説明

照明器具

【課題】 中継コネクタ320、480の接続を組み替えることによって、2つの光源ユニット400のうちいずれかが故障しても、正常の光源ユニット400を点灯させる照明器具1000を提供する。
【解決手段】 照明器具1000は、それぞれに光源ユニット400を収納する2つの器具本体100と、点灯回路ユニット300と、2つの器具本体100の一方側に収納され、2つの光源ユニット400と点灯回路ユニット300とを着脱可能に接続するとともに、その接続の組み合わせが選択されることにより、2つの光源ユニット400のうちのいずれかを点灯回路ユニット300に接続する、または2つの光源ユニット400が直列接続されて点灯回路ユニット300に接続する中継コネクタ320、480を備えるので、2つの光源ユニット400のうちいずれかが故障しても、正常の光源ユニット400を点灯させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、発光ダイオード(以下「LED」と呼ぶ。)または有機エレクトロルミネッセンス(以下「有機EL」と呼ぶ。)を点灯する照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光源としてのLEDチップが基板に複数実装されたLEDモジュールなどを有する光源ユニットを、本体フレームに着脱可能な照明装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−198859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、LEDモジュールを構成するLEDチップに開放故障が起こったときは、LEDモジュールを交換するまで、すべてのLEDモジュールが点灯できなくなる恐れがあった。
【0005】
本発明は、中継コネクタの接続を組み替えることによって、複数の光源ユニットのうちいずれかが故障しても、正常の光源ユニットを点灯させる照明器具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に関する照明器具は、2つの光源ユニットと、この光源ユニットをそれぞれ収納する2つの器具本体と、前記2つの光源ユニットに電力を供給する点灯回路ユニットと、前記2つの器具本体の一方に収納され、前記2つの光源ユニットと前記点灯回路ユニットとを着脱可能に接続するとともに、前記2つの光源ユニットと前記点灯回路ユニットとの接続の組み合わせを選択することにより、前記2つの光源ユニットのうちのいずれかを前記点灯回路ユニットに接続する、または前記2つの光源ユニットが直列接続されて前記点灯回路ユニットに接続する中継コネクタと、を備える。
【発明の効果】
【0007】
この発明にかかる照明器具によれば、複数の光源ユニットのうちいずれかが故障しても、正常の光源ユニットを点灯させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態1の照明器具を示す斜視図である。
【図2】図1に示す照明器具の正面図である。
【図3】図1に示す照明器具の分解斜視図である。
【図4】図1の光源ユニットを背面からみた斜視図である。
【図5】図3の光源ユニットを分解した斜視図である。
【図6】図1の照明器具の内部配線を示す内部配線図である。
【図7】実施の形態1の点灯回路ユニットの回路構成を示す回路図である。
【図8】図6の照明器具の内部配線を簡略化した結線図である。
【図9】図6の照明器具の他の内部配線を示す結線図である。
【図10】図6の照明器具の他の内部配線を示す結線図である。
【図11】図6の照明器具の他の内部配線を示す結線図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態の照明器具を示す斜視図であり、図2は、図1に示す照明器具の正面図であり、図3は、図1の照明器具の一部を分解した分解斜視図である。
【0010】
照明器具1000は、2つの器具本体100と、この2つの器具本体100を連結し、それぞれの器具本体100の端部を形成する2つの連結部200と、2つの器具本体100のうちのいずれか一方に取り付けられる点灯回路ユニット300と、それぞれの器具本体100に取り付けられる光源ユニット400と、それぞれの器具本体100に取り付けられるルーバー500とを備える。
【0011】
ここで、2つの器具本体100を合わせて、照明器具本体という場合がある。また、説明の便宜上、点灯回路ユニット300が取り付けられる一方の器具本体100を、点灯回路ユニット内蔵器具本体100aという場合があり、他方の器具本体100を増光用器具本体100bという場合がある。また、説明の便宜上、点灯回路ユニット内蔵器具本体100aに取り付けられる光源ユニット400を単に光源ユニット400aという場合があり、増光用器具本体100bに取り付けられる光源ユニット400を増光用光源ユニット400bという場合がある。
【0012】
図4は、図3の光源ユニットを背面からみた斜視図であり、図5は、図4の光源ユニットを分解した斜視図であり、図6は、図1の照明器具の内部配線を示す内部配線図である。なお、図6に示す照明器具は、内部配線が分かるように、図2に示す照明器具の正面図からルーバー500を取り外し、光源ユニット400の長手方向一端側を切断した状態を表している。
【0013】
器具本体100は、断面がコの字状をなし、長方形状の天面110と、この天面110の短手方向の両側からほぼ直角に折り曲げられて形成される2つの側面120と、を備える。
【0014】
天面110は、3つの長方形状の通気穴111(以下、空調リターン穴111ともいう。)と、点灯回路ユニット300が取り付けられる点灯回路ユニット取付部112(図示しない。)と、光源ユニット400が取り付けられる4つの光源ユニット取付穴113と、を有する。
側面120は、下端側にルーバーを引っ掛ける凸状のルーバー取付部121を備える。
【0015】
連結部200は、L字状に折り曲げられて形成され、一面210が器具本体100の長手方向端部に取り付けられる2つの幅広部211と、この2つの幅広部211の間(2つの器具本体110間)が幅広部211よりも狭い幅狭部212からなるコの字形状をなし、他面220が器具本体100の長手方向端部側かつ天面110に取り付けられるI字形状をなしている。
【0016】
この連結部200の一面210(幅広部211)には、天井に格子状に設けられているTバーに係止する2つのTバー取付金具230と、ルーバー500が取り付けられる4つのルーバー取付穴240と、を備える。
【0017】
なお、連結部200の一面210(幅狭部212)には、電源線が取り付けられる電源端子台213や、調光線などが取り付けられる調光線取付端子台などを有する場合があるが、詳細説明は省略する。
【0018】
点灯回路ユニット300は、接続される光源ユニット400に電流を供給して点灯させる。この点灯回路ユニット300から2本の出力電線310(以下、内部配線310ともいう。)が引き出され、一方の出力電線310には点灯回路ユニット用メス型コネクタ320a、他方の出力電線310には点灯回路ユニット用オス型コネクタ320bを有している。この点灯回路ユニット用メス型コネクタ320aと点灯回路ユニット用オス型コネクタ320bを合わせて、単に中継コネクタ320という。この点灯回路ユニット300用の中継コネクタ320は、2つの器具本体100のうち、点灯回路ユニット300が取り付けられていない器具本体100側に収納される。
【0019】
光源ユニット400は、断面形状が「Σ」形状の反射板410と、この反射板410に取り付けられるとともに、器具本体100に取り付けられる器具本体固定部420と、反射板410に取り付けられる絶縁シート430、光源モジュール440(以下、LEDモジュール440ともいう。)及び反射カバー450及び透明カバー460と、光源モジュール440に接続される2本の入力電線470(以下、内部配線470ともいう。)と、この2本の入力電線470のうち、一方に接続される光源ユニット用メス型コネクタ480aと、2本の入力電線のうち、他方に接続される光源ユニット用オス型コネクタ480bと、を備える。
【0020】
なお、光源ユニット用メス型コネクタ480aと光源ユニット用オス型コネクタ480bを合わせて、単に中継コネクタ480という。この光源ユニット400用の中継コネクタ480は、点灯回路ユニット300用の中継コネクタ320が収納される器具本体100側に収納される。
【0021】
反射板410は、絶縁シート420、光源モジュール430及び反射カバー440が取り付けられる凹状の光源取付部411と、この光源取付部411から両側に斜め方向に折り曲げられて形成される反射板反射面412と、この反射板反射面412から鋭角に折り曲げられて形成される折返面413と、を備える。
【0022】
この反射板410は、正面からみたときの正面視がほぼ長方形に形成され、短手方向の長さ(2つの反射板反射面412の両端までの長さ)が、器具本体100の短手方向の長さよりも短くなっている。
【0023】
器具本体固定部420は、側面形状が「く」の字状に形成され、光源取付部411の裏面に取り付けられる反射板取付部421と、この反射板取付部421から斜め方向に折り曲げられて形成されるアーム部422と、このアーム部422の先端に設けられ、器具本体100にネジ423などの固定具によって取り付けられるアーム固定部424と、を備える。
【0024】
絶縁シート430は、光源取付部411に取り付けられ、絶縁性と放熱性を有するシート状のシリコンシート、サーコンシート、マイカシート、ポリエチレンシートなどである。
【0025】
光源モジュール440は、13個のLED441(以下、光源部441ともいう。)と、このLED441が実装されるLED基板442からなる。
【0026】
この光源モジュール440は、ネジ443によって、絶縁シート430とともに、光源取付部411に取り付けられる。
【0027】
また、光源モジュール440は、他の光源モジュール440や点灯回路ユニット300に電気的かつ物理的に接続されるハーネス444が取り付けられるコネクタをLED基板412上に実装するが、詳細説明は省略する。また、このコネクタを覆う絶縁カバー445を備える場合もあるが、これは、コネクタと、このコネクタの近くに配置される金属部分との絶縁距離を確保するためのものである。
【0028】
反射カバー450は、光源モジュール440のLED441が挿入される13個のLED挿入窓451と、このLED挿入窓451から四方に傾斜してLED441が発する光を反射する反射面452と、この反射面452の短手方向に平面状に広がるカバー支持部454と、このカバー支持部454の端部からほぼ垂直に設けられるカバー取付部455と、このカバー取付部455の発光面側かつ内側に突出するカバー押さえ片455aと、カバー取付部455にカバー押さえ片455aとは逆方向から切り込まれたスリット455bを有するとともに、光源取付部411に係合する弾性を有する係止片455cと、カバー支持部454の長手方向の端部にLED441が発光する方向に突出する突出片456と、を備える。
【0029】
透明カバー460は、ほぼ長方形のシート状に形成された透過性を有する透明なアクリルシートなどである。なお、この実施の形態では、透明カバー460を用いた場合を説明するが、透明カバー460に替えて透光性(光拡散性)を有する透光カバー、例えば乳白アクリルシートなどであっても構わない。したがって、透明カバー460を透過性カバー460という場合がある。
【0030】
ルーバー500は、梯子状に形成され、2つのルーバー連結片510と、この2つのルーバー連結片510に略垂直に取り付けられる12枚のルーバー片520と、を備える。
【0031】
ルーバー連結片510は、長手方向の一端側にT字状のスリットが形成されるルーバー取付溝511と、長手方向の他端側に設けられ、摺動可能な取付ピン512と、を備える。
【0032】
ルーバー片520は、扇状の板材となっており、ルーバー500は、摺動可能な取付ピン512などで器具本体100に取り付けられる。
【0033】
次に、点灯回路ユニット300の構成について説明する。
図7は、図3の照明器具の点灯回路ユニットの回路構成を示す回路図である。
【0034】
点灯回路ユニット300は、交流電圧ACが供給され、直流電圧に変換する直流電源回路330と、この直流電源回路330が出力する直流電流が入力され、点灯回路ユニット300用の中継コネクタ320及び光源ユニット400用の中継コネクタ480を介して接続される光源モジュール440に定電流を供給する定電流電源回路340と、この定電流電源回路340が出力する出力電圧を検出する出力電圧検出回路350と、定電流電源回路340が光源モジュール440に供給している電流を検出する出力電流検出回路360と、この出力電流検出回路360及び出力電圧検出回路350が検出する検出電流及びこの検出電圧に基づいて、定電流電源回路340を制御する制御回路370と、を備える。
【0035】
直流電源回路330は、例えば、昇圧形チョッパ回路などである。
【0036】
定電流電源回路340は、直流電源回路の高電位側にドレイン端子が接続されるMOS−FET341と、このMOS−FET341のソース端子にカソード端子が接続されるダイオード342と、同じくMOS−FET341のソース端子に一端が接続されるインダクタ343と、このインダクタ343の他端に接続されるコンデンサ344と、MOS−FET341のゲート端子に接続され、MOS−FET341のオン/オフを行う駆動回路345と、を備える。この実施の形態の定電流電源回路340の構成は、いわゆるバックコンバータであるが、ブーストコンバータ、フライバックコンバータ、フォワードコンバータなどであっても構わない。
【0037】
出力電圧検出回路350は、定電流電源回路340の出力端子間に接続され、2つの抵抗351、352が直列接続されている。この2つの抵抗351、352の接続点から、定電流電源回路340が出力している出力電圧に比例する出力電圧検出信号(以下、単に出力電圧検出信号という場合は、定電流電源回路340が出力する出力電圧を含む場合がある。)を出力する。なお、この実施の形態における出力電圧検出回路350は、2つの抵抗351、352を直列接続している場合について説明するが、3つ以上の抵抗を直列接続しても構わない。
【0038】
出力電流検出回路360は、定電流電源回路340の低電位側と光源モジュール440の間に接続され、1つの抵抗361からなる。この抵抗361と光源モジュール440の接続点から、定電流電源回路340が光源モジュール440に供給している出力電流に相当する出力電流検出信号を出力する。
【0039】
制御回路370は、例えば、マイコンなどである。制御回路370は、判定部371と、設定部372とを有する。
【0040】
設定部372には、第一の電流基準値(例えば、光源モジュール440に流す電流320mAに相当する0.86V)と第二の電流基準値(例えば、光源モジュール440に流す電流450mAに相当する1.22V)が設定されている。
【0041】
判定部371は、点灯回路ユニット300に交流電圧が入力されてから、所定時間(例えば500ms)の間、定電流電源回路340を動作させ、光源モジュール440に流れる電流が第一の電流基準値と等しくなるように制御し、このときに出力電圧検出回路340が検出する検出電圧に基づいて、点灯回路ユニット300に接続されている光源モジュール440の灯数を判定し、所定時間経過後、光源モジュール440の灯数が2灯である場合は、定電流電源回路340が光源モジュール440に供給する電流を第一の電流基準値と等しくなるように定電流電源回路340(駆動回路345)に発振制御信号を出力し、光源ユニット400の灯数が1灯である場合は、定電流電源回路340が光源ユニット400に供給する電流を第二の電流基準値と等しくなるように定電流電源回路340(駆動回路345)に発振制御信号を出力する。
【0042】
なお、この実施の形態では、点灯回路ユニット300に接続される光源ユニット400の灯数を1灯の場合と2灯の場合について説明するが、設定部372に3つ以上の接続灯数に対応するそれぞれの電流基準値を持たせて、点灯回路ユニット300に接続される光源ユニット400の灯数を3灯以上としてもよい。この場合も、判定部371が点灯回路ユニット300に接続される灯数を判定するまでの期間は、複数の電流基準値のうち、最も小さい値の電流基準値を用いて、光源ユニット400を点灯させると、点灯回路ユニット300の出力電力容量の最大値が抑えられ、接続灯数が異なっても、点灯回路ユニット300の出力電力容量の変動幅を抑えることができる。
【0043】
次に2つの器具本体100のそれぞれの光源ユニット400と点灯回路ユニット300間を電気的かつ物理的に接続される出力電線310ならびに点灯回路ユニット300用の中継コネクタ320と、入力電線470ならびに光源ユニット400用の中継コネクタ480について説明する。
【0044】
図8は、図6の照明器具の内部配線を簡略化したものであり、光源ユニットと点灯回路ユニットの電気接続を示す内部配線図である。
【0045】
点灯回路ユニット300に接続される出力電線310と、点灯回路ユニット内蔵器具本体100aに取り付けられる光源ユニット400に接続されている入力電線470は、点灯回路ユニット内蔵器具本体100aの長手方向の端部側面から連結部200に引き出され、この連結部200に沿って配線され、増光用器具本体100bの長手方向の端部側面から内部に引き込まれる。
【0046】
増光用器具本体100bに引き込まれた出力電線310の点灯回路ユニット用メス型中継コネクタ320aと、同じく増光用器具本体100bに引き込まれた入力電線470の光源ユニット用オス型中継コネクタ480bとが接続される。
【0047】
また、増光用器具本体100bに引き込まれた入力電線470の光源ユニット用メス型中継コネクタ480aは、増光用器具本体100bに取り付けられる光源ユニット400に接続されている入力電線470の光源ユニット用オス型中継コネクタ480bに接続される。
【0048】
また、増光用器具本体100bに引き込まれた出力電線310の点灯回路ユニット用オス型中継コネクタ320bは、増光用器具本体100bに取り付けられる光源ユニット400に接続されている入力電線470の光源ユニット用メス型中継コネクタ480aに接続される。
【0049】
次に、照明器具1000の2つの光源ユニット400のうち、いずれか一方の光源ユニット400が故障した場合について説明する。
【0050】
点灯回路ユニット内蔵器具本体100a側の光源ユニット400が故障した場合について説明する。
図9は、点灯回路ユニット300と、片側の光源ユニット400のみとを結線した内部配線の簡略した配線図である。
【0051】
光源ユニット400aが故障したとき、光源ユニット400a側の光源ユニット用メス型中継コネクタ480aと光源ユニット用オス型中継コネクタ480bを、点灯回路ユニット300側の点灯回路ユニット用メス型コネクタ320aと増光用光源ユニット400b側の光源ユニット用オス型コネクタ480bから外す。
【0052】
次に、外した点灯回路ユニット300側の点灯回路ユニット用メス型コネクタ320aと増光用光源ユニット400b側の光源ユニット用オス型コネクタ480bを接続する。
【0053】
同様に、増光用器具本体100b側の光源ユニット400が故障した場合について説明する。
図10は、点灯回路ユニット300と、図9の光源ユニットとは反対側の光源ユニット400のみとを結線した内部配線の簡略した配線図である。
【0054】
増光用光源ユニット400bが故障したとき、増光用光源ユニット400b側の光源ユニット用メス型中継コネクタ480aと光源ユニット用オス型中継コネクタ480bを、点灯回路ユニット300側の点灯回路ユニット用オス型コネクタ320bと増光用光源ユニット400b側の光源ユニット用メス型コネクタ480aから外す。
【0055】
次に、外した点灯回路ユニット300側の点灯回路ユニット用オス型コネクタ320bと光源ユニット400a側の光源ユニット用メス型コネクタ480aを接続する。
【0056】
このように、点灯回路ユニット300用の中継コネクタ320と光源ユニット400用の中継コネクタ480を差し替えることにより、1つの点灯回路ユニット300に対して、2つの光源ユニット400の直列接続と、どちらか片側の光源ユニット400のみへの接続変更が可能である。
【0057】
したがって、点灯回路ユニット300は、2つの光源ユニット400に直列接続しているため、万一オープン故障が起こった際、全てが不点灯となるが、点灯回路ユニット300用の中継コネクタ320と光源ユニット400用の中継コネクタ480を差し替えることにより接続の変更が可能であるので、どちらの光源ユニット400がオープン故障したか特定することができ、また、故障した光源ユニット400を直列接続から除き、正常側の光源ユニット400のみでの点灯を再開することができる。
【0058】
また、点灯回路ユニット300は、接続される光源ユニット400の数を識別し、接続される光源ユニット400が少ないときは、光源ユニット400に供給する電流を増加させることができるので、光源ユニット400の故障により、光源ユニット400の数が減った分の明るさを補うことができる。
【0059】
また、点灯回路ユニット300用の中継コネクタ320と光源ユニット400用の中継コネクタ480は、点灯回路ユニット300が取り付けられている器具本体100(点灯回路ユニット内蔵器具本体100a)と反対側の器具本体100(増光用器具本体100b)に設けられているため、ルーバー500および光源ユニット400の開閉、脱着などの施工は、器具本体100(増光用器具本体100b)の片側のみで賄うことができ、点灯回路ユニット300が取り付けられている側の器具本体100(点灯回路ユニット内蔵器具本体100a)の施工は不要とすることができる。
【0060】
光源ユニット400を器具本体100から取り外しやすくしているので、点灯回路ユニット300用の中継コネクタ320と光源ユニット400用の中継コネクタ480の差し替えを容易に行うことができる。
【0061】
また、光源ユニット400を器具本体100から取り外しやすくしているので、光源ユニット400の交換が容易となる。
【0062】
次に、照明器具1000の明るさを増加させる方法について説明する。
【0063】
図11は、点灯回路ユニット300を器具本体100に追加したときの内部配線を示す結線図である。
【0064】
天井などに多くの照明器具1000が設置されているが、その使用用途(ビルのテナントが替わったり、レイアウト変更などを行ったりしたとき)に応じて、照明器具1000の明るさを変更したい場合がある。
【0065】
照明器具1000ごと交換することが多くあるが、光源であるLEDの寿命が長寿命であるため、光源の寿命がきていない照明器具1000を交換して廃棄すると、昨今の3R(リデュース、リユース、リサイクル)政策に則していない。
【0066】
そこで、予め照明器具1000に設置されている点灯回路ユニット300と同じ仕様(性能)を有する増光用点灯回路ユニット300aを準備し、これを用いて、照明器具1000の明るさを増加させる場合について説明する。
【0067】
なお、増光用点灯回路ユニット300aは、点灯回路ユニット300とほぼ同一の構成であるため、同符号を付して詳細説明を省略する。
【0068】
この増光用点灯回路ユニット300aは、2本の出力電線310と、この2本の出力電線310の先端にそれぞれ増光用点灯回路ユニット用メス型中継コネクタ321aと、増光用点灯回路ユニット用オス型中継コネクタ321bを有している。ここで、増光用点灯回路ユニット用メス型中継コネクタ321aと、増光用点灯回路ユニット用オス型中継コネクタ321bを合わせて、単に中継コネクタ321という。
【0069】
まず、増光用器具本体100bからルーバー500を取り外し、次に、増光用光源ユニット400bを取り外す。
【0070】
この状態で、増光用器具本体100bに増光用点灯回路ユニット300aを取り付ける。
【0071】
次に、増光用光源ユニット400bが故障したときと同様に、増光用光源ユニット400b側の光源ユニット用メス型中継コネクタ480aと光源ユニット用オス型中継コネクタ480bを、点灯回路ユニット300側の点灯回路ユニット用オス型コネクタ320bと光源ユニット400a側の光源ユニット用メス型コネクタ480aから外す。
【0072】
その後、外した点灯回路ユニット300側の点灯回路ユニット用オス型コネクタ320bと光源ユニット400a側の光源ユニット用メス型コネクタ480aを接続する。
【0073】
次に、外した増光用光源ユニット400b側の光源ユニット用メス型中継コネクタ480aと光源ユニット用オス型中継コネクタ480bは、それぞれ増光用点灯回路ユニット300aの増光用点灯回路ユニット用オス型中継コネクタ321bと、増光用点灯回路ユニット用メス型中継コネクタ321aに接続する。
【0074】
したがって、光源ユニット400aは、点灯回路ユニット300によって点灯することができ、増光用光源ユニット400bは、増光用点灯回路ユニット300aによって点灯することができる。つまり、点灯回路ユニット300及び増光用点灯回路ユニット300aは、接続される光源ユニット400の灯数が減少すると、出力電流を増加させることができるので、光源ユニット400a、増光用光源ユニット400bの明るさが増加し、照明器具1000としての明るさも増加させることができる。
【0075】
また、点灯回路ユニット300用の中継コネクタ320と光源ユニット400用の中継コネクタ480は、点灯回路ユニット300が取り付けられている器具本体100(点灯回路ユニット内蔵器具本体100a)と反対側の器具本体100(増光用器具本体100b)に設けられているため、ルーバー500の開閉等を行い、追加する増光用点灯回路ユニット300aを取り付ける施工は、器具本体100(増光用器具本体100b)の片側の施工のみで賄うことができ、点灯回路ユニット300が予め取り付けられている側の器具本体100(点灯回路ユニット内蔵器具本体100a)の施工は不要とすることができる。
【0076】
なお、本実施の形態では、点灯回路ユニット300に光源ユニット400aを接続し、増光用点灯回路ユニット300aに増光用光源ユニット400bを接続する場合について説明したが、点灯回路ユニット300に増光用光源ユニット400bを接続し、増光用点灯回路ユニット300aに光源ユニット400aを接続してもよい。
【符号の説明】
【0077】
1000 照明器具、100 器具本体、100a 点灯回路ユニット内蔵器具本体、100b 増灯用器具本体、110 天面、111 通気穴(空調リターン穴)、112 点灯回路ユニット取付部、113 光源ユニット取付穴、120 側面、121 ルーバー取付部、200 連結部、210 一面、211 幅広部、212 幅狭部、213 電源端子台、220 他面、230 Tバー取付金具、240 ルーバー取付穴、300 点灯回路ユニット、300a 増光用点灯回路ユニット、310 出力電線、320 中継コネクタ、320a 点灯回路ユニット用メス型中継コネクタ、320b 点灯回路ユニット用オス型中継コネクタ、321 中継コネクタ、321a 増光用点灯回路ユニット用メス型中継コネクタ、321b 増光用点灯回路ユニット用オス型中継コネクタ、330 直流電源回路、340 定電流電源回路、341 MOS−FET、342 ダイオード、343 インダクタ、344 コンデンサ、345 駆動回路、350 出力電圧検出回路、351、352 抵抗、360 出力電流検出回路、361 抵抗、370 制御回路、371 判定部、372 設定部、400、400a 光源ユニット、400b 増光用光源ユニット、410 反射板、411 光源取付部、412 反射板反射面、413 折返面、420 器具本体固定部、421 反射板取付部、422 アーム部、423 ネジ、424 アーム固定部、430 絶縁シート、440 光源モジュール、441 LED、442 LED基板、443 ネジ、444 ハーネス、445 絶縁カバー、450 反射カバー、451 LED挿入窓、452 反射面、455 反射カバー取付部、455a カバー押さえ片、455b スリット、455c 係止片、456 突出片、460 透明カバー(透過性カバー)、470 入力電線、480 中継コネクタ、480a 光源ユニット用メス型中継コネクタ、480b 光源ユニット用オス型中継コネクタ、500 ルーバー、510 ルーバー連結片、511 ルーバー取付溝、512 取付ピン、520 ルーバー片。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの光源ユニットと、
この光源ユニットをそれぞれ収納する2つの器具本体と、
前記2つの光源ユニットに電力を供給する点灯回路ユニットと、
前記2つの器具本体のうちの一方側に収納され、前記2つの光源ユニットと前記点灯回路ユニットとを着脱可能に接続するとともに、前記2つの光源ユニットと前記点灯回路ユニットとの接続の組み合わせが選択されることにより、前記2つの光源ユニットのうちのいずれかを前記点灯回路ユニットに接続する、または前記2つの光源ユニットが直列接続されて前記点灯回路ユニットに接続する中継コネクタと、
を備えることを特徴とする照明器具。
【請求項2】
2つの光源ユニットと、
この光源ユニットをそれぞれ収納する2つの器具本体と、
前記2つの器具本体のうちの一方側に取り付けられ、前記2つの光源ユニットに電力を供給する点灯回路ユニットと、
前記2つの器具本体のうちの他方側に収納され、前記2つの光源ユニットと前記点灯回路ユニットとを着脱可能に接続するとともに、前記2つの光源ユニットと前記点灯回路ユニットとの接続の組み合わせが選択されることにより、前記2つの光源ユニットのうちのいずれかを前記点灯回路ユニットに接続する、または前記2つの光源ユニットが直列接続されて前記点灯回路ユニットに接続する中継コネクタと、
を備えることを特徴とする照明器具。
【請求項3】
前記器具本体の他方にさらに増灯用点灯回路ユニットが取り付けられ、
前記点灯回路ユニットは、前記中継コネクタの接続の組み合わせにより、前記器具本体の一方側に取り付けられる前記光源ユニットに接続され、
前記増灯用点灯回路ユニットは、前記中継コネクタの接続の組み合わせにより、前記器具本体の他方側に取りつけられる前記光源ユニットに接続されることを特徴とする請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記点灯回路ユニットは、接続される前記光源ユニットの数を識別し、接続される前記光源ユニットの数が少なくなるほど、出力する出力電流を増加させることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−204145(P2012−204145A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−67664(P2011−67664)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(390014546)三菱電機照明株式会社 (585)
【Fターム(参考)】