説明

照明器具

【課題】片口金放電灯を光源とする照明器具の器具効率を、より向上することのできる照明器具を提供する。
【解決手段】発光管2とベース部3とを有する片口金放電灯4と、反射面5を有する筺体6と,を備える照明器具1であって,発光管2に近いベース部3の端面7及び反射面5に対向するベース部3の外周面8の全光線反射率は、反射面5の全反射率以上である。また,発光管2に近いベース部3の端面7及び反射面5に対向するベース部3の外周面8の全光線反射率が85%以上であり、かつ拡散反射率が10%以下である。また、反射面5に対向するベース部3の外周面8が、発光管2に近いベース部3の端面7から離れるにつれて反射面5との距離が増加するものではない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光管とベース部とを有する片口金放電灯と、反射面を有する筺体と,を備える照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、発光管とベース部とを有する片口金放電灯と、反射面を有する筺体と,を備える照明器具として特開2001−307510号公報(特許文献1)に記載されている技術が参考として知られている。
【0003】
これは、片口金放電灯とこのまわりを囲って配光制御する筺体とを有してなる埋込型照明器具であって,装着される片口金放電灯の定格に対応して、片口金放電灯と筺体との相対位置関係が可変とされるようになしたことで,片口金放電灯を変えても、器具効率を良く維持することができるとともに、遮光角を簡単に制御するようになしたものである。
【特許文献1】特開2001−307510号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、片口金放電灯を光源とする照明器具では、発光管に近いベース部の端面及び反射面に対向するベース部の外周面が,全光線反射率の低い耐熱性樹脂やセラミックで形成されているため、片口金放電灯や筺体からの光を効率よく反射することができず、照明器具の器具効率を低下させる可能性がある。
【0005】
また、耐熱性樹脂やセラミックで形成された発光管に近いベース部の端面及び反射面に対向するベース部の外周面は、一般的に外観上の問題から白色系のものが多いため、片口金放電灯や筺体からの光を拡散反射させ、反射面とベース部の間に存在する空間,即ち隙間から、その拡散光が漏光し、器具効率を低下させる可能性がある。
【0006】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであって、上記背景技術に鑑みてなされたものであり、その課題は、片口金放電灯を光源とする照明器具の器具効率を、より向上することのできる照明器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明は、発光管とベース部とを有する片口金放電灯と、反射面を有する筺体と,を備える照明器具であって,発光管に近いベース部の端面及び反射面に対向するベース部の外周面の全光線反射率は、反射面の全反射率以上であることを特徴とする照明器具である。
【0008】
また請求項2に記載された発明は、発光管に近いベース部の端面及び反射面に対向するベース部の外周面の全光線反射率が85%以上であり、かつ拡散反射率が10%以下であることを特徴とする請求項1に記載の照明器具である。
【0009】
また請求項3に記載された発明は、反射面に対向するベース部の外周面が、発光管に近いベース部の端面から離れるにつれて反射面との距離が増加するものではないことを特徴とする、請求項1又は2のいずれかに記載の照明器具である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載された発明によれば、発光管に近いベース部の端面及び反射面に対向するベース部の外周面の全光線反射率は、反射面の全反射率以上であるので、片口金放電灯や筺体からの光を効率よく反射することができ、照明器具の器具効率を向上させることが可能となる。
【0011】
請求項2に記載された発明によれば発光管に近いベース部の端面及び反射面に対向するベース部の外周面の全光線反射率が85%以上であり、かつ拡散反射率が10%以下であるので,発光管に近いベース部の端面及び反射面に対向するベース部の外周面に入射した光を拡散反射させることがなく,よって反射面とベース部の間に存在する空間,即ち隙間から、その拡散光が漏光することがなく,照明器具の器具効率をより向上させることが可能となる。
【0012】
請求項3に記載された発明によれば、反射面に対向するベース部の外周面が、発光管に近いベース部の端面から離れるにつれて反射面との距離が増加するものではないので、反射面とベース部の間に存在する空間,即ち隙間から、その拡散光が漏光することが一層なく,照明器具の器具効率をさらに向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本願発明の一実施形態として、本願の請求項1〜3に対応した照明器具1について図1及び図2により説明する。
【0014】
本実施形態の照明器具1は、図1に示すごとく、発光管2とベース部3とを有する片口金放電灯4と、反射面5を有する筺体6と,を備える照明器具1であって,発光管2に近いベース部3の端面7及び反射面5に対向するベース部3の外周面8の全光線反射率は、反射面5の全反射率以上である。
【0015】
また,発光管2に近いベース部3の端面7及び反射面5に対向するベース部3の外周面8の全光線反射率が85%以上であり、かつ拡散反射率が10%以下である。
【0016】
また、反射面5に対向するベース部3の外周面8が、発光管2に近いベース部3の端面7から離れるにつれて反射面5との距離が増加するものではない。
【0017】
以下、本一実施形態による照明器具1を、より具体的詳細に説明する。
【0018】
照明器具1は,片口金放電灯2と,筺体6と,ソケット部9と,図示しない点灯回路と,で構成される。
【0019】
片口金放電灯2は,発光管2と,ベース部3と,口金部10と,端子部11と,で構成される。
【0020】
発光管2は,二重螺旋式放電管であり,特開2003−173760号公報に記載されている発光管を用いている。発光管は端部電極と反対側からみて時計回りに巻き回されている。
【0021】
ベース部3は,外観円柱状のPET樹脂の成形体であり,外部に露出する面全体(発光管2に近いベース部3の端面7及び反射面5に対向するベース部3の外周面8を含む)に蒸着により厚み10〜100μmのアルミニウム製の皮膜が設けられている。
【0022】
この状態で,アルミニウム製の皮膜が研磨にて表面処理がなされることで,外部に露出する面(発光管2に近いベース部3の端面7及び反射面5に対向するベース部3の外周面8を含む)は,いずれにおいても,全光線反射率が85%以上であり、かつ拡散反射率が10%以下となっている。
【0023】
ベース部3は,その内部に発光管2の端部電極を収容し,固定している。また端部電極から引出されるリード線は,ベース部3及び口金部10を通して,端子部11に接続される。
【0024】
また,ベース部3の外周面8は特にテーパー加工されているものではない。
【0025】
口金部10は,外観円柱状のPET樹脂の成形体である。
【0026】
端子部11は,導電性の金属端子であり,ソケット部9より電力の供給を受ける。
【0027】
筺体6は,両端が開口してなる薄肉鼓状の外観をなし,その内部に片口金放電灯2が収容される。本実施形態では厚み1mmで両端部間の距離が150mmである,適宜顔料又は染料が添加されたPBT樹脂の成形体であり,内径150mmの大開口端部と内径120mmの小開口端部とを,有している。また大開口端部から小開口端部に向かって100mmの位置に内径100mmの最小内径部を有している。
【0028】
また内周面のうち最小内径部から大開口端部にわたる面は,添加された顔料若しくは染料による寄与並びに研磨にて表面処理がなされることによる寄与で,全光線反射率が75%以下となっており,反射面5として機能する。
【0029】
ソケット部9は,外観直方体状で,端子部11を収納し電力供給する凹部(図示しない)を有している。ソケット部9自体は筺体6と固定片(図示しない)によって一体化されており,片口金放電灯4の口金部10が係り合うことで固定されるようになっている。
この状態で,反射面5に対向するベース部3の外周面8が、発光管2に近いベース部3の端面7から離れるにつれても,反射面5との距離が一定であり,増加するものではないようになされている。
【0030】
以下、表1に示す性状の照明器具1について,器具効率に関する評価結果を,本願発明の実施例1〜8、比較例1〜2について、説明する。
【0031】
【表1】

【0032】
以上に示すように,本実施形態によれば、発光管2に近いベース部3の端面7及び反射面5に対向するベース部3の外周面8の全光線反射率は、反射面5の全反射率以上であるので、図2の点線で示す如く,片口金放電灯4や反射面5からの光を効率よく反射することができ、照明器具1の器具効率を向上させることが可能となる。
【0033】
また,本実施形態によれば,発光管2に近いベース部3の端面7及び反射面5に対向するベース部3の外周面8の全光線反射率が85%以上であり、かつ拡散反射率が10%以下であるので,発光管2に近いベース部3の端面7及び反射面5に対向するベース部3の外周面8に入射した光を拡散反射させることがなく,よって反射面5とベース部3の間に存在する空間,即ち隙間から、その拡散光が漏光することがなく,照明器具1の器具効率をより向上させることが可能となる。
【0034】
また,本実施形態によれば,反射面5に対向するベース部3の外周面8が、発光管2に近いベース部3の端面7から離れるにつれて反射面5との距離が増加するものではないので、反射面5とベース部3の間に存在する空間,即ち隙間から、その拡散光が漏光することが一層なく,照明器具1の器具効率をさらに向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本願発明の一実施形態における照明器具の縦断面図
【図2】本願発明の一実施形態における照明器具の縦断面部分拡大図
【図3】本願発明の一実施形態における片口金放電灯の正面図
【符号の説明】
【0036】
1 照明器具
2 発光管
3 ベース部
4 片口金放電灯
5 反射面
6 筺体
7 端面
8 外周面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光管とベース部とを有する片口金放電灯と、反射面を有する筺体と,を備える照明器具であって,発光管に近いベース部の端面及び反射面に対向するベース部の外周面の全光線反射率は、反射面の全反射率以上であることを特徴とする照明器具。
【請求項2】
発光管に近いベース部の端面及び反射面に対向するベース部の外周面の全光線反射率が85%以上であり、かつ拡散反射率が10%以下であることを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
反射面に対向するベース部の外周面が、発光管に近いベース部の端面から離れるにつれて反射面との距離が増加するものではないことを特徴とする、請求項1又は2のいずれかに記載の照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−140562(P2008−140562A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−322897(P2006−322897)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】