説明

照明器具

【課題】狭い空間でも取り付けが容易であるとともに、灯具の位置が変更自在となり間接照明としての演出効果が高い照明器具を提供する。
【解決手段】
基板取付面141と取付板裏面142とを有する長方形状であって、基板取付面141の長手方向にLED素子131が並べて配置されるLEDモジュール基板130を取り付ける取付板140と、取付板裏面142に設けられた取付板側アーム連結部240と、ユニット天面344を備え、LEDモジュール基板130に電力を供給する電源装置を収納する電源ユニット300と、ユニット天面344に設けられたユニット側アーム連結部250と、一方の端部が取付板側アーム連結部240と可動に連結されるとともに、他方の端部がユニット側アーム連結部250と可動に連結される継ぎ手200とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、LEDモジュールを用いる間接照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来では、ベースにLED発光素子を並べた灯具を備えるLED照明器具を、直接視認することが困難な場所に取付ける場合に、取り付け作業が容易となるように構成されたLED照明器具に関する技術がある(特許文献1参照)。
【0003】
また、間接照明用として、コファーやコーブに取付けられる照明器具において、光源の向きを変更容易に構成した照明器具がある(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−99363号公報
【特許文献2】実用新案登録第2548037号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ベースにLED発光素子を並べた灯具部と電源部とが一体になった照明器具を、建築物の各所の指示部材に直接固定する場合、天井面、壁面、床面等あらゆる方向に固定する必要があり、取付けや電源の配線が困難になる。同様に、コーブのような空間ではスペースが狭いため、取付けや電源の配線が困難になるという課題がある。また、照射した方向にのみ高輝度の光が生じてしまうという課題がある。
【0006】
灯具と電源部が一体になった照明器具を間接照明として使用した場合には、取付け面から発光面までの距離が一定となるため、遮光部の高さによっては灯具が見えてしまう場合があるという課題がある。また、直接視認困難な場所では、設置してから照射方向を変更することは困難であるという課題がある。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するためのなされたものであり、狭い空間でも取り付けが容易であるとともに、灯具の位置を変更自在とすることで間接照明としての演出効果が高い照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る照明器具は、
長方形状をなし、発光面と前記発光面の裏面とを有し、前記発光面の長手方向に光源が並べて配置される取付部と、
前記取付部の前記裏面に設けられる第1の連結部と、
底面と前記底面に対向する天面とを備え、前記光源を点灯させるための電力を供給する電源装置を収納する電源ユニットと、
前記電源ユニットの前記天面に設けられる第2の連結部と、
一方の端部が前記第1の連結部と可動に連結されるとともに、他方の端部が前記第2の連結部と可動に連結されるアームとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る照明器具は、長方形状をなし、発光面と前記発光面の裏面とを有し、前記発光面の長手方向に光源が並べて配置される取付部と、前記取付部の前記裏面に設けられる第1の連結部と、底面と前記底面に対向する天面とを備え、前記光源を点灯させるための電力を供給する電源装置を収納する電源ユニットと、前記電源ユニットの前記天面に設けられる第2の連結部と、一方の端部が前記第1の連結部と可動に連結されるとともに、他方の端部が前記第2の連結部と可動に連結されるアームとを備えるので、狭い空間でも取り付けが容易であるとともに、灯具の位置が変更自在となり間接照明としての演出効果が高い照明器具を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施の形態1に係る照明器具500の斜視図である。
【図2】実施の形態1に係る照明器具500の図1の形態に対応する正面図である。
【図3】実施の形態1に係る照明器具500の分解斜視図である。
【図4】実施の形態1に係る照明器具500の斜視図である。
【図5】実施の形態1に係る照明器具500の図4の形態に対応する正面図である。
【図6】実施の形態1,2に係る照明器具510の斜視図である。
【図7】実施の形態2に係る照明器具510の図6の状態に対応する正面図である。
【図8】実施の形態2に係る照明器具510の斜視図である。
【図9】実施の形態2に係る照明器具510の図8の状態に対応する正面図である。
【図10】実施の形態2に係る継ぎ手201の斜視図である。
【図11】実施の形態2に係る継ぎ手201の図10の状態に対応する上面図である。
【図12】実施の形態2に係る継ぎ手201の図10の状態に対応する正面図である。
【図13】実施の形態2に係る継ぎ手201の図10の状態に対応する右側面図である。
【図14】実施の形態2に係る照明器具510の継ぎ手201を可動させて固定したときの形態の一例を示す図である。
【図15】実施の形態2に係る照明器具510の継ぎ手201を可動させて固定したときの形態の一例を示す図である。
【図16】実施の形態2に係る照明器具510の継ぎ手201を可動させて固定したときの形態の一例を示す図である。
【図17】実施の形態2に係る照明器具510の継ぎ手201を可動させて固定したときの形態の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
以下、本実施の形態について、図1〜図5に基づいて説明する。
【0012】
図1は、本実施の形態に係る照明器具500の斜視図である。図2は、本実施の形態に係る照明器具500の図1の形態に対応する正面図である。図3は、本実施の形態に係る照明器具500の分解斜視図である。図4は、本実施の形態に係る照明器具500の斜視図である。図5は、本実施の形態に係る照明器具500の図4の形態に対応する正面図である。
【0013】
本実施の形態において、図1、図2に示すように、照明器具500は、光源ユニット100、光源ユニット100を点灯させるための電力を供給する電源装置等を内部に収納する電源ユニット300(あるいは点灯ユニットともいう)、光源ユニット100を電源ユニット300に接続する(連結する)継ぎ手200(アームともいう)を備える。継ぎ手200は、光源ユニット100と電源ユニット300とを接続する(連結する)。また、継ぎ手200は、電源ユニット300に対する光源ユニット100の位置を変更することができる。
【0014】
図2、図3に示すように、光源ユニット100は、カバー110、反射部120、LEDモジュール基板130、取付板140を備える。
【0015】
取付板140は、基板取付面141(表面、発光面)と取付板裏面142(裏面、取付面)とを有する長方形状であり、基板取付面141(発光面)にLEDモジュール基板130を取り付ける。取付板140の長手方向の長さは、後述する電源ユニット300の長手方向の長さと同程度(あるいは同一)の長さである。取付板140は、取付部の一例である。
【0016】
LEDモジュール基板130は、取付板140の基板取付面141と同程度か、あるいは基板取付面141よりやや小さい長方形状であり、長手方向にLED素子131(光源)が並んで実装される。LEDモジュール基板130の実装面133には、基板1枚に必要な明るさ分のLED素子131が、例えば12個長手方向に並んで配置されている。LEDモジュール基板130の長手方向の長さは、電源ユニット300と同程度の長さになっている。実装面133には、LEDモジュール基板130と電源ユニット300とをリード線を用いて接続するためのコネクタ132が実装されている。
【0017】
反射部120は、LED素子131から発せられる光を反射して配光制御する。反射部120は、各LED素子131に対応する反射板121を備える。反射板121は、各LED素子131を底部に備え、光の照射方向に放射状に広がって形成されている。反射板121は、各LED素子131を底部に備えるお椀状、すり鉢状である。LEDモジュール基板130は、反射部120により覆われている。
【0018】
取付板140は、例えば、アルミニウムにより構成されている細長い薄板で、短手方向の両側の側部が、取付板裏面142側に折り曲げられている(図2参照)。取付板140は、断面略コ字状である。
【0019】
取付板140がコ字形状に折り曲げられているのは、表面積を大きくすることでLEDモジュール基板130等から発生する熱を放熱する際の熱放熱性を向上させるためでもある。ただし、取付板140は、必ずしもコ字形状に折り曲げられている必要はなく、長方形状のアルミニウム等の平板でも構わない。また、取付板140は、放熱性をよくするために厚板でもよい。また、取付板140は、平板や厚板等の板だけでなく、例えば、押し出し成形材でもよい。
【0020】
図2、図3に示すように、取付板140は断面略コ字状である。つまり、取付板140は、取付板裏面142の短手方向の両端の裏面側縁部145から、取付板裏面142側に略垂直に突き出している裏面突出部143を備える。裏面突出部143は、断面略コ字状の取付板140の両側の側壁部分である。また、両側の裏面突出部143の各先端部は、内側に略直角に折り曲げられた折り曲げ部144を備える。
【0021】
カバー110は、取付板140の基板取付面141を完全に覆っており、断面略半円形状である。カバー110は、上面に凸形の円弧状を形成していて、ほこりがたまりにくい形状となっている。カバー110は、樹脂等で形成されている。
【0022】
継ぎ手200は、取付板140にネジ止めにより固定される光源取付部210と、この光源取付部210にネジ止めすることにより接続する中間部であるアーム部220と、このアーム部220に接続され、電源ユニット300にネジ止めにより固定される電源取付部230とから構成されている。
【0023】
アーム部220は、略長方形の平板であり、図5に示すように、アーム部220の長手方向の長さL7は、取付板裏面142の短手方向の幅L8、ユニット天面344の短手方向の幅L9と略等しい。
【0024】
図3に示すように、電源ユニット300は、継ぎ手200の電源取付部230がネジ止めにより固定される電源ユニットトップ310と、この電源ユニットトップ310により、上面を完全に塞がれる電源モジュール320と、この電源モジュール320のコネクタに配線により接続される電源端子台330と、電源モジュール320がネジ止めにより固定される電源ユニットボトム340とを備える。
【0025】
本実施の形態に係る照明器具500は、照明器具取付面に取り付けられて使用される。電源ユニットボトム340は、取り付けられた際に照明器具取付面に対向(当接)するユニット底面343を備え、ユニット底面343の長手方向の両端部に電源ユニット取付部341を備える。電源ユニット取付部341には、建築物の各所(照明器具取付面)へネジ止め等で簡単に固定できるように、取付用穴342が形成されている。
【0026】
電源ユニットトップ310は、電源ユニットボトム340に蓋をするように取り付けられる。電源ユニットトップ310は、電源ユニットトップ310が電源ユニットボトム340に取り付けられた際に、ユニット底面343に対向する面であるユニット天面344を備える。ユニット天面344は、長方形状である。ユニット天面344と、取付板140の取付板裏面142(基板取付面141)とは略同一の大きさの略同一形状である。
【0027】
電源ユニット300は、長手方向に長く短手方向に短い直方体である。
【0028】
電源ユニット300の内部には、LED素子311を点灯させるための電源モジュール320と、この電源モジュール320のコネクタにリード線等の配線により接続される電源端子台330とが収納される。電源端子台330は、リード線を接続する端子が電源ユニット300の長手方向端部の一方の端面から露出するように配置される。
【0029】
アーム部220は、一方の端部である光源取付部210が取付板裏面142に可動に連結されるとともに、他方の端部である電源取付部230がユニット天面344に可動に連結される。アーム部220は、ユニット天面344に対する傾きαが変更自在になるようにユニット天面344に連結される。また、アーム部220は、取付板裏面142に対する傾きβが変更自在になるように取付板裏面142近傍に連結される。
【0030】
本実施の形態では、アーム部220と取付板裏面142とを可動に連結する光源取付部210を継ぎ手200の一方の端部に備え、アーム部220とユニット天面344とを可動に連結する電源取付部230を継ぎ手200の他方の端部に備えている。しかし、例えば、取付板裏面142にアーム部220と取付板裏面142とを可動に連結する連結部材を設け、ユニット天面344にアーム部220とユニット天面344とを可動に連結する連結部材を設けてもよい。アーム部220と取付板裏面142とを可動に連結する構成部分を取付板側アーム連結部240(第1の連結部)とし、アーム部220とユニット天面344とを可動に連結する構成部分をユニット側アーム連結部250(第2の連結部)とする。
【0031】
図2に示すように、継ぎ手200の光源取付部210は、取付板裏面142の短手方向両端の一対の裏面側縁部145のうちの一方の裏面側縁部145近傍に設けられる。また、継ぎ手200の電源取付部230は、ユニット天面344の短手方向両端の一対の天面側縁部345のうちの一方の天面側縁部345近傍に設けられる。
【0032】
また、図2に示すように、継ぎ手200の電源取付部230は、取付板裏面142をユニット天面344に対向させた場合に、取付板裏面142の光源取付部210が連結されている側の裏面側縁部145とは反対側のユニット天面344の天面側縁部345に取り付けられる。つまり、図5に示すように、取付板裏面142のA側の裏面側縁部145近傍に継ぎ手200(アーム部220)が連結されている場合は、ユニット天面344のB側(A側の反対側)の天面側縁部345近傍に継ぎ手200(アーム部220)が連結される。この構成により、電源ユニット300に光源ユニット100を載置することができ、照明器具500の最小状態を小さくすることができる。
【0033】
しかし、取付板裏面142のA側の裏面側縁部145近傍に継ぎ手200(アーム部220)が連結されていて、ユニット天面344のA側の天面側縁部345近傍に継ぎ手200(アーム部220)が連結される構成でも構わない。
【0034】
図2に示すように、アーム部220が可動に連結されるユニット側アーム連結部250は、天面側縁部345近傍に位置している。ユニット側アーム連結部250の位置は、天面側縁部345から(L9×1/4)の幅の範囲内に好ましい。つまり、図2において、L20>(L9×1/4)の関係が好ましい。
【0035】
同様に、アーム部220が可動に連結される取付板側アーム連結部240は、裏面側縁部145近傍に位置している。取付板側アーム連結部240の位置は、裏面側縁部145から(L8×1/4)の幅の範囲内に位置するのが好ましい。
【0036】
照明器具500は、ユニット天面344の長手方向の端部の近傍に2本の継ぎ手200を備える。図1に示すように、長手方向の各端部から各継ぎ手200までの間隔L3、L4は略等しいことが好ましい。また、2本の継ぎ手200の間の間隔L2とすると、L2,L3,L4との関係は、L2=L3×2=L4×2の関係が好ましい。
【0037】
図2に示すように、アーム部220は、電源取付部230の連結部(ユニット側アーム連結部250)を軸として、P3方向、あるいはP4方向に回転する(回動する)。また、光源ユニット100は、光源取付部210の連結部(取付板側アーム連結部240)を軸として、P1方向、あるいはP2方向に回転(回動)する。
【0038】
図1及び図2に示す状態から継ぎ手200(アーム部220)を右方向(時計回り)(P3方向)に略135度可動させて、光源ユニット100と電源ユニット300を固定している角度を変えることで、図4及び図5に示す状態に変更することができる。本実施の形態では、アーム部220の長さL7は、取付板140の短手方向の幅L8及びユニット天面344の短手方向の幅L9と略等しい。
【0039】
アーム部220をユニット天面344に当接させるように、電源取付部230のユニット側アーム連結部250を軸としてアーム部220を回動させる。また、取付板裏面142がアーム部220と略平行となるように光源取付部210の取付板側アーム連結部240を軸として、取付板140がアーム部220と略平行となるように取付板140を回転(回動)させる。
【0040】
図4、図5に示すように、アーム部220をユニット天面344上に寝かせて、取付板140もアーム部220と平行になるようにたたむことができる。このとき、LEDモジュール基板130とユニット天面344との間には、(L5+L6)の幅の空間ができる。L5は、取付板裏面142の裏面側縁部145から突き出した裏面突出部143の突出長である。また、L6は、アーム部220の短手方向の幅に略等しい。
【0041】
この状態のように、継ぎ手200で光源ユニット100を固定することにより、お互いに密着させずに近づけて空間を保つことができる。このように空間を保つことにより、光源ユニット100と電源ユニット300が、お互いの放熱を受けることを少なくすることができ、放熱性を高める効果が得られる。
【0042】
本実施の形態では、取付板裏面142の裏面突出部143の先端部である折り曲げ部144に継ぎ手200の光源取付部210が連結される。しかし、裏面突出部143はなくてもよい。つまり、取付板140は、光源取付部210を裏面側縁部145近傍の取付板裏面142に直接連結してもよい。この場合は、取付板裏面142とユニット天面344との距離が、L6となり、L6の幅の空間を備えることにより放熱性が担保されるとともに、照明器具500自体をよりコンパクトにすることができる。
【0043】
本実施の形態に係る照明器具500は、光源ユニット100の長手方向の長さと、電源ユニット300の長手方向の長さとが略等しい形状である。本実施の形態に係る照明器具500の継ぎ手200は、上述したように、電源ユニット300(点灯ユニット)のユニット天面344と、光源ユニット100の底面である取付板裏面142とを連結するように取り付けられている。したがって、電源ユニット300の長手方向の長さと、光源ユニット100の長手方向の長さとを、必ずしも一致させる必要はない。
【0044】
図6は、本実施の形態に係る照明器具510の斜視図である。図6に示すように、照明器具510は、光源ユニット100の長手方向の長さL10が、電源ユニット300の長手方向の長さL11の約2倍である。図6に示す継ぎ手201は、上述した継ぎ手200とは異なる構成であるが、継ぎ手201の詳細な説明は後述する。ここでは、継ぎ手201は、継ぎ手200と同様の構成であるものとして説明する。
【0045】
本実施の形態に係る照明器具500によれば、継ぎ手200が電源ユニット300の天面と光源ユニット100の底面とに取り付けられているので、電源ユニット300の天面と光源ユニット100の底面との長手方向の長さによる制約を受けることがない。そのため、電源ユニット300を光源ユニット100よりも短くすることもでき、長くすることもできる。つまり、光源ユニット100の長手方向の長さが、電源ユニット300の長手方向の長さより長い形状の照明器具510にも適用可能であり、逆に、光源ユニット100の長手方向の長さが、電源ユニット300の長手方向の長さより短い形状の照明器具にも適用可能である。
【0046】
図6に示すように、照明器具510では、光源ユニット100の長手方向の長さL10が、電源ユニット300の長手方向の長さL11の約2倍である。継ぎ手200の電源取付部230の位置は、ユニット天面344の長手方向の両端部近傍の2カ所である。また、継ぎ手200の光源取付部210の位置は、光源ユニット100の裏面突出部143の長手方向中心Oから所定の距離(L12)外側の位置の2点(E点、F点)である。照明器具510の光源ユニット100は、長手方向中心Oを中心として所定の幅L12×2の間隔を有する2点(E点、F点)で継ぎ手200に連結されるので、安定して固定することができる。2点(E点、F点)の間隔L12×2は、L11の1/2の長さよりも長いことが好ましく、L11の2/3の長さより長いこと方がより好ましい。
【0047】
また、本実施の形態に係る照明器具500によれば、継ぎ手200の端部がユニット天面344の天面側縁部345近傍と、取付板裏面142の裏面側縁部145近傍とにそれぞれ連結され、この連結部が軸になって継ぎ手200が可動する。
【0048】
継ぎ手200がユニット天面344の短手方向の両端に取り付けられているので、光源ユニット100(発光ユニット)のみを回動可能とすることができる。つまり、電源ユニット300に光源ユニット100の短手方向の端部を接した状態での角度調整が容易となる。つまり、図5に示すように、図5の状態から、取付板側アーム連結部240を軸としてP30方向に光源ユニット100を回動させることもできるし、ユニット側アーム連結部250を軸としてP31方向に光源ユニット100を回動させることもできる。
【0049】
また、本実施の形態に係る照明器具500によれば、図5に示すように、光源ユニット100を電源ユニット300に最も近づけた状態のとき、継ぎ手200の可動軸(取付板側アーム連結部240、ユニット側アーム連結部250)が必ずユニット天面344の短手方向の両端部にくるので、電源ユニット300の短手方向に対して光源ユニット100の短手方向の位置がずれることが少なくなる。例えば、1台の照明器具であればずれの調整にかかる作業者の負担が小さいかもしれないが、通常、多数の照明器具を設置することが多いため、すべての照明器具の調整をするには多くの負担がかかる。上記のように、本実施の形態に係る照明器具500によれば、このような、作業者の負担を軽減することができ、作業効率を向上させることができる。
【0050】
本実施の形態に係る照明器具500によれば、間接照明用として、コファーやコーブに取付けられる照明器具500において、電源装置部分(電源ユニット300)と、ベースにLED発光素子を並べた灯具部分(光源ユニット100)を別々に備えるので、狭い空間でも電源ユニット300の取付作業が容易となる。
【0051】
本実施の形態に係る照明器具500によれば、図2に示すように、ユニット側アーム連結部250がユニット天面344に対する継ぎ手200の角度が変更自在になるように、アーム部220とユニット天面344とを連結するので、光源ユニット100の位置を上下に移動することができるとともに、左右(A−B)方向に移動することもできる。
【0052】
また、本実施の形態に係る照明器具500によれば、図2に示すように、取付板側アーム連結部240が継ぎ手200に対する取付板裏面142の角度が変更自在になるように、アーム部220と取付板裏面142とを連結する。したがって、取付板140を取付板側アーム連結部240を軸としてP1−P2方向に回動して所定の位置で固定することにより、光源ユニット100の光の照射方向を自在に変更できる。
【0053】
実施の形態2.
実施の形態1では、継ぎ手200のアーム部220は、長手方向の長さが取付板140の短手方向の長さ(ユニット天面344の短手方向の長さ)と略等しい長方形の1枚の平板であった。本実施の形態に係る照明器具510の継ぎ手201は、互いに連結された複数のアーム構成部材を備え、隣接する各アーム構成部材同士が可動に連結されている。
【0054】
本実施の形態において、実施の形態1と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略し、実施の形態1と異なる部分について説明する。
【0055】
以下、本実施の形態について、図6〜図17に基づいて説明する。上述したように、図6は、本実施の形態に係る照明器具510の斜視図である。
【0056】
図7は、本実施の形態に係る照明器具510の図6の状態に対応する正面図である。図8は、本実施の形態に係る照明器具510の斜視図である。図9は、本実施の形態に係る照明器具510の図8の状態に対応する正面図である。図10は、本実施の形態に係る継ぎ手201の斜視図である。図11は、本実施の形態に係る継ぎ手201の図10の状態に対応する上面図である。図12は、本実施の形態に係る継ぎ手201の図10の状態に対応する正面図である。図13は、本実施の形態に係る継ぎ手201の図10の状態に対応する右側面図である。図14は、本実施の形態に係る照明器具510の正面図である。図15は、本実施の形態に係る照明器具510の正面図である。図16は、本実施の形態に係る照明器具510の正面図である。図17は、本実施の形態に係る照明器具510の正面図である。
【0057】
本実施の形態に係る照明器具510は、例えば、下げ天井の上部側や突き出し壁の内側等の直接視認ができないような部分に取り付けられることを想定している。図7に示すように、照明器具510は、例えば、コーブ天井600に取り付けられる。コーブ天井600の内側には、照明器具取付面610を有し、照明器具取付面610に照明器具510の電源ユニット300の電源ユニット取付部341がネジ止めにより固定されている。
【0058】
本実施の形態において、図6〜図9に示す照明器具510の継ぎ手201は、複数のアーム構成部材(アーム中間部220a、220b、220c)が連結されている。隣り合うアーム中間部同士は連結部227(227a,227b)で連結されている。
【0059】
継ぎ手201は、2点以上の軸(連結部227a,227b)を有し、連結部227を中心に障害物に当たらない範囲で可動(回動)自在である。したがって、実施の形態1の継ぎ手200のようにアーム部220が平板一枚の場合に比べて、より広範囲に上下方向、左右方向(A−B方向)に光源ユニット100を移動させることができる(図8、図9参照)。
【0060】
図10に示すように、継ぎ手201は、一方の端部に光源ユニット100の取付板裏面142(あるいは、裏面突出部143)にネジ止めにより固定される光源取付部210を備え、他方の端部に電源ユニット300のユニット天面344にネジ止めにより固定される電源取付部230を備える。
【0061】
図10、図11に示すように、継ぎ手201は、取付板側アーム連結部240において、光源取付部210とアーム中間部220aの端部220a−1とがネジ止めにより可動に連結される。ネジ止めにより可動に連結するとは、例えば、ネジ止めを緩めて所望の角度に回動させ、所望の角度・位置になったところでネジを締めて継ぎ手201を固定することを意味する。
【0062】
連結部227aにおいて、アーム中間部220aの端部220a−2と、アーム中間部220bの端部220b−1とがネジ止めにより可動に連結される。連結部227bにおいて、アーム中間部220bの端部220b−2と、アーム中間部220cの端部220c−1とがネジ止めにより可動に連結される。ユニット側アーム連結部250において、電源取付部230とアーム中間部220cの端部220c−2とがネジ止めにより可動に連結される。
【0063】
図10〜図13に示すように、継ぎ手201は、取付板側アーム連結部240において、光源取付部210とアーム中間部220aの端部220a−1とを、継ぎ手固定ネジ221aとナット221bとワッシャー221cを用いて可動に連結する。
【0064】
また、連結部227aにおいて、アーム中間部220aの端部220a−2とアーム中間部220bの端部220b−1とを、継ぎ手固定ネジ222aとナット222bとワッシャー222cを用いて可動に連結する。
【0065】
また、連結部227bにおいて、アーム中間部220bの端部220b−2とアーム中間部220cの端部220c−1とを、継ぎ手固定ネジ223aとナット223bとワッシャー223cを用いて可動に連結する。
【0066】
そして、ユニット側アーム連結部250において、アーム中間部220cの端部220c−2と電源取付部230とを、継ぎ手固定ネジ224aとナット224bとワッシャー224cを用いて可動に固定する。
【0067】
図14〜図17に、本実施の形態における継ぎ手201を可動させたときの照明器具510の形態のバリエーションを示す。図14は、本実施の形態に係る照明器具510の継ぎ手201を可動させて固定したときの形態の一例を示す図である。図15は、本実施の形態に係る照明器具510の継ぎ手201を可動させて固定したときの形態の一例を示す図である。図16は、本実施の形態に係る照明器具510の継ぎ手201を可動させて固定したときの形態の一例を示す図である。図17は、本実施の形態に係る照明器具510の継ぎ手201を可動させて固定したときの形態の一例を示す図である。
【0068】
図14〜図17では、光源取付部210が、裏面突出部143の外側に固定されているが、実施の形態1の照明器具500のように、裏面突出部143の先端の折り曲げ部144の下面に固定するとしてもよい。あるいは、取付板140が裏面突出部143を備えておらず、取付板裏面142の裏面側縁部145近傍に、直接、光源取付部210を固定する構成でもよい。
【0069】
図14に示す状態から、アーム中間部220bを連結部227bを軸としてP10方向(時計回り)に180度可動させ、アーム中間部220aを連結部227aを軸としてP12方向(反時計回り)に180度可動させると、図15に示す状態となる。
【0070】
図15に示す状態から、アーム中間部220bを連結部227bを軸としてP13方向(時計回り)に90度可動させ、アーム中間部220bとアーム中間部220cとを重ねて、光源取付部210を取付板側アーム連結部240を軸としてP16方向(反時計回り)に90度可動させると図16に示す状態となる。
【0071】
図16に示す状態から、アーム中間部220aを連結部227a(図16では、ユニット側アーム連結部250の後方に隠れている)を軸としてP12方向(反時計回り)に45度程度可動させ、光源取付部210を取付板側アーム連結部240を軸としてP15方向(時計回り)に90度可動させると図17に示す状態になる。図17に示す状態は、図8、図9に示す状態である。
【0072】
照明器具510の光源ユニット100を図17の状態にすることで、図9に示すように、光の照射方向をP8方向にすることができる。このように、間接光の演出効果を高めることができる。
【0073】
図14に示すように、アーム中間部220a,220b,220cの長さはすべてL7(L7と略同一の長さ)となるように形成する。そして、L7は、ユニット天面344の短手方向の長さL9及び取付板140の幅L8と略等しいので、アーム中間部220a,220b,220cをすべてユニット天面344の短手方向に寝かせるように継ぎ手200を折りたたんだ場合に、図5に示す状態と同様の状態となる。つまり、継ぎ手201が複数のアーム構成部材から構成されていても、コンパクトに折りたたむことができる。
【0074】
また、本実施の形態では、例えば図7に示すように、継ぎ手201の光源取付部210は、取付板裏面142のA側の裏面側縁部145近傍に連結され、継ぎ手201の電源取付部230は、ユニット天面344のB側(A側の反対側)の天面側縁部345近傍に取り付けられている。
【0075】
しかし、継ぎ手201の光源取付部210は、取付板裏面142のA側の裏面側縁部145近傍に連結されていて、継ぎ手201の電源取付部230も、ユニット天面344のA側の天面側縁部345近傍に取り付けられていてもよい。アーム部220のアーム構成部材(アーム中間部)の数を変更することで、同じ側に継ぎ手201が連結されていても、電源ユニット300に光源ユニット100を載置する状態とすることができ、照明器具500の最小状態を小さくすることができる。
【0076】
本実施の形態に係る照明器具510によれば、例えば、コファーのような掘上天井の建築物に電源ユニット300を固定する際に、継ぎ手201を可動させることで、電源ユニット300から光源ユニット100を壁等に当たらない位置に移動させることができる。これにより、電源ユニット300をネジ止めにより照明器具取付面に容易に固定することができる。また、空間が広く取れるため、電源配線ための電源ユニット300の電源端子台330への接続も容易にできるようになるという効果がある。
【0077】
例えば、光源ユニット100が電源ユニット300よりも上側にある照明器具の場合、電源ユニット300を設置面に対して上方向に向けて固定すると、光源ユニット100から照射される光の照射方向は、必然的に電源ユニット300の設置面に対して上方向に決定される。使用者が希望する最適な照度に設定したいとき、使用者自身が光源ユニット100から照射される光の照射方向の角度を調節することにより得られる照度の範囲が限られてしまう。
【0078】
しかしながら、本実施の形態に係る照明器具510のように、継ぎ手201の可動軸が2点以上(ユニット側アーム連結部250、連結部227a、連結部227b)あれば、この可動軸によって、一定の距離の動きだけでなく、光源ユニット100の固定位置を上下方向、左右方向(A−B方向)により広く変更することができる。これにより、使用者自身が光源ユニット100から照射される光の照射方向の角度を調節することにより得られる照度の範囲は、広くなり、効果的に光源ユニット100から照射される光の照射方向を演出することができる。つまり、本実施の形態に係る照明器具510によれば、直接視認困難な場所でも電源部(電源ユニット300)を容易に固定できるとともに、間接光を効果的に演出することができる。
【0079】
使用者が必要とする照度が高い場合、光源ユニット100が有するLED素子131の数を多くして対応することが必要となる。そのためには、光源ユニット100を構成しているLEDモジュール基板130の枚数を増やさなければならないので、光源ユニット100のサイズを電源ユニット300より大きく、かつ長くすることが必要になる。
【0080】
この照明器具500では、光源ユニット100と電源ユニット300は分離されているので、光源ユニット100のサイズに関係なく、電源ユニット300のサイズは変わらず、光源ユニット100が小さかったときと同じサイズを保つことができ、光源ユニット100のサイズが大きくなっても、電源ユニット300を小型化することができる効果がある。
【0081】
継ぎ手200の光源取付部210は、光源ユニット100の長手方向の端面には取り付けられておらず、光源ユニット100の短手方向の端部である側面または下面に取り付けられている。そして、継ぎ手200の電源取付部230は、電源ユニット300のユニット天面344または短手方向の端部である側面に取り付けられている。
【0082】
継ぎ手200の光源取付部210が取り付けられている場所が、光源ユニット100の長手方向の両端部(両端面)でないため、光源ユニット100を連結した場合に継ぎ目が無く連結することができる。照明器具500の設置場所に応じて、照明器具500,510の光源ユニット100を複数個連結して配置することができ、使用者が必要とする最適なサイズに変更可能である。つまり、照明器具500,510の光源ユニットを長手方向に複数個連結させることができる。
【0083】
本実施の形態に係る照明器具510の継ぎ手201によれば、アーム部220が複数の板(アーム中間部220a,220b,220c)を連結させて構成するとともに、連結したアーム部220を折り曲げた最小状態が1枚の板の長さとなるように構成している。この構成により、光源ユニット100の可動範囲を広げるとともに、電源ユニット300の真上に光源ユニット100を載せたとき、継ぎ手201(アーム部220)を最小状態とすることができる。
【0084】
以上、実施の形態1〜2について説明したが、これらのうち、2つの実施の形態を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらのうち、1つの実施の形態を部分的に実施しても構わない。あるいは、これらのうち、2つの実施の形態を部分的に組み合わせて実施しても構わない。
【符号の説明】
【0085】
100 光源ユニット、110 カバー、120 反射部、130 LEDモジュール基板、131 LED素子、132 コネクタ、133 実装面、140 取付板、141 基板取付面、142 取付板裏面、143 裏面突出部、144 折り曲げ部、145 裏面側縁部、200,201 継ぎ手、210 光源取付部、220 アーム部、220a,220b,220c アーム中間部、221a,222a,223a,224a 継ぎ手固定ネジ、221b,222b,223b,224b ナット、221c,222c,223c,224c ワッシャー、227 連結部、230 電源取付部、240 取付板側アーム連結部、250 ユニット側アーム連結部、300 電源ユニット、310 電源ユニットトップ、320 電源モジュール、330 電源端子台、340 電源ユニットボトム、341 電源ユニット取付部、342 取付用穴、343 ユニット底面、344 ユニット天面、345 天面側縁部、500,510 照明器具、600 コーブ天井、610 照明器具取付面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長方形状をなし、発光面と前記発光面の裏面とを有し、前記発光面の長手方向に光源が並べて配置される取付部と、
前記取付部の前記裏面に設けられる第1の連結部と、
底面と前記底面に対向する天面とを備え、前記光源を点灯させるための電力を供給する電源装置を収納する電源ユニットと、
前記電源ユニットの前記天面に設けられる第2の連結部と、
一方の端部が前記第1の連結部と可動に連結されるとともに、他方の端部が前記第2の連結部と可動に連結されるアームと
を備えることを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記第1の連結部は、前記裏面の短手方向両端の一対の裏面側縁部のうちの一方の裏面側縁部に設けられることを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記天面は、長方形状であり、
前記第2の連結部は、前記天面の短手方向両端の一対の天面側縁部のうちの一方の天面側縁部に設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記第2の連結部は、前記天面の短手方向両端の一対の天面側縁部のうち、前記第1の連結部が設けられた短手方向端部側とは異なる短手方向端部側の天面側縁部に設けられることを特徴とする請求項3に記載の照明器具。
【請求項5】
前記アームは、
前記天面に対する傾きが変更自在になるように前記第2の連結部に連結されるとともに、前記裏面に対する傾きが変更自在になるように前記第1の連結部に連結されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の照明器具。
【請求項6】
前記アームは、互いに連結された複数のアーム構成部材を備え、
前記複数のアーム構成部材は、隣接する各アーム構成部材同士が可動に連結されていることを特徴する請求項1〜5のいずれかに記載の照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−174580(P2012−174580A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−36930(P2011−36930)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(390014546)三菱電機照明株式会社 (585)
【Fターム(参考)】