説明

照明器具

【課題】光源部の熱が電源回路基板や点灯回路基板へ影響するのを抑制するとともに光源部の放熱性を確保し、外部から衝撃が点灯回路基板へ影響するのを軽減できる照明器具を提供する。
【解決手段】器具本体12内の底面に沿って電源回路基板19を配置する。器具本体12内の側面に沿って点灯回路基板20を配置する。点灯回路基板20は、基板支持体74により、器具本体12内の側面から離反した位置に配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光を照射する照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、スタジオや舞台などの照明には、複数の照明器具、これら各照明器具が電力線にて接続されて各照明器具の光源に電源供給するとともに光源を調光する調光装置、および調光装置を通じて各照明器具の光源の調光を制御する調光制御卓を備えた照明システムが用いられている。
【0003】
この種の照明器具の光源にはハロゲンランプを使用するのが一般的であり(例えば、特許文献1参照。)、この場合、調光装置では、交流電源を位相制御した調光電源を電力線から照明装置のハロゲンランプに供給し、ハロゲンランプを直接調光制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−147438号公報(第4頁、図1−2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
スタジオや舞台などで使用する照明器具においても、省エネルギの観点から、定格消費電力の高いハロゲンランプに代えて、定格消費電力の低いLED素子を用いる要望が高まっている。
【0006】
LED素子を用いる場合、LED素子の温度が過度に上昇すると寿命や光出力に影響するので、LED素子の熱を効率よく放熱するためにLED素子を搭載した発光モジュールを放熱体に取り付けて光源部を構成する必要があるとともに、ハロゲンランプのように交流電源を位相制御した調光電源で直接調光制御することができないため、直流電源を供給する電源回路、および調光信号に応じてLED素子を調光点灯させる点灯回路が必要となる。
【0007】
この場合、器具本体内に、光源部とともに電源回路および点灯回路を搭載した基板を配置するため、光源部からの熱が電源回路や点灯回路に悪影響を及ぼしたり、基板によって光源部の放熱作用が阻害されて放熱性が低下してしまうおそれがある。
【0008】
また、スタジオや舞台などで使用する照明器具は、フロアや舞台から操作棒で照明器具の側面をたたいたり、操作棒を照明器具の側面から突出する吊下支持用のアームなどに引っ掛けて、照明器具の照射方向を調整するようにしており、この器具本体の側面に加わる衝撃が基板に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0009】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、器具本体内に光源部とともに電源回路や点灯回路を配置しながら、光源部の熱が電源回路や点灯回路へ影響するのを抑制できるとともに、光源部の放熱性を確保でき、しかも、器具本体の側面へ外部から衝撃が加わっても、基板への影響を軽減できる照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の照明器具は、器具本体と;半導体発光素子を有する発光モジュール、および発光モジュールの熱を放熱する放熱体を備え、器具本体内に収容された光源部と;器具本体内の底面に沿って配置された電源回路を有する電源回路基板と;電源回路基板から電源供給を受けて半導体発光素子を点灯させる点灯回路を有する点灯回路基板と;点灯回路基板を器具本体内の側面に沿ってその側面から離反した位置に配置する基板支持体と;を具備しているものである。
【0011】
本発明および以下の発明において、特に指定しない限り用語の定義および技術的意味は次による。
【0012】
器具本体は、例えば、アルミニウムなどの放熱性のよい材料で形成され、表面に黒色アルマイト処理を施したり、黒色に塗装したり、赤外線放射塗料を塗布し、放熱性を向上させてもよい。
【0013】
半導体発光素子は、例えば、LED素子やEL素子などが用いられる。
【0014】
発光モジュールは、例えば、アルミニウムなどの金属やセラミックスなどの熱伝導性のよい材料で形成された基板に、半導体発光素子が実装される。LED素子の場合には、複数のLED素子が基板上に実装されるCOB(Chip On Board)モジュールでもよいし、1つのLED素子が搭載された接続端子付きのSMD(Surface Mount Device)パッケージを実装したモジュールであってもよい。
【0015】
放熱体は、例えば、アルミダイカストなどの放熱性に優れた材料によって形成され、複数の放熱フィンが設けられていてもよい。
【0016】
光源部は、例えば、1つの発光モジュールで構成されていてもよいし、複数の発光モジュールで構成されていてもよい。
【0017】
電源回路基板の電源回路は、例えば、交流電源を入力し、直流電源に変換して点灯回路基板に供給する。この電源回路基板の少なくとも一部を発光部の放熱体の下方位置よりずらして配置することにより、放熱体の下部からの通気性を確保し、放熱体での放熱性を向上できる。
【0018】
点灯回路基板の点灯回路は、例えば、電源回路基板から直流電源の供給を受け、外部から入力される調光信号に応じて、PWM制御などで半導体発光素子を調光点灯させる。
【0019】
基板支持体は、例えば、器具本体内に取り付ける場合、溶接、ねじおよびリベットなどのいずれの取付手段を用いてもよいが、溶接を用いれば点灯回路基板の熱を器具本体へ熱伝導する熱伝導性を向上できる。
【0020】
請求項2記載の照明器具は、請求項1記載の照明器具において、器具本体の両側面にそれぞれ貫通して取り付けられた両側の軸部材を有し、両側の軸部材を介して器具本体を回動可能に支持する器具支持体を具備し、基板支持体は、点灯回路基板を器具本体内に貫通する軸部材から離反した位置に支持するものである。
【0021】
器具支持体は、例えば、器具本体を吊下げ支持したり、床面に対して支持し、軸部材を中心として器具本体の向き、すなわち照射方向を調整可能とする。
【0022】
請求項3記載の照明器具は、請求項1または2記載の照明器具において、点灯回路基板と基板支持体との間に介在される熱伝導部材を具備しているものである。
【0023】
熱伝導部材は、例えば、熱伝導性ゴムが用いられており、少なくとも点灯回路基板に実装されているスイッチング素子などの発熱部品の位置に対応して介在されていればよく、点灯回路基板の略全体に対応して介在されていてもよい。
【発明の効果】
【0024】
請求項1記載の照明器具によれば、器具本体内の底面に沿って電源回路基板を配置し、器具本体内の側面に沿って点灯回路基板を配置したため、器具本体内に光源部とともに電源回路基板および点灯回路基板を配置しながら、光源部からの熱が電源回路基板および点灯回路基板へ影響するのを抑制することができるとともに、電源回路基板および点灯回路基板の配置による光源部からの放熱への影響が少なく、光源部の放熱性を確保でき、しかも、基板支持体により点灯回路基板を器具本体内の側面から離反した位置に支持するため、器具本体の側面へ外部から衝撃が加わっても、その衝撃が点灯回路基板に直接作用することがなく、点灯回路基板への影響を軽減できる。
【0025】
請求項2記載の照明器具によれば、請求項1記載の照明器具の効果に加えて、基板支持体により点灯回路基板を器具本体内に貫通する軸部材から離反した位置に支持するため、軸部材と干渉することなく、点灯回路基板を器具本体内の側面に沿って配置することができる。
【0026】
請求項3記載の照明器具によれば、請求項1または2記載の照明器具の効果に加えて、点灯回路基板と基板支持体との間に熱伝導部材が介在するため、点灯回路の電子部品が発生する熱を基板支持体および器具本体に効率よく熱伝導し、温度上昇を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】一実施の形態を示す照明器具の正面方向から見た断面図である。
【図2】同上照明器具の平面方向から見た断面図である。
【図3】同上照明器具の側面方向から見た断面図である。
【図4】同上照明器具の背面図である。
【図5】同上照明器具の正面図である。
【図6】同上照明器具の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の一実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0029】
図5および図6に示すように、照明器具11は、例えばスタジオや舞台などの照明に用いられるもので、器具本体12、この器具本体12をスタジオや舞台などの天井に設置されるバトンに対して吊下げ支持する器具支持体13、および光照射範囲を制限するバンドア14を備えている。
【0030】
図1ないし図4に示すように、器具本体12の内部には、光源16、この光源16からの光を前方へ向けて反射させる反射体17、光源16からの光を所望の配光とするレンズ18、点灯用の直流電源を供給する電源回路基板19、および点灯用の直流電源の供給を受けて光源16を点灯させる点灯回路基板20が収容されている。
【0031】
そして、器具本体12は、前面部23、両側の側面部24、上面部25、底面部26および背面部27を有する横長の箱形に形成されている。器具本体12は、例えば、放熱性のよい金属材料で形成され、表面に黒色アルマイト処理を施したり、黒色に塗装したり、赤外線放射塗料を塗布し、放熱性が向上されている。
【0032】
前面部23の中央域には光源16からの光を出射する開口部28が形成され、この開口部28の内側に図示しない拡散板やカラーフィルタなどのフィルタが着脱可能に取り付けられるフィルタ取付部29が形成されている。上面部25および底面部26の各後部寄りと背面部27の中央域には互いに連通する各通気口30がそれぞれ開口形成されている。
【0033】
背面部27の下部には取手31が設けられ、背面部27の一側には調光信号を含む制御信号を伝送するための信号線が接続される複数であって2つのコネクタ32および電源線が接続される電源接続部33がそれぞれ設けられ、その他、背面部27には各種のスイッチ34などが設けられている。
【0034】
また、光源16は、複数であって2つの発光モジュール37、およびこれら発光モジュール37を取り付けた放熱ユニット38とを備え、各発光モジュール37毎に独立した2つの光源部39によって構成されている。
【0035】
発光モジュール37は、例えば、熱伝導性に優れたアルミニウムなどの金属あるいはセラミックスなどの材料で略矩形状に形成された四角形状のモジュール基板40を有している。このモジュール基板40の前面には、複数の半導体発光素子としてのLED素子41が水平方向に沿って配列されているとともに、これら水平方向に配列される複数のLED素子41群が上下方向に間隔を開けて複数段(列)配列されている。各段毎にLED素子41群の水平方向両側位置には配線接続部42が設けられ、これら各段の両側の配線接続部42間に各段の複数のLED素子41が直列接続で電気的に接続されている。さらに、各段毎に複数のLED素子41を覆って蛍光体層43が形成されている。したがって、発光モジュール37は、COB(Chip On Board)モジュールで構成されている。そして、例えば、LED素子41は青色光を発し、蛍光体層43はLED素子41が発した青色光によって励起されて主に黄色光を発する蛍光体を含有したシリコーン樹脂で形成され、これにより、蛍光体層43の表面から青色光と黄色光とが混色された白色系の光が放出される。
【0036】
モジュール基板40の各配線接続部42には、点灯回路基板20と接続するための例えば被覆電線で構成される各配線44の一端が水平方向に沿ってそれぞれ接続されている。したがって、モジュール基板40の水平方向両側部から複数の配線44が水平方向に沿って引き出されている。配線接続部42は、配線44に取り付けたコネクタを接続するコネクタでもよいし、配線44の芯線をはんだ付けするはんだ付け部でもよい。
【0037】
放熱ユニット38は、各発光モジュール37毎に対応して1つずつ個別に設けられた2つの放熱体45を備えている。これら放熱体45は、例えば、熱伝導性および放熱性に優れたアルミダイカストで形成され、前面に発光モジュール取付面46が形成された四角形状の基部47、およびこの基部47の背面から突出された複数の放熱フィン48を有している。放熱フィン48は、基部47の背面から上下方向に沿って突出されているとともに水平方向に間隙を開けて複数突出されており、複数の放熱フィン48間に形成される隙間が放熱体45の上面、下面および背面にそれぞれ開口されている。
【0038】
放熱体45の発光モジュール取付面46の中央には、発光モジュール37のモジュール基板40の背面が接触して配置され、これらがモジュール基板40の四隅を通じて放熱体45に螺着される各ねじ49で締め付け固定され、モジュール基板40の背面が発光モジュール取付面46に効率よく熱伝導可能に密着されている。
【0039】
発光モジュール37と放熱体45との1つずつを組として2組の光源部39が個別に形成され、これら光源部39が器具本体12内に水平方向に並んで取り付けられている。すなわち、器具本体12の上面部25および底面部26からそれぞれ器具本体12の内方へ突出された上下の取付板50の背面に各放熱体45の前面上下部が接触して配置され、これらが上下の取付板50を通じて放熱体45に螺着される複数のねじ51で締め付け固定され、放熱体45の前面上下部が上下の取付板50を通じて器具本体12側に効率よく熱伝導可能に密着されている。
【0040】
このとき、2つの放熱体45が水平方向に並んで器具本体12に取り付けられるとともに、これら放熱体45の間に配線挿通部52の空間が前後方向に開口するように2つの放熱体45が間隔を開けて取り付けられている。これにより、2つの発光モジュール37の互いに反対方向にそれぞれ引き出されている各配線44は、水平状態のまま放熱体45の外側面を通じて点灯回路基板20に接続され、また、2つの発光モジュール37の互いに対向する方向にそれぞれ引き出されている各配線44は、水平状態のまま配線挿通部52を通じて発光モジュール取付面46の前面側から背面側へ向けて挿通された後、放熱体45の下側を通じて点灯回路基板20に接続されている。
【0041】
放熱体45の複数の放熱フィン48の上面、底面および背面が器具本体12の上面部25、底面部26および背面部27の各通気口30に対向配置され、その複数の放熱フィン48間の隙間を通じて、器具本体12の下面の通気口30から上面または背面の通気口30へ、背面の通気口30から上面の通気口30へ対流によって空気が流れる通風路53が形成されている。
【0042】
また、反射体17には、各発光モジュール37に対応して2つの反射体部56が水平方向に並んで形成されている。各反射体部56には、中央に発光モジュール37が対向する開口57が形成され、この開口57の周辺部から前方へ向かって拡開するように反射面58が形成されている。
【0043】
また、レンズ18は、各発光モジュール37に対応して光を所望の配光とする2つのレンズ部61が水平方向に並んで形成されている。このレンズ18の周辺部、反射体17の周辺部および図示しないスペーサを通じて器具本体12内に突出される取付板62に螺着される複数のねじ63によって、レンズ18および反射体17が共締めされて器具本体12に取り付けられている。
【0044】
また、電源回路基板19は、各発光モジュール37毎に用いられ、基板本体に、電源回路66を構成する複数の電子部品、電源接続部33を通じて電源線が接続される端子、および点灯回路基板20と電線で接続する端子などが実装され、ケース67に収納されている。電源回路基板19が器具本体12内の底面に沿って平行に配置されるように、ケース67が器具本体12内に取り付けられている。
【0045】
電源回路66は、外部から交流電源を入力し、直流電源に変換して点灯回路基板20に供給する。
【0046】
ケース67を含めて電源回路基板19は、放熱体45の下方より前方へずれて配置され、放熱体45の放熱フィン48の後部側の下方が開口され、器具本体12の底面部26の通気口30に連通され、放熱体45による放熱性が向上されている。本実施の形態では、電源回路基板19の前後方向の半分が放熱体45の下方より前方へずれているが、さらにずれ量を多くしてもよく、さらには電源回路基板19が放熱体45の下方から完全に外れていてもよく、放熱体45による放熱性をより向上できる。
【0047】
また、点灯回路基板20は、各発光モジュール37毎に用いられ、基板本体70の一面である実装面に、点灯回路71を構成する複数の電子部品72、電源回路基板19と電線で接続される端子、発光モジュール37からの各配線44が接続される端子、およびコネクタ32からの信号線が接続される端子などが実装されている。基板本体70の他面は、実装面に実装される各部品が電気的に接続されるパターン面である。
【0048】
点灯回路71は、電源回路基板19から点灯用の直流電源の供給を受け、外部から入力される調光信号を含む制御信号に応じて、PWM制御などでLED素子41を調光点灯させる。
【0049】
点灯回路基板20は、実装面を器具本体12の中心側に向け、器具本体12の各側面部24の内面に沿って平行でかつその側面部24から離反する位置に配置されるとともに、放熱体45の側方より前方へずれて配置されるように、基板支持体74によって支持されている。この基板支持体74は、放熱性に優れた金属板によって形成され、点灯回路基板20が取り付ける取付板部75、この取付板部75の上下端から略L字形に折曲形成された脚部76を備え、上下の脚部76が側面部24に溶接によって一体化されている。したがって、上下の脚部76によって取付板部75が側面部24の内面から離反した位置に配置され、この取付板部75にスペーサ77を介して点灯回路基板20が複数のねじ78で締め付け固定されている。
【0050】
基板支持体74の取付板部75と点灯回路基板20のパターン面との間には、熱伝導性に優れた例えば熱伝導性ゴムなどの熱伝導部材79が介在されている。この熱伝導部材79は、少なくとも点灯回路基板20に実装されている例えばスイッチング素子などの高発熱部品の位置に対応して介在されていればよく、点灯回路基板20の略全体に対応して介在されていてもよい。
【0051】
また、器具支持体13は、器具本体12の両側面部24を貫通して取り付けられる軸部材82,83、これら軸部材82,83を介して回動可能に支持するアーム84を有し、アーム84によってスタジオや舞台のバトンに吊下げ支持されている。
【0052】
軸部材82は、側面部24の内面に固定されるナット85、側面部24の外面に配置されるカラー86、およびアーム84およびカラー86を通じてナット85に螺着されるボルト87などによって構成されている。
【0053】
軸部材83は、側面部24の内面に固定されるナット85、側面部24の外面に配置される回転抵抗付与部材88、回転抵抗付与部材88を通じてナット85に螺着されるハンドル89などによって構成されている。
【0054】
各軸部材82,83のナット85などは、側面部24の内側面と基板支持体74との間の空間に配置されている。
【0055】
そして、このように構成された照明器具11において、各点灯回路基板20に、各電源回路基板19から直流電源が供給されるとともに、調光信号を含む制御信号が入力されることにより、制御信号に応じて例えばPWM制御などで各発光モジュール37の各LED素子41を調光点灯させる。
【0056】
各発光モジュール37の各LED素子41の点灯により放出される光は、反射体17内に入り、レンズ18を透過し、フィルタ取付部29にフィルタが配置されている場合にはそのフィルタを透過して光照射対象に照射される。
【0057】
LED素子41の点灯により発生する熱は、モジュール基板40に熱伝導され、このモジュール基板40から放熱体45に熱伝導される。放熱体45の複数の放熱フィン48間には器具本体12の上面部25、底面部26および背面部27の各通気口30と連通する通風路53が確保されているため、器具本体12の下面の通気口30から上面または背面の通気口30へ、背面の通気口30から上面の通気口30へ、対流によって空気が流れ、空気中に効率よく放熱される。
【0058】
すなわち、器具本体12内の底面に沿って電源回路基板19を配置し、器具本体12内の側面に沿って点灯回路基板20を配置しているため、器具本体12内に電源回路基板19および点灯回路基板20を配置することによる放熱体45からの放熱への影響が少なく、放熱体45からの放熱性を確保できる。このことから、放熱体45からの熱が電源回路基板19および点灯回路基板20へ影響するのを抑制することができる。
【0059】
特に、電源回路基板19および点灯回路基板20は、放熱体45の下方および側方より前方へずれして配置しているため、放熱体45からの熱が電源回路基板19および点灯回路基板20へ影響するのをより確実に抑制することができるとともに、電源回路基板19および点灯回路基板20による放熱体45からの放熱への影響をより少なくでき、放熱体45からの放熱性を向上できる。
【0060】
また、照明器具11からの光の照射方向を調整する場合には、調整棒と呼ばれる棒で器具本体12の外面を押したり叩いたりして器具本体12の前面の向きを変えて調整する。このとき、基板支持体74により点灯回路基板20を器具本体12内の側面部24から離反した位置に支持するため、器具本体12の側面部24へ外部から衝撃が加わっても、その衝撃が点灯回路基板20に直接作用することがなく、点灯回路基板20への影響を軽減できる。
【0061】
また、基板支持体74により点灯回路基板20を器具本体12内に貫通する軸部材82,83から離反した位置に支持するため、軸部材82,83と干渉することなく、点灯回路基板20を器具本体12内の側面に沿って配置することができる。
【0062】
また、点灯回路基板20と基板支持体74との間に熱伝導部材79が介在するため、点灯回路71の電子部品72が発生する熱を基板支持体74および器具本体12に効率よく熱伝導し、温度上昇を抑制することができる。
【0063】
また、基板支持体74を器具本体12に溶接しているため、ねじやリベットなどで取り付ける場合に比べて、基板支持体74から器具本体12への熱伝導性を向上できる。
【0064】
なお、2つの光源部39を備えた照明器具11について説明したが、1つの光源部39を備えた照明器具についても、同様に構成することで同様の作用効果が得られる。
【符号の説明】
【0065】
11 照明器具
12 器具本体
13 器具支持体
19 電源回路基板
20 点灯回路基板
37 発光モジュール
39 光源部
41 半導体発光素子としてのLED素子
45 放熱体
66 電源回路
71 点灯回路
74 基板支持体
79 熱伝導部材
82,83 軸部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具本体と;
半導体発光素子を有する発光モジュール、および発光モジュールの熱を放熱する放熱体を備え、器具本体内に収容された光源部と;
器具本体内の底面に沿って配置された電源回路を有する電源回路基板と;
電源回路基板から電源供給を受けて半導体発光素子を点灯させる点灯回路を有する点灯回路基板と;
点灯回路基板を器具本体内の側面に沿ってその側面から離反した位置に配置する基板支持体と;
を具備していることを特徴とする照明器具。
【請求項2】
器具本体の両側面にそれぞれ貫通して取り付けられた両側の軸部材を有し、両側の軸部材を介して器具本体を回動可能に支持する器具支持体を具備し、
基板支持体は、点灯回路基板を器具本体内に貫通する軸部材から離反した位置に支持する
ことを特徴とする請求項1記載の照明器具。
【請求項3】
点灯回路基板と基板支持体との間に介在される熱伝導部材を具備している
ことを特徴とする請求項1または2記載の照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−258453(P2011−258453A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−133053(P2010−133053)
【出願日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】