説明

照明器具

【課題】下方および側方に光を照射する照明器具を提供する。
【解決手段】内部に光源23を有する外部部材20の天面部211および天面部211に直交する前面部212を不透光性の第1のカバー21で構成し、対向する一対の側面部221,221およびこの側面部221に直交する下面部222を透光性の第2のカバー22で構成したので、光源23から発せられた照射光は、側方および下方に照射される。このとき、点灯装置25はランプ23の上方に設けられているので、陰にならない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁面に取り付けて、主に下方を照らす照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、壁面に取り付けて、主に下方を照らす照明器具として足元灯が知られている(例えば特許文献1参照)。
図7に示すように、特許文献1に記載の足元灯100は、壁面101等に設けて、主に足元である下方を照らすものである。
【0003】
この足元灯100は、器具本体102と、枠110と、パッキン111と、透光パネル112とを有する。
器具本体102は壁面101に埋め込まれて使用される矩形箱状をしており、前面に開口103を有するとともに、内部にランプ104を装着するランプソケット105を有する。器具本体102の前端面には、枠状のフランジ106が設けられており、器具本体102を壁面101に埋め込んだ状態で、壁面101の前面に当接して係止する。器具本体102の内部には、上部およびランプ104の後方である上部後端から下部前端にかけて湾曲する反射板107が設けられている。
【0004】
器具本体102の前面である開口103には、パッキン111を挟んで枠110が取り付けられる。枠110は不透光性であり、器具本体102の周囲と、前面である開口103の上部半分と、を覆っている。枠110の内側には、透光性のパネル112が設けられているが、上半分は枠110によって遮光される。
従って、ランプ104から発せられた光は、枠110に覆われていないパネル112の下半分のから前方および下方に照射される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平6−50157号公報(第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述した従来の照明器具においては、主に下方に光を照射するものであったが、下方のみならず側方にも光を照射したい場合もある。
【0007】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、下方および側方に光を照射する照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の照明器具は、天面部およびこの天面部に直交する前面部を有する不透光性の第1のカバーと、対向する一対の側面部およびこの側面部に直交する下面部を有する透光性の第2のカバーとで箱状の外部部材を形成し、この外部部材の内部の上方位置に点灯装置を配設するとともに内部の中央位置にランプを装着したものである。
【0009】
また、本発明の照明器具は、第1のカバーの前面部に、設置面より一定距離を空けた状態で直交する前側面部を設けたものである。
【0010】
さらに、本発明の照明器具は、第1のカバーの上方より下方に第2のカバーが配設されたものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、内部に光源を有する外部部材の天面部および天面部に直交する前面部を不透光性の第1のカバーで構成し、対向する一対の側面部およびこの側面部に直交する下面部を透光性の第2のカバーで構成したので、光源から発せられた照射光は、側方および下方に照射される。このとき、点灯装置はランプの上方に設けられているので、陰にならないという効果を有する照明器具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る第1実施形態の照明器具を示す斜視図
【図2】本発明に係る第1実施形態の照明器具の器具本体の分解斜視図
【図3】本発明に係る第2実施形態の照明器具を示す斜視図
【図4】本発明に係る第2実施形態の照明器具の器具本体の分解斜視図
【図5】本発明に係る第3実施形態の照明器具を示す斜視図
【図6】本発明に係る第3実施形態の照明器具の器具本体の分解斜視図
【図7】従来の埋め込み型の照明器具の断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態の照明器具について、図面を用いて説明する。
図1に示すように、本発明に係る第1実施形態の照明器具10は、例えば玄関の壁や塀の壁等の壁面11に取り付けられ、下方に設けられている表札12を照らす表札灯として用いることができる。
【0014】
図1および図2に示すように、照明器具10は、矩形箱状の外部部材である器具本体20を有する。器具本体20は、壁面11に取り付けるための背板24と、背板24に取り付けられる不透光性の第1のカバー21および透光性の第2のカバー22を有する。なお、器具本体20を壁面11に取り付ける際には、予め壁面11に取付板を設けておき、背板24を取付板に取り付けるようにしてもよい。
【0015】
背板24には、前面中央位置に光源であるランプ23を取り付けるためのランプソケット231が取り付けられており、ランプ23の上方には点灯装置25が取り付けられている。第1のカバー21は不透光性の樹脂製や金属製であり、天面部211およびこの天面部211に直交する前面部212を有して、全体L字形状をしている。第2のカバー22は透光性の樹脂製であり、対向する一対の側面部221およびこの側面部221に直交する下面部222を有して全体コ字形状をしている。
従って、ランプ23から発せられた光はあらゆる方向へ照射されるが、不透光性の第1のカバー21により覆われている方向の光は遮断され、第2のカバー22の第1のカバー21で覆われていない方向の光のみが照射されることになる。
【0016】
以上、説明した本発明に係る第1実施形態の照明器具10によれば、内部にランプ23を有する器具本体20の天面部211および天面部211に直交する前面部212を不透光性の第1のカバー21で構成し、対向する一対の側面部221,221およびこの側面部221に直交する下面部222を透光性の第2のカバー22で構成したので、ランプ23から発せられた照射光を、前方や上方には照射せず、側方および下方にのみ照射することができる。このとき、点灯装置25はランプ23の上方に設けられているので、陰にならない。
【0017】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態の照明器具について説明する。なお、前述した第1実施形態にかかる照明器具と共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明を省略することとする。
図3および図4に示すように、第2実施形態の照明器具10Bは、第1のカバー21Bの前面部212に、設置面である壁面11から一定距離Dを空けた状態で直交する前側面部213を設けたものである。第2のカバー22は、第1実施形態の器具本体20における第2のカバー22と同じものであり、第1のカバー21Bの前側面部213は、第2のカバー22の側面部221の外側に重なる。
【0018】
以上、説明した本発明に係る第2実施形態の照明器具10Bによれば、前述した第1実施形態の照明器具10と同様の効果を有する。
さらに、第1のカバー21Bの前面部212に直交する前側面部213を設けたので、側方に照射する照射光の内の前側部分を遮光して、側方の照明範囲をさらに限定することができる。なお、壁面11から前側面部213までの距離Dを変えることにより、側方への照明範囲の広さを変えることができる。
なお、上述した照明器具10Bにおいては、前側面部213を前面部212の全高に対して設けたが、高さ方向の途中部分にのみ前側面部213を設けることもできる。
【0019】
(第3実施形態)
次に、本発明に係る第3実施形態の照明器具について説明する。なお、前述した第1実施形態および第2実施形態にかかる照明器具と共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明を省略することとする。
【0020】
図5および図6に示すように、第3実施形態の照明器具10Cは、第1のカバー21Cの上方より下方に第2のカバー22が配設されたものである。すなわち、第1のカバー21Cの天面部211から左右両側面に上側面部214を設けたものである。第2のカバー22は、第1実施形態の器具本体20における第2のカバー22と同じものであり、第1のカバー21Cの前側面部213および上側面部214は、第2のカバー22の側面部221の外側に重なる。
【0021】
以上、説明した本発明に係る第3実施形態の照明器具10Cによれば、前述した第1実施形態の照明器具10および第2実施形態の照明器具10Bと同様の効果を有する。
さらに、天面部211から左右両側面の下方に向かって上側面部214を設けたので、側方に照射する照射光の内の上側部分を遮光して、側方の照明範囲をさらに限定することができる。なお、壁面11から上側面部214の高さを変えることにより、側方への照明範囲の広さを変えることができる。
なお、上述した照明器具10Cにおいては、前側面部213および上側面部214の両方を設けた場合について説明したが、前側面部213を設けずに、上側面部214のみ設けることもできる。
【0022】
なお、本発明の照明器具は、前述した各実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能である。
例えば、前述した各実施形態において、光源として電球型のランプを例示したが、本発明はその他の光源にも適用可能である。
【符号の説明】
【0023】
10、10B、10C 照明器具
11 壁面(設置面)
20 器具本体(外部部材)
21 第1のカバー
211 天面部
212 前面部
213 前側面部
22 第2のカバー
221 側面部
222 下面部
23 ランプ
25 点灯装置
D 一定距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天面部およびこの天面部に直交する前面部を有する不透光性の第1のカバーと、対向する一対の側面部およびこの側面部に直交する下面部を有する透光性の第2のカバーとで箱状の外部部材を形成し、
前記外部部材の内部の上方位置に点灯装置を配設するとともに内部の中央位置にランプを装着した照明器具。
【請求項2】
請求項1に記載の照明器具において、
前記第1のカバーの前記前面部に、設置面より一定距離を空けた状態で直交する前側面部を設けた照明器具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の照明器具において、
前記第1のカバーの上方より下方に前記第2のカバーが配設される照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−204553(P2011−204553A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−72241(P2010−72241)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】