説明

照明制御システム

【課題】人の操作を必要とすることなく照明の制御を容易に行うことのできる照明制御システムを提供することを目的とする。
【解決手段】照明制御システムは、起動信号を繰り返し送信し、前記起動信号に対し、タグを識別するタグ識別子を含む応答信号をタグから受信し、受信した前記応答信号に含まれるタグ識別子が予め記憶しているタグ識別子と同一である場合に有線接続された照明機器に対して点灯に係る制御信号を出力するタグリーダと、前記起動信号を受信すると、前記応答信号を送信するタグとから構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明機器の制御を行うシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ビルのフロアの一区画(エリア)が利用される場合、その利用者は、例えば壁面に備えられた照明スイッチを操作して、利用するエリア内の照明機器を点灯させている。このような操作では、複数のスイッチを操作することで、利用するエリアの複数の照明機器の点灯を制御する場合がある。
そこで、特許文献1では、予めグルーピングされた照明機器(例えば、エリア毎にグルーピングされた照明機器)に対して、タッチパネル上の1回の点灯操作により、複数のスイッチを操作することなく点灯・消灯を制御する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−243478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、照明スイッチの操作にしろ、特許文献1に開示されているタッチパネル上の操作にしろ、人の操作が必要であるので、利用者はその操作が煩わしいと感じるときがある。例えば、あるエリアを利用したい人物が、両手に荷物を抱えている場合である。
そこで、本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであって、人の操作を必要とすることなく照明の制御を容易に行うことのできる照明制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、照明制御システムであって、タグを識別するタグ識別子を記憶するタグ識別子記憶手段、タグと通信を行うための起動信号を繰り返し送信する第1送信手段、前記起動信号に対する応答としてタグ識別子を含む応答信号をタグから受信する第1受信手段、及び前記応答信号に含まれるタグ識別子が前記タグ識別子記憶手段に記憶しているタグ識別子と同一である場合に有線接続された照明機器に点灯に係る制御信号を出力する出力手段を備えるタグリーダと、
前記起動信号を受信する第2受信手段、及び前記起動信号が受信されると前記応答信号を送信する第2送信手段とを備えるタグから構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
この構成によると、照明制御システムは、タグリーダにおいて自身が送信した起動信号に対応する応答信号を送信したタグが照明を制御すべきものである場合に、当該タグリーダと有線接続された照明機器の点灯に係る制御を行う。これにより、照明制御システムは、照明機器の制御を人の操作を介することなく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】照明制御システム1の概要を示す図である。
【図2】タグリーダ10aの構成を示すブロック図である。
【図3】認証情報テーブル171のデータ構造の一例を示す図である。
【図4】タグ20aの構成を示すブロック図である。
【図5】リーダ情報テーブル232のデータ構造の一例を示す図である。
【図6】照明制御処理の概要を示す流れ図である。
【図7】登録処理の概要を示す流れ図である。
【図8】タグ20aにおける処理を示す流れ図である。
【図9】タグリーダ10aにおける処理を示す流れ図である。
【図10】タグ1020の構成を示すブロック図である。
【図11】タグ1020における処理を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態である照明制御システム1について、図面を参照しながら説明する。
1.第1の実施の形態
1.1 概要
実施の形態に係る照明制御システム1は、図1に示すように、タグリーダ(以下、「TR」ともいう。)10a〜10dと、タグ20a〜20fと、照明機器30a〜30dとから構成されている。
【0009】
照明制御システム1は、フロア2内のエリアA〜Dにおいて、エリアに存在するタグとタグリーダとの通信により、当該エリアに存在する照明機器の点灯に係る制御を行う。ここで、点灯に係る制御とは、例えば、照明機器の電源をオンにする制御である。
TR10a〜10dそれぞれは、エリア内に存在するタグと通信を行うために、一定の周期(T0)毎に、LF(LowFrequency)帯(135kHz帯)の一周波数を用いて起動信号を発報している。この起動信号には、当該起動信号を発報したリーダ識別子が含まれている。ここで、リーダ識別子とはTRを識別するためのものであり、例えば、MACアドレス(Media Access Control address)である。また、TR10a〜10dそれぞれは、照明機器30a〜30dと有線接続されている。TR10a〜10dそれぞれは、当該TRが発報した起動信号を受信したタグから、起動信号に対する応答を示す応答信号を受信する。ここで、応答信号には、受信した起動信号に含まれるリーダ識別子と、当該応答信号を送信したタグを識別するためのタグ識別子とが含まれている。TR10a〜10dそれぞれは、受信した応答信号に含まれるリーダ識別子を基に当該応答信号が自身宛のものであるか否かを判断する。自身宛であると判断する場合において、各TR10a〜10dは、タグ識別子が当該TRに登録されているときに、接続された照明機器30a〜30dの点灯に係る制御を行う。
【0010】
タグ20a〜20fは、あるエリアにて当該エリアに存在するTRから起動信号を受信すると、受信した起動信号に含まれるリーダ識別子が示すTRに対して応答信号を送信するか、TRへタグ識別子の登録が可能である旨をユーザ(タグの所有者)に通知する。タグ識別子の登録が可能である場合において、タグはユーザから指示をつけつけると、タグ識別子及び送信先となるTRのリーダ識別子を含む登録信号を、受信した起動信号を送信したTRへ送信する。ここで、タグ20a〜20fそれぞれは、応答信号及び登録信号を送信する場合には、UHF(UltraHigh Frequency)帯(400MHz帯)の一周波数を用いる。
【0011】
また、TR10a〜10dは、登録信号を受信すると、登録信号に含まれるタグ識別子の登録を行う。
以下、各装置の詳細について説明する。
1.2 タグリーダ(TR)10a〜10d
タグリーダ10a〜10dの構成要素は同じであるので、ここでは、タグリーダ10aの構成要素について説明する。
【0012】
タグリーダ10aは、図2に示すように、I/F(InterFace)部110と、LF帯送受信部140と、小電力受信部(UHF帯受信部)150と、記憶部170と、制御部180とから構成される。
(1)I/F部110
I/F部110は、照明機器30aと予め定められた通信規格(例えばRS−485規格)に従って通信を実行する機能を有する。具体的には、I/F部110は、照明機器30aから送信されてくる信号を制御部180に伝達する機能と、制御部180から伝達されてきた照明の点灯に係る制御信号を照明機器30aに送信する機能とを有する。
【0013】
(2)LF帯送受信部140
LF帯送受信部140は、タグ20a〜20fと通信を実行するものであり、制御部180から伝達された起動信号、及び登録が完了した旨を示す完了信号を変調して、LF帯でLFアンテナ141を介して送信する機能を有している。また、LF帯送受信部140は、LF帯で送信されてきた信号を受信して制御部180に伝達する機能とも有している。
【0014】
(3)小電力受信部150
小電力受信部150は、タグ20a〜20fからの信号をUHF帯でUHFアンテナ151を介して受信し、受信した信号を復調して制御部180に伝達する機能を有する。
具体的には、タグ20a〜20fから送信された応答信号及び登録信号を受信し、受信した応答信号及び登録信号を復調して制御部180へ伝達する。
【0015】
(4)記憶部170
記憶部170は、HDD(Hard Disc Drive)、メモリ等を含んで構成され、タグリーダ10aが動作上必要とする各種データ、プログラムを記憶する機能を有する。また、記憶部170は、認証の際に参照する認証情報テーブル171を記憶している。
【0016】
ここで、認証情報テーブル171は、図3に示すように、タグ識別子を複数個記憶するための領域を有している。
(5)制御部180
制御部180は、記憶部170に記憶されているプログラムを実行することによりタグリーダ10aの各部を制御する機能を有する。
【0017】
制御部180は、所定の周期T0毎に1回、起動信号が発報されるようLF帯送受信部140の動作を制御する。
制御部180は、小電力受信部150で自身宛の応答信号が受信されると、受信した応答信号に含まれるタグ識別子と、記憶部170で記憶している認証情報テーブル171とを用いて、受信しタグ識別子の認証を行う。具体的には、制御部180は、受信したタグ識別子が認証情報テーブル171に含まれているか否かを判断する。受信したタグ識別子が認証情報テーブル171に含まれていると判断する場合には、制御部180は、制御信号を照明機器30aへ、I/F部110を介して送信する。
【0018】
制御部180は、小電力受信部150で自身宛の登録信号が受信されると、受信した登録信号が自身宛の場合に、受信した登録信号に含まれるタグ識別子を、認証情報テーブル171へ書き込む(登録する)。登録が完了すると、制御部180は、完了信号が送信されるようLF帯送受信部140の動作を制御する。
ここで、自身宛の応答信号及び登録信号であるかの判断は、応答信号及び登録信号それぞれに含まれるリーダ識別子が、自身が保持するリーダ識別子と同一である否かに基づいて行うことができる。
【0019】
1.3 タグ20a〜20f
タグ20a〜20fの構成要素は同じであるので、タグ20aについてのみ説明する。
タグ20aは、図4に示すように、LF帯送受信部210、小電力送信部(UHF帯送信部)220、メモリ230、ボタン240、通知部250、電池260及び制御部270から構成されている。
【0020】
(1)LF帯送受信部210
LF帯送受信部210は、LFアンテナ211を介して、タグリーダ10a及び10bからの起動信号を受信して、受信した起動信号を復調して制御部270に伝達する機能を有する。また、LF帯送受信部210は、制御部270から伝達されてきた信号を変調してLFアンテナ211を介して送信する機能をも有する。
【0021】
(2)小電力送信部220
小電力送信部220は、制御部270から伝達されてきた応答信号及び登録信号を変調してUHFアンテナ221を介して送信する機能を有する。
(3)メモリ230
メモリ230は、自身に割り当てられたタグ識別子231及びリーダ情報テーブル232を記憶している。
【0022】
リーダ情報テーブル232は、図5に示すように、リーダ識別子を複数個記憶するための領域を有している。
ここでは、タグ20aが登録信号を送信した送信先のTRのリーダ識別子が、リーダ情報テーブル232へ登録される。
(4)ボタン240
ボタン240は、ユーザからの操作を受け付けるボタンであり、ユーザの押下を受け付けた場合に、その旨を制御部270に伝達する機能を有する。
【0023】
(5)通知部250
通知部250は、TR10aの化粧パネルに備えられたLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)あるいはLCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)を用いて、タグ識別子の登録に係る情報をユーザに通知する機能を有する。
【0024】
(6)電池260
電池260は、UHF帯で応答信号を送信するための電力を小電力送信部220と制御部270に供給する機能を有する。
(7)制御部270
制御部270は、タグ20aの各部を制御する機能を有する。制御部270は、図4に示すように、受信制御部271、登録制御部272及び送信制御部273を有している。
【0025】
(7−1)受信制御部271
受信制御部271は、LF帯での通信に係る制御を行うものである。
受信制御部271は、LF帯送受信部210から伝達されてきた起動信号に含まれるリーダ識別子が、リーダ情報テーブル232に保持されているか否かを判断する。
保持されていると判断する場合には、受信制御部271は、応答信号を送信する旨の指示(送信指示)を送信制御部273に対して通知する。
【0026】
保持されていないと判断する場合には、受信制御部271は、TRへの登録に係る動作を開始する旨の指示(開始指示)を登録制御部272に対して通知する。
また、受信制御部271は、LF帯送受信部210で完了信号が受信されると、その旨を通知部250を介してユーザに通知する。
(7−2)登録制御部272
登録制御部272は、タグ20aのタグ識別子のTRへの登録に係る制御を行う機能を有している。
【0027】
登録制御部272は、受信制御部271から開始指示を受け取ると、TRへの登録が可能である旨を、通知部250を介してユーザに通知する。このとき、登録制御部272は、タイマを起動させ、一定時間の間、通知部250による通知がなされるよう通知部250を制御する。
ユーザによるボタン240の操作により、前記一定時間内に、登録を行う旨の指示を受け付けると、登録信号を送信する旨の指示(登録指示)を送信制御部273に対して通知する。また、登録制御部272は、受信したリーダ識別子を一時的に保持する。なお、登録制御部272は、一定時間が経過した後に登録を行う旨の指示を受け付けても、登録指示は行わない。
【0028】
さらに、登録制御部272は、受信制御部271が完了信号を受信すると、一時的に保持しているリーダ識別子をリーダ情報テーブル232へ書き込む(登録する)。
(7−3)送信制御部273
送信制御部273は、UHF帯での通信に係る制御を行うものである。
送信制御部273は、受信制御部271から送信指示を受け付けると、受信した起動信号に含まれるリーダ識別子を含む応答信号を送信するよう小電力送信部220を制御する。
【0029】
また、送信制御部273は、登録制御部272から登録指示を受け付けると、受信した起動信号に含まれるリーダ識別子と、自身のタグ識別子231とを含む登録信号を送信するよう小電力送信部220を制御する。
1.4 動作
(1)照明制御時の動作概要
ここでは、タグリーダ(TR)10a、タグ20a及び照明機器30aを用いて、照明制御システム1の照明制御時の動作概要について、図6に示す流れ図を用いて説明する。
【0030】
タグリーダ10aは、周期T0内に1回、起動信号を発報する(ステップS5)。
タグ20aは、起動信号を受信すると、受信した起動信号に含まれるリーダ識別子が登録されている場合には、UHF帯で応答信号をタグリーダ10aへ送信する(ステップS10)。
タグリーダ10aは、タグ20aから応答信号を受信した後、当該応答信号に含まれるタグ識別子が登録されている場合には、制御信号を照明機器30aへ送信する(ステップS15)。このとき、照明機器30aにおいては、点灯に係る制御がなされる。
【0031】
(2)登録時の動作概要
ここでは、タグリーダ10aとタグ20aとを用いて、照明制御システム1のタグ識別子の登録時の動作概要について、図7に示す流れ図を用いて説明する。
タグリーダ10aは、周期T0内に1回、起動信号を発報する(ステップS50)。
タグ20aは、起動信号を受信すると、受信した起動信号に含まれるリーダ識別子が登録されていない場合には、通知部250を介してユーザへ登録可能である旨を通知する(ステップS55)。
【0032】
タグ20aは、ユーザから一定時間内に登録指示を受け付けると(ステップS60)、登録信号をTR10aへ送信する(ステップS65)。
タグリーダ10aは、タグ20aから登録信号を受信した後、当該登録信号に含まれるタグ識別子の登録を行い、登録が完了すると完了信号をタグ20aへ送信する(ステップS70)。
【0033】
タグ20aは、完了信号を受信すると、登録が完了した旨を通知部250を介してユーザへ通知する(ステップS75)。
(3)タグの動作について
ここでは、タグ20aを用いて、起動信号を受信した場合の動作について、図8で示す流れ図を用いて説明する。
【0034】
制御部270の受信制御部271は、LF帯送受信部210で起動信号を受信したか否かを判断する(ステップS100)。
起動信号を受信していないと判断する場合には(ステップS100における「No」)、処理はステップS100へ戻る。
起動信号を受信したと判断する場合には(ステップS100における「Yes」)、受信制御部271は、受信された起動信号に含まれるリーダ識別子が、リーダ情報テーブル232に保持されているか否かを判断する(ステップS105)。
【0035】
受信制御部271で受信したリーダ識別子が保持されていると判断される場合には(ステップS105における「Yes」)、送信制御部273は、応答信号を小電力送信部220を介して送信する(ステップS110)。
受信制御部271で受信したリーダ識別子が保持されていないと判断される場合には(ステップS105における「No」)、登録制御部272は、TRへの登録が可能である旨を、通知部250を介してユーザに通知する(ステップS115)。このとき、登録制御部272は、タイマを起動させ、一定時間の間、通知部250による通知がなされるよう通知部250を制御する。
【0036】
登録制御部272は、ボタン240でユーザから登録指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS120)。
登録指示を受け付けていないと判断する場合には(ステップS120における「No」)、登録制御部272は、ユーザに通知してから一定時間が経過したか否かを判断する(ステップS125)。経過したと判断する場合(ステップS125における「Yes」)、処理は終了する。また、経過していないと判断する場合には(ステップS125における「No」)、処理はステップS120へ戻る。
【0037】
登録制御部272で登録指示を受け付けたと判断される場合には(ステップS120における「Yes」)、送信制御部273は、登録信号を小電力送信部220を介して送信する(ステップS130)。なお、このとき登録制御部272は、受信したリーダ識別子を一時的に記憶する。
受信制御部271は、完了信号を受信すると(ステップS135)、登録が完了した旨を通知部250を介してユーザへ通知する(ステップS140)。
【0038】
登録制御部272は、受信制御部271が完了信号を受信すると、一時的に記憶しているリーダ識別子をリーダ情報テーブル232へ登録する(ステップS145)。
(4)タグリーダの動作について
ここでは、TR10aを用いて、起動信号を受信した場合の動作について、図9で示す流れ図を用いて説明する。
【0039】
TR10aの制御部180は、所定の周期T0毎に1回、起動信号をLF帯送受信部140を介して送信する(ステップS200)。
制御部180は、小電力受信部150で自身宛の応答信号が受信されたか否かを判断する(ステップS205)。
応答信号が受信されていないと判断する場合(ステップS205における「No」)、制御部180は、自身宛の登録信号が受信されたか否かを判断する(ステップS210)。登録信号が受信されていないと判断する場合(ステップS210における「No」)、処理はステップS200へ戻る。登録信号が受信されたと判断する場合(ステップS210における「Yes」)、制御部180は、受信した登録信号に含まれるタグ識別子を取得し、認証情報テーブル171へ登録する(ステップS220)。
【0040】
応答信号が受信されたと判断する場合(ステップS205における「Yes」)、制御部180は、応答信号に含まれるタグ識別子を取得する(ステップS225)。
制御部180は、取得したタグ識別子が、認証情報テーブル171に含まれているか否かを判断する(ステップS230)。取得したタグ識別子が、認証情報テーブル171に含まれていると判断する場合(ステップS230における「Yes」)、制御部180は、制御信号を有線接続された照明機器30aへ送信する(ステップS235)。
【0041】
2.第2の実施の形態
ここでは、第1の実施の形態における照明制御システム1の変形例について説明する。
本第2の実施の形態は、所定時間内(例えば、時間T0の整数倍)において、タグが複数のTRから起動信号を受信した場合における登録に係る処理の一例を示すものである。
具体的には、タグは、所定時間内(T0×n)において、登録されていない複数のTRから起動信号を受信すると、各起動信号の受信信号強度(RSSI)の値を計測する。ここで、nは、1以上の整数であるとする。そして、タグは、ユーザから登録の指示を受け付けると、受信した起動信号のうち、RSSI値が最も高い起動信号を特定し、特定した起動信号の送信元であるTRへ登録信号を送信する。なお、本変形例1では、各タグリーダから送信される起動信号それぞれは、同じ出力強度であるとする。
【0042】
以下、機能について詳細に説明するが、TRについては第1の実施の形態と同様の機能であるので、ここでの説明は省略する。
ここでは、本第2の実施の形態に係るタグについて、第1の実施の形態にて示したタグとの相違点を中心に説明する。
2.1 タグの構成
本第2の実施の形態に係るタグ1020は、図10に示すように、LF帯送受信部210、小電力送信部(UHF帯送信部)220、メモリ230、ボタン240、通知部250、電池260及び制御部1270から構成されている。なお、第1の実施の形態と同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付している。
【0043】
以下、制御部1270について説明する。
(1)制御部1270
制御部1270は、タグ1020の各部を制御する機能を有する。制御部1270は、図10に示すように、受信制御部1271、登録制御部1272、送信制御部1273及び記憶部1274から構成されている。
【0044】
(1−1)記憶部1274
記憶部1274は、受信したリーダ識別子と、当該リーダ識別子を含む起動信号に対して計測されたRSSI値とからなる組を複数個、一時的に記憶するための領域を有している。
(1−2)受信制御部1271
受信制御部1271は、LF帯での通信に係る制御を行うものである。
【0045】
受信制御部1271は、LF帯送受信部210で受信した起動信号のRSSI値を計測し、計測したRSSIと、受信した起動信号に含まれるリーダ識別子とからなる組を記憶部1274へ一時的に格納する。
また、受信制御部1271は、所定時間(T0×n)を周期的に計時している。そして、所定時間(T0×n)を計時する度に、その時間内で受信した起動信号があるか否かを判断する。具体的には、受信制御部1271は、記憶部1274にリーダ識別子が存在するか否かを判断する。
【0046】
受信した起動信号があると判断する場合には、受信制御部1271は、LF帯送受信部210から伝達されてきた起動信号に含まれるリーダ識別子が、リーダ情報テーブル232に保持されているか否かを判断する。
リーダ情報テーブル232に保持されていると判断する場合には、受信制御部1271は、応答信号を送信する旨の指示(送信指示)を送信制御部1273に対して通知する。
【0047】
保持されていないと判断する場合には、受信制御部1271は、TRへの登録に係る動作を開始する旨の指示(開始指示)を登録制御部1272に対して通知する。
また、受信制御部1271は、LF帯送受信部1210で完了信号が受信されると、その旨を通知部250を介してユーザに通知する。
(1−3)登録制御部1272
登録制御部1272は、タグ1020のタグ識別子のTRへの登録に係る制御を行う機能を有している。
【0048】
登録制御部1272は、受信制御部1271から開始指示を受け取ると、TRへの登録が可能である旨を、通知部250を介してユーザに通知する。このとき、登録制御部1272は、タイマを起動させ、一定時間の間、通知部250による通知がなされるよう通知部250を制御する。
ユーザによるボタン240の操作により、前記所定時間内に、登録を行う旨の指示を受け付けると、登録信号を送信する旨の指示(登録指示)を送信制御部1273に対して通知する。
【0049】
さらに、登録制御部272は、受信制御部271が完了信号を受信すると、記憶部1274で記憶されているRSSI値のうち最も高いRSSI値と対応付けられたリーダ識別子をリーダ情報テーブル232へ書き込む(登録する)。
(1−4)送信制御部1273
送信制御部1273は、UHF帯での通信に係る制御を行うものである。
【0050】
送信制御部1273は、受信制御部271から送信指示を受け付けると、応答信号を送信するよう小電力送信部220を制御する。
また、送信制御部1273は、登録制御部1272から登録指示を受け付けると、記憶部1274で記憶されているRSSI値のうち最も高いRSSI値と対応付けられたリーダ識別子を特定する。そして、特定したリーダ識別子を含む登録信号を送信するよう小電力送信部220を制御する。
【0051】
2.2 動作
ここでは、タグ1020の動作について説明する。なお、本第2の実施の形態に係るTRの動作は第1の実施の形態で示したTRの動作と同様であるので、ここでの説明は省略する。
(1)タグ1020の動作
受信制御部1271は、受信結果判断時期が到来したか否かを判断する(ステップS300)。具体的には、受信制御部1271は、所定時間(T0×n)が経過したか否かを判断する。
【0052】
受信結果判断時期が到来していないと判断する場合には(ステップS300における「No」)、受信制御部1271は、LF帯送受信部210で受信した起動信号を受信したか否かを判断する(ステップS305)。
起動信号を受信していないと判断する場合(ステップS305における「No」)、処理はステップS300へ戻る。
【0053】
起動信号を受信したと判断する場合(ステップS305における「Yes」)、受信制御部1271は、受信した起動信号のRSSI値を計測する(ステップS310)。受信制御部1271は、計測したRSSIと、受信した起動信号に含まれるリーダ識別子とからなる組を記憶部1274へ一時的に記憶する(ステップS315)。そして、処理はステップS300へ戻る。
【0054】
受信結果判断時期が到来したと判断する場合には(ステップS300における「Yes」)、受信制御部1271は、1つ以上のリーダ識別子を受信したか否かを判断する(ステップS320)。具体的には、受信制御部1271は、記憶部1274にリーダ識別子が存在するか否かを判断する。
1つ以上のリーダ識別子を受信していないと判断する場合には(ステップS320における「No」)、処理はステップS300へ戻る。
【0055】
1つ以上のリーダ識別子を受信したと判断する場合には(ステップS320における「Yes」)、受信制御部1271は、受信した1つ以上のリーダ識別子のうち、リーダ情報テーブル232に保持されているものが存在するか否かを判断する(ステップS325)。
受信された1つ以上のリーダ識別子のうちリーダ情報テーブル232に保持されているものが存在すると判断される場合には(ステップS325における「Yes」)、送信制御部1273は、保持されているリーダ識別子に対応するタグリーダを宛先とする応答信号を小電力送信部220を介して送信する(ステップS330)。
【0056】
受信された1つ以上のリーダ識別子のうちリーダ情報テーブル232に保持されているものが存在しないと判断される場合には(ステップS325における「No」)、送信制御部1273は、TRへの登録が可能である旨を、通知部250を介してユーザに通知する(ステップS335)。このとき、登録制御部272は、タイマを起動させ、一定時間の間、通知部250による通知がなされるよう通知部250を制御する。
【0057】
登録制御部1272は、ボタン240でユーザから登録指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS340)。
登録指示を受け付けていないと判断する場合には(ステップS340における「No」)、登録制御部1272は、ユーザに通知してから一定時間が経過したか否かを判断する(ステップS345)。経過したと判断する場合(ステップS345における「Yes」)、処理は終了する。また、経過していないと判断する場合には(ステップS345における「No」)、処理はステップS340へ戻る。
【0058】
登録制御部1272で登録指示を受け付けたと判断される場合には(ステップS340における「Yes」)、送信制御部1273は、受信した1つ以上のリーダ識別子のうちRSSI値が最も高いリーダ識別子を記憶部1274から特定する(ステップS350)。
送信制御部1273は、特定したリーダ識別子に対応するタグリーダを宛先とする登録信号を送信する(ステップS355)。
【0059】
受信制御部1271は、完了信号を受信すると(ステップS360)、登録が完了した旨を通知部250を介してユーザへ通知する(ステップS365)。
登録制御部1272は、受信制御部271が完了信号を受信すると、記憶部1274で記憶されているRSSI値のうち最も高いRSSI値と対応付けられたリーダ識別子をリーダ情報テーブル232へ登録する(ステップS370)。
【0060】
2.3 変形例
上記第2の実施の形態では、計測したRSSI値のうち最も高いRSSI値であるリーダ識別子を特定したが、これに限定されない。
(1)計測したRSSI値のうち所定値以上であるRSSI値に対応するリーダ識別子を特定してもよい。このとき、上記第2の実施の形態と同様に、各タグリーダから送信される起動信号それぞれは、同じ出力強度であるとする。
【0061】
この場合、タグは、特定するための基準となる基準値を予め記憶している。タグの登録制御部は、ユーザから登録指示を受け付けると、記憶部で記憶している1つ以上のRSSI値のうち基準値以上であるRSSIを少なくとも1つ以上特定する。タグの送信制御部は、特定された1つ以上のRSSI値それぞれに対応するリーダ識別子を宛先とする登録信号を送信する。
【0062】
その後、受信制御部は、登録信号の宛先とした各タグリーダから完了信号を受信する。なお、この場合完了信号には、送信元のリーダ識別子が含まれているものとする。そして、登録制御部は、完了信号が受信される度に、当該完了信号に含まれるリーダ識別子をリーダ情報テーブルへ登録する。
(2)また、上記第2の実施の形態及び上記(1)においては、各タグリーダから送信される起動信号それぞれは、同じ出力強度であるとしたが、各起動信号は異なる出力強度であってもよい。
【0063】
この場合、各タグリーダは、複数の基準値を予め記憶している。そして、タグリーダは、起動信号を送信する際に、受信側のタグが用いるべき基準値を当該起動信号に付加して送信する。
タグの受信制御部は、受信した起動信号から基準値及びリーダ識別子とを取得し、記憶部へ、計測したRSSI値とともに記憶する。
【0064】
登録処理を行う際には、送信制御部は、計測されたRSSIの値が対応する基準値以上であるか否かを判断する。基準値以上である場合には、そのリーダ識別子を取得する。この判断及び特定を受信したリーダ識別子毎に行い、登録指示の送信対象となる全てのリーダ識別子を取得する。
送信制御部は、特定されたRSSI値それぞれに対応するリーダ識別子を宛先とする登録信号を送信する。
【0065】
その後、受信制御部は、登録信号の宛先とした各タグリーダから完了信号を受信する。なお、この場合完了信号には、送信元のリーダ識別子が含まれているものとする。そして、登録制御部は、完了信号が受信される度に、当該完了信号に含まれるリーダ識別子をリーダ情報テーブルへ登録する。
(3)上記において、受信側のタグが用いるべき基準値を、タグリーダが指定したが、指定方法はこれに限らない。
【0066】
例えば、タグリーダは、出力強度を段階的にレベル分けし、各出力強度とレベルとを対応付けて予め記憶している。
タグは、各レベルに応じた基準値を、当該レベルと対応付けて予め記憶している。
そして、各タグリーダは、起動信号を送信する際に、出力強度に応じたレベルを示すレベル情報を当該起動信号に付加して送信する。
【0067】
タグの受信制御部は、受信した起動信号からレベル情報及びリーダ識別子とを取得し、記憶部へ、計測したRSSI値とともに記憶する。
登録処理を行う際には、送信制御部は、計測されたRSSI値が対応付けられたレベル情報が示すレベルに対応する基準値を特定する。送信制御部は、計測されたRSSI値が特定された基準値以上であるか否かを判断する。基準値以上である場合には、対応するリーダ識別子を取得する。この判断及び特定を受信したリーダ識別子毎に行い、登録指示の送信対象となる全てのリーダ識別子を取得する。
【0068】
送信制御部は、取得されたRSSI値それぞれに対応するリーダ識別子を宛先とする登録信号を送信する。
その後、受信制御部は、登録信号の宛先とした各タグリーダから完了信号を受信する。なお、この場合完了信号には、送信元のリーダ識別子が含まれているものとする。そして、登録制御部は、完了信号が受信される度に、当該完了信号に含まれるリーダ識別子をリーダ情報テーブルへ登録する。
【0069】
3.その他の変形例
上記第1及び第2の実施の形態において、本発明の実施の手法について説明してきたが、本発明の実施形態がこれらに限られないことは勿論である。以下、上記実施形態以外に本発明として含まれる各種の変形例について説明する。
(1)上記実施の形態において、タグリーダと照明機器とは、1対1の関係にあったが、これに限定されない。
【0070】
タグリーダと照明機器とは、1対n(nは2以上の整数)の関係としてもよい。この場合、タグリーダは、n個の照明機器と有線接続されており、n個の照明機器に対して制御信号を送信する。
(2)上記実施の形態において、点灯に係る制御として、電源をオンにする制御を一例として挙げたが、これに限定されない。
【0071】
例えば、タグリーダは、ある一定期間の間(例えば、5分間)、受信した応答信号に含まれるタグ識別子のうち、認証情報テーブルに含まれるタグ識別子と一致した件数をカウントしておき、カウントした値に応じて照明の照度を調整する(調光する)よう制御してもよい。なお、本発明における点灯に係る制御の概念には、調光するよう制御することも含める。
【0072】
また、ある一定期間の間、応答信号を全く受信しない場合においては、タグリーダは、照明の消灯に係る制御信号を送信してもよい。
(3)上記第1の実施の形態において、タグ20a〜20fそれぞれは、リーダ情報テーブル232を有する構成としたが、これに限定されない。
タグ20a〜20fそれぞれは、リーダ情報テーブル232を有する構成でなくてもよい。
【0073】
この場合におけるタグは、起動信号を受信すると、応答信号を送信するとともに、通知部により登録が可能である旨の通知をユーザに通知する。
タグリーダは、応答信号を受信すると、受信した応答信号に含まれるタグ識別子を記憶している場合には照明機器に制御信号を送信する。受信したタグ識別子を記憶していない場合には、タグリーダは制御信号の送信は行わない。
【0074】
タグにおいて、ユーザから登録指示を受け付けると、タグリーダへ登録信号を送信する。タグリーダは、登録信号を受信すると、受信した登録信号に含まれるタグ識別子を認証情報テーブル171へ登録する。なお、既に登録されている場合には、受信したタグ識別子の登録は行わなくてもよい。
(4)上記の実施の形態において、リーダ識別子の一例としてMACアドレスを挙げたが、これに限定されない。
【0075】
リーダ識別子は、TRを識別するためのものであればよい。例えば、他の例として、IPアドレスや、予め一意に割り当てられたIDである。
また、タグ識別子においても同様に、タグを識別するためのものであればよい。例えば、MACアドレス、IPアドレスや、予め一意に割り当てられたIDである。
(5)上記実施の形態において、登録指示はボタンから行うものとしたが、これに限定されない。
【0076】
音声により登録指示を受け付けてもよい。つまり、タグは、登録指示を受け付けることのできる機構であれば、どのような機構であってもよい。
(6)上記の実施の形態で説明した手法は装置や集積回路で実現されてもよい。また、上記の手法の手順を記述したプログラムをメモリに記憶しておき、CPU(Central Processing Unit)などがメモリからプログラムを読み出して、読み出したプログラムを実行することによって、上記の手法が実現されるようにしてもよい。
【0077】
(7)上記の実施の形態で説明した手法の手順を記述したプログラムを記録媒体に格納して、頒布するようにしてもよい。
(8)上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
4.補足
(1)本発明の一実施態様である、照明制御システムは、タグを識別するタグ識別子を記憶するタグ識別子記憶手段、タグと通信を行うための起動信号を繰り返し送信する第1送信手段、前記起動信号に対する応答としてタグ識別子を含む応答信号をタグから受信する第1受信手段、及び前記応答信号に含まれるタグ識別子が前記タグ識別子記憶手段に記憶しているタグ識別子と同一である場合に有線接続された照明機器に点灯に係る制御信号を出力する出力手段を備えるタグリーダと、前記起動信号を受信する第2受信手段、及び前記起動信号が受信されると前記応答信号を送信する第2送信手段とを備えるタグから構成されることを特徴とする。
【0078】
この構成によると、照明制御システムは、タグリーダにおいて自身が送信した起動信号に対応する応答信号を送信したタグが照明を制御すべきものである場合に、当該タグリーダと有線接続された照明機器の点灯に係る制御を行う。これにより、照明制御システムは、照明機器の制御を人の操作を介することなく行うことができる。
(2)ここで、前記第2送信手段は、さらに、ユーザから登録指示がなされると当該タグのタグ識別子を含む指示情報を前記タグリーダへ送信し、前記第1受信手段は、さらに、前記指示情報を受け付け、前記タグリーダは、さらに、前記指示情報が受信されると、当該指示情報に含まれるタグ識別子を前記タグ識別子記憶手段へ登録する登録手段を備え、前記出力手段は、受信した応答信号が前記タグ識別子記憶手段に記憶しているタグ識別子で識別されるタグからのものである場合に、前記制御信号を出力するとしてもよい。
【0079】
この構成によると、タグの所有者は、ある照明機器の制御を所望する場合において、接続されたタグリーダや所望する照明機器のアドレス管理を行わなくても、所有するタグをタグリーダへ容易に登録することができる。
(3)ここで、前記タグは、さらに、前記起動信号が受信されると、前記タグリーダへの登録が可能である旨をユーザに一定期間の間、通知する通知手段を備え、前記第2送信手段は、前記一定期間の間に前記登録指示を受け付けた場合に、指示情報を前記タグリーダへ送信するとしてもよい。
【0080】
この構成によると、タグの所有者は、登録が可能であることをタグから通知されるので、登録のタイミングを容易に知ることできる。
(4)ここで、起動信号には、タグリーダを識別するためのリーダ識別子が含まれており、前記タグは、さらに、タグリーダのリーダ識別子を記憶するためのリーダ識別子記憶手段と、前記通知手段による前記通知がなされている間にユーザから登録指示がなされると、前記リーダ識別子を前記リーダ識別子記憶手段へ書き込む書込手段とを備え、前記通知手段は、受信された起動信号に含まれるリーダ識別子が前記リーダ識別子記憶手段に記憶されていない場合に前記通知を行うとしてもよい。
【0081】
この構成によると、タグは、既に登録しているタグリーダへの登録が可能である旨の通知はしないので、タグの所有者は、既に登録しているタグリーダへの二重登録を避けることができる。
(5)ここで、前記第2送信手段は、前記リーダ識別子が前記リーダ識別子記憶手段に記憶されている場合に前記応答信号を送信するとしてもよい。
【0082】
この構成によると、タグは、受信した起動信号に含まれるリーダ識別子が当該タグに記憶されている場合、つまりタグリーダにて照明機器を制御するべきタグとして登録されている場合に応答信号を送信する。従って、タグリーダでは、前記照明器具の制御を必要とすべきタグのみから応答信号を受信するので、確実に照明器具の制御を行うことができる。
【0083】
(6)ここで、前記照明制御システムは、さらに、1つ以上の別のタグリーダを含み、前記第2受信手段は、所定期間において前記タグリーダ及び前記1つ以上の別のタグリーダそれぞれから起動信号を受信し、前記書込手段は、前記登録指示がなされると、受信した複数の起動信号それぞれに含まれるリーダ識別子のうち受信信号強度が最も高いリーダ識別子を特定し、特定したリーダ識別子を前記リーダ識別子記憶手段に書き込み、前記第2送信手段は、前記特定されたリーダ識別子に対応するタグリーダを前記指示情報の送信対象とするとしてもよい。
【0084】
この構成によると、タグの所有者は、近辺に複数のタグリーダが存在する場合でも、登録を所望する、つまり受信信号強度の高いタグリーダに対して登録を行うことができる。
(7)ここで、前記書込手段は、前記登録指示がなされると、受信した前記リーダ識別子の受信信号強度が所定値以上であるか否かを判断し、当該判断が肯定的である場合に前記リーダ識別子を前記リーダ識別子記憶手段に書き込み、前記第2送信手段は、前記判断が肯定的である場合に前記指示情報を前記タグリーダへ送信するとしてもよい。
【0085】
この構成によると、タグの所有者は、受信した起動信号の受信信号強度が所定値以上である1つ以上のタグに対して、同時に登録を行うことができる。
【符号の説明】
【0086】
1 照明制御システム
2 フロア
10a〜10d タグリーダ(TR)
20a〜20f タグ
30a〜30d 照明機器
110 I/F部
140 LF帯送受信部
141 LFアンテナ
150 小電力受信部
151 UHFアンテナ
170 記憶部
171 認証情報
180 制御部
210 LF帯送受信部
211 LFアンテナ
220 小電力送信部
221 UHFアンテナ
230 メモリ
231 タグ識別子
232 リーダ情報テーブル
240 ボタン
250 通知部
260 電池
270 制御部
271 受信制御部
272 登録制御部
273 送信制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タグを識別するタグ識別子を記憶するタグ識別子記憶手段、タグと通信を行うための起動信号を繰り返し送信する第1送信手段、前記起動信号に対する応答としてタグ識別子を含む応答信号をタグから受信する第1受信手段、及び前記応答信号に含まれるタグ識別子が前記タグ識別子記憶手段に記憶しているタグ識別子と同一である場合に有線接続された照明機器に点灯に係る制御信号を出力する出力手段を備えるタグリーダと、
前記起動信号を受信する第2受信手段、及び前記起動信号が受信されると前記応答信号を送信する第2送信手段とを備えるタグから構成される
ことを特徴とする照明制御システム。
【請求項2】
前記第2送信手段は、さらに、ユーザから登録指示がなされると当該タグのタグ識別子を含む指示情報を前記タグリーダへ送信し、
前記第1受信手段は、さらに、前記指示情報を受け付け、
前記タグリーダは、さらに、
前記指示情報が受信されると、当該指示情報に含まれるタグ識別子を前記タグ識別子記憶手段へ登録する登録手段を備え、
前記出力手段は、受信した応答信号が前記タグ識別子記憶手段に記憶しているタグ識別子で識別されるタグからのものである場合に、前記制御信号を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の照明制御システム。
【請求項3】
前記タグは、さらに、
前記起動信号が受信されると、前記タグリーダへの登録が可能である旨をユーザに一定期間の間、通知する通知手段を備え、
前記第2送信手段は、前記一定期間の間に前記登録指示を受け付けた場合に、指示情報を前記タグリーダへ送信する
ことを特徴とする請求項2に記載の照明制御システム。
【請求項4】
起動信号には、タグリーダを識別するためのリーダ識別子が含まれており、
前記タグは、さらに、
タグリーダのリーダ識別子を記憶するためのリーダ識別子記憶手段と、
前記通知手段による前記通知がなされている間にユーザから登録指示がなされると、前記リーダ識別子を前記リーダ識別子記憶手段へ書き込む書込手段とを備え、
前記通知手段は、受信された起動信号に含まれるリーダ識別子が前記リーダ識別子記憶手段に記憶されていない場合に前記通知を行う
ことを特徴とする請求項3に記載の照明制御システム。
【請求項5】
前記第2送信手段は、
前記リーダ識別子が前記リーダ識別子記憶手段に記憶されている場合に前記応答信号を送信する
ことを特徴とする請求項4に記載の照明制御システム。
【請求項6】
前記照明制御システムは、さらに、
1つ以上の別のタグリーダを含み、
前記第2受信手段は、
所定期間において前記タグリーダ及び前記1つ以上の別のタグリーダそれぞれから起動信号を受信し、
前記書込手段は、
前記登録指示がなされると、受信した複数の起動信号それぞれに含まれるリーダ識別子のうち受信信号強度が最も高いリーダ識別子を特定し、特定したリーダ識別子を前記リーダ識別子記憶手段に書き込み、
前記第2送信手段は、前記特定されたリーダ識別子に対応するタグリーダを前記指示情報の送信対象とする
ことを特徴とする請求項3に記載の照明制御システム。
【請求項7】
前記書込手段は、
前記登録指示がなされると、受信した前記リーダ識別子の受信信号強度が所定値以上であるか否かを判断し、当該判断が肯定的である場合に前記リーダ識別子を前記リーダ識別子記憶手段に書き込み、
前記第2送信手段は、前記判断が肯定的である場合に前記指示情報を前記タグリーダへ送信する
ことを特徴とする請求項3に記載の照明制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−175757(P2011−175757A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−37244(P2010−37244)
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】