説明

照明器具

【課題】コードの余長をコンパクトに収納できる照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具Sは、天井Xに取着される灯具支持部11と、一端側が灯具支持部11に固定されたコード7を介して灯具支持部11に吊下げ支持される灯具とを備え、灯具支持部11は、コード7の余長7aを収納するための収納部を有し天井Xに取着される取付部材1と、コード7に対して所望の位置で固定される締付ねじ3および締付リング4からなる固定部材12と、天井Xに取着されるとともにコード7に位置決めされた固定部材12が着脱自在に取着される取付金具2と、固定部材12および取付金具2を覆うようにして取付部材1に被着されるカバー5とで構成されている。この照明器具Sでは、取付金具2に対して固定部材12が着脱自在になっており、固定部材12よりも上側のコード7の余長7aを取付部材1の収納部に収納した後、固定部材12が取付金具2に取着される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、コードの長さが調節できるコード吊下げ型の照明器具が提供されている(例えば特許文献1参照)。この照明器具は、天井に取着された引掛シーリングから下方に吊り下げられたコードと、コードの長さを調節するためのコード調節具とを備え、コードの先端にはランプが装着されるソケットが接続されている。この照明器具では、コード調節具に設けた切欠部にコードを挿通させることでコードの余長がループ状に導出され、この余長をコード調節具に巻き付けることで収納できるようになっている。
【特許文献1】特開2003−338216号公報(段落[0008]−段落[0014]、及び、第1図−第4図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述の特許文献1に示した照明器具では、コード調節具を用いることでコードの長さを調節できるものではあるが、両端がコード調節具に保持されたループ状の余長をコード調節具の周りに巻き付けることで収納するようになっているため、例えば可撓性の低いコードや径の大きいコードの場合にはコードをコンパクトに収納できない場合があった。
【0004】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、コードの余長をコンパクトに収納できる照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、施工面に取着される灯具支持部と、一端側が灯具支持部に固定されたコードを介して灯具支持部に吊下げ支持される灯具とを備え、灯具支持部は、コードを収納する収納部を有し施工面に取着される取付部材と、コードに対して所望の位置で固定される固定部材と、施工面に取着されるとともにコードに位置決めされた固定部材が着脱自在に取着される保持部材とを備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項2の発明は、取付部材は、施工面と反対側にコードが巻回される壁部が設けられ、当該壁部の外側のスペースおよび内側のスペースにより収納部を構成したことを特徴とする。
【0007】
請求項3の発明は、壁部は、施工面と反対側の端部から外側に向かって突出するコード受け部を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項4の発明は、固定部材は、コードが挿通される筒状部の外周面にねじ部が形成された締付ねじと、ねじ部に螺合することで筒状部とコードとを密着させる締付リングからなり、当該締付ねじと締付リングの間で保持部材を挟持することで当該保持部材に取着され、施工面と反対側から保持部材に当接する締付リングの当接部位を、施工面側から保持部材に当接する締付ねじの当接部位よりも大きくしたことを特徴とする。
【0009】
請求項5の発明は、固定部材および保持部材を覆うようにして取付部材に被着されるカバーを備えるとともに、取付部材の外側部から施工面と反対側に突出するリブを備え、カバーの係止部と係止離脱自在に係合する被係止部をリブに設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、コードの余長を収納部に収納した後に固定部材を保持部材に取着できるようになっており、収納時においてコードの一端側をフリーな状態にすることができるので、可撓性の低いコードや径の大きいコードであっても余長をコンパクトに収納することができるという効果がある。
【0011】
請求項2の発明によれば、コードの余長に応じて壁部に巻きつけたり、壁部の内側のスペースに収納したりすることができ、また取付部材に設けた壁部の外側スペースをコードの収納スペースとして利用することで、壁部に巻き取るコードの巻数に応じてコードの調整範囲を段階的に分けることができ、この場合、各調整範囲において壁部に巻回したコードを除く残りのコードを収納できるスペースがあればいいので、収納スペースを小型化することができるという効果がある。
【0012】
請求項3の発明によれば、施工面と反対側の壁部の端部にコード受け部を設けることによって、余長処理を行う間に壁部に巻回されたコードが緩んだ場合でも、コード受け部が受けることでコードの垂れ下がりを防止することができるという効果がある。
【0013】
請求項4の発明によれば、固定部材をコードに対して移動自在に設けることによって、収納部に収納されるコードの余長を容易に設定又は調節することができ、また保持部材に当接する締付リング側の当接部位を締付ねじ側の当接部位よりも大きくすることによって、コードが揺れた際に保持部材と接触する固定部材の面積を大きくすることができるので、揺れによって大きな力が生じた場合でも固定部材が破損しにくくなるという効果がある。
【0014】
請求項5の発明によれば、カバー側に設けた係止部を取付部材側に設けた被係止部に係合させることでカバーを取付部材に被着することができ、またカバーを取付部材に被着した状態では施工面との間に隙間がなく、且つ、カバーにより内部の構造が見えないようになっており、外観を向上させた照明器具を実現することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施形態を図1〜図7に基づいて説明する。本実施形態の照明器具Sは、例えば図1および図2に示すように天井Xに取り付けられるコード吊下げ型の照明器具であって、室内などを照明するために用いられる。なお、以下の説明では特に断らない限り、図1に示す向きにおいて上下方向を規定する。
【0016】
照明器具Sは、天井X(施工面)に取着される灯具支持部11と、一端側が灯具支持部11に固定されたコード7を介して灯具支持部11に吊下げ支持される灯具6とを備え、灯具支持部11は、コード7の余長7aを収納する収納部を有し天井Xに取着される取付部材1と、コード7に対して所望の位置で固定される固定部材12と、天井Xに取着されるとともにコード7に位置決めされた固定部材12が着脱自在に取着される取付金具2と、固定部材12および取付金具2を覆うようにして取付部材1に被着されるカバー5とで構成されている。なお、灯具6については従来周知のものを採用しており、詳細な説明は省略する。
【0017】
取付部材1は、図1および図3に示すように、例えばポリプロピレンからなる略円板状の本体部1aを有し、本体部1aの略中央には天井Xから配線された電源線8を挿通させるための略円形の電線挿通孔1eが貫設され、さらに電線挿通孔1eの両側(図3(a)中の左右方向両側)には固定ねじ9が挿通されるねじ挿通孔1fがそれぞれ貫設されている。なお、図3(a)において左側に設けたねじ挿通孔1fは、固定ねじ9のねじ頭の径よりも大きく貫設された大径部と、上記ねじ頭よりも径の小さい長孔とが一体に設けられただるま孔状に形成されており、天井Xに仮止めした固定ねじ9のねじ頭を大径部から長孔に導入することで取付部材1が天井Xに仮止めされるようになっている。
【0018】
また、本体部1aの下面(天井Xと反対側の面)には、ねじ挿通孔1f、1fが開口する部位を除いて電線挿通孔1eを中心とする円周上に、弧状の突壁部1b、1bが互いに対向する形でそれぞれ下方に向かって突設され、各突壁部1bの下側端縁(天井Xと反対側の端部)からは外側に向かって延出するコード受け片1cが所定の間隔を空けて複数(本実施形態では、図3(a)中の上側の突壁部1bに3個、下側の突壁部1bに2個)設けられている。なお、上側の突壁部1bにおいて隣接するコード受け片1c間には、コード7の余長7aを収納する際にその余長7aが挿通されるコード挿通溝1h、1iがそれぞれ設けられており、さらに余長7aを外側に引き出すためのコード挿通溝1hの深さ寸法が、余長7aを内側に引き込むためのコード挿通溝1iの深さ寸法よりも深く設定されている(図3(a)および図3(b)参照)。ここに、上述した1組の突壁部1b、1bにより壁部が構成され、さらに両突壁部1b、1bの内側部1gが収納スペースになっており、突壁部1bの外周面(外側のスペース)と内側部1g(内側のスペース)とで取付部材1の収納部が構成されている。また、上記複数のコード受け片1cによりコード受け部が構成されている。
【0019】
さらに、本体部1aの下面には、各ねじ挿通孔1fよりも外側部(図3(a)中の左右方向両端部)に、後述するカバー5に設けた係合突起5d(図5参照)が回転係合する弧状のリブ1dが互いに対向する形でそれぞれ設けられている。ここにおいて、各リブ1dは、図3(c)および図3(d)に示すように本体部1aの下面から突出する突壁部1lと、突壁部1lの先端から外側に向かって延出する係合部1mとで略L字状に形成されている。また、各突壁部1lの高さは、円周方向一端側(下側から見て左回り方向の端部)から他端側にかけて徐々に低くなっており、他端側には対応する係合突起5dの端部が当接するストッパー1jが設けられ、さらにストッパー1jの手前には緩み止めを構成する嵌合突起1kが設けられている。而して、本実施形態の取付部材1では、カバー5を図3(a)中の右回りに回転させることで取付部材1の各係合部1mにカバー5の対応する係合突起5dが係合し、カバー5が取付部材1に被着されるようになっている。ここに、両係合部1m、1mにより被係止部が構成されている。
【0020】
固定部材12は、図1および図4に示すように、例えば66ナイロンからなる締付ねじ3と、ABS樹脂からなる締付リング4とで構成されている。締付ねじ3は、コード7が挿通される挿通孔3fが貫設された筒状部3aを有し、筒状部3aの上下方向一端側(図4中の上側)には外側に向かって延出する鍔部3b、3cが上下方向に並べて設けられ、さらに筒状部3aの外周面にはねじ部3dが設けられている。なお、鍔部3bと鍔部3cの間には、取付金具2の板厚と略同じ幅寸法の取付溝3eが設けられており、この取付溝3eを介して固定部材12が取付金具2に取り付けられるようになっている。
【0021】
一方、締付リング4は、コード7が挿通されるとともに内側面にねじ部(図示せず)を有する挿通孔4cが貫設された筒状部4aを有し、筒状部4aの上下方向一端部(図4中の上端部)には外側に向かって延出する鍔部4bが全周に渡って設けられている。なお、図4に示すように、締付リング4の鍔部4bの外径寸法D3は締付ねじ3の鍔部3bの外径寸法D2よりも大きな寸法に形成されている。ここにおいて、締付ねじ3および締付リング4は、それぞれ挿通孔3fおよび挿通孔4c内にコード7を挿通した状態でコード7に対して移動自在になっており、所望の位置において締付リング4を締付ねじ3に螺合させることで、筒状部3aの先端側が狭められて筒状部3aとコード7とが密着し、固定部材12がコード7に固定されるようになっている。
【0022】
取付金具2は、図1および図4に示すように、例えばJIS等(JIS G 3302)で規格化された溶融亜鉛めっき鋼板(SGCC)からなる略コ字型の本体部2aを有し、本体部2aの対向する2片の先端には固定ねじ9が挿通されるねじ挿通孔2dが貫設された取付片2bがそれぞれ折曲形成されている。また、本体部2aの主片2eには切欠部2cが設けられており、この切欠部2cの端縁を上記の締付ねじ3の取付溝3eに差し込むことで、固定部材12が取付金具2に着脱自在に取着できるようになっている。なお、切欠部2cの入口近傍には内側に突出する突起(図示せず)が設けられており、この突起により固定部材12の抜けが防止されるようになっている。さらに、主片2eの上面には端子台10が取り付けられており(図6(b)参照)、この端子台10を介して施工面側の電源線8と、灯具6側のコード7とが電気的に接続されるようになっている。ここに、取付金具2により保持部材が構成されている。
【0023】
カバー5は、図1および図5に示すように、例えばABS樹脂からなり、上面が開口した有底円筒状のカバー本体5aを有し、カバー本体5aにおいて底面側の外周端縁には外側に向かって延出する鍔部5bが全周に渡って設けられており、さらにカバー本体5aの底面の略中央には締付リング4の筒状部4aが挿通される挿通孔5cが貫設されている。また、カバー本体5aにおいて開口側(図5(b)中の上側)の内側面には、取付部材1に設けた各リブ1dと係合する係合突起5dがそれぞれ内側に向かって突設されている。この係合突起5dは、カバー5の側壁内周面に沿って延設されており、各係合突起5dにおいてリブ1dの嵌合突起1kに対応する部位には嵌合突起1kと嵌合する嵌合溝(図示せず)が設けられている。ここに、1組の嵌合突起5d、5dにより係止部が構成されている。
【0024】
ここで本実施形態では、図3(c)に示すようにコード7として直径d1(例えばd1=6mm)のキャブタイヤコードを用いるとともに、取付部材1の突壁部1bの外周面に巻回されるコード7の巻径をD1(例えばD1=74mm)に設定しており、そのため突壁部1bに巻回されるコード7のコード長は1周約232mmになる。したがって、本実施形態では、コード7の余長7aに応じて収納部への収納方法を変えており、以下に図7に基づいて説明する。
【0025】
まず、余長7aが500mmの場合、図7(a)に示すように上側の突壁部1bに設けたコード挿通溝1hから余長7aを外側に引き出し、突壁部1bの外周面に2周巻き付ける。その後、コード挿通溝1iから内側部1g内に引き込み、固定部材12を取付金具2に保持させた後、残りのコードを内側部1g内に収納する。ここにおいて、コード挿通溝1hは、深さ寸法がコード挿通溝1iよりも深く設定されているので、取付部材1側から余長7aを巻き始め、巻き終わりを下側とすることができ、まとまりよく余長7aを巻き取ることができる。
【0026】
次に、余長7aが270mm以上500mm未満の場合、図7(b)に示すように上側の突壁部1bに設けたコード挿通溝1hから余長7aを外側に引き出し、突壁部1bの外周面に1周巻き付ける。その後、コード挿通溝1iから内側部1g内に引き込み、固定部材12を取付金具2に保持させた後、残りのコードを内側部1g内に収納する。
【0027】
さらに、余長7aが270mm未満の場合、図7(c)に示すように余長7aは突壁部1bの外周面には巻かれず、固定部材12を取付金具2に保持させた後、すべての余長7aが内側部1g内に収納される。
【0028】
而して、本実施形態の照明器具Sでは、コード7の余長7aに応じて突壁部1bに巻きつけたり、突壁部1bの内側部1g内に収納したりすることができ、また突壁部1bの外周面(外側のスペース)を余長7aの収納スペースとして利用することで、突壁部1bに巻き取る余長7aの巻数に応じて余長7aの調整範囲を段階的に分けることができ、この場合、各調整範囲において突壁部1bに巻回した余長7aを除く部分を収納できるスペースがあればいいので、収納スペースを小型化することができる。
【0029】
次に、本実施形態の照明器具Sの施工手順について図1および図6に基づいて説明する。なお、以下の説明では、コード7の一端側に予め灯具6に接続されているものとして説明する。まず、締付ねじ3の挿通孔3fおよび締付リング4の挿通孔4c内にそれぞれコード7を挿通した後、コード7の芯線(図示せず)を端子台10に接続する。次に、コード7に対して締付ねじ3を上下方向(図6(a)中の矢印B方向)に移動させて所望の位置に配置した後、下側から締付リング4を右回り(図6(a)中の矢印C方向)に回転させることで締付リング4を締付ねじ3に螺着させてコード7に固定部材12を固定する(図6(b)参照)。なおこのとき、固定部材12よりも上側に位置するコード7が取付部材1の収納部に収納される余長7aとなる。
【0030】
その後、取付部材1の電線挿通孔1eに電源線8を挿通させるとともに、電源線8の各芯線を端子台10に接続した後、固定ねじ9を用いて取付部材1および取付金具2を天井Xに固定する(図1参照)。次に、図6(c)に示すようにコード7の余長7aを突壁部1bのコード挿通溝1hから外側に引き出して突壁部1bの外周面に巻き付け、残りのコードをコード挿通溝1iから内側部1g内に引き込んだ後(図6(d)参照)、締付ねじ3の取付溝3e内に取付金具2の切欠部2cの端縁を差し込んで固定部材12を取付金具2に取り付ける(図6(e)参照)。その後、余長7aの残りのコードを内側部1g内に収納した後(図6(f)参照)、固定部材12および取付金具2を覆うようにカバー5を下側(図6(g)中の矢印D方向)から取付部材1に被着し、さらにカバー5を右回り(図6(g)中の矢印E方向)に回転させると取付部材1にカバー5が取り付けられ、照明器具Sの施工が完了する。
【0031】
なおこのとき、カバー5側の各係合突起5dは取付部材1側の対応するリブ1dの係合部1mにそれぞれ弾接し、さらに各係合突起5dの先端部がそれぞれ対応するストッパー1jに当接するとともに、各係合突起5dの嵌合溝内に係合片1dの嵌合突起1kが嵌合する。すなわち、各係合突起5dを対応する係合部1mに弾接させるとともに、各嵌合突起1kを対応する嵌合溝内に嵌合させることで、取付部材1に対するカバー5の緩みが防止されるようになっている。ここにおいて、取付部材1の外周縁に1組のリブ1d、1dを設けることによって、突壁部1bの外周面に巻き付けた余長7aをリブ1d、1dの内側に収めることができるので、取付部材1にカバー5を被着する際に余長7aが干渉することがなく、カバー5を容易に取り付けることができる。
【0032】
本実施形態の照明器具Sでは、コード7の余長7aを収納部(突壁部1bの外周面および内側部1g)に収納した後に固定部材12を取付金具2に取着できるようになっており、収納時においてコード7の一端側(灯具6が接続されている側)をフリーな状態にすることができるので、可撓性の低いコードや径の大きいコードであっても余長7aをコンパクトに収納することができる。また、天井Xと反対側の突壁部1bの端部にコード受け片1cを設けることによって、余長処理を行う間に突壁部1bに巻回されたコード7が緩んだ場合でも、コード受け片1cが受けることでコード7の垂れ下がりを防止することができる。
【0033】
さらに、固定部材12をコード7に対して移動自在に設けることによって、コード7の収納長さ(余長7a)を容易に設定又は調節することができ、また取付金具2に当接する締付リング4側の当接部位(すなわち鍔部4bの上面)を締付ねじ3側の当接部位(すなわち鍔部3bの下面)よりも大きくすることによって、コード7が揺れた際に取付金具2と接触する固定部材12の面積を大きくすることができるので、揺れによって大きな力が生じた場合でも固定部材12が破損しにくくなる。
【0034】
また、カバー5側に設けた係合突起5dを取付部材1側に設けた係合部1mに係合させることでカバー5を取付部材1に被着することができ、またカバー5を取付部材1に被着した状態では天井面Xとの間に隙間がなく、且つ、カバー5により内部の構造が見えないようになっており、外観を向上させた照明器具Sを実現することができる。
【0035】
なお、本実施形態では、コード7の余長7aが500mm以下の場合を例に説明したが、例えば取付部材1の高さ寸法(天井Xからの寸法)を大きく設定し、突壁部1bの外周面への巻数を多くすることで余長7aが500mmよりも大きい寸法であっても対応できるように構成してもよい。また、突壁部1bの位置や個数についても本実施形態に限定されるものではなく、適宜設計してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本実施形態の照明器具の一部を省略せる分解斜視図である。
【図2】同上の正面図である。
【図3】同上に用いられる取付部材を示し、(a)は正面図、(b)は一部破断せる下側面図、(c)は右側面図、(d)は左側面図である。
【図4】同上に用いられる取付金具に固定部材を取り付けた状態を示す状態図である。
【図5】同上に用いられる取付部材にカバーを取り付けた状態を示し、(a)は正面図、(b)はA−A’断面図である。
【図6】(a)〜(g)は同上の施工手順を説明する説明図である。
【図7】(a)〜(c)は同上に用いられる取付部材にコードの余長を収納した状態を示す状態図である。
【符号の説明】
【0037】
1 取付部材
1b 突壁部(壁部)
1g 内側部
2 取付金具(保持部材)
3 締付ねじ
4 締付リング
6 灯具
7 コード
7a 余長
11 灯具支持部
12 固定部材
S 照明器具
X 天井(施工面)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施工面に取着される灯具支持部と、一端側が灯具支持部に固定されたコードを介して灯具支持部に吊下げ支持される灯具とを備え、前記灯具支持部は、コードを収納する収納部を有し施工面に取着される取付部材と、コードに対して所望の位置で固定される固定部材と、施工面に取着されるとともにコードに位置決めされた固定部材が着脱自在に取着される保持部材とを備えたことを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記取付部材は、施工面と反対側に前記コードが巻回される壁部が設けられ、当該壁部の外側のスペースおよび内側のスペースにより前記収納部を構成したことを特徴とする請求項1記載の照明器具。
【請求項3】
前記壁部は、施工面と反対側の端部から外側に向かって突出するコード受け部を備えたことを特徴とする請求項2記載の照明器具。
【請求項4】
前記固定部材は、コードが挿通される筒状部の外周面にねじ部が形成された締付ねじと、前記ねじ部に螺合することで前記筒状部とコードとを密着させる締付リングからなり、当該締付ねじと締付リングの間で前記保持部材を挟持することで当該保持部材に取着され、施工面と反対側から前記保持部材に当接する前記締付リングの当接部位を、施工面側から前記保持部材に当接する前記締付ねじの当接部位よりも大きくしたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の照明器具。
【請求項5】
前記固定部材および前記保持部材を覆うようにして前記取付部材に被着されるカバーを備えるとともに、前記取付部材の外側部から施工面と反対側に突出するリブを備え、前記カバーの係止部と係止離脱自在に係合する被係止部を前記リブに設けたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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