説明

照明器具

【課題】 外観の多様性を増すことができる照明器具を提供する。
【解決手段】 光源を収納する器具本体の前面を構成するカバー3において、窓部31の周囲に、装飾用部材5が嵌合する装飾用凹部32dを設けた。装飾用部材5は嵌合で取り付けられるから単純な平板形状でよく特に高度な加工を必要としないことにより、装飾用部材5の材料として加工の困難な材料も用いることができるから、外観の多様性を増すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装飾のための部品である装飾用部材を備える照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、装飾のための部品である装飾用部材を備える照明器具として、例えば図6に示すものが提供されている。この照明器具は、光源としての環状蛍光灯(図示せず)と、透光性を有する材料からなり環状蛍光灯を覆うセード6と、セード6の外周縁が嵌合する枠状の装飾用部材7とを備える。この種の照明器具では、装飾用部材7に用いた材料に応じて様々な外観を呈することができる。
【特許文献1】特開2001−68127号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記従来の装飾用部材7は、セード6の外周縁を上下から挟む形で嵌合するものであるために、セード6の形状に合わせた複雑な形状となっていた。このため、例えば脆弱な木材など機械的強度の低い材料や加工の困難な材料を装飾用部材の材料として用いることができず、外観の多様性に乏しかった。
【0004】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、外観の多様性を増すことができる照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、光源が収納され光源の光を通過させる窓部が設けられた器具本体と、器具本体の外面に取り付けられる平板形状の装飾用部材とを備え、器具本体の外面において窓部の周囲には、装飾用部材が嵌合する装飾用凹部が設けられていることを特徴とする。
【0006】
この発明によれば、装飾用部材が単純な平板形状でよく特に高度な加工を必要としないことにより、装飾用部材の材料として加工の困難な材料も用いることができるから、外観の多様性を増すことができる。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、装飾用凹部の底面には凹凸が設けられていることを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、装飾用部材が取り付けられていないときに装飾用凹部の底面に凹凸による陰影が生じるから、装飾用部材が取り付けられていない状態での見栄えを良くすることができる。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の発明において、装飾用凹部の深さ寸法を、装飾用部材の厚さ寸法以上としたことを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、装飾用凹部に収納されることで装飾用部材が保護されるために、装飾用凹部の深さ寸法を装飾用部材の厚さ寸法よりも小さくする場合に比べ、装飾用部材に要求される機械的強度が低下する。従って、装飾用部材の材料として機械的強度のより低い材料を用いることができるから、外観の多様性をさらに増すことができる。また、装飾用部材の厚さ寸法を小さくして製造コストを低減することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、装飾用部材が装飾用凹部への嵌合によって取り付けられるので、装飾用部材が単純な平板形状でよく特に高度な加工を必要としないことにより、装飾用部材の材料として加工の困難な材料も用いることができるから、外観の多様性を増すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0013】
本実施形態は、図2(a)〜(d)に示すように、例えばアクリル樹脂のような透光性を有する材料からなり光源としての蛍光灯Laが収納される収納凹部20が設けられたボディ2と、ボディ2に機械的に結合して収納凹部20を閉塞するカバー3とからなる器具本体1を備える。ボディ2は乳白色であって蛍光灯Laの光を拡散させる。以下、上下左右は図2(a)を基準とし、図2(c)の上下方向を前後方向と呼ぶ。
【0014】
詳しく説明すると、ボディ2は、上下の底面が長辺を前方へ向けた台形状であって前面が収納凹部20として開放された角柱形状である。
【0015】
また、図2(e)に示すように、収納凹部20の底面には、蛍光灯Laが取り付けられるソケット41、蛍光灯Laを始動させるためのスタータ42、蛍光灯Laを安定点灯させるための安定器43、蛍光灯Laに供給される電力を制御する制御ユニット44、上記各部に電力を供給する電線(図示せず)が接続される端子台45、がそれぞれ取付板40に実装されてなる回路ブロック4が、ねじ止め固定されている。また、収納凹部20の底面と取付板40とには、それぞれ端子台45に接続される電線が挿通される電線挿通穴40a,20aが前後に貫設されている。また、収納凹部20の底面と取付板40とには、それぞれ木ねじ(図示せず)が前後に挿通される2個のねじ挿通部40b,20bが設けられており、器具本体1はねじ挿通部40b,20bに挿通されて壁材等の造営材Wに螺合する木ねじ(図示せず)により後面を造営材Wに向けて造営材Wにねじ止め固定される。このとき、ボディ2の後面と造営材Wとの間にはパッキンPが介装される。
【0016】
取付板40の上端には、ソケット支持部40cが前方へ突設されており、ソケット41はソケット支持部40cに固定されている。また、取付板40の下端には、センサ支持部40dが前方へ突設されている。センサ支持部40dには、焦電センサを用いた人感センサ46が取り付けられており、制御ユニット44は、人感センサ46に人体が検知されているか否かに応じて蛍光灯Laをオンオフさせたり、蛍光灯Laの光出力を変化させたりする。ボディ2の下端部には、人感センサ46の一部を下方に突出させるセンサ用窓穴20cが上下に貫設されている。
【0017】
カバー3は、透光性を有する材料からなり蛍光灯Laの前側に位置する窓部31と、不透明な材料からなり前方から見て窓部31を囲む矩形枠状であってボディ2の前側に結合する枠部32とを有する。窓部31は乳白色であって蛍光灯Laの光を拡散させる。このようなカバー3は、例えば、窓部31を構成する部材と枠部32を構成する部材とをそれぞれ合成樹脂成型品で形成し、これらの部材を互いに結合させることによって製造することができる。図3に示すように、枠部32の後面には、ボディ2の前端に対応した寸法形状の環状凹部32aが設けられていて、環状凹部32aにボディ2の前端部が係入することにより、ボディ2に対するカバー3の上下左右への変位が禁止されている。また、枠部32の上端部において環状凹部32aの上側の内面には係合凹部32bが設けられている。ボディ2の上面の前端部には、係合凸部21が上方へ突設されており、係合凸部21が係合凹部32bに係入することによってボディ2に対するカバー3の上端部の前後方向への変位が禁止されている。さらに、枠部32の下端部には収納凹部20の内側へ突出する突出部32cが設けられ、ボディ2の下端に設けられたねじ挿通穴20dに下方から挿通されて突出部32cに螺合するねじSにより、ボディ2に対するカバー3の下端部の前後方向への変位が禁止されている。以上により、カバー3はボディ2に対して固定されている。
【0018】
さらに、図1(a)に示すように、カバー3において枠部32の前面には、窓部31を囲むように、それぞれ直方体形状に窪んだ4個の装飾用凹部32dが設けられている。各装飾用凹部32dには、図1(b)に示すようにそれぞれ直方体形状の装飾用部材5が嵌合により取り付けられる。装飾用部材5の材料としては例えば木材や金属や陶器を用いることができ、用いた材料に応じて様々な外観を呈することができる。さらに、装飾用部材5の保持強度を向上するために、接着剤を用いて装飾用部材5をカバー3に接着してもよい。
【0019】
また、窓部31は、後面が開放された直方体形状であって、図4(a)(b)に示すように枠部32よりも前方へ突出しており、窓部31の内面で反射された蛍光灯Laの光が図4(b)に矢印で示すように枠部32の装飾用凹部32dの底面に入射するようになっている。さらに、各装飾用凹部32dの底面には、それぞれ、上下に長い細かな溝が左右に並べて多数設けられている。これにより、装飾用凹部32dの底面に陰影が生じるから、装飾用凹部32dの底面を粗面化しない場合に比べ、装飾用部材5が取り付けられていない状態における見栄えが良くなっている。
【0020】
さらに、本実施形態では、装飾用凹部32dの深さ寸法が装飾用部材5の厚さ寸法と略等しくなっており、図5(a)(b)に示すように装飾用部材5の全体が装飾用凹部32dに収納され、装飾用部材5の前面とカバー3の枠部32の前面とが面一となっている。
【0021】
上記構成によれば、装飾用部材5は嵌合や接着で器具本体1に取り付けられるから、装飾用部材5は単純な平板形状でよく、製造に当たって特に高度な加工が必要とされない。従って、装飾用部材5の材料として加工の困難な材料も用いることができるから、外観の多様性を増すことができる。
【0022】
また、装飾用部材5の全体が装飾用凹部32dに収納されることにより、装飾用部材5の上下左右の側面がカバー3の枠部32により保護されるから、装飾用部材5が装飾用凹部32dから突出する場合に比べ、装飾用部材5に要求される機械的強度が低くなる。従って、装飾用部材5の材料として機械的強度のより低い材料を用いることができるから外観の多様性をさらに増すことができる上に、装飾用部材5の厚さ寸法を小さくして製造コストを低減することができる。
【0023】
さらに、装飾用部材5の前面とカバー3の枠部32の前面とを面一としていることにより、装飾用部材5の前面をカバー3の枠部32の前面に対して窪ませる場合に比べ、見栄えが良くなっている。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態の要部を示す図であり、(a)は分解斜視図、(b)は斜視図である。
【図2】同上を示す斜視図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は下面図、(d)は断面図、(e)はカバーを取り外した状態を示す正面図である。
【図3】同上においてボディとカバーとを分離させた状態を示す断面図である。
【図4】同上のカバーの要部を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図5】同上の要部を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のB−B断面図である。
【図6】従来例の要部を示す断面図である。
【符号の説明】
【0025】
1 器具本体
5 装飾用部材
31 窓部
32d 装飾用凹部
La 光源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源が収納され光源の光を通過させる窓部が設けられた器具本体と、
器具本体の外面に取り付けられる平板形状の装飾用部材とを備え、
器具本体の外面において窓部の周囲には、装飾用部材が嵌合する装飾用凹部が設けられていることを特徴とする照明器具。
【請求項2】
装飾用凹部の底面には凹凸が設けられていることを特徴とする請求項1記載の照明器具。
【請求項3】
装飾用凹部の深さ寸法を、装飾用部材の厚さ寸法以上としたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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