照明器具

【課題】フィルタを使用できるとともに、小型化できる照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具本体１１の前面に設けられたフィルタ取付枠１２と、フィルタ取付枠１２にフィルタ１３を着脱自在に保持する保持部材であるばね部材１４と、を備える。ばね部材１４は、フィルタ１３をフィルタ取付枠１２に弾性的に押圧する。また、ばね部材１４は、フィルタ１３を所定の位置に位置決めする位置決め部を有する。この照明器具１０は、フィルタホルダを用いることなくフィルタ１３を保持できるので、小型化が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、スタジオ用照明器具等に適用して好適な照明器具に関する。
【背景技術】
【０００２】
舞台やスタジオにおいて使用される照明器具は、その前面にフィルタを取り付けることにより、光の演出に用いられることが多い。従来より、照明器具の前面にフィルタを取り付ける技術としては、フィルタを枠状のフィルタホルダに取り付け、このフィルタホルダを照明器具の前面におけるスリットに挿入する技術が提案されている。（例えば、特許文献１参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００９−２０５８７３号公報（請求項１、図１、段落００１９）
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、従来の照明器具は、フィルタを取り付けるためにフィルタホルダを使用する必要があるため、照明器具が大型になるという問題があった。
【０００５】
本発明は、フィルタを取り付けできるとともに、小型化できる照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明の照明器具は、照明器具本体と、前記照明器具本体の前面に設けられたフィルタ取付枠と、前記フィルタ取付枠にフィルタを着脱自在に保持する保持部材と、を備える。
【０００７】
また、本発明の照明器具は、前記フィルタ取付枠が多角形であり、前記保持部材は、前記フィルタ取付枠の少なくとも互いに対向する二辺の枠部分における両端部に設けられ、前記二辺の枠部分以外の枠部分が、前記二辺の枠部分に対して凹入状に形成されている。
【発明の効果】
【０００８】
本発明によれば、フィルタホルダを用いることなく、フィルタを、フィルタ取付枠に保持部材によって着脱自在に保持できるため、照明器具の小型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【０００９】
【図１】本発明に係る第１実施形態の照明器具を示す斜視図
【図２】図１のＡ矢視図
【図３】図２のＢ矢視図
【図４】第１実施形態のばね部材の取付状態を示す拡大斜視図
【図５】第１実施形態のフィルタの取付状態を示す拡大側面図
【図６】本発明に係る第２実施形態の照明器具を示す斜視図
【図７】第２実施形態のばね部材の取付状態を示す拡大斜視図
【図８】第２実施形態のフィルタの取付状態を示す拡大側面図
【図９】第２実施形態のフィルタの取付方法を説明する平面図
【発明を実施するための形態】
【００１０】
以下、本発明に係る実施形態の照明器具について、図面を参照して説明する。
（第１実施形態）
第１実施形態の照明器具を、図１〜図４を用いて説明する。図１に示すように、本実施形態の照明器具１０は、照明器具本体１１と、照明器具本体１１の前面に設けられた四角形のフィルタ取付枠１２と、フィルタ取付枠１２の前面１２Ａにフィルタ１３を着脱自在に保持する保持部材としてのばね部材１４とを有している。
【００１１】
図２に示すように、フィルタ取付枠１２の前面１２Ａ、およびフィルタ１３は、長方形状に形成されている。フィルタ１３は、フィルタ取付枠１２の前面１２Ａより僅かに大きく形成されている。図３にも示すように、ばね部材１４は、フィルタ取付枠１２の前面１２Ａにおける４隅に取り付けられている。
【００１２】
また、フィルタ取付枠１２の前面１２Ａは、図４に示すように、四角枠の互いに対向する二辺に対応する枠部分のフィルタ当接面１５と、フィルタ当接面１５に対して直交する二辺に対応する枠部分の凹入面１６とを有している。凹入面１６は、フィルタ当接面１５から凹入状に形成されている。
【００１３】
ばね部材１４は、細長い板ばねによってＬ字状に折り曲げられることにより形成されている。ばね部材１４のＬ字の横辺部１７における先端には、フィルタ当接面１５に当接する円弧部１８が設けられている。また、ばね部材１４におけるＬ字の縦辺部１９は、フィルタ取付枠１２の前面１２Ａに直交する側面１２Ｂに、ねじ２０によって固定されている。
【００１４】
図５に示すように、フィルタ取付枠１２における前面１２Ａのフィルタ当接面１５上には、フィルタ１３の外周部１３Ａが載置されている。このフィルタ１３の外周部は、フィルタ取付枠１２の４隅に取り付けられたばね部材１４によって、フィルタ取付枠１２側に付勢されている。これにより、フィルタ１３の外周部１３Ａは、フィルタ当接面１５とばね部材１４との間に弾性的に挾持されている。フィルタ１３は、フィルタ取付枠１２の前面１２Ａにほぼ整合するように配置された状態で、ばね部材１４の縦辺部１９によって位置決めされている。
【００１５】
フィルタ取付枠１２にフィルタ１３を取り付けるときは、図２に示すように、フィルタ１３の長辺をフィルタ取付枠１２の前面１２Ａにおける長辺に対向させ、フィルタ１３をフィルタ取付枠１２から少しずらした位置から、フィルタ１３をフィルタ取付枠１２に整合させるように移動させ、フィルタ１３の一方の長辺を、ばね部材１４の円弧部１８と、フィルタ取付枠１２のフィルタ当接面１５との間に挿入する。次に、フィルタ１３の他方の長辺を、反対側のばね部材１４における円弧部１８と、フィルタ取付枠１２におけるフィルタ当接面１５との間に挿入する。これにより、フィルタ１３は、フィルタ取付枠１２の前面１２Ａに、その４隅に設けられたばね部材１４によって、着脱自在に保持される。
【００１６】
第１実施形態の照明器具１０によれば、フィルタホルダを用いることなく、フィルタ１３を、ばね部材１４によって、フィルタ取付枠１２に着脱自在に保持できるため、照明器具の小型化、軽量化、およびコストダウンが可能となる。
【００１７】
また、ばね部材１４は、四角形のフィルタ取付枠１２における互いに対向する枠部分にフィルタ当接面１５が設けられ、フィルタ当接面１５と直交する枠部分にフィルタ当接面１５より凹入する凹入面１６が設けられているため、フィルタ１３をフィルタ取付枠１２の前面１２Ａに取り付ける際に、フィルタ１３が凹入面１６に当接しない。従って、フィルタ１３の取り付けが容易になる。
【００１８】
また、ばね部材１４の縦辺部１９が、フィルタ取付枠１２に取り付けられたフィルタ１３の位置決め機能を有することにより、フィルタ１３が位置ずれするのを抑制できる。
【００１９】
また、ばね部材１４には、フィルタ取付枠１２の前面１２Ａにおけるフィルタ当接面１５に当接する円弧部１８が設けられていることにより、フィルタ１３を、フィルタ取付枠１２とばね部材１４における円弧部１８との間に容易に挿入できる。
なお、フィルタ取付枠１２およびフィルタ１３は、四角形に限らず、多角形にしてもよい。
【００２０】
（第２実施形態）
図６は、第２実施形態のフィルタ取付枠３２を示す。なお、第１実施形態と同様な部分には、同一の符号を付けて詳細な説明を省略する。
このフィルタ取付枠３２は、円形状に形成されている。フィルタ取付枠３２の前面３２Ａにおける円周上には、４個のばね部材１４が等間隔に設けられている。ばね部材１４の縦辺部１９は、図７に示すように、前面３２Ａに直交する円形の側面３２Ｂに設けられた平坦面３２Ｃに取り付けられている。
【００２１】
図８に示すように、フィルタ取付枠３２の前面３２Ａには、円形のフィルタ３３が載置され、ばね部材１４の円弧部１８によって前面３２Ａに押圧されている。
【００２２】
フィルタ取付枠３２にフィルタ３３を取り付けるときは、図９に示すように、フィルタ１３の円周部の一部を、一つのばね部材１４の円弧部１８と、フィルタ取付枠３２の前面３２Ａとの間に挿入する。次に、このばね部材１４に隣接するばね部材１４と、前面３２Ａとの間にフィルタ３３を挿入する。以下、他のばね部材１４と、前面３２Ａとの間にフィルタ３３を挿入する。これにより、フィルタ３３は、フィルタ取付枠３２の前面３２Ａに、ばね部材１４によって着脱自在に保持される。
【００２３】
なお、本発明の表示装置は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形，改良等が可能である。
【符号の説明】
【００２４】
１０照明器具
１１照明器具本体
１２フィルタ取付枠
１２Ａ前面
１２Ｂ側面
１３フィルタ
１３Ａ外周部
１４ばね部材
１５フィルタ当接面
１６凹入面
１７横辺部
１８円弧部
１９縦辺部
３２フィルタ取付枠
３２Ａ前面
３２Ｂ側面
３２Ｃ平坦面
３３フィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項１】
照明器具本体と、
前記照明器具本体の前面に設けられたフィルタ取付枠と、
前記フィルタ取付枠にフィルタを着脱自在に保持する保持部材と、を備える照明器具。
【請求項２】
請求項１に記載の照明器具において、
前記フィルタ取付枠が多角形であり、前記保持部材は、前記フィルタ取付枠の少なくとも互いに対向する二辺の部分における両端部に設けられ、前記二辺以外の辺の部分が、前記二辺の部分に対して凹入状に形成されている照明器具。

【図１】