
【0026】
照明ユニット1は、照明ユニット1の全体制御を行う制御部14を備える。制御部14は、CPU(Central Processing Unit)141、メモリ142、入出力コントローラ143、LCD(Liquid Crystal Display)ドライバ144、RTC(Real Time Clock)145を備える。
【0027】
メモリ142には、制御プログラム101が格納されている。制御プログラム101は、LED11を制御するためのプログラムである。制御プログラム101は、センサ15が検知したセンシング情報に基づいてLED11を制御するためのプログラムである。CPU141において制御プログラム101が実行されることにより、センシング情報に応じたLED11の制御が行われる。
【0028】
メモリ142には、ログ作成プログラム102およびログデータ103が格納されている。制御プログラム101に基づいてLED11が制御されると、ログ作成プログラム102が、LED11の制御記録をログデータ103としてメモリ142に保存する。
【0029】
その他、図示はしていないが、メモリ142には、照明ユニット1のシステムチェックや通信制御を行うための初期プログラムなどの基本プログラムが格納されている。
【0030】
メモリ142としては、書き換え可能なフラッシュメモリなどを利用することができる。後述するように、制御プログラム101は、照明システムの仕様変更などに応じて更新されることがある。書き換え可能なメモリ142に対して更新後の制御プログラムを書き込むことで、照明システムの動作を自由に変更することができる。照明ユニット1を制御するための基本プログラムは、別に設けられたROMに格納されてもよい。また、ログ作成プログラム102についても標準プログラムとしてROMに格納するようにしてもよい。これら各種のプログラムを格納するメモリをCPU141が備える構成であってもよい。
【0031】
入出力コントローラ143は、CPU141に接続されている。入出力コントローラ143は、また、センサ15、センサコネクタ16、無線ユニット17、拡張コネクタ18に接続されており、これら装置とCPU141間のデータの入出力を制御する。
【0032】
センサ15は、照明ユニット1にデフォルトで接続されているセンサである。前述した制御プログラム101は、センサ15に対応したプログラムである。センサ15として、たとえば、人体検知センサ、照度センサ、温度センサ、地震センサ、火災センサなどが利用される。
【0033】
センサコネクタ16には、各種の追加センサが接続される。追加されるセンサの種別は特に限定されるものではない。たとえば、デフォルトのセンサ15として人体検知センサが取り付けられている状態において、あらたに照度センサを取り付けたい場合には、センサコネクタ16に照度センサを取り付ければよい。
【0034】
センサコネクタ16に追加センサが取り付けられると、照明システムは、追加センサから入力したセンシング情報によっても照明設定を制御することになる。追加センサに対応した制御プログラムを新たにメモリ142に格納することで、照明ユニット1は、追加センサに対応した照明制御を行うことが可能となる。
【0035】
無線ユニット17は、PC2との間で無線通信を行う。本実施の形態においては、無線ユニット17は、ZigBeeを利用した通信を行う。無線通信としては、他にも赤外線通信や、IEEE802.11などの無線LANを利用することができる。照明ユニット1は、無線ユニット17を利用することで、PC2の記憶部21に格納されている制御プログラム101を取得することが可能である。
【0036】
拡張コネクタ18は、拡張デバイスを接続するためにコネクタである。拡張コネクタ18には、照明ユニット1の機能を拡張するための装置などが接続される。あるいは、拡張コネクタ18に通信ケーブルを接続し、通信ケーブルを介してPC2と接続してもよい。たとえば、サービスマン3は、PC2と拡張コネクタ18を通信ケーブルで接続することで、PC2から制御プログラム101を照明ユニット1に転送することができる。
【0037】
LCDドライバ144には、LCD19が接続されている。LCD19は、たとえば、縦3cm、横10cm程度の小型のモニタであり、照明ユニット1の各種の状態情報を表示可能としている。あるいは、CPU141の出力ポートを用いて表示用LEDを点灯・点滅させることで、照明ユニット1の各種の状態情報を表示させるようにしてもよい。
【0038】
{3.センサと制御プログラムとの関係}
上述したように、メモリ142にはLED11を制御するための制御プログラム101が格納されている。制御プログラム101は、センサ15に対応したプログラムである。制御プログラム101は、センサ15が検出したセンシング情報に基づいてLED11を制御するためのプログラムである。
【0039】
たとえば、センサ15が人体検知センサであるとする。センサ15は、人体を検知すると人体の検知情報を入出力コントローラ143を介してCPU141に通知する。CPU141では、制御プログラム101が実行しており、夜間、人体検知情報を入力すると、LED11をたとえば100%の出力で点灯させる制御信号を生成する。CPU141で生成された制御信号は、LEDドライバ12に対して出力され、LEDドライバ12は、制御信号に基づいてLED11の制御を行う。これにより、LED11が100%の出力で点灯し、駐車場内が明るくなる。
【0040】
時間が経過し、センサ15が人体の検知情報を通知しなくなったとする。制御プログラム101は、人体を検知しなくなって1分が経過した時点で照明を50%の出力に減光するアルゴリズムを有しているとする。CPU141は、センサ15からの人体検知情報を最後に取得してから1分が経過した時点で、LED11を50%に減光させる制御信号を送出する。このように、LED11は、センシング情報に基づいて照明設定が変化するが、その動作は制御プログラム101により決定される。
【0041】
センサコネクタ16に新たな追加センサ4が接続されたとする。前述した制御プログラム101は、センサ15に対応したプログラムである。そこで、図3に示すように、PC2の記憶部21に追加センサ4用の制御プログラム105が用意される。サービスマン3は、無線通信により、制御プログラム105を照明ユニット1に転送する。転送された制御プログラム105は、メモリ142に格納される。
【0042】
たとえば、追加センサ4が照度センサであるとする。追加センサ4は、駐車場内の照度を検知し、検知情報を入出力コントローラ143を介してCPU141に通知する。CPU141において、制御プログラム105が実行しており、照度の検知情報を入力すると、照度に応じた制御信号を生成する。生成された制御信号により、LED11の出力が制御される。
【0043】
CPU141は、制御プログラム105に基づき、たとえば、昼間の時間帯、駐車場内が充分に明るい照度を有している場合には、LED11をOFFにする制御信号を生成する。少し駐車場内が暗くなっている状態では、LED11を50%点灯させる制御信号を生成する。夕刻になり駐車場内が暗くなった場合には、LED11を100%点灯させる制御信号を生成する。CPU141で生成された制御信号は、LEDドライバ12に対して出力され、LEDドライバ12は、制御信号に基づいてLED11の制御を行う。このように、LED11は、センシング情報に基づいて照明設定が変化するが、その動作はセンサ15に対応した制御プログラム101や、追加センサ4に対応した制御プログラム105により決定される。なお、説明を分かりやすくするために、追加センサ4による制御を行うために、制御プログラム105を新たに追加する形態として説明している。制御プログラム101に加えて制御プログラム105を動作させるという形態も考えられるが、センサ15に加えて追加センサ4による制御を行うのであれば、両方のセンサに対応するよう制御プログラム101を修正するという方法でもよい。
【0044】
{4.照明システムの仕様変更の手順}
ユーザから照明システムの照明設定を変更したいという要望が発生したとする。ユーザは、センサ15として人体検知センサを利用し、照明システムを警告用システムとして利用している。現在は、人体を検知した場合に、LED11を100%の出力で点灯するよう制御している。しかし、ユーザは、より警告性を強めるため、人体を検知した場合には、0.1秒間隔でLED11を点滅させることを希望している。また、現在は、RGBの出力を調整して白色で点灯するように制御しているが、警告性を高めるため、赤色の点滅にしたいと希望している。
【0045】
照明システムの提供元では、変更内容に応じてまず、制御プログラム101の修正を行う。つまり、人体検知情報を入力したことに応答して、LED11を赤色点滅させるための制御信号を生成するよう制御プログラム101を修正する。制御プログラム101の修正は、既存の制御プログラムを利用して行われるので、比較的修正作業が容易である。
【0046】
サービスマン3は、PC2に更新後の制御プログラム101をインストールした上で、照明ユニット1の設置場所へと向かう。サービスマン3は、駐車場内で照明ユニット1の近くに移動し、PC2から無線通信を利用して更新後の制御プログラム101を照明ユニット1に転送する。照明ユニット1では、メモリ142に格納されている制御プログラム101の更新が行われる。制御プログラム101の更新が正常に終了した場合には、LCD19がたとえば緑色に点灯する。これにより、サービスマン3は、更新作業が完了したことを確認することができる。制御プログラム101のアップデートにエラーが生じた場合には、たとえばLCD19を赤色点滅させることで、エラーの発生をサービスマン3に通知することができる。
【0047】
ユーザから照明システムに新たなセンサを追加したいとの要望が発生したとする。ユーザは、当初は、デフォルトで取り付けられている人体検知センサを利用して照明設定を制御している。ユーザは、さらに、照度センサを取りつけ、人体検知による制御とあわせて、照度に応じた照明設定の制御を行うことを希望している。また、施設内の雰囲気を変えるために、夜間の照明の色を暖色系に変更することを希望している。
【0048】
照明システムの提供元では、追加センサ4、つまり照度センサに対応した制御プログラム105を作成する。制御プログラム105は、照度センサからの検知情報に基づいて照明設定を制御するプログラムである。あるいは、照明システムの提供元では、制御プログラム101の修正を行ってもよい。修正後の制御プログラム101は、人体検知センサからの検知情報と、照度センサからの検知情報とを取得し、2つの検知情報に基づいて照明設定を制御するプログラムである。
【0049】
新規あるいは修正された制御プログラムが完成すれば、サービスマン3は、PC2に制御プログラムをインストールして照明ユニット1の設置場所へ向かう。サービスマン3は、照明ユニット1のセンサコネクタ16に追加センサ4として照度センサを取り付ける。サービスマン3は、PC2から無線通信を利用して新規の制御プログラム105あるいは修正された制御プログラム101を照明ユニット1に転送する。追加センサ4を取り付ける作業を行う際に、照明ユニット1をポールから取り外す必要があるのであれば、PC2と照明ユニット1とを通信ケーブルで接続することで、更新後の制御プログラムを転送してもよい。
【0050】
このように、本実施の形態の照明システムは、センシング情報に応じた照明設定がソフトウェアによって規定される。したがって、制御プログラム101を変更するだけで照明設定の変更を容易に行うことができる。ユーザの要望に応じて、照明装置の照度、発光パターンを自由に設定変更できる。本実施の形態であれば、RGB3色のLEDを利用しているので、ユーザの要望に応じて様々な色の光を発光することが可能であり、様々な照明パターンを演出することができる。
【0051】
さらに、照明ユニット1は無線ユニット17を有しているので、制御プログラム101の更新が容易である。従来であれば、センシング情報に応じた照明設定を変更するためには、ハードウェアのロジック回路を変更する必要があり、時間とコストが掛かっていた。本実施の形態の照明システムであれば、少ない時間とコストで照明設定を変更することができる。
【0052】
{5.ログデータの収集}
前述したように、メモリ142には、ログ作成プログラム102が格納されている。ログ作成プログラム102は、CPU141からLED11に出力された制御信号のログを記録するプログラムである。ログ作成プログラム102は、制御信号のログをログデータ103としてメモリ142に蓄積する。
【0053】
ログデータ103を参照することで、LED11をどんな出力で、どれだけの時間点灯させたかを知ることができる。また、CPU141にはRTC145が接続されているので、ログ作成プログラム102は、LED11に対して出力された制御信号のログを、信号発生時刻情報とともにログデータ103に記録する。これにより、時間帯別の照明ユニット1の稼動状態などを様々に分析することができる。
【0054】
{6.その他}
上記実施の形態においては、照明ユニット1は、LED11を含む照明装置、制御部14を含む制御装置、およびセンサ15を備えた一体型のユニットとして説明した。しかし、照明装置と制御装置を別のユニットで構成してもよい。制御装置をポールや壁の内側に収容し、照明装置をポールや壁に取り付ける形態であってもよい。また、上記の例では、デフォルトのセンサ15はユニットに一体型となって取り付けられているが、別ユニットとして取り付けられてもよい。
【0055】
上記実施の形態においては、照明ユニット1は、無線通信インタフェースあるいは有線通信インタフェースを介してPC2から制御プログラムを取得した。これ以外にも、着脱可能なメモリ媒体を介して制御プログラムを転送するようにしてもよい。照明ユニット1が着脱可能なメモリ媒体のインタフェース(メモリスロット)を備え、制御プログラムが格納されたメモリ媒体を装着することで、制御プログラムのインストールを行う。
【0056】
上記実施の形態においては、照明ユニット1が駐車場内に1台設置される場合を例に説明した。照明ユニット1は1台に限られず、複数配置されてもよい。たとえば、施設内に5〜10台など多数の照明ユニット1を設置し、それぞれがセンシング情報に応じた照明制御を行うようにする。照明ユニット1は、それぞれ接続されたセンサに応じて動作する自律したユニットである。同じ施設内に多数の照明ユニット1が設置されている場合にも、設置場所の違いによって外部環境が異なれば、それぞれの照明ユニット1が異なる動作をする。あるいは、施設内の多数の照明ユニット1が同じ動作をするように、環境の差を吸収するよう制御プログラムを調整してもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 照明ユニット
2 PC
4 追加センサ
11(11R、11G、11B) LED
12 LEDドライバ
14 制御部
15 センサ
16 センサコネクタ
17 無線ユニット
101 制御プログラム
102 ログ作成プログラム
103 ログデータ
105 制御プログラム
141 CPU
142 メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明装置と、
前記照明装置を制御するドライバと、
センサインタフェースと、
前記センサインタフェースに接続されたセンサから入力したセンシング情報に基づいて前記照明装置の制御を行うための制御プログラムを記憶するプログラム記憶部と、
前記センサインタフェースからセンシング情報を入力するとともに前記プログラム記憶部に格納された前記制御プログラムを実行し、センシング情報に対応した制御信号を前記ドライバに出力する演算処理装置と、
前記センサインタフェースに接続される前記センサに対応した前記制御プログラムを外部から入力する入力インタフェースと、
を含むことを特徴とする照明システム。
【請求項2】
請求項1に記載の照明システムにおいて、
前記入力インタフェースは、通信インタフェースを含むことを特徴とする照明システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の照明システムにおいて、
前記入力インタフェースは、着脱可能な記憶媒体のインタフェースを含むことを特徴とする照明システム。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の照明システムにおいて、さらに、
追加センサを接続する追加センサインタフェース、
を備え、
前記演算処理装置は、
前記追加センサインタフェースからセンシング情報を入力するとともに前記プログラム記憶部に格納された追加制御プログラムを実行し、センシング情報に対応した制御信号を前記ドライバに出力する追加センサ制御部、
を含むことを特徴とする照明システム。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の照明システムにおいて、さらに、
前記制御プログラムに基づいて前記照明装置を制御した結果をログ情報として記憶するログ情報記憶部、
を備えることを特徴とする照明システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−14430(P2011−14430A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−158683(P2009−158683)
【出願日】平成21年7月3日(2009.7.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(000103736)オプテックス株式会社 (116)
【Fターム(参考)】